第一四章 山上の祝〔九〇五〕
インフォメーション
著者:出口王仁三郎
巻:霊界物語 第32巻 海洋万里 未の巻
篇:第2篇 北の森林
よみ(新仮名遣い):きたのしんりん
章:第14章 山上の祝
よみ(新仮名遣い):さんじょうのいわい
通し章番号:905
口述日:1922(大正11)年08月23日(旧07月01日)
口述場所:
筆録者:松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:1923(大正12)年10月15日
概要:
舞台:
あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:神代の昔、五六七の神と現れた瑞の御霊の月神が、大海原に漂う高砂島の秘密郷・ブラジル国のアマゾン河の大森林の中心に聖地を造った。これを兎の王に与えて千代の棲み処と定めた。
常世会議の武備撤回の制定後、翼をはがれた猛獣たちは常世の国からこの森林に襲い来て、兎のやからをしいたげ殺して餌となした。
この暴虐に種族も絶えなんとするとき、三五教の神司の鷹依姫や竜国別一行により、猛獣たちは言向け和された。また高姫一行、安彦一行が加わって、モールバンドやエルバンドの霊を清めて神の御使いとなした。
十二人の一行はアマゾン河の魔神たちに霊魂の行く末を明らかに諭し、救いの道を説いた。そして意気揚々と宣伝歌を歌いながら、山川渓谷を跋渉し、ようやく帽子ケ岳に止まっていた教主・言依別命と、国依別命の前に帰って来た。
互いにその無事を祝し、成功をほめ感謝の涙を流しつつ打ち解け、喜び勇んで帽子ケ岳の山頂に国魂神の神霊を祀り、感謝の祝詞を奏上した。あたりの木の実を集めて、ここに山上の大宴会が開かれた。
しかしながら、北の大森林に同じく高姫を探しに遣わされていた正純彦、カール、石熊、春公の一隊からのみ、消息がなかった。言依別命は国魂神を厚く念じ、一同神楽を奏して言霊歌を歌い、無事の祈願を込めた。
正純彦たち一行四人は大森林に迷い、高姫に会えなかったが、春彦とヨブが出会った石地蔵にたどり着き、石地蔵から高姫たちは神業を果たして凱旋したことを伝えられた。正純彦一行は三日遅れて帽子ケ岳山頂に到着した。
一行は十八人となり、屏風ケ岳山脈を下って長い原野を渡り、ブラジル峠を越えてウヅの都の末子姫の館に凱旋した。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]:
備考:
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データ凡例:
データ最終更新日:2022-05-19 18:12:08
OBC :rm3214
愛善世界社版:158頁
八幡書店版:第6輯 206頁
修補版:
校定版:165頁
普及版:67頁
初版:
ページ備考:
001神代の昔高天にて 002五六七の神と現はれし
003瑞の御霊の月神が
005高砂島の秘密郷
008聳り立ちたる大森林
009広袤千里の中心に 010貴の聖地を形造り
011月の御霊の天降り
014千代の棲処と定めつつ
015月大神を朝夕に 016心の限り伏し拝み
017斎き祀れる折柄に 018常世会議の其砌
019武備撤回の制定に
021常世の国を後にして
023此森林に襲ひ来て 024心正しき兎の族を
025虐げ殺して餌となし 026日に日に募る暴虐に
027正しき兎は九分九厘 028彼等が毒牙にかかりつつ
029種族も絶えむとする時に 030綾の聖地を後にして
031現はれ来る三五の 032神の司の鷹依姫や
034目無し堅間の船に乗り
036伊猛り狂ふアマゾン河を
040月の御神を祀りたる
042虎狼や獅子に熊
043大蛇禿鷲其外の 044禽獣虫魚に至る迄
045神の恵の言霊に 046言向け和し今は早
047時雨の森は天国の 048春を楽む真最中
049鷹依姫の後を追ひ
052高姫、常彦、春彦が
053神の伊吹に服従ひて 054茲にいよいよ十二人
056天津御神の賜ひてし
057貴の言霊宣りつれば
059其他の怪獣悉く 060神の恵に悦服し
061霊を清め天上に 062雲を起して舞ひ上り
063尊き神の御使と
068心の空も安彦や
069胸凪ぎ渡る宗彦が 070清き心の秋山別の
071神の司と諸共に
073案内につれて屏風山 074果てしも知らぬ山脈の
076帽子ケ岳の霊光を
079山河渡り谷を越え
083時雨の森の神軍に
085言依別の大教主
087二人が前に辿りつき 088宏大無辺の神恩を
090都を指して進み行く
093 十二人の一行はアマゾン河の魔神を言向け和し、094各自に霊魂の行末を明かに諭し、095且つ救ひの道を開き、096琉と球との霊光に照らされ、097意気揚々として宣伝歌を歌ひながら、098山川渓谷を跋渉し、099やうやくにして、100帽子ケ岳に止り、101種々の神策を行ひ、102神軍応援に従事しゐたる教主言依別命、103国依別命の前に帰り来り互に其無事を祝し、104成功をほめ、105感謝の涙を流しつつ互に打解け、106喜び勇んで帽子ケ岳の頂上に、107国魂神の神霊を祀り、108感謝の祝詞を奏上し、109凱旋の祝を兼ね、110あたりの木の実を採収し来りて各其美味をほめ、111ここに山上の大宴会は開かれにける。
112 然るに、113時雨の森の北の森林に向ひたる正純彦、114カール、115石熊、116春公の一隊は何の消息もなく、117一日待てども二日待てども、118帰り来るべき様子さへなかりける。
119 ここに言依別命が国魂神を厚く念じ、120一同神楽を奏し、121言霊歌をうたひて、122正純彦一行が、123無事此処に帰り来るべき事を十二の身魂を合せて、124熱心に祈願をこめつつありぬ。
125 一行四人は大森林を右に左に駆巡り、126高姫一行の在処を捜し求むれども、127音に聞えし数百里の大森林、128容易に発見すべくもあらず、129殆ど絶望の淵に沈み、130一行四人は双手を組んで、131以前春彦、132ヨブが暫し休息したる頭欠け石地蔵の傍に惟神的に引寄せられ、133石地蔵より、134高姫、135鷹依姫以下十人、136アマゾン河の魔神を言向け和し、137今や帽子ケ岳に向つて凱旋の途中なることを詳細に解き諭され、138喜び勇んで、139帽子ケ岳さして、140三日遅れた夕暮に漸く山上に辿りつき、141言依別命以下の無事を祝し、142ここに一行十八人となり、143賑々しく屏風ケ岳の山脈を降りて長き原野をわたり、144ブラジル峠を乗越え、145暑熱の太陽に全身をさらしながら、146漸くにしてウヅの都の末子姫が館に凱旋する事となりたり。
147(大正一一・八・二三 旧七・一 松村真澄録)