霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
目 次設 定
設定
印刷用画面を開く [?]プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。[×閉じる]
話者名の追加表示 [?]セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。[×閉じる]
表示できる章
テキストのタイプ [?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
フォント

ルビの表示



アンカーの表示 [?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌 [?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注 [?][※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]


文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色 [?]底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。[×閉じる]
外字1の色 [?]この設定は現在使われておりません。[×閉じる]
外字2の色 [?]文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。[×閉じる]

  

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。


【新着情報】10月30~31日に旧サイトから新サイトへの移行作業を行う予定です。実験用サイトサブスク
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。

【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034  アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。

          

第一二章 大歓喜(だいくわんき)〔一一八一〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第44巻 舎身活躍 未の巻 篇:第2篇 月明清楓 よみ(新仮名遣い):げつめいせいふう
章:第12章 大歓喜 よみ(新仮名遣い):だいかんき 通し章番号:1181
口述日:1922(大正11)年12月08日(旧10月20日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年8月18日
概要: 舞台:山口の森 あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
これは治国別の言霊歌であった。治国別は晴公と楓の両親を救うため、寝所から言霊歌を発射してバラモン軍を退けたのであった。
治国別は言霊を聞いて起きてきた万公、五三公、竜公、松彦四人に、森の中の二人を探しに行き、また駕籠が二挺あるから担いでくるようにと命じた。
晴公、楓の兄妹は、駕籠をかついだ万公らと共に帰ってきた。駕籠の中の人質を助け出すと、果たしてそれは兄妹の両親の珍彦、静子であった。晴公と楓は両親との対面がかない、治国別に感謝の言葉を述べる。
万公は親子対面のうれしさに調子はずれの宣伝歌を歌って喜びを表した。助け出された珍彦は、アーメニヤをバラモン軍が襲った騒動にまぎれて息子(晴公)と生き別れ、親子三人で逃げてきたところ、ライオン川のほとりで黄金姫一行に出会って三五教の神徳をいただき暮らしていた経緯を語った。
珍彦、静子、楓の三人がそのまま川のほとりで草小屋を作って暮らしていたところ、ランチ将軍の手下に三五教の斥候だと間違われて捕えられたのだという。
