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第63巻(寅の巻)
序歌
総説
第1篇 妙法山月
01 玉の露
〔1608〕
02 妙法山
〔1609〕
03 伊猛彦
〔1610〕
04 山上訓
〔1611〕
05 宿縁
〔1612〕
06 テルの里
〔1613〕
第2篇 日天子山
07 湖上の影
〔1614〕
08 怪物
〔1615〕
09 超死線
〔1616〕
第3篇 幽迷怪道
10 鷺と鴉
〔1617〕
11 怪道
〔1618〕
12 五託宣
〔1619〕
13 蚊燻
〔1620〕
14 嬉し涙
〔1621〕
第4篇 四鳥の別
15 波の上
〔1622〕
16 諒解
〔1623〕
17 峠の涙
〔1624〕
18 夜の旅
〔1625〕
第5篇 神検霊査
19 仕込杖
〔1626〕
20 道の苦
〔1627〕
21 神判
〔1628〕
22 蚯蚓の声
〔1629〕
余白歌
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第六章 テルの
里
(
さと
)
〔一六一三〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第63巻 山河草木 寅の巻
篇:
第1篇 妙法山月
よみ(新仮名遣い):
すだるまさんげつ
章:
第6章 テルの里
よみ(新仮名遣い):
てるのさと
通し章番号:
1613
口述日:
1923(大正12)年05月18日(旧04月3日)
口述場所:
教主殿
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1926(大正15)年2月3日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
夜が明けた。離れの亭に老夫婦・ブラヷーダと伊太彦・カークス・ベースの六人が座について歌い舞いなどして、この家の息子アスマガルダが船をもって帰ってくるのをまっている。
爺のルーブヤ・婆のバヅマラーカは、娘に三五教宣伝使の夫ができたことを神に感謝して歌った。この村はもともと三五教を信仰していたが、バラモン教の勢いに飲まれてやむを得ずバラモンを祀っていたという。
伊太彦、ブラヷーダ、カークス、ベースもそれぞれお祝いの述懐を歌った。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2017-06-04 21:01:30
OBC :
rm6306
愛善世界社版:
77頁
八幡書店版:
第11輯 290頁
修補版:
校定版:
79頁
普及版:
64頁
初版:
ページ備考:
001
夜
(
よ
)
は
烏
(
からす
)
の
声
(
こゑ
)
にカラリと
明
(
あ
)
け
放
(
はな
)
れた。
002
老人
(
らうじん
)
夫婦
(
ふうふ
)
を
初
(
はじ
)
め、
003
美人
(
びじん
)
のブラヷーダは
早朝
(
さうてう
)
より
花園
(
はなぞの
)
の
手入
(
てい
)
れをし、
004
門
(
かど
)
を
掃
(
は
)
きなどして、
005
アスマガルダの
船
(
ふね
)
をもつて
帰
(
かへ
)
つて
来
(
く
)
るのを
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
006
伊太彦
(
いたひこ
)
を
神
(
かみ
)
の
告
(
つげ
)
によつてブラヷーダの
夫
(
をつと
)
とした
事
(
こと
)
の
喜
(
よろこ
)
びを
早
(
はや
)
く
兄
(
あに
)
に
告
(
つ
)
げて
悦
(
よろこ
)
ばせたいと
007
一時
(
いつとき
)
千秋
(
せんしう
)
の
思
(
おも
)
ひであつた。
008
伊太彦
(
いたひこ
)
も
肝腎
(
かんじん
)
の
船
(
ふね
)
がないので、
009
心
(
こころ
)
ならずも
待
(
ま
)
つより
仕方
(
しかた
)
がなかつた。
010
涼
(
すず
)
しい
森林
(
しんりん
)
の
中
(
なか
)
に
建
(
た
)
てられた
新宅
(
しんたく
)
に
主客
(
しゆきやく
)
六
(
ろく
)
人
(
にん
)
は
車座
(
くるまざ
)
となり、
011
果実
(
くだもの
)
の
酒
(
さけ
)
を
呑
(
の
)
みながら、
012
嬉々
(
きき
)
として
謡
(
うた
)
ひ
舞
(
ま
)
ひなどして、
013
兄
(
あに
)
の
帰
(
かへ
)
るを
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
014
爺
(
ぢい
)
さまのルーブヤは
先
(
ま
)
づ
第一
(
だいいち
)
に
神
(
かみ
)
に
感謝
(
かんしや
)
し
且
(
か
)
つ
謡
(
うた
)
ひ
初
(
