霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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序文(じよぶん)

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第36巻 海洋万里 亥の巻 篇:前付 よみ(新仮名遣い):
章:序文 よみ(新仮名遣い):じょぶん 通し章番号:
口述日:1922(大正11)年09月21日(旧08月1日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年12月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
現代の学者は、『宗教は芸術の母、宗教が芸術を生む』といっているそうだが、私はそれと反対に、『芸術は宗教の母なり、芸術は宗教を生む』と主張するものである。
洪大無辺の大宇宙を創造した神は、大芸術者であるはずだからである。天地創造の原動力は、大芸術の萌芽である。
宗教というものは、大芸術者である神の創造力や無限の意思のわずかに一端を、人の手を通し口を通して現したものにすぎないのである。そうでなければ、宗教という人の手になるものが神や仏を描いたのだ、ということになってしまう。
天地の間には、何物か絶対力が存在するかのように、心中深く思われるのは、この宇宙に人間以上の霊力者が厳然として存在することを、おぼろげながらも感知することができるからなのである。
いかなる無神論者でも天災に際して知らず知らず合掌するように、救いを求めるのは自然の情である。大芸術者である神が厳存し万有一切を保護したまうことは争われない事実であり、神を自然や天然と称するのは実に残念なことである。
出口なお教祖の筆先も、卑近な言葉をもって書かれているがゆえに貶める人があるが、出口教祖は手桶のようなものであり、神様の意思は、そこに汲み上げられた大海の潮水である。いかなる手桶によって汲み上げられようとも、神様の意思には変わりはないのである。
筆先そのものは、神の芸術の腹から生まれたところの宗教(演劇)の脚本を作るべき台詞書なのです。そのことはすでに、霊界物語第十二巻の序文に述べたとおりである。
変性女子そのものも、決して瑞の御魂の全体ではなく、やはり手桶によって汲み上げられた、大海の潮水の一部分なのである。
私は世人にとってはもっとも不可解なる筆先の台詞をここにまとめている。そして、かつて神霊界を探検して見聞した神劇に合わせて筆先の出所や、いかなる神の台詞であるかを明らかにするために、この物語を口述したのである。
神幽二界の出来事を一巻の書物につづったのが、霊界物語である。霊界について幾分なりとも消息に通じていない人の眼をもって教祖の筆先を批評するのは実に愚の至りである。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm360001
愛善世界社版:前付 1頁 八幡書店版:第6輯 581頁 修補版: 校定版:前付 1頁 普及版:前付 1頁 初版: ページ備考:
001 現代(げんだい)学者(がくしや)は、002宗教(しうけう)芸術(げいじゆつ)(はは)なり』とか、003宗教(しうけう)芸術(げいじゆつ)()むのだ』と()つて()るさうである。004(わたくし)はそれと反対(はんたい)に『芸術(げいじゆつ)宗教(しうけう)(はは)なり、005芸術(げいじゆつ)宗教(しうけう)()む』と主張(しゆちやう)するものである。
006 洪大(こうだい)無辺(むへん)大宇宙(だいうちう)創造(さうざう)したる(かみ)は、007(だい)芸術者(げいじゆつしや)でなければならぬ。008天地(てんち)創造(さうざう)原動力(げんどうりよく)009()大芸術(だいげいじゆつ)萌芽(はうが)である。010宗教(しうけう)なるものは(かみ)創造力(さうざうりよく)や、011その無限(むげん)意志(いし)(わづ)かに一端(いつたん)を、012具体(ぐたい)(てき)(ひと)()(とほ)(くち)(とほ)して(あら)はされたものに()ぎない。013さうでなくては、014宗教(しうけう)(かみ)(ほとけ)仮想(かさう)(もと)(ゑが)いたことになつて(しま)ふ。015ソンナ根拠(こんきよ)薄弱(はくじやく)なる(かみ)(また)(ほとけ)なりとすれば、016吾々(われわれ)朝夕(てうせき)(これ)礼拝(れいはい)奉仕(ほうし)する(こころ)がどうしても()いて()ない道理(だうり)だ。017(しか)るに天地(てんち)(あひだ)には、018何物(なにもの)絶対力(ぜつたいりよく)存在(そんざい)する(ごと)心中(しんちう)(ふか)思惟(しゐ)さるるのは、019(えう)するにこの宇宙(うちう)人間(にんげん)以上(いじやう)霊力者(れいりよくしや)儼存(げんぞん)するものたる(こと)を、020朧気(おぼろげ)ながらも感知(かんち)()らるるからである。021如何(いか)なる無神論(むしんろん)(しや)でも、022地震(ぢしん)023雷鳴(らいめい)024大洪水(だいこうずゐ)(とう)災厄(さいやく)遭遇(さうぐう)した(とき)は、025不知(しらず)不識(しらず)(あひだ)合掌(がつしやう)し、026(なに)ものかの(すく)ひを(もと)むるのは自然(しぜん)人情(にんじやう)である。027(うら)神諭(しんゆ)()
028雷鳴(らいめい)(はげ)しき(とき)029地震(ぢしん)(つよ)()(とき)は、030(かみ)(いの)らぬものはなし。031その(とき)(こころ)(もつ)て、032平常(つね)(かみ)(もと)めよ(いの)れよ』
