霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第九章 雁使(かりのつかひ)〔一〇九三〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第40巻 舎身活躍 卯の巻 篇:第2篇 寒梅照国 よみ(新仮名遣い):かんばいしょうこく
章:第9章 雁使 よみ(新仮名遣い):かりのつかい 通し章番号:1093
口述日:1922(大正11)年11月02日(旧09月14日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年5月25日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
清春山の岩窟に留守をあずかるバラモン教徒たちは、照国別たちが出立した後も酒宴にふけっていた。ポーロは酔った勢いで管を巻き、菖蒲の両親を取り返されてやけになり、部下たちに絡んでいる。
エルマとキリクの両人は、酔いに夢を誠と取り違え、長刀を抜いて暴れだし、中は大騒ぎになってしまった。そこへケーリスとタークスがやってきて一喝した。三五教に帰依して言霊の力が備わったケーリスの声に、一同は身体強直して倒れてしまった。
タークスは声も涼しく宣伝歌を歌い、自分たちはポーロたちを赦すために照国別から遣わされてきたのだと来意を告げた。
歌い終わるとポーロたちの体は動き、一同は二人の前に手をついてあやまり入った。バラモン教徒たちは、ケーリスとタークスの神徳に打たれて唯々諾々としている。ポーロは照国別からの信書を受け取り、恐る恐る開いた。
そこには、ポーロたちのすべての所業を赦すこと、また三五教に入信する意があるならばケーリスとタークスに付いてイソ館に赴き、共に日の出神らに教えを受けるように、という諭しの言葉が記されていた。
ポーロは感激して照国別の神文を一同に読み聞かせ、皆ケーリスとタークスにしたがってイソ館に参進することになった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-02-01 23:23:48 OBC :rm4009
愛善世界社版:105頁 八幡書店版:第7輯 456頁 修補版: 校定版:110頁 普及版:49頁 初版: ページ備考:
001フサと(つき)との国境(くにざかひ)
002アフガニスタンの北方(ほつぱう)
003(くも)(あつ)してそそり()
004清春山(きよはるやま)はバラモンの
005(をしへ)()つて第一(だいいち)
006要害(えうがい)堅固(けんご)関所(せきしよ)ぞと
007()遠近(をちこち)(とどろ)きぬ
008大黒主(おほくろぬし)(めい)()
009清春山(きよはるやま)神柱(かむばしら)
010大足別(おほだるわけ)軍卒(ぐんそつ)
011数多(あまた)(ひき)ゐてカルマタの
012(くに)(みやこ)(わだか)まる
013ウラルの(ひこ)(たま)(すゑ)
014常暗彦(とこやみひこ)集団(しふだん)
015(ただ)一戦(いつせん)相屠(あひほふ)
016バラモン(けう)安泰(あんたい)
017(まも)らむ(ため)()でゆきし
018(あと)()ぬけの(から)となり
019難攻(なんこう)不落(ふらく)絶所(ぜつしよ)をば
020(ちから)となしてポーロをば
021臨時(りんじ)岩窟(いはや)(つかさ)とし
022()でゆきし(あと)岩窟(がんくつ)
023制度(せいど)秩序(ちつじよ)(みだ)れはて
024()()()いで十数(じふすう)
025番卒(ばんそつ)(ども)(はらわた)
026(くさ)らす牛飲(ぎういん)馬食(ばしよく)(くわい)
027(さか)んに(おこな)()たりしが
028三五教(あななひけう)神司(かむつかさ)
029照国別(てるくにわけ)一行(いつかう)
030言霊線(ことたません)放射(はうしや)され
