霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
目 次
設 定
閉じる
×
霊界物語
三鏡
大本神諭
伊都能売神諭
出口王仁三郎全集
出口王仁三郎著作集
王仁文庫
惟神の道
幼ながたり
開祖伝
聖師伝
霧の海(第六歌集)
大本七十年史
大本史料集成
神霊界
新聞記事
新月の光
その他
王仁文献考証
検索は「
王仁DB
」で
←
戻る
霊界物語
霊主体従
第1巻(子の巻)
第2巻(丑の巻)
第3巻(寅の巻)
第4巻(卯の巻)
第5巻(辰の巻)
第6巻(巳の巻)
第7巻(午の巻)
第8巻(未の巻)
第9巻(申の巻)
第10巻(酉の巻)
第11巻(戌の巻)
第12巻(亥の巻)
如意宝珠
第13巻(子の巻)
第14巻(丑の巻)
第15巻(寅の巻)
第16巻(卯の巻)
第17巻(辰の巻)
第18巻(巳の巻)
第19巻(午の巻)
第20巻(未の巻)
第21巻(申の巻)
第22巻(酉の巻)
第23巻(戌の巻)
第24巻(亥の巻)
海洋万里
第25巻(子の巻)
第26巻(丑の巻)
第27巻(寅の巻)
第28巻(卯の巻)
第29巻(辰の巻)
第30巻(巳の巻)
第31巻(午の巻)
第32巻(未の巻)
第33巻(申の巻)
第34巻(酉の巻)
第35巻(戌の巻)
第36巻(亥の巻)
舎身活躍
第37巻(子の巻)
第38巻(丑の巻)
第39巻(寅の巻)
第40巻(卯の巻)
第41巻(辰の巻)
第42巻(巳の巻)
第43巻(午の巻)
第44巻(未の巻)
第45巻(申の巻)
第46巻(酉の巻)
第47巻(戌の巻)
第48巻(亥の巻)
真善美愛
第49巻(子の巻)
第50巻(丑の巻)
第51巻(寅の巻)
第52巻(卯の巻)
第53巻(辰の巻)
第54巻(巳の巻)
第55巻(午の巻)
第56巻(未の巻)
第57巻(申の巻)
第58巻(酉の巻)
第59巻(戌の巻)
第60巻(亥の巻)
山河草木
第61巻(子の巻)
第62巻(丑の巻)
第63巻(寅の巻)
第64巻(卯の巻)上
第64巻(卯の巻)下
第65巻(辰の巻)
第66巻(巳の巻)
第67巻(午の巻)
第68巻(未の巻)
第69巻(申の巻)
第70巻(酉の巻)
第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
特別編 入蒙記
天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
第79巻(午の巻)
第80巻(未の巻)
第81巻(申の巻)
←
戻る
第71巻(戌の巻)
序文
総説
第1篇 追僧軽迫
01 追劇
〔1790〕
02 生臭坊
〔1791〕
03 門外漢
〔1792〕
04 琴の綾
〔1793〕
05 転盗
〔1794〕
06 達引
〔1795〕
07 夢の道
〔1796〕
第2篇 迷想痴色
08 夢遊怪
〔1797〕
09 踏違ひ
〔1798〕
10 荒添
〔1799〕
11 異志仏
〔1800〕
12 泥壁
〔1801〕
13 詰腹
〔1802〕
14 障路
〔1803〕
15 紺霊
〔1804〕
第3篇 惨嫁僧目
16 妖魅返
〔1805〕
17 夢現神
〔1806〕
18 金妻
〔1807〕
19 角兵衛獅子
〔1808〕
20 困客
〔1809〕
余白歌
このサイトは『霊界物語』を始めとする出口王仁三郎等の著書を無料で公開しています。
(注・出口王仁三郎の全ての著述を収録しているわけではありません。未収録のものも沢山あります)
閉じる
×
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
その他の設定項目を表示する
ここから下を閉じる
文字サイズ
S
【標準】
M
L
フォント
フォント1
【標準】
フォント2
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
古いブラウザでうまく表示されない時はこの設定を試してみて下さい
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側にだけ表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注
[?]
[※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
全ての脚注を開く
全ての脚注を閉じる(マーク表示)
【標準】
脚注マークを表示しない
文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色
[?]
底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。
[×閉じる]
外字1の色
[?]
この設定は現在使われておりません。
[×閉じる]
外字2の色
[?]
