皆人の眠りにつける真夜中にさめよと来鳴く山郭公〈第12章(初版)〉
郭公声は御空に鳴き涸れて月の影のみあとにふるへる〈第12章(初版)〉
神の道ふみ分け行けばうれし野の木々の梢に宿る月かげ〈第15章(初版)〉
花散りて見るかげもなき梢にも月は静かに輝き玉へり〈第15章(初版)〉
科戸辺の風の姿は見えねども真帆の孕みを眺めてぞ知る〈第17章(初版)〉
水底に影をうつせし松ケ枝に月は澄みけり魚も住みけり〈第17章(初版)〉
玉の身を千々に砕きて木下暗にひそむ千草を照らす月影〈第18章(初版)〉
君知るや高天原の神のそのに身は他所ながらかかる心を〈第18章(初版)〉
御空照る月の光のなかりせばよるの旅路をいかにとやせむ〈第18章(初版)〉
別れてもまた逢坂の関の戸を開かむ道をそなへおかまし〈第20章(初版)〉
小雲川ふかき心はとめずともまた慕はしくなるものぞかし〈第20章(初版)〉
[この余白歌は八幡書店版霊界物語収録の余白歌を参考に他の資料と付き合わせて作成しました]