霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二一章 小北山(こぎたやま)〔一一九〇〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第44巻 舎身活躍 未の巻 篇:第3篇 珍聞万怪 よみ(新仮名遣い):ちんぶんばんかい
章:第21章 小北山 よみ(新仮名遣い):こぎたやま 通し章番号:1190
口述日:1922(大正11)年12月09日(旧10月21日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年8月18日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
松彦一行はしばらく休憩ののち、一丁ばかり急な坂を上り、細い階段を二百段ばかり上りつめると小北山神館の門口に着いた。そこには白髪の老人(文助)が机を前に据えて、白衣に白袴でキチンと座っていた。奥からはざわざわと祈念の声が聞こえてくる。
松彦は旅の者だと名乗り、老人に声をかけた。老人は目が見えないと言い、人に頼まれてこうして神様の絵を描いているのだという。
万公は絵を見て、松に黒い蛇がとぐろを巻いているというと、老人は、これは竜宮の乙姫様を描いたものだと怒った。松彦は、この者は少し気がふれているだと老人をなだめた。
老人が言うには、この広間は元はフサの国の北山村にあり高姫、黒姫が開いたものだという。しかし教祖の二人が三五教に入ってしまったために、総務をしていた蠑螈別が、魔我彦という弟子を連れてここにやってきて、小北山の神殿と名付けて開いたのだという。
蠑螈別はその体にたくさんの神様が入られるので、お酒の接待で忙しいのだという。松彦が御神名を尋ねると、老人は得意になってたくさんの神名をあげつらった。万公がでたらめさに茶々を入れるが、松彦がまた老人をなだめた。
老人は一行を連れてたくさん山の中に立っている神社に案内を始めた。急な坂道を登って行きいくつかの神社を案内した。万公がまた茶々を入れて老人の気を悪くしたが、松彦がなだめた。
老人は宿泊を勧めたが、一行は先を急ぐと言って去って行った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2022-10-20 04:08:22 OBC :rm4421
愛善世界社版:287頁 八幡書店版:第8輯 241頁 修補版: 校定版:302頁 普及版:126頁 初版: ページ備考:
001 松彦(まつひこ)一行(いつかう)(しばら)休憩(きうけい)(のち)002一町(いつちやう)(ばか)峻坂(しゆんぱん)(のぼ)り、003(ほそ)階段(きざはし)二百(にひやく)(ばか)(きざ)(なが)(やうや)小北山(こぎたやま)神館(かむやかた)門口(かどぐち)()きける。004そこには白髪(はくはつ)老人(らうじん)(つくゑ)(まへ)()ゑ、005白衣(びやくい)白袴(しろはかま)置物(おきもの)(やう)にキチンと(すわ)つてゐる。006(おく)(はう)にはザワザワと祈念(きねん)(こゑ)(きこ)えて()る。007松彦(まつひこ)は、
008松彦『お()イさま、009(わたし)(たび)(もの)ですが、010結構(けつこう)(かみ)(さま)がお(まつ)りになつてあると(うけたま)はり参拝(さんぱい)をさして(いただ)きました、011ここの(をしへ)(なん)(まを)しますか』
012老人(文助)『お(まへ)さまはどこの(かた)()らぬが、013ようマア、014()参詣(さんけい)になりました。015(わたし)()()えぬので、016かうして受付(うけつ)けをやつてゐるのだが、017それでも有難(ありがた)いもので、018(ひと)(こゑ)()けば、019(をとこ)(をんな)年寄(としより)(わか)(もの)(こころ)のよい(ひと)(わる)(ひと)か、020よく(わか)るのだから有難(ありがた)いものだ。021そしてチヨコチヨコ(ひと)(たの)まれて、022(この)(とほ)()()いてるのだ』
023松彦(なん)(めう)ですなア、024一寸(ちよつと)()せて御覧(ごらん)
025老人『ハイハイ()(くだ)さい、026これでも信者(しんじや)(ひと)(よろこ)ンで(がく)にしたり、027掛地(かけぢ)にしたりするのだから……』
028松彦『なる(ほど)029()()えぬ(ひと)()いた()にしては感心(かんしん)なものだ。030ヤア(まつ)竜神(りうじん)さまが()きついたり、031(かぶら)大根(だいこん)032円山(まるやま)応挙(おうきよ)でも(はだし)()(さう)だ。033オイ万公(まんこう)さま、034(まへ)(かぶら)大根(だいこん)好物(かうぶつ)だないか、035(ひと)(いただ)いたら()うだ』
