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第71巻(戌の巻)
序文
総説
第1篇 追僧軽迫
01 追劇
〔1790〕
02 生臭坊
〔1791〕
03 門外漢
〔1792〕
04 琴の綾
〔1793〕
05 転盗
〔1794〕
06 達引
〔1795〕
07 夢の道
〔1796〕
第2篇 迷想痴色
08 夢遊怪
〔1797〕
09 踏違ひ
〔1798〕
10 荒添
〔1799〕
11 異志仏
〔1800〕
12 泥壁
〔1801〕
13 詰腹
〔1802〕
14 障路
〔1803〕
15 紺霊
〔1804〕
第3篇 惨嫁僧目
16 妖魅返
〔1805〕
17 夢現神
〔1806〕
18 金妻
〔1807〕
19 角兵衛獅子
〔1808〕
20 困客
〔1809〕
余白歌
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第71巻
> 第1篇 追僧軽迫 > 第6章 達引
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第六章
達引
(
たつぴき
)
〔一七九五〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第71巻 山河草木 戌の巻
篇:
第1篇 追僧軽迫
よみ(新仮名遣い):
ついそうけいはく
章:
第6章 達引
よみ(新仮名遣い):
たっぴき
通し章番号:
1795
口述日:
1925(大正14)年11月07日(旧09月21日)
口述場所:
祥明館
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1929(昭和4)年2月1日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
玄真坊とコブライは道に迷って立ち往生していたが、そこへ、部下のコオロと合流する。
三人は泥棒となって天下を取ろうなどと法螺を吹いているが、そこへ、神谷村を追い出されたバルギーがやってくる。三人はバルギーからダリヤの居場所を聞き出そうとするが、バルギーはダリヤへの義理から、頑として白状するのを拒んだ。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm7106
愛善世界社版:
77頁
八幡書店版:
第12輯 527頁
修補版:
校定版:
80頁
普及版:
36頁
初版:
ページ備考:
001
恋
(
こひ
)
に
狂
(
くる
)
ふた
妖僧
(
えうさう
)
の
002
天真坊
(
てんしんばう
)
はどこ
迄
(
まで
)
も
003
ダリヤの
行方
(
ゆくへ
)
を
探
(
さぐ
)
らむと
004
コブライ
引
(
ひ
)
きつれ
夜
(
よる
)
の
道
(
みち
)
005
普門品
(
ふもんぽん
)
をば
唱
(
とな
)
へつつ
006
毒蛇
(
どくだ
)
の
禁厭
(
まじなひ
)
しながらに
007
スタスタ
行
(
ゆ
)
けば
山
(
やま
)
の
根
(
ね
)
に
008
いつの
間
(
ま
)
にやら
突
(
つ
)
き
当
(
あた
)
り
009
行手
(
ゆくて
)
の
道
(
みち
)
を
失
(
うしな
)
つて
010
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
ざれば
立往生
(
たちわうじやう
)
011
明
(
あか
)
くなる
迄
(
まで
)
待
(
ま
)
ち
居
(
ゐ
)
たる
012
かかる
所
(
ところ
)
へ
向
(
むか
)
ふより
013
一人
(
ひとり
)
の
男
(
をとこ
)
がすたすたと
014
息
(
いき
)
せききつてはせ
来
(
きた
)
り
015
小石
(
こいし
)
につまづきバツタリと
016
二人
(
ふたり
)
が
前
(
まへ
)
に
倒
(
たふ
)
れける
017
玄真坊
(
げんしんばう
)
は
怪
(
あや
)
しみて
018
よくよく
見
(
み
)
ればこは
如何
(
いか
)
に
019
岩窟
(
いはや
)
の
中
(
なか
)
に
見覚
(
みおぼ
)
えの
020
泥棒
(
どろばう
)
の
顔
(
かほ
)
と
見
(
み
)
るよりも
021
得
(
え
)
