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第九章 法螺(ほら)(かひ)〔五九九〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第16巻 如意宝珠 卯の巻 篇:第1篇 神軍霊馬 よみ(新仮名遣い):しんぐんれいば
章:第9章 法螺の貝 よみ(新仮名遣い):ほらのかい 通し章番号:599
口述日:1922(大正11)年04月14日(旧03月18日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年12月25日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
鬼雲彦は、鬼彦の帰りを待ちわびていた。そこへ、偵察隊が戻って来て、鬼彦らが三五教に帰順したことを伝えた。鬼雲彦は驚愕するが、そこへ鬼彦らが戻って来て復命したので、安心する。
しかし鬼彦らは雲を掴むような大法螺の報告をする。鬼雲彦は不審に思い、囚人駕籠を改めると、駕籠には自分の妻子の死体が乗せられていた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2021-01-27 17:09:08 OBC :rm1609
愛善世界社版:118頁 八幡書店版:第3輯 444頁 修補版: 校定版:122頁 普及版:52頁 初版: ページ備考:
001三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)
002万代(よろづよ)(いは)亀彦(かめひこ)
003言霊(ことたま)(いき)にあふられて
004(くも)(かすみ)()()りし
005鬼雲彦(おにくもひこ)(いのち)辛々(からがら)本城(ほんじやう)
006韋駄天(ゐだてん)(ばし)りに()(もど)
007赤白青(あかしろあを)(おに)(ども)
008一間(ひとま)(あつ)めて鬼彦(おにひこ)
009鬼虎(おにとら)石熊(いしくま)熊鷹(くまたか)
010行方(ゆくへ)(さが)大評定(だいへうぢやう)
011バラモン(けう)祭壇(さいだん)
012(なかば)(まつ)つた(その)(まま)
013(いや)便(たよ)りを菊月(きくづき)
014(くる)しみ藻掻(もが)()(ぐわつ)九日(ここのか)
015(なに)(ゆふべ)のすべもなく
016(はん)(ゑん)(つき)御空(みそら)(かがや)けど
017(こころ)(そら)()(くも)
018(おに)()められ村雲(むらくも)
019(つつ)まれきつた鬼雲(おにくも)
020(こころ)(うち)(あは)れなる。
021 鬼雲彦(おにくもひこ)(おく)一間(ひとま)開放(かいはう)し、022上段(じやうだん)胡坐(あぐら)をかき、023象牙(ざうげ)のやうな(つの)をニユウと()て、024鰐口(わにぐち)(ひら)いて一同(いちどう)(むか)ひ、
025鬼雲彦今日(けふ)(じつ)目出度(めでた)菊見(きくみ)(えん)026バラモン(けう)祭典日(さいてんび)犠牲(いけにへ)(たてまつ)らむと、027神饌(しんせん)蒐集(しうしふ)(つか)はしたる鬼彦(おにひこ)以下(いか)何処(いづこ)姿(すがた)(かく)せしぞ。028(いま)(およ)びて(かへ)(きた)らざるは(なに)非常事(ひじやうじ)出来(しゆつたい)せしならむ。029()くなる(うへ)油断(ゆだん)大敵(たいてき)なるぞ、030一々(いちいち)武装(ぶさう)(ととの)如何(いか)なる(てき)(きた)るとも()めず(くつ)せず()(たたか)()(ふせ)ぎ、031(てき)(せん)()()()らし、032バラモン(けう)神力(しんりき)天下(てんか)(あら)はせよ』
033下知(げち)したるに、034満座(まんざ)(なか)より(あら)はれ()でたる一寸(いつすん)坊子(ぼうし)035福助(ふくすけ)のやうな不恰好(ぶかつかう)(かしら)をぐらつかせながら、036(あぶ)なき足許(あしもと)ひよろひよろと鬼雲彦(おにくもひこ)(まへ)(あら)はれ(きた)り、