036万公(まんこう)松彦(まつひこ)さま、037あなたも余程(よほど)身魂(みたま)(わる)いと()えて、038(この)()御覧(ごらん)なさい、039(まへ)さまの()(まつ)一本(いつぽん)(つの)()えた黒蛇(くろくちなは)()いてるぢやありませぬか』
040老人何処(どこ)(かた)()らぬが、041これは竜宮(りうぐう)乙姫(おとひめ)さまの()神体(しんたい)だ。042黒蛇(くろくちなは)なぞと勿体(もつたい)ない(こと)をいひなさるな』
043万公(まんこう)『それでも(おほ)きな(くち)があつて(くろ)(なは)(ひつ)ついとるぢやないか。044それで(わたし)(くろ)口縄(くちなは)だといつたのだ』
045老人『アハヽヽヽ、046(まへ)さまは()()()()いから(こま)つたものだナア』
047万公(まんこう)此方(こちら)()()いのは当然(たうぜん)だ。048()()いお()イさまの()いたのだもの、049こら大方(おほかた)冥土(めいど)竜神(りうじん)さまかも()れぬぞ』
050老人『お(まへ)さまは(この)(やかた)(ひや)かしに()たのだな、051そンな(ひと)()ンで(くだ)さい、052アタ(まん)(わる)い』
053松彦(まつひこ)『お()イさま、054此奴(こいつ)ア、055チと()()れてますから、056何卒(どうぞ)了見(れうけん)してやつて(くだ)さい。057(じつ)(ところ)(この)気違(きちが)ひを(なほ)して(いただ)かうと(おも)つて()れて()ましたのぢや、058田圃(たんぼ)(なか)這入(はい)つて、059大根(だいこん)(かぶら)(なま)(かぢ)つたり、060薩摩芋(さつまいも)(つち)のついたなり、061ほほばるのですから、062(こま)つた癲狂院(てんきやうゐん)代物(しろもの)ですわい。063(なん)とか(なほ)して(いただ)工夫(くふう)はありますまいかな』
064老人()(ほど)さう()けばチツと(この)(かた)()()れてると()えますわい、065どうも(わたし)(れい)(その)(やう)(はじ)めから(かん)じました。066()(どく)(ござ)いますなア。067この気違(きちが)ひは容易(ようい)(なほ)りますまいから、068(しばら)()(をさ)まる(まで)069(いし)(らう)がして(ござ)いますから、070(あづ)かり(まを)して(さん)週間(しうかん)(ばか)(くら)(ところ)()()ンでおきませうよ』
071万公(まんこう)『イヤもうお()イさま結構(けつこう)です。072貴方(あなた)のお(かほ)(をが)ンでから、073次第(しだい)々々(しだい)気分(きぶん)がよくなり()うやらモウ正気(しやうき)になりました。074モウ結構(けつこう)(ござ)います』
075老人『それでも再発(さいはつ)したりすると(こま)るから、076二三(にさん)(にち)()れて()ませうかな。077松彦(まつひこ)さまとやらお(かんが)へは()うですか』
078 万公(まんこう)松彦(まつひこ)(そで)(しき)りに(ひつ)ぱつてゐる。
079松彦『ヤア(これ)(くらゐ)なら(たい)した(こと)はありますまい。080マア(しばら)容子(ようす)()(うへ)でお(ねがひ)する(こと)(いた)しませう』
081老人『そンなら貴方(あなた)()意見(いけん)(まか)しませう。082何時(なんどき)でも()(あづ)かり(いた)しますから』
083松彦『ハイ有難(ありがた)(ござ)います。084何卒(どうぞ)(よろ)しう(たの)みます』
085 五三公(いそこう)小声(こごゑ)万公(まんこう)(そで)をチヨイチヨイと(ひつ)ぱり、
086五三公『オーイ(まつ)黒蛇(くろくちなは)087大根(だいこん)(かぶら)(ばか)()いてるぢやないか、088(まる)二十(にじつ)世紀(せいき)三五教(あななひけう)五六七(みろく)殿(でん)()四方(しかた)文蔵(ぶんざう)さまの(やう)なお()イさまだねえ』
089万公『ウフヽヽオイあこに(ひげ)()えた(ひと)()るぢやないか。090あの(ひと)こそ本当(ほんたう)(かみ)さまみた(やう)だなア。091あの先生(せんせい)(をが)ンで(もら)うたら、092有難(ありがた)いに(ちが)ひないぞ』
093五三公『ナアにあれは(うたひ)先生(せんせい)だ。094大分(だいぶん)(さけ)()きだと()えて、095あの(かほ)(いろ)みい、096ホテつてるぢやないか』
