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第66巻(巳の巻)
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第75巻(寅の巻)
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第77巻(辰の巻)
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第16巻(卯の巻)
序文
凡例
総説歌
第1篇 神軍霊馬
01 天橋立
〔591〕
02 暗夜の邂逅
〔592〕
03 門番の夢
〔593〕
04 夢か現か
〔594〕
05 秋山館
〔595〕
06 石槍の雨
〔596〕
07 空籠
〔597〕
08 衣懸松
〔598〕
09 法螺の貝
〔599〕
10 白狐の出現
〔600〕
第2篇 深遠微妙
11 宝庫の鍵
〔601〕
12 捜索隊
〔602〕
13 神集の玉
〔603〕
14 鵜呑鷹
〔604〕
15 谷間の祈
〔605〕
16 神定の地
〔606〕
17 谷の水
〔607〕
第3篇 真奈為ケ原
18 遷宅婆
〔608〕
19 文珠如来
〔609〕
20 思はぬ歓
〔610〕
21 御礼参詣
〔611〕
跋
霊の礎(一)
霊の礎(二)
余白歌
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第16巻
> 第1篇 神軍霊馬 > 第9章 法螺の貝
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第九章
法螺
(
ほら
)
の
貝
(
かひ
)
〔五九九〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第16巻 如意宝珠 卯の巻
篇:
第1篇 神軍霊馬
よみ(新仮名遣い):
しんぐんれいば
章:
第9章 法螺の貝
よみ(新仮名遣い):
ほらのかい
通し章番号:
599
口述日:
1922(大正11)年04月14日(旧03月18日)
口述場所:
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年12月25日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
鬼雲彦は、鬼彦の帰りを待ちわびていた。そこへ、偵察隊が戻って来て、鬼彦らが三五教に帰順したことを伝えた。鬼雲彦は驚愕するが、そこへ鬼彦らが戻って来て復命したので、安心する。
しかし鬼彦らは雲を掴むような大法螺の報告をする。鬼雲彦は不審に思い、囚人駕籠を改めると、駕籠には自分の妻子の死体が乗せられていた。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2021-01-27 17:09:08
OBC :
rm1609
愛善世界社版:
118頁
八幡書店版:
第3輯 444頁
修補版:
校定版:
122頁
普及版:
52頁
初版:
ページ備考:
001
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
002
万代
(
よろづよ
)
祝
(
いは
)
ふ
亀彦
(
かめひこ
)
が
003
言霊
(
ことたま
)
の
息
(
いき
)
にあふられて
004
雲
(
くも
)
を
霞
(
かすみ
)
と
逃
(
に
)
げ
散
(
ち
)
りし
005
鬼雲彦
(
おにくもひこ
)
は
命
(
いのち
)
辛々
(
からがら
)
本城
(
ほんじやう
)
へ
006
韋駄天
(
ゐだてん
)
走
(
ばし
)
りに
駆
(
か
)
け
戻
(
もど
)
り
007
赤白青
(
あかしろあを
)
の
鬼
(
おに
)
共
(
ども
)
を
008
一間
(
ひとま
)
に
集
(
あつ
)
めて
鬼彦
(
おにひこ
)
や
009
鬼虎
(
おにとら
)
、
石熊
(
いしくま
)
、
熊鷹
(
くまたか
)
が
010
行方
(
ゆくへ
)
を
探
(
さが
)
す
大評定
(
だいへうぢやう
)
011
バラモン
教
(
けう
)
の
祭壇
