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天祥地瑞
第73巻(子の巻)
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第75巻(寅の巻)
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第77巻(辰の巻)
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第71巻(戌の巻)
序文
総説
第1篇 追僧軽迫
01 追劇
〔1790〕
02 生臭坊
〔1791〕
03 門外漢
〔1792〕
04 琴の綾
〔1793〕
05 転盗
〔1794〕
06 達引
〔1795〕
07 夢の道
〔1796〕
第2篇 迷想痴色
08 夢遊怪
〔1797〕
09 踏違ひ
〔1798〕
10 荒添
〔1799〕
11 異志仏
〔1800〕
12 泥壁
〔1801〕
13 詰腹
〔1802〕
14 障路
〔1803〕
15 紺霊
〔1804〕
第3篇 惨嫁僧目
16 妖魅返
〔1805〕
17 夢現神
〔1806〕
18 金妻
〔1807〕
19 角兵衛獅子
〔1808〕
20 困客
〔1809〕
余白歌
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第三章
門外漢
(
もんぐわいかん
)
〔一七九二〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第71巻 山河草木 戌の巻
篇:
第1篇 追僧軽迫
よみ(新仮名遣い):
ついそうけいはく
章:
第3章 門外漢
よみ(新仮名遣い):
もんがいかん
通し章番号:
1792
口述日:
1925(大正14)年11月07日(旧09月21日)
口述場所:
祥明館
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1929(昭和4)年2月1日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
かつて日の出別の宣伝使に使えていた玉清別は、バラモン教を逃れて、タニグク山の峰続きに神谷村を作って時期を待っていた。
玉清別には、妻玉子姫との間に、神の子、玉の子という二人の子があった。神の子は小さいころより、神童と呼ばれていた。
玄真坊はダリヤが庄屋・玉清別の屋敷にいると知ってさっそくたずねてくるが、玉子姫に正体を見破られ、言い負かされて閉め出しをくってしまう。
玄真坊は自分は改心し、神の柱となって福音を述べにきたと歌うが、神の子・玉の子に逆に心を見透かされ、馬鹿にされてしまう。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm7103
愛善世界社版:
40頁
八幡書店版:
第12輯 513頁
修補版:
校定版:
42頁
普及版:
18頁
初版:
ページ備考:
001
千
(
せん
)
年
(
ねん
)
の
齢
(
よはひ
)
を
保
(
たも
)
つ
丹頂
(
たんちやう
)
の
鶴
(
つる
)
は
枯木
(
かれき
)
に
巣
(
す
)
は
造
(
つく
)
らない、
002
空
(
そら
)
を
飛
(
と
)
ぶ
鳥
(
とり
)
さへ
突
(
つつ
)
かれた
巣
(
す
)
には
怖
(
おそ
)
れて
帰
(
かへ
)
らず、
003
地
(
ち
)
を
潜
(
くぐ
)
る
獣
(
けだもの
)
も
一
(
いつ
)
たん
狙
(
ねら
)
はれた
穴
(
あな
)
には
再
(
ふたた
)
び
近
(
ちか
)
づかぬ
道理
(
だうり
)
、
004
バラモン
教
(
けう
)
の
悪神
(
あくがみ
)
に
根城
(
ねじろ
)
を
覆
(
くつが
)
へされ、
005
タラハン
城下
(
じやうか
)
を
立
(
たち
)
出
(
い
)
で、
006
打
(
う
)
ちもらされし
残党
(
ざんたう
)
を
集
(
あつ
)
めて
007
人跡
(
じんせき
)
稀
(
まれ
)
なる
谷蟆山
(
たにぐくやま
)
の
峰
(
みね
)
つづき
神谷
(
かみたに
)
の
平原
(
へいげん
)
に
三十余
(
さんじふよ
)
戸
(
こ
)
の
家
(
いへ
)
をつくつて
008
飽迄
(
あくまで
)
も
祖先
(
そせん
)
伝来
(
でんらい
)
の
三五
(
あななひ
)
の
道
(
みち
)
を
遵奉
(
じゆんぽう
)
し
009
昼夜
(
ちうや
)