031右往(うわう)左往(さわう)()(まど)
032(その)惨状(さんじやう)()のがして
033(さき)(いそ)ぎし宣伝使(せんでんし)
034両親(りやうしん)(いもと)(まも)りつつ
035(かへ)りし(あと)(また)(もと)
036牛飲(ぎういん)馬食(ばしよく)(くわい)となり
037()めよ(さわ)げよ(うた)へよ()へよ
038一寸先(いつすんさき)(やみ)()ぢや
039(やみ)(あと)には(つき)()
040(つき)(つき)ぢやが(うん)(つき)
041キヨロつき、マゴつき、ウソつきの
042バラモン(けう)神柱(かむばしら)
043(いくさ)()たうが()けようが
044国家(こくか)興亡(こうばう)吾々(われわれ)
045(あへ)(くわん)するとこでない
046(あさ)から(ばん)まで(さけ)()
047(うま)(もの)()楽々(らくらく)
048(くら)して(その)()(おく)るのが
049文明(ぶんめい)人種(じんしゆ)行方(やりかた)
050ウラル(けう)もどきに悪化(あくくわ)して
051ポーロ、レールを(はじ)めとし
052ハール、エルマやシヤム、キルク
053(その)(ほか)(のこ)りの信徒(まめひと)
054()まな(そん)ぢやと(あらそ)うて
055ヘベレケ(ごし)になりながら
056岩窟(いはや)(なか)()ひまわり
057大蛇(をろち)正体(しやうたい)(あら)はして
058(さわ)(くる)ふぞ可笑(をか)しけれ。
059 ポーロはもつれ(じた)無理(むり)(うご)かせながら、
060ポーロ『オイ、061レール、062とうとう(ぢぢ)イと(ばば)アを取返(とりかへ)され、063折角(せつかく)陥穽(おとしあな)(おと)した三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)一行(いつかう)(また)064ヤツコスの裏返(うらがへ)りに()つて、065サツパリ掠奪(りやくだつ)され、066最早(もはや)(おれ)(たち)使命(しめい)はこれで()きたと()ふものだ。067こんな(さび)しい岩窟(いはや)頑張(ぐわんば)つて()つたのも、068あの夫婦(ふうふ)押込(おしこ)め、069彼奴(あいつ)(くち)から菖蒲(あやめ)口説(くど)(おと)させ、070大足別(おほだるわけ)さまの女房(にようばう)にする(ため)(つと)めてゐたのだが、071モウ()うなつちやア仕方(しかた)がない。072本館(ほんやかた)立帰(たちかへ)らうぢやないか。073大足別(おほだるわけ)さまは不在(ふざい)でも、074小足別(こだるわけ)神司(かむつかさ)がまだ沢山(たくさん)部下(ぶか)()れて(まも)つてゐるから、075そこまで(ひと)退却(たいきやく)しようかい。076グヅグヅしてゐるとあの宣伝使(せんでんし)()むし(かへ)しにやつて()よつたら、077それこそ今度(こんど)はポーロもボロクソにやられて(しま)はねばならぬかも()れない。078さうだから(いま)(うち)にポーロい(しる)()うて、079(あと)未練(みれん)のないやうにしておかうと(おも)つて、080特別(とくべつ)破格(はかく)(もつ)て、081貴様(きさま)たちに勉強(べんきやう)さして牛飲(ぎういん)馬食(ばしよく)(つと)めさしてゐるのだ。082(この)(ごろ)貴様(きさま)一向(いつかう)不勉強(ふべんきやう)ぢやないか。083(はじ)めの(うち)(わづ)かに十六(じふろく)(にん)(もつ)四斗(しと)五斗(ごと)()んでくれたが、084(なん)だ、085(この)(ごろ)十七八(じふしちはち)(にん)()つて(わづ)かに一斗(いつと)五六升(ごろくしよう)(さけ)にヘベレケになりよつて、086そんな(こと)(この)岩窟(がんくつ)(さけ)何時(いつ)なくなるか(わか)つたものぢやないぞ。087レール、088ちつと(みな)(やつ)鞭撻(べんたつ)して、089(すこ)活動(くわつどう)させたら如何(どう)だい』
