霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
目 次
設 定
閉じる
×
霊界物語
三鏡
大本神諭
伊都能売神諭
出口王仁三郎全集
出口王仁三郎著作集
王仁文庫
惟神の道
幼ながたり
開祖伝
聖師伝
霧の海(第六歌集)
大本七十年史
大本史料集成
神霊界
新聞記事
新月の光
その他
王仁文献考証
検索は「
王仁DB
」で
←
戻る
霊界物語
霊主体従
第1巻(子の巻)
第2巻(丑の巻)
第3巻(寅の巻)
第4巻(卯の巻)
第5巻(辰の巻)
第6巻(巳の巻)
第7巻(午の巻)
第8巻(未の巻)
第9巻(申の巻)
第10巻(酉の巻)
第11巻(戌の巻)
第12巻(亥の巻)
如意宝珠
第13巻(子の巻)
第14巻(丑の巻)
第15巻(寅の巻)
第16巻(卯の巻)
第17巻(辰の巻)
第18巻(巳の巻)
第19巻(午の巻)
第20巻(未の巻)
第21巻(申の巻)
第22巻(酉の巻)
第23巻(戌の巻)
第24巻(亥の巻)
海洋万里
第25巻(子の巻)
第26巻(丑の巻)
第27巻(寅の巻)
第28巻(卯の巻)
第29巻(辰の巻)
第30巻(巳の巻)
第31巻(午の巻)
第32巻(未の巻)
第33巻(申の巻)
第34巻(酉の巻)
第35巻(戌の巻)
第36巻(亥の巻)
舎身活躍
第37巻(子の巻)
第38巻(丑の巻)
第39巻(寅の巻)
第40巻(卯の巻)
第41巻(辰の巻)
第42巻(巳の巻)
第43巻(午の巻)
第44巻(未の巻)
第45巻(申の巻)
第46巻(酉の巻)
第47巻(戌の巻)
第48巻(亥の巻)
真善美愛
第49巻(子の巻)
第50巻(丑の巻)
第51巻(寅の巻)
第52巻(卯の巻)
第53巻(辰の巻)
第54巻(巳の巻)
第55巻(午の巻)
第56巻(未の巻)
第57巻(申の巻)
第58巻(酉の巻)
第59巻(戌の巻)
第60巻(亥の巻)
山河草木
第61巻(子の巻)
第62巻(丑の巻)
第63巻(寅の巻)
第64巻(卯の巻)上
第64巻(卯の巻)下
第65巻(辰の巻)
第66巻(巳の巻)
第67巻(午の巻)
第68巻(未の巻)
第69巻(申の巻)
第70巻(酉の巻)
第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
特別編 入蒙記
天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
第79巻(午の巻)
第80巻(未の巻)
第81巻(申の巻)
←
戻る
第63巻(寅の巻)
序歌
総説
第1篇 妙法山月
01 玉の露
〔1608〕
02 妙法山
〔1609〕
03 伊猛彦
〔1610〕
04 山上訓
〔1611〕
05 宿縁
〔1612〕
06 テルの里
〔1613〕
第2篇 日天子山
07 湖上の影
〔1614〕
08 怪物
〔1615〕
09 超死線
〔1616〕
第3篇 幽迷怪道
10 鷺と鴉
〔1617〕
11 怪道
〔1618〕
12 五託宣
〔1619〕
13 蚊燻
〔1620〕
14 嬉し涙
〔1621〕
第4篇 四鳥の別
15 波の上
〔1622〕
16 諒解
〔1623〕
17 峠の涙
〔1624〕
18 夜の旅
〔1625〕
第5篇 神検霊査
19 仕込杖
〔1626〕
20 道の苦
〔1627〕
21 神判
〔1628〕
22 蚯蚓の声
〔1629〕
余白歌
このサイトは『霊界物語』を始めとする出口王仁三郎等の著書を無料で公開しています。
(注・出口王仁三郎の全ての著述を収録しているわけではありません。未収録のものも沢山あります)
閉じる
×
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
その他の設定項目を表示する
ここから下を閉じる
文字サイズ
S
【標準】
M
L
フォント
フォント1
【標準】
フォント2
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
古いブラウザでうまく表示されない時はこの設定を試してみて下さい
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側にだけ表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注
[?]
[※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
全ての脚注を開く
全ての脚注を閉じる(マーク表示)
【標準】
脚注マークを表示しない
文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色
[?]
底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。
[×閉じる]
外字1の色
[?]
この設定は現在使われておりません。
[×閉じる]
外字2の色
[?]
