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第69巻(申の巻)
第70巻(酉の巻)
第71巻(戌の巻)
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特別編 入蒙記
天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
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第32巻(未の巻)
序文
総説
第1篇 森林の都
01 万物同言
〔892〕
02 猛獣会議
〔893〕
03 兎の言霊
〔894〕
04 鰐の言霊
〔895〕
05 琉球の光
〔896〕
06 獅子粉塵
〔897〕
第2篇 北の森林
07 試金玉
〔898〕
08 三人娘
〔899〕
09 岩窟女
〔900〕
10 暗黒殿
〔901〕
11 人の裘
〔902〕
12 鰐の橋
〔903〕
13 平等愛
〔904〕
14 山上の祝
〔905〕
第3篇 瑞雲靉靆
15 万歳楽
〔906〕
16 回顧の歌
〔907〕
17 悔悟の歌
〔908〕
18 竜国別
〔909〕
19 軽石車
〔910〕
20 瑞の言霊
〔911〕
21 奉答歌
〔912〕
第4篇 天祥地瑞
22 橋架
〔913〕
23 老婆心切
〔914〕
24 冷氷
〔915〕
余白歌
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第四章
鰐
(
わに
)
の
言霊
(
ことたま
)
〔八九五〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第32巻 海洋万里 未の巻
篇:
第1篇 森林の都
よみ(新仮名遣い):
しんりんのみやこ
章:
第4章 鰐の言霊
よみ(新仮名遣い):
わにのことたま
通し章番号:
895
口述日:
1922(大正11)年08月22日(旧06月30日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年10月15日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
鰐の頭は四人の宣伝使の前に現れ、感謝の意を込めた歌を歌って歓迎の意を表した。
竜国別は兎と鰐の一族を前に、時雨の森を守り平和を取り戻す決意を歌で表明した。
テーリスタンは滑稽な歌を歌ってその場を和め、また勇気を鼓舞し、兎と鰐を安堵した。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-04-26 17:42:12
OBC :
rm3204
愛善世界社版:
40頁
八幡書店版:
第6輯 165頁
修補版:
校定版:
42頁
普及版:
17頁
初版:
ページ備考:
001
鰐
(
わに
)
の
頭
(
かしら
)
はツカツカと
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
前
(
まへ
)
に
現
(
あらは
)
れ
来
(
きた
)
り、
002
さも
嬉
(
うれ
)
しげに
頭
(
かしら
)
を
垂
(
た
)
れ
感謝
(
かんしや
)
の
意
(
い
)
を
表
(
へう
)
し
且
(
か
)
つ
歌
(
うた
)
ふ。
003
鰐の頭
『
仰
(
あふ
)
げば
尊
(
たふと
)
し
天地
(
あめつち
)
の
004
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
は
目
(
ま
)
のあたり
005
天
(
あま
)
の
河原
(
かはら
)
に
棹
(
さを
)
さして
006
アマゾン
河
(
がは
)
の
河口
(
かはぐち
)
に
007
降
(
くだ
)
り
給
(
たま
)
ひし
神
(
かみ
)
の
御子
(
みこ
)
008
鰐
(
わに
)
の
一族
(
いちぞく
)
喜
(
よろこ
)
びて
009
赤
(
あか
)
き
心
(
こころ
)
を
捧
(
ささ
)
げつつ
010
茲
(
ここ
)
に
現
(
あら
)
はれ
参
(
ま
)
ゐ
来
(
きた
)
り
011
祝
(
ことほ
)
ぎ
仕
(
つか
)
へ
奉
(
たてまつ
)
る
012
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
013
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
恵
(
めぐみ
)
014
