霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第七章 山口(やまぐち)(もり)〔一一七六〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第44巻 舎身活躍 未の巻 篇:第1篇 神示の合離 よみ(新仮名遣い):しんじのごうり
章:第7章 山口の森 よみ(新仮名遣い):やまぐちのもり 通し章番号:1176
口述日:1922(大正11)年12月07日(旧10月19日) 口述場所: 筆録者:外山豊二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年8月18日
概要: 舞台:山口の森 あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
治国別の供人となった松公、竜公も述懐の歌を歌いながら山道を下って行く。一行六人はかなり大きな老樹の茂った山口の森にたどり着いた。夜露をしのごうと森の中に入り、古い祠の跡と見える台石の場所で夜を明かすことになった。
六人はそれぞれ述懐の和歌を歌い、蓑を布いて寝に就いた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-01-20 14:56:05 OBC :rm4407
愛善世界社版:84頁 八幡書店版:第8輯 170頁 修補版: 校定版:87頁 普及版:39頁 初版: ページ備考:
001 五三公(いそこう)急坂(きふはん)(くだ)(なが)(やや)緩勾配(くわんこうばい)になつたのを(さいは)ひ、002真先(まつさき)()ちて(うた)ふ。
003五三公高天原(たかあまはら)霊国(れいごく)
004(あら)はれ(たま)()(かみ)
005(あめ)(した)なる民草(たみぐさ)
006みたまを(きよ)愛信(あいしん)
007(みち)体得(たいとく)せしめむと
008三五教(あななひけう)(ひら)きまし
009(あく)にくもりし人々(ひとびと)
010(こころ)真如(しんによ)日月(じつげつ)
011()らさせ(たま)ふぞ有難(ありがた)
012斎苑(いそ)(やかた)()(たか)
013五三公(いそこう)さまは(えら)まれて
014治国別(はるくにわけ)(とも)となり
015烈風(れつぷう)すさぶ河鹿山(かじかやま)
016(たうげ)(なん)なく打渡(うちわた)
017(まが)(いくさ)追散(おひち)らし
018さしもに(けは)しき(くだ)(ざか)
019易々(やすやす)(わた)玉国別(たまくにわけ)
020(かみ)(みこと)がこもりたる
021(ほこら)(もり)辿(たど)りつき
022ここに二夜(ふたよ)(あか)しつつ
023バラモン(けう)人々(ひとびと)
024数多(あまた)言向(ことむ)(やは)()
025(また)もやのり()膝栗毛(ひざくりげ)
026(こころ)(こま)(いさ)()
027(わが)()をのせて(すす)()
028あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
029(たふと)(かみ)御恵(みめぐ)みに
030(ひと)(うま)れし天職(てんしよく)
031完全(うまら)委細(つばら)(つく)()
032(すめ)大神(おほかみ)(おん)(まへ)
033復命(ふくめい)したるその(うへ)
034高天原(たかあまはら)みのりにて
035(みたま)(まよ)八衢(やちまた)
036根底(ねそこ)(くに)(おと)さずに
037(この)()(この)(まま)天国(てんごく)
038(よる)なき(くに)(みちび)きて
039第二(だいに)()れを末長(すゑなが)
040(まも)らせ(たま)惟神(かむながら)
041(かみ)(われ)()(とも)にあり
042(かみ)(おん)()(うま)れたる
043わが()(うへ)(たの)もしさ
044朝日(あさひ)()(とも)(くも)(とも)
045(つき)()(とも)()くる(とも)
046仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)(とも)
