霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
目 次
設 定
閉じる
×
霊界物語
三鏡
大本神諭
伊都能売神諭
出口王仁三郎全集
出口王仁三郎著作集
王仁文庫
惟神の道
幼ながたり
開祖伝
聖師伝
霧の海(第六歌集)
大本七十年史
大本史料集成
神霊界
新聞記事
新月の光
その他
王仁文献考証
検索は「
王仁DB
」で
←
戻る
霊界物語
霊主体従
第1巻(子の巻)
第2巻(丑の巻)
第3巻(寅の巻)
第4巻(卯の巻)
第5巻(辰の巻)
第6巻(巳の巻)
第7巻(午の巻)
第8巻(未の巻)
第9巻(申の巻)
第10巻(酉の巻)
第11巻(戌の巻)
第12巻(亥の巻)
如意宝珠
第13巻(子の巻)
第14巻(丑の巻)
第15巻(寅の巻)
第16巻(卯の巻)
第17巻(辰の巻)
第18巻(巳の巻)
第19巻(午の巻)
第20巻(未の巻)
第21巻(申の巻)
第22巻(酉の巻)
第23巻(戌の巻)
第24巻(亥の巻)
海洋万里
第25巻(子の巻)
第26巻(丑の巻)
第27巻(寅の巻)
第28巻(卯の巻)
第29巻(辰の巻)
第30巻(巳の巻)
第31巻(午の巻)
第32巻(未の巻)
第33巻(申の巻)
第34巻(酉の巻)
第35巻(戌の巻)
第36巻(亥の巻)
舎身活躍
第37巻(子の巻)
第38巻(丑の巻)
第39巻(寅の巻)
第40巻(卯の巻)
第41巻(辰の巻)
第42巻(巳の巻)
第43巻(午の巻)
第44巻(未の巻)
第45巻(申の巻)
第46巻(酉の巻)
第47巻(戌の巻)
第48巻(亥の巻)
真善美愛
第49巻(子の巻)
第50巻(丑の巻)
第51巻(寅の巻)
第52巻(卯の巻)
第53巻(辰の巻)
第54巻(巳の巻)
第55巻(午の巻)
第56巻(未の巻)
第57巻(申の巻)
第58巻(酉の巻)
第59巻(戌の巻)
第60巻(亥の巻)
山河草木
第61巻(子の巻)
第62巻(丑の巻)
第63巻(寅の巻)
第64巻(卯の巻)上
第64巻(卯の巻)下
第65巻(辰の巻)
第66巻(巳の巻)
第67巻(午の巻)
第68巻(未の巻)
第69巻(申の巻)
第70巻(酉の巻)
第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
特別編 入蒙記
天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
第79巻(午の巻)
第80巻(未の巻)
第81巻(申の巻)
←
戻る
第44巻(未の巻)
序文
総説
第1篇 神示の合離
01 笑の恵
〔1170〕
02 月の影
〔1171〕
03 守衛の囁
〔1172〕
04 滝の下
〔1173〕
05 不眠症
〔1174〕
06 山下り
〔1175〕
07 山口の森
〔1176〕
第2篇 月明清楓
08 光と熱
〔1177〕
09 怪光
〔1178〕
10 奇遇
〔1179〕
11 腰ぬけ
〔1180〕
12 大歓喜
〔1181〕
13 山口の別
〔1182〕
14 思ひ出の歌
〔1183〕
第3篇 珍聞万怪
15 変化
〔1184〕
16 怯風
〔1185〕
17 罵狸鬼
〔1186〕
18 一本橋
〔1187〕
19 婆口露
〔1188〕
20 脱線歌
〔1189〕
21 小北山
〔1190〕
余白歌
このサイトは『霊界物語』を始めとする出口王仁三郎等の著書を無料で公開しています。
(注・出口王仁三郎の全ての著述を収録しているわけではありません。未収録のものも沢山あります)
閉じる
×
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
その他の設定項目を表示する
ここから下を閉じる
文字サイズ
S
【標準】
M
L
フォント
フォント1
【標準】
フォント2
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
古いブラウザでうまく表示されない時はこの設定を試してみて下さい
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側にだけ表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注
[?]
[※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
全ての脚注を開く
全ての脚注を閉じる(マーク表示)
【標準】
脚注マークを表示しない
文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色
[?]
底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。
[×閉じる]
外字1の色
[?]
この設定は現在使われておりません。
[×閉じる]
外字2の色
[?]