097万公『コリヤ(おほ)きな(こゑ)()ふな。098(きこ)えるぞ』
099 松彦(まつひこ)は、
100松彦(この)教会(けうくわい)縁起(えんぎ)(きき)たいものですなア』
101()へば、102老爺(おやぢ)(こころ)よく、
103老人『ハイ(この)小北山(こぎたやま)のお広間(ひろま)(もと)はフサの(くに)北山村(きたやまむら)にあつたのだ。104高姫(たかひめ)黒姫(くろひめ)といふ立派(りつぱ)宣伝使(せんでんし)があり、105高姫(たかひめ)さまが教祖(けうそ)で、106黒姫(くろひめ)さまが副教祖(ふくけうそ)であつた。107たうとうあの(ひと)(をし)(こと)になつたものだ。108アブナイ(けう)とかへ(くび)突込(つつこ)ンで(しま)ひ、109(いま)はどうならしやつたか、110便(たよ)りもなし、111(じつ)にアブナイ(こと)をしたものだ。112そこで総務(そうむ)をして(ござ)つた蠑螈別(いもりわけ)さまが魔我彦(まがひこ)といふ弟子(でし)()れてここへお(いで)になり、113小北山(こぎたやま)神殿(しんでん)というて、114高姫(たかひめ)遺鉢(ゐはつ)()け、115ここで(をしへ)(ひら)かれたのだ。116随分(ずゐぶん)沢山(たくさん)(かみ)(さま)(あつ)まつて(ござ)()高天原(たかあまはら)ぢやぞえ。117(まへ)さまも(かみ)(さま)因縁(いんねん)があればこそ引寄(ひきよ)せられなさつたのだよ』
118 松彦(まつひこ)は、
119松彦有難(ありがた)(ござ)います。120(その)蠑螈別(いもりわけ)さまはゐられますかなア』
121老人『ハイ大奥(おほおく)にゐられますが、122(あま)りいろいろの(かみ)(さま)()出入(でい)(あそ)ばすので、123(いそが)しうてお(さけ)接待(せつたい)(ばか)りしてゐられます』
124松彦蠑螈別(いもりわけ)(さま)(ひと)つの(からだ)にさう大勢(おほぜい)(あつ)まりになるのですかなア。125ソリヤ大抵(たいてい)ぢやありませぬなア』
126老人(いま)かむづまり(ひこの)(みこと)仰有(おつしや)いましてな、127ウラナイ(けう)教祖(けうそ)(ござ)いますぞ。128それだから随分(ずゐぶん)沢山(たくさん)(かみ)(さま)()出入(でい)(あそ)ばし、129神酒(みき)をあがるので、130(あさ)から(ばん)まで本性(ほんしやう)はチツとも(ござ)いませぬ、131本当(ほんたう)(めう)ですワ。132(いま)仰有(おつしや)つた(こと)と、133(すこ)(あと)仰有(おつしや)つた(こと)とは、134クレリツと(ちが)ふのですから、135そこが所謂(いはゆる)八百万(やほよろづ)(かみ)(さま)のお(あつ)まりなさる証拠(しようこ)です。136(なん)(えら)いお(かた)もあつたものですワイ』
137松彦『さうするとお(うつ)りになる(かみ)(さま)(なん)(まを)しますかな』
138老人(あま)沢山(たくさん)早速(さつそく)には(かぞ)へる(こと)出来(でき)ませぬが、139(なに)()つても、140八百万(やほよろづ)(かみ)さまですからな。141()第一(だいいち)神集(かむつど)(ひこ)(かみ)142神議姫(かむはかりひめの)(みこと)(さま)143葦原(あしはら)瑞穂彦(みづほひこの)(みこと)(さま)144八洲国(やすくに)(たひら)(ひめの)(みこと)(さま)145言依(ことよ)さしまつりの命様(みことさま)146(あら)ぶる(かみ)(さま)147言問(こととひ)(ひめの)(みこと)(さま)148神払彦(かむはらひひこの)(みこと)(さま)149岩根(いはね)木根(きね)立彦(たちひこの)(みこと)(さま)150片葉(かきは)言止(ことや)(ひめの)(みこと)(さま)151(あめ)岩座放(いはくらはな)ちの命様(みことさま)152(あめ)八重雲(やへくも)(ひめの)(みこと)(さま)153(いづ)千別彦(ちわけひこの)(みこと)(さま)154四方(よも)国中彦(くになかひこの)(みこと)(さま)155(した)岩根彦(いはねひこの)(みこと)(さま)156宮柱(みやばしら)(ふと)しき()ての命様(みことさま)157(あめ)御影彦(みかげひこ)158()のみかげ(ひめ)159益人姫(ますひとひめ)160(あやま)(をか)(ひこ)161くさぐさの(つみ)(ひめ)162畔放(あはな)(ひこ)163みぞうめ(ひめ)164(はな)ちしきまき(ひめ)165(くし)さし(さま)……といふ(やう)立派(りつぱ)(かみ)(さま)沢山(たくさん)(まつ)つて(ござ)います』
166 万公(まんこう)はあきれ(がほ)で、