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
が
上
(
うへ
)
に
降
(
くだ
)
りけり
015
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
のすさむ
魂
(
たましひ
)
も
016
一度
(
いちど
)
に
開
(
ひら
)
く
木
(
こ
)
の
花
(
はな
)
の
017
薫
(
かを
)
るが
如
(
ごと
)
く
栄
(
さか
)
えけり
018
鷹依姫
(
たかよりひめ
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
よ
019
竜国別
(
たつくにわけ
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
よ
020
はるばる
此処
(
ここ
)
に
天降
(
あも
)
りまし
021
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
が
王
(
わう
)
と
仕
(
つか
)
へたる
022
兎
(
うさぎ
)
の
君
(
きみ
)
の
鎮
(
しづ
)
まれる
023
霊地
(
れいち
)
に
現
(
あらは
)
れ
給
(
たま
)
ひしは
024
天地
(
てんち
)
の
神
(
かみ
)
の
御恵
(
みめぐ
)
みか
025
譬方
(
たとへがた
)
なき
喜
(
よろこ
)
びに
026
これの
湖水
(
こすゐ
)
を
包
(
つつ
)
みたる
027
青垣山
(
あをがきやま
)
の
草木
(
くさき
)
迄
(
まで
)
028
色
(
いろ
)
美
(
うるは
)
しく
生々
(
いきいき
)
と
029
甦
(
よみがへ
)
りたる
如
(
ごと
)
き
思
(
おも
)
ひなり
030
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
は
月
(
つき
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
031
貴
(
うづ
)
の
御子
(
みこ
)
なる
兎族
(
うさぎぞく
)
032
尊
(
たふと
)
み
敬
(
うやま
)
ひ
朝夕
(
あさゆふ
)
に
033
心
(
こころ
)
を
尽
(
つく
)
し
身
(
み
)
を
尽
(
つく
)
し
034
モールバンドやエルバンド
035
虎
(
とら
)
狼
(
おほかみ
)
や
獅子
(
しし
)
熊
(
くま
)
の
036
襲
(
おそ
)
ひ
来
(
きた
)
れる
災禍
(
わざはひ
)
を
037
防
(
ふせ
)
ぎて
守
(
まも
)
る
永
(
なが
)
の
年
(
とし
)
038
さはさりながら
吾々
(
われわれ
)
は
039
神
(
かみ
)
の
御水火
(
みいき
)
を
受
(
う
)
けながら
040
昔
(
むかし
)
の
罪
(
つみ
)
の
消
(
き
)
えやらず
041
げに
浅間
(
あさま
)
しき
此
(
この
)
境遇
(
きやうぐう
)
042
如何
(
いか
)
に
心
(
こころ
)
を
尽
(
つく
)
すとも
043
神
(
かみ
)
の
御水火
(
みいき
)
の
言霊
(
ことたま
)
を
044
照
(
て
)
らす
事
(
こと
)
さへ
白波
(
しらなみ
)
の
045
中
(
なか
)
に
漂
(
ただよ
)
ふ
悲
(
かな
)
しさに
046
月日
(
つきひ
)
を
送
(
おく
)
る
甲斐
(
かひ
)
もなく
047
これの
湖辺
(
こへん
)
を
棲処
(
すみか
)
とし
048
十
(
じふ
)
里
(
り
)
四方
(
しはう
)
の
霊地
(
れいち
)
をば
049
僅
(
わづか
)
に
守
(
まも
)
る
計
(
ばか
)
りなり
050
さはさりながら
吾々
(
われわれ
)
が
051
これの
湖辺
(
うみべ
)
に
棲
(
す
)
む
間
(
うち
)
は
052
如何
(
いか
)
なる
猛
(
たけ
)
き
獣類
(
けだもの
)
も
053
容易
(
ようい
)
に
犯
(
をか
)
し
得
(
え
)
ざるべし
054
あゝさりながらさりながら
055
猛獣
(
まうじう
)
毒蛇
(
どくじや
)
と
生
(
うま
)
れたる
056
彼
(
かれ
)
の
身魂
(
みたま
)
は
憐
(
あは
)
れにも
057
神
(
かみ
)
の
御子
(
みこ
)
にて
御子
(
みこ
)
ならず
058
優勝
(
いうしよう
)
劣敗
(
れつぱい
)
罪
(
つみ
)
重
(
かさ
)
ね
059