孜々
(
しし
)
として
家業
(
かげふ
)
を
励
(
はげ
)
み、
010
時
(
とき
)
を
得
(
う
)
れば
再
(
ふたた
)
び
三五
(
あななひ
)
の
法城
(
はふじやう
)
を
築
(
きづ
)
いて
天下
(
てんか
)
に
雄飛
(
ゆうひ
)
せむものと、
011
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
に
仕
(
つか
)
へたる
玉清別
(
たまきよわけ
)
は
此処
(
ここ
)
に
千代
(
ちよ
)
の
住家
(
すみか
)
を
定
(
さだ
)
め、
012
遠大
(
ゑんだい
)
な
望
(
のぞみ
)
を
抱
(
いだ
)
いて
時期
(
じき
)
の
到
(
いた
)
るを
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
013
玉清別
(
たまきよわけ
)
には
神
(
かみ
)
の
子
(
こ
)
、
014
玉
(
たま
)
の
子
(
こ
)
と
云
(
い
)
ふ
二男子
(
にだんし
)
があつた。
015
神
(
かみ
)
の
子
(
こ
)
は
幼少
(
えうせう
)
より
神童
(
しんどう
)
と
呼
(
よ
)
ばれ、
016
村内
(
そんない
)
に
其
(
その
)
神名
(
しんめい
)
を
轟
(
とどろ
)
かして
居
(
ゐ
)
た。
017
玉清別
(
たまきよわけ
)
の
妻
(
つま
)
、
0171
玉子姫
(
たまこひめ
)
は
夕餉
(
ゆふげ
)
の
用意
(
ようい
)
をなさむと
018
門先
(
かどさき
)
の
井戸端
(
ゐどばた
)
に
出
(
い
)
でて
釣瓶
(
つるべ
)
に
片手
(
かたて
)
をかけ
水
(
みづ
)
を
汲
(
く
)
まむとする
時
(
とき
)
しもあれ、
019
異様
(
いやう
)
の
托鉢僧
(
たくはつそう
)
が
錫杖
(
しやくぢやう
)
を
がちや
づかせ
乍
(
なが
)
ら、
020
三文奴
(
さんもんやつこ
)
を
従
(
したが
)
へ、
021
さも
鷹揚
(
おうやう
)
な
態度
(
たいど
)
で
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
り、
022
玉子姫
(
たまこひめ
)
の
美貌
(
びばう
)
を
不出来
(
ふでき
)
な
目鼻
(
めはな
)
を
一
(
ひと
)
つに
寄
(
よ
)
せて
微笑
(
びせう
)
し
乍
(
なが
)
ら
眺
(
なが
)
め、
023
手鼻
(
てばな
)
をツンと
噛
(
か
)
み、
024
天真坊
(
てんしんばう
)
『
拙者
(
せつしや
)
は
天帝
(
てんてい
)
の
化身
(
けしん
)
天来
(
てんらい
)
の
救世主
(
きうせいしゆ
)
天真坊
(
てんしんばう
)
と
申
(
まを
)
す
名僧
(
めいそう
)
知識
(
ちしき
)
で
厶
(
ござ
)
る』
025
と、
026
さも
鷹揚
(
おうよう
)
に
出歯
(
でば
)
をむき
出
(
だ
)
して
語
(
かた
)
る。
027
玉子姫
(
たまこひめ
)
は
一目
(
ひとめ
)
見
(
み
)
るより
思
(
おも
)
はず
吹
(
ふ
)
き
出
(
だ
)
さむとする
臍茶
(
へそちや
)
の
苦痛
(
くつう
)
を
奥歯
(
おくば
)
に
噛
(
かみ
)
殺
(
ころ
)
して
028
しみじみ
見
(
み
)
れば
見
(
み
)
る
程
(
ほど
)
醜男
(
しこを
)
も
醜男
(
しこを
)
、
029
不男
(
ぶをとこ
)
も
不男
(
ぶをとこ
)
、
030
これ
程
(
ほど
)
念入
(
ねんいり
)
に
出来
(
でき
)
上
(
あが
)
つた
面
(
つら
)
がまへでは
031
横町
(
よこまち
)
の
雌犬
(
めすいぬ
)
にけしかけても
叶
(
かな
)
はぬ
筈
(
はず
)
の
恋
(
こひ
)
、
032
まして
図
(
づ
)
う
図
(
づ
)
うしく
人間
(
にんげん
)
の
美人
(
びじん
)
、
033
匿
(
かくま
)
ひおいたダリヤ
姫
(
ひめ
)
に
向
(
むか
)
つて
慕
(
した
)
ふて
来
(
く
)
るとは、
034
恋
(
こひ
)
なればこそと
可笑
(
をか
)
しさに
堪
(
た
)
へかね、
035
「ホヽヽヽヽツ」と
笑
(
わら
)
へば、
036
天真坊
(
てんしんばう
)
はますます