167万公(まる)三五教(あななひけう)祝詞(のりと)そつくりぢやないか。168(めう)()のついた(かみ)さまもあつたものぢやなア』
169 ()イは真面目(まじめ)(かほ)して、
170老人(かみ)(さま)(その)(はたら)きに()つてお()(あら)はれて()るのだから、171()さへ()けば(なに)()守護(しゆご)(くだ)さるといふ(こと)がよく(わか)るやうに、172蠑螈別(いもりわけ)教祖(けうそ)がおつけ(あそ)ばしたのだ。173(もと)より(かみ)(さま)()()はない、174人間(にんげん)(みな)()差上(さしあ)げて(たた)へまつるのだからなア』
175松彦()(ほど)176如何(いか)にも御尤(ごもつと)も。177流石(さすが)蠑螈別(いもりわけ)教祖(けうそ)(さま)ですなア、178(ぢい)さま、179(ひと)松彦(まつひこ)(かみ)(さま)因縁(いんねん)()かして(くだ)さいな、180(いま)仰有(おつしや)つた(かみ)(さま)はどこに(まつ)られて(ござ)いますか』
181老人(その)(かみ)(さま)神言殿(かみごとでん)といふ御殿(ごてん)()てて(まつ)らねばならぬのだが、182まだ準備中(じゆんびちう)だ。183かうして(やま)のどてつ(ぺん)まで沢山(たくさん)(みや)()つてゐるが、184一番(いちばん)(した)(おほ)きな御殿(ごてん)大門(おほもん)神社(じんしや)()つて、185世界(せかい)根本(こんぽん)()えぬきの(かみ)(さま)(まつ)つてあるのだ』
186松彦『そして(その)(かみ)(さま)()御存(ごぞん)じですか』
187老人『アハヽヽヽ、188肝腎(かんじん)()(つか)へしてる(かみ)(さま)()(わか)らいで()うなりますか、189(まへ)さまも余程(よほど)(わか)らずやだなア』
190松彦(わか)らないからお(たづ)ねしとるのぢやありませぬか』
191老人一番(いちばん)(この)()()先祖(せんぞ)さまが、192国治立(くにはるたちの)(みこと)(さま)193それから(ひだり)のお脇立(わきだち)ゆらり(ひこの)(みこと)194(みぎ)のお脇立(わきだち)が、195上義姫(じやうぎひめの)(みこと)(さま)だ。196そしてゆらり(ひこの)(みこと)(さま)(また)御名(みな)末代(まつだい)()王天(わうてん)大神(おほかみ)(さま)(まを)しますのだ。197それから日照(ひてら)大神(おほかみ)さまといふのが(まつ)つてある、198(その)(かみ)(さま)()分霊(ぶんれい)羊姫(ひつじひめ)(さま)199羊姫(ひつじひめ)妹様(いもうとさま)常世姫(とこよひめの)(みこと)(さま)だよ。200そして稚姫君(わかひめぎみの)(みこと)(さま)(うしとら)金神(こんじん)(さま)(ひつじさる)金神(こんじん)(さま)(おん)娘子(むすめご)だ』
201松彦一寸(ちよつと)()つて(くだ)さい。202ソリヤ(すこ)配列(はいれつ)(ちがひ)はしませぬか』
203老人『お(だま)りなさい。204(かみ)(さま)戸籍(こせき)調(しら)べをしてゐるのに、205勿体(もつたい)ない(なに)をグヅグヅ()ひなさる。206()にいらな()いて(くだ)さるな。207モウいひませぬぞや』
208松彦『イヤこれはこれは不調法(ぶてうはふ)(まを)しました。209どうぞ()教訓(けうくん)(ねが)ひます』
210老人『それなら()かして()げやう。211(しつか)()きなされ。212(この)大門(おほもん)神社(じんじや)にはそれ(だけ)(かみ)(さま)と、213まだ(ほか)沢山(たくさん)(かみ)(さま)がお(まつ)りしてあるのだ。214稚姫君(わかひめぎみの)(みこと)(さま)天地(てんち)から()(あづ)かり(あそ)ばした(はち)(にん)結構(けつこう)(かみ)(さま)がある。215第一(だいいち)義理(ぎり)天上(てんじやう)日出(ひのでの)(かみ)(さま)216第二(だいに)青森(あをもり)白木(しらき)(じやう)命様(みことさま)217(つぎ)天地(てんち)尋常(じんじやう)(さま)218これ(だけ)(をとこ)(かみ)(さま)219(つぎ)常世姫(とこよひめ)(さま)220(つぎ)金竜姫(きんりようひめ)(さま)221(つぎ)大足姫(おほだるひめ)(さま)222(つぎ)琴上姫(ことじやうひめ)(さま)223(その)(つぎ)金山姫(かなやまひめ)(さま)(この)三男(さんなん)五女(ごぢよ)変性(へんじやう)男子(なんし)系統(ひつぱう)(ござ)いますぞや。