霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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跋 暗闇(くらやみ)

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第28巻 海洋万里 卯の巻 篇:後付 よみ(新仮名遣い):
章:跋(暗闇) よみ(新仮名遣い):ばつ くらやみ 通し章番号:
口述日:1922(大正11)年08月06日(旧06月14日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年8月10日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
現代社会は力がものをいい、力なきものは道理も立たず、力あるものは無理に押し通す。弱者は自ら犯さざる罪をも謝さねばならぬ。強者は自ら犯した罪も平気で押し通す現状だ。強者は悪をなしても世間をうまく誤魔化して無上の善行とされる、暗闇の世だ。
誤解を解くには他の誤りを正すのが第一である。自己の正しい主張を明白に徹底的に、相手方に合点の行くように弁明し釈明すべく努力することが必要であり、袖手傍観的な態度は結局神の国のためには卑怯者また反抗者となる。
強者に対して何事も譲歩するのはかえって誤解を大きくする。相手方の無理を是認したも同然となってしまう。
他の誤解を解くことにも増して重要なのは、自ら他を誤解しないようにすることである。いわゆる、彼を良く知る、ということが重要である。
人間の身体内には天国と地獄が包蔵している。人間は天使と悪魔のあいのこである。現代人は特にこの傾向多く、神示に言う八衢人間、中有人間というのはこれである。
現代は悪魔横行の世であることを正しく理解せよ。獅子や虎狼が疲労の結果、休息していても決して猫や羊や兎になるものではない。必ず元気回復して眠りから醒めるときが来る。
一難来るごとにその信仰と勇気を強め、快活に愉快に立ち働く誠の神国魂の人は、果たして幾人あるであろうか。三五教の無抵抗主義の真諦を誤解して、極端な無抵抗主義を取るのも考えものである。
卑劣、柔弱、無腸漢の卵とならなければ幸いである。世間の評判や新聞の悪評やその他の圧迫を気遣って、正義の大道を歩むことさえ恐れるに至ったら、もはやその人間は駄目である。
世間の評判や新聞の批評こそ当てにならぬものはない。評判が良いからといって安心していると背負い投げを食わされる。逆に、一昨年来悪罵され続けた東西の男女があったが、実際に面会してその思想・行為・態度を実見すると、まったく正反対の人物であることがわかった。
黒雲に包まれた大空の月も、仇雲の扉を開いてその瑞々しい姿を現すときは、暗黒の地上も直ちに瑞光燦爛たる神姿を見ることができるであろう。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm289901
愛善世界社版:285頁 八幡書店版:第5輯 457頁 修補版: 校定版:295頁 普及版:115頁 初版: ページ備考:校定版と愛世版では28巻末の「跋」は、普及版では「都合により」30巻末に収録されている。
派生[?]この文献を底本として書かれたと思われる文献です。[×閉じる]出口王仁三郎著作集 > 第三巻「愛と美といのち」 > [2] 人生 > [2-4] 生きがいの創造 > [2-4-15] 誤りを正す
001一、002現代(げんだい)社会(しやくわい)(ちから)そのものが(もの)()ふ。003(ちから)なきものは()つべき道理(だうり)()たず。004()つべからざる無理(むり)(ちから)あるものには立派(りつぱ)()()(なか)だ。
005二、006○○に(たい)して(ある)方面(はうめん)から(おこな)つた(やう)無茶(むちや)(ちり)ほどでも(おこな)つたとすれば、007(たちま)悪魔(あくま)()ばはりを()滅茶(めつちや)々々(めつちや)()(くだ)かれて(しま)ふであらう。008弱者(じやくしや)(みづか)(おか)さざる(つみ)をも(しや)せねばならぬ。009強者(きやうしや)(みづか)(おか)したる(つみ)をも平気(へいき)()(とほ)すと()現状(げんじやう)だ。010強者(きやうしや)(みづか)(あく)をなしても、011(これ)(うま)世間(せけん)誤魔化(ごまくわ)して(かへつ)無上(むじやう)善行(ぜんかう)とせらるる暗闇(くらやみ)()(なか)だ。
