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第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
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第16巻(卯の巻)
序文
凡例
総説歌
第1篇 神軍霊馬
01 天橋立
〔591〕
02 暗夜の邂逅
〔592〕
03 門番の夢
〔593〕
04 夢か現か
〔594〕
05 秋山館
〔595〕
06 石槍の雨
〔596〕
07 空籠
〔597〕
08 衣懸松
〔598〕
09 法螺の貝
〔599〕
10 白狐の出現
〔600〕
第2篇 深遠微妙
11 宝庫の鍵
〔601〕
12 捜索隊
〔602〕
13 神集の玉
〔603〕
14 鵜呑鷹
〔604〕
15 谷間の祈
〔605〕
16 神定の地
〔606〕
17 谷の水
〔607〕
第3篇 真奈為ケ原
18 遷宅婆
〔608〕
19 文珠如来
〔609〕
20 思はぬ歓
〔610〕
21 御礼参詣
〔611〕
跋
霊の礎(一)
霊の礎(二)
余白歌
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> 第3篇 真奈為ケ原 > 第21章 御礼参詣
<<< 思はぬ歓
(B)
(N)
跋 >>>
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第二一章
御礼
(
おれい
)
参詣
(
まゐり
)
〔六一一〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第16巻 如意宝珠 卯の巻
篇:
第3篇 真奈為ケ原
よみ(新仮名遣い):
まないがはら
章:
第21章 御礼参詣
よみ(新仮名遣い):
おれいまいり
通し章番号:
611
口述日:
1922(大正11)年04月16日(旧03月20日)
口述場所:
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年12月25日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
お節は比治山の奥に閉じ込められていたが、悦子姫が助けてくれたことを知ると、平助とお楢は悦子姫に礼を言った。
悦子姫は、音彦ら一行を今晩泊めてくれるようにと平助に頼み、平助は承諾した。しかし鬼虎、鬼彦が居ることを知ると、平助はその二人だけは泊めることはならぬ、と言って聞かない。
鬼虎、鬼彦もかつて悪事をした手前、恥ずかしくてその晩は平助の家に泊まらず、先を急ぐことにした。平助の家には岩公、勘公、櫟公の三人が宿泊した。
晩のうちに平助、お楢、お節も相談して、真名井ケ原の豊国姫神の顕現地にお礼参りに行くことになった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2024-04-13 16:58:19
OBC :
rm1621
愛善世界社版:
270頁
八幡書店版:
第3輯 501頁
修補版:
校定版:
275頁
普及版:
124頁
初版:
ページ備考:
001
天
(
てん
)
にも
地
(
ち
)
にもかけ
替
(
がへ
)
なき
一人
(
ひとり
)
の
娘
(
むすめ
)
を
拐
(
かどはか
)
され、
002
爺
(
ぢい
)
と
婆
(
ばば
)
との
二人
(
ふたり
)
暮
(
ぐら
)
し
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
果敢
(
はか
)
なみ
詛
(
のろ
)
ひつつ、
003
不平
(
ふへい
)
たらだら
世
(
よ
)
を
送
(
おく
)
る
渋面造
(
しぶづらつく
)
りの
平助
(
へいすけ
)
は、
004
思
(
おも
)
いもよらぬ
孫娘
(
まごむすめ
)
のお
節
(
せつ
)
がゆくりなく
帰
(
かへ
)
り
来
(
きた
)
りしに
歓
(
よろこ
)
び
驚
(
おどろ
)
き、
005
手
(
て
)
の
舞
(
ま
)
ひ
足
(
あし
)
の
踏
(
ふ
)
む
処
(
ところ
)
を
知
(
し
)
らず、
006
音沙汰
(
おとさた
)
無
(
な
)
かりし
娘
(
むすめ
)
の
便
(
たよ
)
り、
007
姿
(
すがた
)
は
見
(
み
)
せぬ
臭
(
くさ
)
い
婆
(
ば
)
アさまのお
楢
(
なら
)
と
共
(
とも
)
に
屈
(
かが
)
める
腰
(
こし
)
をヘコヘコと
揺
(
ゆす
)
りて
飛立
(
とびた
)
つ
可笑
(
をか
)
しさよ。
008
平助
(
へいすけ
)
『これこれ、
009
お
節
(
せつ
)
、
010
お
前
(
まへ
)
は
今
(
いま
)
まで
何処
(
どこ
)
に
如何
(
どう
)
して
居
(
を
)
つたのだ、
011
明
(
あ
)
けても
暮
(
く
)
れても
婆
(
ばば
)
と
二人
(
ふたり
)
、
012
お
前
(
まへ
)
の
事
(
こと
)
ばつかり、
013
噂
(
うはさ
)
をして
泣
(
な
)
いて
居
(
を
)
りました。
014
能
(
よ
)
う、
015
まア
戻
(
もど
)
つて
下
(
くだ
)
さつた、
016
もう
之
(
これ
)
で
此
(
この
)
平助
(
へいすけ
)
も、
017
何時
(
いつ
)
国替
(
くにがへ
)
しても
心
(
こころ
)
の
残
(
のこ
)
る
事
(
こと
)
はない、
018
さアさ、
019
一寸
(
ちよつと
)
様子
(
やうす
)
を
聞
(
き
)
かして
呉
(
く
)
れ』
020
お
節
(
せつ
)
『ハイハイ』
021
と
嬉
(
うれ
)
し
涙
(
なみだ
)
に
声
(
こゑ
)
も
得立
(
えた
)
てず、
022
僅
(
わづか
)
に、
023
お節
『
妾
(
わたし
)
は
比治山
(