224それから(また)常世姫(とこよひめ)(さま)天地(てんち)(かみ)(さま)から(はじ)めてお(あづ)かりになり(そだ)()げられた(かみ)(さま)八柱(やはしら)225これは五男(ごなん)三女(さんぢよ)だ、226第一(だいいち)地上(ちじやう)大臣(だいじん)(さま)227(つぎ)がたがやし大臣(だいじん)(さま)228(つぎ)地上丸(ちじやうまる)(さま)229(つぎ)きつく(ひめ)(さま)230(つぎ)旭子姫(あさこひめ)(さま)231(つぎ)花依姫(はなよりひめ)(さま)232(この)(かみ)(さま)(みたま)猿彦姫(さるひこひめ)変化(へんげ)233(また)変化(へんげ)(あそ)ばしてみのり(ひめ)とやがてお()(あそ)ばすさうだ。234それから早里姫(はやさとひめ)235地上姫(ちじやうひめ)236以上(いじやう)十六柱(じふろくはしら)(みたま)根本(こつぽん)(もと)(まこと)生粋(きつすゐ)大和(やまと)(だましひ)因縁(いんねん)(かみ)(さま)(ござ)います。237これを(あは)して四々(しし)十六(じふろく)(きく)(かみ)(さま)(まを)します。238それから(また)239義理(ぎり)天上(てんじやう)さまが(あづか)つて(そだ)てた(かみ)(さま)(しち)(にん)(ござ)る。240第一(だいいち)天照彦(あまてるひこ)241天若彦(あまわかひこ)242(つぎ)八王(やつわう)大神(だいじん)243大野(おほの)大臣(だいじん)244それから道城(だうじやう)よしのり、245大広木(おほひろき)正宗(まさむね)246柔道(じうだう)行成(ゆきなり)247都合(つがふ)二十三(にじふさん)(ばしら)(かみ)(さま)天地(てんち)根本(こつぽん)248生粋(きつすゐ)(みたま)(もと)(かみ)(さま)だ。249これ(くらゐ)結構(けつこう)(かみ)(さま)(をしへ)()(なが)ら、250第一(だいいち)教祖(けうそ)高姫(たかひめ)さまはアブナイ(けう)沈没(ちんぼつ)して(しま)つたのだから(をし)いものですわい』
251万公(まんこう)『もし松彦(まつひこ)さま、252サツパリ支離(しり)滅裂(めつれつ)ぢやありませぬか。253(おや)かと(おも)へば()になつたり、254()かと(おも)へば(おや)になつたり、255なンと(わけ)(わか)らぬ(かみ)さまですな。256マンマンマンマー』
257老人『コレ、258支離(しり)滅裂(めつれつ)とは(なに)()ふのだ。259ヤツパリお(まへ)気違(きちが)ひだな、260(だま)つて()かつしやらぬかいな』
261万公『ハイ万々(まんまん)()かして(もら)ひませぬワイ』
262松彦此奴(こいつ)あキ(じるし)ですから、263どうぞ()にさえずに()つて(くだ)さい。264松彦(まつひこ)はお(わび)します』
265老人『ヨシヨシ、266(いま)()うた二十三(にじふさん)(ばしら)(かみ)(さま)天地(てんち)をお(つく)(あそ)ばし、267人間(にんげん)姿(すがた)(あら)はして、268現界(げんかい)政治(せいぢ)(あそ)ばしたが大将軍(だいしやうぐん)(さま)269常世姫(とこよひめ)(さま)夫婦(ふうふ)(ござ)います。270それが(また)271大将軍(だいしやうぐん)()夫婦(ふうふ)(あま)()(つよ)いので、272折角(せつかく)神政(しんせい)(やぶ)れ、273()退隠(たいいん)なされ、274第二(だいに)政治(せいぢ)をなされたのが、275地上(ちじやう)大臣(だいじん)(さま)276(たがや)大臣(だいじん)(さま)277そこへ地上丸(ちじやうまる)(さま)()手伝(てつだひ)(あそ)ばして、278三人世(さんにんよ)(もと)結構(けつこう)()(ひら)きかけてをつたが、279(また)もや慢心(まんしん)()現界(げんかい)政治(せいぢ)(つぶ)れ、280()むを()(また)大将軍(だいしやうぐん)(さま)変化(へんげ)てサダ彦王(ひこわう)となり、281常世姫(とこよひめ)(さま)変化(へんげ)てサダ子姫(こひめ)となり、282きつく(ひめ)283旭子姫(あさこひめ)284花依姫(はなよりひめ)といふ(さん)(にん)()をお()(あそ)ばしたが、285(また)(その)政治(せいぢ)(つぶ)高天原(たかあまはら)大騒動(おほさうどう)(はじ)まりました。286それから今度(こんど)四代目(よだいめ)天下(てんか)政治(せいぢ)(あそ)ばしたのが、287八王(やつわう)大神(だいじん)(さま)王竜姫(わうりやうひめ)(さま)288王竜姫(わうりやうひめ)(のち)大鶴姫(おほづるひめ)とおなり(あそ)ばした。