047三五教(あななひけう)皇神(すめかみ)
048(まも)らせ(たま)言霊(ことたま)
049無上(むじやう)唯一(ゆゐいつ)武器(ぶき)となし
050八岐(やまた)大蛇(をろち)のわだかまる
051(しこ)(をしへ)(ことごと)
052言向(ことむ)(やは)()(うへ)
053高天原(たかあまはら)楽園(らくゑん)
054(ひら)(まつ)らでおくべきか
055(われ)(いや)しき()なれども
056(かみ)(ひかり)()らされて
057()しき(いさを)()てし(うへ)
058えり()てられて宣伝使(せんでんし)
059(つか)(まつ)るも(とほ)からじ
060ランチ将軍(しやうぐん)片彦(かたひこ)
061軍勢(ぐんぜい)如何(いか)(つよ)くとも
062わが言霊(ことたま)打出(うちだ)せば
063雲霞(うんか)(ごと)大軍(たいぐん)
064(かぜ)()()()(ごと)
065(たか)()ひたる小雀(こすずめ)
066(をのの)(さわ)()ぐる(ごと)
067言向(ことむ)()らすは()(あた)
068あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
069(ほこら)(もり)(のこ)されし
070玉国別(たまくにわけ)一行(いつかう)
071(かみ)(めぐ)みの(さち)はひて
072谷間(たにま)をひろげ(つち)をかき
073(ぜん)をば(つく)()(つく)
074大宮柱(おほみやばしら)(ふと)しりて
075高天原(たかあまはら)千木(ちぎ)(たか)
076(みづ)(みあらか)(つか)へまし
077国家(こくか)鎮護(ちんご)霊場(れいぢやう)
078(ひら)かせ(たま)惟神(かむながら)
079(かみ)御前(みまへ)五三公(いそこう)
080赤心(まごころ)こめて()(まつ)
081あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
082御霊(みたま)(さち)はひましませよ』
083
084松公『ウラルの(かみ)のこもりたる
085その()(たか)きアーメニヤ
086大気津(おほげつ)(ひめ)一族(いちぞく)
087コーカス(ざん)神人(しんじん)
088()はれて常世(とこよ)()げしより
089バラモン(けう)(きよ)(じやう)
090数多(あまた)兵士(つはもの)引率(ひきつ)れて
091(しろ)(まは)りに()(はな)
092()(つく)したる(かな)しさに
093一人(ひとり)(あに)(たづ)ねむと
094(やみ)にまぎれてアーメニヤ
095立出(たちい)四方(よも)国々(くにぐに)
096さまよひ()たる(をり)もあれ
097バラモン(けう)捕手(とりて)()
098(おも)はぬ(ところ)()つけられ
099(あやふ)生命(いのち)(たす)けられ
100(すき)(うかが)虎口(ここう)をば
101(やうや)(のが)れて()(いだ)
102(つき)国々(くにぐに)巡歴(じゆんれき)
103ウラルの(をしへ)聖場(せいぢやう)
104(あに)()ぬかと(たづ)ねつつ
105二年(ふたとせ)三年(みとせ)()(うち)
106バラモン(けう)神司(かむづかさ)
107エール、オースに見出(みいだ)され
108抜擢(ばつてき)されて片彦(かたひこ)
109秘書役(ひしよやく)までも(のぼ)りつめ
110大黒主(おほくろぬし)(めい)()
111斎苑(いそ)(やかた)()めよする
112(いくさ)(なか)(まじ)はりて
113(こま)(またが)りイソイソと
114河鹿(かじか)(たうげ)()()れば
115三五教(あななひけう)神司(かむづかさ)
116治国別(はるくにわけ)言霊(ことたま)
117(うち)なやまされ散々(さんざん)
118憂目(うきめ)出逢(であ)片彦(かたひこ)
119部下(ぶか)軍兵(ぐんぺい)(ことごと)
120(くも)(かすみ)()()りぬ
121(あと)(のこ)りし吾々(われわれ)
122(すすき)()にも(おそ)れつつ
123(あし)をしのばせ山神(やまがみ)