文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。
[×閉じる]
→
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
10月30~31日に旧サイトから新サイトへの移行作業を行う予定です。
実験用サイト
|
サブスク
霊界物語
>
第71巻
> 第3篇 惨嫁僧目 > 第17章 夢現神
<<< 妖魅返
(B)
(N)
金妻 >>>
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。
【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034 アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。
第一七章
夢現神
(
むげんしん
)
〔一八〇六〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第71巻 山河草木 戌の巻
篇:
第3篇 惨嫁僧目
よみ(新仮名遣い):
さんかそうもく
章:
第17章 夢現神
よみ(新仮名遣い):
むげんしん
通し章番号:
1806
口述日:
1926(大正15)年02月01日(旧12月19日)
口述場所:
月光閣
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1929(昭和4)年2月1日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
コブライ・コオロの両人は、命からがら穴から抜け出すことができた。二人は怒りの歌を歌いながら、黄金を取り戻そうと玄真坊を追いかけて行く。
そのうちに二人は原野の中で眠りこけてしまった。すると、夢うつつに白衣の神人が現れ、豊玉別命であると名乗る。
豊玉別命は、二人が怒りに捕らわれ、また黄金を目当てに玄真坊を追いかけていることを咎め、諭す。
二人は悪人として生まれついているのだから、悪に徹するつもりだと答えるが、豊玉別命は、どんな悪人であっても悔い改めることで悪を消し去り、善に向かうことができるものだ、と諭す。
そしてミロク大神の世の到来、三五の大神の信仰、惟神の名号を二人に授け、善事を行うように、と教えて消え去った。
コブライとコオロは、泥棒をきっぱりやめて修験者となり、七千余国の霊場を巡礼しようと決めた。二人は宣伝歌を歌いながら、スガの港を指して歩いていく。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm7117
愛善世界社版:
231頁
八幡書店版:
第12輯 585頁
修補版:
校定版:
241頁
普及版:
113頁
初版:
ページ備考:
001
千草
(
ちぐさ
)
の
高姫
(
たかひめ
)
、
002
玄真坊
(
げんしんばう
)
の
二人
(
ふたり
)
の
計略
(
けいりやく
)
にウマウマとかけられ
003
穴
(
あな
)
の
中
(
なか
)
に
生埋
(
いきうめ
)
にされたコブライ、
004
コオロの
両人
(
りやうにん
)
は
命
(
いのち
)
カラガラ
穴
(
あな
)
から
這
(
は
)
ひ
出
(
だ
)
し、
005
泥
(
どろ
)
まぶれになつて
息
(
いき
)
をつき
乍
(
なが
)
ら、
006
コ『オイ、
007
コオロ、
008
どてらい
目
(
め
)
に
遇
(
あ
)
はせやがつたぢやないか、
009
狸坊主
(
たぬきばうず
)
と
狐女郎
(
きつねめらう
)
奴
(
め
)
が。
010
本当
(
ほんたう
)
にいい
馬鹿
(
ばか
)
を
見
(
み
)
たぢやないか』
011
コオ『
本当
(
ほんたう
)
に
俺
(
おれ
)
やもう、
012
憎
(
にく
)
らしうて
堪
(
たま
)
らぬワイ。
013
然
(
しか
)
しあの
女
(
をんな
)
は
何処
(
どこ
)
ともなしに
可愛
(
かはい
)
い
奴
(
やつ
)
だ。
014
仮令
(
たとへ
)
生埋
(
いきうめ
)
にされて
015
死
(
し
)
んで
了
(
しま
)
つても
元々
(
もともと
)
ぢやないか。
016
憎
(
にく
)
らしいのは
彼
(
あ
)
の
玄真坊
(
げんしんばう
)
だ。
017
之
(
これ
)
から
何処
(
どこ
)
々々
(
どこ
)
迄
(
まで
)
も
後
(
あと
)
追
(
お
)
つて
生首
(
なまくび
)
引
(
ひつ
)
捉
(
とら
)
へ
018
腹癒
(
はらい
)
せをしようぢやないか』
019
コブ『ウンウン、
020
そりやさうだ、
021
俺
(
おれ
)
等
(
たち
)
を
助
(
たす
)
けて
呉
(
く
)
れた
千草姫
(
ちぐさひめ
)
が
俺
(
おれ
)
等
(
たち
)
を
殺
(
ころ
)
す
筈
(
はず
)
はない、
022
玄真坊
(
げんしんばう
)
が
千草姫
(
ちぐさひめ
)
の
前
(
まへ
)
で
旧悪
(
きうあく
)
を
云
(
い
)
はれちや
男前
(
をとこまへ
)
が
下
(
さ
)
がると
思
(
おも
)
つて、
023
俺
(
おれ
)
等
(
たち
)
を
亡
(
な
)
きものにさへすれば
如何
(
どん
)
な
事
(
こと
)
も
出来
(
でき
)
ると
思
(
おも
)
つて、
024
あんな
悪虐
(
あくぎやく
)
無道
(
ぶだう
)
の
事
(
こと
)
をしたのだらう。
025
さア
之
(
これ
)
から
後
(
あと
)
追駆
(
おつか
)
け
生首
(
なまくび
)
を
引抜
(
ひきぬ
)
き、
026
千草姫
(
ちぐさひめ
)
の
前
(
まへ
)
で
赤恥
(
あかはぢ
)
をかかせにや
腹
(
はら
)
が
癒
(
い
)
えないワ。
027
千草姫
(
ちぐさひめ
)
だつて、
028
彼
(
あ
)
んなヒヨツトコ
男
(
をとこ
)
に
心
(
こころ
)
からラブしてゐさうな
筈
(
はず
)
が
無
(
な
)
い。
029
屹度
(
きつと
)
懐
(
ふところ
)
のお
金
(
かね
)
を
捲
(