(
さいだん
)
を
012
半
(
なかば
)
祭
(
まつ
)
つた
其
(
その
)
儘
(
まま
)
に
013
厭
(
いや
)
な
便
(
たよ
)
りを
菊月
(
きくづき
)
の
014
苦
(
くる
)
しみ
藻掻
(
もが
)
く
九
(
く
)
月
(
ぐわつ
)
九日
(
ここのか
)
015
何
(
なに
)
を
夕
(
ゆふべ
)
のすべもなく
016
半
(
はん
)
円
(
ゑん
)
の
月
(
つき
)
は
御空
(
みそら
)
に
輝
(
かがや
)
けど
017
心
(
こころ
)
の
空
(
そら
)
は
掻
(
か
)
き
曇
(
くも
)
る
018
鬼
(
おに
)
に
責
(
せ
)
められ
村雲
(
むらくも
)
に
019
包
(
つつ
)
まれきつた
鬼雲
(
おにくも
)
が
020
心
(
こころ
)
の
中
(
うち
)
ぞ
哀
(
あは
)
れなる。
021
鬼雲彦
(
おにくもひこ
)
は
奥
(
おく
)
の
一間
(
ひとま
)
を
開放
(
かいはう
)
し、
022
上段
(
じやうだん
)
に
胡坐
(
あぐら
)
をかき、
023
象牙
(
ざうげ
)
のやうな
角
(
つの
)
をニユウと
立
(
た
)
て、
024
鰐口
(
わにぐち
)
を
開
(
ひら
)
いて
一同
(
いちどう
)
に
向
(
むか
)
ひ、
025
鬼雲彦
『
今日
(
けふ
)
は
実
(
じつ
)
に
目出度
(
めでた
)
き
菊見
(
きくみ
)
の
宴
(
えん
)
、
026
バラモン
教
(
けう
)
が
祭典日
(
さいてんび
)
に
犠牲
(
いけにへ
)
を
奉
(
たてまつ
)
らむと、
027
神饌
(
しんせん
)
の
蒐集
(
しうしふ
)
に
遣
(
つか
)
はしたる
鬼彦
(
おにひこ
)
以下
(
いか
)
は
何処
(
いづこ
)
へ
姿
(
すがた
)
を
隠
(
かく
)
せしぞ。
028
今
(
いま
)
に
及
(
およ
)
びて
帰
(
かへ
)
り
来
(
きた
)
らざるは
何
(
なに
)
か
非常事
(
ひじやうじ
)
の
出来
(
しゆつたい
)
せしならむ。
029
斯
(
か
)
くなる
上
(
うへ
)
は
油断
(
ゆだん
)
は
大敵
(
たいてき
)
なるぞ、
030
一々
(
いちいち
)
武装
(
ぶさう
)
を
整
(
ととの
)
へ
如何
(
いか
)
なる
敵
(
てき
)
の
来
(
きた
)
るとも
怯
(
お
)
めず
屈
(
くつ
)
せず
克
(
よ
)
く
戦
(
たたか
)
ひ
克
(
よ
)
く
防
(
ふせ
)
ぎ、
031
敵
(
てき
)
を
千
(
せん
)
里
(
り
)
に
追
(
お
)
ひ
散
(
ち
)
らし、
032
バラモン
教
(
けう
)
が
神力
(
しんりき
)
を
天下
(
てんか
)
に
現
(
あら
)
はせよ』
033
と
下知
(
げち
)
したるに、
034
満座
(
まんざ
)
の
中
(
なか
)
より
現
(
あら
)
はれ
出
(
い
)
でたる
一寸
(
いつすん
)
坊子
(
ぼうし
)
、
035
福助
(
ふくすけ
)
のやうな
不恰好
(
ぶかつかう
)
な
頭
(
かしら
)
をぐらつかせながら、
036
危
(
あぶ
)
なき
足許
(
あしもと
)
ひよろひよろと
鬼雲彦
(
おにくもひこ
)
が
前
(
まへ
)
に
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
り、
037
一寸
(
いつすん
)
坊子
(
ぼうし
)
『
申上
(
まをしあ
)
げます、
038
鬼彦
(
おにひこ
)
其
(
その
)
他
(
た
)
の
勇将
(
ゆうしやう
)
は
心機
(
しんき
)
一転
(
いつてん
)
して
三五教
(
あななひけう
)
に
寝返
(
ねがへ
)
りを
打
(
う
)
ち、
039
綾
(
あや
)
の
高天
(
たかま
)
に
馳上
(
はせのぼ
)
り、
040
日
(
ひ
)
ならず
大軍
(
たいぐん
)
を
率
(
ひき
)
ゐて
当山
(
たうざん
)
を
十重
(
とへ
)
二十重
(
はたへ
)
に