090レール『(おれ)だつて何時(いつ)もレールから脱線(だつせん)する(ところ)まで奨励(しやうれい)してるのだから、091モウこの(うへ)勉強(べんきやう)せいと()つても仕方(しかた)がないワ。092ウラル(けう)(やつ)でもゐよると、093五六(ごろく)(にん)新手(あらて)(くは)へて、094()ましてやつたなら、095それはそれは随分(ずゐぶん)はかがゆくのだけれどなア。096(さけ)()むなら薬鑵(やくわん)()めよ、097薬鑵(やくわん)がいやなら壺口(つぼぐち)()めよ。098壺口(つぼぐち)がいやなら飛込(とびこ)んで()めよ、099猩々(しやうじやう)(やつ)めが(きも)つぶし、100(あき)(かへ)つて()げるよに()めよ、101()めよ()めよドツサリ()めよ、102()めば()(ほど)()徳利(とくり)だ。103デカタンシヨウ デカタンシヨウ……とやつたら、104随分(ずゐぶん)面白(おもしろ)からうがな。105アーン』
106ポーロ『オイ、107シヤム、108貴様(きさま)(この)(ごろ)一向(いつかう)(さけ)勉強(べんきやう)をせぬぢやないか。109(なん)だか口汚(くちぎた)ないシヤムシヤムと(めし)ばかり(くら)ひやがつて、110そんなことで牛飲党(ぎういんたう)幹部(かんぶ)になれるか。111グヅグヅしてゐると(さけ)のなくならぬ(うち)三五教(あななひけう)がやつてくるかも()れぬぞ。112さうなつたら(おれ)(たち)三五教(あななひけう)ぢやないが、113無抵抗(むていかう)主義(しゆぎ)だから、114(うま)(さけ)(のこ)つてると、115(あと)執着心(しふちやくしん)(のこ)つて(いさぎよ)()げられぬからなア。116(てき)(さけ)()ますも(あま)()()かぬぢやないか』
117シヤム『ナアニ、118三五教(あななひけう)だつてヤツパリ人間(にんげん)だ。119彼奴(あいつ)()んでもヤツパリ(うま)(さけ)(うま)いのだ。120ウラル(けう)(やつ)手伝(てつだ)はすより、121余程(よほど)ハカが()くかも()れぬぞ。122(なん)()んでも三五教(あななひけう)だから、123(はら)にたまる気遣(きづかひ)もなし、124(おれ)(たち)のやうに、125(ぢき)づぶ(ろく)メンタルになる(おそれ)はなからうぞ。126なあ、127ハール、128三五教(あななひけう)がやつて()たら………これはこれはようこそ()入来(じゆらい)(くだ)さいました。129何分(なにぶん)(あく)(おん)大将(たいしやう)不在(ふざい)(ござ)いますから、130結構(けつこう)毒酒(どくしゆ)をあげる(わけ)にもゆかず、131とつときのよい(さけ)()みませぬが、132一献(いつこん)どうでげせう……とかますのだ。133さうすると、134(さけ)()(わら)はぬ(やつ)アないから、135何程(なにほど)三五教(あななひけう)だつて、136すぐに相好(さうがう)をくずし、137(のど)をグルグル()はして……ヤアこれはこれは(おも)ひがけなき()馳走(ちそう)頂戴(ちやうだい)(いた)しました……といつて、138()(ほそ)うしてグツと一杯(いつぱい)やつたらモウ大丈夫(だいぢやうぶ)だ。139一杯(いつぱい)のんでも(うま)い、140二杯(にはい)のんでも(また)(うま)い、141三杯(さんばい)のんでもまだ(うま)い、142四杯(しはい)五杯(ごはい)143百杯(ひやつぱい)千杯(せんぱい)と、144しまひの(はて)にや土手(どて)()らし、145三五教(あななひけう)(なに)(わす)れて(しま)ひ、146キツと牛飲(ぎういん)馬食(ばしよく)(くわい)会員(くわいいん)になるにきまつとる。147さうなると、148(あま)(おれ)(たち)(さけ)()まぬやうにするのだ。149向方(むかふ)十分(じふぶん)()うた潮合(しほあひ)(はか)つて、150()(やつ)()(やつ)をあの陥穽(おとしあな)埋葬(まいさう)さへすれば、151三五教(あななひけう)百匹(ひやつぴき)二百匹(にひやつぴき)()たつて、152さまで(おどろ)くには(およ)ばぬよ。153(なん)妙案(めうあん)奇策(きさく)ぢやないか』