ひぢやま
)
の
奥
(
おく
)
の
岩窟
(
いはや
)
に
押
(
お
)
し
込
(
こ
)
められて
居
(
を
)
りました。
024
其処
(
そこ
)
へ
神
(
かみ
)
さまの
様
(
やう
)
なお
方
(
かた
)
が
現
(
あら
)
はれて
妾
(
わらは
)
を
救
(
すく
)
つて
下
(
くだ
)
さいました、
025
今
(
いま
)
門口
(
かどぐち
)
まで
親切
(
しんせつ
)
に
送
(
おく
)
り
届
(
とど
)
けて
下
(
くだ
)
さりました。
026
何卒
(
どうぞ
)
、
027
お
爺
(
ぢい
)
さま、
028
お
婆
(
ば
)
アさま
宜
(
よろ
)
しう
御
(
お
)
礼
(
れい
)
を
申
(
まを
)
して
下
(
くだ
)
さい』
029
平助
(
へいすけ
)
『ナヽヽ
何
(
なん
)
と
言
(
い
)
ふ、
030
お
前
(
まへ
)
を
助
(
たす
)
けたお
方
(
かた
)
が
門
(
かど
)
に
御座
(
ござ
)
るのか、
031
これや
斯
(
か
)
うしては
居
(
を
)
られぬ、
032
一言
(
ひとこと
)
お
礼
(
れい
)
を
申
(
まを
)
さねば
済
(
す
)
むまい、
033
これこれ
婆
(
ばば
)
、
034
お
前
(
まへ
)
もお
礼
(
れい
)
を
申
(
まを
)
さぬか』
035
婆
(
ば
)
アは
莞爾
(
にこ
)
々々
(
にこ
)
し
乍
(
なが
)
ら
耳
(
みみ
)
が
聞
(
きこ
)
えぬので、
036
お
楢
(
なら
)
『
爺
(
ぢい
)
さま、
037
結構
(
けつこう
)
ぢやな、
038
早
(
はや
)
う
神
(
かみ
)
さまに
御
(
お
)
礼
(
れい
)
を
申
(
まを
)
しませう』
039
平助
(
へいすけ
)
『
神
(
かみ
)
さまも
神
(
かみ
)
さまだが
愚図
(
ぐづ
)
々々
(
ぐづ
)
して
居
(
を
)
ると、
040
助
(
たす
)
けて
下
(
くだ
)
さつたお
方
(
かた
)
が
帰
(
かへ
)
られるかも
知
(
し
)
れぬ』
041
とカンテラを
点
(
つ
)
け
門口
(
かどぐち
)
に
立出
(
たちい
)
で、
042
平助
『
誰方
(
どなた
)
か
知
(
し
)
りませぬが、
043
娘
(
むすめ
)
を
助
(
たす
)
けて
下
(
くだ
)
さつて
有難
(
ありがた
)
う
御座
(
ござ
)
います、
044
御覧
(
ごらん
)
の
通
(
とほ
)
り
矮
(
いぶせ
)
き
荒屋
(
あばらや
)
で
御座
(
ござ
)
いますがお
這入
(
はい
)
り
下
(
くだ
)
さいませ、
045
外
(
そと
)
は
此
(
この
)
通
(
とほ
)
り
雪
(
ゆき
)
が
溜
(
たま
)
つて
居
(
ゐ
)
ます、
046
嘸
(
さぞ
)
お
寒
(
さむ
)
い
事
(
こと
)
でせう、
047
庭
(
には
)
で
火
(
ひ
)
でも
焚
(
た
)
きますから』
048
悦子姫
(
よしこひめ
)
『ア、
049
貴方
(
あなた
)
がお
節
(
せつ
)
殿
(
どの
)
のお
爺
(
やぢ
)
さまでござりますか』
050
平助
(
へいすけ
)
『へいへい、
051
平助
(
へいすけ
)
と
言
(
い
)
ふ
爺
(
おやぢ
)
で
御座
(
ござ
)
います、
052
若夫婦
(
わかふうふ
)
には
先立
(
さきだ
)
たれ、
053
たつた
一人
(
ひとり
)
の
孫
(
まご
)
を
娘
(
むすめ
)
として
育
(
そだ
)
て
上
(
あ
)
げ、
054
引
(
ひ
)
き
伸
(
の
)
ばす
様
(
やう
)
に
思
(
おも
)
うて
居
(
を
)
りましたのに
去年
(
きよねん
)
の
冬
(
ふゆ
)
、
055
大江山
(
おほえやま
)
の
鬼雲彦
(
おにくもひこ
)
の
手下
(
てした
)
の
悪者
(
わるもの
)
、
056
鬼彦
(
おにひこ
)
、
057
鬼虎
(
おにとら
)
と
言
(
い
)
ふそれはそれは
意地癖
(
いぢくせ
)
の
悪
(
わる
)
い
悪人
(
あくにん
)
に
大切
(
たいせつ
)
の
娘
(
むすめ
)
を
攫
(
さら
)
はれ、
058
寝
(
ね
)
ても
起
(
お
)
きてもそればつかりを
苦
(
く
)
に
病
(
や
)
みて
泣
(
な
)
いて
暮
(
くら
)
して
居
(
を
)
りました。
059
婆
(
ばば
)
も
私
(
わたくし
)
もそれが
為
(
た
)
めに
二十
(
にじふ
)
年
(
ねん
)
程
(
ほど
)
も
生命
(
いのち
)
が
縮
(
ちぢ
)
みました、
060
お
蔭
(
かげ
)
さまでその
孫娘
(
まごむすめ
)
に
会
(
あ
)
はれまするのも
全
(
まつた
)
く
貴方
(
あなた
)
様
(
さま
)
のお
蔭
(
かげ
)
、
061
何卒
(
どうぞ
)
這入
(
はい
)
つて
悠
(
ゆる
)
りとお
休
(
やす
)
み
下
(
くだ
)
さいませ、
062
婆
(
ばば
)
も
御
(
お
)
礼
(
れい
)
を
申
(
まを
)
し
上
(
あ
)
げ
度
(
た
)
いと
申
(
まを
)
して
居
(
ゐ
)
ますから』
063
悦子姫
(
よしこひめ
)
『アヽ
御
(
ご
)
親切
(
しんせつ
)
は
有難
(
ありがた
)
う
御座
(
ござ
)
いまするが、
064
妾
(
わらは
)
は
少
(
すこ
)
しく
神界
(
しんかい
)
の
御用
(
ごよう
)
が
差
(
さ
)
し
迫
(
せま
)
つて
居
(
を
)
りますれば
之
(
これ
)
にて
御免
(
ごめん
)
を
蒙
(
かうむ
)
ります、
065
就
(
つい
)
ては
妾
(
わらは
)
より
貴方
(
あなた
)
に
強
(
た
)
つての
御