居丈高
(
ゐたけだか
)
になり、
037
天
(
てん
)
『これはしたり、
038
当家
(
たうけ
)
の
奥様
(
おくさま
)
とあらう
者
(
もの
)
が
吾々
(
われわれ
)
の
顔
(
かほ
)
を
見
(
み
)
て、
039
一言
(
いちごん
)
の
挨拶
(
あいさつ
)
もなく
冷笑
(
れいせう
)
するとは
何事
(
なにごと
)
で
御座
(
ござ
)
る、
040
貴女
(
あなた
)
の
御
(
ご
)
心底
(
しんてい
)
心得
(
こころえ
)
申
(
まを
)
さぬ』
041
玉
(
たま
)
『これはこれは
天帝
(
てんてい
)
の
化身
(
けしん
)
様
(
さま
)
とやら、
042
何用
(
なによう
)
あつてお
越
(
こ
)
し
下
(
くだ
)
さいました。
043
エー
御用
(
ごよう
)
があらば
手
(
て
)
つ
取
(
と
)
り
早
(
ばや
)
く
仰有
(
おつしや
)
つて
下
(
くだ
)
さいませ。
044
エー
一寸
(
ちよつと
)
御
(
ご
)
様子
(
やうす
)
を
伺
(
うかが
)
へば
貴方
(
あなた
)
は
他宗
(
たしう
)
のお
方
(
かた
)
と
見
(
み
)
えますが、
045
当家
(
たうけ
)
は
宗旨
(
しうし
)
が
違
(
ちが
)
ひますから、
046
何卒
(
どうぞ
)
御
(
お
)
帰
(
かへ
)
りを
願
(
ねが
)
ひます』
047
天真坊
(
てんしんばう
)
は……ハハア
最前
(
さいぜん
)
の
化小僧
(
ばけこぞう
)
が
此
(
この
)
村
(
むら
)
は
三五教
(
あななひけう
)
と
云
(
い
)
ひよつたが、
048
これや
一
(
ひと
)
つ
三五教
(
あななひけう
)
に
化
(
ば
)
けてやらねばなるまい……と
態
(
わざ
)
と
素知
(
そし
)
らぬ
顔
(
かほ
)
をしながら、
049
天
(
てん
)
『エー
宗旨
(
しうし
)
が
違
(
ちが
)
ふと
今
(
いま
)
仰
(
おほ
)
せられましたが、
050
要
(
えう
)
するに
宗旨
(
しうし
)
なんかは
枝葉
(
しえふ
)
の
問題
(
もんだい
)
で
厶
(
ござ
)
います。
051
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
は
元
(
もと
)
は
一株
(
ひとかぶ
)
、
052
時代
(
じだい
)
とエー、
053
国
(
くに
)
との
都合
(
つがふ
)
によつて、
054
或
(
あるひ
)
は
神
(
かみ
)
と
現
(
げん
)
じ、
055
或
(
あるひ
)
は
仏
(
ほとけ
)
と
現
(
げん
)
じ、
056
自由
(
じいう
)
自在
(
じざい
)
の
活動
(
くわつどう
)
を
遊
(
あそ
)
ばすのが
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
で
御座
(
ござ
)
る。
057
拙者
(
せつしや
)
は
斯様
(
かやう
)
な
僧形
(
そうぎやう
)
をして
居
(
を
)
れど
真実
(
しんじつ
)
は
三五教
(
あななひけう
)
を
信仰
(
しんかう
)
いたすもの、
058
拙者
(
せつしや
)
の
弟子
(
でし
)
には
照国別
(
てるくにわけ
)
、
059
梅公
(
うめこう
)
、
060
照公
(
てるこう
)
などの
宣伝使
(
せんでんし
)
も
御座
(
ござ
)
いますから、
061
何宗
(
なにしう
)
か
知
(
し
)
りませぬが、
062
暫
(
しばら
)
く
拙者
(
せつしや
)
の
申
(
まを
)
す
事
(
こと
)
を
一応
(
いちおう
)
お
聞
(
き
)
き
下
(
くだ
)
されたい』
063
玉
(
たま
)
『アヽ
左様
(
さやう
)
で
厶
(
ござ
)
いますか、
064
有名
(
いうめい
)
な
照国別
(
てるくにわけ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
のお
師匠
(
ししやう
)
様
(
さま
)
と
仰有
(
おつしや
)
る
以上
(
いじやう
)
は
065
貴方
(
あなた
)
はお
名前
(
なまへ
)
は
何
(
なん
)
と
仰有
(
おつしや
)
いますか、
066
それを
承
(
うけたま
)
はつた
上
(
うへ
)
、
067
都合
(
つがふ
)
によつてはお