はじ
)
めた。
015
『
空
(
そら
)
照
(
て
)
り
渡
(
わた
)
る
月
(
つき
)
の
国
(
くに
)
016
スダルマ
山
(
さん
)
の
南麓
(
なんろく
)
に
017
伊都
(
いづ
)
の
鏡
(
かがみ
)
をのべしごと
018
広
(
ひろ
)
く
浮
(
うか
)
べるスーラヤの
湖
(
うみ
)
019
其
(
その
)
辺
(
あた
)
りなるテルの
里
(
さと
)
020
ルーブヤの
家
(
いへ
)
にも
021
常世
(
とこよ
)
の
春
(
はる
)
は
来
(
きた
)
りけり
022
吾
(
われ
)
は
元
(
もと
)
より
三五
(
あななひ
)
の
023
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
を
朝夕
(
あさゆふ
)
に
024
つかへ
守
(
まも
)
りし
信徒
(
まめひと
)
ぞ
025
此処
(
ここ
)
は
名
(
な
)
に
負
(
お
)
ふバラモンの
026
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
の
茂
(
しげ
)
き
国
(
くに
)
027
三五教
(
あななひけう
)
と
名乗
(
なの
)
りなば
028
忽
(
たちま
)
ち
醜
(
しこ
)
の
司
(
つかさ
)
等
(
ら
)
が
029
刃
(
やいば
)
の
錆
(
さび
)
となり
果
(
は
)
てむ
030
卑怯
(
ひけふ
)
未練
(
みれん
)
と
知
(
し
)
り
乍
(
なが
)
ら
031
三五教
(
あななひけう
)
の
信徒
(
まめひと
)
と
032
名乗
(
なの
)
りも
得
(
え
)
せずバラモンの
033
醜
(
しこ
)
の
教
(
をしへ
)
に
信従
(
しんじゆう
)
し
034
時
(
とき
)
待
(
ま
)
ち
居
(
ゐ
)
たる
苦
(
くる
)
しさよ
035
此
(
この
)
里人
(
さとびと
)
も
古
(
いにしへ
)
ゆ
036
三五教
(
あななひけう
)
に
身
(
み
)
を
奉
(
ほう
)
じ
037
仕
(
つか
)
へまつりしものなれど
038
醜
(
しこ
)
の
猛
(
たけ
)
びの
強
(
つよ
)
ければ
039
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
ずして
醜道
(
しこみち
)
に
040
仕
(
つか
)
へまつりし
哀
(
あは
)
れさよ
041
それゆゑ
兄
(
あに
)
のアスマガルダにも
042
年頃
(
としごろ
)
なれど
若草
(
わかぐさ
)
の
043
妻
(
つま
)
さへ
持
(
も
)
たさず
三五
(
あななひ
)
の
044
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
朝夕
(
あさゆふ
)
に
045
声
(
こゑ
)
をひそめて
祈
(
いの
)
りつつ
046
イドムの
神
(
かみ
)
の
御計
(
みはか
)
らひ
047
待
(
ま
)
つ
折
(
をり
)
もあれ
三五
(
あななひ
)
の
048
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
の
伊太彦
(
いたひこ
)
が
049
嬉
(
うれ
)
しく
此処
(
ここ
)
に
現
(
あ
)
れまして
050
吾
(
わが
)
子
(
こ
)
娘
(
むすめ
)
のブラヷーダ
051
妻
(
つま
)
といたはり
慈
(
いつくし
)
み
052
給
(
たま
)
はむ
事
(
こと
)
の
御
(
おん
)
誓
(
ちか
)
ひ
053
聞
(
き
)
くにつけても
有難
(
ありがた
)
く
054
枯木
(
かれき
)
に
花
(
はな
)
の
咲
(
さ
)
く
心地
(
ここち
)
055
老
(
おい
)
の
涙
(
なみだ
)
も
漸
(
やうや
)
くに
056
歓喜
(
くわんき
)
の
涙
(
なみだ
)
と
変
(
かは
)
りけり
057
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
058
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
のいや
深
(
ふか
)
く
059
大御
(
おほみ
)
稜威
(
みいづ
)
の
弥高
(
いやたか
)
く
060
限
(
かぎ
)
り
知
(
し
)
られぬ
喜
(
よろこ
)
びの
061
心
(
こころ
)
勇
(
いさ
)
みて
大前
(
おほまへ
)
に
062
感謝
(
かんしや
)
し
仕
(
つか
)
へ
奉
(
たてまつ
)
る
063
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
