霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
目 次
設 定
閉じる
×
霊界物語
三鏡
大本神諭
伊都能売神諭
出口王仁三郎全集
出口王仁三郎著作集
王仁文庫
惟神の道
幼ながたり
開祖伝
聖師伝
霧の海(第六歌集)
大本七十年史
大本史料集成
神霊界
新聞記事
新月の光
その他
王仁文献考証
検索は「
王仁DB
」で
←
戻る
霊界物語
霊主体従
第1巻(子の巻)
第2巻(丑の巻)
第3巻(寅の巻)
第4巻(卯の巻)
第5巻(辰の巻)
第6巻(巳の巻)
第7巻(午の巻)
第8巻(未の巻)
第9巻(申の巻)
第10巻(酉の巻)
第11巻(戌の巻)
第12巻(亥の巻)
如意宝珠
第13巻(子の巻)
第14巻(丑の巻)
第15巻(寅の巻)
第16巻(卯の巻)
第17巻(辰の巻)
第18巻(巳の巻)
第19巻(午の巻)
第20巻(未の巻)
第21巻(申の巻)
第22巻(酉の巻)
第23巻(戌の巻)
第24巻(亥の巻)
海洋万里
第25巻(子の巻)
第26巻(丑の巻)
第27巻(寅の巻)
第28巻(卯の巻)
第29巻(辰の巻)
第30巻(巳の巻)
第31巻(午の巻)
第32巻(未の巻)
第33巻(申の巻)
第34巻(酉の巻)
第35巻(戌の巻)
第36巻(亥の巻)
舎身活躍
第37巻(子の巻)
第38巻(丑の巻)
第39巻(寅の巻)
第40巻(卯の巻)
第41巻(辰の巻)
第42巻(巳の巻)
第43巻(午の巻)
第44巻(未の巻)
第45巻(申の巻)
第46巻(酉の巻)
第47巻(戌の巻)
第48巻(亥の巻)
真善美愛
第49巻(子の巻)
第50巻(丑の巻)
第51巻(寅の巻)
第52巻(卯の巻)
第53巻(辰の巻)
第54巻(巳の巻)
第55巻(午の巻)
第56巻(未の巻)
第57巻(申の巻)
第58巻(酉の巻)
第59巻(戌の巻)
第60巻(亥の巻)
山河草木
第61巻(子の巻)
第62巻(丑の巻)
第63巻(寅の巻)
第64巻(卯の巻)上
第64巻(卯の巻)下
第65巻(辰の巻)
第66巻(巳の巻)
第67巻(午の巻)
第68巻(未の巻)
第69巻(申の巻)
第70巻(酉の巻)
第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
特別編 入蒙記
天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
第79巻(午の巻)
第80巻(未の巻)
第81巻(申の巻)
←
戻る
第16巻(卯の巻)
序文
凡例
総説歌
第1篇 神軍霊馬
01 天橋立
〔591〕
02 暗夜の邂逅
〔592〕
03 門番の夢
〔593〕
04 夢か現か
〔594〕
05 秋山館
〔595〕
06 石槍の雨
〔596〕
07 空籠
〔597〕
08 衣懸松
〔598〕
09 法螺の貝
〔599〕
10 白狐の出現
〔600〕
第2篇 深遠微妙
11 宝庫の鍵
〔601〕
12 捜索隊
〔602〕
13 神集の玉
〔603〕
14 鵜呑鷹
〔604〕
15 谷間の祈
〔605〕
16 神定の地
〔606〕
17 谷の水
〔607〕
第3篇 真奈為ケ原
18 遷宅婆
〔608〕
19 文珠如来
〔609〕
20 思はぬ歓
〔610〕
21 御礼参詣
〔611〕
跋
霊の礎(一)
霊の礎(二)
余白歌
このサイトは『霊界物語』を始めとする出口王仁三郎等の著書を無料で公開しています。
(注・出口王仁三郎の全ての著述を収録しているわけではありません。未収録のものも沢山あります)
閉じる
×
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
その他の設定項目を表示する
ここから下を閉じる
文字サイズ
S
【標準】
M
L
フォント
フォント1
【標準】
フォント2
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
古いブラウザでうまく表示されない時はこの設定を試してみて下さい
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側にだけ表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注
[?]
[※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
全ての脚注を開く
全ての脚注を閉じる(マーク表示)
【標準】
脚注マークを表示しない
文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色
[?]
底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。
[×閉じる]
外字1の色
[?]
この設定は現在使われておりません。
[×閉じる]
外字2の色
[?]