たりと
矢庭
(
やには
)
にひつ
掴
(
つか
)
み
022
こぶしを
高
(
たか
)
くふりあげて
023
これやこれや
貴様
(
きさま
)
はバルギーと
024
喋
(
しめ
)
し
合
(
あは
)
せてダリヤ
姫
(
ひめ
)
025
逃
(
に
)
がした
奴
(
やつ
)
に
違
(
ちが
)
ひない
026
早
(
はや
)
く
白状
(
はくじやう
)
致
(
いた
)
さねば
027
貴様
(
きさま
)
の
命
(
いのち
)
は
朝
(
あさ
)
のつゆ
028
忽
(
たちま
)
ち
消
(
きえ
)
て
後
(
あと
)
もなく
029
なるが
承知
(
しようち
)
かこれや
如何
(
どう
)
ぢや
030
すつぱりこんと
白状
(
はくじやう
)
せよ
031
云
(
い
)
へば
男
(
をとこ
)
は
顔
(
かほ
)
をあげ
032
アイタタタツタ アイタタツタ
033
お
前
(
まへ
)
は
名高
(
なだか
)
き
天真坊
(
てんしんばう
)
034
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
の
隅々
(
すみずみ
)
も
035
一目
(
ひとめ
)
に
見通
(
みとほ
)
す
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
だ
036
お
前
(
まへ
)
さまの
為
(
ため
)
に
頼
(
たの
)
まれて
037
ダリヤの
行方
(
ゆくへ
)
を
探
(
さが
)
すもの
038
見違
(
みちが
)
へられては
堪
(
たま
)
らない
039
真偽
(
しんぎ
)
の
程
(
ほど
)
は
云
(
い
)
はずとも
040
神
(
かみ
)
さまならば
知
(
し
)
れませう
041
どうぞ
許
(
ゆる
)
して
下
(
くだ
)
さんせ
042
決
(
けつ
)
して
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
で
043
毛頭
(
まうとう
)
嘘
(
うそ
)
は
云
(
い
)
ひませぬ
044
云
(
い
)
へば
玄真
(
げんしん
)
うなづいて
045
顔色
(
かほいろ
)
和
(
やはら
)
げ
声
(
こゑ
)
低
(
ひく
)
う
046
そんならお
前
(
まへ
)
はダリヤをば
047
探
(
さが
)
しに
行
(
い
)
つて
呉
(
く
)
れたのか
048
これやこれやコブライ
間違
(
まちが
)
ひは
049
なからうか
調
(
しら
)
べて
呉
(
く
)
れよ
050
云
(
い
)
へばコブライ
首
(
かうべ
)
をば
051
上
(
うへ
)
と
下
(
した
)
とに
振
(
ふ
)
り
乍
(
なが
)
ら
052
こいつはバルギーの
配下
(
はいか
)
だが
053
シヤカンナさまに
頼
(
たの
)
まれて
054
ダリヤとバルギーを
探
(
さが
)
すべく
055
先頭
(
せんとう
)
一
(
いち
)
に
出
(
で
)
た
奴
(
やつ
)
だ
056
決
(
けつ
)
して
嘘
(
うそ
)
ではありませぬ
057
安心
(
あんしん
)
なさるが
宜
(
よろ
)
しかろ
058
云
(
い
)
へば
玄真
(
げんしん
)
諾
(
うなづ
)
いて
059
なる
程
(
ほど
)
貴様
(
きさま
)
の
云
(
い
)
ふ
通
(
とほ
)
り
060
此奴
(
こいつ
)
の
言葉
(
ことば
)
は
真
(
しん
)
だらう
061
ダリヤの
行方
(
ゆくへ
)
は
分
(
わか
)
つたか
062
バルギーの
様子
(
やうす
)
は
探
(
さぐ
)
つたか
063
早
(
はや
)
く
知
(
し
)
らして
呉
(
く
)
れないか
064
気
(
き
)
が
気
(
き
)
でならぬ
此
(
この
)
場合
(
ばあひ
)
065
云
(
い
)
へば
盗人
(
ぬすと
)
は
首
(
くび
)
を
振
(
ふ
)
り
066
私
(
わたし
)
はコオロと
云
(
い
)
ふ
男
(
をとこ
)
067
一番槍
(
いちばんやり
)
の
功名
(
こうみやう
)
を
068
致
(
いた
)
さんものと
取
(
と
)
るものも
069
取
(
と
)
りあへずして