064
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
065
星
(
ほし
)
落
(
お
)
ち
海
(
うみ
)
は
涸
(
か
)
るるとも
066
三五教
(
あななひけう
)
の
御教
(
みをしへ
)
は
067
孫子
(
まごこ
)
に
伝
(
つた
)
へて
放
(
はな
)
れじと
068
忍
(
しの
)
びし
事
(
こと
)
の
甲斐
(
かひ
)
ありて
069
一度
(
いちど
)
に
開
(
ひら
)
く
梅
(
うめ
)
の
花
(
はな
)
070
いと
香
(
かん
)
ばしく
薫
(
かを
)
る
代
(
よ
)
の
071
今日
(
けふ
)
の
生日
(
いくひ
)
ぞ
目出
(
めで
)
たけれ
072
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
073
御霊
(
みたま
)
幸倍
(
さちはへ
)
ましませよ』
074
伊太彦
(
いたひこ
)
は
又
(
また
)
謡
(
うた
)
ふ。
075
『
吾
(
われ
)
は
伊太彦
(
いたひこ
)
宣伝使
(
せんでんし
)
076
玉国別
(
たまくにわけ
)
の
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
に
077
祠
(
ほこら
)
の
森
(
もり
)
より
仕
(
つか
)
へ
来
(
き
)
て
078
諸
(
もも
)
の
功
(
いさを
)
を
現
(
あら
)
はしつ
079
スダルマ
山
(
さん
)
の
麓
(
ふもと
)
迄
(
まで
)
080
来
(
きた
)
りて
見
(
み
)
れば
吾
(
わが
)
体
(
からだ
)
081
其
(
その
)
面影
(
おもかげ
)
も
若々
(
わかわか
)
と
082
緑
(
みどり
)
の
色
(
いろ
)
と
輝
(
かがや
)
きぬ
083
はて
訝
(
いぶ
)
かしやと
思
(
おも
)
ふ
間
(
ま
)
に
084
カークス、ベースの
両人
(
りやうにん
)
に
085
夏木
(
なつき
)
茂
(
しげ
)
れる
道
(
みち
)
の
辺
(
べ
)
に
086
巡
(
めぐ
)
り
遇
(
あ
)
ひてゆスーラヤの
087
山
(
やま
)
にかくれしウバナンダ
088
ナーガラシャーのかくしたる
089
夜光
(
やくわう
)
の
玉
(
たま
)
のありと
聞
(
き
)
き
090
伊都
(
いづ
)
の
言霊
(
ことたま
)
打
(
う
)
ち
出
(
い
)
だし
091
竜神
(
りうじん
)
達
(
たち
)
を
言向
(
ことむ
)
けて
092
夜光
(
やくわう
)
の
玉
(
たま
)
を
授
(
さづ
)
かりつ
093
珍
(
うづ
)
の
聖地
(
せいち
)
のエルサレム
094
黄金山
(
わうごんさん
)
の
神館
(
みやかた
)
に
095
奉
(
たてまつ
)
らむと
勇
(
いさ
)
み
立
(
た
)
ち
096
二人
(
ふたり
)
に
間道
(
かんだう
)
教
(
をし
)
へられ
097
緑
(
みどり
)
滴
(
したた
)
るテルの
里
(
さと
)
098
スーラヤ
湖水
(
こすい
)
の
磯端
(
いそばた
)
に
099
来
(
きた
)
りて
見
(
み
)
れば
摩訶
(
まか
)
不思議
(
ふしぎ
)
100
木花姫
(
このはなひめ
)
の
再来
(
さいらい
)
か
101
但
(
ただ
)
しは
神代
(
かみよ
)
を
松代姫
(
まつよひめ
)
102
容貌
(
みめ
)
麗
(
うるは
)
しきブラヷーダ
103
姿
(
すがた
)
やさしき
姫君
(
ひめぎみ
)
に
104
玉
(
たま
)
の
御声
(
みこゑ
)
をかけられて
105
胸
(
むね
)
轟
(
とどろ
)
きし
愚
(
おろ
)
かさよ
106
かくなる
上
(
うへ
)
は
伊太彦
(
いたひこ
)
も
107
唯
(
ただ
)
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
108
神
(
かみ
)
の
経綸
(
しぐみ
)
と
畏
(
かしこ
)
みて
109
ブラヷーダ
姫
(
ひめ
)
を
娶
(
めと
)
りつつ
110
千代
(
ちよ
)
に
八千代
(
やちよ
)
に
玉椿
(
たまつばき
)
111
赤
(
あか
)
き
縁
(
えにし
)
を
結
(
むす
)
びつつ
112
神
(
かみ
)
の
大道
(
おほぢ
)
に
仕
(
つか
)
ふべし
113
玉国別
(
たまくにわけ
)
の
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
も
114
此
(
この