弱肉
(
じやくにく
)
強食
(
きやうしよく
)
日
(
ひ
)
に
月
(
つき
)
に
060
行
(
おこな
)
ひ
続
(
つづ
)
け
生命
(
せいめい
)
を
061
僅
(
わづか
)
に
保
(
たも
)
てる
憐
(
あは
)
れさよ
062
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
063
神
(
かみ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
幸
(
さち
)
はひて
064
天
(
あめ
)
が
下
(
した
)
なる
生物
(
いきもの
)
は
065
互
(
たがひ
)
に
愛
(
あい
)
し
助
(
たす
)
け
合
(
あ
)
ひ
066
争
(
あらそ
)
ひ
猛
(
たけ
)
ぶ
事
(
こと
)
もなく
067
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
を
平等
(
びやうどう
)
に
068
受
(
う
)
けて
身魂
(
みたま
)
を
磨
(
みが
)
き
上
(
あ
)
げ
069
賤
(
いや
)
しき
殻
(
から
)
を
脱
(
ぬ
)
ぎすてて
070
再
(
ふたた
)
び
魂
(
たま
)
は
天国
(
てんごく
)
の
071
神
(
かみ
)
の
御許
(
みもと
)
に
立帰
(
たちかへ
)
り
072
万
(
よろづ
)
の
物
(
もの
)
の
長
(
をさ
)
として
073
権威
(
けんゐ
)
のこもる
言霊
(
ことたま
)
を
074
自由
(
じいう
)
自在
(
じざい
)
に
使用
(
しよう
)
する
075
神
(
かみ
)
となさしめ
給
(
たま
)
へかし
076
鷹依姫
(
たかよりひめ
)
の
神司
(
かむづかさ
)
077
竜国別
(
たつくにわけ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
078
鰐族
(
わにぞく
)
一同
(
いちどう
)
を
代表
(
だいへう
)
し
079
清
(
きよ
)
く
磨
(
みが
)
きし
言霊
(
ことたま
)
の
080
恵
(
めぐみ
)
の
光
(
ひかり
)
に
天地
(
あめつち
)
の
081
すべての
生物
(
いきもの
)
救
(
すく
)
ひませ
082
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
083
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
084
誠
(
まこと
)
の
限
(
かぎ
)
りを
現
(
あらは
)
して
085
慎
(
つつし
)
み
敬
(
ゐやま
)
ひ
願
(
ね
)
ぎ
奉
(
まつ
)
る』
086
と
唄
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
り、
087
堅牢
(
けんらう
)
なる
甲
(
かふ
)
を
以
(
もつ
)
て
包
(
つつ
)
まれたる
長大
(
ちやうだい
)
なる
身体
(
しんたい
)
を
左右
(
さいう
)
に
揺
(
ゆす
)
りながら、
088
満足
(
まんぞく
)
の
意
(
い
)
を
表
(
へう
)
し、
089
数多
(
あまた
)
の
鰐
(
わに
)
と
共
(
とも
)
に
前後
(
ぜんご
)
左右
(
さいう
)
に
舞
(
ま
)
ひ
踊
(
をど
)
り、
090
歓迎
(
くわんげい
)
の
意
(
い
)
を
示
(
しめ
)
したり。
091
竜国別
(
たつくにわけ
)
は
立上
(
たちあが
)
り、
092
兎
(
うさぎ
)
と
鰐
(
わに
)
の
愛
(
あい
)
らしき
群
(
むれ
)
に
向
(
むか
)
つて、
093
さも
嬉
(
うれ
)
しげに
歌
(
うた
)
をうたふ。
094
竜国別
『
天地
(
てんち
)
の
水火
(
いき
)
をうけつぎて
095
生
(
うま
)
れ
出
(
い
)
でたる
神司
(
かむづかさ
)
096
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
097
鷹依姫
(
たかよりひめ
)
の
体
(
たい
)
を
借
(
か
)
り
098
肉
(
にく
)
の
宮
(
みや
)
をば
建造
(
けんざう
)
し
099
生
(
うま
)
れ
出
(
い
)
でたる
神司
(
かむづかさ
)
100
竜国別
(
たつくにわけ
)
は
今
(
いま
)
此処
(
ここ