文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。
[×閉じる]
→
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
10月30~31日に旧サイトから新サイトへの移行作業を行う予定です。
実験用サイト
|
サブスク
霊界物語
>
第44巻
> 第1篇 神示の合離 > 第4章 滝の下
<<< 守衛の囁
(B)
(N)
不眠症 >>>
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。
【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034 アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。
第四章
滝
(
たき
)
の
下
(
した
)
〔一一七三〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第44巻 舎身活躍 未の巻
篇:
第1篇 神示の合離
よみ(新仮名遣い):
しんじのごうり
章:
第4章 滝の下
よみ(新仮名遣い):
たきのした
通し章番号:
1173
口述日:
1922(大正11)年12月07日(旧10月19日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1924(大正13)年8月18日
概要:
舞台:
河鹿峠の谷間の滝(祠の森から3町ばかり下手)の前
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
河鹿峠の谷間の滝の前では、松公の部下であったイル、イク、サールの三人が雑談にふけっている。三人はくしくも松公が三五教の宣伝使治国別の弟であったことから三五教に投降した経緯を語り合っている。
そこへ武装した覆面の男が二人現れ、ランチ将軍の目付役だと名乗った。二人はイル、イク、サールを裏切り者として切りかかろうとしたが、そこへ谷道を登ってくる人声が聞こえてきた。
ヨル、テル、ハルの三人が、ランチ将軍の陣営を脱出して治国別に降参しようと駕籠をかついで登ってくる、その歌であった。ランチ将軍目付役のアリスとサムはこの歌を聞いて姿を隠してしまった。
やってきたヨル、テル、ハルを加えた六人は、祠の森の治国別のもとへ登って行った。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2023-01-18 12:31:09
OBC :
rm4404
愛善世界社版:
45頁
八幡書店版:
第8輯 156頁
修補版:
校定版:
46頁
普及版:
22頁
初版:
ページ備考:
001
初冬
(
はつふゆ
)
の
空
(
そら
)
に
輝
(
かがや
)
く
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
は、
002
河鹿川
(
かじかがは
)
の
谷間
(
たにま
)
を
落
(
お
)
つる
屏風
(
びやうぶ
)
の
様
(
やう
)
な
滝
(
たき
)
に
懸
(
かか
)
つて、
003
玉
(
たま
)
の
如
(
ごと
)
き
飛沫
(
ひまつ
)
をとばし、
004
其
(
その
)
飛沫
(
ひまつ
)
には
一々
(
いちいち
)
月
(
つき
)
が
宿
(
やど
)
つて、
005
星
(
ほし
)
の
飛
(
と
)
ぶ
様
(
やう
)
に
見
(
み
)
えて
居
(
ゐ
)
る、
006
ここは
祠
(
ほこら
)
の
森
(
もり
)
から
三町
(
さんちやう
)
許
(
ばか
)
り
下手
(
しもて
)
である。
007
滝
(
たき
)
の
音
(
おと
)
を
圧
(
あつ
)
して、
008
大声
(
おほごゑ
)
に
笑
(
わら
)
ひさざめいてゐる
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
男
(
をとこ
)
ありける。
009
イル
『オイ、
010
イクにサール、
011
今晩
(
こんばん
)
は
怪体
(
けたい
)
な
晩
(
ばん
)
ぢやないか。
012
松公
(
まつこう
)
さまが
兄貴
(
あにき
)
に
会
(
あ
)
ひ、
013
根本
(
こつぽん
)
の
根本
(
こつぽん
)
から
三五教
(
あななひけう
)
に
帰順
(
きじゆん
)
して
了
(
しま
)
ひ、
014
俺
(
おれ
)
と
一緒
(
いつしよ
)
に
巻込
(
まきこ
)
まれて
了
(
しま
)
つたが、
015
併
(
しか
)
し
考
(
かんが
)
へてみれば
危
(
あぶ
)
ないものだぞ。
016
何程
(
なにほど
)
三五教
(
あななひけう
)
が、
017
神力
(
しんりき
)
が
強
(
つよ
)
いと
云
(
い
)
つても、
018
玉国別
(
たまくにわけ
)
、
019
治国別
(
はるくにわけ
)
の
一行
(
いつかう
)
〆
(
しめ
)
て
十
(
じふ
)
人
(
にん
)
以内
(
いない
)
だ。
020
ランチ
将軍
(
しやうぐん
)
の
率
(
ひき
)
ゆる、
021
数多
(
あまた
)
の
軍勢
(
ぐんぜい
)
に
進路
(
しんろ
)
を
遮
(
さへぎ
)
られ、
022
何時
(
いつ
)
迄
(
まで
)
も
袋
(
ふくろ
)
の
鼠
(
ねづみ
)
の
様
(
やう
)
に
祠
(
ほこら
)
の
森
(
もり
)
近辺
(
きんぺん
)
に
退嬰
(
たいえい
)
して
居
(
を
)
つた
所
(
ところ
)
で、
023
さう
兵糧
(
ひやうらう
)
は
続