037一寸(いつすん)坊子(ぼうし)申上(まをしあ)げます、038鬼彦(おにひこ)(その)()勇将(ゆうしやう)心機(しんき)一転(いつてん)して三五教(あななひけう)寝返(ねがへ)りを()ち、039(あや)高天(たかま)馳上(はせのぼ)り、040()ならず大軍(たいぐん)(ひき)ゐて当山(たうざん)十重(とへ)二十重(はたへ)()()き、041鬼雲彦(おにくもひこ)大将(たいしやう)(はじ)一人(ひとり)(のこ)さず木端(こつぱ)微塵(みぢん)()めつけ、042大江山(おほえやま)三五教(あななひけう)牙城(がじやう)とせむとの(てき)計略(けいりやく)043(いち)(にち)(はや)くこの()()()るか、044(ただ)しは味方(みかた)全軍(ぜんぐん)(ひき)ゐて聖地(せいち)(むか)つて進軍(しんぐん)するか、045(とき)(おく)れては一大事(いちだいじ)046(さき)ンずれば(ひと)(せい)す、047一刻(いつこく)(はや)進退(しんたい)(さだ)めさせられよ』
048()()つるにぞ、049鬼雲彦(おにくもひこ)両手(りやうて)()青息(あをいき)吐息(といき)連続(れんぞく)(てき)発射(はつしや)余念(よねん)なかりき。050(とき)しもあれや、051表門(おもてもん)にガヤガヤとさざめく人声(ひとごゑ)052鬼雲彦(おにくもひこ)(みづか)()つて表門(おもてもん)()(あら)はれ、053(きつ)()をすゑ(なが)むれば、054こは(そも)如何(いか)に、055鬼彦(おにひこ)056鬼虎(おにとら)057熊鷹(くまたか)058石熊(いしくま)四天王(してんわう)数多(あまた)従卒(じゆうそつ)網代(あじろ)駕籠(かご)()つがせながら意気(いき)揚々(やうやう)(かへ)()る。059鬼雲彦(おにくもひこ)はハツと(むね)()()ろし、
060鬼雲彦『ヤア天晴(あつぱ)天晴(あつぱ)れ、061(なんぢ)鬼彦(おにひこ)062鬼虎(おにとら)063熊鷹(くまたか)064石熊(いしくま)065よくも無事(ぶじ)(かへ)りしぞ。066獲物(えもの)()うぢや』
067 鬼彦(おにひこ)(かた)(いか)らし、068(はな)(うごめ)かしながら、
069鬼彦鬼雲彦(おにくもひこ)(おん)大将(たいしやう)申上(まをしあ)げる、070抑々(そもそも)(われ)()従卒(じゆうそつ)引率(いんそつ)し、071由良(ゆら)(みなと)秋山彦(あきやまひこ)(やかた)()(むか)ひ、072さしもに(かた)大門(おほもん)右手(めて)()ばしてウンと一声(ひとこゑ)(むか)うへ()せばガラガラガラ、073(ちから)(あま)つて鬼彦(おにひこ)()した途端(とたん)(もん)(なか)四五間(しごけん)ばかりドツと()()みし(とき)(あやふ)(いな)面白(おもしろ)さ、074(つづ)いて()()数多(あまた)従卒(じゆうそつ)075四方(しはう)八方(はつぱう)手分(てわけ)(いた)して玄関(げんくわん)076納戸(なんど)077水門(すゐもん)078物置(ものおき)079柴部屋(しばべや)より(とき)(つく)つて(みだ)()る、080さしもに豪傑(がうけつ)無双(むさう)素盞嗚(すさのをの)(みこと)国武彦(くにたけひこ)(その)()(したが)奴輩(やつばら)(きも)(つぶ)して右往(うわう)左往(さわう)()(まど)うと()えしが(たちま)勢力(せいりよく)盛返(もりかへ)し、081千引(ちびき)(いは)手玉(てだま)()つて大地(だいち)()れむ(ばか)りドスン、082ドスンと岩石(がんせき)(あめ)083(たちま)秋山彦(あきやまひこ)門前(もんぜん)直径(ちよくけい)(いち)()もあらむと()(いは)(やま)(きづ)いたり、084されども(すこ)しも(ひる)まぬ味方(みかた)勇士(ゆうし)鬼彦(おにひこ)真先(まつさき)()ち、085さしもに(かた)岩山(いはやま)片足(かたあし)()げてポンと()ればガラガラガラ、086(また)もや(ひだり)(あし)()げてポンと()つた途端(とたん)秋山彦(あきやまひこ)(やかた)中天(ちうてん)にクルクルと()(あが)る。087(われ)(これ)にも()()らず、088数万貫(すうまんくわん)大岩石(だいがんせき)手毬(てまり)(ごと)くヒン(にぎ)り、089海原(うなばら)目蒐(めが)けて(あめ)(あられ)()げつくれば、090さしもに(ふか)千尋(ちひろ)(うみ)も、091ドボンドボンと(おと)()てて水量(みづかさ)まさり、092(つひ)には(だい)なる(ひと)(じま)(あら)はれたり。093ヤア開闢(かいびやく)以来(いらい)(かか)勇士(ゆうし)(てん)にも()にもあるものか、094()(まで)(つよ)豪傑(がうけつ)が、095(なん)として鬼雲彦(おにくもひこ)(ごと)大将(たいしやう)盲従(まうじゆう)するや、096(われ)(わが)()(かへり)みればいやもう馬鹿(ばか)らしくなりにけり。097さはさりながら今日(けふ)はバラモン(けう)祭典日(さいてんび)098如何(いか)豪傑(がうけつ)なればとて(かみ)(さま)には(かな)はぬ、099一度(いちど)(れい)申上(まをしあ)げむと唯今(ただいま)()(かへ)りし(ところ)御座(ござ)る』