文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。
[×閉じる]
→
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
10月30~31日に旧サイトから新サイトへの移行作業を行う予定です。
実験用サイト
|
サブスク
霊界物語
>
第16巻
> 第2篇 深遠微妙 > 第15章 谷間の祈
<<< 鵜呑鷹
(B)
(N)
神定の地 >>>
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。
【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034 アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。
第一五章
谷間
(
たにま
)
の
祈
(
いのり
)
〔六〇五〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第16巻 如意宝珠 卯の巻
篇:
第2篇 深遠微妙
よみ(新仮名遣い):
しんえんびみょう
章:
第15章 谷間の祈
よみ(新仮名遣い):
たにまのいのり
通し章番号:
605
口述日:
1922(大正11)年04月15日(旧03月19日)
口述場所:
筆録者:
外山豊二
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年12月25日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
三人が聖地に上る途中、老若男女が列をなして山奥へ進んで行くのを目にした。聞いてみると、数日前から大江山の麓、剣尖山の谷あいに神様が現れ、霊験あらたかなのだという。
それは、逃げ出したウラナイ教の青彦だった。三人の宣伝使は、青彦を言向け和しに行くことになった。
青彦は人々を惑わしてウラナイ教への改心を進めている。悦子姫は青彦のいる滝の後ろの森林に隠れ、女神に扮して青彦を叱り始めた。青彦は姿の見えない悦子姫を見つけ出そうと焚き火をたく。
焚き火に驚いた雀蜂の群れが青彦を襲って、青彦はその場に倒れてしまった。蜂は参詣人たちにも襲い掛かり、その場は混乱してしまう。
悦子姫は三五教へ改心するように、と説き、一同が惟神霊幸倍坐世を唱えると、蜂の刺し傷はすっかり癒えた。悦子姫は一同に、綾の高天原に参詣するようにと諭すと、参詣人たちは喜び、拍手して帰って行った。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2021-02-06 18:03:09
OBC :
rm1615
愛善世界社版:
187頁
八幡書店版:
第3輯 470頁
修補版:
校定版:
192頁
普及版:
85頁
初版:
ページ備考:
001
亀彦
(
かめひこ
)
、
002
英子姫
(
ひでこひめ
)
、
003
悦子姫
(
よしこひめ
)
の
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は、
004
由良
(
ゆら
)
の
流
(
なが
)
れを
遡
(
さかのぼ
)
り
河守駅
(
かうもりえき
)
に
辿
(
たど
)
り
着
(
つ
)
き、
005
路傍
(
ろばう
)
の
石
(
いし
)
に
腰打
(
こしうち
)
掛
(
か
)
け
息
(
いき
)
を
休
(
やす
)
めゐる。
006
右
(
みぎ
)
も
左
(
ひだり
)
も
鬱蒼
(
うつさう
)
たる
老樹
(
らうじゆ
)
繁茂
(
はんも
)
し、
007
昼
(
ひる
)
尚
(
な
)
ほ
暗
(
くら
)
き
谷
(
たに
)
の
底
(
そこ
)
、
008
蟻
(
あり
)
の
甘
(
あま
)
きにつくが
如
(
ごと
)
く
絡繹
(
らくえき
)
として
数多
(
あまた
)
の
老若
(
らうにやく
)
男女
(
なんによ
)
は
山奥
(
やまおく
)
目蒐
(
めが
)
けて
進
(
すす
)
み
往
(
ゆ
)
く。
009
亀彦
(
かめひこ
)
はその
中
(
なか
)
の
一人
(
ひとり
)
を
捉
(
とら
)
へ、
010
亀彦
『
斯
(
か
)
う
沢山
(
たくさん
)
に
人
(
ひと
)
が
北
(
きた
)
へ
北
(
きた
)
へと
行列
(
ぎやうれつ
)
を
組
(
く
)
みて
往
(
ゆ
)
くのは、
011
何
(
なに
)
か
変
(
か
)
はつたことがあるのか。
012
様子
(
やうす
)
を
聞
(
き
)
き
度
(
た
)
いものだナア』
013
男
(
をとこ
)
『ハイハイ
何
(
なん
)
だか
知
(
し
)
りませぬが、
014
二三
(
にさん
)
日
(
にち
)
以前
(
いぜん
)
から
大江山
(
おほえやま
)
の
麓
(
ふもと
)
の
剣尖山
(
けんさきやま
)
の
谷間
(
たにあひ
)
に
結構
(
けつこう
)
な
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
現
(
あら
)
はれたと
云
(
い
)
ふことで、
015
何
(
いづ
)
れも
病気
(
びやうき
)
平癒
(
へいゆ
)
や、
016
商売
(
しやうばい
)
繁昌
(
はんじやう
)
などの
御
(
お
)
願
(
ねがひ
)
で
参拝
(
さんぱい
)
を
致
(
いた
)
すものでございます。
017
私
(
わたくし
)
も
別
(
べつ
)
に
願
(
ねがひ
)
とては
無
(
な
)
いけれども、
018
余
(
あんま
)
り
沢山
(
たくさん
)
の
人
(
ひと
)
が
詣
(
まゐ
)
るなり、
019
偉
(
えら
)
い
評判
(
ひやうばん
)
だから、
020
ドンナ
者
(
もの
)
か
一
(
ひと
)
つ
見
(
み
)