012三、013誤解(ごかい)()くには()(あやま)りを(ただ)すが第一(だいいち)善法(ぜんはう)だ。014自己(じこ)(ただ)しき主張(しゆちやう)明白(めいはく)徹底(てつてい)(てき)に、015相手(あひて)(がた)合点(がてん)()(やう)弁明(べんめい)釈明(しやくめい)する(こと)努力(どりよく)せなくては()らない。016何程(なにほど)誤解(ごかい)されても(かま)はぬ、017(ただ)しき(かみ)()照覧(せうらん)(あそ)ばすからと、018惟神(かむながら)主義(しゆぎ)保持(ほぢ)して袖手(しうしゆ)傍観(ばうくわん)(てき)態度(たいど)()づる(もの)は、019自分(じぶん)無能(むのう)無責任(むせきにん)とを表白(へうはく)するもので、020結局(けつきよく)(かみ)(くに)(ため)には、021卑怯者(ひけふもの)(また)反抗者(はんかうしや)となるものである。
022四、023相手(あひて)(がた)()放題(はうだい)(なん)でも()んでも()無理(むり)御尤(ごもつと)もと承服(しようふく)するは、024(けつ)して誤解(ごかい)()くの方法(はうはふ)(あら)ず。025(かへつ)誤解(ごかい)増大(ぞうだい)ならしむるものである。026相手(あひて)(がた)強者(きやうしや)になると、027此方(こちら)譲歩(じやうほ)退嬰(たいえい)(もつ)謙譲(けんじやう)(とく)とせず、028好意(かうい)(みと)めず、029(かへつ)驕慢(けうまん)(こころ)(つよ)此方(こちら)行動(かうどう)()て、030(わが)(はい)臆測(おくそく)した(とほ)りだ、031さればこそ(わが)抗議(かうぎ)言論(げんろん)行為(かうゐ)(たい)して、032(ただち)譲歩(じやうほ)したのだと()つて()まし()んで(しま)ふものである。
033五、034所謂(いはゆる)()無理(むり)御尤(ごもつと)もの譲歩(じやうほ)(てき)態度(たいど)は、035相手方(あひてかた)無理(むり)是認(ぜにん)する(こと)となつて(しま)ふ。036換言(くわんげん)すれば譲歩(じようほ)退嬰(たいえい)誤解(ごかい)()方法(はうはふ)(あら)ずして(かへつ)相手方(あひてかた)誤解(ごかい)裏書(うらがき)し、037益々(ますます)その誤解(ごかい)をして増長(ぞうちよう)せしむるものとなるのである。038(これ)(たとへ)()商品(しやうひん)(たい)し、039(すなは)相手方(あひてかた)無暗(むやみ)値切(ねぎ)るに(まか)せて、040(そん)をして(まで)大負(おほまけ)(まけ)(とき)は、041相手(あひて)(がた)買人(かひて)此方(こつち)好意(かうい)満足(まんぞく)するよりも、042(かへつ)()本来(ほんらい)掛値(かけね)()()けたのを(うま)値切(ねぎ)つてやつた、043(しか)(いま)(すこ)(ばか)高値(たかね)であつたかも()れぬがなぞと誤解(ごかい)する(やう)なものである。044何処(どこ)やそこい()立派(りつぱ)方々(かたがた)(なか)にも、045右様(みぎやう)態度(たいど)()する(ひと)十中(じつちう)(じふ)まである(やう)(かん)じられてならぬ。046(これ)依然(やつぱり)(かた)きを()(やす)きにつかむとする所謂(いはゆる)惟神(かむながら)中毒(ちうどく)影像(えいざう)かも()れぬ。
047六、048()誤解(ごかい)()必要(ひつえう)あるはさることながら、049それに()して(もつと)大切(たいせつ)なるは、050()自分(じぶん)から誤解(ごかい)せざることである。051(また)今日(こんにち)世界(せかい)状態(じやうたい)(たい)しては、052誤解(ごかい)せない(やう)(つと)むるのが(もつと)重大(ぢうだい)なことである。053(すなは)兵家(へいか)所謂(いはゆる)()(かれ)()ることが肝腎(かんじん)である。054孔子(こうし)(ひと)(おのれ)()らざるを(うれ)へず。055(ひと)()らざるを(うれ)ふと()つた(とほ)りである。
056七、057人間(にんげん)身体内(しんたいない)には一方(いつぱう)天国(てんごく)あり、058一方(いつぱう)地獄(ぢごく)包蔵(はうざう)して()るものだ。059(えう)するに人間(にんげん)天使(てんし)悪魔(あくま)との雑種児(あいのこ)である。060現代(げんだい)人間(にんげん)(おい)殊更(ことさら)にこの傾向(けいかう)(おほ)きを(さと)らねばならぬ。061(ゆゑ)神示(しんじ)には(これ)中有(ちうう)人間(にんげん)062(また)八衢(やちまた)人間(にんげん)(とな)へられて()る。
063八、064世界(せかい)状態(じやうたい)(ただ)しく(かい)せよ。065現代(げんだい)悪魔(あくま)横行(わうかう)()なることを。066国際(こくさい)連盟(れんめい)とか()つて、067表面(へうめん)から()れば、068天国(てんごく)福音(ふくいん)とも()るべき平和(へいわ)条約(でうやく)(むす)ばれた。069(しか)人類(じんるゐ)平和(へいわ)随喜者(ずゐきしや)070世界(せかい)泰平(たいへい)夢想者(むさうしや)希望(きばう)した(ほど)071期待(きたい)した(ほど)072註文(ちうもん)したる(ほど)(やく)()つもので()らう()