(
お
)
願
(
ねが
)
ひが
御座
(
ござ
)
います。
066
聞
(
き
)
いて
下
(
くだ
)
さいますまいか』
067
平助
(
へいすけ
)
『
生命
(
いのち
)
の
親
(
おや
)
の
貴方
(
あなた
)
様
(
さま
)
、
068
何
(
なん
)
なつと
仰有
(
おつしや
)
つて
下
(
くだ
)
さいませ、
069
爺
(
おやぢ
)
の
身
(
み
)
に
叶
(
かな
)
ふ
事
(
こと
)
なら
生命
(
いのち
)
でも
差
(
さ
)
し
上
(
あ
)
げます』
070
悦子姫
(
よしこひめ
)
『
早速
(
さつそく
)
の
御
(
ご
)
承知
(
しようち
)
、
071
有難
(
ありがた
)
う
御座
(
ござ
)
います、
072
此処
(
ここ
)
に
居
(
を
)
ります
者
(
もの
)
は
妾
(
わらは
)
の
道連
(
みちづ
)
れ、
073
四五
(
しご
)
人
(
にん
)
の
者
(
もの
)
を
何卒
(
どうぞ
)
今晩
(
こんばん
)
丈
(
だ
)
け
庭
(
には
)
の
隅
(
すみ
)
でも
宜
(
よ
)
いから
泊
(
と
)
めてやつて
下
(
くだ
)
さいませぬか』
074
平助
(
へいすけ
)
『へいへい
承知
(
しようち
)
致
(
いた
)
しました、
075
百
(
ひやく
)
人
(
にん
)
でも
千
(
せん
)
人
(
にん
)
でも
泊
(
とま
)
つて
下
(
くだ
)
さい』
076
悦子姫
(
よしこひめ
)
『
百
(
ひやく
)
人
(
にん
)
も
泊
(
とま
)
る
処
(
ところ
)
はありますまい、
077
只
(
ただ
)
五六
(
ごろく
)
人
(
にん
)
泊
(
と
)
めて
貰
(
もら
)
へば
宜
(
よろ
)
しいのです』
078
平助
(
へいすけ
)
『
之
(
これ
)
は
失礼
(
しつれい
)
致
(
いた
)
しまして、
079
あまり
嬉
(
うれ
)
しうて
爺
(
おやぢ
)
も
脱線
(
だつせん
)
を
致
(
いた
)
しました、
080
サアサ
皆
(
みな
)
さま
御
(
ご
)
遠慮
(
ゑんりよ
)
なくお
這入
(
はい
)
り
下
(
くだ
)
さい、
081
然
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
無茶
(
むちや
)
苦茶
(
くちや
)
に
這入
(
はい
)
つて
貰
(
もら
)
うと、
082
大江山
(
おほえやま
)
の
鬼除
(
おによ
)
けの
陥穽
(
おとしあな
)
が
御座
(
ござ
)
いますから
私
(
わたくし
)
の
後
(
あと
)
に
跟
(
つ
)
いてお
通
(
とほ
)
り
下
(
くだ
)
さい』
083
と
先
(
さき
)
に
立
(
た
)
つ。
084
悦子姫
(
よしこひめ
)
『
左様
(
さやう
)
なら、
085
お
節
(
せつ
)
殿
(
どの
)
に
宜
(
よろ
)
しく
言
(
い
)
つて
下
(
くだ
)
さい、
086
御縁
(
ごえん
)
があれば
又
(
また
)
お
目
(
め
)
にかかります。
087
音彦
(
おとひこ
)
さま、
088
加米公
(
かめこう
)
さま、
089
貴方
(
あなた
)
は
今晩
(
こんばん
)
お
疲労
(
くたびれ
)
で
御座
(
ござ
)
いませうが
妾
(
わらは
)
に
跟
(
つ
)
いて
来
(
き
)
て
下
(
くだ
)
さい。
090
少
(
すこ
)
しく
御
(
ご
)
相談
(
さうだん
)
し
度
(
た
)
い
事
(
こと
)
が
御座
(
ござ
)
いますから』
091
音彦、加米公
『
委細
(
ゐさい
)
承知
(
しようち
)
仕
(
つかまつ
)
りました、
092
仰
(
あふ
)
せに
従
(
したが
)
ひお
伴
(
とも
)
致
(
いた
)
します』
093
悦子姫
(
よしこひめ
)
は
二人
(
ふたり
)
を
伴
(
ともな
)
ひ
急
(
いそ
)
いで
此
(
この
)
場
(
ば
)
を
立
(
た
)
ち
去
(
さ
)
りぬ。
094
岩公
(
いはこう
)
、
095
鬼彦
(
おにひこ
)
、
096
鬼虎
(
おにとら
)
、
097
勘
(
かん
)
、
098
櫟
(
いち
)
の
五
(
ご
)
人
(
にん
)
[
※
青彦も一行の中に居たはずだが名前が無い。第17巻第4章の章末に「平助の門口にて別れたる音彦、青彦、加米彦は」と書いてあるので、ここで青彦も悦子姫と一緒に去ったようである。
]
は
這入
(
はい
)
りも
得
(
え
)
せず
門口
(
かどぐち
)
に
立
(
た
)
つて
うろうろ
して
居
(
ゐ
)
る。
099
平助
(
へいすけ
)
『サアサア
皆
(
みな
)
さま、
100
此処
(
ここ
)
を
通
(
とほ
)
つてズツとお
這入
(
はい
)
り
下
(
くだ
)
さい』
101
岩公
(
いはこう
)
、
102
勘
(
かん
)
、
103
櫟
(
いち
)
の
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
平助
(
へいすけ
)
に
跟
(
つ
)
いて
奥
(
おく
)
に
入
(
い
)
る。
104
お
楢
(
なら
)
『これはこれは
皆
(
みな
)
さま、
105
寒
(
さむ
)
いのに
能
(
よ
)
うまア
娘
(
むすめ
)
を
送
(
おく
)
つて
来
(
き
)
て
下
(
くだ
)
さつた、
106
何卒
(
どうぞ
)
今晩
(
こんばん
)
は
悠
(
ゆつく
)
り
泊
(
とま
)
つて
下
(
くだ
)
さい』
107
岩公
(
いはこう
)
『へい、
108
如何
(
どう
)
致
(
いた
)
しまして、
109
お
節
(
せつ
)
さまの
御存
(
ごぞん
)
じの
通
(
とほ
)
り
私
(
わたくし