ま
)
き
上
(
あ
)
げられたら
頭
(
あたま
)
から
青洟
(
あをばな
)
を
垂
(
た
)
れかけられるか、
030
睾丸
(
きんたま
)
をギユーツと
締
(
し
)
めつけられてフンのびる
位
(
くらゐ
)
が
関
(
せき
)
の
山
(
やま
)
だらうよ、
031
ウツフヽヽヽヽ』
032
コオ『
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
033
こんな
所
(
とこ
)
で
小田原
(
をだはら
)
評定
(
ひやうぢやう
)
やつた
所
(
ところ
)
で、
034
はじまらぬぢやないか、
035
さア
之
(
これ
)
から
彼奴
(
あいつ
)
の
後
(
あと
)
追
(
お
)
つて
仇討
(
かたきう
)
ちと
出
(
で
)
かけやう』
036
コ『
後
(
あと
)
追
(
おひ
)
かけようと
云
(
い
)
つたつて、
037
何方
(
どちら
)
に
逃
(
に
)
げたか
分
(
わか
)
らぬぢやないか』
038
コオ『ナニ、
039
この
木
(
き
)
の
端切
(
はしぎ
)
れを
道
(
みち
)
の
真中
(
まんなか
)
に
突
(
つ
)
つ
立
(
た
)
てて
040
倒
(
こ
)
けた
方
(
はう
)
に
行
(
い
)
つて
見
(
み
)
よう。
041
屹度
(
きつと
)
そつちに
居
(
ゐ
)
ると
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
だ』
042
コ『そら、
043
さうかも
知
(
し
)
れぬのう』
044
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
木片
(
きぎれ
)
を
拾
(
ひろ
)
ひ
真直
(
まつすぐ
)
に
立
(
た
)
てて
離
(
はな
)
して
見
(
み
)
た。
045
木片
(
きぎれ
)
は
南
(
みなみ
)
へバタリと
倒
(
たふ
)
れた。
046
之
(
これ
)
より
両人
(
りやうにん
)
は
月夜
(
つきよ
)
の
道
(
みち
)
を
南
(
みなみ
)
へ
南
(
みなみ
)
へと
駆
(
か
)
けて
行
(
ゆ
)
く。
047
両人
(
りやうにん
)
『
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて
048
善
(
ぜん
)
と
悪
(
あく
)
とを
立別
(
たてわ
)
ける
049
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
造
(
つく
)
りし
神直日
(
かむなほひ
)
050
心
(
こころ
)
も
広
(
ひろ
)
き
大直日
(
おほなほひ
)
051
只
(
ただ
)
何事
(
なにごと
)
も
人
(
ひと
)
の
世
(
よ
)
は
052
直日
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
せ
聞直
(
ききなほ
)
せ
053
世
(
よ
)
の
過
(
あやま
)
ちは
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
せ
054
などと
教
(
をし
)
ふる
三五
(
あななひ
)
の
055
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
は
聞
(
き
)
きつれど
056
どうしても
見直
(
みなほ
)
し
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
し
057
聞直
(
ききなほ
)
しさへ
出来
(
でき
)
ぬ
奴
(
やつ
)
058
世界
(
せかい
)
に
一
(
ひと
)
つ
見
(
み
)
つかつた
059
泥棒
(
どろばう
)
上
(
あが
)
りの
玄真坊
(
げんしんばう
)
060
オーラの
山
(
やま
)
に
立籠
(
たてこ
)
もり
061
山子
(
やまこ
)
企
(
たく
)
んで
失敗
(
しつぱい
)
し
062
又
(
また
)
も
其辺
(
そこら
)
をうろついて
063
人
(
ひと
)
を
苦
(
くる
)
しめ
女
(
をんな
)
をば
064
悩
(
なや
)
ませ
来
(
きた
)
る
悪僧
(
あくそう
)
奴
(
め
)
065
危
(
あやふ
)
い
命
(
いのち
)
を
助
(
たす
)
けられ
066
落
(
おと
)
した
金
(
かね
)
迄
(
まで
)
吾々
(
われわれ
)
に
067
掘
(
ほ
)
つて
貰
(
もら
)
つて
其
(
その
)
恩
(
おん
)
を
068
仇
(
あだ
)
で
報
(
むく
)
うた
曲津
(
まがつ
)
神
(
かみ
)
069
何処
(
どこ
)
へ
失
(
う
)
せたか
知
(
し
)
らね
共
(
ども
)
070
草
(
くさ
)
を
分
(
わ
)
けても
尋
(
たづ
)
ね
出
(
だ
)
し
071
恨
(
うらみ
)
を
晴
(
は
)
らさにや
惜
(
お
)
くものか
072
神
(
かみ
)
が
此
(
この
)
世
(
よ
)
にゐますなら
073
屹度
(
きつと
)
善悪
(
ぜんあく
)
立別
(
たてわ
)
けて
074
玄真坊
(
げんしんばう
)
の
曲神
(
まがかみ
)
を
075
懲
(
こら
)
し
戒
(
いまし
)
め
給
(
たま
)
ふべし
076
とは
云
(
い
)
ふものの
吾々
(
われわれ
)
は
077
御
(
おん
)
気
(
き
)
の
長
(
なが
)
い
神
(
かみ
)
さまの
078
御
(
お
)
罰
(
ばち
)
のあたる
時
(
とき
)
を
待
(
ま
)
つ
079
余裕
(
よゆう
)
は
些
(
ちつと
)
も
身
(
み
)
に
持
(
も
)
たぬ
080
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
玄真
(
げんしん
)
の
081
生首
(
なまくび
)
引抜