100 熊鷹(くまたか)(また)もや大手(おほて)()大地(だいち)四股(しこ)()()らしながら、
101熊鷹(それがし)鬼彦(おにひこ)絶対(ぜつたい)無限(むげん)神力(しんりき)(おどろ)きもせず、102(かむ)素盞嗚(すさのをの)(みこと)(わた)()ひ、103千引(ちびき)(いは)をもつて(たがひ)(いど)(たたか)へば、104(みこと)(われ)猛威(まうゐ)辟易(へきえき)し、105二三歩(にさんぽ)よろめきわたる(すき)(うかが)ひ、106飛鳥(ひてう)(ごと)くつけ()つて有無(うむ)()はさず(てつ)より(かた)両腕(りやううで)(うしろ)(まは)踏縛(ふんじば)り、107網代(あじろ)駕籠(かご)()()みて番卒(ばんそつ)(かた)守護(しゆご)させ()き、108強力(がうりき)無双(むさう)国武彦(くにたけひこ)所在(ありか)何処(いづこ)(たづ)ねる(うち)109(あら)はれ()でたる(だい)(をとこ)110(これ)こそ(たしか)国武彦(くにたけひこ)111熊鷹(くまたか)(ちから)()せて()れむと()ふより(はや)拳固(げんこ)(かた)めて、112縦横(じうわう)無尽(むじん)()()()()り、113国武彦(くにたけひこ)横面(よこづら)目蒐(めが)けてポカンと(ひと)(なぐ)るや(いな)や、114(くび)中天(ちうてん)()(あが)り、115日本海(にほんかい)彼方(かなた)にザンブと(ばか)(おと)()てて水煙(みづけぶり)116姿(すがた)(みづ)となりにけり』
117 鬼虎(おにとら)(また)もや四股(しこ)()()らし、
118鬼虎(それがし)秋山彦(あきやまひこ)(やかた)(むか)ひ、119様子(やうす)如何(いか)にと(なが)むれば、120四天王(してんわう)一人(ひとり)鬼彦(おにひこ)(ならび)熊鷹(くまたか)両人(りやうにん)(かむ)素盞嗚(すさのを)大神(おほかみ)や、121国武彦(くにたけひこ)(むか)うに(まは)し、122獅子(しし)奮迅(ふんじん)(いきほひ)(すさま)じく、123丁々(ちやうちやう)発止(はつし)秘術(ひじゆつ)(つく)上段(じやうだん)下段(げだん)124(した)(はら)へば中天(ちうてん)()(あが)り、125(うへ)(はら)へば根底(ねそこ)(くに)()(ひそ)め、126天地(てんち)四方(しはう)自由(じいう)自在(じざい)()(まは)る、127電光(でんくわう)石火(せきくわ)大活動(だいくわつどう)目覚(めざま)しかりける次第(しだい)なり。128(われ)四天王(してんわう)(その)一人(ひとり)129()(もの)()せむと()ふより(はや)く、130臀部(しり)(まく)つてポンと一発(いつぱつ)発射(はつしや)すれば雲煙(うんえん)濛々(もうもう)として四辺(あたり)(つつ)み、131黒白(あやめ)(わか)らぬ(しん)(やみ)132自縄(じじよう)自縛(じばく)133これや(たま)らぬと(へそ)(した)より(いき)(かた)めフツと(ばか)()(はな)てば、134こは(そも)如何(いか)に、135今迄(いままで)此処(ここ)華々(はなばな)しく(たたか)ひたる(てき)味方(みかた)(かげ)もなく、136大江山(おほえやま)此方(こなた)()して駕籠(かご)人数(にんずう)(なに)()(ちう)()けつて()つて()く、137あゝ有難(ありがた)有難(ありがた)や、138バラモン(けう)神力(しんりき)(かく)(まで)(たふと)きものなるか、139(この)(いきほひ)をばいかして大江山(おほえやま)本城(ほんじやう)()(かへ)り、140鬼雲彦(おにくもひこ)大将(たいしやう)(しり)(まく)つて()()れば、141(やかた)諸共(もろとも)中天(ちうてん)()(のぼ)真逆(まつさか)(さま)和田(わだ)(はら)142(たちま)(ふね)早変(はやがは)り、143転宅(てんたく)などの面倒(めんだう)()らぬ、144サアサア(ひと)(まく)つて()ようか、145鬼雲彦(おにくもひこ)(おん)大将(たいしやう)
146(かた)(いか)らし雄猛(をたけ)びをする。147四天王(してんわう)一人(ひとり)(きこ)えたる石熊(いしくま)は、148(また)もや(うで)()(むね)をドンドンと()ちながら、