289(また)(その)政治(せいぢ)がつぶれ、290五代目(ごだいめ)政治(せいぢ)をなさつたのが大野(おほの)大臣(だいじん)(さま)291大野姫(おほのひめ)のお二方(ふたかた)292(この)(とき)非常(ひじやう)(さかん)であつて、293世界中(せかいぢう)(ひと)つに(をさ)まり、294(あと)にも(さき)にもないやうな()(なか)政治(せいぢ)(おこな)はれた。295そして青森(あをもり)行成(ゆきなり)さまや、296義理(ぎり)天上(てんじやう)さま、297天地(てんち)尋常(じんじやう)さまがお手伝(てつだ)ひをなさつたので、298非常(ひじやう)(いきほひ)になつて()た。299そした(ところ)(あま)()(のぼ)りつめて(また)大野(おほの)大臣(だいじん)さまの政治(せいぢ)がメチヤメチヤに(やぶ)れ、300第六番(だいろくばん)()には道場(だうぢやう)美成(よしなり)(さま)事足姫(ことたりひめ)()夫婦(ふうふ)()政治(せいぢ)(あそ)ばし、301大広木(おほひろき)正宗(まさむね)302柔道(じうだう)行成(ゆきなり)といふ二人(ふたり)のお()さまが出来(でき)303いよいよ神政(しんせい)成就(じやうじゆ)成上(なりあが)がつたと(おも)へば(すこ)しの()(また)もや、304慢心(まんしん)(あそ)ばし、305八岐(やまた)大蛇(をろち)金毛(きんまう)九尾(きうび)曲鬼(まがおに)悪霊(あくれい)蹂躙(じうりん)されて、306()(なか)がサーパリわやになつて(しま)ひ、307そこへ変性(へんじやう)女子(によし)素盞嗚(すさのをの)(みこと)(あら)はれて、308(あく)(かがみ)()したものだから、309今日(こんにち)のやうな(つよ)者勝(ものがち)世界(せかい)出来(でき)たのだ。310(この)ウラナイ(けう)御覧(ごらん)(とほ)天下(てんか)太平(たいへい)上下(じやうか)一致(いつち)だが三五教(あななひけう)にバラモン(けう)311ウラル(けう)などは(いくさ)ばかりしてゐるぢやないか。312(かみ)(さま)喧嘩(けんくわ)なさるといふ(こと)はある()からざる(こと)だ、313(まへ)さまもそンな喧嘩好(けんくわずき)(かみ)(さま)信仰(しんかう)せずにウラナイ(けう)(かみ)(さま)信仰(しんかう)をなされ、314(むかし)(むかし)のさる(むかし)因縁(いんねん)から、315根本(こつぽん)根本(こつぽん)から、316大先祖(おほせんぞ)因縁(いんねん)317霊魂(みたま)性来(しやうらい)318()()(ごと)くに(わか)りますぞや。319あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
320万公『アハヽヽヽ万公(まんこう)満口(まんこう)()さがらぬワ、321イヒヽヽヽ』
322松彦(また)()(ちが)()した、323(こま)つた(やつ)だなア、324ウツフヽヽ、325松彦(まつひこ)(こま)りますよ』
326老人『これで(この)大門(おほもん)神社(じんじや)(かみ)(さま)因縁(いんねん)はあらまし(わか)つたでせう』
327松彦『ハイ、328よく(わか)りました。329有難(ありがた)(ござ)いました。330貴方(あなた)随分(ずゐぶん)(くは)しいお(ぢい)さまだが、331()(なん)(まを)しますかな』
332老人(わたし)おちたきつ(ひこ)(まを)しますよ』
333松彦『ヘー、334(なが)いお()ですな』
335老人蠑螈別(いもりわけ)(さま)(いただ)いた神名(しんめい)だから、336(なが)くても仕方(しかた)がありませぬ。337()(なが)(もの)長生(ながいき)をするとかいひますから、338(すこ)(なが)くてもいいのですが、339まだ修行(しうぎやう)()らぬので、340ここらで()められて()るので(ござ)います。341(わたし)修行(しうぎやう)()みた(うへ)は、342おちたきつ速川(はやかは)()にます(ひこの)(みこと)といふ()をやらうと仰有(おつしや)いました』
343一同『ウツフヽヽ、344エツヘヽヽ』
345一同(いちどう)(わら)ふ。
346老人『サア(これ)から、347種物(たねもの)神社(じんしや)案内(あんない)(いた)しませう』
348松彦老爺(おぢい)さま、349()のお(わる)いのにすみませぬなア』
350老人()(わる)いと()つても、351(かみ)(さま)御用(ごよう)ならば(なん)でも出来(でき)るのだ。352サアついて()なさい。353きつい(やま)だぞえ、354(すべ)りこけて向脛(むかうずね)()つたり、355(こし)をぬかさぬやうになさいませや』
356()(なが)ら、357種物(たねもの)神社(じんじや)(まへ)へエチエチと(のぼ)りつめた。