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
かして
貰
(
もら
)
ひませう』
068
天
(
てん
)
『
拙者
(
せつしや
)
は
最前
(
さいぜん
)
も
申
(
まを
)
す
通
(
とほ
)
り、
069
天来
(
てんらい
)
の
救世主
(
きうせいしゆ
)
、
070
天帝
(
てんてい
)
の
化身
(
けしん
)
シーゴーヨリコ
別
(
わけ
)
の
命
(
みこと
)
で
御座
(
ござ
)
る』
071
玉
(
たま
)
『ホヽヽヽヽ。
072
まるきりオーラ
山
(
さん
)
の
山賊
(
さんぞく
)
みたやうなお
名前
(
なまへ
)
で
御座
(
ござ
)
いますな』
073
天
(
てん
)
『これは
怪
(
け
)
しからぬ、
074
拙者
(
せつしや
)
はオーラ
山
(
さん
)
に
立
(
た
)
ち
向
(
むか
)
ひ、
075
シーゴー、
076
ヨリコの
頭目
(
とうもく
)
を
言向
(
ことむ
)
け
和
(
やは
)
し
一泡
(
ひとあわ
)
吹
(
ふ
)
かせ、
077
天下
(
てんか
)
の
禍
(
わざはひ
)
を
除
(
のぞ
)
き
078
記念
(
きねん
)
の
為
(
た
)
めに
彼
(
かれ
)
等
(
ら
)
頭目
(
とうもく
)
の
名
(
な
)
を
吾名
(
わがな
)
と
致
(
いた
)
した
剛
(
がう
)
のもので
御座
(
ござ
)
る』
079
玉
(
たま
)
『あら
左様
(
さやう
)
で
御座
(
ござ
)
いますか、
080
エー、
081
オーラ
山
(
さん
)
には
天帝
(
てんてい
)
の
化身
(
けしん
)
天来
(
てんらい
)
の
救世主
(
きうせいしゆ
)
、
0811
玄真坊
(
げんしんばう
)
とか
云
(
い
)
ふ
山子
(
やまこ
)
坊主
(
ばうず
)
が
居
(
を
)
つたやうに
噂
(
うはさ
)
に
聞
(
き
)
いて
居
(
を
)
りますが、
082
其
(
その
)
玄真坊
(
げんしんばう
)
はどうなりました。
083
定
(
さだ
)
めし
貴方
(
あなた
)
の
御
(
ご
)
神力
(
しんりき
)
によつて
打
(
う
)
ち
滅
(
ほろぼ
)
されたことで
御座
(
ござ
)
いませうねえ』
084
コブライは
天真坊
(
てんしんばう
)
の
袖
(
そで
)
をグイグイ
引
(
ひ
)
き
乍
(
なが
)
ら、
085
『もし
天真
(
てんしん
)
さま
086
駄目
(
だめ
)
ですよ。
087
足許
(
あしもと
)
の
明
(
あか
)
るい
中
(
うち
)
に
とつと
と
帰
(
かへ
)
りませう。
088
此
(
この
)
女
(
をんな
)
一通
(
ひととほり
)
の
女
(
をんな
)
ぢや
御座
(
ござ
)
いませんよ。
089
グヅグヅしてをると
化
(
ばけ
)
が
現
(
あらは
)
れますぜ』
090
天真坊
(
てんしんばう
)
は
小声
(
こごゑ
)
で、
091
『
馬鹿
(
ばか
)
云
(
い
)
ふな、
092
ダリヤ
姫
(
ひめ
)
が
当家
(
たうけ
)
に
匿
(
かく
)
れて
居
(
ゐ
)
ると
云
(
い
)
つたからは、
093
何
(
なん
)
とか
彼
(
か
)
とか
云
(
い
)
ふて
彼女
(
あいつ
)
を
引張
(
ひつぱ
)
りだす
迄
(
まで
)
、
094
此処
(
ここ
)
を
動
(
うご
)
かない
積
(
つも
)
りだ。
095
貴様
(
きさま
)
去
(
い
)
にたければ
勝手
(
かつて
)
に
去
(
い
)
ね』
096
玉子姫
(
たまこひめ
)
は
耳
(
みみ
)
ざとくも
二人
(
ふたり
)
の
囁
(
ささや
)
き
話
(
ばなし
)
を
聞
(
き
)
き
終
(
をは
)
り、
097
『ホヽヽヽ、
098
やつぱり
貴方
(
あなた
)
はオーラ
山
(
さん
)
の
玄真坊
(
げんしんばう
)
様
(
さま
)
でせう。
099
実
(
じつ
)
は
奥座敷
(
おくざしき
)
にお
前
(
まへ
)
さまの
尋
(
たづ
)
ねて
御座
(
ござ
)
るダリヤ
姫
(
ひめ
)
さまが、
100
バルギーと
云
(
い
)
ふ
気
(
き
)
の
利
(
き
)
いた
男
(
をとこ
)
さまと
休
(
やす
)
んで
居
(
を
)
られますよ。
101
それはそれは
睦
(
むつま
)
じさうな
御
(
ご