取
(
と
)
り
巻
(
ま
)
き、
041
鬼雲彦
(
おにくもひこ
)
の
大将
(
たいしやう
)
を
初
(
はじ
)
め
一人
(
ひとり
)
も
残
(
のこ
)
さず
木端
(
こつぱ
)
微塵
(
みぢん
)
に
攻
(
せ
)
めつけ、
042
大江山
(
おほえやま
)
を
三五教
(
あななひけう
)
の
牙城
(
がじやう
)
とせむとの
敵
(
てき
)
の
計略
(
けいりやく
)
、
043
一
(
いち
)
日
(
にち
)
も
早
(
はや
)
くこの
場
(
ば
)
を
立
(
た
)
ち
去
(
さ
)
るか、
044
但
(
ただ
)
しは
味方
(
みかた
)
の
全軍
(
ぜんぐん
)
を
率
(
ひき
)
ゐて
聖地
(
せいち
)
に
向
(
むか
)
つて
進軍
(
しんぐん
)
するか、
045
時
(
とき
)
遅
(
おく
)
れては
一大事
(
いちだいじ
)
、
046
先
(
さき
)
ンずれば
人
(
ひと
)
を
制
(
せい
)
す、
047
一刻
(
いつこく
)
も
早
(
はや
)
く
進退
(
しんたい
)
を
定
(
さだ
)
めさせられよ』
048
と
述
(
の
)
べ
立
(
た
)
つるにぞ、
049
鬼雲彦
(
おにくもひこ
)
は
両手
(
りやうて
)
を
組
(
く
)
み
青息
(
あをいき
)
吐息
(
といき
)
の
連続
(
れんぞく
)
的
(
てき
)
発射
(
はつしや
)
に
余念
(
よねん
)
なかりき。
050
時
(
とき
)
しもあれや、
051
表門
(
おもてもん
)
にガヤガヤとさざめく
人声
(
ひとごゑ
)
、
052
鬼雲彦
(
おにくもひこ
)
は
自
(
みづか
)
ら
立
(
た
)
つて
表門
(
おもてもん
)
に
立
(
た
)
ち
現
(
あら
)
はれ、
053
屹
(
きつ
)
と
目
(
め
)
をすゑ
眺
(
なが
)
むれば、
054
こは
抑
(
そも
)
如何
(
いか
)
に、
055
鬼彦
(
おにひこ
)
、
056
鬼虎
(
おにとら
)
、
057
熊鷹
(
くまたか
)
、
058
石熊
(
いしくま
)
の
四天王
(
してんわう
)
は
数多
(
あまた
)
の
従卒
(
じゆうそつ
)
に
網代
(
あじろ
)
の
駕籠
(
かご
)
を
舁
(
か
)
つがせながら
意気
(
いき
)
揚々
(
やうやう
)
と
帰
(
かへ
)
り
来
(
く
)
る。
059
鬼雲彦
(
おにくもひこ
)
はハツと
胸
(
むね
)
を
撫
(
な
)
で
下
(
お
)
ろし、
060
鬼雲彦
『ヤア
天晴
(
あつぱ
)
れ
天晴
(
あつぱ
)
れ、
061
汝
(
なんぢ
)
は
鬼彦
(
おにひこ
)
、
062
鬼虎
(
おにとら
)
、
063
熊鷹
(
くまたか
)
、
064
石熊
(
いしくま
)
、
065
よくも
無事
(
ぶじ
)
で
帰
(
かへ
)
りしぞ。
066
獲物
(
えもの
)
は
何
(
ど
)
うぢや』
067
鬼彦
(
おにひこ
)
は
肩
(
かた
)
を
怒
(
いか
)
らし、
068
鼻
(
はな
)
を
蠢
(
うごめ
)
かしながら、
069
鬼彦
『
鬼雲彦
(
おにくもひこ
)
の
御
(
おん
)
大将
(
たいしやう
)
に
申上
(
まをしあ
)
げる、
070
抑々
(
そもそも
)
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
従卒
(
じゆうそつ
)
を
引率
(
いんそつ
)
し、
071
由良
(
ゆら
)
の
港
(
みなと
)
の
秋山彦
(
あきやまひこ
)
が
館
(
やかた
)
に
立
(
た
)
ち
向
(
むか
)
ひ、
072
さしもに
固
(
かた
)
き
大門
(
おほもん
)
も
右手
(
めて
)
を
延
(
の
)
ばしてウンと
一声
(
ひとこゑ
)
向
(
むか
)
うへ
押
(
お
)
せばガラガラガラ、
073
力
(
ちから
)
余
(
あま
)
つて
鬼彦
(
おにひこ
)
は
押
(
お
)
した
途端
(
とたん
)
に
門
(
もん
)
の
中
(
なか
)
