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第一章 (こと)架橋(かけはし)〔九六五〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第35巻 海洋万里 戌の巻 篇:第1篇 向日山嵐 よみ(新仮名遣い):むこうやまあらし
章:第1章 言の架橋 よみ(新仮名遣い):ことのかけはし 通し章番号:965
口述日:1922(大正11)年09月15日(旧07月24日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年12月25日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
数ある広大無辺な大宇宙の中でも、吾が宇宙は霊力がすぐれて尊い。上には日月が永久に水火の光を放ちつつ、下界の地球を照らしている。
森羅万象はことごとく、無限絶対無始無終の霊力体の三元を備えて巡っている。太陽・大地・太陰の無限の生命は、神の御言の恵みなのである。
そもそも大地の根源は国常立大御神と豊国主大神の経と緯との水火をもって生成化育の神業を開き給いしものなのである。
至尊至貴なる大元霊、天御中主皇大神の霊徳は、すべての物にあまねく満ちている。高皇産霊神を霊系の祖神となし、神皇産霊神を体系の祖神となしたもうたのである。
霊力体の三元は、幾億万年の年を経ていよいよ宇宙を完成した。われらの宇宙の主宰神は、天には天照大神を称えまつり、国常立大神は地上の主宰と現れまして、金勝要大御神・神素盞嗚大神とは大地の霊力体となって地上の万物に恵みの露をうるおし護らせ給う。神の御国は尊いことである。
このような尊い皇神が造り守る神国に生を受けた人草は、広大無辺のご神徳を朝夕謹んで仰ぎ祀らずにいられようか。神はわれらの霊の祖であり体の祖である。肉体もまた大神からの借り物である。
皇大神が大経綸を遂げるために永久に守り給う天地、その神の機関と生まれた尊く清き精魂を磨き上げ、人と生まれた転職を尽くしまつれよ。
居間から三十五万年前、遠き神代に国治立大神は、神人たちの身魂を治めて美しい神代を造り固めようと根底の国に忍び、いろいろと身を変じて百の神たちを現し、三五教を立て給うた。
三五の神の館を、西のエルサレムと東の自転倒島に配り、神の心そのままを四方に伝える宣伝使を任命したのである。
三五教の宣伝使黒姫は、老いたる身も顧みずに筑紫の島の果てまでも教えを伝えて進んで行く。高山彦の行方を尋ねて、三人の共を連れて火の国の都目指して進んできたが、まだ執着心は晴れやらないというところから、この巻の物語は始まる。
現在の地理学上のアフリカ大陸は、太古には筑紫の島といった。この島は、大山脈をもって火の国、豊の国、筑紫の国、熊襲の国の四つに区画され、島のかなりの部分は大砂漠となっている。
現代の日本国の九州は、国祖国常立之尊が大地を修理個性したもうたとき、アフリカの胞衣として造りたもうたのである。
琉球を竜宮と称すのも、もともとオーストラリアの竜宮島の胞衣として造られたからである。しかし大神は思うところあってこれを葦舟に流して捨てたまい、新たに四国の島を胞衣として造りたもうた。ゆえに神界では四国は竜宮の一つ島と称えられている。丹後沖に浮かぶ冠島もまた、神界では竜宮島と称えられている。
昔の聖地エルサレムは、現在よりももう少し東方にあり、シオン山という霊山によって地中海を両分し、東を竜宮海といった。神代のエルサレムはトルコの東方にあって、アーメニヤと南北相対していたのである。
ヨルダン河は、現在のユーフラテス河がそれである。太古のヨルダン河は、新約聖書のヨルダン河とは別物であり、現代のペルシャ湾が太古の死海であった。大洪水や大震災により、神代の地理は現代と多少変わった点があるのである。
前巻までに、黒姫一行が筑紫の島・熊襲の国の建日の港に上陸し、火の国の都を目指して進んで行く物語を述べておいた。火の国の神司・高国別命は神名を活津彦根命といい、高山彦と名乗っていた。高姫は、高国別命を自分の夫の高山彦だと思っていたのである。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2022-09-21 10:48:21 OBC :rm3501
愛善世界社版:7頁 八幡書店版:第6輯 477頁 修補版: 校定版:7頁 普及版:3頁 初版: ページ備考:
001広大(くわうだい)無辺(むへん)大宇宙(だいうちう)
002(かず)ある(なか)霊力(れいりよく)