(
ひきぬ
)
き
仇
(
かたき
)
をば
082
打
(
う
)
たねば
男
(
をとこ
)
の
意地
(
いぢ
)
立
(
た
)
たぬ
083
アヽ
憎
(
にく
)
らしや
憎
(
にく
)
らしや
084
不倶
(
ふぐ
)
戴天
(
たいてん
)
の
仇敵
(
きうてき
)
と
085
定
(
さだ
)
めて
之
(
これ
)
から
両人
(
りやうにん
)
は
086
四方
(
しはう
)
八方
(
はつぱう
)
に
駆
(
か
)
け
廻
(
まは
)
り
087
彼
(
かれ
)
の
在所
(
ありか
)
を
尋
(
たづ
)
ね
出
(
だ
)
し
088
命
(
いのち
)
を
取
(
と
)
らいで
措
(
お
)
くものか
089
アヽ
憎
(
にく
)
らしや
憎
(
にく
)
らしや
090
泥棒
(
どろばう
)
上
(
あが
)
りの
玄真坊
(
げんしんばう
)
091
命
(
いのち
)
を
取
(
と
)
らいで
措
(
お
)
くものか
092
アヽ
憎
(
にく
)
らしや
憎
(
にく
)
らしや
093
一寸刻
(
いつすんきざみ
)
か
五分試
(
ごぶだめ
)
し
094
骨
(
ほね
)
も
頭
(
あたま
)
も
粉
(
こな
)
にして
095
喰
(
く
)
はねば
虫
(
むし
)
が
承知
(
しようち
)
せぬ
096
アヽ
腹
(
はら
)
が
立
(
た
)
つ
腹
(
はら
)
が
立
(
た
)
つ
097
今度
(
こんど
)
の
恨
(
うらみ
)
を
晴
(
は
)
らさねば
098
死
(
し
)
んでも
死
(
し
)
ねぬ
吾
(
わが
)
心
(
こころ
)
099
憐
(
あはれ
)
み
給
(
たま
)
へ
自在天
(
じざいてん
)
100
大国彦
(
おほくにひこ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
101
真心
(
まごころ
)
籠
(
こ
)
めて
願
(
ね
)
ぎ
奉
(
まつ
)
る
102
旭
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
る
共
(
とも
)
103
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
104
仮令
(
たとへ
)
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
105
仇
(
かたき
)
を
討
(
う
)
たねば
措
(
お
)
くものか
106
悪逆
(
あくぎやく
)
無道
(
ぶだう
)
の
玄真坊
(
げんしんばう
)
107
何処
(
いづこ
)
の
果
(
はて
)
に
潜
(
ひそ
)
むとも
108
神
(
かみ
)
の
力
(
ちから
)
と
吾々
(
われわれ
)
の
109
熱心力
(
ねつしんりき
)
に
尋
(
たづ
)
ね
出
(
だ
)
し
110
彼
(
かれ
)
が
所持
(
しよぢ
)
する
黄金
(
わうごん
)
を
111
スツカリ
此方
(
こちら
)
へ
引奪
(
ひつたく
)
り
112
最初
(
さいしよ
)
の
目的
(
もくてき
)
達成
(
たつせい
)
し
113
男
(
をとこ
)
を
立
(
た
)
てねば
措
(
お
)
くものか
114
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
115
御霊
(
みたま
)
幸倍
(
さちはへ
)
ましませよ』
116
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
蛙
(
かはづ
)
の
行列
(
ぎやうれつ
)
向
(
むか
)
ふ
見
(
み
)
ずに
117
形
(
かたち
)
許
(
ばか
)
りの
細道
(
ほそみち
)
を
南
(
みなみ
)
へ
南
(
みなみ
)
へと
走
(
はし
)
つて
行
(
ゆ
)
く。
118
遥
(
はるか
)
の
前方
(
ぜんぱう
)
にコンモリとした
山蔭
(
やまかげ
)
が
見
(
み
)
える。
119
二人
(
ふたり
)
は
芝生
(
しばふ
)
の
上
(
うへ
)
にドツカと
尻
(
しり
)
を
据
(
す
)
ゑ、
120
コオ『オイ、
121
兄貴
(
あにき
)
、
122
行途
(
あてど
)
も
無
(
な
)
しに
走
(
はし
)
つて
居
(
を
)
つた
所
(
ところ
)
で
腹
(
はら
)
は
空
(
へ
)
る、
123
足
(
あし
)
は
疲
(
つか
)
れる、
124
如何
(
どう
)
する
事
(
こと
)
も
出来
(
でき
)
ぬぢやないか、
125
一
(
ひと
)
つ
此処
(
ここ
)
で
考
(
かんが
)
へて
見
(
み
)
ようぢやないか』
126
コ『やア、
127
もウ、
128
俺
(
おれ
)
もコンパスが
動
(
うご
)
かなくなつて
来
(
き
)
たのだ。
129
仇
(
かたき
)
の
所在
(
ありか
)
も
分
(
わか
)
らないのに
130
此
(
この
)
広
(
ひろ
)
い
田圃
(
たんぼ
)
を
走
(
はし
)
つた
所
(
ところ
)
で
雲
(
くも
)
を
掴
(
つか
)
む
様
(
やう
)
な
話
(
はなし
)
だ。
131
思
(
おも
)
へば
思
(
おも
)
へば
馬鹿
(
ばか
)
らしいぢやないか。
132
俺
(
おれ
)
等
(
たち
)
は
斯
(
か
)
う
南
(
みなみ
)
へ
南
(
みなみ
)
へと
走
(
はし
)
つてゐるのに、
133
彼奴
(
あいつ
)
等
(
ら
)
は
反対
(
はんたい
)
に
北
(
きた
)
へ
北
(
きた
)
へと
走
(
はし
)
つたとすれば、
134
きばれば、
135
きばる
程
(
ほど
)
遠退
(
とほの
)
く
道理
(
だうり
)
だ、
136
此奴
(
こいつ
)
ア
一
(
ひと
)
つ
考
(
かんが
)
へねばなるまいぞ』
137
コオ『それでも
杖占
(
つゑうら
)
をやつたら
南
(
みなみ
)
へ
倒
(
こ
)
けたぢやないか。