へ
四五間
(
しごけん
)
ばかりドツと
飛
(
と
)
び
込
(
こ
)
みし
時
(
とき
)
の
危
(
あやふ
)
さ
否
(
いな
)
面白
(
おもしろ
)
さ、
074
続
(
つづ
)
いて
入
(
い
)
り
来
(
く
)
る
数多
(
あまた
)
の
従卒
(
じゆうそつ
)
、
075
四方
(
しはう
)
八方
(
はつぱう
)
に
手分
(
てわけ
)
を
致
(
いた
)
して
玄関
(
げんくわん
)
、
076
納戸
(
なんど
)
、
077
水門
(
すゐもん
)
、
078
物置
(
ものおき
)
、
079
柴部屋
(
しばべや
)
より
鬨
(
とき
)
を
作
(
つく
)
つて
乱
(
みだ
)
れ
入
(
い
)
る、
080
さしもに
豪傑
(
がうけつ
)
無双
(
むさう
)
の
素盞嗚
(
すさのをの
)
尊
(
みこと
)
も
国武彦
(
くにたけひこ
)
其
(
その
)
他
(
た
)
従
(
したが
)
ふ
奴輩
(
やつばら
)
も
肝
(
きも
)
を
潰
(
つぶ
)
して
右往
(
うわう
)
左往
(
さわう
)
に
逃
(
に
)
げ
惑
(
まど
)
うと
見
(
み
)
えしが
忽
(
たちま
)
ち
勢力
(
せいりよく
)
を
盛返
(
もりかへ
)
し、
081
千引
(
ちびき
)
の
岩
(
いは
)
を
手玉
(
てだま
)
に
取
(
と
)
つて
大地
(
だいち
)
も
割
(
わ
)
れむ
許
(
ばか
)
りドスン、
082
ドスンと
岩石
(
がんせき
)
の
雨
(
あめ
)
、
083
忽
(
たちま
)
ち
秋山彦
(
あきやまひこ
)
の
門前
(
もんぜん
)
は
直径
(
ちよくけい
)
一
(
いち
)
里
(
り
)
もあらむと
云
(
い
)
ふ
岩
(
いは
)
の
山
(
やま
)
を
築
(
きづ
)
いたり、
084
されども
少
(
すこ
)
しも
怯
(
ひる
)
まぬ
味方
(
みかた
)
の
勇士
(
ゆうし
)
鬼彦
(
おにひこ
)
は
真先
(
まつさき
)
に
立
(
た
)
ち、
085
さしもに
固
(
かた
)
き
岩山
(
いはやま
)
を
片足
(
かたあし
)
揚
(
あ
)
げてポンと
蹴
(
け
)
ればガラガラガラ、
086
又
(
また
)
もや
左
(
ひだり
)
の
足
(
あし
)
を
揚
(
あ
)
げてポンと
蹴
(
け
)
つた
途端
(
とたん
)
に
秋山彦
(
あきやまひこ
)
の
館
(
やかた
)
は
中天
(
ちうてん
)
にクルクルと
舞
(
ま
)
ひ
上
(
あが
)
る。
087
吾
(
われ
)
は
之
(
これ
)
にも
飽
(
あ
)
き
足
(
た
)
らず、
088
数万貫
(
すうまんくわん
)
の
大岩石
(
だいがんせき
)
を
手毬
(
てまり
)
の
如
(
ごと
)
くヒン
握
(
にぎ
)
り、
089
海原
(
うなばら
)
目蒐
(
めが
)
けて
雨
(
あめ
)
や
霰
(
あられ
)
と
投
(
な
)
げつくれば、
090
さしもに
深
(
ふか
)
き
千尋
(
ちひろ
)
の
海
(
うみ
)
も、
091
ドボンドボンと
音
(
おと
)
立
(
た
)
てて
水量
(
みづかさ
)
まさり、
092
遂
(
つひ
)
には
大
(
だい
)
なる
一
(
ひと
)
つ
島
(
じま
)
が
現
(
あら
)
はれたり。
093
ヤア
開闢
(
かいびやく
)
以来
(
いらい
)
斯
(
かか
)
る
勇士
(
ゆうし
)
が
天
(
てん
)
にも
地
(
ち
)
にもあるものか、
094
斯
(
か
)
く
迄
(
まで
)
強
(
つよ
)
き
豪傑
(
がうけつ
)
が、
095
何
(
なん
)
として
鬼雲彦
(
おにくもひこ
)
如
(
ごと
)
き
大将
(
たいしやう
)
に
盲従
(
まうじゆう
)
するや、
096
吾
(
われ
)
と
吾
(
わが
)
身
(
み
)
を
顧
(
かへり
)
みればいやもう
馬鹿
(
ばか
)
らしくなりにけり。
097
さはさりながら
今日
(
けふ
)
はバラモン
教
(
けう
)
の
祭典日
(
さいてんび