)
夫婦
(
ふうふ
)
ですわ。
102
玄真坊
(
げんしんばう
)
と
云
(
い
)
ふ
修験者
(
しゆげんじや
)
がやつて
来
(
きた
)
ら、
103
何卒
(
どうぞ
)
入
(
い
)
れないやうにして
呉
(
く
)
れと
呉々
(
くれぐれ
)
も
頼
(
たの
)
まれて
居
(
を
)
りますから、
104
何卒
(
どうぞ
)
お
帰
(
かへ
)
り
下
(
くだ
)
さいませ。
105
妾
(
わらは
)
は
夕飯
(
ゆふはん
)
のお
仕度
(
したく
)
で
大層
(
たいそう
)
忙
(
いそが
)
しう
御座
(
ござ
)
いますから』
106
天
(
てん
)
『
如何
(
いか
)
にも
拙者
(
せつしや
)
は
天帝
(
てんてい
)
の
化身
(
けしん
)
、
1061
玄真坊
(
げんしんばう
)
で
御座
(
ござ
)
る。
107
一度
(
いちど
)
はオーラ
山
(
さん
)
に
於
(
おい
)
て
悪神
(
あくがみ
)
に
嗾
(
そそのか
)
され
108
些
(
ちつ
)
と
許
(
ばか
)
り
善
(
よ
)
からぬ
事
(
こと
)
を
致
(
いた
)
したなれど、
109
悪
(
あく
)
に
強
(
つよ
)
ければ
善
(
ぜん
)
にもつよい
道理
(
だうり
)
、
110
今日
(
こんにち
)
の
玄真坊
(
げんしんばう
)
は
清浄
(
しやうじやう
)
無垢
(
むく
)
、
111
昔日
(
せきじつ
)
の
玄真坊
(
げんしんばう
)
では
御座
(
ござ
)
らぬ。
112
それ
故
(
ゆゑ
)
に
天帝
(
てんてい
)
より
天真坊
(
てんしんばう
)
と
神名
(
しんめい
)
を
賜
(
たま
)
はつた
者
(
もの
)
、
113
拙者
(
せつしや
)
を
一夜
(
いちや
)
お
泊
(
と
)
め
下
(
くだ
)
されば
家
(
いへ
)
の
御
(
ご
)
祈祷
(
きたう
)
にもなり、
114
子孫
(
しそん
)
長久
(
ちやうきう
)
、
115
福徳
(
ふくとく
)
円満
(
ゑんまん
)
疑
(
うたが
)
ひなし、
116
まげて
一夜
(
いちや
)
の
宿
(
やど
)
をお
願
(
ねが
)
ひ
申
(
まを
)
したい』
117
玉
(
たま
)
『
左様
(
さやう
)
ならば
一寸
(
ちよつと
)
まつて
居
(
ゐ
)
て
下
(
くだ
)
さい。
118
妾
(
わらは
)
一量見
(
いちれうけん
)
には
行
(
ゆ
)
きませぬ、
119
主人
(
しゆじん
)
に
相談
(
さうだん
)
して
参
(
まゐ
)
ります』
120
と
言
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
足早
(
あしばや
)
に
奥
(
おく
)
にかけ
込
(
こ
)
んだ。
121
何時
(
いつ
)
迄
(
まで
)
まつても
手桶
(
てをけ
)
に
水
(
みづ
)
を
汲
(
く
)
んで
入
(
はい
)
つたきり、
122
ピシヤリと
中
(
なか
)
から
錠
(
ぢやう
)
を
卸
(
おろ
)
し、
123
猫
(
ねこ
)
の
子
(
こ
)
一匹
(
ひとつ
)
顔
(
かほ
)
を
見
(
み
)
せぬ。
124
玄真坊
(
げんしんばう
)
は
門口
(
かどぐち
)
に
立
(
た
)
ち、
125
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
歌
(
うた
)
つて
主人
(
しゆじん
)
の
疑
(
うたが
)
ひを
晴
(
は
)
らさむものと
126
皺枯声
(
しわがれごゑ
)
を
張
(
は
)
りあげ
仔細
(
しさい
)
らしく
歌
(
うた
)
ひ
出
(
だ
)
した。
127
『
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
128
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
129
たとへ
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
130
誠
(
まこと
)
の
力
(
ちから
)
は
世
(
よ
)
を
救
(
すく
)
ふ
131
誠
(
まこと
)
の
力
(
ちから
)
と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は
132