)
消息
(
せうそく
)
を
知
(
し
)
りまさば
115
必
(
かなら
)
ず
喜
(
よろこ
)
びたまふべし
116
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
117
神
(
かみ
)
に
誓
(
ちか
)
ひて
伊太彦
(
いたひこ
)
が
118
心
(
こころ
)
の
岩戸
(
いはと
)
押
(
お
)
し
開
(
ひら
)
き
119
思
(
おも
)
ひの
丈
(
たけ
)
を
述
(
の
)
べまつる
120
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
121
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
122
仮令
(
たとへ
)
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
123
誠
(
まこと
)
一
(
ひと
)
つを
立
(
た
)
て
通
(
とほ
)
し
124
ルーブヤ
父上
(
ちちうへ
)
母上
(
ははうへ
)
の
125
バヅマラーカによく
仕
(
つか
)
へ
126
ブラヷーダをいつくしみ
127
三五教
(
あななひけう
)
の
御教
(
みをしへ
)
を
128
月
(
つき
)
の
御国
(
みくに
)
は
云
(
い
)
ふも
更
(
さら
)
129
四方
(
よも
)
の
国々
(
くにぐに
)
隈
(
くま
)
もなく
130
伝
(
つた
)
へまつりて
大神
(
おほかみ
)
の
131
御前
(
みまへ
)
に
凱
(
かちどき
)
申
(
まを
)
すべし
132
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
133
守
(
まも
)
らせたまへ
三五
(
あななひ
)
の
134
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
135
畏
(
かしこ
)
み
畏
(
かしこ
)
み
願
(
ね
)
ぎまつる』
136
バヅマラーカは
又
(
また
)
謡
(
うた
)
ふ。
137
『
待
(
ま
)
ちに
待
(
ま
)
ちたる
文月
(
ふみづき
)
の
138
今日
(
けふ
)
は
十
(
とを
)
まり
二
(
ふた
)
つの
日
(
ひ
)
139
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのを
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
140
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
幸
(
さち
)
はひて
141
千代
(
ちよ
)
の
喜
(
よろこ
)
び
来
(
きた
)
りけり
142
三五教
(
あななひけう
)
の
伊太彦
(
いたひこ
)
よ
143
愚
(
おろか
)
なれども
吾
(
わが
)
娘
(
むすめ
)
144
ブラヷーダ
姫
(
ひめ
)
を
憐
(
あはれ
)
みて
145
千代
(
ちよ
)
もかはらぬ
宿
(
やど
)
の
妻
(
つま
)
146
娶
(
めと
)
らせたまへ
相共
(
あひとも
)
に
147
鴛鴦
(
をし
)
の
衾
(
ふすま
)
の
睦
(
むつま
)
じく
148
神
(
かみ
)
にならひて
岩窟
(
いはやど
)
を
149
押
(
お
)
して
開
(
ひら
)
くてふ
神業
(
かむわざ
)
に
150
清
(
きよ
)
けく
仕
(
つか
)
へさせたまへ
151
吾
(
われ
)
は
老木
(
おいき
)
の
身
(
み
)
なれども
152
汝
(
なれ
)
が
命
(
みこと
)
の
来
(
きた
)
りしゆ
153
心
(
こころ
)
勇
(
いさ
)
みて
何
(
なん
)
となく
154
嬉
(
うれ
)
しく
楽
(
たの
)
しくなりにけり
155
汝
(
なれ
)
が
命
(
みこと
)
は
天津
(
あまつ
)
日
(
ひ
)
の
156
元津国
(
もとつくに
)
より
下
(
くだ
)
ります
157
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
の
神
(
かみ
)
によく
似
(
に
)
たり
158
テルの
里
(
さと
)
にも
春
(
はる
)
は
来
(
き
)
て
159
永久
(
とは
)
の
花
(
はな
)
さく
代
(
よ
)
となりぬ
160
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
161
三五教
(
あななひけう
)
の
皇神
(
すめかみ
)
の
162
深
(
ふか
)