)
に
101
大空
(
おほぞら
)
伝
(
つた
)
ひ
照
(
て
)
り
渡
(
わた
)
る
102
月
(
つき
)
大神
(
おほかみ
)
の
宮
(
みや
)
の
前
(
まへ
)
103
貴
(
うづ
)
の
神徳
(
しんとく
)
拝
(
はい
)
しつつ
104
兎
(
うさぎ
)
や
鰐
(
わに
)
のともがらに
105
稜威
(
いづ
)
の
言霊
(
ことたま
)
宣
(
の
)
り
上
(
あ
)
げて
106
心
(
こころ
)
の
丈
(
たけ
)
を
宣
(
の
)
べ
伝
(
つた
)
ふ
107
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
108
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
を
蒙
(
かかぶ
)
りて
109
稜威
(
いづ
)
の
聖地
(
せいち
)
と
聞
(
きこ
)
えたる
110
綾
(
あや
)
の
高天
(
たかま
)
に
聳
(
そそ
)
り
立
(
た
)
つ
111
錦
(
にしき
)
の
宮
(
みや
)
を
後
(
あと
)
にして
112
黄金
(
こがね
)
の
玉
(
たま
)
の
所在
(
ありか
)
をば
113
探
(
たづ
)
ねむものと
高砂
(
たかさご
)
の
114
島
(
しま
)
に
渡
(
わた
)
りていろいろと
115
心
(
こころ
)
の
駒
(
こま
)
のはやるまに
116
醜
(
しこ
)
の
企
(
たく
)
みを
立
(
た
)
てながら
117
再
(
ふたた
)
び
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
声
(
こゑ
)
に
118
眼
(
まなこ
)
をさまして
美
(
うる
)
はしき
119
元津
(
もとつ
)
身魂
(
みたま
)
となりにけり
120
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
は
隈
(
くま
)
もなく
121
青人草
(
あをひとぐさ
)
は
云
(
い
)
ふも
更
(
さら
)
122
鳥
(
とり
)
獣
(
けだもの
)
や
魚
(
うを
)
に
虫
(
むし
)
123
草木
(
くさき
)
の
片葉
(
かきは
)
に
至
(
いた
)
るまで
124
恵
(
めぐみ
)
の
露
(
つゆ
)
を
垂
(
た
)
れ
給
(
たま
)
ふ
125
公平
(
こうへい
)
無私
(
むし
)
の
神心
(
かみごころ
)
126
漸
(
やうや
)
う
悟
(
さと
)
り
今
(
いま
)
茲
(
ここ
)
に
127
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
る
吾々
(
われわれ
)
は
128
知
(
し
)
らず
識
(
し
)
らずに
大神
(
おほかみ
)
の
129
仕組
(
しぐみ
)
の
糸
(
いと
)
に
操
(
あやつ
)
られ
130
進
(
すす
)
み
来
(
きた
)
りし
者
(
もの
)
ならむ
131
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
の
御使
(
みつかひ
)
と
132
定
(
さだ
)
められたる
四人
(
よにん
)
連
(
づ
)
れ
133
今
(
いま
)
は
汝
(
なんぢ
)
が
親
(
おや
)
となり
134
兄
(
あに
)
ともなりて
天地
(
あめつち
)
の
135
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
をこまやかに
136
時雨
(
しぐれ
)
の
森
(
もり
)
の
果
(
は
)
てまでも
137
隈
(
くま
)
なく
広
(
ひろ
)
め
御恵
(
みめぐ
)
みの
138
雨
(
あめ
)
降
(
ふ
)
り
注
(
そそ
)
ぐ
楽園
(
らくゑん
)
と
139
堅磐
(
かきは
)
常磐
(
ときは
)
に
守
(
まも
)
るべし
140
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
141
神
(
かみ
)
の
御霊
(
みたま
)
に
生
(
うま
)
れたる
142
兎
(
うさぎ
)
や
鰐
(
わに
)
の
一族
(
いちぞく
)
よ
143
必
(
かなら
)
ず
歎
(
なげ
)
く
事
(
こと
)
勿
(
なか
)
れ
144
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