がてらに
参
(
まゐ
)
る
所
(
ところ
)
です』
021
亀彦
(
かめひこ
)
『それは
一体
(
いつたい
)
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
ふ
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
だ』
022
男
(
をとこ
)
『ナンデも
裏
(
うら
)
とか、
023
表
(
おもて
)
とか
云
(
い
)
ふ
名
(
な
)
の
附
(
つ
)
いた
畳屋
(
たたみや
)
の
様
(
やう
)
な
神
(
かみ
)
さまぢや
相
(
さう
)
です。
024
さうして
青彦
(
あをひこ
)
とか、
025
青蛙
(
あをがへる
)
とか、
026
青畳
(
あをだたみ
)
とか、
027
ナンデも
青
(
あを
)
の
附
(
つ
)
く
名
(
な
)
の
御
(
お
)
取次
(
とりつぎ
)
が
居
(
を
)
つて、
028
樹
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
を
以
(
もつ
)
て
参拝者
(
さんぱいしや
)
を
一々
(
いちいち
)
しばくと、
029
それで
病気
(
びやうき
)
が
立所
(
たちどころ
)
に
癒
(
なほ
)
つたり、
030
願望
(
ぐわんばう
)
が
成就
(
じやうじゆ
)
したりするとか
云
(
い
)
つて、
031
それはそれは
偉
(
えら
)
い
人気
(
にんき
)
でございます。
032
流行神
(
はやりがみ
)
さまは、
033
何
(
なん
)
でも
早
(
はや
)
う
参
(
まゐ
)
らねば
御
(
ご
)
神徳
(
しんとく
)
が
無
(
な
)
いと、
034
皆
(
みな
)
剣尖山
(
けんさきやま
)
の
麓
(
ふもと
)
へ
指
(
さ
)
して
弁当持
(
べんたうもち
)
で
参拝
(
さんぱい
)
するのです。
035
マアお
前
(
まへ
)
さまも
妙
(
めう
)
な
風
(
ふう
)
をしてござるが、
036
大方
(
おほかた
)
神
(
かみ
)
さまの
取次
(
とりつぎ
)
ではありますまいか』
037
亀彦
(
かめひこ
)
『さうぢや、
038
吾々
(
われわれ
)
も
神
(
かみ
)
の
道
(
みち
)
の
取次
(
とりつぎ
)
ぢや』
039
男
(
をとこ
)
『ヤア
貴方
(
あなた
)
は
取次
(
とりつぎ
)
と
云
(
い
)
つても、
040
生臭
(
なまぐさ
)
取次
(
とりつぎ
)
ぢやろ。
041
此
(
こ
)
の
奥
(
おく
)
の
谷川
(
たにがは
)
に
現
(
あら
)
はれた
青
(
あを
)
い
名
(
な
)
の
附
(
つ
)
く
御
(
お
)
取次
(
とりつぎ
)
は、
042
精進
(
しやうじん
)
潔斎
(
けつさい
)
、
043
女
(
をんな
)
などは
傍
(
そば
)
にも
寄
(
よ
)
せつけぬと
云
(
い
)
ふ、
044
それはそれは
偉
(
えら
)
い
行者
(
ぎやうじや
)
ぢやさうな。
045
それにお
前
(
まへ
)
は
鶏
(
にはとり
)
か
何
(
なん
)
ぞの
様
(
やう
)
に
三羽番
(
さんばつがひ
)
で、
046
誰
(
たれ
)
がお
前
(
まへ
)
の
言
(
い
)
ふことを
聞
(
き
)
くものか、
047
笑
(
わら
)
ふに
定
(
きま
)
つとるワ。
048
アハヽヽヽ』
049
亀彦
(
かめひこ
)
『
決
(
けつ
)
して
決
(
けつ
)
して
女房
(
にようばう
)
でも
何
(
なん
)
でもござらぬ。
050
各自
(
めいめい
)
一個
(
いつこ
)
独立
(
どくりつ
)
の
教
(
をしへ
)
の
道
(
みち
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
だ。
051
お
前
(
まへ
)
達
(
たち
)
は
男
(
をとこ
)
と
女
(
をんな
)
と
歩
(
ある
)
いて
居
(
を
)
れば、
052
直
(
すぐ
)
にそれだから
困
(
こま
)
る。
053
凡夫
(
ぼんぶ
)
と
云
(
い
)
ふ
者
(
もの
)
は
浅猿
(
あさま
)
しいものだ』
054
男
(
をとこ
)
『ヘエ、
055
うまいこと
仰有
(
おつしや
)
いますワイ。
056
凡夫
(
ぼんぶ
)
の
中
(
なか
)
にも
聖人
(
せいじん
)
があり、
057
聖人
(
せいじん
)
らしう
見
(
み
)
せても
凡夫
(
ぼんぶ
)
がある
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
ぢや。
058
余
(
あんま
)
り
ボン
ボン
言
(
い
)
つて
貰
(
もら
)
ふまいかい。
059
ボン
くら
凡夫
(
ぼんぶ
)
の
ボン
ボン
宣伝使
(
せんでんし
)
奴
(
め
)
が。
060
マア
悠乎
(
ゆつくり
)
と
路傍
(
みちばた
)
で
三羽番
(
さんばつがひ
)
、
061
羽巻
(
はねまき
)
でもして
狎戯
(
いちやつ
)
いたがよからう。
062
アーア、
063
コンナ
偽
(
にせ
)
宣伝使
(
せんでんし
)
に
掛
(
かか
)
り
合
(
あ
)
つて、
064
伴
(
つれ
)
の
奴
(
やつ
)
はモー
何処
(
どこ
)
か
先
(
さき
)
へ
往
(
い
)
つて
了
(
しま
)
ひやがつた』
065
と
一目散
(
いちもくさん
)
に
駆
(
か
)
け
出
(
だ
)
し、
066
奥
(
おく
)
へ
奥
(
おく
)
へと
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
067
亀彦
(
かめひこ