飛
(
と
)
び
出
(
いだ
)
し
070
神谷村
(
かみたにむら
)
をのり
越
(
こ
)
えて
071
ハル
山峠
(
やまたうげ
)
の
頂上
(
ちやうじやう
)
に
072
登
(
のぼ
)
つて
見
(
み
)
れば
行
(
ゆ
)
く
人
(
ひと
)
の
073
話
(
はなし
)
の
中
(
うち
)
にダリヤ
姫
(
ひめ
)
074
バルギーによう
似
(
に
)
た
二人
(
ふたり
)
連
(
づ
)
れ
075
神谷村
(
かみたにむら
)
の
神
(
かみ
)
の
家
(
や
)
に
076
匿
(
かく
)
れて
居
(
ゐ
)
ると
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
077
敏
(
さと
)
くも
耳
(
みみ
)
に
入
(
い
)
れました
078
それ
故
(
ゆゑ
)
後
(
あと
)
へすたすたと
079
引
(
ひ
)
き
帰
(
かへ
)
したる
次第
(
しだい
)
です
080
屹度
(
きつと
)
二人
(
ふたり
)
は
神谷
(
かみたに
)
の
081
村
(
むら
)
に
匿
(
かく
)
れて
居
(
ゐ
)
るでせう
082
アイタタタツタ アイタタツタ
083
向
(
むか
)
ふ
脛
(
ずね
)
をばすりむいて
084
これこの
通
(
とほ
)
り
血糊
(
ちのり
)
めが
085
ぼとぼと
流
(
なが
)
れて
居
(
を
)
りまする
086
早
(
はや
)
く
助
(
たす
)
けて
下
(
くだ
)
しやんせ
087
お
前
(
まへ
)
の
為
(
た
)
めにこんな
目
(
め
)
に
088
遇
(
あ
)
ふた
私
(
わたし
)
を
捨
(
す
)
てたなら
089
忽
(
たちま
)
ち
神
(
かみ
)
の
罰当
(
ばちあた
)
り
090
ダリヤの
姫
(
ひめ
)
は
手
(
て
)
に
入
(
い
)
らず
091
貴方
(
あなた
)
も
終
(
しまひ
)
にや
谷底
(
たにぞこ
)
へ
092
スツテンドウと
転
(
ころ
)
げおち
093
偉
(
えら
)
い
目
(
め
)
見
(
み
)
るに
違
(
ちが
)
ひない
094
嗚呼
(
ああ
)
叶
(
かな
)
はぬ
叶
(
かな
)
はぬ かなはない
095
目玉
(
めだま
)
とび
出
(
だ
)
すやうだわい
096
アイタタタツタ アイタタツタ
097
玄
(
げん
)
『エイ、
098
碌
(
ろく
)
でもない
役
(
やく
)
にも
立
(
た
)
たぬ
蠅虫
(
はへむし
)
めツ、
099
こればかりの
創
(
きず
)
に
泣
(
な
)
き
面
(
づら
)
をする
奴
(
やつ
)
があるかい。
100
よう
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
泥棒
(
どろばう
)
を
稼
(
かせ
)
いで
居
(
を
)
つたものだなア、
101
これやコブライ、
102
貴様
(
きさま
)
がしやうもない
小供
(
がき
)
の
云
(
い
)
ふた
事
(
こと
)
を
真
(
ま
)
に
受
(
う
)
けて
飛
(
と
)
び
出
(
だ
)
さうとするものだから、
103
こんな
目
(
め
)
にあつたのだ。
104
エヽもうかうなりや
仕様
(
しやう
)
がない、
105
どうせ
此処
(
ここ
)
を
通
(
とほ
)
らにやならぬ
一筋道
(
ひとすぢみち
)
だ。
106
神谷村
(
かみたにむら
)
に
居
(
ゐ
)
るとすりや、
107
いづれ
此処
(
ここ
)
にうせるだらう、
108
ほんとに
訳
(
わけ
)
のわからぬ
野郎
(
やらう
)
だなあ』
109
コブ『
勝手
(
かつて
)
になさいませ、
110
天来
(
てんらい
)
の
救世主
(
きうせいしゆ
)
天帝
(
てんてい
)
の
化身
(
けしん
)
と
大看板
(
だいかんばん
)
を
打
(
う
)
つたお
前
(
まへ
)
さまが、
111
ダリヤ
姫
(
ひめ
)
の
所在
(
ありか
)
位
(
くらゐ
)
分
(
わか
)
らぬと
云
(
い
)
ふのはテツキリ
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