神人
(
しんじん
)
が
145
ここに
現
(
あらは
)
れ
来
(
き
)
た
上
(
うへ
)
は
146
モールバンドは
云
(
い
)
ふも
更
(
さら
)
147
如何
(
いか
)
なる
猛
(
たけ
)
き
獣類
(
けだもの
)
も
148
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
の
御水火
(
みいき
)
より
149
生
(
うま
)
れ
出
(
い
)
でたる
言霊
(
ことたま
)
に
150
言向
(
ことむ
)
け
和
(
やは
)
し
敵
(
てき
)
もなく
151
争
(
あらそ
)
ひもなく
永久
(
とこしへ
)
に
152
平和
(
へいわ
)
の
森
(
もり
)
となさしめむ
153
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
154
神
(
かみ
)
の
御水火
(
みいき
)
に
生
(
うま
)
れたる
155
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
を
始
(
はじ
)
め
汝
(
なれ
)
が
群
(
むれ
)
156
仮令
(
たとへ
)
天地
(
てんち
)
は
変
(
かは
)
るとも
157
尊
(
たふと
)
き
深
(
ふか
)
き
御恵
(
みめぐ
)
みを
158
一日
(
ひとひ
)
も
忘
(
わす
)
れず
朝夕
(
あさゆふ
)
に
159
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
にひれ
伏
(
ふ
)
して
160
其
(
その
)
神徳
(
しんとく
)
を
称
(
たた
)
へかし
161
神
(
かみ
)
は
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
と
倶
(
とも
)
にあり
162
神
(
かみ
)
は
汝
(
なれ
)
らの
身
(
み
)
を
守
(
まも
)
る
163
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
に
開
(
ひら
)
かれし
164
天
(
あめ
)
が
下
(
した
)
なる
生物
(
いきもの
)
は
165
仮令
(
たとへ
)
如何
(
いか
)
なる
曲者
(
まがもの
)
も
166
いかでか
恐
(
おそ
)
るる
事
(
こと
)
あらむ
167
心
(
こころ
)
を
清
(
きよ
)
め
身
(
み
)
を
浄
(
きよ
)
め
168
神
(
かみ
)
のまにまに
真心
(
まごころ
)
を
169
尽
(
つく
)
せよ
尽
(
つく
)
せ
諸々
(
もろもろ
)
よ
170
竜国別
(
たつくにわけ
)
が
改
(
あらた
)
めて
171
汝
(
なれ
)
等
(
ら
)
が
群
(
むれ
)
に
宣
(
の
)
り
伝
(
つた
)
ふ
172
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
173
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませよ』
174
テーリスタンは
面白
(
おもしろ
)
き
歌
(
うた
)
をうたつて
興
(
きよう
)
を
添
(
そ
)
ふ。
175
テーリスタン
『
鷹依姫
(
たかよりひめ
)
や
竜国別
(
たつくにわけ
)
の
176
教
(
のり
)
の
司
(
つかさ
)
の
御
(
おん
)
後
(
あと
)
に
177
カーリンスと
諸共
(
もろとも
)
に
178
広袤
(
くわうぼう
)
千里
(
せんり
)
の
荒野原
(
あらのはら
)
179
草
(
くさ
)
を
分
(
わ
)
けつつ
進
(
すす
)
み
来
(
き
)
て
180
アルの
港
(
みなと
)
に
安着
(
あんちやく
)
し
181
大海原
(
おほうなばら
)
を
船
(
ふね
)
に
乗
(
の
)
り
182
渡
(
わた
)
つて
来
(
きた
)
る
折柄
(
をりから
)
に
183
俄
(
にはか
)
に
烈
(
はげ
)
しき
荒風
(
あらかぜ
)
に
184
浪
(
なみ
)
立
(
た
)
ち
狂
(
くる
)
ひ
鷹依姫
(
たかよりひめ
)
は
185
真逆
(
まつさか
)
様
(
さま
)
に
海中
(
わだなか
)
へ
186
ザンブとばかり
陥
(
おちい
)
りて
187
姿
(
すがた
)
見
(
み
)
えなくなつて
来
(
き