)
『
英子姫
(
ひでこひめ
)
さま、
068
今
(
いま
)
の
男
(
をとこ
)
の
話
(
はなし
)
に
依
(
よ
)
つて
考
(
かんが
)
へて
見
(
み
)
ると、
069
何
(
ど
)
うやらウラナイ
教
(
けう
)
の
青彦
(
あをひこ
)
のことらしい
様
(
やう
)
に
思
(
おも
)
はれます。
070
又
(
また
)
もやウラナイ
教
(
けう
)
を
弘
(
ひろ
)
めて
世人
(
せじん
)
を
迷
(
まよ
)
はし、
071
害毒
(
がいどく
)
を
流
(
なが
)
す
様
(
やう
)
なことがあつては
神界
(
しんかい
)
へ
対
(
たい
)
し、
072
吾々
(
われわれ
)
宣伝使
(
せんでんし
)
の
役
(
やく
)
が
済
(
す
)
みませぬから、
073
是
(
これ
)
から
一
(
ひと
)
つ
実地
(
じつち
)
調査
(
てうさ
)
に
参
(
まゐ
)
りませうか』
074
英子姫
(
ひでこひめ
)
『さうですなア、
075
別
(
べつ
)
に
急
(
いそ
)
ぐ
旅
(
たび
)
でも
無
(
な
)
し、
076
調
(
しら
)
べて
見
(
み
)
ませうか。
077
これも
何
(
なに
)
かの
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
お
)
仕組
(
しぐみ
)
かも
知
(
し
)
れませぬ』
078
悦子姫
(
よしこひめ
)
『それは
面白
(
おもしろ
)
うございませう。
079
先日
(
せんじつ
)
より
余
(
あんま
)
り
沈黙
(
ちんもく
)
を
守
(
まも
)
つて
居
(
ゐ
)
ましたので、
080
口
(
くち
)
に
虫
(
むし
)
が
湧
(
わ
)
く
様
(
やう
)
で
不快
(
ふくわい
)
で
堪
(
たま
)
りませぬ。
081
何卒
(
どうぞ
)
今度
(
こんど
)
は
一
(
ひと
)
つ
妾
(
わらは
)
に
交渉
(
かうせふ
)
をさせて
下
(
くだ
)
さい。
082
言霊
(
ことたま
)
の
有
(
あ
)
らむ
限
(
かぎ
)
り
奮闘
(
ふんとう
)
してお
目
(
め
)
にかけます』
083
英子姫
(
ひでこひめ
)
『アーそれも
面白
(
おもしろ
)
からう』
084
亀彦
(
かめひこ
)
『サアサア
参
(
まゐ
)
りませう。
085
悦子姫
(
よしこひめ
)
さまの
雄弁
(
ゆうべん
)
振
(
ぶ
)
り、
086
奮戦
(
ふんせん
)
振
(
ぶ
)
りを
拝見
(
はいけん
)
さして
貰
(
もら
)
ひませう』
087
と
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
群集
(
ぐんしふ
)
に
紛
(
まぎ
)
れて
昼
(
ひる
)
尚
(
な
)
ほ
暗
(
くら
)
き
山道
(
やまみち
)
を、
088
北
(
きた
)
へ
北
(
きた
)
へと
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
089
一行
(
いつかう
)
は
群集
(
ぐんしふ
)
に
紛
(
まぎ
)
れ
漸
(
やうや
)
く
剣尖山
(
けんさきやま
)
の
麓
(
ふもと
)
を
流
(
なが
)
るる
谷川
(
たにがは
)
の
畔
(
ほとり
)
に
着
(
つ
)
きぬ。
090
此
(
こ
)
の
谷川
(
たにがは
)
の
岩壁
(
がんぺき
)
には
産釜
(
うぶがま
)
、
091
産盥
(
うぶだらひ
)
と
云
(
い
)
ふ
美
(
うる
)
はしき
水
(
みづ
)
を
湛
(
たた
)
へた
天然
(
てんねん
)
の
水壺
(
みづつぼ
)
あり。
092
ウラナイ
教
(
けう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
青彦
(
あをひこ
)
は
厳
(
いかめし
)
き
白装束
(
しろしやうぞく
)
の
儘
(
まま
)
、
093
此
(
こ
)
の
滝壺
(
たきつぼ
)
の
側
(
そば
)
に
立
(
た
)
ち、
094
谷川
(
たにがは
)
の
水
(
みづ
)
を
杓
(
しやく
)
で
汲
(
く
)
み
上
(
あ
)
げ
柴
(
しば
)
の
枝
(
えだ
)
に
吹
(
ふ
)
きかけ、
095
数多
(
あまた
)
の
老若
(
らうにやく
)
男女
(
なんによ
)
に
向
(
むか
)
つて
病
(
やまひ
)
を
癒
(
なほ
)
し、
096
或
(
あるひ
)
はいろいろの
神占
(
うらなひ
)
を
為
(
な
)
し、
097
数多
(
あまた
)
の
男女
(
だんぢよ
)
を
誑惑
(
けうわく
)
しつつありける。
098
悦子姫
(
よしこひめ
)
は
亀彦
(
かめひこ
)
、
099
英子姫
(
ひでこひめ
)
に
向
(
むか
)
ひ、
100
悦子姫
『サア
御
(
お
)
約束
(
やくそく
)
の
通
(
とほ
)
り、
101
是
(
これ
)
から
妾
(
わらは
)
が
一人
(
ひとり
)
舞台
(
ぶたい
)
、
102
貴方
(
あなた
)
等
(
がた
)
は
日
(
ひ
)
の
暮
(
く
)
れたを
幸
(
さいは
)
ひ、
103
木蔭
(
こかげ
)
に
潜
(
ひそ
)
み
妾
(
わらは
)
の
活動
(
くわつどう
)
振
(
ぶ
)
りを
御覧
(
ごらん
)
下
(
くだ
)
さい』
104
と
云
(
い
)
ひ
棄
(
す
)
て
何処
(
どこ
)
ともなく
深林
(
しんりん
)
の
中
(
なか
)
に
姿
(
すがた
)
を
隠
(
かく
)
したり。
105
青彦
(
あをひこ
)
は
儼然
(
げんぜん
)
として
水壺
(
みづつぼ
)
の
側
(
そば
)
に
立
(
た