文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。
[×閉じる]
→
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
10月30~31日に旧サイトから新サイトへの移行作業を行う予定です。
実験用サイト
|
サブスク
霊界物語
>
第63巻
> 第3篇 幽迷怪道 > 第12章 五託宣
<<< 怪道
(B)
(N)
蚊燻 >>>
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。
【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034 アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。
第一二章
五託宣
(
ごたくせん
)
〔一六一九〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第63巻 山河草木 寅の巻
篇:
第3篇 幽迷怪道
よみ(新仮名遣い):
ゆうめいかいどう
章:
第12章 五託宣
よみ(新仮名遣い):
ごたくせん
通し章番号:
1619
口述日:
1923(大正12)年05月24日(旧04月9日)
口述場所:
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1926(大正15)年2月3日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
カークスとベースは不審の念を抱いて、近づいてくる宣伝歌に耳をすませた。歌の主は伊太彦であった。
伊太彦はアスマガルダ、ブラヷーダを連れて、竜王の岩窟の向こうにこれほど広い原野があることを不思議に思いながら歌を歌いながらやってきた。
カークスとベースは伊太彦に出会えたことを喜び、先ほどの怪しい婆の話をした。伊太彦は岩窟だから妖怪が出たのだろうと答え、ウバナンダ竜王に会うために先に進もうと一同を促した。
一同が進んでいくと、はげ山の麓に草ぶき屋根の小屋が一軒建っていた。小屋から出てきたのは高姫であった。高姫は一行を呼び止め、けっこうなウラナイ教の話を聞かせてやろうと引き留めた。
しかしカークスとベースは、高姫の居丈高な物言いに不快の念をあらわにし、無視して先に進もうと伊太彦にもちかけた。高姫は怒り、二人は身魂が悪いから自分の館に入ることはならないと言い渡した。
高姫は伊太彦、アスマガルダ、ブラヷーダの三人を引き入れようとするが、ブラヷーダはここまで生死を共にしてきたのだから、カークスとベースが入れない家にやっかいになるのは止めようと言い出した。
伊太彦とアスマガルダも同調したので、高姫は仕方なく五人とも招き入れようとするが、その物言いがまた居丈高なので、カークスとベースは家に入るのを拒否した。
高姫は門口でウラナイ教の説法をすることにした。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2017-06-06 18:17:50
OBC :
rm6312
愛善世界社版:
164頁
八幡書店版:
第11輯 321頁
修補版:
校定版:
168頁
普及版:
64頁
初版:
ページ備考:
001
カークス、
002
ベース
両人
(
りやうにん
)
は
不審
(
ふしん
)
の
胸
(
むね
)
を
抱
(
いだ
)
き
乍
(
なが
)
ら、
003
路傍
(
ろばう
)
に
直立
(
ちよくりつ
)
せる
立岩
(
たちいは
)
の
側
(
そば
)
に
佇
(
たたず
)
んで、
004
宣伝歌
(
せんでんか
)
の
声
(
こゑ
)
の
近寄
(
ちかよ
)
るのを
耳
(
みみ
)
をすませて
聞
(
き
)
いて
居
(
ゐ
)
る。
005
伊太彦
(
いたひこ
)
『
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
006
吾
(
われ
)
は
伊太彦
(
いたひこ
)
司
(
つかさ
)
なり
007
玉国別
(
たまくにわけ
)
に
従
(
したが
)
ひて
008
スダルマ
山
(
さん
)
の
麓
(
ふもと
)
迄
(
まで
)
009
進
(
すす
)
み
来
(
きた
)
れる
折
(
をり
)
もあれ
010
木蔭
(
こかげ
)
に
休
(
やす
)
む
両人
(
りやうにん
)
に
011
不図
(
ふと
)
出会
(
でつくは
)
してスーラヤの
012
山
(
やま
)
に
夜光
(
やくわう
)
の
玉
(
たま
)
ありと
013
聞
(
き
)
くより
心
(
こころ
)
勇
(
いさ
)
み
立
(
た
)
ち
014
吾
(
わが
)
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
に
許
(
ゆる
)
されて
015
カークス、ベース
両人
(
りやうにん
)
を
016
従
(
したが
)
へ
間道
(
かんだう
)
潜
(
くぐ
)
り
抜
(
ぬ
)
け
017
