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第六章 テルの(さと)〔一六一三〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第63巻 山河草木 寅の巻 篇:第1篇 妙法山月 よみ(新仮名遣い):すだるまさんげつ
章:第6章 テルの里 よみ(新仮名遣い):てるのさと 通し章番号:1613
口述日:1923(大正12)年05月18日(旧04月3日) 口述場所:教主殿 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1926(大正15)年2月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
夜が明けた。離れの亭に老夫婦・ブラヷーダと伊太彦・カークス・ベースの六人が座について歌い舞いなどして、この家の息子アスマガルダが船をもって帰ってくるのをまっている。
爺のルーブヤ・婆のバヅマラーカは、娘に三五教宣伝使の夫ができたことを神に感謝して歌った。この村はもともと三五教を信仰していたが、バラモン教の勢いに飲まれてやむを得ずバラモンを祀っていたという。
伊太彦、ブラヷーダ、カークス、ベースもそれぞれお祝いの述懐を歌った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2017-06-04 21:01:30 OBC :rm6306
愛善世界社版:77頁 八幡書店版:第11輯 290頁 修補版: 校定版:79頁 普及版:64頁 初版: ページ備考:
001 ()(からす)(こゑ)にカラリと()(はな)れた。002老人(らうじん)夫婦(ふうふ)(はじ)め、003美人(びじん)のブラヷーダは早朝(さうてう)より花園(はなぞの)手入(てい)れをし、004(かど)()きなどして、005アスマガルダの(ふね)をもつて(かへ)つて()るのを()つて()る。006伊太彦(いたひこ)(かみ)(つげ)によつてブラヷーダの(をつと)とした(こと)(よろこ)びを(はや)(あに)()げて(よろこ)ばせたいと007一時(いつとき)千秋(せんしう)(おも)ひであつた。008伊太彦(いたひこ)肝腎(かんじん)(ふね)がないので、009(こころ)ならずも()つより仕方(しかた)がなかつた。010(すず)しい森林(しんりん)(なか)()てられた新宅(しんたく)主客(しゆきやく)(ろく)(にん)車座(くるまざ)となり、011果実(くだもの)(さけ)()みながら、012嬉々(きき)として(うた)()ひなどして、013(あに)(かへ)るを()つて()る。014(ぢい)さまのルーブヤは()第一(だいいち)(かみ)感謝(かんしや)()(うた)(はじ)めた。
015(そら)()(わた)(つき)(くに)
016スダルマ(さん)南麓(なんろく)
017伊都(いづ)(かがみ)をのべしごと
018(ひろ)(うか)べるスーラヤの(うみ)
019(その)(あた)りなるテルの(さと)
020ルーブヤの(いへ)にも
021常世(とこよ)(はる)(きた)りけり
022(われ)(もと)より三五(あななひ)
023(かみ)(をしへ)朝夕(あさゆふ)
024つかへ(まも)りし信徒(まめひと)
025此処(ここ)()()ふバラモンの
026(かみ)(をしへ)(しげ)(くに)
027三五教(あななひけう)名乗(なの)りなば
028(たちま)(しこ)(つかさ)()
029(やいば)(さび)となり()てむ
030卑怯(ひけふ)未練(みれん)()(なが)
031三五教(あななひけう)信徒(まめひと)
032名乗(なの)りも()せずバラモンの
033(しこ)(をしへ)信従(しんじゆう)
034(とき)()()たる(くる)しさよ
035(この)里人(さとびと)(いにしへ)
036三五教(あななひけう)()(ほう)
037(つか)へまつりしものなれど
038(しこ)(たけ)びの(つよ)ければ
039()むを()ずして醜道(しこみち)
040(つか)へまつりし(あは)れさよ
041それゆゑ(あに)のアスマガルダにも
042年頃(としごろ)なれど若草(わかぐさ)
043(つま)さへ()たさず三五(あななひ)
044(かみ)御前(みまへ)朝夕(あさゆふ)
045(こゑ)をひそめて(いの)りつつ
046イドムの(かみ)御計(みはか)らひ
047()(をり)もあれ三五(あななひ)
048(かみ)(つかさ)伊太彦(いたひこ)
049(うれ)しく此処(ここ)()れまして
050(わが)()(むすめ)のブラヷーダ
051(つま)といたはり(いつくし)
052(たま)はむ(こと)(おん)(ちか)
