第四章 真心の花(三)〔七六九〕
インフォメーション
著者:出口王仁三郎
巻:霊界物語 第26巻 海洋万里 丑の巻
篇:第1篇 伊都宝珠
よみ(新仮名遣い):いずほっしゅ
章:第4章 真心の花(三)
よみ(新仮名遣い):まごころのはな
通し章番号:769
口述日:1922(大正11)年07月17日(旧閏05月23日)
口述場所:
筆録者:谷村真友
校正日:
校正場所:
初版発行日:1923(大正12)年6月5日
概要:
舞台:
あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:続いて玉能姫は立ち上がり、玉の無事安着したことを祝って、これまでの経緯を歌った。そして、蜈蚣姫がバラモン教の副棟梁の妻でありながら、心を清めて改め、三五教に使えてこの度の神業に功績をあらわしたことを称えた。
蜈蚣姫は立ち上がり、バラモン教ではさまざまに三五教の妨害をなした経緯を歌った。そして娘の小糸姫を探して高姫と共に竜宮島にたどり着き、女王となっていた娘と再会し、その後さまざまな試練を経て心を清められて神業に参加した経緯を歌った。
久助の歌:久助は、妻のお民と共にバラモン教の教えを奉じていたが、竜宮島に渡って三五教に改心し、試練にあって麻邇の宝玉の神業に参加した経緯を、諏訪の湖の玉依姫命の神殿の荘厳な様子を描写しつつ歌った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]:
備考:
タグ:ニユージランド(ニュージーランド)
データ凡例:
データ最終更新日:2021-09-25 18:27:32
OBC :rm2604
愛善世界社版:60頁
八幡書店版:第5輯 167頁
修補版:
校定版:66頁
普及版:21頁
初版:
ページ備考:
001 玉能姫は立上りて玉の無事到着を祝する為めに歌ひ舞ひ始めた。
002玉能姫『埴安彦や埴安姫
004三五教の神の教 005四方に伝ふる宣伝使
006玉能の姫の名を負ひて 007綾の聖地に仕へつつ
009三つの宝の神業に
010仕へ奉りて朝夕に 011心を配る吾身魂
013鎮まりいます比沼真奈井
014神の霊地に程近き
016娘のお節の身の果ては
018青葉繁れる若彦の
020袂を別つ北南 021生田の森の神館
022謹み守る折柄に
024瀬戸の荒浪打ち渡り 025家島の山の奥深く
026迷ひ入ります心根を 027思ひ参らせ樟船を
028新たに造りて磯端に 029繋ぎて帰る其後に
030懸らせ給ふ木の花姫の 031神の御言を畏みて
032又もや船に身を任せ 033初稚姫や玉治別の
034神の司と諸共に 035心の闇を明石潟
036波も高砂浦近く 037飾磨の海を乗り越えて
038小豆ケ島や大島や 039馬関の瀬戸を後にして
043その他の人々救ひつつ
044波を隔てて帰り来る 045又もや吾身に神懸り
046御言の儘に樟船を
049魔島に近く漕ぎ寄せて
050高姫一行救ひ上げ 051夜を日に次いで限りなき
052島を縫ひつつ沓島の
054此処に一先づ息休め 055数多の土人に送られて
056波に漂ふ海中の
058目出度く船を乗り棄てて 059初稚姫や玉治別の
060神の命と諸共に 061蜈蚣の姫を送りつつ
062地恩の郷の傍に 063袂を別ち峰伝ひ
066館を訪ね西北を 067目当に行方も白雲の
068玉野ケ原に着きにける 069酷暑の空に焼きつかれ
070椰子樹の蔭に一夜を 071憩ふ折しも羽撃きの
072激しき音に目を覚まし 073諏訪の湖辺に佇みて
074尊き神の神勅を
076百の試練に遭ひながら 077神の助けの八咫烏
078背に跨りて悠々と 079再び帰る諏訪の湖
080眼下に眺めて玉依姫の
082竜の宮居に参上り 083常世の春を楽しみつ
084心を洗ふ折柄に 085梅子の姫を始めとし
086黄竜姫や蜈蚣姫
088五つの御魂の悠々と
090胸轟かし出で迎へ