154 かく(はな)(とき)しも、155エルマ、156キルクの両人(りやうにん)今迄(いままで)()(たふ)れてゐたが、157(なん)(かん)じたかムクムクと起上(おきあが)り、
158エルマ、キルク『コーリヤ、159どいつも此奴(こいつ)も、160計略(けいりやく)(もつ)ておれ()両人(りやうにん)(ころ)そうとしたなア。161(おれ)死物狂(しにものぐる)ひだ』
162(ゆめ)(まこと)(おも)(ひが)め、163矢庭(やには)(おく)()()()り、164両人(りやうにん)長刀(ちやうたう)をスラリと引抜(ひきぬ)いて、165ポーロ、166レール、167シヤム、168ハール(その)()十二三(じふにさん)(にん)(むれ)(むか)つて、169無性(むしやう)矢鱈(やたら)切込(きりこ)んだ。170(ほほ)(にく)をけづられた(やつ)171(はな)(さき)()られた(やつ)172(みみ)(おと)された(やつ)173(うで)()られ、174(ゆび)()ばされ、
175『コラコラ(なに)をする』
176といひながら徳利(とくり)(はち)(さかづき)(ぜん)(もつ)(ふせ)(たたか)ふ。177徳利(とつくり)(はち)()れる(おと)パチパチ ガチヤ ガチヤ、178ウン、179キヤア、180アイタと咆吼(はうかう)怒号(どがう)(こゑ)(いち)()(おこ)(きた)り、181岩窟(いはや)(そと)(まで)(きこ)えて()た。182ケーリス、183タークスの両人(りやうにん)何事(なにごと)変事(へんじ)突発(とつぱつ)せしやと、184足許(あしもと)注意(ちうい)しながら(おく)(ふか)(すす)()れば、185岩窟(いはや)(なか)阿鼻(あび)叫喚(けうくわん)186修羅(しゆら)(ちまた)激変(げきへん)してゐる。187ケーリスは矢庭(やには)(らい)(ごと)(こゑ)()()げ、
188ケーリス『コラツ』
189一喝(いつかつ)した。190どこともなく(その)言霊(ことたま)三五教(あななひけう)威力(ゐりよく)(そな)はつてゐたと()え、191エルマ、192キルクは(その)(こゑ)(とも)(かたな)をバタリと(おと)して尻餅(しりもち)をつき、193仰向(あふむ)けに(たふ)れる。194ポーロ以下(いか)連中(れんちう)()()つた得物(えもの)(ことごと)(その)(こゑ)(とも)にパタリと(おと)し、195(おな)じく仰向(あふむ)けに、196(のこ)らず(たふ)れて(しま)つた。197(いづ)れもケーリスの言霊(ことたま)威力(ゐりよく)()たれて身体(しんたい)強直(きやうちよく)し、198(くび)から(うへ)のみをクルクルと廻転(くわいてん)させ、199蒼白(まつさを)(かほ)して(うめ)いてゐる。
200 タークスは(こゑ)(すず)しく宣伝歌(せんでんか)(うた)()した。
201タークス大黒主(おほくろぬし)(めい)()
202イソの(やかた)立向(たちむか)
203鬼春別(おにはるわけ)将軍(しやうぐん)
204先鋒隊(せんぽうたい)(つか)へたる
205片彦(かたひこ)さまに(したが)うて
206ライオン(がは)打渡(うちわた)
207(こま)(またが)堂々(だうだう)
208クルスの(もり)(きた)(をり)
209三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)
210照国別(てるくにわけ)一行(いつかう)
211(おも)はぬ(ところ)出会(でつくは)
212(たがひ)(いど)(たたか)ひつ
213味方(みかた)(もろ)くも敗北(はいぼく)