)
た
188
孝心
(
かうしん
)
深
(
ふか
)
き
竜国別
(
たつくにわけ
)
は
189
吾身
(
わがみ
)
を
忘
(
わす
)
れて
海中
(
わだなか
)
に
190
飛込
(
とびこ
)
み
姿
(
すがた
)
を
失
(
うしな
)
ひぬ
191
テー、カー
二人
(
ふたり
)
は
驚
(
おどろ
)
いて
192
最早
(
もはや
)
叶
(
かな
)
はぬ
百年目
(
ひやくねんめ
)
193
殉死
(
じゆんし
)
なさむと
意
(
い
)
を
決
(
けつ
)
し
194
一
(
ひ
)
イ
二
(
ふ
)
ウ
三
(
みつ
)
ツで
飛込
(
とびこ
)
めば
195
後白浪
(
あとしらなみ
)
に
呑
(
の
)
まれつつ
196
竜宮海
(
りうぐうかい
)
を
探険
(
たんけん
)
と
197
思
(
おも
)
うた
事
(
こと
)
の
的外
(
まとはづ
)
れ
198
亀
(
かめ
)
の
背中
(
せなか
)
に
乗
(
の
)
せられて
199
ゼムの
港
(
みなと
)
に
漂着
(
へうちやく
)
し
200
天祥山
(
てんしやうざん
)
に
立向
(
たちむか
)
ひ
201
モールバンドに
出会
(
しゆつくわい
)
し
202
吾
(
わが
)
言霊
(
ことたま
)
の
神力
(
しんりき
)
に
203
「オツトドツコイ」こら
違
(
ちが
)
うた
204
鷹依姫
(
たかよりひめ
)
の
言霊
(
ことたま
)
に
205
言向
(
ことむ
)
け
和
(
やは
)
し
荒男
(
あらをとこ
)
206
二人
(
ふたり
)
の
命
(
いのち
)
を
救
(
すく
)
ひつつ
207
天祥山
(
てんしやうざん
)
の
谷
(
たに
)
を
越
(
こ
)
え
208
果
(
は
)
てしも
知
(
し
)
らぬ
荒野原
(
あらのはら
)
209
涼
(
すず
)
しき
風
(
かぜ
)
に
送
(
おく
)
られて
210
チンの
港
(
みなと
)
に
安着
(
あんちやく
)
し
211
船
(
ふね
)
を
造
(
つく
)
りてアマゾンの
212
河口
(
かはぐち
)
さして
進
(
すす
)
み
来
(
く
)
る
213
音
(
おと
)
に
聞
(
きこ
)
えしモールバンド
214
エルバンドの
此処
(
ここ
)
彼処
(
かしこ
)
215
怪
(
あや
)
しき
頭
(
かしら
)
を
擡
(
もた
)
げつつ
216
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
一行
(
いつかう
)
の
顔
(
かほ
)
を
見
(
み
)
て
217
何
(
なに
)
が
怖
(
こは
)
いか
知
(
し
)
らねども
218
水勢
(
すいせい
)
強
(
つよ
)
き
河
(
かは
)
の
瀬
(
せ
)
に
219
姿
(
すがた
)
を
隠
(
かく
)
し
失
(
う
)
せにける
220
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
221
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
を
蒙
(
かうむ
)
りて
222
教司
(
をしへつかさ
)
の
神力
(
しんりき
)
に
223
恐
(
おそ
)
れ
戦
(
をのの
)
き
逃
(
に
)
げたるか
224
何
(
なに
)
は
兎
(
と
)
もあれアマゾンの
225
河
(
かは
)
の
岸
(
きし
)
をば
攀上
(
よぢのぼ
)
り
226
此
(
この
)
森中
(
もりなか
)
に
来
(
き
)
て
見
(
み
)
れば
227
幾千
(
いくせん
)
年
(
ねん
)
とも
限
(
かぎ
)
りなき
228
年
(
とし
)
の
老
(
お
)
いたる
兎
(
うさぎ
)
の
王
(
わう
)
229
数多
(
あまた
)
の
眷族
(
けんぞく
)
引
(
ひ
)
きつれて
230
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
一行
(
いつかう
)
を
慇懃
(
いんぎん
)
に
231
迎
(
むか
)
へに
来
(
き
)
たる
嬉
(
うれ
)
しさよ
232
広袤
(
くわうぼう
)
千里
(
せんり
)
の
森林
(
しんりん
)
の
233
その
中心
(
ちうしん
)
に
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
234
聖
(
きよ
)
き
霊地
(
れいち
)
のあらむとは
235
夢