003(すぐ)れて(たふと)(わが)宇宙(うちう)
004(うへ)には日月(じつげつ)永久(とこしへ)
005水火(すゐくわ)(ひかり)(はな)ちつつ
006下界(げかい)地球(ちきう)照臨(せうりん)
007森羅(しんら)万象(ばんしやう)(ことごと)
008無限(むげん)絶対(ぜつたい)無始(むし)無終(むしう)
009霊力体(れいりよくたい)三元(さんげん)
010(そな)へてめぐる(かみ)(わざ)
011太陽(たいやう)大地(だいち)太陰(たいいん)
012無限(むげん)生命(いのち)御倉(みくら)板挙(だな)
013(かみ)御言(みこと)(めぐみ)なり
014(そもそ)大地(だいち)根源(こんげん)
015国常立(くにとこたちの)大御神(おほみかみ)
016豊国主(とよくにぬしの)大神(おほかみ)
017(たて)(よこ)との水火(いき)をもて
018生成(せいせい)化育(くわいく)神業(しんげふ)
019(ひら)(たま)ひしものなるぞ
020無限(むげん)絶対(ぜつたい)無始(むし)無終(むしう)
021至尊(しそん)至貴(しき)なる大元霊(だいげんれい)
022(あめ)にまします御中主(みなかぬし)
023(すめ)大神(おほかみ)霊徳(れいとく)
024すべての(もの)遍満(へんまん)
025高皇(たかみ)産霊(むすび)(かみ)をして
026霊系(れいけい)祖神(そしん)となし(たま)
027神皇(かむみ)産霊(むすび)(かみ)をして
028体系(たいけい)祖神(そしん)となし(たま)
029あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
030霊力体(れいりよくたい)三元(さんげん)
031幾億万(いくおくまん)(とし)()
032いよいよ宇宙(うちう)完成(くわんせい)
033(われ)()宇宙(うちう)主宰神(しゆさいじん)
034(てん)にありては(おほ)日婁売(ひるめ)
035天照(あまてら)します大神(おほかみ)
036(たた)へまつるぞ(たふと)けれ
037国常立(くにとこたちの)大神(おほかみ)
038地上(ちじやう)主宰(しゆさい)()れまして
039金勝要(きんかつかねの)大御神(おほみかみ)
040(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)
041大地(だいち)霊力体(れいりよくたい)となり
042地上(ちじやう)()ける万類(ばんるゐ)
043(ひる)(よる)との区別(くべつ)なく
044(めぐみ)(つゆ)をうるほはし
045(まも)らせ(たま)葦原(あしはら)
046(かみ)御国(みくに)(たふと)けれ
047かかる(たふと)皇神(すめかみ)
048(ちから)(つく)(まも)ります
049大海原(おほうなばら)神国(しんこく)
050(せい)()けたる人草(ひとぐさ)
051広大(くわうだい)無辺(むへん)()神徳(しんとく)
052(あさ)(ゆふ)なに(つつし)みて
053(あふ)ぎまつらであるべきや
054(かみ)(われ)()(たま)(おや)
055(からだ)(おや)()れませば
056(われ)()()(しやく)肉体(にくたい)
057(みな)大神(おほかみ)()(もの)
058(すめ)大神(おほかみ)永久(とこしへ)
059(まも)(たま)ひて天地(あめつち)
060大経綸(だいけいりん)()(たま)
061(かみ)機関(きくわん)(うま)れたる
062(たふと)(きよ)きものならば
063至粋(しすゐ)至純(しじゆん)精魂(せいこん)
064(あさ)(ゆふ)なに(みが)()
065(ひと)(うま)れし天職(てんしよく)
066(つく)しまつれよ同胞(はらから)
067あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
068(いま)より三十五万(さんじふごまん)(ねん)
069(とほ)神代(かみよ)(さかのぼ)
070国治立(くにはるたちの)大神(おほかみ)
071(あめ)(した)なる神人(かみびと)
072身魂(みたま)(をさ)めて(うる)はしき
073神代(かみよ)(つく)(かた)めむと
074根底(ねそこ)(くに)(しの)びまし
075いろいろ雑多(ざつた)()(へん)
076(もも)(かみ)(たち)(あら)はして
077三五教(あななひけう)()(たま)
078(をしへ)四方(よも)(つた)へます
079(たふと)(きよ)三五(あななひ)
080(かみ)(やかた)をエルサレム