149石熊(それがし)当城(たうじやう)より(おん)大将(たいしやう)命令(めいれい)()け、150数多(あまた)木端(こつぱ)武者(むしや)()()れ、151秋山彦(あきやまひこ)(やかた)(いた)つて()れば、152(いま)(さん)(にん)申上(まをしあ)げたる(とほ)りの乱痴気(らんちき)(さわ)ぎの真最中(まつさいちう)153(ひと)手柄(てがら)(あと)()ふも面白(おもしろ)くなしと(また)(ひろ)げて朝鮮国(てうせんごく)一足飛(いつそくとび)()()けば、154(かむ)素盞嗚(すさのを)大神(おほかみ)(かく)場所(ばしよ)なる慶尚道(けいしやうだう)壇山(だんざん)(それがし)片足(かたあし)()()(やかた)(なに)滅茶(めつちや)苦茶(くちや)155留守居(るすゐ)(かみ)はこれに(おそ)れて(くも)(かすみ)()()れば、156一歩(いつぽ)(また)げてウブスナ山脈(さんみやく)斎苑(いそ)宮居(みやゐ)(あし)にかけ、157コーカス(さん)蹂躙(ふみにじ)り、158背伸(せの)びをすれば、159コツンと(あた)つた(ひたひ)(いた)さ、160よくよく()れば(てん)(かがや)大太陽(だいたいやう)161これ調法(てうはふ)懐中(ふところ)無理(むり)捻込(ねぢこ)(かへ)つて()れば、162(ゆめ)(うつつ)(まぼろし)か、163合点(がてん)()かぬ(この)()光景(くわうけい)164木端(こつぱ)武者(むしや)()寄合(よりあ)つて(われ)()行方(ゆくへ)詮議(せんぎ)最中(さいちう)165面白(おもしろ)かりける次第(しだい)なりけり、166アハヽヽヽ』
167法螺(ほら)()いて、168一同(いちどう)(けぶり)()きけり。169鬼雲彦(おにくもひこ)()(にん)(かほ)熟々(つくづく)(なが)め、
170鬼雲彦『ヤアヤア、171(なんぢ)()()(にん)狂気(きやうき)せしや、172空々(くうくう)漠々(ばくばく)として(くも)(つか)むが(ごと)注進(ちうしん)()り、173(なに)()もあれ網代(あじろ)駕籠(かご)(この)()()()ゑよ、174(われ)一々(いちいち)(てき)(くび)実見(じつけん)せむ』
175鬼彦(おにひこ)『いや、176(けつ)して(けつ)して空々(くうくう)漠々(ばくばく)ではありませぬ、177(いづ)れも(ふく)守護神(しゆごじん)()詫宣(たくせん)178肝腎要(かんじんかなめ)()本尊(ほんぞん)(すで)三五教(あななひけう)帰順(きじゆん)(いた)して御座(ござ)る』
179鬼雲彦『ナニ、180三五教(あななひけう)帰順(きじゆん)(いた)したとな、181それや何故(なにゆゑ)ぞ』
182鬼彦(おにひこ)『これはこれは失言(しつげん)御座(ござ)いました。183との()(あやま)り、184三五教(あななひけう)帰順(きじゆん)したのではない、185三五教(あななひけう)帰順(きじゆん)したので御座(ござ)る。186アハヽヽヽ』
187 鬼雲彦(おにくもひこ)得意(とくい)満面(まんめん)(あふ)れ、188網代(あじろ)駕籠(かご)()荒々(あらあら)しく()()(なが)むれば、189こは(そも)如何(いか)に、190最愛(さいあい)(つま)鬼雲姫(おにくもひめ)五体(ごたい)ズタズタに()(はな)たれ()()れ、191真裸(まつぱだか)(まま)(こと)ぎれ()る。192(また)もや()つの駕籠(かご)より(あら)はれ()でたる血塗(ちみど)ろの男女(だんぢよ)193()れば最愛(さいあい)(わが)(せがれ)(およ)(むすめ)なり。194息子(むすこ)(むすめ)数十(すうじつ)箇所(かしよ)(きず)()()ひながら、195(むし)()くやうな(こゑ)(しぼ)り、
196息子、娘父上(ちちうへ)(さま)残念(ざんねん)御座(ござ)います』
197一言(ひとこと)(のこ)しその()にバタリと(たふ)全身(ぜんしん)()えわたり、198(こほり)(ごと)くなりにける。199(つき)皎々(かうかう)(かがや)()四辺(あたり)(ひる)(ごと)くに(あか)るく、200寝惚(ねとぼ)(がらす)中天(ちうてん)()(くる)阿呆(あはう)々々(あはう)()()つる。201アヽ(この)結果(けつくわ)如何(いか)に。
202大正一一・四・一四 旧三・一八 加藤明子録)
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