き
恵
(
めぐみ
)
を
今更
(
いまさら
)
に
163
喜
(
よろこ
)
び
感謝
(
かんしや
)
し
奉
(
たてまつ
)
る
164
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
165
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
166
仮令
(
たとへ
)
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
167
これの
赤縄
(
えにし
)
は
変
(
かは
)
らまじ
168
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
169
御霊
(
みたま
)
の
恩頼
(
ふゆ
)
を
祝
(
ほ
)
ぎまつる』
170
ブラヷーダは
又
(
また
)
謡
(
うた
)
ふ。
171
『
実
(
げ
)
に
有難
(
ありがた
)
き
今日
(
けふ
)
の
日
(
ひ
)
は
172
天
(
あま
)
の
岩戸
(
いはと
)
の
開
(
ひら
)
けたる
173
常世
(
とこよ
)
の
春
(
はる
)
の
心地
(
ここち
)
なり
174
天
(
あま
)
の
河原
(
かはら
)
に
棹
(
さを
)
さして
175
天降
(
あも
)
りましたる
彦星
(
ひこぼし
)
の
176
厳
(
いづ
)
の
御
(
おん
)
顔
(
かほ
)
伏
(
ふ
)
し
拝
(
をが
)
み
177
蕾
(
つぼみ
)
の
花
(
はな
)
も
露
(
つゆ
)
を
得
(
え
)
て
178
今
(
いま
)
や
開
(
ひら
)
かむ
時
(
とき
)
は
来
(
き
)
ぬ
179
吾
(
わが
)
父母
(
ちちはは
)
よ
背
(
せ
)
の
君
(
きみ
)
よ
180
吾
(
わが
)
赤心
(
まごころ
)
を
憐
(
あはれ
)
みて
181
常磐
(
ときは
)
に
堅磐
(
かきは
)
に
恵
(
めぐ
)
みませ
182
二人
(
ふたり
)
の
親
(
おや
)
によく
仕
(
つか
)
へ
183
兄
(
あに
)
の
言葉
(
ことば
)
に
背
(
そむ
)
かずに
184
吾
(
わが
)
背
(
せ
)
の
君
(
きみ
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
185
スーラヤ
山
(
さん
)
に
立
(
た
)
ち
向
(
むか
)
ひ
186
八大
(
はちだい
)
竜王
(
りうわう
)
の
随一
(
ずいいち
)
と
187
世
(
よ
)
に
聞
(
きこ
)
えたるウバナンダ
188
ナーガラシャーを
言向
(
ことむ
)
けて
189
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
190
凱
(
かちどき
)
あげて
功勲
(
いさをし
)
を
191
千代
(
ちよ
)
に
八千代
(
やちよ
)
に
伝
(
つた
)
へなむ
192
恵
(
めぐ
)
ませたまへ
惟神
(
かむながら
)
193
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのを
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
194
御前
(
みまへ
)
に
感謝
(
かんしや
)
し
奉
(
たてまつ
)
る
195
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
造
(
つく
)
りし
神直日
(
かむなほひ
)
196
心
(
こころ
)
も
広
(
ひろ
)
き
大直日
(
おほなほひ
)
197
唯
(
ただ
)
何事
(
なにごと
)
も
人
(
ひと
)
の
世
(
よ
)
は
198
直日
(
なほひ
)
に
見
(
み
)
なほし
聞直
(
ききなお
)
し
199
三五教
(
あななひけう
)
の
御教
(
みをしへ
)
を
200
伊太彦
(
いたひこ
)
司
(
つかさ
)
の
背
(
せ
)
の
君
(
きみ
)
と
201
心
(
こころ
)
を
合
(
あは
)
せ
力
(
ちから
)
をば
202
一
(
ひと
)
つに
固
(
かた
)
めて
八十
(
やそ
)
の
国
(
くに
)
203
八十
(
やそ
)
の
島々
(
しまじま
)
隈
(
くま
)
もなく
204
開
(
ひら
)
き
伝
(
つた
)
へむ
門出
(
かどいで
)
を
205
守
(
まも
)
らせたまへ
惟神
(
かむながら
)
206
畏
(
かしこ
)
み
畏
(
かしこ
)
み
願
(
ね
)
ぎまつる』
207
カークスは
又
(
また
)
謡
(
うた
)
ふ。
208
『スダルマ