)
は
悦子姫
(
よしこひめ
)
様
(
さま
)
の
家来
(
けらい
)
で
御座
(
ござ
)
います、
110
お
礼
(
れい
)
を
言
(
い
)
つて
貰
(
もら
)
うと
却
(
かへつ
)
て
困
(
こま
)
ります、
111
何卒
(
どうぞ
)
今晩
(
こんばん
)
丈
(
だ
)
け
泊
(
と
)
めて
下
(
くだ
)
さらば
有難
(
ありがた
)
う
御座
(
ござ
)
います。
112
ヤア
鬼彦
(
おにひこ
)
、
113
鬼虎
(
おにとら
)
の
奴
(
やつ
)
、
114
這入
(
はい
)
つて
来
(
こ
)
ぬかい、
115
何
(
なに
)
愚図
(
ぐづ
)
々々
(
ぐづ
)
して
居
(
ゐ
)
るのだ』
116
平助
(
へいすけ
)
『ヤアお
前
(
まへ
)
は
大江山
(
おほえやま
)
の
鬼雲彦
(
おにくもひこ
)
の
同類
(
どうるゐ
)
ぢやな、
117
鬼彦
(
おにひこ
)
や
鬼虎
(
おにとら
)
が
這入
(
はい
)
つて
来
(
き
)
て
堪
(
たま
)
るものかい、
118
折角
(
せつかく
)
だが
帰
(
かへ
)
りて
呉
(
く
)
れ
帰
(
かへ
)
りて
呉
(
く
)
れ』
119
岩公
(
いはこう
)
『モシモシお
爺
(
ぢい
)
さま、
120
其
(
その
)
鬼彦
(
おにひこ
)
と
鬼虎
(
おにとら
)
と
云
(
い
)
ふ
奴
(
やつ
)
は、
121
お
節
(
せつ
)
さまを
助
(
たす
)
けた
悦子姫
(
よしこひめ
)
さまの
家来
(
けらい
)
だよ、
122
二人
(
ふたり
)
の
奴
(
やつ
)
、
123
到頭
(
たうとう
)
悪
(
あく
)
を
後悔
(
こうくわい
)
しよつて
悦子姫
(
よしこひめ
)
さまの
家来
(
けらい
)
となり、
124
お
節
(
せつ
)
さまの
所在
(
ありか
)
を
知
(
し
)
らせたものだから
娘
(
むすめ
)
が
助
(
たす
)
かつたのだよ。
125
今迄
(
いままで
)
の
怨恨
(
うらみ
)
は
水
(
みづ
)
に
流
(
なが
)
し
悦子姫
(
よしこひめ
)
さまに
免
(
めん
)
じて
泊
(
と
)
めてやつて
下
(
くだ
)
さいナ』
126
平助
(
へいすけ
)
『
何
(
なん
)
と
言
(
い
)
つてもお
前
(
まへ
)
さま
達
(
たち
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
泊
(
と
)
めるが
二人
(
ふたり
)
の
餓鬼
(
がき
)
は
泊
(
と
)
められませぬ、
127
這入
(
はい
)
り
度
(
た
)
ければ
勝手
(
かつて
)
に
這入
(
はい
)
つて
来
(
き
)
たが
宜
(
よ
)
い、
128
勝手
(
かつて
)
を
知
(
し
)
らずに
陥穽
(
おとしあな
)
にはまるだらう』
129
岩公
(
いはこう
)
『これはしたり、
130
お
爺
(
ぢい
)
さま、
131
年
(
とし
)
が
老
(
よ
)
つても
敵愾心
(
てきがいしん
)
の
強
(
つよ
)
い
人
(
ひと
)
だな、
132
今迄
(
いままで
)
の
事
(
こと
)
は
水
(
みづ
)
に
流
(
なが
)
すのだよ』
133
平助
(
へいすけ
)
『
水
(
みづ
)
に
流
(
なが
)
せと
言
(
い
)
つたつて、
134
此
(
この
)
怨恨
(
うらみ
)
が
流
(
なが
)
されやうか、
135
俺
(
わし
)
の
身
(
み
)
にも、
136
チツトは
成
(
な
)
つて
呉
(
く
)
れたが
宜
(
よ
)
い
哩
(
わい
)
』
137
勘公
(
かんこう
)
『それやさうぢや、
138
尤
(
もつと
)
もぢや。
139
お
爺
(
ぢい
)
さまの
仰有
(
おつしや
)
る
通
(
とほ
)
り、
140
拙者
(
せつしや
)
の
聞
(
き
)
く
通
(
とほ
)
りぢや、
141
ナア
櫟公
(
いちこう
)
』
142
櫟公
(
いちこう
)
『オヽ、
143
さうともさうとも、
144
誰
(
たれ
)
だつて
可愛
(
かはい
)
い
娘
(
むすめ
)
を
仮令
(
たとへ
)
一
(
いち
)
年
(
ねん
)
でも
苦
(
くる
)
しめられた
親
(
おや
)
の
身
(
み
)
として
誰
(
たれ
)
だつて
黙
(
だま
)
つて
居
(
を
)
れようかい、
145
爺
(
ぢい
)
さまの
仰有
(
おつしや
)
るのは
至極
(
しごく
)
尤
(
もつと
)
もだ。
146
鬼彦
(
おにひこ
)
、
147
鬼虎
(
おにとら
)
の
奴
(
やつ
)
、
148
因縁
(
いんねん
)
が
報
(
むく
)
うて
来
(
き
)
たのだから
仕方
(
しかた
)
が
無
(
な
)
い、
149
今晩
(
こんばん
)
は
外
(
そと
)
で
立番
(
たちばん
)
でもするのが
却
(
かへつ
)
て
今迄
(
いままで
)
の
罪亡
(
つみほろ
)
ぼしになつて
良
(
よ
)
いかも
知
(
し
)
れぬ』
150
平助
(
へいすけ
)
『アヽお
前
(
まへ
)
さま
等
(
ら
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
のお
方
(
かた
)
、
151
能
(
よ
)
う
言
(
い
)
つて
下
(
くだ
)
さつた、
152
此
(
この
)
爺
(
ぢい
)
も
大変
(
たいへん
)
気
(
き
)
に
入
(
い
)
つた、
153
サアサ
泊
(
とま
)
つて
下
(
くだ
)
さい、
154
誰
(
たれ
)
が
何
(
なん
)
と
言
(
い
)
つても
二人
(
ふたり
)
の
餓鬼
(
がき
)
は
泊
(
と
)
める