(
つづ
)
くまいし、
024
今度
(
こんど
)
は
計画
(
けいくわく
)
をかへて、
025
捲土
(
けんど
)
重来
(
ぢうらい
)
と、
026
ランチ
将軍
(
しやうぐん
)
が
指揮
(
しき
)
の
下
(
もと
)
に
登
(
のぼ
)
つて
来
(
こ
)
ようものならそれこそ
大変
(
たいへん
)
だよ。
027
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
ア
敵
(
てき
)
に
帰順
(
きじゆん
)
したと
云
(
い
)
つて、
028
キツと
槍玉
(
やりだま
)
にあげられるに
違
(
ちがひ
)
ない。
029
三五教
(
あななひけう
)
に
帰順
(
きじゆん
)
すればバラモン
教
(
けう
)
から
睨
(
にら
)
まれる。
030
バラモン
教
(
けう
)
の
方
(
はう
)
へ
行
(
ゆ
)
けば
三五教
(
あななひけう
)
から
攻
(
せ
)
められるだらうし、
031
イクにも
行
(
ゆ
)
かれず、
032
逃
(
に
)
げるにも
逃
(
に
)
げられず、
033
エライ、
034
ヂレンマに
係
(
かか
)
つたものだ。
035
お
前
(
まへ
)
達
(
たち
)
は
如何
(
どう
)
する
考
(
かんが
)
へだ』
036
イク
『
此
(
この
)
イクさまの
肚
(
はら
)
の
中
(
なか
)
にはイクラも
妙案
(
めうあん
)
奇策
(
きさく
)
が
包蔵
(
はうざう
)
してあるのだから、
037
さう
悲観
(
ひくわん
)
したものぢやない。
038
キツと
三五教
(
あななひけう
)
に
帰順
(
きじゆん
)
して
居
(
を
)
れば
活路
(
くわつろ
)
は
開
(
ひら
)
けるよ。
039
此
(
この
)
河鹿
(
かじか
)
峠
(
たうげ
)
は
敵味方
(
てきみかた
)
勝敗
(
しようはい
)
の
分
(
わか
)
るる
所
(
ところ
)
だ、
040
が
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら、
041
此
(
この
)
喉首
(
のどくび
)
を
三五教
(
あななひけう
)
に
扼
(
やく
)
されて
了
(
しま
)
つたのだから、
042
仮令
(
たとへ
)
百万
(
ひやくまん
)
の
兵士
(
へいし
)
を
引
(
ひき
)
つれて、
043
ランチ
将軍
(
しやうぐん
)
が
登
(
のぼ
)
つて
来
(
き
)
た
所
(
ところ
)
で、
044
さう
一度
(
いちど
)
に
戦
(
たたか
)
へるものでなし、
045
小口
(
こぐち
)
から
将棋倒
(
しやうぎだふ
)
しにやられて
了
(
しま
)
ふのは
当然
(
たうぜん
)
だ。
046
それだから
身
(
み
)
の
安全
(
あんぜん
)
、
047
霊
(
みたま
)
の
健全
(
けんぜん
)
を
保
(
たも
)
つ
為
(
ため
)
に
三五教
(
あななひけう
)
にスーツパリと
帰順
(
きじゆん
)
したのだ。
048
貴様
(
きさま
)
はまだ
迷
(
まよ
)
うてイルのか、
049
信仰心
(
しんかうしん
)
の
足
(
た
)
らない
奴
(
やつ
)
だなア。
050
風呂
(
ふろ
)
の
蓋
(
ふた
)
でイル
時
(
とき
)
にイラン、
051
入
(
い
)
らぬ
時
(
とき
)
に
入
(
い
)
る
代物
(
しろもの
)
だよ』
052
イル
『それだと
云
(
い
)
つてヤツパリ
人
(
ひと
)
は
先
(
さき
)
の
事
(
こと
)
も
考
(
かんが
)
へておかねば、
053
サア
今
(
いま
)
となつて
周章
(
しうしやう
)
狼狽
(
らうばい
)
した
所
(
ところ
)
が、
054
後
(
あと
)
の
祭
(
まつり
)
で
仕方
(
しかた
)
がないからのう』
055
サール
『
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も
吾々
(
われわれ
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
をお
疑
(
うたがひ
)
もなく、
056
そこらを
遊
(
あそ
)
ンで
来
(
こ
)
いと
云
(
い
)
つて
解放
(
かいはう
)
してくだサールような
寛大
(
くわんだい
)
な
度量
(
どりやう
)
のひろい
宣伝使
(
せんでんし
)
だから、
057
キツと
確信
(
かくしん
)
があるのだ。
058
モウそンな
馬鹿
(
ばか
)
な
事
(
こと
)
はいはずに
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
に
任
(
まか
)
しておく
方
(
はう
)
が
何程
(
なにほど
)
安心
(
あんしん
)
だか
知
(
し
)
れないなア。
059
此
(
この
)
滝水
(
たきみづ
)
を
見
(
み
)
い、
060
実
(
じつ
)
に
綺麗
(
きれい
)
ぢやないか。
061
此
(
この
)
真白
(
まつしろ
)
に
光
(
ひか
)
つた
清
(
きよ
)
らかな
水
(
みづ
)
で
心
(
こころ
)
の
垢
(
あか
)
をサールと
洗
(
あら
)
ひきよめ、
062
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
に
照
(
てら
)
されて、
063
自然
(
しぜん
)
の
境
(
きやう
)
に
逍遥
(
せうえう
)
し、
064