138
吾々
(
われわれ
)
は
南
(
みなみ
)
へ
走
(
はし
)
るより
仕方
(
しかた
)
はないのだ。
139
アヽ
斯
(
か
)
うなると
犬
(
いぬ
)
が
恨
(
うら
)
めしい
哩
(
わい
)
。
140
俺
(
おれ
)
が
若
(
も
)
し
犬
(
いぬ
)
だつたら、
141
彼奴
(
あいつ
)
の
行
(
い
)
つた
後
(
あと
)
を
嗅付
(
かぎつ
)
けるのだけど、
142
此
(
この
)
人間
(
にんげん
)
様
(
さま
)
の
鼻
(
はな
)
ぢやカラツキシ
駄目
(
だめ
)
ぢやからのう』
143
二人
(
ふたり
)
は
斯
(
か
)
く
話
(
はな
)
し
乍
(
なが
)
らグツタリと
弱
(
よわ
)
り、
144
眠気
(
ねむけ
)
さへ
催
(
もよほ
)
し
145
遂
(
つひ
)
には
原野
(
げんや
)
の
中
(
なか
)
で
前後
(
あとさき
)
も
白河
(
しらかは
)
夜船
(
よぶね
)
の
客
(
きやく
)
となつて
了
(
しま
)
つた。
146
此処
(
ここ
)
へ
忽然
(
こつぜん
)
として
現
(
あら
)
はれた
白衣
(
びやくい
)
の
神人
(
しんじん
)
がある。
147
神人
(
しんじん
)
は
言葉
(
ことば
)
静
(
しづ
)
かに、
148
『
汝
(
なんぢ
)
はコブライ、
149
コオロの
両人
(
りやうにん
)
ではないか』
150
両人
(
りやうにん
)
一度
(
いちど
)
に、
151
『ハイ、
152
左様
(
さやう
)
で
御座
(
ござ
)
います。
153
貴方
(
あなた
)
様
(
さま
)
は
一寸
(
ちよつと
)
お
見
(
み
)
かけ
申
(
まを
)
せば、
154
何処
(
どこ
)
かの
貴婦人
(
きふじん
)
と
拝
(
はい
)
しまするが、
155
何方
(
どちら
)
へお
越
(
こし
)
で
御座
(
ござ
)
いますか』
156
神人
(
しんじん
)
『
吾
(
われ
)
こそは
霊鷲山
(
りやうしうざん
)
に
跡
(
あと
)
をたるる
豊玉別
(
とよたまわけの
)
命
(
みこと
)
であるぞよ。
157
其
(
そ
)
の
方
(
はう
)
は
今日
(
こんにち
)
迄
(
まで
)
現世
(
げんせ
)
に
犯
(
をか
)
せし
罪悪
(
ざいあく
)
に
仍
(
よ
)
つて、
158
種々
(
しゆじゆ
)
雑多
(
ざつた
)
の
神罰
(
しんばつ
)
を
受
(
う
)
け
159
玄真坊
(
げんしんばう
)
、
160
千草姫
(
ちぐさひめ
)
の
悪人
(
あくにん
)
のため
土中
(
どちう
)
に
迄
(
まで
)
埋
(
う
)
められ、
161
九死
(
きうし
)
に
一生
(
いつしやう
)
を
得
(
え
)
乍
(
なが
)
ら
神徳
(
しんとく
)
の
尊
(
たふと
)
き
事
(
こと
)
を
忘
(
わす
)
れ、
162
只
(
ただ
)
一途
(
いちづ
)
に
彼
(
かれ
)
を
恨
(
うらみ
)
、
163
剰
(
あま
)
つさへ
懐中
(
くわいちう
)
の
金子
(
きんす
)
を
奪
(
うば
)
ひ
取
(
と
)
らむと
企
(
たくら
)
んで
居
(
を
)
らうがな』
164
コ『ハイ、
165
仰
(
おほ
)
せの
通
(
とほ
)
りで
御座
(
ござ
)
います、
166
恐
(
おそ
)
れ
入
(
い
)
りました』
167
『
汝
(
なんぢ
)
等
(
ら
)
両人
(
りやうにん
)
、
168
今
(
いま
)
の
中
(
うち
)
に
吾
(
わが
)
教
(
をしへ
)
を
聞
(
き
)
き
169
悔
(
く
)
い
改
(
あらた
)
めざれば
無間
(
むげん
)
地獄
(
ぢごく
)
に
堕
(
お
)
ちるであらう。
170
どうだ、
171
今
(
いま
)
の
中
(
うち
)
に
玄真坊
(
げんしんばう
)
に
対
(
たい
)
する
恨
(
うらみ
)
を
打
(
うち
)
切
(
き
)
り
172
本然
(
ほんぜん
)
の
誠
(
まこと
)
に
帰
(
かへ
)
る
気
(
き
)
はないか』
173
コ『イヤ、
174
もう
私
(
わたくし
)
だとて、
175
元
(
もと
)
より
悪人
(
あくにん
)
では
御座
(
ござ
)
いませぬが、
176
臍
(
へそ
)
の
緒
(
を
)
の
切
(
き
)
り
所
(
どころ
)
が
悪
(
わる
)
かつた
為
(
ため
)
に
人並
(
ひとなみ
)
の
生活
(
せいくわつ
)
も
出来
(
でき
)
ず、
177
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にやら
自暴
(
じぼう
)
自棄
(
じき
)
となり、
178
泥棒
(
どろばう
)
仲間
(
なかま
)
に
首
(
くび
)
を
突
(
つ
)
つ
込
(
こ
)
み、
179
悪事
(
あくじ
)
の
有
(
あ
)
らむ
限
(
かぎ
)
りを
致
(
いた
)
して
来
(
き
)
ました。
180
同
(
おな
)
じ
人間
(
にんげん
)
に
生
(
うま
)
れ
乍
(
なが
)
ら、
181
豺狼
(
さいらう
)
のやうな
事
(
こと
)
をすることは
182
私
(
わたくし
)
の
良心
(
りやうしん
)
に
大
(
おほい
)
に
恥
(
はぢ
)
て
居
(
を
)
りますなれど、
183
此
(
この
)
肉体
(
にくたい
)
を
保全
(
ほぜん
)
する
為
(
ため
)
に
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
ず
184
種々
(
いろいろ
)
よからぬ
事
(
こと
)
を
企
(
たく
)
みもし、
185
行
(
や
)
つても
来
(
き
)
ました。
186
どうせ
私
(
わたし
)
は
187
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
の
罪業
(
ざいごふ