214(われ)()二人(ふたり)言霊(ことたま)
215()たれて(うま)より転落(てんらく)
216(いのち)(あやふ)くなりけるが
217仁慈(じんじ)無限(むげん)三五(あななひ)
218(かみ)(つか)へし神司(かむつかさ)
219照国別(てるくにわけ)(てる)(うめ)
220二人(ふたり)(とも)諸共(もろとも)
221(われ)()(たす)(いた)はりて
222(たふと)(をしへ)()(たま)
223三五教(あななひけう)信徒(まめひと)
224(ゆる)され(たま)ひし()(うへ)
225あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
226(かみ)御霊(みたま)(さち)はひて
227(われ)()二人(ふたり)(いさ)()
228栗毛(くりげ)(こま)(またが)りて
229清春山(きよはるやま)(ふもと)まで
230(かぜ)(かみ)をば(くしけづ)
231(すす)(きた)りし(もの)なるぞ
232ここに(こま)をば乗捨(のりす)てて
233(なんぢ)ポーロに()はむ(ため)
234照国別(てるくにわけ)信書(しんしよ)をば
235(もたら)(きた)()一行(いつかう)
236岩窟(いはや)(そと)にて(うかが)へば
237阿鼻(あび)叫喚(けうくわん)惨状(さんじやう)
238()にとる(ごと)(きこ)えたり
239只事(ただごと)ならじと吾々(われわれ)
240(すす)(きた)りて(なが)むれば
241落花(らくくわ)狼藉(らうぜき)ここかしこ
242血潮(ちしほ)(あめ)()りしきり
243丼鉢(どんぶりばち)()(くる)
244徳利(とくり)(ちう)飛上(とびあ)がり
245さながら戦場(せんぢやう)(ごと)くなり
246ポーロ、レールよシヤム、ハール
247エルマやキルク(その)(ほか)
248(かみ)(つかさ)よ、よつく()
249(ひと)(かみ)()(かみ)(みや)
250(ひと)つの(かみ)(つく)らしし
251同胞(はらから)なれば村肝(むらきも)
252(こころ)(あは)(むつま)じく
253天地(てんち)(かみ)御使(みつかひ)
254なりて(つか)ふる()なるぞや
255(なんぢ)()一同(いちどう)神柱(かむばしら)
256大足別(おほだるわけ)()でましし
257不在(るす)(さいは)甘酒(うまざけ)
258()ひくづれつつ(この)(さま)
259(かみ)(つかさ)()けられし
260(ひと)のなすべき(こと)ならず
261一日(ひとひ)(はや)(こころ)をば
262(あらた)(なほ)惟神(かむながら)
263(かみ)(ちか)ひてタークスが
264(なんぢ)(いまし)(さと)すなり
265あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
266御霊(みたま)(さち)はひましませよ
267(ひと)(ふた)()()(いつ)()
268(なな)()(ここの)(たり)(もも)()
269(よろづ)(かみ)御恵(みめぐみ)
270ポーロを(はじ)一同(いちどう)
271(こころ)(その)(はな)(ひら)
272(ただ)しき(をしへ)御柱(みはしら)
273(すく)はせ(たま)惟神(かむながら)
274(かみ)御前(みまへ)にねぎまつる』
275(うた)(をは)るや、276ポーロを(はじ)めレール(その)()一同(いちどう)はムクムクと(やうや)くにして起上(おきあが)り、277二人(ふたり)(まへ)(おそ)(おそ)()をつかへ、278あやまり()るのであつた。
279 ポーロ、280レールは(おな)じバラモン(けう)にて(かほ)見知(みし)つたるケーリス、281タークスの両人(りやうにん)(にはか)不可思議(ふかしぎ)神力(しんりき)()にそなへ、282()三五教(あななひけう)(しき)宣伝歌(せんでんか)(うた)ひたるに(きも)(つぶ)し、283(その)霊徳(れいとく)()たれて一言(ひとこと)(はつ)せず(また)反抗(はんかう)(てき)態度(たいど)もとらず、284唯々(ゐゐ)諾々(だくだく)として両人(りやうにん)のなすが(まま)服従(ふくじゆう)せむと、285()せずして(たがひ)(こころ)一致(いつち)してゐた。