358松彦『ここには石造(いしづく)りの(みや)木造(もくざう)拝殿(はいでん)()つて()りますなア。359(なん)とマア(えら)断岩(だんがん)絶壁(ぜつぺき)(ひら)いて()てられたものですなア』
360老人『ハイ(これ)大将軍(だいしやうぐん)(さま)生宮(いきみや)地上丸(ちじやうまる)さまの生宮(いきみや)鶴嘴(つるばし)(さき)擂粉木(すりこぎ)になる(ところ)(まで)(いは)をこついてお(つく)(あそ)ばしたのだ。361(なん)感心(かんしん)なもので(ござ)いませうがなア。362(この)(かみ)(さま)()世界(せかい)大神(おほかみ)(さま)()丸姫(まるひめ)大神(おほかみ)(さま)(まつ)つてある。363そして(みぎ)(はう)義理(ぎり)天上(てんじやう)さまと玉乗姫(たまのりひめ)(さま)(まつ)(こと)になつて()ります。364(ひだり)(はう)には大将軍(だいしやうぐん)(さま)常世姫(とこよひめ)(さま)のお(みや)()つのです。365これは世界(せかい)万物(ばんぶつ)種物(たねもの)をお(はじ)(あそ)ばした結構(けつこう)結構(けつこう)根本(こつぽん)(かみ)(さま)ですから、366よく(をが)みておきなさい。367(まへ)さまも(わか)いからどうせ(たね)まきをせにやならぬのだろ。368(かみ)生宮(いきみや)をポイポイと(こしら)へるのが(かみ)役目(やくめ)だから、369(いま)こそ(をとこ)(をんな)(くら)がりで、370かが(やす)生宮(いきみや)(こしら)へるやうになつたが、371(むかし)人間(にんげん)一人(ひとり)仲々(なかなか)(なみ)大抵(たいてい)(つく)れたものでありませぬぞや。372(その)(とく)にあやかる(ため)種物(たねもの)神社(じんじや)(まつ)つてあるのだ』
373松彦『ハイ有難(ありがた)う』
374松彦(まつひこ)はうつむく。
375老人『サア(これ)から、376おちたきつ(ひこ)がモ(ひと)つの(うへ)のお宮様(みやさま)()案内(あんない)(いた)しませう』
377 万公(まんこう)は、
378万公『モシモシお()イさま、379そンなきつい岩石(がんせき)()(わる)いのに(のぼ)つて、380何卒(どうぞ)谷底(たにそこ)()ちたきつ(ひこ)にならぬ(やう)(ねが)ひますで。381サア五三公(いそこう)382アク、383タク、384テク、385()イさまのお(とも)だ。386(なん)とマアきつい(さか)だなア』
387老人『あゝあ、388(ひと)改心(かいしん)さそうと(おも)へば仲々(なかなか)苦労(くらう)だ。389ソレ御覧(ごらん)なさい、390ここに木造(きづく)りの(みや)三社(さんしや)()つてをるだろ。391中央(ちうあう)生場(いきば)神社(じんしや)大神(おほかみ)(さま)392岩照姫(いはてるひめ)大神(おほかみ)(さま)393(この)()夫婦(ふうふ)(まつ)つてある。394(みぎ)のお(やしろ)りんとう美天(びてん)大臣(だいじん)(さま)395木曽(きそ)義姫(よしひめ)大神(おほかみ)(さま)()夫婦(ふうふ)(まつ)つてあるのだ。396そして(ひだり)(はう)(みや)には五六七(みろく)上十(じやうじふ)大神(おほかみ)(さま)397(あさひ)豊栄昇(とよさかのぼ)りの大神(おほかみ)(さま)()夫婦(ふうふ)(まつ)つてあるのだ。398(ひと)(うへ)三社(さんしや)あるけれど、399これから(うへ)(みち)がないから、400ここからお(はなし)しておかう。401(いし)(みや)三社(さんしや)あつて、402正中(まんなか)(つき)大神(おほかみ)(さま)403()大神(おほかみ)(さま)()夫婦(ふうふ)(まつ)つてある。404(みぎ)(いし)(みや)末代(まつだい)()王天(わうてん)大神(おほかみ)(さま)上義姫(じやうぎひめの)大神(おほかみ)(さま)()夫婦(ふうふ)がお(まつ)りになつてゐる。405(ひだり)(はう)日照(ひて)らす大神(おほかみ)(さま)406大照皇(だいせうくわう)大神宮(だいじんぐう)(さま)()夫婦(ふうふ)()(まつ)りだ。407(なん)結構(けつこう)()高天原(たかあまはら)(ひら)けたものでせうがな』
408松彦『モウ(この)(ほか)(かみ)(さま)(まつ)つてある(ところ)はありませぬかナ』
409老人『まだない(こと)はないが、410さう一遍(いつぺん)にお(はな)しすると、411(はなし)(たね)()れるから、412(また)今度(こんど)にのけておきませうかい。413(まへ)さまも一遍(いつぺん)食滞(しよくたい)しては(こま)るからなア』