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ませぬ
哩
(
わい
)
』
155
家
(
いへ
)
の
外
(
そと
)
にて、
156
鬼彦
(
おにひこ
)
『おい
兄弟
(
きやうだい
)
何程
(
なにほど
)
泊
(
と
)
めてやると
言
(
い
)
つても、
157
如何
(
どう
)
も
てれ
臭
(
くさ
)
くて
這入
(
はい
)
れぬぢやないか』
158
鬼虎
(
おにとら
)
『さうだ、
159
昔
(
むかし
)
の
因果
(
いんぐわ
)
が
廻
(
めぐ
)
つて
来
(
き
)
て
心
(
こころ
)
の
鬼
(
おに
)
に
身
(
み
)
を
責
(
せ
)
められ、
160
暢気
(
のんき
)
に
泊
(
と
)
めて
貰
(
もら
)
ふ
訳
(
わけ
)
にも
往
(
ゆ
)
かず、
161
大
(
おほ
)
きな
顔
(
かほ
)
をして
爺
(
ぢい
)
さまや
婆
(
ば
)
アさまに
会
(
あ
)
ふ
訳
(
わけ
)
にも
往
(
ゆ
)
かず、
162
エー
仕方
(
しかた
)
がない、
163
音彦
(
おとひこ
)
さま
加米公
(
かめこう
)
さまでさへも
此
(
この
)
雪道
(
ゆきみち
)
を
歩
(
ある
)
いて
行
(
ゆ
)
かれた
位
(
くらゐ
)
だもの、
164
無理
(
むり
)
に
行
(
い
)
つたら
行
(
ゆ
)
けぬ
事
(
こと
)
はない、
165
此処
(
ここ
)
ばかりが
家
(
いへ
)
ぢやない
哩
(
わい
)
、
166
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
奴
(
やつ
)
は
此処
(
ここ
)
で
悠
(
ゆつく
)
り
泊
(
と
)
めて
貰
(
もら
)
ふ
事
(
こと
)
にし、
167
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
二人
(
ふたり
)
はも
少
(
すこ
)
し
てく
る
事
(
こと
)
に
仕様
(
しやう
)
かい』
168
鬼彦
(
おにひこ
)
『アヽ、
169
それが
上分別
(
じやうふんべつ
)
だ、
170
オイ
岩公
(
いはこう
)
、
171
勘公
(
かんこう
)
、
172
櫟公
(
いちこう
)
、
173
俺
(
おれ
)
は
一足先
(
ひとあしさき
)
へ
行
(
い
)
つて
比治山
(
ひぢやま
)
の
麓
(
ふもと
)
で
待
(
ま
)
つて
居
(
を
)
るから、
174
夜
(
よ
)
が
明
(
あ
)
けたら
貴様
(
きさま
)
等
(
ら
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
出
(
で
)
て
来
(
こ
)
い、
175
左様
(
さやう
)
なら、
176
お
先
(
さき
)
へ
御免
(
ごめん
)
だ、
177
貴様
(
きさま
)
等
(
ら
)
はお
節
(
せつ
)
さまの
顔
(
かほ
)
でも
見
(
み
)
て
涎
(
よだれ
)
でもくるが
宜
(
よ
)
い
哩
(
わい
)
』
178
と
捨台詞
(
すてぜりふ
)
を
残
(
のこ
)
し、
179
すたすたと
此
(
この
)
場
(
ば
)
を
後
(
あと
)
に
比治山
(
ひぢやま
)
の
方面
(
はうめん
)
指
(
さ
)
して
走
(
はし
)
り
行
(
ゆ
)
く。
180
平助
(
へいすけ
)
『サア
三
(
さん
)
人
(
にん
)
さま、
181
奥
(
おく
)
に
炬燵
(
こたつ
)
がしてある、
182
寒
(
さむ
)
からうからお
這入
(
はい
)
りなさい、
183
俺
(
わし
)
は
今晩
(
こんばん
)
はあまり
嬉
(
うれ
)
しうて
寝
(
ね
)
られぬから、
184
娘
(
むすめ
)
と
久
(
ひさ
)
し
振
(
ぶ
)
りに
三
(
さん
)
人
(
にん
)
が
話
(
はなし
)
をするから、
185
茶漬
(
ちやづけ
)
なつと
食
(
く
)
つて
早
(
はや
)
くお
寝
(
やす
)
み
下
(
くだ
)
さい、
186
又
(
また
)
明日
(
あす
)
は
祝
(
いは
)
ひに
御
(
ご
)
馳走
(
ちそう
)
をして
上
(
あ
)
げます』
187
岩公
(
いはこう
)
『これはこれはお
爺
(
ぢい
)
さま、
188
お
婆
(
ば
)
アさま、
189
奇麗
(
きれい
)
な
娘
(
むすめ
)
さま
有難
(
ありがた
)
う
御座
(
ござ
)
います、
190
ソンナラお
先
(
さき
)
へ
御免
(
ごめん
)
を
蒙
(
かうむ
)
ります、
191
お
弁当
(
べんたう
)
は
沢山
(
たくさん
)
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
ますから
御
(
ご
)
心配
(
しんぱい
)
下
(
くだ
)
さいますな、
192
今
(
いま
)
道々
(
みちみち
)
握
(
にぎ
)
り
飯
(
めし
)
を
頬張
(
ほほば
)
つて
来
(
き
)
ましたので
余
(
あんま
)
り
腹
(
はら
)
は
減
(
へ
)
つて
居
(
を
)
りませぬ、
193
寝
(
やす
)
まして
貰
(
もら
)
へば
結構
(
けつこう
)
です』
194
お
節
(
せつ
)
『サアサ
皆
(
みな
)
さま、
195
お
寝
(
やす
)
み
下
(
くだ
)
さいませ、
196
妾
(
わたくし
)
が
御
(
ご
)
案内
(
あんない
)
致
(
いた
)
しませう』
197
と
次
(
つぎ
)
の
室
(
ま
)
へ
案内
(
あんない
)
する。
198
岩公
(
いはこう
)
『アヽ
有難
(
ありがた
)
い、
199
勘公
(
かんこう
)
、
200
櫟公
(
いちこう
)
、
201
世界
(
せかい
)
に
鬼
(