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
親友
(
しんいう
)
が
仮令
(
たとへ
)
半時
(
はんとき
)
でも、
065
かうしてゐられるのは
全
(
まつた
)
く
貴
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御恵
(
みめぐみ
)
だよ。
066
あゝ
有難
(
ありがた
)
い
有難
(
ありがた
)
い。
067
バラモン
教
(
けう
)
であつたならば、
068
何
(
ど
)
うして
今
(
いま
)
に
帰順
(
きじゆん
)
した
者
(
もの
)
に
対
(
たい
)
し、
069
自由
(
じいう
)
行動
(
かうどう
)
をとらしてくれるものか、
070
之
(
これ
)
を
見
(
み
)
ても
教
(
をしへ
)
の
大小
(
だいせう
)
が
分
(
わか
)
るぢやないか。
071
第一
(
だいいち
)
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
を
刃物
(
はもの
)
を
以
(
もつ
)
て
治
(
をさ
)
めようなぞとは
実
(
じつ
)
に
危険
(
きけん
)
千万
(
せんばん
)
だ。
072
おりや
最
(
も
)
う、
073
バラモンのバの
字
(
じ
)
を
聞
(
き
)
いても
厭
(
いや
)
になつたよ。
074
バのついたものに
碌
(
ろく
)
なものはありやしないよ。
075
ババアにババにバケモノ、
076
バクチにバンタ、
077
バリにバカと
云
(
い
)
ふよなもので、
078
穢
(
きたな
)
い
物
(
もの
)
計
(
ばか
)
りだ。
079
皆
(
みな
)
穴
(
あな
)
(
欠点
(
けつてん
)
)のある
奴
(
やつ
)
ばかりがかたまつて
居
(
を
)
るのだからなア、
080
俺
(
おれ
)
だつてバラモン
教
(
けう
)
へ
這入
(
はい
)
つてから、
081
世間
(
せけん
)
の
奴
(
やつ
)
や
友達
(
ともだち
)
に
大変
(
たいへん
)
に
擯斥
(
ひんせき
)
されたよ。
082
今
(
いま
)
ぢやバラモン
教
(
けう
)
以外
(
いぐわい
)
の
奴
(
やつ
)
ア サール
神
(
かみ
)
に
祟
(
たた
)
りありとか
云
(
い
)
つて、
083
交際
(
つきあ
)
つてくれないのだからなア』
084
イル
『バラモン
教
(
けう
)
へ
入信
(
はい
)
つてから
人
(
ひと
)
が
附合
(
つきあ
)
はぬようになつたのぢやない、
085
貴様
(
きさま
)
は
呑
(
の
)
んだくれのバクチ
打
(
うち
)
のババせせりのバカ
者
(
もの
)
だから、
086
世間
(
せけん
)
の
奴
(
やつ
)
から
排斥
(
はいせき
)
され、
087
行
(
ゆ
)
く
所
(
ところ
)
がなくなつてバラモンへ
入信
(
はい
)
つたのだろ。
088
どうせ、
089
バラモンへ
入信
(
はい
)
るやうな
奴
(
やつ
)
ア、
090
皆
(
みな
)
行詰
(
ゆきつま
)
り
者
(
もの
)
だ。
091
行詰
(
ゆきつま
)
つて
約
(
つま
)
らぬようになつてから、
092
つまらぬとは
知
(
し
)
り
乍
(
なが
)
ら
入信
(
はい
)
るのだからなア』
093
サール
『さういへば、
094
幾分
(
いくぶん
)
かの
真理
(
しんり
)
がないでもないでごサールワイ。
095
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
らイルだつて、
096
さうだろ、
097
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
からゲジゲジの
様
(
やう
)
に
厭
(
いや
)
がられ、
098
相手
(
あひて
)
がなくて、
099
バラモンへ
沈没
(
ちんぼつ
)
したのだから、
100
余
(
あま
)
り
大
(
おほ
)
きな
声
(
こゑ
)
で
人
(
ひと
)
の
批評
(
ひひやう
)
はせぬがよからうぞ。
101
此
(
この
)
世
(
よ
)
に
用
(
よう
)
のない
人間
(
にんげん
)
はバラモンへでも
入信
(
はい
)
つて、
102
日
(
ひ
)
を
送
(
おく
)
らねば
仕方
(
しかた
)
がないからなア』
103
イル
『
俺
(
おれ
)
だつて、
104
まだ
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
必要
(
ひつえう
)
があるのだ。
105
イル
代物
(
しろもの
)
だ。
106
それだからイルと
名
(
な
)
がついてるのだよ。
107
弓
(
ゆみ
)
もイル、
108
風呂
(
ふろ
)
にもイル、
109
人
(
ひと
)
の
為
(
ため
)
には
肝
(
きも
)
もイル。
110
足
(
あし
)
の
裏
(
うら
)
に
豆
(
まめ
)
をイル。
111
……といふ
重宝
(
ちようほう
)
な
哥兄
(
にい
)
さまだ。
112
余
(
あま
)
りバカにして
貰
(
もら
)
うまいか、
113
こンな
事
(
こと
)
を
嬶
(
かか
)
が
聞
(
き
)
いたら
一遍
(
いつぺん
)
にお
暇
(
ひま
)
を
頂戴
(
ちやうだい
)
しなくちやならないワ、
114
なア、
115
イク
公
(
こう
)
』
116
サール
『
貴様
(
きさま
)
偉相
(
えらさう
)
に
言
(
い
)
つてるが、
117
女房