晴公は本名の俊彦を名乗って親子の対面を果たした。治国別は親子四人に手紙を持たせて、玉国別への使いとした。晴公はじめ四人は玉国別に面会し、河鹿峠の神殿造営の神業に携わることになった。
珍彦と静子の老夫婦は神殿のお給仕役となり、楓は五十子姫の侍女となった。神殿落成ののち、楓は斎苑館に落ち着き神の道を研究し、立派な宣伝使となった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-02-13 16:04:56 OBC :rm4412
愛善世界社版:159頁 八幡書店版:第8輯 196頁 修補版: 校定版:167頁 普及版:71頁 初版: ページ備考:
001 治国別(はるくにわけ)言霊(ことたま)一同(いちどう)(おどろ)()()まし、002万公(まんこう)()をこすり(なが)ら、
003万公先生(せんせい)貴方(あなた)(にはか)言霊(ことたま)発射(はつしや)なさいましたが、004(なに)(かは)つた(もの)(あら)はれたのですか』
005治国別『ウン』
006万公『オイ晴公(はるこう)007(かへで)さまの姿(すがた)()えぬぢやないか。008大蛇(をろち)()まれて(しま)つたのぢやあるまいかな。009オイ五三公(いそこう)010竜公(たつこう)011(なに)をグヅグヅしてゐるのぢやい。012サア(さが)した(さが)した』
013(あわて)まはる。014五三公(いそこう)015竜公(たつこう)016松彦(まつひこ)()をキヨロキヨロさせ(なが)四辺(あたり)()まはし、017二人(ふたり)姿(すがた)()きに(おどろ)いて()る。
018治国別()苦労(くらう)だが()(にん)(とも)019(もり)(そと)()て、020ここへ駕籠(かご)をかついで()てくれ』
021万公(まんこう)駕籠(かご)(かつ)げとは、022ソリヤ(また)(めう)なことを仰有(おつしや)いますなア』
023治国(はるくに)()つて()たら(わか)るのだ。024晴公(はるこう)(かへで)さまが、025()つてゐるよ。026サア()(にん)(とも)(はや)()つたり()つたり』
027万公(まんこう)『オイ、028(なに)()もあれ先生(せんせい)()命令(めいれい)だ。029()つて()ようかな』
030 (さん)(にん)は「ヨーシ合点(がつてん)だ」と万公(まんこう)(あと)につき、031(もり)(そと)へと(はし)()く。032(あと)治国別(はるくにわけ)合掌(がつしやう)(なが)ら、033独言(ひとりごと)
034治国別『あゝ有難(ありがた)い、035(かみ)(さま)()引合(ひきあは)せ、036どうやら親子(おやこ)兄妹(きやうだい)対面(たいめん)(ゆる)された(やう)だ。037(これ)から一骨(ひとほね)()らなくてはなるまいと、038昨夜(さくや)思案(しあん)にくれて(ねむ)られなかつたが、039(なん)とマアよい都合(つがふ)(かみ)(さま)はして(くだ)さつたものだ。040(これ)()ふのも昨夜(さくや)言霊(ことたま)宣伝歌(せんでんか)(うた)つた神力(しんりき)()(かげ)だらう。041(ことば)(かみ)(とも)にあり、042万物(ばんぶつ)(これ)()つて(つく)らる、043との聖言(せいげん)今更(いまさら)(ごと)(おも)はれて(じつ)有難(ありがた)い、044あゝ偉大(ゐだい)なる(かな)(かみ)()神力(しんりき)045言霊(ことたま)効用(かうよう)
046感歎(かんたん)(なが)ら、047(ひがし)(むか)つて天津(あまつ)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)し、048(あま)数歌(かずうた)(うた)()げ、049神言(かみごと)まで(うやうや)しく詔上(のりあ)げて(しま)つた。050そこへ二挺(にちやう)駕籠(かご)(かつ)いで、051一行(いつかう)(ろく)(にん)(かへ)()たる。
052 治国別(はるくにわけ)は、
053治国別『ヤアお目出度(めでた)う。054晴公(はるこう)さま、055(かへで)さま、056(かみ)(さま)()神徳(しんとく)(えら)いものですなア』