(
ゆめ
)
にも
悟
(
さと
)
り
得
(
え
)
ざりしが
236
豈計
(
あにはか
)
らむや
天伝
(
あまつた
)
ふ
237
空
(
そら
)
に
輝
(
かがや
)
く
月
(
つき
)
の
神
(
かみ
)
238
形
(
かたち
)
計
(
ばか
)
りの
宮居
(
みやゐ
)
をば
239
清
(
きよ
)
けき
水
(
みづ
)
を
繞
(
めぐ
)
らせる
240
此
(
この
)
霊場
(
れいぢやう
)
に
鎮祭
(
ちんさい
)
し
241
兎
(
うさぎ
)
の
王
(
わう
)
の
一族
(
いちぞく
)
が
242
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに
真心
(
まごころ
)
を
243
捧
(
ささ
)
げて
祈
(
いの
)
るゆかしさよ
244
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
245
神
(
かみ
)
の
宮居
(
みやゐ
)
と
生
(
うま
)
れたる
246
人
(
ひと
)
は
尚更
(
なほさら
)
神
(
かみ
)
の
道
(
みち
)
247
清
(
きよ
)
く
守
(
まも
)
りて
天地
(
あめつち
)
の
248
深
(
ふか
)
き
恵
(
めぐみ
)
を
感謝
(
かんしや
)
しつ
249
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
御心
(
みこころ
)
に
250
叶
(
かな
)
へ
奉
(
まつ
)
らであるべきや
251
いよいよ
茲
(
ここ
)
に
三五
(
あななひ
)
の
252
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
と
現
(
あら
)
はれて
253
仮令
(
たとへ
)
獣
(
けもの
)
と
云
(
い
)
ひながら
254
其
(
その
)
源
(
みなもと
)
を
尋
(
たづ
)
ぬれば
255
何
(
いづ
)
れも
同
(
おな
)
じ
神
(
かみ
)
の
御子
(
みこ
)
256
救
(
すく
)
ひまつらでおくべきか
257
兎
(
うさぎ
)
の
群
(
むれ
)
よ
鰐
(
わに
)
の
群
(
むれ
)
258
必
(
かなら
)
ず
心
(
こころ
)
を
悩
(
なや
)
めまじ
259
鷹依姫
(
たかよりひめ
)
の
一行
(
いつかう
)
が
260
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
りし
上
(
うへ
)
からは
261
如何
(
いか
)
なる
魔神
(
まがみ
)
の
災
(
わざはひ
)
も
262
旭
(
あさひ
)
に
露
(
つゆ
)
の
消
(
き
)
ゆる
如
(
ごと
)
263
払
(
はら
)
ひ
清
(
きよ
)
めて
禍
(
わざはひ
)
の
264
根
(
ね
)
を
絶
(
た
)
ち
神
(
かみ
)
の
御恵
(
みめぐみ
)
の
265
露
(
つゆ
)
に
霑
(
うるほ
)
ふ
花園
(
はなぞの
)
と
266
開
(
ひら
)
き
守
(
まも
)
らむ
惟神
(
かむながら
)
267
神
(
かみ
)
の
御稜威
(
みいづ
)
を
嬉
(
うれ
)
しみて
268
これの
聖地
(
せいち
)
を
能
(
よ
)
く
守
(
まも
)
れ
269
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
270
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませよ』
271
とうたひ
終
(
をは
)
り、
272
社
(
やしろ
)
の
前
(
まへ
)
に
端坐
(
たんざ
)
し、
273
神恩
(
しんおん
)
を
感謝
(
かんしや
)
し、
274
且
(
か
)
つ
一時
(
ひととき
)
も
早
(
はや
)
く
此
(
この
)
森林
(
しんりん
)
の
災
(
わざはひ
)
を
除
(
のぞ
)
き、
275
再
(
ふたた
)
び
綾
(
あや
)
の
聖地
(
せいち
)
に
帰
(
かへ
)
し
給
(
たま
)
へと
祈願
(
きぐわん
)
なしける。
276
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
。
277
(
大正一一・八・二二
旧六・三〇
松村真澄
録)
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