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第五章 琉球(りうきう)(ひかり)〔八九六〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第32巻 海洋万里 未の巻 篇:第1篇 森林の都 よみ(新仮名遣い):しんりんのみやこ
章:第5章 琉球の光 よみ(新仮名遣い):りゅうきゅうのひかり 通し章番号:896
口述日:1922(大正11)年08月22日(旧06月30日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年10月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
カーリンスも滑稽な歌の中にも兎と鰐を安堵する内容を込めて舞い踊った。
鷹依姫一行が兎の都に迎えられてから一年ほど経った夜、四方の丘から怒号の声が聞こえてきた。兎の王は鷹依姫の前に走り来たって、猛獣の軍隊が攻め寄せたことを注進した。そして、鰐たちが防戦しつつあるが、大軍のために宣伝使たちにも神力による助力を懇願した。
鷹依姫は直ちに拍手して天津祝詞を奏上し、天地に向かって言霊歌を宣り上げた。すると屏風山脈の最高地点の帽子ケ岳から、二つの火光がサーチライトのように輝いた。兎の都の四方を囲んでいた猛獣の魔軍は光に打たれてその場に震えおののいた。
竜国別は火光に向かって拍手し、琉球の霊光の援軍に感謝の宣伝歌を歌った。そして兎の王に、霊光の威徳が現れたことに安堵するよう伝えた。
鰐の頭も天佑の顕現に勇み立ち、兎の王に防戦の成功を請け合った。一同は帽子ケ岳の霊光に感謝し、歓声を上げてこの天佑を祝し、その夜を無事に明かすことになった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2022-04-28 16:45:33 OBC :rm3205
愛善世界社版:51頁 八幡書店版:第6輯 168頁 修補版: 校定版:54頁 普及版:20頁 初版: ページ備考:
001 カーリンスは(さん)(にん)宣伝使(せんでんし)(うた)()き、002(われ)(また)(うた)をうたひ、003(うさぎ)004(わに)一族(いちぞく)(たい)し、005(はば)()かさねばなるまいと(おも)つたか、006(ただち)立上(たちあが)り、007(めう)手附(てつき)をして(をど)りながら、008(うた)(はじ)むる。
009カーリンス此処(ここ)()()ふハルの(くに)
010アマゾン(がは)沿()ひて()てる
011大森林(だいしんりん)時雨(しぐれ)(もり)(ひと)()
012モールバンドやエルバンド
013(その)(ほか)(もも)(けもの)たち
014堅城(けんじやう)鉄壁(てつぺき)千代(ちよ)棲処(すみか)
015天日(てんじつ)()ぢず()(はばか)らず
016(つき)(ひかり)(おそ)れず
017自由(じいう)自在(じざい)
018咆哮(はうかう)怒号(どがう)魔窟(まくつ)(はら)
019優勝(いうしよう)劣敗(れつぱい)
020弱肉(じやくにく)強食(きやうしよく)修羅(しゆら)(ちまた)
021数百万(すうひやくまん)(ねん)(むかし)より
022世界(せかい)秘密国(ひみつこく)として
023(なれ)一族(いちぞく)
024(あた)へられたる(この)(もり)
025(もり)(あるじ)(うさぎ)(わう)
026(ほこ)りし(ゆめ)何時(いつ)しか()えて
027(いま)悪魔(あくま)
028棲処(すみか)()()てぬ
029(かは)れば(かは)現世(うつしよ)
030(ためし)()れぬ(うさぎ)()(うへ)
031(わに)一族(いちぞく)(さび)しき生活(せいくわつ)
032広袤(くわうぼう)千里(せんり)森林(しんりん)
033(じふ)()四方(しはう)地点(ちてん)(えら)
034要害(えうがい)堅固(けんご)鉄城(てつじやう)