騙
(
たばか
)
る
売僧
(
まいす
)
坊主
(
ばうず
)
だ。
112
お
前
(
まへ
)
さまも、
113
もつとは
天眼通
(
てんがんつう
)
が
利
(
き
)
いて
居
(
ゐ
)
るかと
思
(
おも
)
つたに
114
交際
(
つきあ
)
へばつき
合
(
あ
)
ふ
程
(
ほど
)
金箔
(
きんぱく
)
が
剥
(
は
)
げて
115
おまけに
鼻持
(
はなもち
)
のならぬ
糞坊主
(
くそばうず
)
だ。
116
もうこんな
事
(
こと
)
は
止
(
や
)
めますわ、
117
サア
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
の
日当
(
につたう
)
をどつさり
下
(
くだ
)
さいませ、
118
のうコオロお
前
(
まへ
)
も
確
(
しつか
)
りして
立
(
た
)
ち
上
(
あ
)
がれ、
119
此奴
(
こいつ
)
の
懐中
(
くわいちう
)
の
金
(
かね
)
をぼつたくらうぢやないか。
120
泥棒
(
どろばう
)
はお
手
(
て
)
のものだからのう』
121
コオ『それやさうだ、
122
俺
(
おれ
)
ももつと
気
(
き
)
の
利
(
き
)
いた
坊主
(
ばうず
)
だと
思
(
おも
)
つて
居
(
ゐ
)
たに
愛想
(
あいそ
)
がつきた。
123
慈悲
(
じひ
)
も
情
(
なさけ
)
も
知
(
し
)
らぬ
糞坊主
(
くそばうず
)
だ。
124
俺
(
おれ
)
がこの
通
(
とほ
)
り
向
(
むか
)
ふ
脛
(
ずね
)
をやぶつて
苦
(
くるし
)
んで
居
(
を
)
るのに、
125
お
経
(
きやう
)
の
一口
(
ひとくち
)
も
云
(
い
)
ふて
呉
(
く
)
れるぢやなし、
126
悪口
(
わるくち
)
を
叩
(
たた
)
くと
云
(
い
)
ふ
不敵
(
ふてき
)
の
悪僧
(
あくそう
)
だ。
127
どうだ
二人
(
ふたり
)
してバラしてやらうぢやないか』
128
コブ『エン、
129
こんな
悪僧
(
あくそう
)
をバラす
位
(
ぐらゐ
)
は
箒
(
はうき
)
で
蝶
(
てふ
)
を
押
(
お
)
さへるよりも
容易
(
たやす
)
い
事
(
こと
)
だ。
130
お
前
(
まへ
)
は
其処
(
そこ
)
へ
立
(
た
)
つて
見
(
み
)
てをれ、
131
俺
(
おれ
)
が
荒料理
(
あられうり
)
してやる。
132
もう
斯
(
か
)
うなりや
破
(
やぶ
)
れかぶれぢや、
133
ヤイ
売僧
(
まいす
)
坊主
(
ばうず
)
、
134
きりきり
懐中物
(
くわいちうもの
)
をすつかり
渡
(
わた
)
せ、
135
四
(
し
)
の
五
(
ご
)
の
云
(
い
)
ふと
六
(
ろく
)
な
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ないぞ。
136
七
(
しち
)
転
(
てん
)
八
(
はつ
)
倒
(
たう
)
九
(
く
)
るしみもがいて
十
(
じふ
)
(
渋
(
じふ
)
)
面
(
めん
)
つくつてももはや
百
年目
(
ひやくねんめ
)
だ、
137
何程
(
なにほど
)
迷惑
(
めいわく
)
千
万
(
せんばん
)
な
顔
(
かほ
)
をしても
此
(
こ
)
の
儘
(
まま
)
にして
をく
(
億
(
おく
)
)と
云
(
い
)
ふ
訳
(
わけ
)
にや
行
(
ゆ
)
かぬ。
138
サア
懐中物
(
くわいちうもの
)
を
残
(
のこ
)
らず
ちよう
(
兆
(
てう
)
)
戴
(
だい
)
せうかい』
139
玄
(
げん
)
『アハヽヽヽ。
140
おい
小盗人
(
こぬすと
)
野郎
(
やらう
)
141
俺
(
おれ
)
をどなたと
心得
(
こころえ
)
て
居
(
を
)
る。
142
オーラ
山
(
さん
)
に
於
(
おい
)
て
三千
(
さんぜん
)
の
部下
(
ぶか
)
を
擁
(
よう
)
し、
143
泥棒
(
どろばう
)
の
大頭目
(
だいとうもく
)
として
其
(
その
)
名
(
な
)
も
高
(
たか
)
き
玄真坊
(
げんしんばう
)
だぞ。