)
に
由
(
よ
)
つて
地獄
(
ぢごく
)
の
底
(
そこ
)
へ
落
(
おと
)
されるものと
覚悟
(
かくご
)
してゐます。
188
どうせ
今
(
いま
)
から
心
(
こころ
)
を
改
(
あらた
)
めても、
189
地獄
(
ぢごく
)
に
堕
(
お
)
ちるのですから、
190
悪
(
あく
)
を
行
(
や
)
るなら
徹底
(
てつてい
)
的
(
てき
)
に
悪業
(
あくごふ
)
をやり
度
(
た
)
い
決心
(
けつしん
)
を
抱
(
いだ
)
いて
居
(
を
)
りまする』
191
神人
(
しんじん
)
『
如何
(
いか
)
なる
悪人
(
あくにん
)
と
雖
(
いへど
)
も、
192
悔
(
く
)
い
改
(
あらた
)
めに
依
(
よ
)
つて
悪
(
あく
)
は
忽
(
たちま
)
ち
消滅
(
せうめつ
)
し、
193
善
(
ぜん
)
の
方面
(
はうめん
)
に
向
(
むか
)
ふ
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
るものだ。
194
人間
(
にんげん
)
の
肉体
(
にくたい
)
を
持
(
も
)
つて
此
(
この
)
地上
(
ちじやう
)
に
在
(
あ
)
る
限
(
かぎ
)
りは
195
絶対
(
ぜつたい
)
の
善
(
ぜん
)
を
行
(
おこな
)
ふ
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ない。
196
それで
何事
(
なにごと
)
も
神
(
かみ
)
に
任
(
まか
)
せ、
197
神
(
かみ
)
を
信
(
しん
)
じ、
198
神
(
かみ
)
を
愛
(
あい
)
し、
199
日夜
(
にちや
)
信仰
(
しんかう
)
を
励
(
はげ
)
んだならば、
200
屹度
(
きつと
)
生前
(
せいぜん
)
死後
(
しご
)
共
(
とも
)
に
安逸
(
あんいつ
)
の
生活
(
せいくわつ
)
を
送
(
おく
)
る
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
るであらう』
201
コ『ハイ、
202
有難
(
ありがた
)
う
御座
(
ござ
)
います、
203
如何
(
いか
)
なる
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
を
信仰
(
しんかう
)
すれば
可
(
よ
)
いのでせうか。
204
私
(
わたくし
)
はこれ
迄
(
まで
)
バラモン
神
(
がみ
)
を
信
(
しん
)
じてゐましたが、
205
一度
(
いちど
)
も
安心
(
あんしん
)
や
幸福
(
かうふく
)
を
与
(
あた
)
へられた
事
(
こと
)
は
御座
(
ござ
)
いませぬ』
206
神人
(
しんじん
)
『
何
(
いづ
)
れの
神
(
かみ
)
も
皆
(
みな
)
、
207
元
(
もと
)
は
天帝
(
てんてい
)
の
御
(
ご
)
分霊
(
ぶんれい
)
、
208
神徳
(
しんとく
)
に
高下
(
かうげ
)
勝劣
(
しようれつ
)
は
無
(
な
)
けれども、
209
今日
(
こんにち
)
の
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
は
盤古
(
ばんこ
)
神王
(
しんのう
)
の
世
(
よ
)
も
済
(
す
)
み、
210
バラモン
自在天
(
じざいてん
)
の
世
(
よ
)
も
過
(
す
)
ぎ
去
(
さ
)
り、
211
今
(
いま
)
はミロク
大神
(
おほかみ
)
の
御世
(
みよ
)
と
変
(
かは
)
つてゐるのだ。
212
それ
故
(
ゆゑ
)
汝
(
なんぢ
)
等
(
ら
)
両人
(
りやうにん
)
は
今日
(
こんにち
)
より
三五
(
あななひ
)
の
大神
(
おほかみ
)
を
信
(
しん
)
じ
213
惟神
(
かむながら
)
の
名号
(
みやうがう
)
を
唱
(
とな
)
へ、
214
能
(
あた
)
ふる
限
(
かぎ
)
りの
善事
(
ぜんじ
)
を
行
(
おこな
)
はば
215
屹度
(
きつと
)
安逸
(
あんいつ
)
の
世
(
よ
)
を
送
(
おく
)
る
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
るであらう。
216
夢々
(
ゆめゆめ
)
疑
(
うたが
)
ふ
事
(
こと
)
勿
(
なか
)
れ』
217
と
宣
(
の
)
り
給
(
たま
)
ふや
否
(
いな
)
や
218
忽然
(
こつぜん
)
として
煙
(
けむり
)
の
如
(
ごと
)
く
消
(
き
)
えさせ
給
(
たま
)
ふた。
219
両人
(
りやうにん
)
はフツと
目
(
め
)
を
醒
(
さま
)
し、
220
コ『オイ、
221
コオロ、
222
お
前
(
まへ
)
起
(
お
)
きたか、
223
俺
(
おれ
)
やもう
大変
(
たいへん
)
な
夢
(
ゆめ
)
を
見
(
み
)
たよ』
224
コオ『ウーン、
225
俺
(
おれ
)
も
妙
(
めう
)
な
夢
(
ゆめ
)
を
見
(
み
)
たのだ。
226
もう
玄真坊
(
げんしんばう
)
征伐
(
せいばつ
)
は
止
(
や
)
めようかい』
227
コ『さうだな、
228
玄真坊
(
げんしんばう
)
も
悪
(
わる
)
いが
俺
(
おれ
)
も
悪
(
わる
)
いから、
229
之
(
これ
)
迄
(
まで
)
の
因縁
(
いんねん
)
と
諦
(
あきら
)
めて
泥棒
(
どろばう
)
も
止
(
や
)
め、
230
玄真坊
(
げんしんばう
)
征伐
(
せいばつ
)
も
止
(
や
)
めようぢやないか』
231
コオ『
俺
(
おれ
)
等
(
たち
)
ア、
232
泥棒
(
どろばう
)
を
止
(
や
)
めたら
喰
(
く
)
ふ
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ぬが、