057晴公先生(せんせい)058晴公(はるこう)は、059おかげで両親(りやうしん)にタヽ対面(たいめん)出来(でき)ました』
060(はや)くも(こゑ)(くも)らしてゐる。061(かへで)紅葉(もみぢ)のやうな(あい)らしき()(あは)せ、062治国別(はるくにわけ)(むか)ひ、063覚束(おぼつか)なげに泣声(なきごゑ)(まじ)りに惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)幾度(いくたび)となく繰返(くりかへ)して()る。
064万公先生(せんせい)065イヤもう()うもかうもありませぬワイ。066(えら)いものですなア、067(たい)したものですなア、068エヽー、069こンな結構(けつこう)なことは万々(まんまん)ありませぬワ。070本当(ほんたう)(うれ)しいですワ、071(なん)()つて()挨拶(あいさつ)申上(まをしあ)げたらよいやら、072万公(まんこう)言葉(ことば)早速(さつそく)()()ませぬワ』
073治国別『ヤア結構(けつこう)だ、074万公(まんこう)サア(はや)くお二人(ふたり)をここへ()して()げてくれ』
075万公万々々(まんまんまん)承知(しようち)(いた)しました。076コレコレ晴公(はるこう)さま、077(かへで)さま、078(なに)狼狽(うろた)へて()るのだい。079(まへ)さまも手伝(てつだ)はぬかい、080コラ五三公(いそこう)081松彦(まつひこ)082(たつ)083(なに)をグヅグヅしてゐるのだい。084千騎(せんき)一騎(いつき)(この)場合(ばあひ)安閑(あんかん)としてる(とき)ぢやないぞ。085サア対面(たいめん)ぢや対面(たいめん)ぢや、086言霊(ことたま)言霊(ことたま)だ、087言霊(ことたま)(さち)はふ(くに)だ』
088万公(まんこう)駕籠(かご)のぐるりを幾度(いくたび)ともなく、089百度(ひやくど)(まゐ)りの(やう)廻転(くわいてん)してゐる。090老夫婦(らうふうふ)悠々(いういう)として駕籠(かご)より立出(たちい)で、091治国別(はるくにわけ)(まへ)両手(りやうて)(あは)せ、
092珍彦三五教(あななひけう)活神(いきがみ)(さま)093有難(ありがた)(ござ)います。094(わたし)珍彦(うづひこ)(まを)(もの)(ござ)ります』
095静子(わたし)(つま)静子(しづこ)(ござ)ります。096(れい)(この)(とほ)りで(ござ)います』
097両手(りやうて)(あは)せ、098(うれ)(なみだ)(たき)(ごと)くに(なが)してゐる。099晴公(はるこう)(かへで)茫然(ばうぜん)として、100(あま)りの(うれ)しさに言葉(ことば)もなく、101両親(りやうしん)(かほ)(よこ)から見守(みまも)りゐるのみ。
102万公(なん)とマア(えら)いこつちやないか、103エヽー。104本当(ほんたう)(まこと)欣喜(きんき)雀躍(じやくやく)105()()(あし)()(ところ)()らずとは(この)(こと)だ。106(あま)(うれ)しくてキリキリ(まひ)(いた)すものと、107(こは)うてキリキリ(まひ)(いた)(もの)出来(でき)るぞよ、108信神(しんじん)なされ、109信神(しんじん)はマサカの(とき)(つゑ)になるぞよ……との()聖言(せいげん)はマアこんな(こと)だらう、110万々々(まんまんまん)万公(まんこう)満足(まんぞく)だよ。
111あゝ有難(ありがた)有難(ありがた)
112(かみ)(ちから)(あら)はれて
113常夜(とこよ)(やみ)(ごと)くなる
114(この)山口(やまぐち)森蔭(もりかげ)
115親子(おやこ)()(にん)(めぐ)()
116おれの(おや)でもなけれ(ども)
117矢張(やつぱり)(うれ)しうて万公(まんこう)
118()()(あし)()(ところ)
119()らぬばかりになつて()
120三五教(あななひけう)(かみ)(さま)
121本当(ほんたう)(えら)いお(かた)ぢやなア
