霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一二章 横紙(よこがみ)破(やぶ)り〔一六二〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第4巻 霊主体従 卯の巻 篇:第2篇 天地暗雲 よみ(新仮名遣い):てんちあんうん
章:第12章 横紙破り よみ(新仮名遣い):よこがみやぶり 通し章番号:162
口述日:1921(大正10)年12月18日(旧11月20日) 口述場所: 筆録者:出口瑞月 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年3月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一部の章はAIによって要約を作成しています。[×閉じる]:
八王大神は壇上に登り、またもや八王の撤廃を訴え、さらに神々自身の武装を除去することを提案した。大自在天の部下・大鷹別は登壇し、八王大神の弁に賛成の意を表して強圧的な演説を述べ立てた。
これにたいして天山の八王・斎代彦は飄然と登壇すると、八王大神、大自在天の強圧的なやり方を痛烈に非難した。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-02-23 18:22:26 文字数:2193 OBC :rm0412
愛善世界社版:72頁 八幡書店版:第1輯 398頁 修補版: 校定版:77頁 普及版:35頁 初版: ページ備考:
001 常世城(とこよじやう)の大広間(おほひろま)の中央(ちうあう)の高座(かうざ)には、002八王(やつわう)大神(だいじん)常世彦(とこよひこ)泰然(たいぜん)として現(あら)はれ、003ふたたび神界(しんかい)永遠(ゑいゑん)の平和(へいわ)確立(かくりつ)のため、004八王神(やつわうじん)の聖職(せいしよく)を撤廃(てつぱい)し、005神人(かみがみ)各自(かくじ)の武装(ぶさう)を除却(ぢよきやく)すべきことを提案(ていあん)したり。
006 大自在天(だいじざいてん)大国彦(おほくにひこ)の重臣(ぢうしん)なる大鷹別(おほたかわけ)[※これ以前は「大鷹彦」と呼ばれていたが、ここ以降は「大鷹別」という名前で呼ばれている。]は、007登壇(とうだん)するや否(いな)や満場(まんぢやう)の諸神司(しよしん)に向(むか)つて、008八王(やつわう)大神(だいじん)の提案(ていあん)にたいし、009縷々(るる)数万言(すうまんげん)を費(つい)やしてその提案(ていあん)を称讃(しようさん)し、010かつ、
011『かくのごとき事理(じり)明白(めいはく)なる天来(てんらい)の福音(ふくいん)にたいして、012異議(いぎ)をはさむ神司(しんし)ありとせば、013我(われ)らは神界(しんかい)平和(へいわ)の攪乱者(かくらんしや)としてこれを排斥(はいせき)せざる可(べか)らず。014諸神司(しよしん)はいづれも公明(こうめい)正大(せいだい)にして、015天下(てんか)の平和(へいわ)を心底(しんてい)より好愛(かうあい)さるる仁義(じんぎ)の方々(かたがた)なれば、016八王(やつわう)大神(だいじん)の大慈眼(だいじがん)の発露(はつろ)ともいふべき今回(こんくわい)の提案(ていあん)に対(たい)しては、017満場(まんぢやう)一致(いつち)もつて本会議(ほんくわいぎ)の大目(だいもく)的(てき)を達成(たつせい)すべく努力(どりよく)されむは必定(ひつぢやう)なりと、018吾々(われわれ)は堅(かた)く信(しん)じて疑(うたが)はざる次第(しだい)なり。019願(ねが)はくば賢明(けんめい)なる諸神司(しよしん)の一致(いつち)的(てき)賛成(さんせい)を世界(せかい)平和(へいわ)のために熱望(ねつばう)して止(や)まざる次第(しだい)なり』