(
にようばう
)
がそれでもあるのか、
118
サール
事実
(
じじつ
)
ありとは
根
(
ね
)
つから
噂
(
うはさ
)
にも
聞
(
き
)
いた
事
(
こと
)
がないぢやないか』
119
イル
『
女房
(
にようばう
)
が
内
(
うち
)
に
要
(
い
)
るからイルと
言
(
い
)
ふのだ。
120
嫁
(
よめ
)
がイル
婿
(
むこ
)
がイルといつて、
121
一軒
(
いつけん
)
の
内
(
うち
)
にはなくてならぬのだ。
122
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
俺
(
おれ
)
はまだ
年
(
とし
)
が
若
(
わか
)
いから、
123
女房
(
にようばう
)
の
候補者
(
こうほしや
)
はザツと
二打
(
にダース
)
ばかりあるのだが、
124
まだ
金勝要
(
きんかつかね
)
の
神
(
かみ
)
とやらが
決定
(
けつてい
)
を
与
(
あた
)
へてくれないので
待命中
(
たいめいちう
)
だ』
125
サール
『
待命中
(
たいめいちう
)
なら
月給
(
げつきふ
)
の
三分
(
さんぶ
)
の
二
(
に
)
はくれるだらう。
126
チツとサールにも
分配
(
ぶんぱい
)
したらどうだい』
127
イル
『イヅレ
金勝要
(
きんかつかねの
)
神
(
かみ
)
さまだから、
128
金
(
かね
)
は
沢山
(
たくさん
)
に
持
(
も
)
つて
厶
(
ござ
)
るよ。
129
俺
(
おれ
)
のは
一遍
(
いつぺん
)
にチヨビ チヨビ
貰
(
もら
)
ふのは
邪魔
(
じやま
)
臭
(
くさ
)
いから、
130
一時金
(
いちじきん
)
として
頂
(
いただ
)
くように、
131
天国
(
てんごく
)
の
倉庫
(
さうこ
)
に
預
(
あづ
)
けてあるのだ。
132
欲
(
ほ
)
しければ
貴様
(
きさま
)
勝手
(
かつて
)
に
働
(
はたら
)
いて
力
(
ちから
)
一杯
(
いつぱい
)
取
(
と
)
つたがよからう、
133
イルだけ
取
(
と
)
らしてやらう』
134
かく
話
(
はな
)
す
所
(
ところ
)
へ
覆面
(
ふくめん
)
の
男
(
をとこ
)
二人
(
ふたり
)
、
135
手槍
(
てやり
)
を
杖
(
つゑ
)
につき
乍
(
なが
)
ら
木蔭
(
こかげ
)
よりノソリノソリ
現
(
あら
)
はれ
来
(
き
)
たり、
136
黒頭巾
(
くろづきん
)
は
大喝
(
だいかつ
)
一声
(
いつせい
)
「コラツ」と
叫
(
さけ
)
ぶを、
137
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
思
(
おも
)
はず
声
(
こゑ
)
の
方
(
はう
)
に
視線
(
しせん
)
を
注
(
そそ
)
げば
二人
(
ふたり
)
の
大男
(
おほをとこ
)
が
立
(
た
)
つてゐる。
138
イル
『コレヤどこの
奴
(
やつ
)
か
知
(
し
)
らぬが、
139
イル
様
(
さま
)
が
機嫌
(
きげん
)
よく
夜遊
(
よあそ
)
びをしてるのに、
140
コラとは
何
(
なん
)
だ、
141
一体
(
いつたい
)
貴様
(
きさま
)
は
誰
(
たれ
)
だい。
142
大方
(
おほかた
)
三五教
(
あななひけう
)
の
目付
(
めつけ
)
だろ、
143
俺
(
おれ
)
は
勿体
(
もつたい
)
なくも
大自在天
(
だいじざいてん
)
様
(
さま
)
の
子分
(
こぶん
)
だ。
144
清春山
(
きよはるやま
)
の
番
(
ばん
)
をしてゐる、
145
イル、
146
イク、
147
サールのお
三体
(
さんたい
)
様
(
さま
)
だぞ。
148
サア
是
(
これ
)
から
貴様
(
きさま
)
等
(
たち
)
両人
(
りやうにん
)
をふン
縛
(
しば
)
り、
149
ランチ
将軍
(
しやうぐん
)
の
前
(
まへ
)
へ
連
(
つ
)
れて
行
(
ゆ
)
くから、
150
覚悟
(
かくご
)
を
致
(
いた
)
せ』
151
男(アリス又はサム)
『
今
(
いま
)
木蔭
(
こかげ
)
に
於
(
おい
)
て
汝
(
なんぢ
)
等
(
ら
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
けば、
152
最早
(
もはや
)
三五教
(
あななひけう
)
に
帰順
(
きじゆん
)
しよつた
反逆人
(
はんぎやくにん
)
、
153
そンな
言訳
(
いひわけ
)
を
致
(
いた
)
して、
154
あべこべに
此
(
この
)
方
(
はう
)
を
三五教
(
あななひけう
)
の
捕手
(
とりて
)
呼
(
よ
)
ばはり
致
(
いた
)
すとは、
155
中々
(
なかなか
)
以
(
もつ
)
て
世智
(
せち
)
に
丈
(
た
)
けた
代物
(
しろもの
)
だ、
156
サアかうならば
最早
(
もはや
)
了見
(
れうけん
)
は
致
(
いた
)
さぬ。
157
此
(
この
)
方
(
はう
)
はランチ
将軍
(
しやうぐん
)
の
目付役
(
めつけやく
)
アリス、
158
サムの
両人
(
りやうにん
)
だ。
159
俺
(
おれ
)
の
武勇
(
ぶゆう
)
は
天下
(
てんか
)
に
聞
(
きこ
)
えて
居
(
ゐ
)
るだろ。
160
一騎
(
いつき
)
当千
(
たうせん
)
の
英傑
(
えいけつ
)
はアリス、
161
サムの
事
(
こと
)
だ。
162
サア