山
(
さん
)
の
森林
(
しんりん
)
の
209
辺
(
ほとり
)
に
住
(
す
)
めるカークスは
210
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
に
守
(
まも
)
られて
211
伊太彦
(
いたひこ
)
司
(
つかさ
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
212
常世
(
とこよ
)
の
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
くテルの
里
(
さと
)
213
ルーブヤ
館
(
やかた
)
に
立
(
た
)
ち
向
(
むか
)
ひ
214
思
(
おも
)
ひも
寄
(
よ
)
らぬ
待遇
(
もてな
)
しに
215
与
(
あづか
)
りました
有難
(
ありがた
)
さ
216
夫
(
それ
)
のみならず
伊太彦
(
いたひこ
)
の
217
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
はブラヷーダ
218
姫
(
ひめ
)
の
命
(
みこと
)
の
背
(
せ
)
となりて
219
いとも
尊
(
たふと
)
き
御教
(
みをしへ
)
を
220
世界
(
せかい
)
に
開
(
ひら
)
きたまはむと
221
スーラヤ
山
(
さん
)
に
立
(
た
)
ち
向
(
むか
)
ひ
222
功
(
いさを
)
を
立
(
た
)
てむとなしたまふ
223
神力
(
しんりき
)
無限
(
むげん
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
224
伊都
(
いづ
)
の
司
(
つかさ
)
の
御
(
おん
)
伴
(
とも
)
と
225
仕
(
つか
)
へ
奉
(
まつ
)
りし
吾々
(
われわれ
)
は
226
天
(
てん
)
にも
登
(
のぼ
)
る
心地
(
ここち
)
して
227
神
(
かみ
)
の
御稜威
(
みいづ
)
を
感謝
(
かんしや
)
しつ
228
心
(
こころ
)
の
限
(
かぎ
)
り
身
(
み
)
の
限
(
かぎ
)
り
229
此
(
この
)
世
(
よ
)
の
為
(
ため
)
に
尽
(
つく
)
すべき
230
嬉
(
うれ
)
しき
身
(
み
)
とはなりにけり
231
三五教
(
あななひけう
)
の
大御神
(
おほみかみ
)
232
罪
(
つみ
)
に
汚
(
けが
)
れし
身
(
み
)
なれども
233
大御心
(
おほみこころ
)
に
見直
(
みなほ
)
して
234
赦
(
ゆる
)
させたまひ
吾々
(
われわれ
)
を
235
空前
(
くうぜん
)
絶後
(
ぜつご
)
の
神業
(
しんげふ
)
に
236
使
(
つか
)
はせたまへ
惟神
(
かむながら
)
237
御前
(
みまへ
)
に
感謝
(
かんしや
)
し
奉
(
たてまつ
)
り
238
ルーブヤ
館
(
やかた
)
の
喜
(
よろこ
)
びを
239
言祝
(
ことほ
)
ぎまつり
願
(
ね
)
ぎまつる
240
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
241
御霊
(
みたま
)
幸倍
(
さちはへ
)
ましませよ』
242
ベースは
又
(
また
)
謡
(
うた
)
ふ。
243
『
目出度
(
めでた
)
い
目出度
(
めでた
)
いお
目出度
(
めでた
)
い
244
枯木
(
かれき
)
に
花
(
はな
)
は
咲
(
さ
)
き
出
(
い
)
でぬ
245
梢
(
こずゑ
)
に
深
(
ふか
)
く
包
(
つつ
)
まれし
246
無花果
(
いちじゆく
)
さへも
今
(
いま
)
は
早
(
はや
)
247
開
(
ひら
)
き
初
(
そ
)
めたる
優曇華
(
うどんげ
)
の
248
目出度
(
めでた
)
き
春
(
はる
)
となりにけり
249
スーラヤ
山
(
さん
)
の
宝玉
(
はうぎよく
)
を
250
神
(
かみ
)
の
守
(
まも
)
りに
手
(
て
)
に
入
(
い
)
れて
251
吾
(
わが
)
一生
(
いつしやう
)
を
安楽
(
あんらく
)
に
252
暮
(
くら
)
さむものと
思
(
おも
)
ひしは
253
今
(
いま
)
に
至
(
いた
)
りてつくづくと
254
省
(
かへり
)
みすれば
恥
(
はづ
)
かしや
255
いざこれよりは
伊太彦
(
いたひこ
)
の
256
珍
(
うづ
)
の
司
(
つかさ
)
に
従
(
したが
)
ひて
257
赤
(
あか
)
き
誠
(
まこと
)
の
心
(
こころ
)
もて
258
大神業
(
だいしんげふ
)
に
仕
(
つか