020と頭上(づじやう)より大風呂敷(おほぶろしき)をかぶせ有無(うむ)を言(い)はせず、021一瀉(いつしや)千里(せんり)の勢(いきほひ)を以(もつ)てこの議案(ぎあん)を疾風(しつぷう)迅雷(じんらい)耳(みみ)を覆(おほ)ふに暇(いとま)なく通過(つうくわ)せしめむとしたり。
022 列座(れつざ)の諸神司(しよしん)はまたもや乱暴(らんばう)極(きは)まる議案(ぎあん)の提出(ていしゆつ)と、023大鷹別(おほたかわけ)の強要(きやうえう)的(てき)弁舌(べんぜつ)に不快(ふくわい)の念(ねん)をおこし満場(まんぢやう)寂(せき)として、024一柱(ひとはしら)の立(た)つて応答(おうたふ)弁駁(べんばく)するものなく、025いづれもその突飛(とつぴ)なる提案(ていあん)に呆(あき)れ果(は)て面上(めんじやう)にも、026形容(けいよう)しがたき不安(ふあん)と公憤(こうふん)の色(いろ)ただよひぬ。027中(なか)には隣席(りんせき)の神司(かみ)と眼(め)と眼(め)を見合(みあは)せ、028その横暴(わうばう)に舌(した)をまくものもありける。029常世彦(とこよひこ)をはじめ、030大国彦(おほくにひこ)は苦虫(にがむし)を噛(か)み潰(つぶ)したる如(ごと)き六ケ(むつか)しき面構(つらがま)へを高座(かうざ)に曝(さら)して、031形勢(けいせい)いかんと固唾(かたづ)を呑(の)み手(て)に汗(あせ)を握(にぎ)りて、032何人(なにびと)かの発言(はつげん)を、033もどかしげに待(ま)ちゐたり。
034 このとき天山(てんざん)の八王(やつわう)斎代彦(ときよひこ)は八王(やつわう)大神(だいじん)にむかひ、035発言権(はつげんけん)を求(もと)めながら両腕(りやううで)を振(ふ)りつつ登壇(とうだん)したれば、036諸神司(しよしん)の視線(しせん)は期(き)せずしてその一身(いつしん)に集注(しふちう)したり。
037 斎代彦(ときよひこ)は壇上(だんじやう)に現(あら)はれ咳一咳(がいいちがい)し、038右(みぎ)の手(て)の掌(てのひら)をもつて鼻先(はなさき)を左(ひだり)より右(みぎ)に擦(こす)りあげ、039そのまま右(みぎ)の眼瞼(まぶた)から眼尻(めじり)にかけてツルリと撫(な)で次(つい)で、040洟(みづばな)を右(みぎ)の手(て)の甲(かふ)にてかみ、041ただちに右(みぎ)の乳(ちち)の下(した)あたりの着衣(ちやくい)に無造作(むざうさ)に拭(ふ)きとり、042上唇(うはくちびる)を山形(やまがた)に人中(じんちう)の下(した)に押(お)し上(あ)げ配列(はいれつ)不整(ふせい)なる赤黒(あかぐろ)き歯(は)を剥(む)きだし、043平素(へいそ)得意(とくい)の能弁(のうべん)を活用(くわつよう)するはいまこの時(とき)なり、044との誇(ほこ)りを面(おもて)に遺憾(ゐかん)なく表白(へうはく)したりける。045元来(ぐわんらい)斎代彦(ときよひこ)は磊落(らいらく)不覊(ふき)の勇者(ゆうしや)なり。046八王(やつわう)大神(だいじん)の大勢力(だいせいりよく)も大自在天(だいじざいてん)の権勢力(けんせいりよく)も彼(かれ)にとつては放屁(はうひ)の一(ひと)つとも思(おも)ひをらず。047またもや鼻(はな)をこすり上(あ)げ眼(め)を撫(な)で洟(みづばな)をかみ、048その手(て)を乳(ちち)の方(はう)で拭(ぬぐ)ひながら、049雷声(らいせい)を発(はつ)していふ。