081自転倒(おのころ)(じま)(うづ)(みや)
082西(にし)(ひがし)(たま)くばり
083(かみ)(こころ)(その)(まま)
084四方(よも)(つた)ふる宣伝使(せんでんし)
085()けさせ(たま)有難(ありがた)
086(かみ)(つかさ)数多(かずおほ)
087()します(なか)三五(あななひ)
088(みち)(つか)ふる宣伝使(せんでんし)
089信心(しんじん)堅固(けんご)黒姫(くろひめ)
090(かみ)御言(みこと)(かしこ)みて
091四方(よも)人草(ひとぐさ)(すく)はむと
092()いたる()をも(かへり)みず
093(しま)八十島(やそしま)八十(やそ)(くに)
094筑紫(つくし)(しま)(はて)までも
095(をしへ)(つた)へて(すす)()
096勇健(ゆうけん)無比(むひ)神人(しんじん)
097不惜(ふじやく)身命(しんめい)物語(ものがたり)
098(こころ)筑紫(つくし)不知火(しらぬひ)
099世人(よびと)(すく)(たす)けむと
100高山彦(たかやまひこ)(あと)()
101自転倒(おのころ)(じま)立出(たちい)でて
102孫公(まごこう)芳公(よしこう)房公(ふさこう)
103三人(みたり)信徒(しんと)諸共(もろとも)
104(なみ)(ただよ)ふアフリカの
105建日(たけひ)(みなと)安着(あんちやく)
106(けは)しき(さか)()()えて
107()国都(くにみやこ)立向(たちむか)
108高山彦(たかやまひこ)所在(ありか)をば
109(もと)めて(きた)黒姫(くろひめ)
110執着心(しふちやくしん)のどこやらに
111まだ()れやらず()(いら)
112いろいろ雑多(ざつた)村肝(むらきも)
113(こころ)(つく)物語(ものがたり)
114今日(けふ)()(ぐわつ)十五(じふご)(にち)
115三五(さんご)(まき)(ひら)(ぐち)
116瑞祥閣(ずゐしやうかく)(おく)()
117安楽(あんらく)椅子(いす)によりかかり
118片手(かたて)団扇(うちは)()(なが)
119(ひざ)(たた)いて諄々(じゆんじゆん)
120繰出(くりだ)神代(かみよ)物語(ものがたり)
121(ふで)()(ひと)松村(まつむら)()
122真澄(ますみ)(そら)天津(あまつ)()
123晃々(くわうくわう)(かがや)午前(ごぜん)()()
124(しる)()くこそ(たの)しけれ
125あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
126御霊(みたま)(さち)はひましまして
127(かみ)のまにまに()()づる
128わが(こと)()永久(とこしへ)
129世人(よびと)(つた)へて惟神(かむながら)
130(かみ)(たま)ひし生身魂(いくみたま)
131()らさせ(たま)天津(あまつ)(かみ)
132国津(くにつ)(かみ)(たち)八百万(やほよろづ)
133産土神(うぶすながみ)(おん)(まへ)
134(つつし)(ゐやま)()ぎまつる
135(つつし)(かしこ)()ぎまつる。
136 現在(げんざい)地理学(ちりがく)(じやう)のアフリカの大陸(たいりく)は、137太古(たいこ)神代(かみよ)(おい)ては、138筑紫(つくし)(しま)()つた。139さうして(この)(しま)()(ひと)つにして(おも)()つあり。140()(くに)141(とよ)(くに)142筑紫(つくし)(くに)143熊襲(くまそ)(くに)大山脈(だいさんみやく)(もつ)区劃(くくわく)されてゐる。144さうして(しま)過半(くわはん)大沙漠(だいさばく)(もつ)形作(かたちづく)られてゐる。
145 現代(げんだい)日本国(にほんこく)西海道(せいかいだう)九州(きうしう)(また)総称(そうしよう)して筑紫(つくし)(しま)()ふ。146国祖(こくそ)国常立之(くにとこたちの)(みこと)大地(だいち)修理(しうり)固成(こせい)(たま)ひし(とき)アフリカ(こく)胞衣(えな)として(つく)(たま)ひし浮島(うきじま)である。147(また)琉球(りうきう)竜宮(りうぐう)といふのも、148オーストラリアの竜宮島(りうぐうじま)胞衣(えな)として(つく)られた。149されど大神(おほかみ)(すこ)しく(おも)(ところ)ましまして、150これを葦舟(あしふね)(なが)()(たま)ひ、151(あらた)一身(いつしん)四面(しめん)現在(げんざい)日本国(にほんこく)なる四国(しこく)(しま)胞衣(えな)として(つく)らせ(たま)うた。152(ゆゑ)四国(しこく)神界(しんかい)にては竜宮(りうぐう)(ひと)(じま)とも(とな)へられてゐるのである。153丹後(たんご)(おき)(うか)べる冠島(をしま)(また)竜宮島(りうぐうじま)と、154神界(しんかい)にては(とな)へられるのである。