144
名
(
な
)
を
聞
(
き
)
いてさへ
驚
(
おどろ
)
くシーゴー、
145
ヨリコ
姫
(
ひめ
)
は
俺
(
おれ
)
の
部下
(
ぶか
)
だ、
146
見事
(
みんごと
)
お
前
(
まへ
)
等
(
ら
)
の
細腕
(
ほそうで
)
で
盗
(
と
)
れるなら
取
(
と
)
つて
見
(
み
)
よ。
147
或
(
ある
)
時
(
とき
)
は
泥棒
(
どろばう
)
となり、
148
或
(
ある
)
時
(
とき
)
は
救世主
(
きうせいしゆ
)
となり、
149
千変
(
せんぺん
)
万化
(
ばんくわ
)
の
活動
(
くわつどう
)
を
致
(
いた
)
す
天真坊
(
てんしんばう
)
だ。
150
素
(
もと
)
より
天眼通
(
てんがんつう
)
なんか
分
(
わか
)
つて
堪
(
たま
)
らうかい』
151
コブ『ヤアそいつは
一寸
(
ちよつと
)
気
(
き
)
が
利
(
き
)
いて
居
(
を
)
る、
152
ヤ
大
(
おほい
)
に
分
(
わか
)
つて
居
(
を
)
る、
153
そんなら
追撃
(
つゐげき
)
は
一段落
(
いちだんらく
)
をつけて、
154
改
(
あらた
)
めて
玄真坊
(
げんしんばう
)
頭目
(
とうもく
)
の
片腕
(
かたうで
)
とならうぢやないか、
155
のうコオロ、
156
お
前
(
まへ
)
だつて
泥棒
(
どろばう
)
より
外
(
ほか
)
にする
所作
(
しよさ
)
がないのだから、
157
よもや
不足
(
ふそく
)
はあるまい』
158
コオ『
何分
(
なにぶん
)
兄貴
(
あにき
)
159
宜敷
(
よろし
)
う
頼
(
たの
)
むわ、
160
玄真坊
(
げんしんばう
)
頭目
(
とうもく
)
の
前
(
まへ
)
、
161
お
取
(
とり
)
なしを
願
(
ねが
)
ひます』
162
玄
(
げん
)
『アハヽヽヽ、
163
面白
(
おもしろ
)
からう、
164
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
茲
(
ここ
)
暫
(
しばら
)
くは
猫
(
ねこ
)
を
被
(
かぶ
)
つて
天帝
(
てんてい
)
の
化身
(
けしん
)
で
澄
(
すま
)
し
込
(
こ
)
んで
居
(
ゐ
)
なくては
仕事
(
しごと
)
が
出来
(
でき
)
ないからのう。
165
ダリヤ
姫
(
ひめ
)
をどうしても
吾
(
わが
)
手
(
て
)
に
入
(
い
)
れなくては
肝腎
(
かんじん
)
の
仕事
(
しごと
)
が
出来
(
でき
)
ない。
166
彼奴
(
あいつ
)
はスガの
港
(
みなと
)
の
富豪
(
ふうがう
)
の
娘
(
むすめ
)
だから
甘
(
うま
)
く
彼奴
(
あいつ
)
をひつつかまへ、
167
ウンと
云
(
い
)
はしたが
最後
(
さいご
)
、
168
一躍
(
いちやく
)
して
長者
(
ちやうじや
)
の
主人
(
しゆじん
)
だ。
169
さうなりや
貴様
(
きさま
)
等
(
ら
)
は
一
(
いち
)
の
番頭
(
ばんとう
)
二
(
に
)
の
番頭
(
ばんとう
)
に
抜擢
(
ばつてき
)
してやらう。
170
あゝ
云
(
い
)
ふ
富豪
(
ふうがう
)
のレツテルを
被
(
かぶ
)
つて
泥棒
(
どろばう
)
をして
居
(
を
)
りや
滅多
(
めつた
)
に
足
(
あし
)
のつく
事
(
こと
)
はないからのう』
171
コブ『
成程
(
なるほど
)
172
お
説
(
せつ
)
御尤
(
ごもつと
)
も、
173
如何
(
いか
)
にも
左様
(
さやう
)
候
(
さふら
)
へ、
174
名案
(
めいあん
)
々々
(
めいあん
)
』
175
玄真坊
(
げんしんばう
)
は
両手
(
りやうて
)
を
振
(
ふ
)
り
握
(
にぎ
)
り
拳
(
こぶし
)
で
胸板
(
むないた
)
を
交
(
かは
)
る
交
(
がは
)
る
打
(
う
)
ちたたき
雄猛
(
をたけ
)
びしだした。
176
『アハヽヽハツハアハヽヽヽ
177
幼少
(
えうせう
)
の
時
(
とき
)
からこの
俺
(
おれ
)
は
178