035(たの)みて(くら)霊場(れいぢやう)
036(いま)(あやふ)くなりにけり
037八岐(やまた)大蛇(をろち)醜狐(しこぎつね)
038曲鬼(まがおに)(ども)(たま)(すゑ)
039激浪(げきらう)(たけ)奔流(ほんりう)
040(ふか)河瀬(かはせ)()(ひそ)
041(なれ)一族(いちぞく)(ことごと)
042(いのち)(つな)餌食(ゑじき)にし
043根絶(こんぜつ)せむと()(ねら)
044モールバンドやエルバンド
045()かる仇敵(かたき)のある(なか)
046(とら)(おほかみ)獅子(しし)(くま)
047大蛇(をろち)禿鷲(はげわし)(さる)(むれ)
048(なれ)一族(いちぞく)(ねら)ひつつ
049(まなこ)(くば)(とき)もあれ
050国治立(くにはるたちの)大神(おほかみ)
051(まも)(たま)へる三五(あななひ)(かみ)(つかさ)
052鷹依姫(たかよりひめ)(はじ)めとし
053竜国別(たつくにわけ)宣伝使(せんでんし)
054テーリスタンやカーリンス
055四人(よたり)(うづ)(かみ)()
056(すく)ひの(かみ)(あら)はれて
057此処(ここ)まで(くだ)(きた)りしは
058枯木(かれき)(はな)()きしが(ごと)
059大旱(たいかん)(あめ)()たるが(ごと)くなるべし
060(いさ)(よろこ)(うさぎ)(わに)
061(われ)()(これ)よりハルの(くに)
062アマゾン(がは)森林(しんりん)
063(かみ)御水火(みいき)言向(ことむ)(やは)
064(なほ)(すす)んで(うづ)(くに)
065(あさひ)のテルやヒルの(くに)
066カルの(くに)まで天降(あまくだ)
067八岐(やまた)大蛇(をろち)一族(いちぞく)
068言向(ことむ)(やは)(かみ)()
069(かしこ)(きよ)政事(まつりごと)
070()(ほどこ)すは()のあたり
071仮令(たとへ)悪神(あくがみ)アマゾンの
072河底(かはぞこ)(ふか)(ひそ)むとも
073(たけ)(けもの)(いたづら)
074(なれ)(むれ)をば()むるとも
075(われ)()此処(ここ)(きた)りし(かぎ)
076ビクともさせぬ神力(しんりき)
077(かた)(しん)じて朝夕(あさゆふ)
078(よろこ)(いさ)(かみ)(まへ)
079(みづ)御霊(みたま)()れませる
080(つき)御神(みかみ)(おん)(まへ)
081()ふも(さら)なり国魂(くにたま)
082(かみ)()れます竜世(たつよ)(ひめ)
083(あつ)(まつ)れよ(うやま)へよ
084(われ)(かみ)()(また)(なれ)
085(おな)じく(かみ)御子(みこ)なれば
086(なん)(へだ)てのあるべきや
087(かみ)万物(ばんぶつ)一切(いつさい)
088平等愛(びやうどうあい)()(たま)
089あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
090(うさぎ)(みやこ)(あら)はれて
091(こころ)(かた)(わに)(むれ)
092(あつ)まり(まも)聖場(せいぢやう)
093三五教(あななひけう)(かみ)(くに)
094堅磐(かきは)常磐(ときは)(かぎ)りなく
095(もとゐ)()つる(たの)もしさ
096あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
097(かみ)(めぐみ)(うれ)しみて
098(うさぎ)(わに)(むれ)(たち)
099(よろこ)(いさ)(かみ)(まへ)
100(もり)(こだま)(ひび)くまで
101(うた)へよ(いの)(かみ)(おん)
102あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
103御霊(みたま)(さち)はひましませよ』