)
ち、
106
数多
(
あまた
)
の
人々
(
ひとびと
)
に
対
(
たい
)
して
教訓
(
けうくん
)
を
施
(
ほどこ
)
し
居
(
ゐ
)
る。
107
甲
(
かふ
)
は
拍手
(
はくしゆ
)
し
乍
(
なが
)
ら、
108
恐
(
おそ
)
る
恐
(
おそ
)
る
青彦
(
あをひこ
)
の
前
(
まへ
)
に
蹲踞
(
しやが
)
み、
109
甲
『
生神
(
いきがみ
)
様
(
さま
)
に
一
(
ひと
)
つ
御
(
お
)
願
(
ねが
)
ひがございます。
110
私
(
わたくし
)
は
疝
(
せん
)
の
病
(
やまひ
)
に、
111
年
(
ねん
)
が
年中
(
ねんぢう
)
苦
(
くる
)
しみてゐます。
112
ナントか
御
(
ご
)
神徳
(
しんとく
)
を
以
(
もつ
)
て
御
(
お
)
助
(
たす
)
け
下
(
くだ
)
さいませ。
113
薬
(
くすり
)
で
治
(
なを
)
ることなら
何薬
(
なにぐすり
)
がよいか。
114
これも
御
(
お
)
指図
(
さしづ
)
願
(
ねが
)
ひ
度
(
た
)
うございます』
115
青彦
(
あをひこ
)
『
疝
(
せん
)
でも
何
(
なん
)
でも
治
(
なを
)
らぬことは
無
(
な
)
い。
116
それはお
前
(
まへ
)
の
改心
(
かいしん
)
次第
(
しだい
)
ぢや。
117
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
此
(
この
)
頃
(
ごろ
)
流行
(
はや
)
る
三五教
(
あななひけう
)
を
放
(
ほか
)
して、
118
ウラナイ
教
(
けう
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
信者
(
しんじや
)
になれ。
119
其
(
その
)
日
(
ひ
)
から
疝
(
せん
)
の
病気
(
びやうき
)
は
嘘
(
うそ
)
を
吐
(
つ
)
いた
様
(
やう
)
に
全快
(
ぜんくわい
)
間違
(
まちが
)
ひなしぢや』
120
甲
(
かふ
)
『ハイハイ
有
(
あ
)
り
難
(
がた
)
うございます。
121
疝
(
せん
)
の
治
(
なを
)
ることなら、
122
何時
(
いつ
)
でもウラナイ
教
(
けう
)
になります』
123
後
(
うしろ
)
の
方
(
はう
)
より
疳高
(
かんだか
)
き
女
(
をんな
)
の
声
(
こゑ
)
、
124
女(悦子姫)
『ウラナイ
教
(
けう
)
を
見切
(
みき
)
つて
三五教
(
あななひけう
)
に
誠
(
まこと
)
に
尽
(
つ
)
くせ、
125
疝気
(
せんき
)
の
虫
(
むし
)
は
三五教
(
あななひけう
)
の
神力
(
しんりき
)
に
怖
(
おそ
)
れて
滅
(
ほろ
)
びて
了
(
しま
)
ふぞ。
126
此奴
(
こいつ
)
は
金毛
(
きんまう
)
九尾
(
きうび
)
の
狐
(
きつね
)
に
使
(
つか
)
はれて
居
(
ゐ
)
る
曲津
(
まがつ
)
の
容器
(
いれもの
)
だ。
127
ホヽヽヽ』
128
甲
(
かふ
)
『モシモシ
生神
(
いきがみ
)
様
(
さま
)
、
129
男
(
をとこ
)
の
声
(
こゑ
)
を
出
(
だ
)
したり、
130
女
(
をんな
)
の
声
(
こゑ
)
を
出
(
だ
)
したりなさいまして、
131
先
(
さき
)
に
仰有
(
おつしや
)
つた
事
(
こと
)
と
後
(
あと
)
から
仰有
(
おつしや
)
つた
事
(
こと
)
とは
全然
(
ぜんぜん
)
裏表
(
うらおもて
)
ぢやありませぬか』
132
青彦
(
あをひこ
)
『
此
(
この
)
方
(
はう
)
は
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
だ。
133
決
(
けつ
)
して
決
(
けつ
)
して
二言
(
にごん
)
は
申
(
まを
)
さぬ』
134
甲
(
かふ
)
『それでも
今
(
いま
)
妙
(
めう
)
な
声
(
こゑ
)
を
出
(
だ
)
してござつたぢやありませぬか』
135
又
(
また
)
もや
暗黒
(
くらがり
)
より
女
(
をんな
)
の
声
(
こゑ
)
、
136
女(悦子姫)
『
妾
(
わらは
)
こそは
天上
(
てんじやう
)
より
降
(
くだ
)
り
来
(
きた
)
れる
天照
(
あまてらす
)
大神
(
おほかみ
)
の
御
(
おん
)
使
(
つかひ
)
、
137
瑞
(
みづ
)
の
御魂
(
みたま
)
の
教
(
をし
)
へ
給
(
たま
)
へる
三五教
(
あななひけう
)
の
生神
(
いきがみ
)
なるぞ。
138
青彦
(
あをひこ
)
の
如
(
ごと
)
き
体主
(
たいしゆ
)
霊従
(
れいじう
)
の
教
(
をしへ
)
を
耳
(
みみ
)
に
入
(
い
)
れるな』
139
青彦
(
あをひこ
)
『ヤアこれは
怪
(
け
)
しからぬ。
140
何者
(
なにもの
)
とも
知
(
し
)
れず
空中
(
くうちう
)
に
声
(
こゑ
)
を
出
(
だ
)
して、
141
某
(
それがし
)
が
宣伝
(
せんでん
)
を
妨害
(
ばうがい
)
致
(
いた
)
す
魔神
(
まがみ
)
現
(
あら
)
はれたりと
覚
(
おぼ
)
ゆ。
142
コラコラ
悪神
(
あくがみ
)
の
奴
(
やつ
)
、
143
この
青彦
(
あをひこ
)
が
言霊
(
ことたま
)
の
威力
(
ゐりよく
)
を
以
(
もつ
)
て、
144
汝
(
なんぢ
)
が
正体
(
しやうたい
)
を
現
(
あら
)
はし
呉
(
く
)
れむ』
145
と
拍手