おに
)
は
無
(
な
)
いなア、
202
マア
悠
(
ゆつく
)
り
寝
(
やす
)
まして
貰
(
もら
)
はうかい』
203
勘公
(
かんこう
)
『
何
(
なん
)
だか
目
(
め
)
がパチパチして
寝
(
ね
)
られないワ』
204
岩公
(
いはこう
)
『
寝
(
ね
)
られなくても、
205
此
(
この
)
暖
(
あたた
)
かい
炬燵
(
こたつ
)
へ
這入
(
はい
)
つて、
206
明日
(
あす
)
の
朝
(
あさ
)
迄
(
まで
)
ゆつくり
休息
(
きうそく
)
すれば
宜
(
よ
)
いのだ』
207
次
(
つぎ
)
の
室
(
ま
)
には
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
家内
(
かない
)
ひそびそと
何
(
なに
)
か
話
(
はな
)
して
居
(
ゐ
)
る。
208
平助
(
へいすけ
)
『マア
何
(
なん
)
とした
嬉
(
うれ
)
しい
事
(
こと
)
だらう、
209
ナアお
楢
(
なら
)
、
210
之
(
これ
)
でもう
俺
(
おれ
)
は
死
(
し
)
ンでも
得心
(
とくしん
)
だよ』
211
お
楢
(
なら
)
『
親爺
(
おやぢ
)
どの、
212
それや
何
(
なに
)
を
言
(
い
)
はつしやるのだい、
213
二
(
ふた
)
つ
目
(
め
)
には
死
(
し
)
ぬ
死
(
し
)
ぬつて、
214
ソンナ
縁起
(
えんぎ
)
の
悪
(
わる
)
い
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ふものぢやない、
215
娘
(
むすめ
)
が
戻
(
もど
)
つた
嬉
(
うれ
)
しさに
元気
(
げんき
)
を
出
(
だ
)
して、
216
之
(
これ
)
から
気
(
き
)
を
若
(
わか
)
う
持
(
も
)
ち
千
(
せん
)
年
(
ねん
)
も
万
(
まん
)
年
(
ねん
)
も
生延
(
いきの
)
びると
言
(
い
)
ふ
気
(
き
)
になりなさらぬかいな』
217
平助
(
へいすけ
)
『オーお
楢
(
なら
)
、
218
お
前
(
まへ
)
は
耳
(
みみ
)
がよう
聞
(
きこ
)
える
様
(
やう
)
になつたぢやないか、
219
此奴
(
こいつ
)
は
不思議
(
ふしぎ
)
だ、
220
如何
(
どう
)
したものだ、
221
殺
(
ころ
)
されたと
思
(
おも
)
ふ
娘
(
むすめ
)
は
帰
(
かへ
)
るし、
222
一生
(
いつしやう
)
聾耳
(
かなつん
)
ぢやと
諦
(
あきら
)
めて
居
(
ゐ
)
た
婆
(
ばば
)
の
耳
(
みみ
)
は
聞
(
きこ
)
え
出
(
だ
)
す、
223
アヽコンナ
有難
(
ありがた
)
い
事
(
こと
)
があらうか、
224
之
(
これ
)
と
言
(
い
)
ふも
全
(
まつた
)
く
真名井
(
まなゐ
)
ケ
原
(
はら
)
に
今度
(
こんど
)
現
(
あら
)
はれ
給
(
たま
)
うた
豊国姫
(
とよくにひめ
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
ご
)
利益
(
りやく
)
だ、
225
ちつと
雪
(
ゆき
)
が
溶
(
と
)
けたら
親子
(
おやこ
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
お
礼詣
(
れいまゐ
)
りに
行
(
ゆ
)
かうかい』
226
お
楢
(
なら
)
『
行
(
ゆ
)
かうとも
行
(
ゆ
)
かうとも、
227
道
(
みち
)
が
あか
いでも
今晩
(
こんばん
)
でも
直
(
すぐ
)
に
行
(
ゆ
)
きたいのだが、
228
三
(
さん
)
人
(
にん
)
のお
客
(
きやく
)
さまが
居
(
ゐ
)
らつしやるのだから、
229
今晩
(
こんばん
)
夜
(
よ
)
が
明
(
あ
)
けたら
三
(
さん
)
人
(
にん
)
のお
客
(
きやく
)
さまと
一緒
(
いつしよ
)
に
非
(
ひ
)
が
邪
(
じや
)
でも
詣
(
まゐ
)
りませう、
230
ナアお
節
(
せつ
)
、
231
さう
仕様
(
しやう
)
ぢやないか』
232
お
節
(
せつ
)
『はいはい
妾
(
わたし
)
が
案内
(
あんない
)
致
(
いた
)
しますから
御
(
お
)
礼
(
れい
)
参詣
(
まゐり
)
をして
下
(
くだ
)
さい、
233
然
(
しか
)
し
明日
(
あす
)
のお
客
(
きやく
)
さまの
御
(
ご
)
馳走
(
ちそう
)
を
考
(
かんが
)
へて
置
(
お
)
かねばなりますまい、
234
ナアお
爺
(
ぢい
)
さま』
235
平助
(
へいすけ
)
『オヽ、
236
さうだつたな、
237
何
(
なん
)
の
御
(
ご
)
馳走
(
ちそう
)
をして
上
(
あ
)
げようか、
238
砂混
(
すなま
)
ぜの
御飯
(
ごはん
)
をして
上
(
あ
)
げようか、
239
栗石
(
くりいし
)
の
混
(
ま
)
ぜ
御飯
(
ごはん
)
にして
上
(
あ
)
げようか、
240
どちらが
宜
(
よ
)
からうか、
241
ナアお
楢
(
なら
)
』
242
お
楢
(
なら
)
『
娘
(
むすめ
)
が
無事
(
ぶじ
)
に
帰
(
かへ
)
つて
呉
(
く
)
れたのだから
祝
(
いは
)
ひがてら
御
(
ご
)
馳走
(
ちそう
)
を
半殺
(
はんごろ
)
しにしませうか、
243
一層
(
いつそう
)
の
事
(
こと
)
皆殺
(
みなごろ
)
しにして
上
(
あ
)
げようかナア』
244
お
節
(
せつ
)
『
皆殺
(
みなごろ
)
しにするのは
大層
(
たいそう