124(ほこら)(まへ)()()れば
125(あに)はからむや(にい)さまの
126亀彦(かめひこ)さまは言霊(ことたま)
127妙力(めうりき)()たる宣伝使(せんでんし)
128治国別(はるくにわけ)相分(あひわか)
129狂喜(きやうき)(なみだ)やるせなく
130道公(みちこう)さまのもてなしで
131治国別(はるくにわけ)対面(たいめん)
132名乗(なの)(たま)へと(おとな)へど
133バラモン(けう)(つか)へたる
134(なんぢ)(ごと)(おとうと)
135わが()()てる(おぼ)えなし
136なぞと(かうべ)(よこ)にふり
137(けん)もほろろの()挨拶(あいさつ)
138(たの)みの(つな)()れはてて
139(とり)つく(しま)(ない)ジヤクリ
140わが(とら)へたる伊太公(いたこう)
141玉国別(たまくにわけ)(おん)(まへ)
142(かへ)(まつ)らにやどうしても
143兄弟(きやうだい)名乗(なのり)出来(でき)よまいと
144(はや)くも(むね)(さと)りしゆ
145竜公(たつこう)さまを(ともな)ひて
146清春山(きよはるやま)岩窟(がんくつ)
147(いた)りて伊太公(いたこう)(すく)()
148(やうや)(あに)(いか)りをば
149()いたる(とき)(うれ)しさよ
150それにまだまだ(うれ)しいは
151ハルナの(みやこ)(わだか)まる
152八岐(やまた)大蛇(をろち)征討(せいたう)
153参加(さんか)なさしめ(たま)ひたる
154(かみ)(たふと)(おん)(めぐ)
155幾千代(いくちよ)(まで)(わす)れまじ
156仮令(たとへ)天地(てんち)はかへるとも
157わが(たましひ)永久(とこしへ)
158(いはほ)(ごと)(うご)かさじ
159(みじか)(この)()(なが)らへて
160()らむ(かぎ)りの(ちから)をば
161(つく)(をは)りて(かみ)()
162(よる)なき(くに)(たのし)みに
163(よく)(まつ)らむ(うれ)しさよ
164治国別(はるくにわけ)宣伝使(せんでんし)
165(この)松公(まつこう)(こと)()
166完全(うまら)委曲(つばら)にきこし()
167(すめ)大神(おほかみ)(おん)(まへ)
168(いの)らせ(たま)惟神(かむながら)
169(かみ)かけ(ねん)(たてまつ)る』
170(うた)ひつつ()くのは、171治国別(はるくにわけ)(おとうと)松公(まつこう)にぞありける。
172 竜公(たつこう)(また)(うた)ふ。
173竜公朝日(あさひ)()(とも)(くも)(とも)
174(つき)()(とも)()くる(とも)
175仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)(とも)
176バラモン(けう)悪神(あくがみ)
177言向和(ことむけやは)神国(かみくに)
178(さか)えを世界(せかい)(かがや)かし
179()きては(この)()(かみ)となり
180()しては高天(たかま)天人(てんにん)
181なりて常世(とこよ)(はな)(はる)
182(ゑら)(たの)しむ(みたま)にと
183すすませ(たま)惟神(かむながら)
184われ()(かみ)()(かみ)(みや)
185(にく)(みや)をば脱出(だつしゆつ)
186(よる)なき(くに)()(とき)
187吾一代(われいちだい)功名(こうみやう)
188(かみ)はうべなひ(たま)ひつつ
189数多(あまた)乙女(をとめ)(つか)はして
190歌舞(かぶ)音楽(おんがく)(そう)しつつ
191芳香(はうかう)四方(よも)にくゆらせつ
192(さか)(ひさ)しき天国(てんごく)
193(よろこ)(むか)(たま)ふまで
194(こころ)(つく)()(つく)
195(ぜん)(しん)とを()(うへ)
196(かがや)(わた)三五(あななひ)
197(かみ)()むねに(かな)ふべく
198(まも)らせ(たま)天地(あめつち)
199(かしこ)(かみ)(おん)(まへ)
200竜公司(たつこうつかさ)(つつし)みて
201一重(ひとへ)(ねが)(たてまつ)
202(この)()(つく)りし神直日(かむなほひ)