(
はくしゆ
)
し、
146
言霊
(
ことたま
)
濁
(
にご
)
れる
神言
(
かみごと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し
始
(
はじ
)
めたり。
147
又
(
また
)
もや
暗黒
(
くらがり
)
の
中
(
なか
)
より
女
(
をんな
)
の
声
(
こゑ
)
、
148
女(悦子姫)
『ホヽヽヽ、
149
面白
(
おもしろ
)
い
面白
(
おもしろ
)
い、
150
彼
(
あ
)
の
青彦
(
あをひこ
)
の
青
(
あを
)
い
顔
(
かほ
)
わいな』
151
青彦
(
あをひこ
)
『エー
又
(
また
)
しても
又
(
また
)
しても
曲津
(
まがつ
)
神
(
かみ
)
が
出
(
で
)
て
来
(
き
)
よつて。
152
コラコラ
今
(
いま
)
に
往生
(
わうじやう
)
さしてやるぞ』
153
と
汗
(
あせ
)
みどろになり、
154
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
を
何回
(
なんくわい
)
となく
奏上
(
そうじやう
)
する。
155
後方
(
うしろ
)
の
山
(
やま
)
の
小高
(
こだか
)
き
暗中
(
あんちう
)
より、
156
又
(
また
)
もや
女
(
をんな
)
の
声
(
こゑ
)
、
157
女(悦子姫)
『オホヽヽヽ、
158
青彦
(
あをひこ
)
、
159
汝
(
なんぢ
)
は
秋山彦
(
あきやまひこ
)
の
館
(
やかた
)
に
於
(
おい
)
て
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
亀彦
(
かめひこ
)
に
悩
(
なや
)
まされ、
160
生命
(
いのち
)
辛々
(
からがら
)
此処
(
ここ
)
まで
遁
(
に
)
げ
延
(
の
)
び、
161
又
(
また
)
もや
悪逆
(
あくぎやく
)
無道
(
ぶだう
)
の
継続
(
けいぞく
)
事業
(
じげふ
)
を
開始
(
かいし
)
してゐるのか。
162
好
(
よ
)
い
加減
(
かげん
)
に
改心
(
かいしん
)
致
(
いた
)
さぬと
汝
(
なんぢ
)
が
霊魂
(
みたま
)
を
引抜
(
ひきぬ
)
き、
163
根
(
ね
)
の
国
(
くに
)
、
164
底
(
そこ
)
の
国
(
くに
)
に
落
(
おと
)
してやらうか』
165
青彦
(
あをひこ
)
『ナンダ、
166
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
の
妨害
(
ばうがい
)
致
(
いた
)
す
悪魔
(
あくま
)
ども、
167
容赦
(
ようしや
)
は
致
(
いた
)
さぬ。
168
今
(
いま
)
青彦
(
あをひこ
)
が
神徳
(
しんとく
)
無限
(
むげん
)
のウラナイ
教
(
けう
)
の
言霊
(
ことたま
)
を
以
(
もつ
)
て、
169
汝
(
なんぢ
)
が
身魂
(
みたま
)
を
破滅
(
はめつ
)
せしめむ。
170
速
(
すみや
)
かに
退散
(
たいさん
)
致
(
いた
)
さばよし、
171
愚図
(
ぐづ
)
々々
(
ぐづ
)
致
(
いた
)
さば
容赦
(
ようしや
)
はならぬぞ』
172
とぶるぶる
慄
(
ふる
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
空元気
(
からげんき
)
を
附
(
つ
)
けて
呶鳴
(
どな
)
りゐる。
173
暗中
(
あんちう
)
より、
174
又
(
また
)
もや
女
(
をんな
)
の
声
(
こゑ
)
、
175
女(悦子姫)
『オホヽヽヽ、
176
可笑
(
をか
)
しい
哩
(
わい
)
。
177
汝
(
なんぢ
)
が
力
(
ちから
)
と
思
(
おも
)
ふ
高姫
(
たかひめ
)
は
今
(
いま
)
フサの
国
(
くに
)
に
遁
(
に
)
げ
帰
(
かへ
)
り、
178
黒姫
(
くろひめ
)
は
行方
(
ゆくへ
)
不明
(
ふめい
)
となりし
今日
(
こんにち
)
、
179
何程
(
なにほど
)
汝
(
なんぢ
)
、
180
力味返
(
りきみかへ
)
るとも
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
の
使
(
つかひ
)
現
(
あら
)
はれし
上
(
うへ
)
は
最早
(
もはや
)
汝
(
なんぢ
)
が
運
(
うん
)
の
尽
(
つ
)
き、
181
一刻
(
いつこく
)
も
早
(
はや
)
く
此
(
こ
)
の
場
(
ば
)
を
退却
(
たいきやく
)
致
(
いた
)
せよ』
182
青彦
(
あをひこ
)
『エーナント
云
(
い
)
つても
一旦
(
いつたん
)
思
(
おも
)
ひ
立
(
た
)
つた
拙者
(
それがし
)
が
宣伝
(
せんでん
)
、
183
たとへ
此
(
こ
)
の
身
(
み
)
は
八裂
(
やつざき
)
に
遭
(
あ
)
はうとも、
184
いつかないつかな
心
(
こころ
)
を
飜
(
ひるがへ
)
すやうな
腰抜
(
こしぬ
)
けではないぞ。
185
何
(
いづ
)
れの
魔神
(
まがみ
)
か
知
(
し
)
らねども、
186
人
(
ひと
)
を
見損
(
みそこな
)
ふにも
程
(
ほど
)
がある。
187
サア
正体
(
しやうたい
)
を
此処
(
ここ
)
に
現
(
あら
)
はせ。
188
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
を
説
(
と
)
いて
聞
(
き
)
かして
改心
(
かいしん
)
させてやらう
程
(