122バラモン(けう)曲神(まがかみ)
123バカの骨頂(こつちやう)だガラクタの
124(ちから)()らぬ厄雑神(やくざがみ)
125折角(せつかく)ここ(まで)やつて()
126肝腎要(かんじんかなめ)品物(しなもの)
127途上(とじやう)()()逸早(いちはや)
128治国別(はるくにわけ)言霊(ことたま)
129(おそ)れて()()可笑(をか)しさよ
130あゝ面白(おもしろ)面白(おもしろ)
131オツトドツコイ有難(ありがた)
132それだに()つて万公(まんこう)
133何時(いつ)(やかま)しう()うてゐる
134三五教(あななひけう)ぢやないことにや
135(まこと)(すく)ひは()られない
136生言霊(いくことたま)神力(しんりき)
137本当(ほんたう)(えら)(いさ)ましい
138斎苑(いそ)(やかた)沢山(たくさん)
139(かみ)(つかさ)はあるけれど
140一番(いちばん)(えら)杢助(もくすけ)
141あとに(つづ)いた亀彦(かめひこ)
142治国別(はるくにわけ)()(だけ)
143天下(てんか)無双(むさう)宣伝使(せんでんし)
144(おれ)(かた)まで(ひろ)うなつた
145オイオイ五三公(いそこう)竜公(たつこう)
146(まへ)のやうな仕合(しあは)せな
147(やつ)世界(せかい)にあらうかい
148サア(これ)からは(これ)からは
149ハルナの(みやこ)蹂躙(じうりん)
150大黒主(おほくろぬし)()(くび)
151言霊隊(ことたまたい)神力(しんりき)
152捻切(ねぢき)引切(ひつき)(つき)(うみ)
153ドブンとばかり投込(なげこ)ンで
154(あめ)(した)にはバラモンの
155曲津(まがつ)(かみ)(かげ)もなく
156伊吹払(いぶきはら)ひに()(はら)
157天地(てんち)(きよ)神界(しんかい)
158()めをドツサリ(かうむ)りて
159至喜(しき)至楽(しらく)天国(てんごく)
160地上(ちじやう)建設(けんせつ)せうぢやないか
161治国別(はるくにわけ)先生(せんせい)
162本当(ほんたう)貴方(あなた)(えら)(かた)
163(はじ)めて(かん)()りました
164どうぞ(わたし)末永(すえなが)
165弟子(でし)使(つか)うて(くだ)さンせ
166コレコレ(はる)さま(かへで)さま
167(まへ)(ひと)(よろこ)ンで
168(うた)でも(うた)うたらどうだいナ
169地異(ちい)天変(てんぺん)もこれ(だけ)
170突発(とつぱつ)したら面白(おもしろ)
171オツトドツコイ有難(ありがた)
172三五教(あななひけう)(かみ)(さま)
173(はや)()(れい)(まを)しやいのう
174(なに)をグズグズして(ござ)
175(そば)から()てもジレツたい
176あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
177(かみ)御前(みまへ)万公(まんこう)
178今日(けふ)(めぐみ)(つつし)みて
179感謝(かんしや)(つか)(たてまつ)
180朝日(あさひ)()(とも)(くも)(とも)
181(つき)()(とも)()くる(とも)
182仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)(とも)
183(ほし)(てん)よりおつる(とも)
184三五教(あななひけう)はやめられぬ
185ホンに結構(けつこう)御教(みをしへ)
186不言(ふげん)実行(じつかう)といふことは
187三五教(あななひけう)(かみ)(さま)
188手本(てほん)()して(くだ)さつた
189これから(こころ)(あらた)めて
190(くち)(つつし)(おこな)ひに
191(まこと)(かぎ)りを(あら)はして
192(かみ)御子(みこ)たる本職(ほんしよく)
193(つく)そぢやないか(みな)(もの)
194あゝ有難(ありがた)有難(ありがた)
195有難涙(ありがたなみだ)がこぼれます
196ヤツトコドツコイ ドツコイシヨ
197ドツコイドツコイ コレワイシヨ
