第一七章 誠の告白〔八一七〕
インフォメーション
著者:出口王仁三郎
巻:霊界物語 第28巻 海洋万里 卯の巻
篇:第3篇 光明の魁
よみ(新仮名遣い):こうみょうのさきがけ
章:第17章 誠の告白
よみ(新仮名遣い):まことのこくはく
通し章番号:817
口述日:1922(大正11)年08月09日(旧06月17日)
口述場所:
筆録者:松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:1923(大正12)年8月10日
概要:
舞台:
あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:泰安城に戻ってきた一行は、カールス王を中心に、大広間にて会見の式を行った。互いに祝辞を述べると、大国治立尊のひもろぎを立て、国魂神の祭典を厳かに行い、直会の宴を設けた。
カールス王は立って、自らの不明から正しい教えを見失い、国を混乱させたことを懺悔し、ヤーチン姫やマリヤス姫へのこれまでの仕打ちを詫びる歌を歌った。
ヤーチン姫は、自分を救ってくれた人々に感謝を表し、カールス王に神の恵みがあり、自分自身も神業に参加できるよう祈願する歌を歌った。
真道彦は自分の家系の役割を歌い、これまでの艱難辛苦を神の鞭と受け止めて、今後の泰安城の繁栄を祈る歌を歌った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :rm2817
愛善世界社版:207頁
八幡書店版:第5輯 428頁
修補版:
校定版:214頁
普及版:95頁
初版:
ページ備考:
001 引き続いて月鉾は牢獄の中より、002マールエース、003テールスタン、004其他一旦三五教の聖地に於て幹部となり、005再び叛旗を翻し、006カールス王の為に立働き、007セールス姫の一派に捉へられて、008カールス王と共に、009岩窟の牢獄に投ぜられたる連中をも救ひ出し、010泰安城指して帰り来り、011八咫の大広間に於て、012一同会見の式を挙げた。013中央の正座にはカールス王、014憔悴せる体躯を現はし、015其傍にヤーチン姫、016マリヤス姫相並び、017次には真道彦命、018日楯、019月鉾、020八千代姫、021照代姫と云ふ順序に列を正し、022綺羅星の如くに集まつて、023互に祝詞を述べ、024終つて神籬を立て、025大国治立尊を始め、026国魂神の祭典を厳修し、027次いで直会の宴に移り、028互にかけ隔てなく、029上下相睦びて懐旧談に耽り、030且つマリヤス姫以下の此度の戦功を賞揚し、031且つ感謝し、032一絃琴を弾じつつ、033各立つて神を讃め祝歌を歌ひ舞ひ狂うた。034カールス王は鶴の如く痩たる体躯を動かせ乍ら、035自ら歌ひ自ら舞ふ。036其歌、
037『遠き神代の其昔
039神言畏み遠津祖
041神の神言を被りて 042遠き波路を打渡り
044神の造りし此島に
047治め玉ひし国の祖
050隙間の風にも当らずに
051数多の侍女に侍かれ
053世の有様は何事も
055己が使ひし醜司
058言葉を信じ三五の
059誠一つの神司 060真道の彦の命をば
061吾に刃向ふ仇人と 062思ひ謬り岩窟の
063牢獄の中に投げこみて 064朝な夕なの憂苦労
068忽ち吾に循り来て
069時めき渡る泰安の 070城は直ちに陥落し
072醜の魔神に捉へられ
073己が造りし牢獄に 074情容赦も荒々しく
076悲歎の涙に咽びつつ
077痩衰へて骨は立ち 078日に日に弱る吾体
079早玉の緒の生命迄
081仁慈無限の三五の 082神に仕ふる宣伝使
083玉藻の湖の片畔 084天嶺、泰嶺、両聖地に
085仕へ玉ひし日楯彦
087危ふき生命を助けられ
090仁慈無限の大神の
091建て玉ひたる三五の 092誠の教を他所にして
093体主霊従の教をば
095利己一片を立て通し 096近侍の者に誤られ
097国人達の怨恨を
100神の御霊の幸はひて
101思ひもかけぬ今日の日の 102再び此世に生れたる
103驚天動地の慶びは 104何時の世にかは忘るべき
105日楯、月鉾両人が
109助け玉ひし兄弟の 110清き心は何時迄も
111五六七の御代の末迄も 112子々孫々に相伝へ
113忘れざらまし此御恩
