第五章 真心の花(四)〔七七〇〕
インフォメーション
著者:出口王仁三郎
巻:霊界物語 第26巻 海洋万里 丑の巻
篇:第1篇 伊都宝珠
よみ(新仮名遣い):いずほっしゅ
章:第5章 真心の花(四)
よみ(新仮名遣い):まごころのはな
通し章番号:770
口述日:1922(大正11)年07月17日(旧閏05月23日)
口述場所:
筆録者:外山豊二
校正日:
校正場所:
初版発行日:1923(大正12)年6月5日
概要:
舞台:
あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:続いて友彦は踊り狂いながら歌った。これまでの自分の罪を歌で洗いざらい漂白して懺悔し、竜宮島の西方に分け入ってジャンナの里で改心し、麻邇の宝玉の神業に参加した経緯を歌った。そして仁慈無限の大神が罪深い自分を見捨てずに宝玉を授け、神政成就の神業に加えてくださった神恩に感謝の意を表した。
続いてお民は、皇大神のご神徳をたたえる祝歌を歌った。
続いてテールス姫が祝歌を歌う。友彦と出会って三五教に改心した様を歌い、三五教の大神と一同に感謝の意を表した。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]:
備考:
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データ凡例:
データ最終更新日:2021-09-26 17:48:25
OBC :rm2605
愛善世界社版:78頁
八幡書店版:第5輯 173頁
修補版:
校定版:86頁
普及版:28頁
初版:
ページ備考:
001 友彦宣伝使は立ち上つて銀扇を開き、002自ら歌ひ自ら踊り狂うた。003その歌、
004友彦『バラモン教の神司
006鬼熊別の家の子と 007仕へ奉りし友彦は
008花見の宴の帰りがけ
010宴会の酒に酔ひ潰れ 011諸人騒ぎ立ち廻る
012頃しも主の愛娘 013小糸の姫は過ちて
015落ち込み給ふと見るよりも
016身を躍らして川中に 017生命を的にもぐり込み
019鬼熊別の御夫婦に
022珍の教の神司
024深窓に育ちし小糸姫
026一人の乙女を友彦が
028手に手を取つてエデン川 029流れ流れて錫蘭の
031山奥深く身を潜め
032小糸の姫を女王とし
034此世を誑かり居たりしが 035持つて生れた酒好の
036乱暴狼藉末遂に 037小糸の姫に棄てられて
038怨みは深き錫蘭の海 039土人の船に身を任せ
040印度の国まで漕ぎ渡り 041難行苦行の数尽し
042又もや流れて自転倒の 043敦賀の海に上陸し
044夜を日についで丹波路の 045宇都山郷に身をひそめ
046鳥なき郷の蝙蝠を
049郷の老若男女をば
050言葉巧に説きつけて 051教を開く折柄に
052天の真浦の宣伝使
055雲を霞と逃げて行く
056山城、大和、紀伊、和泉 057浪速の里に舞ひ込みて
058数多の男女を誑らかし
060神を表に標榜し 061明石の里の久助が
062家に到りて曲事の 063限りを尽し磯端に
064繋ぎし船を横奪し 065力限りに漕ぎ渡る
066浪の淡路の一つ島 067残る隈なく遍歴し
071お百合の方を前に置き
074忽ち尻尾を掴まれて 075進退谷まる折柄に
076死んだと思うた東助が 077清、武、鶴の三人を
078伴ひ此処に帰り来る 079南無三宝と気を焦ち
080少時の猶予と暇どらせ 081廁の中に忍び入り
082思案の果は跨げ穴 083潜りて此家を逃れ出で
084沖に繋ぎし屋根無しの 085小舟に身をば任せつつ
086生命からがら瀬戸の海 087力限りに漕ぎ出せば
088如何なる風の吹き廻し
090風凪ぎ渡るその間
092脚に任せて国城の 093山の砦に行て見れば
096明石の里の久助に 097出会つた時の苦しさは
098此の地の底に穴あらば 099消えも入りたき心地して
100心悩ます折柄に 101又もや来る東助が
102捕手の男に縛られて 103一旦淡路の洲本まで
105地獄で仏の東助が
108清、鶴、武の三人と 109船を操り高姫が
110危き身の上守らむと 111南洋大小の島嶼に
112後を尋ねて周航し 113蜈蚣の姫や初稚姫の
115海洋万里の浪の上
116月日を重ねて漸うに 117一つの島に安着し
119地恩の郷に行き見れば
120女王と名乗る黄竜姫の 121神の命は小糸姫
122過ぎし昔を懐ひ出し 123心を悩ます折柄に
124地恩の城の下人に
126林の中に放棄され 127百の艱難を忍びつつ
128山の尾伝ひ峰越えて 129百里二百里何時しかに
133四辺の景色を打眺め
134心を養ふ折もあれ 135忽ち起る山腹の
137包まれ咫尺も弁へず
138心痛むる折柄に
140吹き捲られて中天に 141空中飛行を演じつつ
142数多の峰の彼方なる
144息も絶えなむ其時に
152言葉も通はぬ郷人に 153出任せ言葉を列べつつ