286ケーリス『コレ、287ポーロさま、288大将(たいしやう)不在中(ふざいちゆう)だと(おも)つて、289随分(ずゐぶん)活躍(くわつやく)したものですな、290(すこ)しタガがゆるんでゐるやうですよ。291かかる忠臣(ちうしん)留守(るす)(まも)らせておけば、292大足別(おほだるわけ)(さま)()安心(あんしん)でせう、293アハヽヽヽ』
294タークス『きまつた(こと)よ。295(おに)()()(こころ)洗濯(せんたく)(あそ)ばしたのだ。296(たれ)だつて(いま)人間(にんげん)面従(めんじう)腹背(ふくはい)とかいつて、297本人(ほんにん)(まへ)ではペコペコと(あたま)()げ………お(まへ)さまのことなら(いのち)でも差上(さしあ)げますと、298(ふた)()には巧妙(かうめう)辞令(じれい)使(つか)つてゐるが、299(その)(まへ)(はな)れると、300すぐに()つて(かは)つて悪口(あくこう)()つたり反対(はんたい)(てき)行動(かうどう)()るものだ。301それが所謂(いはゆる)現代(げんだい)思潮(してう)だ。302いはば時勢(じせい)忠実(ちうじつ)行方(やりかた)()はば()へぬことはない。303何事(なにごと)神直日(かむなほひ)304大直日(おほなほひ)見直(みなほ)聞直(ききなほ)し、305善意(ぜんい)(この)()解釈(かいしやく)しておく(はう)(おだや)かであらうよ。306(おれ)だつて、307昨日(きのふ)までならキツトさうだ。308ポーロさまに(けつ)して()けるものぢやない。309吾々(われわれ)だつて片彦(かたひこ)将軍(しやうぐん)(なん)といつた………仮令(たとへ)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)幾万騎(いくまんき)押寄(おしよ)(きた)るとも、310(いのち)(かぎ)奮闘(ふんとう)(つづ)け、311不幸(ふかう)にして(いのち)がなくなれば、312七度(ななたび)(うま)(かは)つて、313バラモン(けう)(ため)三五教(あななひけう)(つかさ)殲滅(せんめつ)(いた)さねばおきませぬ………と(ちか)つた()もなく(すぐ)(この)(とほ)三五教(あななひけう)帰順(きじゆん)して(しま)つたのだから、314人間(にんげん)のやる(こと)如何(どう)しても矛盾(むじゆん)(まぬ)がれない。315オイポーロさま、316(じつ)(おれ)(たち)最早(もはや)三五教(あななひけう)信徒(しんと)だ。317これからイソの(やかた)修行(しうぎやう)(まゐ)(ところ)だ。318(その)途中(とちう)(おい)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)………つまり(おれ)(たち)親分(おやぶん)319照国別(てるくにわけの)(みこと)から信書(しんしよ)をことづかつて()たから、320(なに)()いてあるか()らぬが、321よく(あらた)めて()んでくれ』
322 ポーロは照国別(てるくにわけ)()いて、323(むね)をビクつかせながら信書(しんしよ)受取(うけと)り、324(ふう)おし()つてソロソロと()(くだ)した。325信書(しんしよ)()()(しき)りに(ふる)へてゐる。326(その)文面(ぶんめん)()(とほ)りである。