115神の命の真心を
117今の今迄一筋に 118疑ひ居たる愚かさよ。
119心の底より恋ひ慕ふ
121今迄汝に与へたる 122無理難題と苦しみを
123直日に見直し聞直し 124吾罪咎を許せかし
129醜の司の百の罪 130直日に見直し聞直し
131許させ玉へ天津神 132国津神達八百万
133国魂神の御前に 134謹み敬ひ願ぎまつる
137と歌ひ終つて、138中央の正座に着いた。
139 ヤーチン姫は立上り自ら歌ひ自ら舞ふ。
140『花森彦の其末裔
143娘と生れしヤーチン姫は
146親の許せし許嫁 147時の到るを待つ間に
150謀られ遂に発狂と 151言葉巧に誣ひられて
152見るも恐ろし淡渓の 153深き谷間に投げ込まれ
154生命危き折もあれ 155情も深き三五の
156真道の彦に助けられ 157息吹き返す其砌り
159後を慕つて追ひ来り
161御山を越えて玉藻湖の
163神の聖地に参詣で
164八尋の殿に朝夕に 165仕へ居たりし折柄に
167数多の民軍引率れて
168泰安城へ攻上り
170聞くより妾は気をいらち 171真道の彦を押立て
172神の軍を引率し 173泰安城に立向ひ
175真道の彦と諸共に
176牢獄の中に投込まれ 177苦しき月日を送るうち
178善と悪とを立分ける
180今日の生日の嬉しさよ 181最早生命は無きものと
182覚悟極めし此体 183日頃信ずる三五の
184皇大神の恵にて
186尊き神の御道に 187仕へ奉りて此前途は
188吾身につける一切の 189執着心を脱却し
190普く世人を善道に 191導き救ひ大神の
194日楯の彦よ月鉾よ 195ユリコ姫や八千代姫
196照代の姫の御前に
198生命を救ひ玉ひたる
200謹み感謝し奉る。
202神の御霊の幸はひて
204茲に並みゐる人々に
206心の魂を逸早く 207直日の魂に研きあげ
208尊き神の神業に 209尽させ玉へ惟神
210国魂神の御前に
214と歌ひ舞ひ終つて座に着いた。
215 真道彦命は立あがり、216自ら歌ひ自ら舞ふ。
217『神代の昔其昔
220色香めでたき稚桜姫
222天降りましたる此島に
224真道の彦は畏くも
225深く秘めたる宝玉を
227真鉄の彦や奇八玉 228其他の尊き神々も
229各玉を取り出て 230稚姫君の御神に
232珍の聖地の玉藻山
233吾は祖先の名をつぎて 234真道の彦と名乗りつつ
235神の教を四方の国 236青人草に宣り伝へ
237祖先の業を朝夕に
239泰安城にセールス姫の
241利己一辺の政
243城に仕へし司等は 244吾守りたる聖場へ
245潮の如く押寄せて 246神の誠の大道に
247只一筋に仕へむと 248殊勝の言葉に感歎し
250教を四方に開く折
251泰安城に大変事
254数多の人々三五の
255教を伝ふる吾身をば 256現世的の救主ぞと
257心の底より誤解して
259忽ち吾を振棄て 260利己一辺の魔心に
262王の命に取り入りて
263吾を牢獄に陥れ
266無念の歯がみをなし乍ら
269牢獄の中に現はれて 270汝の誠は天地の
272今の苦難は後の日の
275助け導く救世主
277尊き神の経綸に 278汝を牢獄に落す也
281花咲く春を暫し待て 282黒白も分ぬ暗の夜の
285誠の果実を結ぶまで
287心を痛むる事勿れ 288これぞ全く国治立の
289厳の尊の御心ぞ 290喜び勇め真道彦
292日楯、月鉾両人に
293宏大無辺の神徳を 294沢に授けて高砂の
295島に蔽へる黒雲を
298必ず疑ふ事勿れ
299神の言葉に二言はなしと 300言葉終ると諸共に
301其儘姿は消え玉ふ
303思へば嬉しき今日の日も
305稜威の仕組の開け口 306堅磐常磐に神国の
307栄えを待つや高砂の 308島に老たる一つ松
309千歳の鶴の永久に 310何時も巣籠る芽出度さは
311やがて開くる五六七の世 312亀の齢の万世も
313八百万世も末永く 314此神島に幸あれよ
316御裔の神と現れませる
318尊き神の御教に
319仕へ玉ひて泰安の 320此聖場に末永く
323堅磐常磐に知し召せ
325神の御前に真道彦 326真心こめて願ぎ奉る』
327と歌ひ終り、328吾座に復帰した。
329(大正一一・八・九 旧六・一七 松村真澄録)