ほど
)
に』
189
暗中
(
あんちう
)
より『オホヽヽヽ』
190
乙
(
おつ
)
は
拍手
(
かしはで
)
を
打
(
う
)
ち、
191
乙
『モシモシ
生神
(
いきがみ
)
様
(
さま
)
、
192
ナンダか
貴方
(
あなた
)
が
仰有
(
おつしや
)
いますと、
193
後
(
うしろ
)
の
中空
(
ちうくう
)
の
方
(
はう
)
に
妙
(
めう
)
な
声
(
こゑ
)
が
聞
(
きこ
)
えます、
194
ナンデも
貴方
(
あなた
)
様
(
さま
)
に
反対
(
はんたい
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
らしうございます。
195
此
(
こ
)
の
暗
(
くら
)
いのに
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
喧嘩
(
けんくわ
)
遊
(
あそ
)
ばして
吾々
(
われわれ
)
なにも
知
(
し
)
らぬものが
側杖
(
そばづゑ
)
を
喰
(
くら
)
ひまして
誠
(
まこと
)
に
迷惑
(
めいわく
)
。
196
何卒
(
どうぞ
)
此
(
こ
)
の
声
(
こゑ
)
を
止
(
と
)
めて
下
(
くだ
)
さいませぬか』
197
又
(
また
)
もや
女
(
をんな
)
の
声
(
こゑ
)
、
198
女(悦子姫)
『オホヽヽヽ、
199
止
(
と
)
めて
止
(
と
)
まらぬ
声
(
こゑ
)
の
道
(
みち
)
、
200
道
(
みち
)
は
二筋
(
ふたすぢ
)
善
(
ぜん
)
と
悪
(
あく
)
、
201
善
(
ぜん
)
に
服
(
まつ
)
らふか、
202
悪
(
あく
)
に
従
(
したが
)
ふか、
203
何
(
いづ
)
れも
今
(
いま
)
ここでハツキリと
返答
(
へんたふ
)
を
致
(
いた
)
せよ』
204
青彦
(
あをひこ
)
『
何
(
いづ
)
れの
神
(
かみ
)
かは
知
(
し
)
らねども、
205
拙者
(
それがし
)
が
宣伝
(
せんでん
)
を
妨害
(
ばうがい
)
致
(
いた
)
す
曲者
(
くせもの
)
、
206
了見
(
れうけん
)
致
(
いた
)
さぬぞ』
207
暗中
(
あんちう
)
より、
208
又
(
また
)
もや、
209
女(悦子姫)
『オホヽヽヽ、
210
彼
(
あ
)
のマア
青彦
(
あをひこ
)
の
空威張
(
からいば
)
り』
211
青彦
(
あをひこ
)
『ヤア
何
(
なん
)
とはなしに
聞
(
き
)
き
覚
(
おぼ
)
えのある
声
(
こゑ
)
だ。
212
其
(
その
)
方
(
はう
)
は
三五教
(
あななひけう
)
の
女
(
をんな
)
宣伝使
(
せんでんし
)
であらう。
213
後
(
うしろ
)
の
山
(
やま
)
に
潜
(
ひそ
)
み、
214
拙者
(
せつしや
)
が
宣伝
(
せんでん
)
を
妨害
(
ばうがい
)
致
(
いた
)
すと
覚
(
おぼ
)
えたり。
215
今
(
いま
)
に
正体
(
しやうたい
)
現
(
あら
)
はし
呉
(
く
)
れむ』
216
と
火打
(
ひうち
)
を
取出
(
とりだ
)
しカチカチと
火
(
ひ
)
を
打
(
う
)
ち
四辺
(
あたり
)
の
枯柴
(
かれしば
)
を
集
(
あつ
)
めて
盛
(
さか
)
ンに
火
(
ひ
)
を
焚
(
た
)
きつけたり。
217
一同
(
いちどう
)
の
顔
(
かほ
)
は
昼
(
ひる
)
の
如
(
ごと
)
く
照
(
て
)
らされたれど、
218
木
(
き
)
の
茂
(
しげ
)
みに
隠
(
かく
)
れたる
悦子姫
(
よしこひめ
)
の
姿
(
すがた
)
は
見
(
み
)
えざりける。
219
悦子姫
(
よしこひめ
)
は
尚
(
なほ
)
も
屈
(
くつ
)
せず、
220
悦子姫
『オホヽヽヽ、
221
ウラナイ
教
(
けう
)
の
阿呆彦
(
あはうひこ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
、
222
畏
(
おそ
)
れ
多
(
おほ
)
くも
昔
(
むかし
)
天照
(
あまてらす
)
大御神
(
おほみかみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
お
)
生
(
う
)
まれ
遊
(
あそ
)
ばした
時
(
とき
)
に、
223
産湯
(
うぶゆ
)
を
取
(
と
)
らせ
給
(
たま
)
うた
産釜
(
うぶがま
)
、
224
産盥
(
うぶだらひ
)
の
側
(
そば
)
に
立
(
た
)
ち
宣伝
(
せんでん
)
を
致
(
いた
)
すとは、
225
僣越
(
せんゑつ
)
至極
(
しごく
)
の
汝
(
なんぢ
)
が
振舞
(
ふるまひ
)
、
226
今
(
いま
)
に
数多
(
あまた
)
の
蜂
(
はち
)
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
つて
汝
(
なんぢ
)
が
眼
(
まなこ
)
を
潰
(
つぶ
)
すであらう。
227
オホヽヽヽ』
228
焚火
(
たきび
)
の
光
(
ひかり
)
に
驚
(
おどろ
)
いて
傍
(
かたはら
)
に
巣
(
す
)
を
喰
(
く
)
つてゐた
雀蜂
(
すずめばち
)
の
群
(
むれ
)
、
229
火焔
(
くわえん
)
の
舌
(
した
)
に
巣
(
す
)
を
嘗
(
な
)
められ
堪
(
たま
)
り
兼
(
か
)
ね、
230
青彦
(
あをひこ
)
の
底光
(
そこびか
)
りのする
目玉
(
めだま
)
を
目
(
め
)
がけて、
231
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