)
だから
一層
(
いつそう
)
の
事
(
こと
)
お
爺
(
ぢい
)
さま、
245
半殺
(
はんごろ
)
しが
宜
(
よろ
)
しからうぜ』
246
平助
(
へいすけ
)
『アヽ、
247
さうじや、
248
半殺
(
はんごろ
)
しが
手間
(
てま
)
が
要
(
い
)
らぬで
宜
(
よ
)
いワ、
249
それでは
半殺
(
はんごろ
)
しに
定
(
き
)
めようか、
250
サア
之
(
これ
)
からそろそろ
婆
(
ば
)
アさま、
251
用意
(
ようい
)
に
掛
(
かか
)
らうかな』
252
隣
(
となり
)
の
室
(
ま
)
に
寝
(
ね
)
て
居
(
ゐ
)
る
岩公
(
いはこう
)
は
真青
(
まつさを
)
の
顔
(
かほ
)
をして
小声
(
こごゑ
)
になり、
253
岩公
『オイ、
254
勘公
(
かんこう
)
、
255
櫟公
(
いちこう
)
、
256
あれ
聞
(
き
)
いたか』
257
勘公、櫟公
『オ、
258
聞
(
き
)
いた、
259
何
(
なん
)
と
恐
(
おそ
)
ろしい
家
(
うち
)
ぢやないか、
260
砂
(
すな
)
を
混
(
ま
)
ぜて
御飯
(
ごはん
)
に
食
(
く
)
はさうとか、
261
栗石
(
くりいし
)
を
入
(
い
)
れて
御
(
ご
)
馳走
(
ちそう
)
にしようとか、
262
偉
(
えら
)
い
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ひよつたぢやないか、
263
一体
(
いつたい
)
如何
(
どう
)
なるのだらう』
264
岩公
(
いはこう
)
『ソンナ
へどろい
事
(
こと
)
かい、
265
今
(
いま
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
がひそびそ
話
(
はなし
)
をしてるのを
聞
(
き
)
いて
見
(
み
)
れば
半殺
(
はんごろ
)
しにしようか、
266
皆殺
(
みなごろ
)
しにしようかと
言
(
い
)
うて
居
(
を
)
つたぢやないか、
267
コンナ
処
(
ところ
)
に
愚図
(
ぐづ
)
々々
(
ぐづ
)
して
居
(
を
)
ると
生命
(
いのち
)
がないぞ、
268
何
(
なん
)
とかして
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
す
工夫
(
くふう
)
はあるまいか、
269
門口
(
かどぐち
)
には
陥穽
(
おとしあな
)
を
掘
(
ほ
)
つて
居
(
ゐ
)
よるし
裏
(
うら
)
は
絶壁
(
ぜつぺき
)
だし
進退
(
しんたい
)
維
(
これ
)
谷
(
きはま
)
るとは
此処
(
ここ
)
の
事
(
こと
)
だ、
270
エ、
271
仕方
(
しかた
)
が
無
(
な
)
い、
272
逃出
(
にげだ
)
そかい、
273
爺
(
ぢい
)
の
歩
(
ある
)
きよつた
処
(
ところ
)
を
覚
(
おぼ
)
えて
居
(
ゐ
)
るから
其処
(
そこ
)
へ
添
(
そ
)
つて
通
(
とほ
)
れば
宜
(
よ
)
い、
274
皆
(
みな
)
の
奴
(
やつ
)
、
275
用意
(
ようい
)
をせい、
276
勘
(
かん
)
、
277
櫟
(
いち
)
、
278
皆
(
みな
)
来
(
き
)
た、
279
三十六
(
さんじふろく
)
計
(
けい
)
の
奥
(
おく
)
の
手
(
て
)
だ』
280
と
起
(
お
)
き
上
(
あが
)
りそろりそろりとカンテラの
火影
(
ほかげ
)
を
忍
(
しの
)
びて
庭
(
には
)
の
面
(
おもて
)
を
這
(
は
)
ひ
出
(
だ
)
したり。
281
平助
(
へいすけ
)
はフツと
庭
(
には
)
を
見
(
み
)
る
途端
(
とたん
)
に
黒
(
くろ
)
い
者
(
もの
)
が
のさ
のさ
這
(
は
)
うて
居
(
を
)
る。
282
平助
(
へいすけ
)
『ヤイ、
283
何者
(
なにもの
)
ぢや、
284
盗人
(
ぬすびと
)
か』
285
岩公
(
いはこう
)
『ハイ、
286
盗人
(
ぬすびと
)
でも
何
(
なん
)
でも
御座
(
ござ
)
いませぬ、
287
夜前
(
やぜん
)
の
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
客
(
きやく
)
で
御座
(
ござ
)
います』
288
平助
(
へいすけ
)
『お
前
(
まへ
)
さまは
寝惚
(
ねとぼ
)
けたのかい、
289
そこは
庭
(
には
)
ぢやぜ、
290
さあさ
早
(
はや
)
くお
炬燵
(
こた
)
へ
這入
(
はい
)
つて
寝
(
やす
)
みなさい』
291
岩公
(
いはこう
)
『こら、
292
やいやい、
293
鬼爺
(
おにぢぢ
)
、
294
鬼婆
(
おにばば
)
、
295
鬼娘
(
おにむすめ
)
、
296
貴様
(
きさま
)
の
計略
(
けいりやく
)
はチヤンと
知
(
し
)
つて
居
(
を
)
るのだ、
297
貴様
(
きさま
)
の
様
(
やう
)
な
鬼
(
おに
)
は
飯
(
めし
)
に
砂
(
すな
)
を
入
(
い
)
れたり、
298
栗石
(
くりいし
)
を
入
(
い
)
れて
喰
(
く
)
ふか
知
(
し
)
らぬが、
299
人間
(
にんげん
)
様
(
さま
)
は
砂
(
すな
)
や
栗石
(
くりいし
)
は
食
(
あが
)
らないぞ、
300
お
前
(
まへ
)
、
301
半殺
(
はんごろ
)
しにしようとか、
302
皆殺
(
みなごろ
)
しにしようとか、
303
それや
何事
(
なにごと
)
だ、
304
老耄爺
(
おいぼれぢい
)
奴
(
め
)
が』
305
平助
