瑞の月海に入りてゆ桶伏の山にかがやく新鮮の月〈総説(初版)〉
新鮮の珍の月影かくさむとまたも荒びむ夜根の黒雲〈総説(初版)〉
汚されし厳の柱を如何にせむ神の御制規を枉ぐる由なし〈一章(初版)〉
曲つ神瑞の御魂を破らむと言さやぐかな司の前に〈一章(初版)〉
世の中の移らふ状をながめては立つべき時の来たるを悟れり〈三章(初版)〉
天国の清き姿を移さんと朝夕励む我ぞ楽しき〈三章(初版)〉
信徒は皆吾業に心して世人のために努めはげめよ〈三章(初版)〉
世の人の譏りも如何で恐れんや吾為す業は神のおんため〈三章(初版)〉
幾年か見えぬ大空の彗星も地変の前に明く顕はる〈四章(初版)〉
身も魂も囚へられたる吾なれど心遊びぬ天国の春に〈四章(初版)〉
西の峰にかくると見えし月影はかくれしにあらず常世てるため〈五章(初版)〉
散るとてもちりしにあらず寒きためまたくる春の莟こそまて〈五章(初版)〉
惟神神の誠の御教を地上天人は普く伝ふる〈八章(初版)〉
秋と冬と夜なき天津神国に神の信徒は霊籍を有つ〈八章(初版)〉
月も日も星もかくるる世の中は世の終りなり又始めなり〈八章(初版)〉
紅の楓は庭に散り敷きて昨夜の嵐を物語るなり〈九章(初版)〉
月も星も昼は消えたる如くなりされど常夜の闇に輝く〈十一章(初版)〉
月明の暁来たるそれまでに誠をつくせ力の限りを〈十一章(初版)〉
肉眼にしかと見えねど大空に早彗星のさまよひ初めぬ〈十二章(初版)〉
彗星の人の眼に入る時は仇波うたむ海原の空に〈十二章(初版)〉
大八洲彦の命の精霊の宿る宇知丸心赦すな〈十二章(初版)〉
人々の頭に立たむ身魂には醜の曲霊のねらうものなり〈十二章(初版)〉
鮮やかな月照る庭に咲匂ふ八重の花の香殊に美はし〈十二章(初版)〉
外国の醜の教や日の本の塵にまみれし人ぞ恐ろし〈十五章(初版)〉
烏羽玉の闇の世の中は神人の至誠の心知るものぞ無き〈十六章(初版)〉
何事も神の御旨にしたがひて働く人ぞ誠の人なる〈十六章(初版)〉
[この余白歌は八幡書店版霊界物語収録の余白歌を参考に他の資料と付き合わせて作成しました]