104 (これ)より鷹依姫(たかよりひめ)(ほか)(さん)(にん)数多(あまた)(うさぎ)使嗾(しそう)し、105(うさぎ)(みやこ)(わう)となつて、106(ほとん)(いち)(ねん)日子(につし)(この)別世界(べつせかい)(たの)しく面白(おもしろ)(おく)りたり。
107 或夜(あるよ)108(つき)皎々(かうかう)(ひか)りを湖面(こめん)()ぐる(をり)しも、109四方(しはう)(をか)(うへ)より、110一斉(いつせい)に『ウーウー』と咆哮(ほうかう)怒号(どがう)突喊(とつかん)(こゑ)111(みみ)引裂(ひきさ)くるばかり(きこ)(きた)りぬ。112(うさぎ)(わう)(おどろ)きて鷹依姫(たかよりひめ)(まへ)(はし)(きた)り、
113兎の王鷹依姫(たかよりひめ)(さま)申上(まをしあ)げます。114只今(ただいま)四方(よも)山々(やまやま)取囲(とりかこ)み、115(とら)116(おほかみ)117獅子(しし)118大蛇(をろち)119熊王(くまわう)120数多(あまた)一族(いちぞく)()(あつ)め、121雲霞(うんか)のごとく(この)霊地(れいち)占領(せんりやう)し、122(われ)()部下(ぶか)(とら)へむと(いきほひ)(たけ)()()せました。123(わに)(かしら)数多(あまた)眷族(けんぞく)()びあつめ、124死力(しりよく)(つく)して(たたか)つて()るでは御座(ござ)いませうが、125(なに)()つても()(あま)大軍(たいぐん)126容易(ようい)撃退(げきたい)することは不可能(ふかのう)なれば、127(なに)とか()神力(しんりき)(もつ)(かれ)()()()魔軍(まぐん)言向(ことむ)(やは)(たま)はむ(こと)を、128(ひとへ)一族(いちぞく)(かは)()(ねが)申上(まをしあ)げます』
129(あわ)ただしく(いき)(はづ)ませ(たの)()る。130鷹依姫(たかよりひめ)はウツラウツラ(ねむ)りつつありしが、131(たちま)()(おこ)し、132(つき)大神(おほかみ)(まつ)りたる(もつと)(たか)地点(ちてん)(のぼ)り、133四辺(しへん)をキツと見詰(みつ)むれば、134四方(よも)(つつ)みし青垣山(あをがきやま)彼方(あなた)此方(こなた)炬火(たいまつ)(ひかり)煌々(くわうくわう)(かがや)き、135咆哮(ほうこう)怒号(どごう)(こゑ)136万雷(ばんらい)(いち)()(きこ)ゆる(ごと)く、137物凄(ものすご)刻々(こくこく)激烈(げきれつ)となり(きた)る。
138 鷹依姫(たかよりひめ)(ただち)拍手(はくしゆ)しながら天津(あまつ)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)し、139天地(てんち)(むか)つて言霊(ことたま)()()げたり。
140鷹依姫天津神(あまつかみ)(たち)八百万(やほよろづ)
141国津神(くにつかみ)(たち)八百万(やほよろづ)
142国魂神(くにたまがみ)(はじ)めとし
143取分(とりわ)(この)()(つく)らしし
144国治立(くにはるたちの)大御神(おほみかみ)
145豊国姫(とよくにひめの)大御神(おほみかみ)
146天照(あまて)らします大御神(おほみかみ)
147(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)
148(うづ)御前(みまへ)三五(あななひ)
149(かみ)(つかさ)()けられし
150鷹依姫(たかよりひめ)真心(まごころ)
151こめて(いの)りを(ささ)げます
152あゝ大神(おほかみ)大神(おほかみ)
153高砂島(たかさごじま)のハルの(くに)
154アマゾン(がは)両岸(りやうがん)
155幾万(いくまん)(ねん)星霜(せいさう)
156(かさ)ねて()てる大森林(だいしんりん)
157(なか)(たふと)(この)霊地(れいち)
158千代(ちよ)棲処(すみか)(さだ)めつつ
159身魂(みたま)(きよ)(うる)はしき
160(うさぎ)(むれ)(わに)(むれ)
161いや永久(とこしへ)棲居(すまゐ)して