天地
(
てんち
)
造化
(
ぞうくわ
)
の
初
(
はじ
)
めより
133
世
(
よ
)
の
末々
(
すゑずゑ
)
に
至
(
いた
)
る
迄
(
まで
)
134
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
独
(
ひとり
)
守
(
まも
)
ります
135
宇宙
(
うちう
)
唯一
(
ゆいつ
)
の
神人
(
しんじん
)
の
136
珍
(
うづ
)
の
力
(
ちから
)
と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
だ
137
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
138
霊
(
みたま
)
幸倍
(
さちはひ
)
ましまして
139
天来
(
てんらい
)
唯一
(
ゆいつ
)
の
救世主
(
きうせいしゆ
)
140
産土山
(
うぶすなやま
)
の
聖場
(
せいぢやう
)
に
141
現
(
あらは
)
れ
給
(
たま
)
ふ
瑞霊
(
みづみたま
)
142
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのを
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
143
化身
(
けしん
)
とあれし
玄真坊
(
げんしんばう
)
144
天帝
(
てんてい
)
の
化身
(
けしん
)
と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
145
此
(
この
)
家
(
や
)
の
主人
(
あるじ
)
委細
(
つばら
)
かに
146
悟
(
さと
)
らせたまへ
惟神
(
かむながら
)
147
慎
(
つつし
)
み
敬
(
ゐやま
)
ひ
願
(
ね
)
ぎまつる
148
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あらは
)
れて
149
善
(
ぜん
)
と
悪
(
あく
)
とを
立
(
た
)
てわける
150
抑
(
そもそも
)
神
(
かみ
)
は
何者
(
なにもの
)
ぞ
151
際限
(
さいげん
)
もなき
大宇宙
(
だいうちう
)
152
作
(
つく
)
り
給
(
たま
)
ひし
造物主
(
ざうぶつしゆ
)
153
これこそ
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
なるぞ
154
抑
(
そもそも
)
神
(
かみ
)
は
無形
(
むけい
)
なり
155
無声
(
むせい
)
に
居
(
ゐ
)
ますその
限
(
かぎ
)
り
156
何
(
なに
)
程
(
ほど
)
力
(
ちから
)
があるとても
157
そのまま
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
守
(
まも
)
るてふ
158
仕組
(
しぐみ
)
は
到底
(
たうてい
)
むつかしい
159
それ
故
(
ゆゑ
)
神
(
かみ
)
に
選
(
えら
)
まれし
160
地上
(
ちじやう
)
唯一
(
ゆいつ
)
の
予言者
(
よげんしや
)
を
161
神
(
かみ
)
の
機関
(
きくわん
)
と
相定
(
あひさだ
)
め
162
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのを
)
の
精霊
(
せいれい
)
に
163
珍
(
うづ
)
の
聖霊
(
せいれい
)
を
宿
(
やど
)
しまし
164
下
(
くだ
)
らせたまひし
肉
(
にく
)
の
宮
(
みや
)
165
これこそ
世界
(
せかい
)
の
太柱
(
ふとばしら
)
166
神
(
かみ
)
の
柱
(
はしら
)
は
天真坊
(
てんしんばう
)
167
決
(
けつ
)
して
間違
(
まちが
)
ひ
御座
(
ござ
)
らぬぞ
168
早
(
はや
)
く
疑
(
うたが
)
ひ
晴
(
は
)
らしませ
169
神
(
かみ
)
は
此
(
この
)
家
(
や
)
に
幸
(
さいはひ
)
を
170
与
(
あた
)
へて
霊肉
(
れいにく
)
諸共
(
もろとも
)
に
171
天国
(
てんごく
)
浄土
(
じやうど
)
に
救
(
すく
)
はむと
172
門
(
かど
)
の
戸
(
と
)
たたき
立
(
た
)
ちたまふ