)
ふべし
259
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
為
(
た
)
め
世
(
よ
)
の
為
(
た
)
めに
260
ナーガラシャーの
宝玉
(
はうぎよく
)
を
261
請取
(
うけと
)
るならば
難
(
なん
)
はなし
262
吾
(
わが
)
身
(
み
)
の
欲
(
よく
)
に
搦
(
から
)
まれて
263
其
(
その
)
宝玉
(
はうぎよく
)
を
得
(
え
)
むとして
264
尊
(
たふと
)
き
命
(
いのち
)
を
召
(
め
)
されたる
265
人
(
ひと
)
は
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
数
(
かず
)
知
(
し
)
れず
266
実
(
げ
)
にもうたてき
次第
(
しだい
)
なり
267
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
268
神
(
かみ
)
の
大道
(
おほぢ
)
を
生々
(
なまなま
)
に
269
悟
(
さと
)
りそめたる
吾々
(
われわれ
)
は
270
最早
(
もはや
)
昨日
(
きのふ
)
の
人
(
ひと
)
ならず
271
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
に
包
(
つつ
)
まれし
272
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
御子
(
みこ
)
ぞかし
273
あゝ
有難
(
ありがた
)
し
有難
(
ありがた
)
し
274
ルーブヤさまやバヅマラーカ
275
ブラヷーダーのお
姫
(
ひめ
)
さま
276
何卒
(
なにとぞ
)
宜敷
(
よろし
)
く
願
(
ねが
)
ひます
277
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
くアスマガルダ
278
兄
(
あに
)
の
命
(
みこと
)
の
帰
(
かへ
)
りまし
279
此
(
この
)
有様
(
ありさま
)
を
臠
(
みそな
)
はし
280
共
(
とも
)
に
喜
(
よろこ
)
び
手
(
て
)
を
引
(
ひ
)
いて
281
玉
(
たま
)
の
御船
(
みふね
)
をかざしつつ
282
伊太彦
(
いたひこ
)
司
(
つかさ
)
に
従
(
したが
)
ひて
283
スーラヤ
山
(
さん
)
に
登
(
のぼ
)
る
日
(
ひ
)
を
284
指
(
ゆび
)
折
(
を
)
り
楽
(
たの
)
しみ
待
(
ま
)
ちまする
285
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
286
御霊
(
みたま
)
幸倍
(
さちはへ
)
ましませよ』
287
ルーブヤ『とざされし
天
(
あま
)
の
岩戸
(
いはと
)
も
開
(
ひら
)
くてふ
288
楽
(
たの
)
しき
春
(
はる
)
は
吾
(
わが
)
家
(
や
)
に
来
(
きた
)
りぬ』
289
バヅマラーカ『
待
(
ま
)
ち
佗
(
わび
)
し
道
(
みち
)
文月
(
ふみづき
)
の
今日
(
けふ
)
こそは
290
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
恵
(
めぐみ
)
あまねし』
291
伊太彦
(
いたひこ
)
『
皇神
(
すめかみ
)
の
経綸
(
しぐみ
)
の
綱
(
つな
)
に
操
(
あやつ
)
られ
292
縁
(
えにし
)
の
糸
(
いと
)
を
結
(
むす
)
びけるかな』
293
ブラヷーダ『
待
(
ま
)
ち
佗
(
わび
)
し
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
の
背
(
せ
)
の
君
(
きみ
)
を
294
与
(
あた
)
へられたる
吾
(
われ
)
ぞうれしき』
295
カークス『かかる
代
(
よ
)
に
生
(
うま
)
れ
遇
(
あ
)
ふ
身
(
み
)
の
嬉
(
うれ
)
しさは
296
常世
(
とこよ
)
の
春
(
はる
)
の
心地
(
ここち
)
するかな』
297
ベース『
如何
(
いか
)
にして
称
(
たた
)
へむよしも
無
(
な
)
きほどに
298
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
の
尊
(
たふと
)
くなりぬ』
299
(
大正一二・五・一八
旧四・三
於教主殿
加藤明子
録)
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