092奥殿近く導きつ 093三日月形に座を占めて
094暫く時を待つ程に
096賤しき妾の前に立ち 097心も赤き麻邇の玉
101年波高き蜈蚣姫
102神の司の玉の手に 103渡して帰る三つの門
104浜辺に出でし時も時 105空照り渡る金翼の
107世も久方の天の原
108雲霧分けて自転倒の 109神の鎮まる竜の島
110綾の聖地の外囲ひ 111由良の港に名も高き
112人子の司秋山彦の 113貴の命の庭先に
114悠々降り来りけり
116神の御稜威の弥高く
118瑞の御魂の御神業 119仕へ給ひし玉能姫
120吾身に余る光栄を 121担ひて又も竜宮の
122麻邇の玉まで拝戴し 123五六七神政の一端に
126大江の山に現れませし 127鬼雲彦の副棟梁
129現はれまして鬼ケ城
131神の教を遠近に
132伝へ給ひし女丈夫も
135今は尊き宣伝使
136蜈蚣の姫の御光 137普く四方に輝きぬ
138心も赤き赤玉の
140神の御稜威は四方の国 141伊照り透らひ隈もなく
142蜈蚣の姫の功績は 143自転倒島は言ふも更
145轟く如く鳴り渡り
146神の御楯と常久に
150千代も八千代も変りなく
152拙き身魂の玉能姫 153心を籠めて皇神の
154貴の御前に願ぎ奉る
157と歌ひ終つて座に着いた。
158 蜈蚣姫はくの字に曲つた腰を揺りながら、159銀扇を開き満面に喜びの色を湛へ、160中央の席に現はれて自ら歌ひ自ら舞うた。
162顕恩郷を立ち出でて
164自転倒島の中心地
167三嶽の山や鬼ケ城 168山の尾の上や川の瀬の
169数多の神を寄せ集へ
172百の犠牲奉り
174教の花を遠近に
176心を焦つ折柄に
177瑞の御魂と現れませる 178神素盞嗚大神に
179仕へ奉れる神司 180心も清き大丈夫に
181大江の城や鬼ケ城 182追ひ払はれて鬼雲の
183彦の命と鬼熊別は 184伊吹の山を乗り越えて
185再び波斯の野を横ぎり 186埃及指して帰りまし
187後に残りし蜈蚣姫 188此頽勢を何処迄も
190丹波若狭の境なる
191三国ケ嶽に立て籠り 192体主霊従と知りながら
193時の勢已むを得ず 194醜の御業を継続し
195国依別や玉治別の
197再び開く魔谷ケ岳 198小豆ケ島に名も高き
199国城山に身を転じ 200教を開き黄金の
201玉の在処を探ねつつ 202月日を送る山の上
204神の司の高姫や
205友彦其他に廻り会ひ 206小糸の姫の行末を
208名は太平の洋なれど
209荒浪猛る和田の原 210生死の境に浮沈して
211数多の島を横ぎりつつ 212高姫一行と諸共に
213一つ島なる地恩城 214黄竜姫に面会し
215始めて覚る吾娘
217現はれ来る蜃気楼 218梅子の姫を始めとし
219黄竜姫や友彦や
221遠き山野を打渉り 222神の経綸の秘密郷
223波も輝く諏訪の湖 224梅子の姫の神勅に
225初めて開く胸の中 226君と臣とに麻柱の
228天津祝詞を奏上し
229歓ぎ喜ぶ一行は 230黄金の船に迎へられ
231竜の宮居に参上り 232四辺眩き神社
233光り輝き出で給ふ 234玉依姫の御前に
236玉依姫の御手より
237麻邇の赤玉受取りし 238玉能の姫の真心は
240顔色黒く腹黒き
241厭しき蜈蚣の姫の前 242玉の御手をさし伸べて
243麻邇珠の玉を吾が御手に 244渡し給ひし健気さよ
245思へば思へば恥しき 246執着心の曲鬼に
248開悟の花は咲き出でぬ
249梅子の姫に従ひて 250一同館を立ち出づる
251荘厳無比の三つの門 252潜るや間もなく金翼の
254一潟千里の勢に
255心の色も秋山彦の 256神の命の庭先に
257紅葉彩る今日の空 258悠々降り着きにけり
261今迄犯せし親と子が 262深き罪咎宣り直し
264神の司の片端に
265列ね給へよ瑞御魂 266神素盞嗚大御神
268御分霊の御前に
269霊魂を洗ひ身を清め 270心の色も赤玉の