173
心
(
こころ
)
の
暗
(
くら
)
き
人々
(
ひとびと
)
は
174
神
(
かみ
)
の
柱
(
はしら
)
を
見誤
(
みあやま
)
り
175
門
(
かど
)
の
戸
(
と
)
開
(
ひら
)
いて
迎
(
むか
)
へ
入
(
い
)
る
176
礼儀
(
れいぎ
)
を
知
(
し
)
らぬ
愚
(
おろ
)
かさよ
177
後
(
あと
)
の
後悔
(
こうくわい
)
間
(
ま
)
に
合
(
あ
)
はぬ
178
早
(
はや
)
く
心
(
こころ
)
を
改
(
あらた
)
めて
179
二
(
ふた
)
つの
眼
(
まなこ
)
にかけたまふ
180
青赤黒
(
あをあかくろ
)
の
眼鏡
(
めがね
)
をば
181
外
(
はづ
)
して
吾
(
わが
)
身
(
み
)
の
顔
(
かほ
)
を
見
(
み
)
よ
182
さすれば
疑
(
うたが
)
ひ
晴
(
は
)
れるだらう
183
総
(
すべ
)
て
化身
(
けしん
)
と
云
(
い
)
ふものは
184
人間並
(
にんげんなみ
)
の
顔
(
かほ
)
ぢやない
185
五百
(
ごひやく
)
羅漢
(
らかん
)
か
不動
(
ふどう
)
さま
186
悪鬼
(
あくき
)
羅刹
(
らせつ
)
の
相
(
さう
)
をして
187
人
(
ひと
)
の
心
(
こころ
)
をひくために
188
現
(
あらは
)
れ
出
(
い
)
づるものなるぞ
189
何
(
なに
)
程
(
ほど
)
顔
(
かほ
)
がきれいでも
190
心
(
こころ
)
に
潜
(
ひそ
)
む
枉神
(
まがかみ
)
に
191
注意
(
ちうい
)
せなくちや
臍
(
ほぞ
)
をかむ
192
やうな
失敗
(
しつぱい
)
出来
(
でき
)
るぞや
193
省
(
かへり
)
みたまへ
玉子姫
(
たまこひめ
)
194
此
(
この
)
家
(
や
)
の
主
(
あるじ
)
玉清別
(
たまきよわけ
)
の
195
為
(
た
)
めに
化身
(
けしん
)
が
宣示
(
せんじ
)
する
196
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
197
霊
(
みたま
)
幸倍
(
さちは
)
へましませよ』
198
神
(
かみ
)
の
子
(
こ
)
は
窓
(
まど
)
から
二人
(
ふたり
)
の
姿
(
すがた
)
をのぞき、
199
此
(
この
)
歌
(
うた
)
を
聞
(
き
)
いて
吹
(
ふ
)
き
出
(
だ
)
しながら、
200
小
(
ちひ
)
さい
手
(
て
)
を
拍
(
う
)
つて
弟
(
おとうと
)
の
玉
(
たま
)
の
子
(
こ
)
と
共
(
とも
)
に
歌
(
うた
)
ひ
出
(
だ
)
した。
201
『お
化
(
ばけ
)
のやうな
坊
(
ばう
)
さまが
202
泥棒
(
どろばう
)
の
乾児
(
こぶん
)
をつれて
来
(
き
)
て
203
誠
(
まこと
)
ぢや
嘘
(
うそ
)
ぢや
化身
(
けしん
)
ぢやと
204
甘
(
うま
)
い
事
(
こと
)
をば
言
(
い
)
ひ
並
(
なら
)
べ
205
家
(
うち
)
のお
父
(
とう
)
さまをごまかして
206
此
(
この
)
家
(
や
)
に
一夜
(
いちや
)
とまり
込
(
こ
)
み
207
ねてもさめても
夢現
(
ゆめうつつ
)
208
忘
(
わす
)
れられないダリヤさまを
209
連
(
つ
)
れて
帰
(
かへ
)
らうと
企
(
たく
)
みつつ
210
嘘八百
(
うそはつぴやく
)
を
並
(
なら
)
べたて
211
目玉
(
めだま
)
をむき
出
(
だ
)
し
嘴
(
くちばし
)
を
212
無性
(
むしやう
)
矢鱈
(
やたら
)
にとがらして
213
臭
(
くさ
)
い
呼吸
(
いき
)
をば
吐
(
は
)
き
乍
(
なが
)
ら
214
屋敷
(
やしき
)
の
空気
(
くうき
)
を
汚
(
けが
)
しよる
215
もはや
観念
(
くわんねん
)
するがよい
216
万劫
(
まんごふ
)
末代
(
まつだい
)
門口
(
かどぐち
)
は
217
お
前
(
まへ
)
の
為
(
た
)
めには
開
(
ひら
)
かない
218
三五教
(
あななひけう
)
に
化
(
ば
)
けて
来
(
き
)
て
219
甘
(
うま
)
い
事
(
こと
)
せうとはそれや
何
(
なん
)
だ
220
お
尻
(