050『元来(ぐわんらい)八王(やつわう)大神(だいじん)かれ何(なに)ものぞ、051大自在天(だいじざいてん)とは彼(か)れ果(はた)して何(なに)ものぞ。052そもそも狐(こ)ン怪(くわい)の屁和(へわ)怪疑(くわいぎ)なるものは、053天地(てんち)神明(しんめい)の大御心(おほみこころ)に出(い)でたるものに非(あら)ずして、054神(かみ)にあらざる神(かみ)の発企(ほつき)に成(な)れるものなれば、055我(われ)らをはじめ諸神司(しよしん)は、056互(たがひ)にその蘊蓄(うんちく)をかたむけて各自(かくじ)の意見(いけん)を吐露(とろ)し正邪(せいじや)理非(りひ)の根本(こんぽん)を討覈(たうかく)し、057和衷(わちう)協同(けふどう)して、058もつて世界(せかい)永遠(ゑいゑん)平和(へいわ)の基礎(きそ)を確立(かくりつ)せざるべからず。059しかるに何(な)ンぞや、060八王(やつわう)大神(だいじん)の強要(きやうえう)的(てき)宣示(せんじ)といひ、061大自在天(だいじざいてん)の部下(ぶか)なる大鷹別(おほたかわけ)の傍若(ばうじやく)無人(ぶじん)の強圧(きやうあつ)的(てき)暴言(ばうげん)といひ、062殆(ほと)ンど巨石(きよせき)を以(もつ)て頭上(づじやう)を打(う)ち砕(くだ)くに等(ひと)しき、063その言辞(げんじ)論説(ろんせつ)の横暴(わうばう)無道(むだう)なる、064どこに和親(わしん)協同(けふどう)の精神(せいしん)がある。065平和(へいわ)を懇望(こんもう)するの至誠(しせい)果(はた)していづれにあるや。066諸神司(しよしん)よ柔順(じうじゆん)と隠忍(いんにん)と盲従(まうじゆう)とは決(けつ)して平和(へいわ)を招来(せうらい)するものに非(あら)ず、067諸神司(しよしん)は本会議(ほんくわいぎ)に対(たい)しては、068無限(むげん)絶対(ぜつたい)的(てき)の権能(けんのう)あり、069しかるに何(なに)を苦(くる)しみてか諸神司(しよしん)らは斯(か)かる大問題(だいもんだい)に対(たい)して沈黙(ちんもく)を守(まも)らるるや。070諺(ことわざ)にいふ、071出(で)る杭(くひ)は打(う)たれ、072喬木(けうぼく)は風(かぜ)にもまる、073如(し)かず退(しりぞ)いて我身(わがみ)の安全(あんぜん)を守(まも)らむ、074とするに如(し)かずと卑怯(ひけふ)の精神(せいしん)に抑圧(よくあつ)されたまふに非(あら)ずや、075左(さ)もなくば八王(やつわう)大神(だいじん)ごとき神司(かみ)の勢力(せいりよく)に恐怖(きようふ)されしに非(あら)ずや。076八王(やつわう)大神(だいじん)も神司(しんし)なれば、077諸神司(しよしん)もまた同様(どうやう)なり、078大自在天(だいじざいてん)の権威(けんゐ)にして、079いかに強大(きやうだい)不可犯(ふかはん)の趣(おもむ)きあるごとく見(み)ゆるとも、080宇宙(うちう)の大元霊(だいげんれい)たる大国治立(おほくにはるたちの)命(みこと)の、081無限(むげん)絶対(ぜつたい)の神威(しんゐ)と慈心(じしん)に比(くら)ぶれば、082象(ざう)にたいする蚤(のみ)の比較(ひかく)にも如(し)かず。083我(われ)らは大神(おほかみ)の厳命(げんめい)にしたがひ、084天山(てんざん)の八王(やつわう)として神明(しんめい)の示教(しけう)を奉戴(ほうたい)し、085普(あまね)く神人(しんじん)を教化(けうくわ)し扶掖(ふえき)す。