414万公『アツハヽヽヽお()イさま、415()苦労(くらう)でした。416(じつ)(ところ)(わたし)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)417治国別(はるくにわけの)(みこと)片腕(かたうで)万公(まんこう)さまだ。418気違(きちがひ)でも(なん)でもないのだから、419さう(おも)うて(くだ)さい。420随分(ずゐぶん)怪体(けつたい)(かみ)さまばかり、421()(をが)まして(くだ)さつた。422これも(はなし)(たね)になりますわい。423霊界(れいかい)物語(ものがたり)』にのせたら、424キツと大喝采(だいかつさい)()ませう。425(まへ)さまの(はう)では種物(たねもの)神社(じんじや)だが、426(この)万公(まんこう)さまは種取(たねと)神社(じんしや)だ。427義理(ぎり)かき天上(てんじやう)(かみ)(さま)となつて、428これからウラナイ(けう)一生(いつしやう)懸命(けんめい)信神(しんじん)しませぬワ。429オツホヽヽ』
430老人『この年寄(としより)此処(ここ)(まで)()れて()て、431(なん)()愛想(あいさう)づかしを()ふのだい。432それだから三五教(あななひけう)(あく)(をしへ)といふのだよ。433大方(おほかた)(まへ)変性(へんじやう)女子(によし)(まは)(もの)だろ、434油断(ゆだん)のならぬ代物(しろもの)だなア』
435松彦此奴(こいつ)ア、436()イさま()(ちが)うてるのですから、437どうぞ()()へて(くだ)さいますな』
438老人『あゝさうださうだ、439()()れた(かた)だつたなア。440(なん)気違(きちがひ)でも(あま)りな(こと)()ふと()()うないものだ。441(しか)気違(きちが)ひとあれば(とが)める(わけ)にもゆかぬ、442見直(みなほ)聞直(ききなほ)しておかう』
443松彦『ハイ有難(ありがた)(ござ)いました。444年寄(としより)(たか)(ところ)(まで)()苦労(くらう)になりまして申訳(まをしわけ)(ござ)いませぬ』
445老人『お(まへ)さま(たち)446(した)大広間(おほひろま)今晩(こんばん)はお(とま)りなされ、447(をんな)ばかり(ひやく)(にん)あまりも鮨詰(すしづめ)になつて()()ります』
448 五三公(いそこう)はにやりとしながら、
449五三公『オイ、450アク、451タク、452テク、453()めて(もら)はうかなア』
454アク『なンだ、455(をんな)ばかり鮨詰(すしづめ)になつてると、456(ぢい)さまが()つたら、457(かほ)(ひも)(まで)(ほど)きよつて、458アタ()つともない、459(をんな)(そば)険呑(けんのん)だ。460サア松彦(まつひこ)さま、461(おく)れちやなりませぬ、462折角(せつかく)のお(ぢい)さまの()親切(しんせつ)だが、463今日(けふ)はマア御免(ごめん)(かふむ)つて、464(また)(あらた)めてお世話(せわ)になりませうか』
465松彦『あゝそれがよからう、466()イさま、467どうぞ蠑螈別(いもりわけ)さまに(よろ)しう()つて(くだ)さい。468今日(けふ)(いそ)ぎますから、469これで御免(ごめん)(かうむ)ります』
470老人(まん)さまとやらを()()けて()げて(くだ)さいや、471(あぶ)ない一本橋(いつぽんばし)がありますから、472(かは)(なか)へでも、473()()れた(ひと)飛込(とびこ)むかも()れませぬからな』
474松彦『ハイ()親切(しんせつ)有難(ありがた)(ござ)います。475サア一同(いちどう)(もの)476(いとま)()ひして(いそ)がう。477発車(はつしや)時間(じかん)(おく)れちや今夜中(こんやぢう)万寿山(まんじゆざん)(かへ)れぬからなア。478(ぢい)さま左様(さやう)なら』
479万公おちたきつ速川(はやかは)()にます(ひこ)(かみ)さま、480万々(まんまん)々公(まんこう)有難(ありがた)(ござ)いました』
481老人『アハヽヽヽ、482()()けてお(かへ)りなさい、483万公(まんこう)さまとやら』
484大正一一・一二・九 旧一〇・二一 松村真澄録)
485(昭和九・一二・二九 於湯ケ嶋 王仁校正)
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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
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