スーラヤ
湖辺
(
こへん
)
のテルの
里
(
さと
)
018
ルーブヤ
館
(
やかた
)
に
立
(
たち
)
寄
(
よ
)
りて
019
神
(
かみ
)
の
仕組
(
しぐみ
)
のブラヷーダ
020
姫
(
ひめ
)
の
命
(
みこと
)
と
赤縄
(
えにし
)
をば
021
結
(
むす
)
び
終
(
をは
)
りて
兄
(
あに
)
とます
022
アスマガルダの
舟
(
ふね
)
に
乗
(
の
)
り
023
波
(
なみ
)
に
漂
(
ただよ
)
ひ
漸
(
やうや
)
くに
024
スーラヤ
山
(
さん
)
に
漕
(
こ
)
ぎつけて
025
一夜
(
いちや
)
を
明
(
あ
)
かす
折
(
をり
)
もあれ
026
得体
(
えたい
)
の
知
(
し
)
れぬ
怪物
(
くわいぶつ
)
が
027
忽
(
たちま
)
ちここに
現
(
あら
)
はれて
028
いろはにほへとちりぬるを
029
わかよたれそつねならむ
030
うゐのおくやまけふこえて
031
あさきゆめみしゑひもせす
032
京味
(
きやうみ
)
の
深
(
ふか
)
い
問答
(
もんだふ
)
を
033
敗
(
ま
)
けず
劣
(
おと
)
らず
開始
(
かいし
)
して
034
火花
(
ひばな
)
を
散
(
ち
)
らせば
怪物
(
くわいぶつ
)
は
035
煙
(
けぶり
)
となりて
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せぬ
036
夜
(
よ
)
も
漸
(
やうや
)
くに
明
(
あ
)
け
放
(
はな
)
れ
037
一行
(
いつかう
)
五
(
ご
)
人
(
にん
)
はスーラヤの
038
危
(
あやふ
)
き
死線
(
しせん
)
を
突破
(
とつぱ
)
して
039
足
(
あし
)
を
痛
(
いた
)
めつ
頂上
(
ちやうじやう
)
に
040
登
(
のぼ
)
り
終
(
おう
)
せてウバナンダ
041
ナーガラシャーの
潜
(
ひそ
)
みたる
042
醜
(
しこ
)
の
岩窟
(
いはや
)
に
立
(
たち
)
向
(
むか
)
ひ
043
山
(
やま
)
の
尾
(
を
)
の
上
(
へ
)
に
茂
(
しげ
)
り
生
(
は
)
ふ
044
藤蔓
(
ふぢつる
)
切
(
き
)
りて
縄梯子
(
なははしご
)
045
やつと
拵
(
こしら
)
へ
吊
(
つ
)
り
下
(
お
)
ろし
046
五
(
ご
)
人
(
にん
)
一度
(
いちど
)
にスルスルと
047
下
(
くだ
)
りて
見
(
み
)
れば
思
(
おも
)
ひきや
048
果
(
は
)
てしも
知
(
し
)
らぬ
広
(
ひろ
)
い
穴
(
あな
)
049
際限
(
さいげん
)
もなく
展開
(
てんかい
)
し
050
山河
(
さんか
)
草木
(
さうもく
)
立
(
たち
)
並
(
なら
)
ぶ
051
広
(
ひろ
)
き
原野
(
げんや
)
となりにけり
052
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
053
神
(
かみ
)
の
仕組
(
しぐみ
)
の
玉糸
(
たまいと
)
に
054
索
(
ひ
)
かれて
来
(
きた
)
る
吾々
(
われわれ
)
は
055
何処
(
いづこ
)
をあてと
白雲
(
しらくも
)
の
056
行
(
ゆ
)
ける
所
(
とこ
)
迄
(
まで
)
進
(
すす
)
まむと
057
ここ
迄
(
まで
)
来
(
きた
)
り
息
(
いき
)
休
(
やす
)
め
058
後
(
あと
)
振
(
ふ
)
り
返
(
かへ
)
り
眺
(
なが
)
むれば
059
如何
(
いか
)
になしけむカークスや
060
ベースの
二人
(
ふたり
)
は
落伍
(
らくご
)
して
061
姿
(
すがた
)
も
見
(
み
)
えずなりにけり
062
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
063
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましまして
064
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
両人
(
りやうにん
)
が
065
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
の
後
(
あと
)
を
追
(
おつ
)
かけて
066
互
(
たがひ
)
に
無事
(
ぶじ
)
を
祝
(
しゆく
)
し
合
(
あ
)
ふ
067
喜
(
よろこ
)
び
与
(
あた
)
へ
玉
(
たま
)
へかし
068
醜
(
しこ
)
の
岩窟
(
いはや
)
の
入口
(
いりぐち
)
は
069
いとも
狭
(
せま
)
けく
覚
(
おぼ
)
ゆれど
070
此
(
この
)
岩窟
(
がんくつ
)
の
広々
(
ひろびろ
)
と
071
展開