155妻の命に実情を
156残る隈なく打明けて 157夫婦は茲に気を合せ
158地恩の城に立ち向ひ 159黄竜姫に昔日の
160無礼を謝せば快く 161昔の怨みを打忘れ
166地恩の城の馬場にて
169山の尾高く蜃気楼
170現はれ来り友彦は 171猿田彦司と相成りて
172一行五人蓑笠の 173軽き身装を装ひつつ
175教の御子に送られつ
176山川渡り漸々に 177玉野ケ原に安着し
178茲に身魂を清めつつ 179梅子の姫に罪科を
181喜び勇む折柄に
182湖を辷つて駆け来る 183黄金の船を眺むれば
184地恩の城に現はれて 185左守神と仕へたる
187チヤンキー、モンキー外二人
188無言の儘に船の上 189此方に向つて麾く
190梅子の姫を始めとし 191一行船に飛び乗りて
192真帆を孕みし浪の上 193風に吹かれて辷り行く
194妙音菩薩の音楽や
197竜の宮居の側近く
198御船を横たへ十柱の 199教の御子は悠々と
200黄金の門を潜りつつ
202初稚姫や玉能姫
204思はぬ処に迎へられ 205又も十二の姫神に
206前後左右を守られて
209奥の広間に招ぜられ
210畏み仕へ奉る折 211上座の玉の扉押開き
212近侍の女神に五色の 213玉を持たせて悠々と
214現はれ給ひし崇高さよ 215心も清き白玉の
216麻邇の宝珠の其の光 217明石の郷の久助に
219無言の儘に微笑して
220其の場に立たせ給ひける 221久助玉を頂きて
222教の道の友彦が 223手に渡しつつ悠々と
225心穢れし友彦も
226案に相違の此始末
228神の恵の露の玉 229潤ふ顔に伏し拝み
230侍女の賜ひし錦襴の
233神の恵を感謝しつ
235梅子の姫は座を立ちて
236悠々此場を出で給ふ 237十曜の紋に因みたる
238神の十柱宣伝使 239竜の館を立ち出でて
240八咫烏の背に乗り 241雲霧分けて浪の上
242渡りて漸く秋山彦の 243貴の命の庭園に
246仁慈無限の大神の
248罪科深き友彦を 249見捨て給はず竜宮の
250麻邇の玉をば授けられ 251神政成就の神業に
252加へ給ひし有難さ
254身魂を浄め夢の間も
256真心尽して仕へなむ 257錦の宮に常久に
259元の御祖の大御神
260瑞の御魂の大御神
262三千世界の神業を
265心の限り身の限り
266力の限り真心を
270 お民は又もや立ち上つて祝意を表し、271歌ひ舞ふ。
272お民『此世を造りし大神の 273五六七の神世の御仕組
274三つの御玉は永久に 275自転倒島に納まりて
276神の御稜威も弥顕著に 277輝く折しも竜宮の
278五つの宝麻邇宝珠 279神の御稜威に現はれて
280大和島根に恙なく
282三と五との睦び合ひ 283三五の月の御教は
284八洲の国に隈もなく 285照り渡るらむ皇神の
288生れ出でたる久助が 289妻のお民は如何にして
290斯る尊き神業に
292皇大神の御恵み
294神の仕組の永久に
296松の神世と仰ぎつつ 297明石の浜の松原に
298打寄せ来る清砂の 299数限りなき神徳を
300尊み畏み喜びて 301皇大神の御前に
302心の限り身の限り 303御稜威を称へ終へ奉る
307黄金色なす麻邇の珠
308四方の国々テールス姫の 309神の命の厳身魂
310輝き渡れ永久に
314 テールス姫は立ち上り、315又も祝歌をうたひ始めた。
316テールス姫『大海原に漂へる 317黄金花咲く竜宮の
318一つ島にて名も高き
323道の司の友彦に
325鬼をも欺く郷人に
326誠の道を宣り了へて 327地恩の城に名も高き
328黄竜姫の御前に 329夫の命と諸共に
330現はれ出でて村肝の 331心の底を語り合ひ
332力を協せ竜宮の
334語らふ折しも中天に 335現はれ出でし蜃気楼
336諏訪の湖水は竜宮の 337麻邇の宝を取りもたし
341梅子の姫と諸共に
342一行五人打揃ひ 343虎狼や獅子大蛇
344曲神猛ぶ山道を 345神の御稜威に助けられ
346月日を重ねて竜宮の 347浪さへ清き諏訪の湖
348竜の宮居に参上り 349四辺眩ゆき金殿に
350優しき侍女に導かれ 351玉依姫の御前に
354黄金の玉を取り出し
358受取り直に吾前に
363誠の人の心根は
367袋に納め神恩を
368感謝し奉る折柄に 369神素盞嗚大神の
370貴の御子と生れたる 371梅子の姫は悠々と
372此場を立つて門外に 373歩みを運ばせ給ふより
374妾も御後に引添うて
376帰り来れる折も折
380自転倒島に恙無く
383神の恵みは目の当り
384仁慈無限の大神の 385開き給ひし三五の
386教の道に身を任せ 387心の限り永久に
388生命の限り仕ふべし 389神素盞嗚大御神
390国武彦大御神
392此一行の神人の 393御前に感謝し奉り
394貴の御玉の恙なく
399と歌ひ終つて座についた。
400(大正一一・七・一七 旧閏五・二三 外山豊二録)