覚悟
(
かくご
)
をせい』
163
イル
『アハヽヽヽ
吐
(
ぬか
)
したりな
吐
(
ぬか
)
したりな。
164
アリス、
165
サムの
野郎
(
やらう
)
、
166
グヅグヅぬかすと、
167
生言霊
(
いくことたま
)
の
発射
(
はつしや
)
をしてやらうか、
168
モウ
斯
(
か
)
うなつてイル
以上
(
いじやう
)
は
隠
(
かく
)
すに
及
(
およ
)
ばぬ、
169
吾々
(
われわれ
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
三五教
(
あななひけう
)
宣伝使
(
せんでんし
)
治国別
(
はるくにわけ
)
の
三羽烏
(
さんばがらす
)
だ。
170
グヅグヅぬかすと
手
(
て
)
は
見
(
み
)
せぬぞ』
171
アリス
『
何
(
なん
)
と
俄
(
にはか
)
に
噪
(
はしや
)
ぎ
出
(
だ
)
したものだのう。
172
そして
貴様
(
きさま
)
等
(
たち
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
ばかりここにゐるのか。
173
何
(
なに
)
か
後押
(
あとおし
)
する
者
(
もの
)
がなくては、
174
貴様
(
きさま
)
の
口
(
くち
)
からそンな
強
(
つよ
)
い
事
(
こと
)
が
言
(
い
)
へる
筈
(
はず
)
がない。
175
サア
其
(
その
)
事情
(
じじやう
)
を、
176
ハツキリと
申上
(
まをしあ
)
げるのだぞ』
177
イル
『
大
(
おほい
)
に
後援者
(
こうゑんしや
)
がアリスだ。
178
イル
丈
(
だけ
)
イクらでも
加勢
(
かせい
)
をして
下
(
くだ
)
サールのだから、
179
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
だ。
180
貴様
(
きさま
)
のやうな
弱将
(
じやくしやう
)
の
下
(
もと
)
に
仕
(
つか
)
へてゐるイルさまぢやない、
181
サア
美事
(
みごと
)
生捕
(
いけどら
)
れるなら
生捕
(
いけど
)
つてみよ。
182
今
(
いま
)
俺
(
おれ
)
が
呼子
(
よびこ
)
の
笛
(
ふえ
)
を
一
(
ひと
)
つ
吹
(
ふ
)
いたが
最後
(
さいご
)
、
183
数百万
(
すうひやくまん
)
の
獅子
(
しし
)
は
唸
(
うな
)
りを
立
(
た
)
てて
此
(
この
)
場
(
ば
)
に
現
(
あら
)
はれ、
184
汝
(
なんぢ
)
等
(
ら
)
が
如
(
ごと
)
き
弱武者
(
よわむしや
)
を
木端
(
こつぱ
)
微塵
(
みぢん
)
に
噛
(
か
)
み
砕
(
くだ
)
き、
185
谷川
(
たにがは
)
を
紅
(
くれなゐ
)
に
染
(
そめ
)
なす
迄
(
まで
)
の
事
(
こと
)
だ。
186
サア
吾々
(
われわれ
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
に
指一本
(
ゆびいつぽん
)
でもさへられるものならさへてみよ』
187
と
捻鉢巻
(
ねぢはちまき
)
をし
乍
(
なが
)
ら
大
(
だい
)
の
字
(
じ
)
に
立
(
たち
)
はだかり、
188
槍
(
やり
)
の
切先
(
きつさき
)
も
恐
(
おそ
)
れず
頬桁
(
ほほげた
)
を
叩
(
たた
)
いてゐる。
189
谷道
(
たにみち
)
の
遥
(
はるか
)
下方
(
かほう
)
より
坂
(
さか
)
を
上
(
のぼ
)
り
来
(
く
)
る
人声
(
ひとごゑ
)
聞
(
きこ
)
え
来
(
き
)
たるにぞ、
190
アリス、
191
サムを
始
(
はじ
)
め、
192
イル、
193
イク、
194
サールの
彼我
(
ひが
)
一行
(
いつかう
)
は
期
(
き
)
せずして、
195
其
(
その
)
声
(
こゑ
)
に
耳
(
みみ
)
をすましける。
196
(ヨル、テル、ハル)
『
高天原
(
たかあまはら
)
の
大空
(
おほぞら
)
に
197
常磐
(
ときは
)
堅磐
(
かきは
)
に
輝
(
かがや
)
ける
198
天王星
(
てんわうせい
)
の
御国
(
みくに
)
より
199
下
(
くだ
)
りましたる
神柱
(
かむばしら
)
200
梵天
(
ぼんてん
)
帝釈
(
たいしやく
)
自在天
(
じざいてん
)
201
大国彦
(
おほくにひこ
)
の
大神
(
おほかみ
)
を
202
いつき
祭
(
まつ
)
つたバラモンの
203
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
の
此処
(
ここ
)
彼処
(
かしこ
)
204
ハルナの
都
(
みやこ
)
の
神柱
(
かむばしら
)
205
大黒主
(
おほくろぬし
)
の
御言
(
みこと
)
もて
206
逍
(
さまよ
)
ひ
巡
(
めぐ
)
る
軍人
(
いくさびと
)
207
斎苑
(
いそ
)
の
館
(
やかた
)
に
現
(
あ
)
れませる
208
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
尊
(
みこと
)
をば
209
屠
(
ほふ
)
らむものとハルナ
城
(
じやう
)
210
都
(
みやこ
)
を
後
(
あと
)
に
鬼春別
(
おにはるわけ
)
の
211
大将軍
(
だいしやうぐん
)
を
始
(
はじ
)
めとし
212
ランチ
将軍
(