(
へいすけ
)
『ハヽヽヽ、
306
ア、
307
お
前
(
まへ
)
さまは
聞
(
き
)
き
違
(
ちが
)
ひしたのか、
308
砂
(
すな
)
混
(
ま
)
ぜの
御飯
(
ごはん
)
と
言
(
い
)
ふのはお
米
(
こめ
)
と
栗
(
くり
)
との
御飯
(
ごはん
)
ぢや、
309
栗石
(
くりいし
)
を
混
(
ま
)
ぜると
言
(
い
)
ふのはお
米
(
こめ
)
と
麦
(
むぎ
)
との
混
(
ま
)
ぜ
御飯
(
ごはん
)
ぢやわいナ』
310
岩公
(
いはこう
)
『それでも
貴様
(
きさま
)
、
311
半殺
(
はんごろ
)
しにするの、
312
皆殺
(
みなごろ
)
しにするのと
言
(
い
)
つたぢやないか』
313
平助
(
へいすけ
)
『ハヽヽヽ、
314
半殺
(
はんごろ
)
しと
言
(
い
)
つたら
牡丹餅
(
ぼたもち
)
の
事
(
こと
)
ぢや、
315
皆殺
(
みなごろ
)
しと
言
(
い
)
つたら
搗
(
つ
)
いて
搗
(
つ
)
いて
搗
(
つ
)
ききつた
餅
(
もち
)
の
事
(
こと
)
だ、
316
心配
(
しんぱい
)
しなさるな』
317
岩公
(
いはこう
)
『
何
(
なん
)
だ、
318
ソンナ
事
(
こと
)
だつたかい、
319
いや、
320
これやお
爺
(
ぢい
)
さまの
折角
(
せつかく
)
の
思召
(
おぼしめし
)
、
321
半殺
(
はんごろ
)
しでも
皆殺
(
みなごろ
)
しでも
結構
(
けつこう
)
です、
322
どしどし
拵
(
こしら
)
へて
下
(
くだ
)
さい。
323
おい、
324
櫟
(
いち
)
、
325
勘
(
かん
)
、
326
心配
(
しんぱい
)
するな、
327
牡丹餅
(
ぼたもち
)
に
餡転餅
(
あんころもち
)
の
御
(
ご
)
馳走
(
ちそう
)
の
事
(
こと
)
だつたよ、
328
アハヽヽヽ』
329
櫟
(
いち
)
、
330
勘
(
かん
)
『ア、
331
それで
安心
(
あんしん
)
した、
332
何
(
ど
)
れ
丈
(
だ
)
け
胆
(
きも
)
を
潰
(
つぶ
)
したか
知
(
し
)
れたものぢやない、
333
団子
(
だんご
)
も
餅
(
もち
)
も
食
(
よば
)
れぬ
先
(
さき
)
に
胸元
(
むなもと
)
に
三
(
み
)
つ
四
(
よ
)
つ
餡転餅
(
あんころもち
)
の
固
(
かた
)
まりが
出来
(
でき
)
よつたワ、
334
アハヽヽヽ』
335
お
楢
(
なら
)
『サアサ
皆様
(
みなさま
)
、
336
御
(
ご
)
心配
(
しんぱい
)
なしに
御
(
お
)
寝
(
やす
)
み
下
(
くだ
)
さい、
337
妾
(
わたし
)
は
之
(
これ
)
から
皆殺
(
みなごろ
)
しを
拵
(
こしら
)
へます』
338
岩彦
(
いはひこ
)
『
何分
(
なにぶん
)
宜
(
よろ
)
しう
御
(
お
)
頼
(
たの
)
み
申
(
まを
)
します、
339
同
(
おな
)
じ
事
(
こと
)
なら
半殺
(
はんごろ
)
しと、
340
皆殺
(
みなごろ
)
しと
両方
(
りやうはう
)
頂
(
いただ
)
き
度
(
た
)
いものですな』
341
お
節
(
せつ
)
『ホヽヽヽ』
342
三
(
さん
)
人
(
にん
)
はやつと
安心
(
あんしん
)
の
上
(
うへ
)
、
343
他愛
(
たあい
)
もなく
寝
(
しん
)
に
就
(
つ
)
きける。
344
ふと
目
(
め
)
を
覚
(
さま
)
せば
小鶏
(
ちやぼ
)
の
声
(
こゑ
)
。
345
岩公
(
いはこう
)
『ヤア、
346
グツと
寝
(
ね
)
た
間
(
ま
)
にもう
夜明
(
よあ
)
けだ。
347
おい
皆
(
みな
)
の
奴
(
やつ
)
、
348
早
(
はや
)
う
起
(
お
)
きて
御
(
ご
)
馳走
(
ちそう
)
を
頂戴
(
ちやうだい
)
しようかい』
349
お
節
(
せつ
)
此
(
この
)
場
(
ば
)
に
現
(
あら
)
はれ、
350
お
節
(
せつ
)
『サアサ
皆
(
みな
)
さま、
351
御
(
お
)
手洗
(
てうず
)
をお
使
(
つか
)
ひ
遊
(
あそ
)
ばせ、
352
半殺
(
はんごろ
)
しと
皆殺
(
みなごろ
)
しとが
出来
(
でき
)
ましたから、
353
どつさりお
食
(
あが
)
り
下
(
くだ
)
さいませ。
354
今日
(
けふ
)
は
真名井
(
まなゐ
)
ケ
原
(
はら
)
の
豊国姫
(
とよくにひめ
)
の
神
(
かみ
)
さまの
出現場
(
しゆつげんば
)
にお
礼
(
れい
)
に
詣
(
まゐ
)
りますから
何卒
(
どうぞ
)
一緒
(
いつしよ
)
にお
願
(
ねがひ
)
申
(
まを
)
します』
355
岩彦
(
いはひこ
)
外
(
ほか
)
二人
(
ふたり
)
は『ハイ』と
答
(
こた
)
へて
跳起
(
はねお
)
き、
356
手洗
(
ちようづ
)
をつかひ
牡丹餅
(
ぼたもち
)
と
餡転餅
(
あんころもち
)
を
ウン
と
胃
(
ゐ
)
の
腑
(
ふ
)
に
格納
(
かくなふ
)
し、
357
六
(
ろく
)
人
(
にん
)
打連
(
うちつ
)
れ
立
(
だ
)
つて
真名井
(
まなゐ
)
ケ
原
(
はら
)
に
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
謡
(
うた
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
358
(
大正一一・四・一六
旧三・二〇
北村隆光
録)
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