198ヨイトサア ヨイトサア
199ヨイヨイヨイのヨイトサア
200ドツコイドツコイ ドツコイシヨー』
201夢中(むちう)になつて、202広場(ひろば)飛廻(とびまは)る。203治国別(はるくにわけ)(ことば)(しづか)に、
204治国別珍彦(うづひこ)さま、205大変(たいへん)(くる)しい()()はれたでせうな。206(さつ)(まを)します。207静子(しづこ)さまも(さぞ)()心配(しんぱい)をなされたでせう』
208 珍彦(うづひこ)(なみだ)(ぬぐ)(なが)ら、
209珍彦『ハイ有難(ありがた)(ござ)います。210アーメニヤの大騒動(おほさうどう)()つて親子(おやこ)(おも)(おも)ひに離散(りさん)し、211(やうや)くにして(むすめ)所在(ありか)(たづ)ね、212(さん)(にん)()()()つて、213(あに)俊彦(としひこ)行衛(ゆくゑ)(たづ)ねむものと、214いろいろ艱難(かんなん)辛苦(しんく)()め、215テームス(ざん)(ふもと)(なが)るるライオン(がわ)(ほとり)(まで)(まゐ)りました(ところ)216(おい)(つか)れが()たものか、217不思議(ふしぎ)にも夫婦(ふうふ)(もの)身体(からだ)自由(じいう)(うしな)ひ、218一人(ひとり)(むすめ)二人(ふたり)(おや)介抱(かいほう)をされ、219あるにあられぬ困難(こんなん)(いた)して()りました(ところ)へ、220黄金姫(わうごんひめ)(さま)(うつく)しい(むすめ)さまと(とも)(とほ)()はされ、221いろいろと結構(けつこう)なお(はなし)()かして(くだ)さいまして、222(かげ)夫婦(ふうふ)(もの)気分(きぶん)爽快(さうくわい)になり(からだ)(なや)みも段々(だんだん)(なほ)つて(まゐ)りました。223(ちひ)さい草小屋(くさごや)(つく)り、224川端(かはばた)一軒家(いつけんや)親子(おやこ)(さん)(にん)(くら)して()りました(ところ)へ、225ランチ将軍(しやうぐん)手下(てした)がやつて()て、226夫婦(ふうふ)(もの)祝詞(のりと)(こゑ)()き……貴様(きさま)三五教(あななひけう)間者(まはしもの)だろ……と()つて、227無理(むり)にも高手(たかて)小手(こて)(いまし)められ(こま)()せられ、228ランチ将軍(しやうぐん)陣営(ぢんえい)(まで)(おく)られました。229吾々(われわれ)夫婦(ふうふ)はどうなつても(かま)ひませぬ。230(をし)くない(いのち)なれど、231(むすめ)(あに)(こと)(あん)じられ、232()ても()きても、233夫婦(ふうふ)(もの)(しも)(さむ)陣営(ぢんえい)(とら)へられて、234無念(むねん)(なみだ)(しぼ)つて()りました』
235()ひさして、236ワツとばかりに男泣(をとこなき)()く。
237 治国別(はるくにわけ)憮然(ぶぜん)として(なぐさ)めるやうに、
238治国別『それは()老体(らうたい)()(もつ)て、239エライ()艱難(かんなん)をなさいましたな。240(しか)(なが)最早(もはや)()安心(あんしん)をなさいませ。241吾々(われわれ)のついてゐる(かぎ)りは最早(もはや)大丈夫(だいぢやうぶ)ですから』
242 珍彦(うづひこ)は「ハイ」と()つたきり、243(また)もや()きじやくる。244静子(しづこ)(また)もや(なみだ)片手(かたて)に、
245静子『お(はなし)(まを)すも(なみだ)(たね)(なが)ら、246ランチ将軍(しやうぐん)陣営(ぢんえい)夫婦(ふうふ)()()かれ、247(おに)のやうな番卒(ばんそつ)(あさ)から(ばん)(まで)248()(おぼ)えもないことを詰問(きつもん)され、249身体(しんたい)(ところ)(かま)はず(むちう)たれ、250(じつ)(くる)しう(ござ)いました。251そしてランチ将軍(しやうぐん)(まへ)時々(ときどき)引出(ひきだ)され……(その)(はう)三五教(あななひけう)杢助(もくすけ)であらう。252(なんぢ)黒姫(くろひめ)であらう、253白状(はくじやう)(いた)せ。