しり
)
喰
(
くら
)
ひの
観音
(
くわんおん
)
だ
221
早
(
はや
)
く
帰
(
かへ
)
つたがよからうぞ
222
お
杓
(
しやく
)
に
水
(
みづ
)
を
汲
(
く
)
んで
来
(
き
)
て
223
頭
(
あたま
)
の
上
(
うへ
)
からぶつかけよか
224
尻尾
(
しつぽ
)
を
股
(
また
)
へ
捻
(
ね
)
ぢこんで
225
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
帰
(
かへ
)
れかし
226
女
(
をんな
)
を
逐
(
お
)
ふよな
面
(
つら
)
でない
227
早
(
はや
)
くいんで
呉
(
く
)
れ
貧乏神
(
びんばふがみ
)
228
アハヽヽヽヽヽあの
面
(
つら
)
を
229
一寸
(
ちよつと
)
見
(
み
)
なされお
母
(
かあ
)
さま
230
小田
(
をだ
)
の
蛙
(
かはづ
)
の
鳴
(
な
)
き
損
(
そこ
)
ね
231
夜食
(
やしよく
)
に
外
(
はづ
)
れた
梟鳥
(
ふくろどり
)
232
形容
(
けいよう
)
の
出来
(
でき
)
ないスタイルだ
233
ほんとに
怪体
(
けたい
)
な
売僧
(
まいす
)
坊主
(
ばうず
)
234
神
(
かみ
)
の
館
(
やかた
)
を
逸早
(
いちはや
)
く
235
尻
(
しり
)
に
帆
(
ほ
)
をかけ
去
(
い
)
んで
呉
(
く
)
れ
236
お
前
(
まへ
)
の
去
(
い
)
んだその
跡
(
あと
)
で
237
お
塩
(
しほ
)
の
三俵
(
さんぺう
)
も
振
(
ふ
)
り
撤
(
ま
)
いて
238
隅
(
すみ
)
から
隅
(
すみ
)
迄
(
まで
)
大掃除
(
おほさうぢ
)
239
致
(
いた
)
さにやならぬ
厄介
(
やくかい
)
な
240
山子
(
やまこ
)
坊主
(
ばうず
)
が
来
(
き
)
たものだ
241
イヒヽヽヽヽヽイヒヽヽヽ』
242
と
腮
(
あご
)
をしやくり
頭
(
あたま
)
を
窓
(
まど
)
から
突
(
つ
)
き
出
(
だ
)
し、
243
小
(
ちひ
)
さい
足音
(
あしおと
)
を
刻
(
きざ
)
み
乍
(
なが
)
ら
奥
(
おく
)
に
引
(
ひ
)
つこんでしまつた。
244
コブライは
馬鹿
(
ばか
)
らしくて
耐
(
たま
)
らず、
245
チエツと
歯
(
は
)
噛
(
がみ
)
をなし、
246
睨
(
にら
)
みつけながら、
247
斜
(
はすかひ
)
になつて
門口
(
もんぐち
)
を
出
(
で
)
た。
248
天真坊
(
てんしんばう
)
もチエツと
舌
(
した
)
うちしながら
駆
(
か
)
けだす、
249
待
(
ま
)
ち
構
(
かま
)
へて
居
(
ゐ
)
た
下男
(
げなん
)
は
手早
(
てばや
)
く
門
(
もん
)
の
閂
(
かんぬき
)
を
箝
(
は
)
めて
仕舞
(
しま
)
つた。
250
夕陽
(
せきやう
)
傾
(
かたむ
)
いて
暗
(
やみ
)
の
扉
(
とびら
)
は
四方
(
しはう
)
より
拡
(
ひろ
)
がつて
来
(
く
)
る。
251
執念
(
しふねん
)
深
(
ぶか
)
き
玄真坊
(
げんしんばう
)
は
現在
(
げんざい
)
恋慕
(
こひした
)
ふダリヤが
此
(
この
)
館
(
やかた
)
に
居
(
を
)
ると
聞
(
き
)
いては、
252
仮令
(
たとへ
)
命
(
いのち
)
を
的
(
まと
)
にかけても
目的
(
もくてき
)
を
達
(
たつ
)
せねばおかぬと
253
門先
(
かどさき
)
の
石
(
いし
)
の
上
(
うへ
)
に
腰
(
こし
)
をうちかけ、
254
双手
(
もろて
)
を
組
(
く
)
んで
思案
(
しあん
)
に
暮
(
く
)
れて
居
(
ゐ
)
る。
255
塒
(
ねぐら
)
求
(
もと
)
むる
夕烏
(
ゆふがらす
)
、
256
近所
(
きんじよ
)
の
森
(
もり
)
の
上
(
うへ
)
から
阿呆
(
あはう
)
々々
(
あはう
)
と
おちよくる
やうに
頭
(
あたま
)
の
上
(
うへ
)
から
喚
(
わめ
)
いてゐる。
257
(
大正一四・一一・七
旧九・二一
於祥明館
加藤明子
録)
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