しやうぐん
)
其
(
その
)
外
(
ほか
)
の
213
表面
(
うはべ
)
ばかりは
錚々
(
さうさう
)
と
214
強
(
つよ
)
さうに
見
(
み
)
える
軍師
(
ぐんし
)
らが
215
猛虎
(
まうこ
)
の
如
(
ごと
)
き
勢
(
いきほひ
)
で
216
河鹿
(
かじか
)
峠
(
たうげ
)
の
急坂
(
きふはん
)
を
217
上
(
のぼ
)
りてウブスナ
山脈
(
さんみやく
)
の
218
大高原
(
だうかうげん
)
の
斎苑
(
いそ
)
館
(
やかた
)
219
占領
(
せんりやう
)
せむと
思
(
おも
)
ひ
立
(
た
)
ち
220
片彦
(
かたひこ
)
久米彦
(
くめひこ
)
二柱
(
ふたはしら
)
221
先鋒隊
(
せんぽうたい
)
の
将軍
(
しやうぐん
)
と
222
選
(
えら
)
まれイソイソ
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
223
モウ
一息
(
ひといき
)
といふ
所
(
とこ
)
で
224
治国別
(
はるくにわけ
)
の
言霊
(
ことたま
)
に
225
打
(
う
)
たれて
脆
(
もろ
)
くも
潰走
(
くわいそう
)
し
226
今
(
いま
)
は
是非
(
ぜひ
)
なく
山口
(
やまぐち
)
の
227
浮木
(
うきき
)
ケ
原
(
はら
)
の
真中
(
まんなか
)
に
228
俄作
(
にはかづく
)
りの
陣営
(
ぢんえい
)
を
229
構
(
かま
)
へて
敵
(
てき
)
を
捉
(
とら
)
へむと
230
手具脛
(
てぐすね
)
引
(
ひ
)
いて
待
(
ま
)
ち
居
(
を
)
れり
231
吾
(
わ
)
れは
片彦
(
かたひこ
)
将軍
(
しやうぐん
)
の
232
部下
(
ぶか
)
に
仕
(
つか
)
へしテル、ハルよ
233
負
(
まけ
)
た
戦
(
いくさ
)
の
門番
(
もんばん
)
を
234
任
(
まか
)
され
酒
(
さけ
)
に
酔
(
よ
)
ひ
狂
(
くる
)
ひ
235
思
(
おも
)
はず
知
(
し
)
らず
脱線
(
だつせん
)
し
236
大黒主
(
おほくろぬし
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
を
237
口
(
くち
)
を
極
(
きは
)
めて
誹謗
(
ひばう
)
する
238
其
(
その
)
場
(
ば
)
へヌツと
現
(
あら
)
はれた
239
大
(
だい
)
監督
(
かんとく
)
のヨル
司
(
つかさ
)
240
団栗眼
(
どんぐりまなこ
)
を
怒
(
いか
)
らして
241
片彦
(
かたひこ
)
下
(
もと
)
へわれわれを
242
引立
(
ひきた
)
て
行
(
ゆ
)
かむと
威
(
おど
)
しよる
243
此奴
(
こいつ
)
ア
鰌
(
どぢやう
)
ぢやなけれ
共
(
ども
)
244
酒
(
さけ
)
でいためてくれむぞと
245
仁王
(
にわう
)
の
如
(
ごと
)
く
立
(
た
)
つてゐる
246
ヨルの
左右
(
さいう
)
に
葡萄酒
(
ぶだうしゆ
)
の
247
瓶
(
びん
)
を
見
(
み
)
せつけつめよれば
248
流石
(
さすが
)
のヨルも
辟易
(
へきえき
)
し
249
コローツと
参
(
まゐ
)
つて
了
(
しま
)
ふたり
250
二打
(
にダース
)
ばかりの
葡萄酒
(
ぶだうしゆ
)
を
251
瞬
(
またた
)
く
内
(
うち
)
に
平
(
たひ
)
らげて
252
足
(
あし
)
もよろよろヨルさまは
253
ヨル
辺
(
べ
)
渚
(
なぎさ
)
の
捨小舟
(
すてをぶね
)
254
殺
(
ころ
)
そと
生
(
い
)
かそとテル、ハルの
255
瞬
(
またた
)
く
内
(
うち
)
に
掌中
(
しやうちう
)
に
256
其
(
その
)
運命
(
うんめい
)
を
握
(
にぎ
)
られて
257
くたばり
返
(
かへ
)
つた
面白
(
おもしろ
)
さ
258
流石
(
さすが
)
のヨルもそろそろと
259
酒
(
さけ
)
に
誘
(
さそ
)
はれ
本音
(
ほんね
)
をば
260
吹出
(
ふきだ
)
し
心
(
こころ
)
の
奥底
(
おくそこ
)
を
261
物語
(
ものがた
)
りたる
其
(
その
)
時
(
とき
)
の
262
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
二人
(
ふたり
)
の
驚
(
おどろ
)
きは
263
譬
(
たと
)
ふる
物
(
もの
)
もなかりけり
264
いよいよこれから
急坂
(
きふはん
)
だ
265
テルさまシツカリしておくれ
266
オイオイ、ヨルさま
気
(
き
)
をつけて
267
紐
(
ひも
)
にしつかり
取縋
(
とりすが
)
り
268
身
(
み
)
の
安定
(
あんてい
)
を
保
(
たも
)
てよや
269
づぶ
六
(
ろく
)
さまに
酔
(
よ
)
ひつぶれ
270
二人
(
ふたり
)
に
舁
(
かか
)
れて
山坂
(
やまさか
)
を
271
登
(
のぼ
)
つて
行
(
ゆ
)
くとはこれは
又
(
また
)
272
開闢
(
かいびやく
)
以来
(
いらい
)
の
大珍事
(
だいちんじ
)
273
アイタタタツタ
躓
(
つまづ
)
いた
274
オイオイ、テルさまモウここで
275
ヨルをおろしたらどうだろう
276
これから
先
(
さき
)
は
馬
(
うま
)
だとて
277
容易
(
ようい
)
に
登