254そして(その)(はう)同居(どうきよ)してゐた(むすめ)初稚姫(はつわかひめ)(ちが)ひなからう。255サアどこへ(かく)した、256所在(ありか)()らせ……とエライ拷問(がうもん)257到底(たうてい)(いのち)はなきものと覚悟(かくご)(いた)して()りましたが、258()ぬる(この)()(いと)はねど、259どうぞして(わが)()二人(ふたり)(めぐ)()はねば()ぬにも()ねないと(おも)ひまして、260(うそ)()つては()まないと(ぞん)(なが)ら、261(むか)うの(たづ)ぬるままに、262(をつと)杢助(もくすけ)(ござ)いました、263……と(こた)へ、264(わたし)はまがふ(かた)なき黒姫(くろひめ)だ、265そして(むすめ)初稚姫(はつわかひめ)相違(さうゐ)(ござ)いませぬ……と()つてのけました。266そした(ところ)がますます詮議(せんぎ)(きび)しくなり、267三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)はハルナの(みやこ)(むか)つて、268何人(なんにん)ばかり出張(しゆつちやう)したかとか、269いろいろと(ぞん)じもよらぬことを詰問(きつもん)され、270(くる)しさまぎれに(くち)から出任(でまか)せの返答(へんたふ)(いた)しました(ところ)271斎苑(いそ)(やかた)(おく)つてやらうと()つて、272吾々(われわれ)夫婦(ふうふ)後手(うしろで)(しば)山駕籠(やまかご)投込(なげこ)み、273家来(けらい)(かつ)がせてここ(まで)つれて()ました。274吾々(われわれ)夫婦(ふうふ)はどうなることかと(むね)(いた)めて()りましたが、275(おも)ひもよらぬ貴方(あなた)(さま)のお(たす)けに(あづ)かり、276(その)(うへ)(こが)(した)うた二人(ふたり)()()はして(もら)ひ、277斯様(かやう)(うれ)しいことは、278(てん)にも()にも(ござ)りませぬ。279(いのち)(おや)活神(いきがみ)(さま)
280(また)もや()()はしてワツとばかりに泣伏(なきふ)しにける。
281 晴公(はるこう)珍彦(うづひこ)(そば)()り、
282晴公父上(ちちうへ)(さま)283(ひさ)しう(ござ)います。284よくマア()きてゐて(くだ)さいました。285(わたし)俊彦(としひこ)(ござ)います、286(わか)(とき)はいろいろと()心配(しんぱい)をかけましたが、287三五教(あななひけう)(をしへ)()くにつけて、288(おや)御恩(ごおん)(おも)()し、289何卒(どうぞ)両親(りやうしん)()はして(くだ)さいませと、290朝夕(あさゆふ)(いの)らぬ()とては(ござ)いませなかつたので(ござ)ります』
291(また)もや(なみだ)(しぼ)る。292珍彦(うづひこ)(はな)(すす)(なが)ら、293皺手(しわで)()ばして、294晴公(はるこう)(あたま)()でまはし、
295珍彦『あゝ俊彦(としひこ)296よう()うてくれた。297(その)言葉(ことば)()以上(いじやう)(この)(まま)国替(くにがへ)をしても、298(この)()(のこ)ることはない。299あゝ有難(ありがた)い。300()つべきものは(わが)()だ。301コレ俊彦(としひこ)302安心(あんしん)して()れ、303(わたし)(とし)はよつてゐても(からだ)達者(たつしや)だから、304ここ()(ねん)(さん)(ねん)にどうかうはあるまいから』
305晴公『ハイ有難(ありがた)(ござ)います、306これから力限(ちからかぎ)孝行(かうかう)(はげ)みます。307今迄(いままで)(つみ)(ゆる)して(くだ)さいませ』
308といふ言葉(ことば)さへも涙交(なみだまじ)りである。309(かへで)静子(しづこ)()をシツカと(にぎ)り、