)
、
098
如何
(
いか
)
に
豪傑
(
がうけつ
)
なればとて
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
には
叶
(
かな
)
はぬ、
099
一度
(
いちど
)
礼
(
れい
)
を
申上
(
まをしあ
)
げむと
唯今
(
ただいま
)
立
(
た
)
ち
帰
(
かへ
)
りし
処
(
ところ
)
で
御座
(
ござ
)
る』
100
熊鷹
(
くまたか
)
は
又
(
また
)
もや
大手
(
おほて
)
を
振
(
ふ
)
り
大地
(
だいち
)
に
四股
(
しこ
)
踏
(
ふ
)
み
鳴
(
な
)
らしながら、
101
熊鷹
『
某
(
それがし
)
は
鬼彦
(
おにひこ
)
の
絶対
(
ぜつたい
)
無限
(
むげん
)
の
神力
(
しんりき
)
に
驚
(
おどろ
)
きもせず、
102
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
尊
(
みこと
)
と
渡
(
わた
)
り
合
(
あ
)
ひ、
103
千引
(
ちびき
)
の
岩
(
いは
)
をもつて
互
(
たがひ
)
に
挑
(
いど
)
み
戦
(
たたか
)
へば、
104
尊
(
みこと
)
は
吾
(
われ
)
の
猛威
(
まうゐ
)
に
辟易
(
へきえき
)
し、
105
二三歩
(
にさんぽ
)
よろめきわたる
隙
(
すき
)
を
窺
(
うかが
)
ひ、
106
飛鳥
(
ひてう
)
の
如
(
ごと
)
くつけ
入
(
い
)
つて
有無
(
うむ
)
を
云
(
い
)
はさず
鉄
(
てつ
)
より
固
(
かた
)
き
両腕
(
りやううで
)
を
後
(
うしろ
)
に
廻
(
まは
)
し
踏縛
(
ふんじば
)
り、
107
網代
(
あじろ
)
の
駕籠
(
かご
)
に
押
(
お
)
し
込
(
こ
)
みて
番卒
(
ばんそつ
)
に
固
(
かた
)
く
守護
(
しゆご
)
させ
置
(
お
)
き、
108
強力
(
がうりき
)
無双
(
むさう
)
の
国武彦
(
くにたけひこ
)
の
所在
(
ありか
)
は
何処
(
いづこ
)
と
尋
(
たづ
)
ねる
中
(
うち
)
、
109
現
(
あら
)
はれ
出
(
い
)
でたる
大
(
だい
)
の
男
(
をとこ
)
、
110
之
(
これ
)
こそ
確
(
たしか
)
に
国武彦
(
くにたけひこ
)
、
111
熊鷹
(
くまたか
)
が
力
(
ちから
)
を
見
(
み
)
せて
呉
(
く
)
れむと
云
(
い
)
ふより
早
(
はや
)
く
拳固
(
げんこ
)
を
固
(
かた
)
めて、
112
縦横
(
じうわう
)
無尽
(
むじん
)
に
打
(
う
)
ち
振
(
ふ
)
り
打
(
う
)
ち
振
(
ふ
)
り、
113
国武彦
(
くにたけひこ
)
の
横面
(
よこづら
)
目蒐
(
めが
)
けてポカンと
一
(
ひと
)
つ
擲
(
なぐ
)
るや
否
(
いな
)
や、
114
首
(
くび
)
は
中天
(
ちうてん
)
に
舞
(
ま
)
ひ
上
(
あが
)
り、
115
日本海
(
にほんかい
)
の
彼方
(
かなた
)
にザンブと
許
(
ばか
)
り
音
(
おと
)
を
立
(
た
)
てて
水煙
(
みづけぶり
)
、
116
姿
(
すがた
)
も
水
(
みづ
)
となりにけり』
117
鬼虎
(
おにとら
)
は
又
(
また
)
もや
四股
(
しこ
)
踏
(
ふ
)
み
鳴
(
な
)
らし、
118
鬼虎
『
某
(
それがし
)
は
秋山彦
(
あきやまひこ
)
の
館
(
やかた
)
に
向
(
むか
)
ひ、
119
様子
(
やうす
)
如何
(
いか
)
にと
眺
(
なが
)
むれば、
120
四天王
(
してんわう
)
の
一人
(
ひとり
)
鬼彦
(
おにひこ
)
並
(
ならび
)
に
熊鷹
(
くまたか
)
の
両人
(
りやうにん
)
は
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのを
)
の
大神