203(こころ)(ひろ)大直日(おほなほひ)
204(ただ)何事(なにごと)(ひと)()
205(あやま)(おほ)きものならば
206(ひろ)(こころ)()(なほ)
207(また)もや見直(みなほ)()(なほ)
208(ゆる)させ(たま)惟神(かむながら)
209(かみ)御前(みまへ)()(まつ)る』
210 ()(うた)(なが)(やうや)くにして山口(やまぐち)についた。211谷川(たにがは)(ひだり)にそれて水音(みなおと)さへも(きこ)えなくなつて()た。212此処(ここ)には()なり(おほ)きな老樹(らうじゆ)(しげ)つた(もり)がある。213(これ)山口(やまぐち)(もり)といふ。214一行(いつかう)(ろく)(にん)夜露(よつゆ)(しの)がむと宵暗(よひやみ)(なか)(あし)さぐりし(なが)(すす)()る。215(ふる)(ほこら)(あと)()えて台石(だいいし)ばかりが(のこ)つてゐる。216此処(ここ)一行(いつかう)(みの)をしき一夜(いちや)(あか)(こと)となりける。
217治国別(はるくにわけ)山口(やまぐち)時雨(しぐれ)(もり)()()れば
218(とり)さへ()かぬ(やみ)(しづ)けさ。
219(この)(さき)はバラモン(けう)戦士(いくさびと)
220われを()たむと()(かま)ふらむ。
221如何(いか)(ほど)(たけ)魔人(まびと)()()とも
222わが言霊(ことたま)伊吹(いぶ)(はら)はむ』
223万公(まんこう)(つき)かげもなきくらがりの木下暗(こしたやみ)
224()かして(とほ)(わが)()一行(いつかう)
225河鹿山(かじかやま)(やうや)くここに(くだ)()
226(かみ)(めぐ)みに一息(ひといき)するなり。
227御恵(みめぐ)みの(つゆ)(あた)りに(ひか)れども
228(つき)なき夜半(よは)()るすべもなき。
229やがて(また)(ひがし)(そら)をてらしつつ
230(つき)大神(おほかみ)(のぼ)りますらむ』
231晴公(はるこう)(ほし)かげは真砂(まさご)(ごと)(かがや)けど
232()()のしげみに(かく)れましぬる。
233よをてらす(つき)御神(みかみ)(いさをし)
234天照(あまて)(かみ)(おと)らざるなり。
235天伝(あまつた)月日(つきひ)(かみ)()めぐみに
236(ひと)はさらなり万物(ばんぶつ)(さか)ゆく』
237五三公(いそこう)斎苑(いそ)(やかた)しづまりゐます素盞嗚(すさのを)
238(みづ)のみかげを(いま)ぞしのばゆ』
239松公(まつこう)(みち)のため()のため(つく)赤心(まごころ)
240暗夜(やみよ)()らす(つき)にあらずや。
241(あかつき)(そら)をてらして(くれなゐ)
242(くも)押分(おしわ)(のぼ)()(かみ)
243夕暮(ゆふぐれ)(そら)(かがや)三日月(みかづき)
244(あま)岩戸(いはと)()けしかとぞ(おも)ふ。
245(つき)()れば(もも)のうきごと()えて()
246(みづ)(みたま)(あら)ひますらむ。
247(ひと)(みな)()()(みち)惟神(かむながら)
248(かみ)(こころ)(かな)はむがため。
249(この)(もり)一夜(いちや)()かし明日(あす)(また)
250浮木(うきき)(もり)(あめ)やどりせむ』
251竜公(たつこう)『バラモンの(しこ)(つかさ)此処(ここ)彼処(かしこ)
252(うかが)ひよらむ(こころ)しませよ。
253片彦(かたひこ)目付(めつけ)(かみ)河鹿山(かじかやま)
254山口(やまぐち)四辺(あたり)彷徨(さまよ)ふと()く』
255治国別(はるくにわけ)何事(なにごと)(かみ)(こころ)(まか)すこそ
256(ひと)()()大道(おほぢ)なるべし』
257 此処(ここ)一行(いつかう)(みの)()夜露(よつゆ)(をか)して安々(やすやす)(ねむ)りに()きにける。
258大正一一・一二・七 旧一〇・一九 外山豊二録)
259(昭和九・一二・二六 王仁校正)
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