162(かみ)(めぐみ)(よろこ)びつ
163天伝(あまつた)ひます(つき)(かみ)
164(あさ)(ゆふ)なに()(をが)
165天地(てんち)(めぐみ)感謝(かんしや)する
166(たふと)(こころ)(あはれ)みて
167()()魔神(まが)大神(おほかみ)
168稜威(いづ)御水火(みいき)()(はら)
169安全(あんぜん)地帯(ちたい)となし(たま)
170あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
171(かみ)(めぐみ)(つつ)まれし
172(うさぎ)(みやこ)(この)聖地(せいち)
173千代(ちよ)八千代(やちよ)永久(とこしへ)
174曲津(まがつ)(かみ)一指(いつし)だも
175()るる(こと)なく(つつが)なく
176常世(とこよ)(はる)のいつまでも
177(よろこ)(いさ)みの(はな)()かせ
178これの聖地(せいち)(もと)として
179時雨(しぐれ)(もり)(すま)ひたる
180(たけ)(けもの)大蛇(をろち)まで
181(かみ)(めぐみ)()るるなく
182(すく)はせ(たま)惟神(かむながら)
183(かみ)御前(みまへ)()(まつ)
184(あさひ)()るとも(くも)るとも
185(つき)()つとも()くるとも
186(てき)(いきほひ)(たけ)くとも
187(かみ)より()けし言霊(ことたま)
188(われ)()()(にん)御稜威(みいづ)をば
189天津(あまつ)御空(みそら)()(ごと)
190()らさせ(たま)ひて功績(いさをし)
191千代(ちよ)八千代(やちよ)永久(とこしへ)
192()てさせ(たま)へよ惟神(かむながら)
193(かみ)御前(みまへ)にひれ()して
194言霊(ことたま)(とな)(たてまつ)る』
195 ()(うた)(をり)しも、196西南(せいなん)(すみ)(あた)つて、197屏風(びやうぶ)山脈(さんみやく)最高(さいかう)地点(ちてん)198帽子(ぼうし)(だけ)方面(はうめん)より、199(ふた)つの火光(くわくわう)200サーチライトの(ごと)(かがや)(きた)り、201四方(しはう)(かこ)みし魔軍(まぐん)(ひか)りに()たれて(こゑ)(ひそ)め、202(つめ)(かく)し、203(きば)(ちぢ)め、204(まなこ)(ふさ)ぎ、205大地(だいち)にカツパとひれ()して、206(ふる)(をのの)()たりける。
207 竜国別(たつくにわけ)立上(たちあが)り、208火光(くわくわう)(むか)つて再拝(さいはい)し、209拍手(はくしゆ)しながら(うた)ふ。
210竜国別青垣山(あをがきやま)(めぐ)らせる
211これの聖地(せいち)永久(とこしへ)
212(すま)ひなれたる(うさぎ)()()
213魔神(まが)(わざはひ)(のが)れむと
214(あさ)(ゆふ)なに(つき)(かみ)
215(いつ)きまつりて誠心(まごころ)
216(かぎ)りを(つく)(つか)()
217(その)誠心(まごころ)同情(どうじやう)
218八尋(やひろ)(わに)(うみ)()
219(あつ)まり(きた)りて夜昼(よるひる)
220区別(くべつ)()らず聖場(せいぢやう)
221(まも)()るこそ(かしこ)けれ
222(とき)しもあれや三五(あななひ)
223(みち)(つた)ふる神司(かむづかさ)
224自転倒(おのころ)(じま)(あと)にして
225(あら)はれ(きた)吾々(われわれ)
226一行(いつかう)()(にん)(つつが)なく
227(かみ)仕組(しぐみ)経糸(たていと)
228()かれて此処(ここ)()()れば
229(うさぎ)(みやこ)永久(とこしへ)
230八尋(やひろ)(わに)(まも)られて
231天国(てんごく)浄土(じやうど)()のあたり
232()るが(ごと)くに(さか)えけり
233あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