(
おほかみ
)
や、
121
国武彦
(
くにたけひこ
)
を
向
(
むか
)
うに
廻
(
まは
)
し、
122
獅子
(
しし
)
奮迅
(
ふんじん
)
の
勢
(
いきほひ
)
凄
(
すさま
)
じく、
123
丁々
(
ちやうちやう
)
発止
(
はつし
)
と
秘術
(
ひじゆつ
)
を
尽
(
つく
)
す
上段
(
じやうだん
)
下段
(
げだん
)
、
124
下
(
した
)
を
払
(
はら
)
へば
中天
(
ちうてん
)
に
飛
(
と
)
び
上
(
あが
)
り、
125
上
(
うへ
)
を
払
(
はら
)
へば
根底
(
ねそこ
)
の
国
(
くに
)
に
身
(
み
)
を
潜
(
ひそ
)
め、
126
天地
(
てんち
)
四方
(
しはう
)
を
自由
(
じいう
)
自在
(
じざい
)
に
飛
(
と
)
び
廻
(
まは
)
る、
127
電光
(
でんくわう
)
石火
(
せきくわ
)
の
大活動
(
だいくわつどう
)
目覚
(
めざま
)
しかりける
次第
(
しだい
)
なり。
128
吾
(
われ
)
も
四天王
(
してんわう
)
の
其
(
その
)
一人
(
ひとり
)
、
129
目
(
め
)
に
物
(
もの
)
見
(
み
)
せむと
云
(
い
)
ふより
早
(
はや
)
く、
130
臀部
(
しり
)
を
捲
(
まく
)
つてポンと
一発
(
いつぱつ
)
発射
(
はつしや
)
すれば
雲煙
(
うんえん
)
濛々
(
もうもう
)
として
四辺
(
あたり
)
を
包
(
つつ
)
み、
131
黒白
(
あやめ
)
も
分
(
わか
)
らぬ
真
(
しん
)
の
闇
(
やみ
)
、
132
自縄
(
じじよう
)
自縛
(
じばく
)
、
133
これや
耐
(
たま
)
らぬと
臍
(
へそ
)
の
下
(
した
)
より
息
(
いき
)
を
固
(
かた
)
めフツと
許
(
ばか
)
り
吹
(
ふ
)
き
放
(
はな
)
てば、
134
こは
抑
(
そも
)
如何
(
いか
)
に、
135
今迄
(
いままで
)
此処
(
ここ
)
に
華々
(
はなばな
)
しく
戦
(
たたか
)
ひたる
敵
(
てき
)
も
味方
(
みかた
)
も
影
(
かげ
)
もなく、
136
大江山
(
おほえやま
)
の
此方
(
こなた
)
を
指
(
さ
)
して
駕籠
(
かご
)
も
人数
(
にんずう
)
も
何
(
なに
)
も
彼
(
か
)
も
宙
(
ちう
)
を
駆
(
か
)
けつて
散
(
ち
)
つて
行
(
ゆ
)
く、
137
あゝ
有難
(
ありがた
)
や
有難
(
ありがた
)
や、
138
バラモン
教
(
けう
)
の
神力
(
しんりき
)
は
斯
(
かく
)
迄
(
まで
)
尊
(
たふと
)
きものなるか、
139
此
(
この
)
勢
(
いきほひ
)
をばいかして
大江山
(
おほえやま
)
の
本城
(
ほんじやう
)
に
立
(
た
)
ち
帰
(
かへ
)
り、
140
鬼雲彦
(
おにくもひこ
)
の
大将
(
たいしやう
)
に
尻
(
しり
)
を
捲
(
まく
)
つて
屁
(
へ
)
を
放
(
ひ
)
れば、
141
館
(
やかた
)
諸共
(
もろとも
)
中天
(
ちうてん
)
に
舞
(
ま
)
ひ
上
(
のぼ
)
り
真逆
(
まつさか
)
様
(
さま
)
に
和田
(
わだ
)
の
原
(
はら
)
、
142
忽
(
たちま
)
ち
船
(
ふね
)
と
早変
(
はやがは
)
り、
143
転宅
(
てんたく
)
などの
面倒
(
めんだう
)
は
要
(
い
)
らぬ、
144
サアサア
一
(
ひと
)
つ
捲
(
まく
)
つて
見
(
み
)
ようか、
145
鬼雲彦
(
おにくもひこ
)
の
御
(
おん
)
大将
(
たいしやう
)
』
146
と
肩
(
かた
)
を
怒
(
いか
)
らし
雄猛
(
をたけ
)
びをする。
147
四天王
(
してんわう
)
の
一人
(
ひとり
)
と
聞
(
きこ
)
えたる
石熊
(
いしくま
)
は、
148
又
(
また
)
もや
腕
(
うで
)
を