310『お()アさま、311随分(ずゐぶん)(こま)りでしたらうねえ。312(わたし)313どれ(だけ)()いたか()れませぬよ。314ウブスナ(やま)斎苑(いそ)(やかた)参拝(さんぱい)して、315()両親(りやうしん)所在(ありか)()らして(もら)はうと、316()をやつして、317河鹿(かじか)(たうげ)山口(やまぐち)(まで)(まゐ)りました(ところ)318(みち)()(ひと)(はなし)()けば、319バラモン(けう)軍勢(ぐんぜい)谷道(たにみち)(やく)してゐるといふことを()きましたので、320あゝ是非(ぜひ)がない、321モウ(この)(うへ)両親(りやうしん)無事(ぶじ)(いの)り、322かたきの滅亡(めつぼう)(いの)るより、323(わたし)としての(つく)すべき(みち)はないと(おも)ひ、324(この)(おそ)ろしい()(もり)(おく)大蛇(をろち)岩窟(いはや)のあることを()き、325ここに(しの)びて()ればバラモンの捕手(とりて)滅多(めつた)(たづ)ねては()まいと(おも)ひ、326(おそ)ろしい岩窟(いはや)()(しの)び、327三七(さんしち)廿一(にじふいち)(にち)夜参(よまゐ)りを、328(おに)()けて(いた)して()りました。329心願(しんぐわん)(とほ)つたと()えて、330三七(さんしち)(にち)(あが)りに(にい)さまに(めぐ)()ひ、331(また)(とう)さまお()アさまに()はして(いただ)きました。332どうぞ()安心(あんしん)(くだ)さいませ、333斯様(かやう)(えら)宣伝使(せんでんし)(さま)(ふところ)(いだ)かれた以上(いじやう)最早(もはや)大丈夫(だいぢやうぶ)(ござ)います』
334涙交(なみだまぜ)りに(なぐさ)める。335静子(しづこ)(かへで)()(くら)ひつき、336(うれ)(なみだ)にかきくれる。337これより治国別(はるくにわけ)(めい)()つて、338珍彦(うづひこ)339静子(しづこ)340(かへで)341晴公(はるこう)()(にん)玉国別(たまくにわけ)のこもつてゐる(ほこら)(もり)手紙(てがみ)()たせてやることとした。342そして山口(やまぐち)(まで)宣伝使(せんでんし)一行(いつかう)(おく)(とど)けた。343親子(おやこ)()(にん)玉国別(たまくにわけ)面会(めんくわい)し、344神殿(しんでん)造営(ざうえい)手伝(てつだ)ひをなし、345夫婦(ふうふ)(つひ)(みや)のお給仕役(きふじやく)となり、346(かへで)五十子(いそこ)(ひめ)侍女(じぢよ)となつて、347神殿(しんでん)落成(らくせい)(のち)斎苑(いそ)(やかた)(かへ)り、348(かみ)(をしへ)研究(けんきう)し、349(つひ)には立派(りつぱ)なる宣伝使(せんでんし)となつて(かみ)御恩(ごおん)(はう)ずる()とはなりにける。
350大正一一・一二・八 旧一〇・二〇 松村真澄録)
351(昭和九・一二・二八 王仁校正)
絶賛発売中『超訳霊界物語2/出口王仁三郎の「身魂磨き」実践書/一人旅するスサノオの宣伝使たち』
オニド関連サイト最新更新情報
10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【メールアドレス
合言葉「みろく」を入力して下さい→  
霊界物語ネットは飯塚弘明が運営しています。【メールアドレス】 / 動作に不具合や誤字脱字等を発見されましたら是非お知らせ下さるようお願い申し上げます。 / 本サイトに掲載されている霊界物語等の著作物の電子データは飯塚弘明ほか、多数の方々の協力によって作られました。(スペシャルサンクス) / 本サイトの著作権(デザイン、プログラム、凡例等)は飯塚弘明にあります。出口王仁三郎の著作物(霊界物語等)の著作権は保護期間が過ぎていますのでご自由にお使いいただいて構いません。ただし一部分を引用するのではなく、本サイト掲載の大部分を利用して電子書籍等に転用する場合には、必ず出典と連絡先を記して下さい。→「本サイト掲載文献の利用について」 / 出口王仁三郎の著作物は明治~昭和初期に書かれたものです。現代においては差別的と見なされる言葉や表現もありますが、当時の時代背景を鑑みてそのままにしてあります。 / プライバシーポリシー
(C) 2007-2024 Iizuka Hiroaki