234(かみ)(めぐみ)(うれ)しみて
235(われ)()はここに大神(おほかみ)
236禽獣(きんじう)虫魚(ちうぎよ)(はし)までも
237(めぐ)(たま)へる御心(みこころ)
238信仰(あなな)ひまつりて(わう)となり
239(うさぎ)(わに)一族(いちぞく)
240(かみ)(めぐみ)間配(まくば)りつ
241(まも)(をり)しも青垣(あをがき)
242(やま)()()()(きた)
243(とら)(おほかみ)獅子(しし)(くま)
244大蛇(をろち)(みたま)諸共(もろとも)
245これの霊地(れいち)蹂躙(じうりん)
246(うさぎ)(わに)一族(いちぞく)
247滅亡(めつぼう)させむと(せま)()
248(その)災害(わざはひ)(のが)れむと
249(あさ)(ゆふ)なに言霊(ことたま)
250稜威(いづ)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)
251(やうや)無事(ぶじ)(きた)りけり
252(しか)るに(また)もや四方(よも)(やま)
253(みね)()()曲津(まがつ)(かみ)
254雲霞(うんか)(ごと)()(きた)
255(この)聖場(せいぢやう)(うば)はむと
256(いき)まき(きた)物凄(ものすご)
257(われ)()()(にん)村肝(むらきも)
258(こころ)(かぎ)りを(つく)しつつ
259暗祈(あんき)黙祷(もくたう)やや(しば)
260(つと)むる(をり)しも西北(せいほく)
261(そら)(へだ)てし屏風山(びやうぶやま)
262帽子(ぼうし)(だけ)頂上(ちやうじやう)より
263(りう)(きう)との霊光(れいくわう)
264電火(でんくわ)(ごと)(かがや)きて
265魔神(まがみ)咆哮(はうかう)一時(いつとき)
266跡形(あとかた)もなく()みにけり
267あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
268如何(いか)なる(かみ)御救(みすく)ひか
269如何(いか)なる(ひと)救援(きうゑん)
270げに有難(ありがた)今日(けふ)(よひ)
271竜国別(たつくにわけ)(つつし)みて
272(すめ)大神(おほかみ)(おん)(まへ)
273(こころ)(きよ)()(きよ)
274(はるか)感謝(かんしや)(たてまつ)
275あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
276御霊(みたま)(さち)はひましませよ』
277 ()感謝(かんしや)言霊(ことたま)()()げ、278(ふたた)(つき)大神(おほかみ)神前(しんぜん)(むか)つて拍手(はくしゆ)(をは)り、279(うさぎ)(わう)(ひと)()安堵(あんど)すべき(こと)宣示(せんじ)した。280(うさぎ)(わう)(よろこ)(いさ)んで(この)(むね)部下(ぶか)伝達(でんたつ)せり。
281 (わに)(かしら)此処(ここ)(あら)はれ(きた)り、282(おほい)(いさ)みて、
283鰐の頭()天祐(てんいう)(あら)はれ(きた)(かぎ)りは、284(われ)()湖辺(こへん)(ぢん)()り、285(とら)286(おほかみ)287獅子(しし)288(くま)289大蛇(をろち)(むれ)290仮令(たとへ)幾百万(いくひやくまん)(おそ)(きた)るとも、291これの湖水(こすゐ)一歩(いつぽ)(わた)らせじ、292()安心(あんしん)あれ(うさぎ)(わう)よ』
293(いさ)()ち、294帽子(ぼうし)(だけ)より(かがや)(きた)霊光(れいくわう)(むか)つて感謝(かんしや)し、295一同(いちどう)歓声(くわんせい)()げて天祐(てんいう)(しゆく)し、296(その)()無事(ぶじ)()かす(こと)とはなりぬ。
297大正一一・八・二二 旧六・三〇 松村真澄録)
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