どてらい
事
(
こと
)
が
大好
(
だいす
)
きで
179
何
(
なに
)
か
大
(
おほ
)
きな
芝居
(
しばゐ
)
をば
180
打
(
う
)
つてやらうと
朝夕
(
あさゆふ
)
に
181
思
(
おも
)
ひ
込
(
こ
)
んだがやみつきで
182
ヨリコの
姫
(
ひめ
)
をちよろまかし
183
オーラの
山
(
やま
)
に
三年
(
みとせ
)
ぶり
184
岩窟
(
いはや
)
を
構
(
かま
)
へていろいろの
185
手段
(
しゆだん
)
を
廻
(
めぐ
)
らし
三千
(
さんぜん
)
の
186
部下
(
ぶか
)
を
集
(
あつ
)
めて
月
(
つき
)
の
国
(
くに
)
187
七千
(
しちせん
)
余国
(
よこく
)
を
己
(
おの
)
が
手
(
て
)
に
188
掌握
(
しやうあく
)
せむと
企
(
たくら
)
みし
189
其
(
その
)
魂胆
(
こんたん
)
も
水
(
みづ
)
の
泡
(
あわ
)
190
三五教
(
あななひけう
)
の
梅公
(
うめこう
)
に
191
肝腎要
(
かんじんかなめ
)
の
牙城
(
がじやう
)
をば
192
荒
(
あら
)
され
今
(
いま
)
は
是非
(
ぜひ
)
もなく
193
第二
(
だいに
)
の
策戦
(
さくせん
)
計劃
(
けいくわく
)
を
194
遂行
(
すゐかう
)
せむとハルの
湖
(
うみ
)
195
浪
(
なみ
)
押
(
お
)
しわけて
打
(
う
)
ち
渡
(
わた
)
り
196
スガの
港
(
みなと
)
の
富豪
(
ふうがう
)
が
197
娘
(
むすめ
)
のダリヤに
目
(
め
)
をかけて
198
一旗
(
ひとはた
)
挙
(
あ
)
げむ
吾
(
わが
)
企
(
たく
)
み
199
色
(
いろ
)
と
恋
(
こひ
)
との
二道
(
ふたみち
)
を
200
かけたる
俺
(
おれ
)
の
目算
(
もくさん
)
は
201
肝腎要
(
かんじんかなめ
)
の
処
(
とこ
)
になり
202
どうやら
画餅
(
ぐわへい
)
となりさうだ
203
とは
云
(
い
)
ふものの
人間
(
にんげん
)
は
204
七転
(
しちてん
)
八起
(
はつき
)
と
云
(
い
)
ふぢやないか
205
一度
(
いちど
)
や
二度
(
にど
)
や
三度
(
さんど
)
四度
(
よど
)
206
失敗
(
しつぱい
)
したとて
構
(
かま
)
はない
207
飽迄
(
あくまで
)
初心
(
しよしん
)
を
貫徹
(
くわんてつ
)
し
208
行
(
ゆ
)
く
処
(
とこ
)
まではやつて
見
(
み
)
る
209
それが
男子
(
だんし
)
の
本領
(
ほんりやう
)
だ
210
コブライ、コオロの
両人
(
りやうにん
)
よ
211
天下
(
てんか
)
無双
(
むそう
)
の
英雄
(
えいいう
)
は
212
玄真坊
(
げんしんばう
)
より
他
(
ほか
)
にない
213
世
(
よ
)
の
諺
(
ことわざ
)
に
云
(
い
)
ふ
通
(
とほ
)
り
214
勇将
(
ゆうしやう
)
の
下
(
もと
)
に
弱卒
(
じやくそつ
)
は
215
決
(
けつ
)
して
無
(
な
)
いのはあたりまへ
216
お
前
(
まへ
)
はこれから
強卒
(
きやうそつ
)
と
217
なつて
一肌
(
ひとはだ
)
脱
(
ぬ
)
いでくれ
218
俺
(
おれ
)
の
天下
(
てんか
)
になつたなら
219
貴様
(
きさま
)
の
要求
(
えうきう
)
は
何
(
なん
)
なりと
220
二
(
ふた
)
つ
返事
(
へんじ
)
で
聞
(
き
)
いてやろ
221
吾
(
わが
)
成功
(
せいこう
)
の
暁
(
あかつき
)
を
222
指折
(
ゆびを
)
り
数
(
かぞ
)
へ
楽
(
たの
)
しんで
223
涎
(
よだれ
)
を
手繰
(
たぐ
)
つて
待
(
ま
)
つがよい
224
あゝ
勇
(
いさ
)
ましや
勇
(
いさ
)
ましや
225
人
(
ひと
)
は
心
(
こころ
)
の
持
(
も
)
ちやうだ
226
何程
(
なにほど
)
失敗
(
しつぱい
)
したとても
227
心
(
こころ
)
の
土台
(
どだい