(
のぼ
)
ることは
出来
(
でき
)
ぬ
278
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
279
御霊
(
みたま
)
幸
(
さちは
)
ひましませよ
280
旭
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
る
共
(
とも
)
曇
(
くも
)
る
共
(
とも
)
281
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つ
共
(
とも
)
虧
(
か
)
くる
共
(
とも
)
282
大黒主
(
おほくろぬし
)
は
強
(
つよ
)
く
共
(
とも
)
283
三五教
(
あななひけう
)
の
御
(
おん
)
道
(
みち
)
に
284
進
(
すす
)
みし
上
(
うへ
)
は
千万
(
せんまん
)
の
285
艱難
(
かんなん
)
苦労
(
くらう
)
が
迫
(
せま
)
る
共
(
とも
)
286
などや
恐
(
おそ
)
れむ
敷島
(
しきしま
)
の
287
清
(
きよ
)
き
涼
(
すず
)
しき
神心
(
かみごころ
)
288
滝
(
たき
)
の
流
(
なが
)
れに
身
(
み
)
を
洗
(
あら
)
ひ
289
霊
(
みたま
)
を
浄
(
きよ
)
めて
休息
(
きうそく
)
し
290
祠
(
ほこら
)
の
森
(
もり
)
に
隠
(
かく
)
れます
291
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
292
進
(
すす
)
みて
行
(
ゆ
)
かむ
面白
(
おもしろ
)
や
293
祠
(
ほこら
)
の
森
(
もり
)
に
祀
(
まつ
)
りたる
294
梵天
(
ぼんてん
)
帝釈
(
たいしやく
)
自在天
(
じざいてん
)
295
許
(
ゆる
)
させ
玉
(
たま
)
へ
吾々
(
われわれ
)
の
296
清
(
きよ
)
き
願
(
ねがひ
)
を
一言
(
ひとこと
)
も
297
おとさず
洩
(
も
)
らさず
諾
(
うべな
)
ひて
298
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
に
進
(
すす
)
むべく
299
守
(
まも
)
らせ
玉
(
たま
)
へ
惟神
(
かむながら
)
300
世
(
よ
)
の
大元
(
おほもと
)
の
皇神
(
すめかみ
)
の
301
御前
(
みまへ
)
に
感謝
(
かんしや
)
し
奉
(
たてまつ
)
る
302
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
303
御霊
(
みたま
)
幸
(
さちは
)
ひましませよ』
304
ヨル、
305
テル、
306
ハルの
三
(
さん
)
人
(
にん
)
はランチ
将軍
(
しやうぐん
)
の
陣営
(
ぢんえい
)
を
脱
(
ぬ
)
け
出
(
だ
)
し、
307
治国別
(
はるくにわけ
)
一行
(
いつかう
)
に
会
(
あ
)
ひ、
308
バラモン
教
(
けう
)
の
策戦
(
さくせん
)
計画
(
けいくわく
)
を
密告
(
みつこく
)
し、
309
自分
(
じぶん
)
も
亦
(
また
)
三五教
(
あななひけう
)
の
為
(
ため
)
に
尽
(
つく
)
さむと、
310
酒
(
さけ
)
に
酔
(
よ
)
ひつぶれた
監督
(
かんとく
)
のヨルを
山駕籠
(
やまかご
)
にて
舁
(
か
)
つぎ
乍
(
なが
)
らやうやう
滝
(
たき
)
の
下
(
した
)
まで
登
(
のぼ
)
つて
来
(
き
)
た。
311
此
(
この
)
歌
(
うた
)
を
聞
(
き
)
くや
否
(
いな
)
や、
312
アリス、
313
サムの
両人
(
りやうにん
)
は
道
(
みち
)
なき
山
(
やま
)
を
駆
(
か
)
け
上
(
のぼ
)
り、
314
何処
(
どこ
)
ともなく
姿
(
すがた
)
を
隠
(
かく
)
した。
315
ここに
彼我
(
ひが
)
六
(
ろく
)
人
(
にん
)
は
暫
(
しば
)
し
休息
(
きうそく
)
の
上
(
うへ
)
、
316
祠
(
ほこら
)
の
森
(
もり
)
を
指
(
さ
)
して
登
(
のぼ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
317
(
大正一一・一二・七
旧一〇・一九
松村真澄
録)
318
(昭和九・一二・二二 王仁校正)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 守衛の囁
(B)
(N)
不眠症 >>>
霊界物語
>
第44巻
> 第1篇 神示の合離 > 第4章 滝の下
Tweet
ロシアのプーチン大統領が霊界物語に予言されていた!?<絶賛発売中>
オニド関連サイト
最新更新情報
10/22
【霊界物語ネット】
『
王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)
』をテキスト化しました。
9/18
【
飯塚弘明.com
】
飯塚弘明著『
PTC2 出口王仁三郎の霊界物語で透見する世界現象 T之巻
』発刊!
5/8
【霊界物語ネット】
霊界物語ネットに出口王仁三郎の
第六歌集『霧の海』
を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【04 滝の下|第44巻(未の巻)|霊界物語/rm4404】
合言葉「みろく」を入力して下さい→