振
(
ふ
)
り
胸
(
むね
)
をドンドンと
打
(
う
)
ちながら、
149
石熊
『
某
(
それがし
)
は
当城
(
たうじやう
)
より
御
(
おん
)
大将
(
たいしやう
)
の
命令
(
めいれい
)
を
受
(
う
)
け、
150
数多
(
あまた
)
の
木端
(
こつぱ
)
武者
(
むしや
)
を
引
(
ひ
)
き
連
(
つ
)
れ、
151
秋山彦
(
あきやまひこ
)
の
館
(
やかた
)
に
至
(
いた
)
つて
見
(
み
)
れば、
152
今
(
いま
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
が
申上
(
まをしあ
)
げたる
通
(
とほ
)
りの
乱痴気
(
らんちき
)
騒
(
さわ
)
ぎの
真最中
(
まつさいちう
)
、
153
人
(
ひと
)
の
手柄
(
てがら
)
の
後
(
あと
)
追
(
お
)
ふも
面白
(
おもしろ
)
くなしと
股
(
また
)
を
拡
(
ひろ
)
げて
朝鮮国
(
てうせんごく
)
へ
一足飛
(
いつそくとび
)
に
飛
(
と
)
び
行
(
ゆ
)
けば、
154
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのを
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
隠
(
かく
)
れ
場所
(
ばしよ
)
なる
慶尚道
(
けいしやうだう
)
の
壇山
(
だんざん
)
に
某
(
それがし
)
が
片足
(
かたあし
)
を
踏
(
ふ
)
み
込
(
こ
)
み
館
(
やかた
)
も
何
(
なに
)
も
滅茶
(
めつちや
)
苦茶
(
くちや
)
、
155
留守居
(
るすゐ
)
の
神
(
かみ
)
はこれに
恐
(
おそ
)
れて
雲
(
くも
)
を
霞
(
かすみ
)
と
逃
(
に
)
げ
散
(
ち
)
れば、
156
一歩
(
いつぽ
)
跨
(
また
)
げてウブスナ
山脈
(
さんみやく
)
の
斎苑
(
いそ
)
の
宮居
(
みやゐ
)
を
足
(
あし
)
にかけ、
157
コーカス
山
(
さん
)
も
蹂躙
(
ふみにじ
)
り、
158
背伸
(
せの
)
びをすれば、
159
コツンと
当
(
あた
)
つた
額
(
ひたひ
)
の
痛
(
いた
)
さ、
160
よくよく
見
(
み
)
れば
天
(
てん
)
に
輝
(
かがや
)
く
大太陽
(
だいたいやう
)
、
161
これ
調法
(
てうはふ
)
と
懐中
(
ふところ
)
に
無理
(
むり
)
に
捻込
(
ねぢこ
)
み
帰
(
かへ
)
つて
見
(
み
)
れば、
162
夢
(
ゆめ
)
か
現
(
うつつ
)
か
幻
(
まぼろし
)
か、
163
合点
(
がてん
)
の
行
(
ゆ
)
かぬ
此
(
この
)
場
(
ば
)
の
光景
(
くわうけい
)
、
164
木端
(
こつぱ
)
武者
(
むしや
)
等
(
ら
)
が
寄合
(
よりあ
)
つて
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
が
行方
(
ゆくへ
)
を
詮議
(
せんぎ
)
の
最中
(
さいちう
)
、
165
面白
(
おもしろ
)
かりける
次第
(
しだい
)
なりけり、
166
アハヽヽヽ』
167
と
法螺
(
ほら
)
を
吹
(
ふ
)
いて、
168
一同
(
いちどう
)
を
煙
(
けぶり
)
に
捲
(
ま
)
きけり。
169
鬼雲彦
(
おにくもひこ
)
は
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
顔
(
かほ
)
を
熟々
(
つくづく
)
眺
(
なが
)
め、
170
鬼雲彦
『ヤアヤア、
171
汝
(
なんぢ
)
等
(
ら
)
四
(
よ
)
人
(
にん
)
狂気
(
きやうき
)
せしや、
172
空々
(
くうくう
)
漠々
(
ばくばく
)
として
雲
(
くも
)
を
掴
(
つか
)
むが
如
(
ごと
)
き
注進
(
ちうしん