233
之
(
これ
)
から
身
(
み
)
の
振
(
ふ
)
り
方
(
かた
)
を
如何
(
どう
)
したら
可
(
い
)
いのかなア。
234
実
(
じつ
)
は
夢
(
ゆめ
)
の
中
(
なか
)
に
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
現
(
あら
)
はれたが、
235
余
(
あんま
)
り
怖
(
おそ
)
ろしうて、
236
勿体
(
もつたい
)
なうて、
237
お
尋
(
たづ
)
ねする
事
(
こと
)
も
忘
(
わす
)
れたが、
238
之
(
これ
)
から
何商売
(
なにしやうばい
)
をしたら
可
(
よ
)
いのかな』
239
コ『
俺
(
おれ
)
等
(
たち
)
の
様
(
やう
)
に
泥棒
(
どろばう
)
の
外
(
ほか
)
に
何
(
なに
)
も
芸
(
げい
)
を
知
(
し
)
らぬ
者
(
もの
)
は
商売
(
しやうばい
)
も
出来
(
でき
)
ず、
240
学問
(
がくもん
)
も
無
(
な
)
し、
241
仕方
(
しかた
)
がないから
修験者
(
しゆげんじや
)
となつて
一杖
(
いちぢやう
)
一笠
(
いつさん
)
の
比丘
(
びく
)
となり、
242
人
(
ひと
)
の
門
(
かど
)
に
立
(
た
)
つて
物乞
(
ものご
)
ひでもやらうぢやないか。
243
そして
三五
(
あななひ
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
のお
道
(
みち
)
を
一人
(
ひとり
)
にでも
云
(
い
)
ひ
聞
(
き
)
かせ、
244
死後
(
しご
)
の
世界
(
せかい
)
の
安養
(
あんやう
)
浄土
(
じやうど
)
を
開
(
ひら
)
く
準備
(
じゆんび
)
をしようぢやないか』
245
コオ『
兄貴
(
あにき
)
お
前
(
まへ
)
もさう
思
(
おも
)
ふか、
246
実
(
じつ
)
は
俺
(
おれ
)
もさう
考
(
かんが
)
へた
所
(
ところ
)
だ。
247
さア
248
さうと
相談
(
さうだん
)
が
定
(
き
)
まれば、
249
両人
(
りやうにん
)
俄
(
にはか
)
に
比丘
(
びく
)
となつて
印度
(
いんど
)
七千
(
しちせん
)
余国
(
よこく
)
の
霊山
(
れいざん
)
霊場
(
れいぢやう
)
を
巡拝
(
じゆんぱい
)
しよう。
250
玄真坊
(
げんしんばう
)
の
様
(
やう
)
な
悪人
(
あくにん
)
でさへも
251
修験者
(
しゆげんじや
)
と
云
(
い
)
ふ
役徳
(
やくとく
)
に
依
(
よ
)
つて
見
(
み
)
ず
知
(
し
)
らずの
他人
(
たにん
)
から、
252
あの
通
(
とほ
)
り
土
(
つち
)
の
中
(
なか
)
へ
葬
(
はうむ
)
られるのだ。
253
俺
(
おれ
)
等
(
たち
)
ア
修験者
(
しゆげんじや
)
でない
為
(
ため
)
に
254
死骸
(
しかばね
)
を
路傍
(
ろばう
)
に
委棄
(
ゐき
)
されてゐたのだからな。
255
之
(
これ
)
を
考
(
かんが
)
へて
見
(
み
)
ても
256
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
に
仕
(
つか
)
へる
位
(
くらゐ
)
結構
(
けつこう
)
な
事
(
こと
)
はないからのう』
257
茲
(
ここ
)
に
両人
(
りやうにん
)
は
意
(
い
)
を
決
(
けつ
)
し、
258
別
(
べつ
)
に
墨染
(
すみぞめ
)
の
衣
(
ころも
)
も、
259
杖
(
つゑ
)
も
笠
(
かさ
)
も
無
(
な
)
けれども
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
口吟
(
くちずさ
)
み
乍
(
なが
)
ら、
260
人里
(
ひとざと
)
を
尋
(
たづ
)
ねて
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
事
(
こと
)
となつた。
261
両人
(
りやうにん
)
『
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて
262
善
(
ぜん
)
と
悪
(
あく
)
とを
立別
(
たてわ
)
ける
263
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
造
(
つく
)
りし
神直日
(
かむなほひ
)
264
心
(
こころ
)
も
広
(
ひろ
)
き
大直日
(
おほなほひ
)
265
只
(
ただ
)
何事
(
なにごと
)
も
人
(
ひと
)
の
世
(
よ
)
は
266
直日
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
せ
聞直
(
ききなほ
)
せ
267
身
(
み
)
の
過
(
あやま
)
ちは
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
せ
268
などと
教
(
をし
)
ふる
三五
(
あななひ
)
の
269
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
は
目
(
ま
)
の
辺
(
あた
)
り
270
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
が
夢
(
ゆめ
)
に
現
(
あら
)
はれて
271
教
(
をし
)
へ
給
(
たま
)
ひし
神人
(
しんじん
)
の
272
御言葉
(
みことば
)
こそは
尊
(
たふと
)
けれ
273
悪逆
(
あくぎやく
)
無道
(
ぶだう
)
の
限
(
かぎり
)
をば
274
尽
(
つく
)
し
来
(
きた
)
りし
吾々