033とある。034どうしても宇宙(うちう)には(だい)芸術者(げいじゆつしや)たる(かみ)儼存(げんぞん)(たま)ひて、035万有(ばんいう)一切(いつさい)保護(ほご)(たま)ふことは(あらそ)はれぬ事実(じじつ)である。036現代(げんだい)(ひと)(かみ)()ふのを()ぢて、037自然(しぜん)とか天然力(てんねんりよく)とかの雅号(ががう)にかくれて、038(かみ)(とな)ふることを()けようとして()るものが(おほ)いのは、039(じつ)残念(ざんねん)(こと)である。
040 出口(でぐち)直子(なほこ)刀自(とじ)筆先(ふでさき)一見(いつけん)して、041低級(ていきふ)(かみ)だとか拙劣(せつれつ)文章(ぶんしやう)だとか、042到底(たうてい)(かみ)(ことば)として()るに(しの)びないとか、043筆先(ふでさき)怪乱(くわいらん)狂暴(きやうばう)一読(いちどく)価値(かち)なきものだとか()つて()(ひと)もソロソロ(あら)はれて()(やう)である。044(しか)(なが)(わたくし)(けつ)してさうは(おも)はない。045(ここ)(ひと)つの(れい)()げて()ふならば、046(うしとらの)金神(こんじん)国常立(くにとこたちの)(みこと)大海(たいかい)潮水(しほみづ)(ごと)きものである。047そして出口(でぐち)教祖(けうそ)手桶(てをけ)(やう)なものである。048(その)手桶(てをけ)()()げられた一杯(いつぱい)潮水(しほみづ)こそ、049教祖(けうそ)()になれる(うしとら)金神(こんじん)所謂(いはゆる)筆先(ふでさき)そのものである。050(しか)(なが)大海(たいかい)潮水(しほみづ)も、051手桶(てをけ)()()げられた潮水(しほみづ)も、052(その)(いろ)(おい)て、053鹹味(からみ)(おい)て、054(すこ)しも変化(へんくわ)()きはずである。055さすれば如何(いか)なる卑近(ひきん)(ことば)(もつ)(あら)はされた筆先(ふでさき)(いへど)も、056(かみ)(さま)意志(いし)表示(へうじ)(つい)ては毫末(がうまつ)差支(さしつかへ)ないものである。057筆先(ふでさき)にも『出口直(でぐちなほ)(おち)ぶれものに()かした筆先(ふでさき)であるから、058人民(じんみん)(うたが)うて(まこと)(いた)さぬは無理(むり)なきことであるぞよ云々(うんぬん)』と(しめ)されてある。059()ちぶれたといふ言葉(ことば)物質(ぶつしつ)(てき)のみを()して(あふ)せられたのではない。060教育(けういく)程度(ていど)にも神魂(しんこん)にも応用(おうよう)すべきものであります。061(みづ)方円(はうゑん)(うつは)(したが)つて(その)(かたち)(へん)ずる(ごと)く、062(かみ)(すなは)大海(たいかい)潮水(しほみづ)同様(どうやう)に、063その(うつは)()つて変化(へんくわ)し、064その容器(ようき)大小(だいせう)形状(けいじやう)(したが)つて、065(ちから)(かたち)変化(へんくわ)()たすは自然(しぜん)道理(だうり)である。066(ゆゑ)出口(でぐち)教祖(けうそ)筆先(ふでさき)如何(いか)拙劣(せつれつ)なものでも(うしとら)金神(こんじん)国常立(くにとこたちの)(みこと)権威(けんゐ)(きず)つくべき道理(だうり)(けつ)してない。067(ただ)(いま)(まで)出口(でぐち)教祖(けうそ)身魂(みたま)を、068(ぜん)(うしとら)金神(こんじん)069(ぜん)国常立(くにとこたちの)(みこと)その(まま)顕現(けんげん)(しん)じて()(ひと)小言(こごと)()ぎないのであります。070それ(ゆゑ)071筆先(ふでさき)にも女子(によし)身魂(みたま)()調(しら)べてくれと(ことわ)つてある所以(ゆゑん)であります。072(えう)するに筆先(ふでさき)そのものは、073(かみ)芸術(げいじゆつ)(はら)から(うま)れた(ところ)宗教(しうけう)演劇(えんげき))の脚本(きやくほん)(つく)るべき台詞書(せりふがき)であることは、074(すで)(すで)霊界(れいかい)物語(ものがたり)(だい)十二(じふに)(くわん)序文(じよぶん)()べた(とほ)りであります。075変性(へんじやう)女子(によし)そのものも、076(けつ)して(みづ)御魂(みたま)全体(ぜんたい)ではない。077矢張(やはり)大海(たいかい)潮水(しほみづ)手桶(てをけ)()みあげたその一部分(いちぶぶん)であります。078(わたくし)世人(せじん)()て、079(もつと)不可解(ふかかい)なる筆先(ふでさき)台詞(せりふ)(ここ)(まと)めて、080(かつ)神霊界(しんれいかい)探険(たんけん)して見聞(けんぶん)したる神劇(しんげき)(あは)せて、081教祖(けうそ)筆先(ふでさき)出所(でどころ)や、082如何(いか)なる(かみ)台詞(せりふ)なるやを(あきら)かにせむため、083この物語(ものがたり)口述(こうじゆつ)したのであります。084この神幽(しんいう)二界(にかい)出来事(できごと)(いつ)(くわん)書物(しよもつ)(つづ)つたのが霊界(れいかい)物語(ものがたり)である。085霊界(れいかい)幾分(いくぶん)なりとも消息(せうそく)(つう)じない(ひと)(まなこ)(もつ)教祖(けうそ)筆先(ふでさき)批評(ひひやう)するのは、086(じつ)()(いた)りであります。
087 あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)ませ。
088   大正十一年九月二十四日正午十二時 於瑞祥閣
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