)
が
確
(
しつか
)
りと
228
据
(
すわ
)
つて
居
(
を
)
れば
構
(
かま
)
はない
229
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
230
梵天
(
ぼんてん
)
帝釈
(
たいしやく
)
自在天
(
じざいてん
)
231
大国彦
(
おほくにひこ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
232
畏
(
かしこ
)
み
畏
(
かしこ
)
み
願
(
ね
)
ぎまつる
233
エヘヽヽヘツヘエヘヽヽヽ
234
愉快
(
ゆくわい
)
の
事
(
こと
)
になつて
来
(
き
)
た
235
既
(
すで
)
に
天下
(
てんか
)
を
取
(
と
)
つたよな
236
何
(
なん
)
とはなしに
心持
(
こころも
)
ち
237
ダリヤとバルギーが
出
(
で
)
て
来
(
きた
)
ら
238
此度
(
こんど
)
はぬからず
引
(
ひ
)
つ
捕
(
とら
)
へ
239
ウンと
云
(
い
)
はしてくりよ
程
(
ほど
)
に
240
バルギーの
奴
(
やつ
)
は
懲戒
(
みせしめ
)
に
241
手足
(
てあし
)
も
指
(
ゆび
)
もバラバラに
242
バラしてしまはにや
後
(
のち
)
の
為
(
た
)
め
243
吾
(
わが
)
目的
(
もくてき
)
の
邪魔
(
じやま
)
になる
244
そこをぬかるな
合点
(
がつてん
)
か
245
エヘヽヽヘツヘ
面白
(
おもしろ
)
い
246
いよいよ
面白
(
おもしろ
)
なつて
来
(
き
)
た』
247
なぞと、
248
元気
(
げんき
)
よく
大法螺
(
おほぼら
)
を
吹
(
ふ
)
いて
居
(
ゐ
)
る。
249
そこへバルギーは
村人
(
むらびと
)
に
腰骨
(
こしぼね
)
を
叩
(
たた
)
かれた
痛
(
いた
)
さに
竹杖
(
たけづゑ
)
をつき
乍
(
なが
)
ら、
250
ヒヨロリヒヨロリとやつて
来
(
き
)
た。
251
玄真坊
(
げんしんばう
)
は
大喝
(
だいかつ
)
一声
(
いつせい
)
、
252
『コリヤ
泥棒
(
どろぼう
)
奴
(
め
)
、
253
ダリヤ
姫
(
ひめ
)
をどう
致
(
いた
)
した。
254
早
(
はや
)
く
白状
(
はくじやう
)
致
(
いた
)
さぬと
貴様
(
きさま
)
の
命
(
いのち
)
がないぞよ』
255
バル『ヤアこれは
天帝
(
てんてい
)
の
御
(
ご
)
化身
(
けしん
)
様
(
さま
)
256
ようまあお
迎
(
むか
)
ひに
来
(
き
)
て
下
(
くだ
)
さいました。
257
ダリヤ
姫
(
ひめ
)
ですかい、
258
彼奴
(
あいつ
)
はさつぱりです。
259
私
(
わたし
)
ももう
諦
(
あきら
)
めました、
260
安心
(
あんしん
)
して
下
(
くだ
)
さい』
261
玄
(
げん
)
『こりや、
262
バルギー、
263
何
(
なに
)
を
云
(
い
)
つて
居
(
を
)
るのだ。
264
俺
(
おれ
)
の
女房
(
にようばう
)
を
連
(
つ
)
れ
出
(
だ
)
しやがつて、
265
何処
(
どこ
)
へ
匿
(
かく
)
したのだ。
266
さあすつぱりと
白状
(
はくじやう
)
せい』
267
バル『
俺
(
おれ
)
は
又
(
また
)
、
268
天帝
(
てんてい
)
の
御
(
ご
)
化身
(
けしん
)
様
(
さま
)
に
女房
(
にようばう
)
があるとは
知
(
し
)
らないものだから、
269
ダリヤ
姫
(
ひめ
)
に
頼
(
たの
)
まれて
スガ
の
港
(
みなと
)
に
送
(
おく
)
るべく
途中
(
とちう
)
迄
(
まで
)
やつて
来
(
き
)
た
処
(
ところ
)
、
270
神谷村
(
かみたにむら
)
の
村
(
むら
)
端
(
はづれ
)
迄
(
まで
)
出
(
で
)
て
来
(
く
)
ると、
271
白
(
しろ
)
い
煙
(
けむり
)
となつて
天
(
てん
)
へ
上
(
のぼ
)
つて
仕舞
(
しま
)
ひ、
272
何
(
なに
)
程
(
ほど
)
喚
