霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二二章 窮策(きゆうさく)の替玉(かへだま)〔一七二〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第4巻 霊主体従 卯の巻 篇:第3篇 正邪混交 よみ(新仮名遣い):せいじゃこんこう
章:第22章 窮策の替玉 よみ(新仮名遣い):きゅうさくのかえだま 通し章番号:172
口述日:1921(大正10)年12月23日(旧11月25日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年3月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
いかなる善なる事業も、神明の許諾を得なければ実現することは難しいのである。八王大神が野心を内蔵している以上、常世会議が紛糾するのも当然のことである。
八王大神の急病は、鬼武彦の国祖の神命にしたがった活動の結果であった。八王大神の容態は激烈で、苦悶にあえぎながらも自らの野心に執着していた。
常世姫は、自分だけの力量では会議を意図通りに操縦することが難しいことを不安に思っていた。そこで、八王大神と体格の似た道彦を変装させ、八王大神として会議に出席させるよう謀議が決まった。
八王大神の扮装をした道彦は、顔も姿形も八王大神によく似ていることに、常世姫も驚いた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:0000-00-00 00:00:00 文字数:1673 OBC :rm0422
愛善世界社版:141頁 八幡書店版:第1輯 423頁 修補版: 校定版:149頁 普及版:64頁 初版: ページ備考:
001 いかなる美事(びじ)善事(ぜんじ)といへども、002天地(てんち)根本(こんぽん)の大神(おほかみ)の御(ご)許容(きよよう)なきときは、003完全(くわんぜん)に何(なに)の事業(じげふ)といへども、004成功(せいこう)すること不可能(ふかのう)なり。005世界(せかい)の一切(いつさい)はすべて神(かみ)の意志(いし)のままにして、006神(かみ)は宇宙(うちう)一切(いつさい)をして至美(しび)至善(しぜん)の境界(きやうかい)に転回(てんくわい)せしめむとするが第一(だいいち)の理想(りさう)にして、007かつ生命(せいめい)なり。008ゆゑに如何(いか)なる善(ぜん)なる事業(じげふ)といへども、009第一(だいいち)に神明(しんめい)を祭(まつ)り、010神明(しんめい)の許諾(きよだく)を得(え)て着手(ちやくしゆ)せざれば、011その善(ぜん)も神(かみ)をして悦(よろこ)ばしむることを得(え)ず。012つまり神(かみ)の眼(め)よりは、013自由(じいう)行動(かうどう)の所為(しよゐ)と見(み)られ、014かつ宇宙(うちう)の大本(おほもと)たる神明(しんめい)の尊厳(そんげん)を犯(をか)すものとなるがゆゑなり。015いはンや、016心中(しんちゆう)大(だい)なる野心(やしん)を包蔵(はうざう)し、017天下(てんか)の神人(しんじん)を籠絡(ろうらく)したる八王(やつわう)大神(だいじん)、018および、019大自在天(だいじざいてん)一派(いつぱ)の今回(こんくわい)の常世(とこよ)会議(くわいぎ)における、020紛糾(ふんきう)混乱(こんらん)怪事(くわいじ)百出(ひやくしゆつ)するなどは、021国祖(こくそ)の神(かみ)の大御心(おほみこころ)に叶(かな)はざりし確(たしか)なる證拠(しようこ)なるべし。022これを思(おも)へば人間(にんげん)はいかなる善事(ぜんじ)をなすも、023まづ神(かみ)の許(ゆる)しを受(う)けて、024至誠(しせい)至実(しじつ)の心(こころ)をもつて熱心(ねつしん)にとりかからざるべからざるものなり。
025 ある信徒(しんと)の中(なか)には、026抜(ぬ)けがけの功名(こうみやう)を夢(ゆめ)み、027神(かみ)のため道(みち)のため、028非常(ひじやう)なる努力(どりよく)をはらひ九分(くぶ)九厘(くりん)の域(ゐき)に達(たつ)したるとき、029その誠意(せいい)は貫徹(くわんてつ)せずしてガラリとはづれることあり。030その時(とき)にいふ、031吾々(われわれ)は神(かみ)のため、032道(みち)のため、033最善(さいぜん)の努力(どりよく)をつくすにもかかはらず、034神(かみ)はこれを保護(ほご)したまはず。035神(かみ)は果(はた)してこの世(よ)にありや。036一歩(いつぽ)をゆづつて神(かみ)が果(はた)してありとせば、037無力(むりよく)無能(むのう)理義(りぎ)を解(かい)せざるものと嘲罵(てうば)し、038あるひは恨(うら)み、039つひには信仰(しんかう)より離(はな)るる者(もの)多(おほ)し。040しかしそれこそ大(だい)なる誤解(ごかい)慢心(まんしん)と云(い)ふべし。041神(かみ)が人間(にんげん)をこの世(よ)に下(くだ)したまへる目的(もくてき)は、042何事(なにごと)も神(かみ)の命(めい)のまにまに、043天地(てんち)の経綸(けいりん)に当(あた)らしめむが為(ため)なり。044もし、045神(かみ)にして善事(ぜんじ)ならば自由(じいう)行動(かうどう)をなしても差支(さしつかへ)なしとする時(とき)は、046ここに宇宙(うちう)一切(いつさい)の秩序(ちつじよ)を破壊(はくわい)するの端(たん)を開(ひら)くことを忌(い)みたまふが故(ゆゑ)なり。047ゆゑに、048一旦(いつたん)神(かみ)に祈願(きぐわん)し着手(ちやくしゆ)したることは、049たとへその事(こと)が万一(まんいち)失敗(しつぱい)に終(をは)るとも、050ふたたび芽(め)を吹(ふ)き出(だ)し、051立派(りつぱ)に花(はな)咲(さ)き実(みの)る時期(じき)あるものなり。052これに反(はん)して自己(じこ)の意志(いし)よりはじめて失敗(しつぱい)したることは、053決(けつ)して回復(くわいふく)の時期(じき)はなきのみならず、054神(かみ)の怒(いか)りに触(ふ)れて、055つひには身(み)を亡(ほろ)ぼす結果(けつくわ)をきたすものなり。