073九、074獅子(しし)(とら)や、075(おほかみ)疲労(ひらう)結果(けつくわ)076休息(きうそく)(ねむり)(むさぼ)つて()るとても、077(けつ)して(ねこ)(ひつじ)(うさぎ)には()るものでない。078屹度(きつと)元気(げんき)恢復(くわいふく)して(ねむり)より()むる(とき)()るのは当然(たうぜん)である。079(いち)()暴風(ばうふう)()つて意気(いき)悄沈(せうちん)し、080拱手(きようしゆ)傍観(ばうくわん)()(ところ)()らざる()(とら)や、081()獅子(しし)や、082()(おほかみ)がそこい()(やま)(ふもと)に、083永遠(ゑいゑん)(てき)蟄伏(ちつぷく)して()るのを()ると、084()()(にく)(をど)り、085(ただ)一人(ひとり)焦慮(せうりよ)活躍(くわつやく)せざるを()なくなつて()る。
086一〇、087一難(いちなん)(きた)(ごと)にその信仰(しんかう)勇気(ゆうき)(つよ)め、088快活(くわいくわつ)愉快(ゆくわい)立働(たちはたら)(まこと)神国魂(みくにだま)(ひと)は、089(はた)して幾人(いくにん)あるで()らう()
090一一、091(わづ)かに不断(ふだん)活動(くわつどう)継続(けいぞく)して()るものは、092飛行(ひかう)将軍(しやうぐん)先導(せんだう)五字(ごじ)教祖(けうそ)093(およ)()出神(でのかみ)生宮(いきみや)(しよう)する一派(いつぱ)のかたがた(くらゐ)なものだ。094(しか)(なが)地方(ちはう)(いた)つては、095それ相応(さうおう)活動(くわつどう)(おこな)つて()真人(しんじん)(すこ)しはあるさうだ。096(これ)がせめてもの(わが)慰安(ゐあん)となる(ばか)りだ。
097一二、098三五教(あななひけう)099無抵抗(むていかう)主義(しゆぎ)真諦(しんたい)誤解(ごかい)して、100如何(いか)なる暴逆(ばうぎやく)にも、101無理(むり)難題(なんだい)にも屈服(くつぷく)し、102()思召(ぼしめし)次第(しだい)だとか、103御尤(ごもつと)千万(せんばん)だとか()つて、104極端(きよくたん)無抵抗(むていかう)主義(しゆぎ)標榜(へうぼう)するのも(ひと)つは(かんが)へものだ。
105 (つひ)には卑劣(ひれつ)と、106柔弱(じうじやく)と、107無腸漢(むちやうかん)(たまご)とならなければ(さいはひ)だ。108(ただ)世間(せけん)評判(へうばん)や、109新聞(しんぶん)悪評(あくへう)や、110(その)()圧迫(あつぱく)などを気遣(きづか)つて、111正義(せいぎ)大道(だいだう)(あゆ)むことさへ(おそ)るるに(いた)らば、112最早(もはや)()人間(にんげん)駄目(だめ)だ。113製糞器(せいふんき)か、114()つて歩行(ある)樹木(じゆもく)か、115拙劣(せつれつ)なる蓄音機(ちくおんき)(やう)なものである。116()うなれば最早(もはや)人格(じんかく)(なに)もあつたものでは()い。117他人(たにん)尻馬(しりうま)()(ばか)りが人間(にんげん)(つと)むべき(みち)では()るまい。
118一三、119世間(せけん)評判(へうばん)新聞(しんぶん)批評(ひへう)ほど()てにならぬものは()い。120評判(へうばん)()いからと(おも)つて安心(あんしん)して()ると、121(たちま)背負投(せおひな)げを()はされるものだ。122一昨年(いつさくねん)以来(いらい)悪鬼(あくき)羅刹(らせつ)権化(ごんげ)(ごと)悪罵(あくば)され、123全国(ぜんこく)新聞紙(しんぶんし)(じやう)(さら)された東西(とうざい)二人(ふたり)男女(だんぢよ)があつた。124(しか)しその男女(だんぢよ)直接(ちよくせつ)面会(めんくわい)し、125その思想(しさう)行為(かうゐ)態度(たいど)実見(じつけん)したものは、126(ひやく)(にん)(ひやく)(にん)まで世評(せへう)新聞(しんぶん)記事(きじ)(あて)にならない而已(のみ)か、127(まつた)正反対(せいはんたい)人物(じんぶつ)たることを(うなづ)くで()らう。128黒雲(くろくも)(つつ)まれたる大空(おほぞら)(つき)も、129仇雲(あだくも)(とびら)(ひら)ひて(その)瑞々(みづみづ)しい姿(すがた)(あら)はす(とき)は、130暗黒(あんこく)地上(ちじやう)(ただち)瑞光(ずいくわう)燦爛(さんらん)たる神姿(しんし)()(こと)出来(でき)るであらう。131(了)
132(昭和一〇・六・八 王仁校正)
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