)
振
(
ぶ
)
り、
173
何
(
なに
)
は
兎
(
と
)
もあれ
網代
(
あじろ
)
駕籠
(
かご
)
を
此
(
この
)
場
(
ば
)
に
引
(
ひ
)
き
据
(
す
)
ゑよ、
174
吾
(
われ
)
一々
(
いちいち
)
敵
(
てき
)
の
首
(
くび
)
を
実見
(
じつけん
)
せむ』
175
鬼彦
(
おにひこ
)
『いや、
176
決
(
けつ
)
して
決
(
けつ
)
して
空々
(
くうくう
)
漠々
(
ばくばく
)
ではありませぬ、
177
何
(
いづ
)
れも
副
(
ふく
)
守護神
(
しゆごじん
)
の
御
(
ご
)
詫宣
(
たくせん
)
、
178
肝腎要
(
かんじんかなめ
)
の
御
(
ご
)
本尊
(
ほんぞん
)
は
既
(
すで
)
に
三五教
(
あななひけう
)
に
帰順
(
きじゆん
)
致
(
いた
)
して
御座
(
ござ
)
る』
179
鬼雲彦
『ナニ、
180
三五教
(
あななひけう
)
に
帰順
(
きじゆん
)
致
(
いた
)
したとな、
181
それや
何故
(
なにゆゑ
)
ぞ』
182
鬼彦
(
おにひこ
)
『これはこれは
失言
(
しつげん
)
で
御座
(
ござ
)
いました。
183
に
と
が
との
言
(
い
)
ひ
過
(
あやま
)
り、
184
三五教
(
あななひけう
)
に
帰順
(
きじゆん
)
したのではない、
185
三五教
(
あななひけう
)
が
帰順
(
きじゆん
)
したので
御座
(
ござ
)
る。
186
アハヽヽヽ』
187
鬼雲彦
(
おにくもひこ
)
は
得意
(
とくい
)
満面
(
まんめん
)
に
溢
(
あふ
)
れ、
188
網代
(
あじろ
)
駕籠
(
かご
)
の
戸
(
と
)
を
荒々
(
あらあら
)
しく
引
(
ひ
)
き
開
(
あ
)
け
眺
(
なが
)
むれば、
189
こは
抑
(
そも
)
如何
(
いか
)
に、
190
最愛
(
さいあい
)
の
妻
(
つま
)
の
鬼雲姫
(
おにくもひめ
)
は
五体
(
ごたい
)
ズタズタに
斬
(
き
)
り
放
(
はな
)
たれ
血
(
ち
)
に
塗
(
ぬ
)
れ、
191
真裸
(
まつぱだか
)
の
儘
(
まま
)
縡
(
こと
)
ぎれ
居
(
ゐ
)
る。
192
又
(
また
)
もや
四
(
よ
)
つの
駕籠
(
かご
)
より
現
(
あら
)
はれ
出
(
い
)
でたる
血塗
(
ちみど
)
ろの
男女
(
だんぢよ
)
、
193
見
(
み
)
れば
最愛
(
さいあい
)
の
吾
(
わが
)
伜
(
せがれ
)
及
(
およ
)
び
娘
(
むすめ
)
なり。
194
息子
(
むすこ
)
娘
(
むすめ
)
は
数十
(
すうじつ
)
箇所
(
かしよ
)
の
傷
(
きず
)
を
身
(
み
)
に
負
(
お
)
ひながら、
195
虫
(
むし
)
の
泣
(
な
)
くやうな
声
(
こゑ
)
を
絞
(
しぼ
)
り、
196
息子、娘
『
父上
(
ちちうへ
)
様
(
さま
)
残念
(
ざんねん
)
で
御座
(
ござ
)
います』
197
と
一言
(
ひとこと
)
残
(
のこ
)
しその
場
(
ば
)
にバタリと
倒
(
たふ
)
れ
全身
(
ぜんしん
)
冷
(
ひ
)
えわたり、
198
氷
(
こほり
)
の
如
(
ごと
)
くなりにける。
199
月
(
つき
)
は
皎々
(
かうかう
)
と
輝
(
かがや
)
き
初
(
そ
)
め
四辺
(
あたり
)
は
昼
(
ひる
)
の
如
(
ごと
)
くに
明
(
あか
)
るく、
200
寝惚
(
ねとぼ
)
け
烏
(
がらす
)
は
中天
(
ちうてん
)
に
飛
(
と
)
び
狂
(
くる
)
ひ
阿呆
(
あはう
)
々々
(
あはう
)
と
鳴
(
な
)
き
立
(
た
)
つる。
201
アヽ
此
(
この
)
結果
(
けつくわ
)
は
如何
(
いか
)
に。
202
(
大正一一・四・一四
旧三・一八
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