086これにたいして虱(しらみ)にも比(くら)べがたき微々(びび)たる八王(やつわう)大神(だいじん)、087または大自在天(だいじざいてん)を恐(おそ)るるの理由(りいう)あらむや。088我(われ)らの王(わう)は生(い)ける真正(しんせい)の独一神(どくいつしん)なり。089諸神司(しよしん)よ、090宇宙(うちう)はいかに広大(くわうだい)にして無辺(むへん)なりといへども、091畏(おそ)るべく、092信(しん)ずべく、093親(した)しむべく、094愛(あい)すべきものは真誠(しんせい)の活(い)ける神(かみ)ただ一柱(ひとはしら)あるのみ、095何(な)ンぞ八王(やつわう)大神(だいじん)らの頤使(いし)に盲従(まうじゆう)し、096以(もつ)て真正(しんせい)の神(かみ)の聖慮(せいりよ)に背(そむ)かむや。097諸神司(しよしん)よろしく自己(じこ)の天授(てんじゆ)的(てき)聖職(せいしよく)の神聖(しんせい)不可犯(ふかはん)なる理由(りいう)を反省(はんせい)され、098神(かみ)にあらざる神(かみ)の圧制(あつせい)的(てき)宣示(せんじ)に盲従(まうじゆう)すること勿(なか)れ。099大宇宙(だいうちう)にはただ独一(どくいつ)の真神(しんしん)なる大国治立(おほくにはるたちの)命(みこと)ゐますのみ。100しかるに常世彦(とこよひこ)はみづから称(しよう)して、101王(わう)の王(わう)たらむとし、102八王(やつわう)大神(だいじん)と称(しよう)す、103真正(しんせい)の神(かみ)ならぬ身(み)として八王(やつわう)大神(だいじん)とは僣上(せんじやう)至極(しごく)、104天地(てんち)容(い)れざるの大逆罪(だいぎやくざい)なり。105我(われ)は今(いま)より八王(やつわう)大神(だいじん)に尊称(そんしよう)を奉(たてまつ)らむ、106即(すなは)ち八王(やつわう)のおは八頭(やつがしら)八尾(やつを)の大蛇(だいじや)の尾(を)にして、107大神(だいじん)を台陣(だいぢん)と敬称(けいしやう)せむ、108諸神司(しよしん)の賛否(さんぴ)いかん』
109と弁舌(べんぜつ)水(みづ)の流(なが)るるごとく説(と)き去(さ)り説(と)き来(きた)つて、110平然(へいぜん)として一座(いちざ)を見渡(みわた)したり。111満座(まんざ)の神司(かみがみ)らは斎代彦(ときよひこ)の痛快(つうくわい)なる演説(えんぜつ)に溜飲(りういん)を下(さ)げ、112元気(げんき)は頓(とみ)に加(くは)はり、113各自(かくじ)肩(かた)のそびゆるを覚(おぼ)えざる程(ほど)なりき。114八王(やつわう)大神(だいじん)の部下(ぶか)の邪神(じやしん)は喧々(けんけん)囂々(ごうごう)として嘲罵(てうば)し咆哮(はうかう)し、115この演説(えんぜつ)を極力(きよくりよく)妨害(ばうがい)せむとせしに、116斎代彦(ときよひこ)はそれらの妨害(ばうがい)も嘲笑(てうせう)も馬耳(ばじ)東風(とうふう)と聞(き)きながし、117滔々(たうたう)として所信(しよしん)を述(の)べ了(をは)り、118右手(めて)をもつて鼻(はな)と目(め)をこすり、119最後(さいご)に着衣(ちやくい)の袖(そで)にて洟(みづばな)の手(て)を拭(ぬぐ)ひながら悠々(いういう)として降壇(かうだん)し自席(じせき)に着(つ)きにける。
120(大正一〇・一二・一八 旧一一・二〇 出口瑞月)
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