271曇り晴らして願ぎ奉る 272朝日は照るとも曇るとも
274仮令大地は沈むとも
275教の君の御前に 276汚き心二心
277孫子の末に至るまで 278夢にも持たじと皇神の
279御前に誓ひ奉る
281御霊幸はへ給へかし』
283 久助は数多の人々を憚りながら、284声密かに歌ひ始めた。
285久助『バラモン教の神司 286蜈蚣の姫の御教を
287此上なく尊み敬ひて 288妻のお民と諸共に
290仕へ奉りて村肝の
291心の雲を明石潟 292浪を渡りて瀬戸の海
293堅磐常磐に浮びたる 294小豆ケ島に名も高き
296心を清め身を潔め
297教の道を歩む折 298三五教の宣伝使
301神の大道を宣り給ふ
303吾等夫婦を虐げし
305此場に現はれ来るより 306ハツと見合はす顔と顔
308吾等夫婦は友彦に
309掴み掛つて恨み言
312蜈蚣の姫や高姫の
313後に従ひ瀬戸の海 314国城山を後に見て
315馬関の海峡打渡り 316神の恵みの大島や
317南洋一の竜宮島
320月日を重ねて辿り着き
321又もや竜宮の一つ島
323焦付く様な炎天を 324蜈蚣の姫に従ひて
325全島一の高原地
327風さへ清き地恩城 328広き馬場に立向ひ
329群集に紛れて城の側
331山の絶頂に登りつめ 332四方を見晴らす折柄に
333空前絶後の旋風 334吹き散らされて谷の底
335名も恐ろしき曲津神 336大蛇にまかれて玉の緒の
339三五教の宣伝使
341其場に現はれましまして 342吾等夫婦を救ひまし
343初稚姫や玉能姫 344愈揃ふ五つ御霊
345人跡絶えし谷道を 346辿り辿りて日を重ね
347虎狼や鬼大蛇 348醜の曲津の猛び声
349胸を躍らせ肝冷し
352一望千里の玉野原
353金銀輝く砂道を
356神の経綸の秘密郷
357諏訪の湖辺に着きにける
359一行五人は玉依姫の 360神の命の神勅を
361畏み麻柱ひ奉りつつ
363竜宮島を廻り終へ 364神の救ひの八咫烏
365黄金の翼に助けられ 366金波銀波の漂へる
367諏訪の湖水に翔け戻り 368黄金の門をかい潜り
370竜の宮居の奥深く
371仕へ奉りて時を待つ
373神素盞嗚大神の 374貴の御子と生れませる
375梅子の姫を初めとし 376黄竜姫や蜈蚣姫
378神の使の宣伝使
380徐々進み来ります
381其御姿を拝してゆ 382心の駒は勇み立ち
384奥殿深く進み入り
385奥の一間に座を占めて 386月の形の簾の内
387十曜の紋の十人連 388三日月形に並び居る
389高座の扉を押開けて 390四辺眩き玉依の
391姫の命の御姿
393雪より白き白玉を 394明石の郷の久助が
395両手に授け給ひつつ 396笑ませ給へる崇高さよ
398神の教の友彦の
399玉の御手に差し渡し
401感謝の涙に咽ぶ折
403吾等一同に目礼し
405玉の戸閉ぢて入り給ふ
407夢ではないかと勇み立ち 408心も輝く折柄に
409梅子の姫は悠々と 410御首に宝珠をかけながら
411早くも此場を立ち給ふ 412一同御後に従ひて
413光り眩き三つの門 414潜り出づれば諏訪の湖
415朝日に照りて金銀の 416波も殊更爽かに
417天国浄土の有様も
419御空を照らして降り来る
421梅子の姫を初めとし 422吾等十人の生身魂
423列を正して中空を 424夢の如くに翔け廻り
425名さへ目出度き磯輪垣の 426秀妻国の中心地
427由良の港に名も高き
429黄金の鳩の降る如 430天降り来りし嬉しさよ
434四方の国々隈もなく
435教へ導き皇神の 436尊き経綸の万分一
437尽させ給へ天津神 438国津神等八百万
439別けて尊き三五の 440神の教の司神
442豊国姫の御前に
443明石の郷の久助が 444心も清く願ぎ奉る
447と歌ひ終つて元の席に着いた。
448(大正一一・七・一七 旧閏五・二三 谷村真友録)