327『一、328三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)照国別(てるくにわけ)より清春山(きよはるやま)岩窟(がんくつ)留守職(るすしよく)ポーロに一書(いつしよ)(おく)る。329(わが)両親(りやうしん)は、330(なが)らく(なんぢ)手厚(てあつ)きお世話(せわ)になり、331安楽(あんらく)月日(つきひ)(おく)り、332あらゆる()艱難(かんなん)()めた(ため)333(やうや)くにして(たふと)(かみ)恩恵(おんけい)(さと)り、334(また)(わが)(いもうと)(おな)じく神徳(しんとく)広大(くわうだい)無辺(むへん)なるを(さと)り、335(ただ)しき三五(あななひ)信徒(しんと)となりしも、336(えう)するに(なんぢ)()迫害(はくがい)(てき)同情(どうじやう)賜物(たまもの)たることを(ふか)(しん)(ふか)感謝(かんしや)する。337(また)岩彦(いはひこ)宣伝使(せんでんし)はヤツコスと()(へん)じ、338(なんぢ)岩窟(いはや)(やかた)(しの)()み、339種々(しゆじゆ)雑多(ざつた)のバラモン(けう)教理(けうり)(さぐ)()たるは、340向後(かうご)()ける(かれ)活動(くわつどう)(じやう)341(もつと)便宜(べんぎ)()たるものと確信(かくしん)し、342これ(また)(つつし)んで感謝(かんしや)する次第(しだい)である。
343 (つぎ)吾々(われわれ)(はじ)一行(いつかう)(もの)344暗黒(あんこく)なる陥穽(おとしあな)(はふ)りこまれ、345(いな)陥落(かんらく)したるより、346不注意(ふちうい)(もつと)(おそ)るべきを(さと)りたるは、347今後(こんご)吾々(われわれ)活動(くわつどう)(じやう)()ける()(いまし)めにして、348(まつた)(なんぢ)()恩恵(おんけい)()るものと、349これ(また)(つつし)んで感謝(かんしや)する。350(ひと)(すべ)(たふと)造物主(ざうぶつしゆ)分霊(ぶんれい)分体(ぶんたい)なれば、351狭隘(けふあい)なる(をしへ)()(まう)けて、352(たがひ)信仰(しんかう)(あらそ)ひ、353主義(しゆぎ)(たたか)はすは、354大慈(だいじ)大悲(だいひ)(もと)御祖(みおや)(かみ)(たい)し、355不孝(ふかう)(つみ)356これより(だい)なるはなかるべし。
357 ケーリス、358タークスの両人(りやうにん)(ただ)ちに三五(あななひ)教理(けうり)(さと)り、359(すみや)かに入信(にふしん)したれば、360(いま)よりウブスナ(やま)のイソ(やかた)(つか)はし、361天晴(あつぱ)(まこと)神柱(かむばしら)となさむ(ため)差遣(さしつか)はす途中(とちう)362(この)手紙(てがみ)(なんぢ)(つつし)んで(てい)する。363万一(まんいち)(なんぢ)()にして照国別(てるくにわけ)(げん)肯定(こうてい)するならば、364(この)二人(ふたり)(とも)にイソの(やかた)(まゐ)り、365()出別(でわけ)(かみ)(はじ)(その)()神司(かむづかさ)より(をしへ)()けられよ。366恐惶(きようくわう)頓首(とんしゆ)
367(しる)してあつた。368ポーロは(なみだ)(なが)して感歎(かんたん)し、369(ふたた)(この)神文(しんもん)()()げ、370一同(いちどう)()かせた。371レール、372シヤム(その)()一同(いちどう)異口(いく)同音(どうおん)照国別(てるくにわけ)宣伝使(せんでんし)称讃(しようさん)し、373(かつ)三五教(あななひけう)教理(けうり)十方(じつぱう)無礙(むげ)374光明(くわうみやう)赫灼(かくしやく)たるに打驚(うちおどろ)き、375(こころ)(あらた)め、376二人(ふたり)(したが)つてイソ(やかた)参進(さんしん)することとなつた。377あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
378大正一一・一一・二 旧九・一四 松村真澄録)
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