幾百千
(
いくひやくせん
)
ともなく
襲撃
(
しふげき
)
し
始
(
はじ
)
めたるにぞ、
232
青彦
(
あをひこ
)
は、
233
青彦
『アイター』
234
と
其
(
そ
)
の
場
(
ば
)
に
倒
(
たふ
)
れける。
235
蜂
(
はち
)
の
群
(
むれ
)
は
青彦
(
あをひこ
)
の
身体
(
しんたい
)
一面
(
いちめん
)
に
空地
(
あきぢ
)
もなく
噛
(
か
)
み
付
(
つ
)
きける。
236
数多
(
あまた
)
の
参詣人
(
さんけいにん
)
は
蜂
(
はち
)
に
光
(
ひか
)
つた
目
(
め
)
を
刺
(
さ
)
され、
237
苦
(
くる
)
しむもの
彼方
(
あなた
)
此方
(
こなた
)
に
現
(
あら
)
はれ、
238
泣
(
な
)
くもの、
239
喚
(
わめ
)
くもの、
240
忽
(
たちま
)
ち
阿鼻
(
あび
)
叫喚
(
けうくわん
)
の
巷
(
ちまた
)
となりぬ。
241
又
(
また
)
もや
暗中
(
あんちう
)
より、
242
悦子姫
『ヤアヤア
此処
(
ここ
)
に
集
(
あつ
)
まる
老若
(
らうにやく
)
男女
(
なんによ
)
、
243
穢
(
けが
)
らはしき
肉体
(
にくたい
)
を
持
(
も
)
ち
乍
(
なが
)
ら、
244
此
(
こ
)
の
聖場
(
せいぢやう
)
を
汚
(
けが
)
すこと
不届
(
ふとどき
)
千万
(
せんばん
)
な、
245
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
神界
(
しんかい
)
に
謝罪
(
しやざい
)
をせよ。
246
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
唱
(
とな
)
へ
奉
(
たてまつ
)
り、
247
蜂
(
はち
)
の
災禍
(
わざはひ
)
を
払
(
はら
)
ひ
与
(
あた
)
へむ。
248
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
』
249
と
唱
(
とな
)
ふる
声
(
こゑ
)
につれ、
250
一同
(
いちどう
)
は
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
になりて、
251
一同
『
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
、
252
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
』
253
と
唱
(
とな
)
へ
始
(
はじ
)
めける。
254
此
(
こ
)
の
声
(
こゑ
)
は
四辺
(
あたり
)
の
山岳
(
さんがく
)
をも
揺
(
ゆる
)
がす
許
(
ばか
)
りなり。
255
暗中
(
あんちう
)
より、
256
悦子姫
『ヤアヤ、
257
汝
(
なんぢ
)
等
(
ら
)
蜂
(
はち
)
に
刺
(
さ
)
された
目
(
め
)
は、
258
これで
全快
(
ぜんくわい
)
したであらう。
259
聖場
(
せいぢやう
)
を
汚
(
けが
)
してはならないから、
260
一刻
(
いつこく
)
も
早
(
はや
)
く
此
(
こ
)
の
場
(
ば
)
を
立去
(
たちさ
)
り、
261
綾
(
あや
)
の
高天
(
たかま
)
へ
御
(
お
)
礼
(
れい
)
のために
時
(
とき
)
を
移
(
うつ
)
さず
参詣
(
さんけい
)
致
(
いた
)
せよ。
262
夢々
(
ゆめゆめ
)
疑
(
うたが
)
ふな。
263
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
』
264
一同
(
いちどう
)
は
此
(
こ
)
の
声
(
こゑ
)
に
驚
(
おどろ
)
き、
265
且
(
か
)
つ
歓
(
よろこ
)
び、
266
声
(
こゑ
)
する
方
(
かた
)
に
向
(
むか
)
つて
拍手
(
はくしゆ
)
し
乍
(
なが
)
ら、
267
長居
(
ながゐ
)
は
恐
(
おそ
)
れと
一目散
(
いちもくさん
)
に
河伝
(
かはづた
)
ひに
帰
(
かへ
)
り
往
(
ゆ
)
く。
268
アヽ
青彦
(
あをひこ
)
の
運命
(
うんめい
)
は
如何
(
いかん
)
。
269
(
大正一一・四・一五
旧三・一九
外山豊二
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 鵜呑鷹
(B)
(N)
神定の地 >>>
霊界物語
>
第16巻
> 第2篇 深遠微妙 > 第15章 谷間の祈
Tweet
文芸社文庫『あらすじで読む霊界物語』絶賛発売中!
逆リンク(このページにリンクが張られているページ)
言向和(30) 夫に言向け和された妻と、互いに言向け和され合ったドライバーと乗客 | 飯塚弘明.com
言向和(12) 態度で言向け和す | 飯塚弘明.com
オニド関連サイト
最新更新情報
10/22
【霊界物語ネット】
『
王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)
』をテキスト化しました。
9/18
【
飯塚弘明.com
】
飯塚弘明著『
PTC2 出口王仁三郎の霊界物語で透見する世界現象 T之巻
』発刊!
5/8
【霊界物語ネット】
霊界物語ネットに出口王仁三郎の
第六歌集『霧の海』
を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【15 谷間の祈|第16巻(卯の巻)|霊界物語/rm1615】
合言葉「みろく」を入力して下さい→