(
わめ
)
いたとて
呼
(
よん
)
だとて、
273
春風
(
しゆんぷう
)
の
梢
(
こずゑ
)
を
渡
(
わた
)
る
声
(
こゑ
)
ばかりだ。
274
本当
(
ほんたう
)
にあのダリヤと
云
(
い
)
ふのは
人間
(
にんげん
)
ぢやなかつたらしいよ』
275
玄
(
げん
)
『
馬鹿
(
ばか
)
申
(
まを
)
せ、
276
左様
(
さやう
)
の
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
つて
何処
(
どこ
)
かに
匿
(
かく
)
しておいたのだらう、
277
白状
(
はくじやう
)
せないと
貴様
(
きさま
)
の
命
(
いのち
)
を
取
(
と
)
らうか』
278
バル『
何
(
なに
)
程
(
ほど
)
命
(
いのち
)
を
取
(
と
)
られても
恩人
(
おんじん
)
の
行方
(
ゆくへ
)
を
貴様
(
きさま
)
らに
知
(
し
)
らしてなるものか、
279
男
(
をとこ
)
の
口
(
くち
)
から
一旦
(
いつたん
)
云
(
い
)
はぬと
云
(
い
)
ふたら
舌
(
した
)
を
抜
(
ぬ
)
かれても
云
(
い
)
はないのだ。
280
そんな
安
(
やす
)
つぽい
男
(
をとこ
)
と
思
(
おも
)
つて
貰
(
もら
)
つては
281
此
(
この
)
バルギーさまも
聊
(
いささ
)
か
迷惑
(
めいわく
)
だ。
282
こりや
売僧
(
まいす
)
坊主
(
ばうず
)
、
283
それに
不足
(
ふそく
)
があるのならどうなりと
勝手
(
かつて
)
にしたがよい。
284
こりや
其処
(
そこ
)
に
居
(
ゐ
)
るのはコオロにコブライぢやないか、
285
未
(
ま
)
だこんな
売僧
(
まいす
)
について
居
(
ゐ
)
るのか、
286
もうよい
加減
(
かげん
)
に
目
(
め
)
を
醒
(
さま
)
せ』
287
コブ『
俺
(
おれ
)
も
売僧
(
まいす
)
だ
売僧
(
まいす
)
だと
思
(
おも
)
つたが、
288
今
(
いま
)
聞
(
きい
)
て
見
(
み
)
れば
大変
(
たいへん
)
な
抱負
(
はうふ
)
をもつた
偉丈夫
(
ゐぢやうぶ
)
だから
289
今
(
いま
)
親分
(
おやぶん
)
乾児
(
こぶん
)
の
約束
(
やくそく
)
をしたのだ。
290
もう
此
(
この
)
上
(
うへ
)
親分
(
おやぶん
)
に
毒
(
どく
)
づいて
見
(
み
)
よ、
291
命令
(
めいれい
)
一下
(
いつか
)
、
292
貴様
(
きさま
)
の
命
(
いのち
)
は
貰
(
もら
)
ふてやるぞ』
293
バル『ハヽヽヽヽ、
294
猪口才
(
ちよこざい
)
千万
(
せんばん
)
な、
295
サアかかるならかかつて
見
(
み
)
よれ。
296
俺
(
おれ
)
は
斯
(
か
)
うして
腰骨
(
こしぼね
)
を
打
(
う
)
つて
杖
(
つゑ
)
に
縋
(
すが
)
つて
居
(
ゐ
)
るものの、
297
貴様
(
きさま
)
等
(
ら
)
の
三匹
(
さんびき
)
や
五匹
(
ごひき
)
は
物
(
もの
)
の
数
(
かず
)
でもない。
298
さあどうなりと
為
(
し
)
たがよいワ。
299
首
(
くび
)
から
斬
(
き
)
るか
腕
(
うで
)
から
斬
(
き
)
るか、
300
さあ
何処
(
どこ
)
からなつと
斬
(
き
)
つて
見
(
み
)
よ』
301
と
体
(
からだ
)
一面
(
いちめん
)
竜
(
りう
)
の
刺青
(
ほりもの
)
をした
肌
(
はだ
)
を
脱
(
ぬ
)
ぎ
叢
(
くさむら
)
の
上
(
うへ
)
にどつかと
坐
(
ざ
)
し
302
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
面
(
つら
)
を
瞬
(
またた
)
きもせず
睨
(
ね
)
めつけて
居
(
ゐ
)
る。
303
(
大正一四・一一・七
旧九・二一
於祥明館
加藤明子
録)
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