053()くにつけても有難(ありがた)
054枯木(かれき)(はな)()心地(ここち)
055(おい)(なみだ)(やうや)くに
056歓喜(くわんき)(なみだ)(かは)りけり
057あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
058(かみ)(めぐみ)のいや(ふか)
059大御(おほみ)稜威(みいづ)弥高(いやたか)
060(かぎ)()られぬ(よろこ)びの
061(こころ)(いさ)みて大前(おほまへ)
062感謝(かんしや)(つか)(たてまつ)
063朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
064(つき)()つとも()くるとも
065(ほし)()(うみ)()るるとも
066三五教(あななひけう)御教(みをしへ)
067孫子(まごこ)(つた)へて(はな)れじと
068(しの)びし(こと)甲斐(かひ)ありて
069一度(いちど)(ひら)(うめ)(はな)
070いと(かん)ばしく(かを)()
071今日(けふ)生日(いくひ)目出(めで)たけれ
072あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
073御霊(みたま)幸倍(さちはへ)ましませよ』
074 伊太彦(いたひこ)(また)(うた)ふ。
075(われ)伊太彦(いたひこ)宣伝使(せんでんし)
076玉国別(たまくにわけ)()(きみ)
077(ほこら)(もり)より(つか)()
078(もも)(いさを)(あら)はしつ
079スダルマ(さん)(ふもと)(まで)
080(きた)りて()れば(わが)(からだ)
081(その)面影(おもかげ)若々(わかわか)
082(みどり)(いろ)(かがや)きぬ
083はて(いぶ)かしやと(おも)()
084カークス、ベースの両人(りやうにん)
085夏木(なつき)(しげ)れる(みち)()
086(めぐ)()ひてゆスーラヤの
087(やま)にかくれしウバナンダ
088ナーガラシャーのかくしたる
089夜光(やくわう)(たま)のありと()
090伊都(いづ)言霊(ことたま)()()だし
091竜神(りうじん)(たち)言向(ことむ)けて
092夜光(やくわう)(たま)(さづ)かりつ
093(うづ)聖地(せいち)のエルサレム
094黄金山(わうごんさん)神館(みやかた)
095(たてまつ)らむと(いさ)()
096二人(ふたり)間道(かんだう)(をし)へられ
097(みどり)(したた)るテルの(さと)
098スーラヤ湖水(こすい)磯端(いそばた)
099(きた)りて()れば摩訶(まか)不思議(ふしぎ)
100木花姫(このはなひめ)再来(さいらい)
101(ただ)しは神代(かみよ)松代姫(まつよひめ)
102容貌(みめ)(うるは)しきブラヷーダ
103姿(すがた)やさしき姫君(ひめぎみ)
104(たま)御声(みこゑ)をかけられて
105(むね)(とどろ)きし(おろ)かさよ
106かくなる(うへ)伊太彦(いたひこ)
107(ただ)惟神(かむながら)々々(かむながら)
108(かみ)経綸(しぐみ)(かしこ)みて
109ブラヷーダ(ひめ)(めと)りつつ
110千代(ちよ)八千代(やちよ)玉椿(たまつばき)
111(あか)(えにし)(むす)びつつ
112(かみ)大道(おほぢ)(つか)ふべし
113玉国別(たまくにわけ)()(きみ)
114(この)消息(せうそく)()りまさば
115(かなら)(よろこ)びたまふべし
116あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
117(かみ)(ちか)ひて伊太彦(いたひこ)
118(こころ)岩戸(いはと)()(ひら)
119(おも)ひの(たけ)()べまつる
120朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
121(つき)()つとも()くるとも
122仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
123(まこと)(ひと)つを()(とほ)
124ルーブヤ父上(ちちうへ)母上(ははうへ)
125バヅマラーカによく(つか)
126ブラヷーダをいつくしみ
127三五教(あななひけう)御教(みをしへ)
128(つき)御国(みくに)()ふも(さら)
129四方(よも)国々(くにぐに)(くま)もなく
130(つた)へまつりて大神(おほかみ)
131御前(みまへ)(かちどき)(まを)すべし
132あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
133(まも)らせたまへ三五(あななひ)