056 八王(やつわう)大神(だいじん)はじめ、057常世姫(とこよひめ)らの連日(れんじつ)の献身(けんしん)的(てき)大活動(だいくわつどう)も、058最初(さいしよ)に神(かみ)の認可(にんか)を得(え)ず、059加(くは)ふるに胸中(きようちう)に大野心(だいやしん)を包蔵(はうざう)しての開催(かいさい)なれば、060成功(せいこう)せざるは当然(たうぜん)の理(り)なり。061しかして八王(やつわう)大神(だいじん)の壇上(だんじやう)にて病気(びやうき)突発(とつぱつ)したるは、062大江山(たいかうざん)の鬼武彦(おにたけひこ)が、063国祖(こくそ)の神命(しんめい)によつて、064邪神(じやしん)の陰謀(いんぼう)を根本(こんぽん)的(てき)に破壊(はくわい)せむとしたる結果(けつくわ)なり。065八王(やつわう)大神(だいじん)の急病(きふびやう)によりて、066常世城(とこよじやう)の大奥(おほおく)は非常(ひじやう)なる混雑(こんざつ)を極(きは)め、067そのためせつかくの会議(くわいぎ)も、068一(いつ)週間(しうかん)停会(ていくわい)するのやむなきに立(た)ちいたりぬ。069八王(やつわう)八頭(やつがしら)をはじめ、070今回(こんくわい)会議(くわいぎ)に集(つど)ひたる神人(かみがみ)は、071代(かは)るがはる八王(やつわう)大神(だいじん)の病気(びやうき)を伺(うかが)ふべく、072夜(よ)を日(ひ)についで訪問(はうもん)したりしが、073常世姫(とこよひめ)は代(かは)りてこれに応接(おうせつ)し、074一柱(ひとはしら)の神人(かみ)もその病床(びやうしやう)に入(い)ることを許(ゆる)さざりける。075八王(やつわう)大神(だいじん)は、076日(ひ)に夜(よ)に幾回(いくくわい)となく激烈(げきれつ)なる吐瀉(としや)をはじめ、077胸部(きようぶ)、078腹部(ふくぶ)の疼痛(とうつう)はげしく、079苦悶(くもん)の声(こゑ)は室外(しつぐわい)に漏(も)れ聞(きこ)へたり。080かかる苦悶(くもん)のうちにも、081今回(こんくわい)の大会議(だいくわいぎ)の成功(せいこう)せむことを夢寐(むび)にも忘(わす)れぬ執着心(しふちやくしん)を持(も)ちゐたるなり。082大神(だいじん)の病(やまひ)は時々(じじ)刻々(こくこく)に重(おも)るばかりにして、083肉(にく)は落(お)ち骨(ほね)は立(た)ち、084ちようど田舎(いなか)の破家(あばらや)のごとく骨(ほね)の壁下地(かべしたぢ)現(あら)はれ、085バツチヤウ笠(がさ)のごとく、086骨(ほね)と皮(かは)とに痩(やせ)きり仕舞(しま)ひけり。
087 常世姫(とこよひめ)は、088重(おも)なる神人(かみがみ)を八王(やつわう)大神(だいじん)の枕頭(ちんとう)に集(あつ)めて協議(けふぎ)を凝(こ)らしたり。089常世姫(とこよひめ)はいかに雄弁(ゆうべん)なりといへども、090この大会議(だいくわいぎ)をして目的(もくてき)を達(たつ)せしむるには、091少(すこ)しく物足(ものた)りなく、092不安(ふあん)の感(かん)あり。093どうしても八王(やつわう)大神(だいじん)の顔(かほ)が議場(ぎぢやう)に現(あら)はれねば、094たうてい進行(しんかう)しがたき議場(ぎぢやう)の形勢(けいせい)なりける。
095 ここに謀議(ぼうぎ)の結果(けつくわ)、096八王(やつわう)大神(だいじん)と容貌(ようばう)、097骨格(こつかく)、098身長(しんちやう)、099態度(たいど)、100分厘(ふんりん)の差(さ)もなき道彦(みちひこ)に、101八王(やつわう)大神(だいじん)の冠(かんむり)を戴(いただ)かせ、102正服(せいふく)を着用(ちやくよう)せしめて、103身代(みがは)りとすることの苦策(くさく)を企(くはだ)てける。104道彦(みちひこ)は招(まね)かれて八王(やつわう)大神(だいじん)の病室(びやうしつ)に入(い)りければ、105常世姫(とこよひめ)は前述(ぜんじゆつ)の結果(けつくわ)を手真似(てまね)で道彦(みちひこ)に伝(つた)へけるに、106道彦(みちひこ)は嬉々(きき)として、107ウーと一声(ひとこゑ)、108首(くび)を二三度(にさんど)も縦(たて)に振(ふ)りて応諾(おうだく)の意(い)を表(へう)しければ、109神人(かみがみ)らは道彦(みちひこ)に衣冠(いくわん)束帯(そくたい)を着用(ちやくよう)せしめて見(み)たるに、110妻(つま)の常世姫(とこよひめ)さへも、111そのあまりによく酷似(こくじ)せるに驚(おどろ)きにける。
112(大正一〇・一二・二三 旧一一・二五 加藤明子録)
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