155 (むかし)聖地(せいち)エルサレムの附近(ふきん)156現代(げんだい)地中海(ちちうかい)が、157大洪水(だいこうずゐ)以前(いぜん)にはモウ(すこ)しく東方(とうはう)展開(てんかい)してゐた。158さうしてシオン(ざん)といふ霊山(れいざん)(もつ)地中海(ちちうかい)両分(りやうぶん)し、159(ひがし)竜宮海(りうぐうかい)といつたのである。160今日(こんにち)地理学(ちりがく)(じやう)地名(ちめい)より()れば、161余程(よほど)位置(ゐち)(かは)つてゐる。162神代(かみよ)()けるエルサレムは(せう)亜細亜(アジア)土耳古(トルコ)東方(とうはう)にあり、163アーメニヤと南北(なんぼく)相対(あひたい)してゐた。
164 (また)ヨルダン(がは)はメソポタミヤの西南(せいなん)(なが)れ、165今日(こんにち)地理学(ちりがく)(じやう)からはユウフラテス(がは)()ふのがそれであつた。166新約(しんやく)聖書(せいしよ)(あら)はれたるヨルダン(がは)とは別物(べつもの)である。167さうしてヨルダン(がは)(そそ)死海(しかい)(また)別物(べつもの)たることは()(まで)もない。168今日(こんにち)地理学(ちりがく)(じやう)波斯湾(ペルシヤわん)古代(こだい)死海(しかい)であつた。169(しか)(なが)世界(せかい)大洪水(だいこうずゐ)170大震災(だいしんさい)()つて、171(うみ)(やま)となり、172(やま)(うみ)となり、173(あるひ)湖水(こすゐ)一部(いちぶ)決潰(けつくわい)して入江(いりえ)となつた(ところ)沢山(たくさん)あるから、174神代(かみよ)物語(ものがたり)今日(こんにち)地図(ちづ)より()れば、175多少(たせう)(かは)つた(てん)があるのは()むを()ぬのである。
176 さて三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)黒姫(くろひめ)現代(げんだい)のアフリカ、177筑紫(つくし)(しま)一部(いちぶ)178熊襲(くまそ)(くに)建日(たけひ)(みなと)上陸(じやうりく)し、179それより建日別(たけひわけの)(みこと)旧蹟地(きうせきち)(たづ)ね、180筑紫(つくし)(だけ)(さん)(にん)供人(ともびと)(とも)踏越(ふみこ)えて、181()(くに)(みやこ)()して(すす)()物語(ものがたり)は、182前巻(ぜんくわん)(おい)大略(たいりやく)()べておいた(とほ)りである。183いよいよこれより黒姫(くろひめ)()国都(くにみやこ)立向(たちむか)ひ、184高山彦(たかやまひこ)宣伝使(せんでんし)名乗(なの)高国別(たかくにわけの)(みこと)185神名(しんめい)活津(いくつ)彦根(ひこねの)(みこと)自分(じぶん)(をつと)高山彦(たかやまひこ)(おも)()め、186(をつと)所在(ありか)(さぐ)らむと(すす)()波瀾(はらん)重畳(ちようでふ)としたる面白(おもしろ)昔語(むかしがたり)である。187さうして自分(じぶん)(わか)(とき)(ある)事情(じじやう)(ため)捨児(すてご)をした(をとこ)()が、188成人(せいじん)して立派(りつぱ)宣伝使(せんでんし)となり、189(おな)(みち)(つか)へて()るのをも母子(おやこ)(とも)気付(きづ)かなかつたのが、190(ある)機会(きくわい)親子(おやこ)間柄(あひだがら)たる(こと)()(わた)り、191(よろこ)(いさ)んで自転倒(おのころ)(じま)聖地(せいち)(かへ)り、192麻邇(まに)宝珠(ほつしゆ)神業(しんげふ)奉仕(ほうし)する芽出度(めでた)事実(じじつ)口述(こうじゆつ)するのが本巻(ほんくわん)主眼(しゆがん)である。193(だい)三十三(さんじふさん)(くわん)参照(さんせう)すれば、194(この)(かん)消息(せうそく)(わか)るであらう。195あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
196大正一一・九・一五 旧七・二四 松村真澄録)
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