134(すめ)大神(おほかみ)(おん)(まへ)
135(かしこ)(かしこ)()ぎまつる』
136 バヅマラーカは(また)(うた)ふ。
137()ちに()ちたる文月(ふみづき)
138今日(けふ)(とを)まり(ふた)つの()
139(かむ)素盞嗚(すさのを)大神(おほかみ)
140(みづ)御霊(みたま)(さち)はひて
141千代(ちよ)(よろこ)(きた)りけり
142三五教(あななひけう)伊太彦(いたひこ)
143(おろか)なれども(わが)(むすめ)
144ブラヷーダ(ひめ)(あはれ)みて
145千代(ちよ)もかはらぬ宿(やど)(つま)
146(めと)らせたまへ相共(あひとも)
147鴛鴦(をし)(ふすま)(むつま)じく
148(かみ)にならひて岩窟(いはやど)
149()して(ひら)くてふ神業(かむわざ)
150(きよ)けく(つか)へさせたまへ
151(われ)老木(おいき)()なれども
152(なれ)(みこと)(きた)りしゆ
153(こころ)(いさ)みて(なん)となく
154(うれ)しく(たの)しくなりにけり
155(なれ)(みこと)天津(あまつ)()
156元津国(もとつくに)より(くだ)ります
157()()(かみ)によく()たり
158テルの(さと)にも(はる)()
159永久(とは)(はな)さく()となりぬ
160あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
161三五教(あななひけう)皇神(すめかみ)
162(ふか)(めぐみ)今更(いまさら)
163(よろこ)感謝(かんしや)(たてまつ)
164朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
165(つき)()つとも()くるとも
166仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
167これの赤縄(えにし)(かは)らまじ
168あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
169御霊(みたま)恩頼(ふゆ)()ぎまつる』
170 ブラヷーダは(また)(うた)ふ。
171()有難(ありがた)今日(けふ)()
172(あま)岩戸(いはと)(ひら)けたる
173常世(とこよ)(はる)心地(ここち)なり
174(あま)河原(かはら)(さを)さして
175天降(あも)りましたる彦星(ひこぼし)
176(いづ)(おん)(かほ)()(をが)
177(つぼみ)(はな)(つゆ)()
178(いま)(ひら)かむ(とき)()
179(わが)父母(ちちはは)()(きみ)
180(わが)赤心(まごころ)(あはれ)みて
181常磐(ときは)堅磐(かきは)(めぐ)みませ
182二人(ふたり)(おや)によく(つか)
183(あに)言葉(ことば)(そむ)かずに
184(わが)()(きみ)諸共(もろとも)
185スーラヤ(さん)()(むか)
186八大(はちだい)竜王(りうわう)随一(ずいいち)
187()(きこ)えたるウバナンダ
188ナーガラシャーを言向(ことむ)けて
189(すめ)大神(おほかみ)(おん)(まへ)
190(かちどき)あげて功勲(いさをし)
191千代(ちよ)八千代(やちよ)(つた)へなむ
192(めぐ)ませたまへ惟神(かむながら)
193(かむ)素盞嗚(すさのを)大神(おほかみ)
194御前(みまへ)感謝(かんしや)(たてまつ)
195(この)()(つく)りし神直日(かむなほひ)
196(こころ)(ひろ)大直日(おほなほひ)
197(ただ)何事(なにごと)(ひと)()
198直日(なほひ)()なほし聞直(ききなお)
199三五教(あななひけう)御教(みをしへ)
200伊太彦(いたひこ)(つかさ)()(きみ)
201(こころ)(あは)(ちから)をば
202(ひと)つに(かた)めて八十(やそ)(くに)
203八十(やそ)島々(しまじま)(くま)もなく
204(ひら)(つた)へむ門出(かどいで)
205(まも)らせたまへ惟神(かむながら)
206(かしこ)(かしこ)()ぎまつる』
207 カークスは(また)(うた)ふ。
208『スダルマ(さん)森林(しんりん)
209(ほとり)()めるカークスは
210(かみ)(めぐみ)(まも)られて
211伊太彦(いたひこ)(つかさ)諸共(もろとも)
212常世(とこよ)(はな)()くテルの(さと)
213ルーブヤ(やかた)()(むか)
214(おも)ひも()らぬ待遇(もてな)しに
215(あづか)りました有難(ありがた)
216(それ)のみならず伊太彦(いたひこ)
217(かみ)(つかさ)はブラヷーダ
218(ひめ)(みこと)()となりて