(
われわれ
)
も
275
大慈
(
だいじ
)
大悲
(
だいひ
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
276
情
(
なさけ
)
の
言葉
(
ことば
)
に
目
(
め
)
を
覚
(
さ
)
まし
277
転迷
(
てんめい
)
開悟
(
かいご
)
の
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
いて
278
今
(
いま
)
や
真人
(
まびと
)
と
成
(
な
)
り
初
(
そ
)
めぬ
279
人
(
ひと
)
は
神
(
かみ
)
の
子
(
こ
)
神
(
かみ
)
の
宮
(
みや
)
280
珍
(
うづ
)
の
身魂
(
みたま
)
を
受
(
う
)
け
乍
(
なが
)
ら
281
曲津
(
まがつ
)
の
棲処
(
すみか
)
に
使
(
つか
)
はれて
282
どうして
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
283
復命
(
ふくめい
)
なさむ
術
(
すべ
)
あらむ
284
アヽ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
285
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐ
)
みの
幸
(
さち
)
はひて
286
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
二人
(
ふたり
)
の
行末
(
ゆくすゑ
)
は
287
天国
(
てんごく
)
浄土
(
じやうど
)
の
花園
(
はなぞの
)
に
288
安
(
やす
)
く
導
(
みちび
)
き
給
(
たま
)
へかし
289
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
290
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
291
仮令
(
たとへ
)
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
292
曲津
(
まがつ
)
の
神
(
かみ
)
は
猛
(
たけ
)
るとも
293
誠
(
まこと
)
の
力
(
ちから
)
は
世
(
よ
)
を
救
(
すく
)
ふ
294
誠
(
まこと
)
一
(
ひと
)
つの
三五
(
あななひ
)
の
295
神
(
かみ
)
に
従
(
したが
)
ふ
吾々
(
われわれ
)
は
296
如何
(
いか
)
なる
悪魔
(
あくま
)
も
恐
(
おそ
)
れむや
297
虎
(
とら
)
狼
(
おほかみ
)
や
大蛇
(
をろち
)
など
298
一
(
いち
)
時
(
じ
)
に
襲
(
おそ
)
ひ
来
(
きた
)
るとも
299
神
(
かみ
)
の
守護
(
まもり
)
の
有
(
あ
)
る
限
(
かぎ
)
り
300
安
(
やす
)
く
進
(
すす
)
ませ
給
(
たま
)
ふべし
301
アヽ
有難
(
ありがた
)
し
有難
(
ありがた
)
し
302
闇路
(
やみぢ
)
に
迷
(
まよ
)
ふ
盲目
(
まうもく
)
の
303
俄
(
にはか
)
に
両眼
(
りやうがん
)
打
(
うち
)
開
(
ひら
)
き
304
日出
(
ひので
)
の
国
(
くに
)
の
花園
(
はなぞの
)
に
305
進
(
すす
)
み
出
(
い
)
でたる
心地
(
ここち
)
なり
306
アヽ
有難
(
ありがた
)
し
有難
(
ありがた
)
し
307
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
を
聞
(
き
)
きしより
308
吾
(
わが
)
魂
(
たましひ
)
は
何
(
なん
)
となく
309
春駒
(
はるこま
)
の
如
(
ごと
)
勇
(
いさ
)
み
立
(
た
)
ち
310
雲井
(
くもゐ
)
に
登
(
のぼ
)
る
如
(
ごと
)
くなり
311
アヽ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
312
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
倍
(
はへ
)
ましませよ』
313
と
元気
(
げんき
)
よく
歌
(
うた
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
314
旅
(
たび
)
の
疲
(
つか
)
れも
空腹
(
くうふく
)
の
悩
(
なや
)
みも
打
(
うち
)
忘
(
わす
)
れスガの
港
(
みなと
)
の
方面
(
はうめん
)
指
(
さし
)
て
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
315
(
大正一五・二・一
旧一四・一二・一九
於月光閣
北村隆光
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 妖魅返
(B)
(N)
金妻 >>>
霊界物語
>
第71巻
> 第3篇 惨嫁僧目 > 第17章 夢現神
Tweet
目で読むのに疲れたら耳で聴こう!霊界物語の朗読ユーチューブ
オニド関連サイト
最新更新情報
10/22
【霊界物語ネット】
『
王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)
』をテキスト化しました。
9/18
【
飯塚弘明.com
】
飯塚弘明著『
PTC2 出口王仁三郎の霊界物語で透見する世界現象 T之巻
』発刊!
5/8
【霊界物語ネット】
霊界物語ネットに出口王仁三郎の
第六歌集『霧の海』
を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【17 夢現神|第71巻(戌の巻)|霊界物語/rm7117】
合言葉「みろく」を入力して下さい→