219いとも(たふと)御教(みをしへ)
220世界(せかい)(ひら)きたまはむと
221スーラヤ(さん)()(むか)
222(いさを)()てむとなしたまふ
223神力(しんりき)無限(むげん)宣伝使(せんでんし)
224伊都(いづ)(つかさ)(おん)(とも)
225(つか)(まつ)りし吾々(われわれ)
226(てん)にも(のぼ)心地(ここち)して
227(かみ)御稜威(みいづ)感謝(かんしや)しつ
228(こころ)(かぎ)()(かぎ)
229(この)()(ため)(つく)すべき
230(うれ)しき()とはなりにけり
231三五教(あななひけう)大御神(おほみかみ)
232(つみ)(けが)れし()なれども
233大御心(おほみこころ)見直(みなほ)して
234(ゆる)させたまひ吾々(われわれ)
235空前(くうぜん)絶後(ぜつご)神業(しんげふ)
236使(つか)はせたまへ惟神(かむながら)
237御前(みまへ)感謝(かんしや)(たてまつ)
238ルーブヤ(やかた)(よろこ)びを
239言祝(ことほ)ぎまつり()ぎまつる
240あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
241御霊(みたま)幸倍(さちはへ)ましませよ』
242 ベースは(また)(うた)ふ。
243目出度(めでた)目出度(めでた)いお目出度(めでた)
244枯木(かれき)(はな)()()でぬ
245(こずゑ)(ふか)(つつ)まれし
246無花果(いちじゆく)さへも(いま)(はや)
247(ひら)()めたる優曇華(うどんげ)
248目出度(めでた)(はる)となりにけり
249スーラヤ(さん)宝玉(はうぎよく)
250(かみ)(まも)りに()()れて
251(わが)一生(いつしやう)安楽(あんらく)
252(くら)さむものと(おも)ひしは
253(いま)(いた)りてつくづくと
254(かへり)みすれば(はづ)かしや
255いざこれよりは伊太彦(いたひこ)
256(うづ)(つかさ)(したが)ひて
257(あか)(まこと)(こころ)もて
258大神業(だいしんげふ)(つか)ふべし
259(かみ)(おん)()()()めに
260ナーガラシャーの宝玉(はうぎよく)
261請取(うけと)るならば(なん)はなし
262(わが)()(よく)(から)まれて
263(その)宝玉(はうぎよく)()むとして
264(たふと)(いのち)()されたる
265(ひと)(いま)(まで)(かず)()れず
266()にもうたてき次第(しだい)なり
267あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
268(かみ)大道(おほぢ)生々(なまなま)
269(さと)りそめたる吾々(われわれ)
270最早(もはや)昨日(きのふ)(ひと)ならず
271(かみ)(めぐみ)(つつ)まれし
272(たふと)(かみ)御子(みこ)ぞかし
273あゝ有難(ありがた)有難(ありがた)
274ルーブヤさまやバヅマラーカ
275ブラヷーダーのお(ひめ)さま
276何卒(なにとぞ)宜敷(よろし)(ねが)ひます
277(いち)()(はや)くアスマガルダ
278(あに)(みこと)(かへ)りまし
279(この)有様(ありさま)(みそな)はし
280(とも)(よろこ)()()いて
281(たま)御船(みふね)をかざしつつ
282伊太彦(いたひこ)(つかさ)(したが)ひて
283スーラヤ(さん)(のぼ)()
284(ゆび)()(たの)しみ()ちまする
285あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
286御霊(みたま)幸倍(さちはへ)ましませよ』
287ルーブヤ『とざされし(あま)岩戸(いはと)(ひら)くてふ
288(たの)しき(はる)(わが)()(きた)りぬ』
289バヅマラーカ『()(わび)(みち)文月(ふみづき)今日(けふ)こそは
290(みづ)御霊(みたま)(めぐみ)あまねし』
291伊太彦(いたひこ)皇神(すめかみ)経綸(しぐみ)(つな)(あやつ)られ
292(えにし)(いと)(むす)びけるかな』
293ブラヷーダ『()(わび)(かみ)(つかさ)()(きみ)
294(あた)へられたる(われ)ぞうれしき』
295カークス『かかる()(うま)()()(うれ)しさは
296常世(とこよ)(はる)心地(ここち)するかな』
297ベース『如何(いか)にして(たた)へむよしも()きほどに
298(かみ)(めぐみ)(たふと)くなりぬ』
299大正一二・五・一八 旧四・三 於教主殿 加藤明子録)
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