(
てんかい
)
したる
不思議
(
ふしぎ
)
さよ
072
空
(
そら
)
は
岩窟
(
いはや
)
に
包
(
つつ
)
まれて
073
月日
(
つきひ
)
の
影
(
かげ
)
は
見
(
み
)
えねども
074
何
(
なん
)
とはなしに
心地
(
ここち
)
よし
075
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
076
神
(
かみ
)
のまにまに
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く』
077
と
云
(
い
)
ひつつ
両人
(
りやうにん
)
の
傍
(
そば
)
に
近寄
(
ちかよ
)
つて
来
(
き
)
た。
078
カークスは
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
るより
飛
(
と
)
び
立
(
た
)
つやうに
喜
(
よろこ
)
んで、
079
カークス『あゝ
先生
(
せんせい
)
で
厶
(
ござ
)
りましたか。
080
ブラヷーダさまに、
081
アスマガルダさま、
082
どれだけ
尋
(
たづ
)
ねて
居
(
を
)
つた
事
(
こと
)
か
知
(
し
)
れませぬよ。
083
どうして
居
(
ゐ
)
られましたか』
084
伊太
(
いた
)
『いや
有難
(
ありがた
)
う。
085
実
(
じつ
)
の
所
(
ところ
)
はお
前
(
まへ
)
等
(
たち
)
二人
(
ふたり
)
の
姿
(
すがた
)
が
見
(
み
)
えぬので
086
又
(
また
)
足
(
あし
)
を
痛
(
いた
)
めて
遅
(
おく
)
れて
居
(
を
)
るのではあるまいかと、
087
幾度
(
いくど
)
も
幾度
(
いくど
)
も
路傍
(
ろばう
)
に
佇
(
たたず
)
み
見合
(
みあは
)
せ
見合
(
みあは
)
せやつて
来
(
き
)
たものだから、
088
斯
(
か
)
う
遅
(
おく
)
れて
了
(
しま
)
つたのだ。
089
随分
(
ずいぶん
)
待
(
ま
)
たしただらうな』
090
カークス『
随分
(
ずいぶん
)
待
(
ま
)
ちましたよ。
091
然
(
しか
)
しここは
妙
(
めう
)
な
所
(
ところ
)
ですな。
092
只今
(
たつたいま
)
濁流
(
だくりう
)
漲
(
みなぎ
)
る
大川
(
おほかは
)
が
横
(
よこた
)
はり、
093
汚
(
きたな
)
い
婆
(
ばば
)
が
現
(
あら
)
はれて
色々
(
いろいろ
)
雑多
(
ざつた
)
と
嚇
(
おど
)
し
文句
(
もんく
)
を
並
(
なら
)
べやがるものだから、
094
ベースと
二人
(
ふたり
)
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
掛合
(
かけあ
)
つてゐましたが
095
其
(
その
)
婆
(
ばば
)
は
岩
(
いは
)
と
化
(
ば
)
けて
了
(
しま
)
ひ、
096
川
(
かは
)
は
薄原
(
すすきはら
)
となりました。
097
一体
(
いつたい
)
ここは
冥途
(
めいど
)
ぢやありますまいかな』
098
伊太
(
いた
)
『
死
(
し
)
んだ
覚
(
おぼ
)
えもないのに、
099
どうして
冥途
(
めいど
)
へ
来
(
く
)
るものか。
100
ここはスーラヤ
山
(
さん
)
の
岩窟
(
がんくつ
)
から
此
(
この
)
通
(
とほ
)
り
展開
(
てんかい
)
してゐる
大
(
おほ
)
きな
広場
(
ひろば
)
だ。
101
あまり
広
(
ひろ
)
い
穴
(
あな
)
だから
102
此
(
この
)
通
(
とほ
)
り
目
(
め
)
の
届
(
とど
)
かぬ
程
(
ほど
)
草原
(
さうげん
)
が
展開
(
てんかい
)
してゐるのだ。
103
何
(
なん
)
と
不思議
(
ふしぎ
)
な
事
(
こと
)
ぢやないか』
104
カークス『いや、
105
それ
聞
(
き
)
いて
安心
(
あんしん
)
しました。
106
私
(
わたし
)
は
又
(
また
)
ベースと
両人
(
りやうにん
)
冥途
(
めいど
)
の
旅
(
たび
)
ぢやないかと、
107
どれだけ
気
(
き
)
を
揉
(
も
)
んだか
知
(
し
)
れませぬよ。
108
なア、
109
ベース、
110
随分
(
ずいぶん
)
いやらしかつたな』
111
ベース『
婆
(
ばば
)
の
出
(
で
)
た
時
(
とき
)
は
本当
(
ほんたう
)
に
肝
(
きも
)
潰
(
つぶ
)
しましたよ。
112
そして
婆
(
ばば
)
が
113
貴方
(
あなた
)
等
(
がた
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
が
此
(
この
)
川
(
かは
)
を
渡
(
わた
)
つて
向
(
むか
)
ふへ
行
(
い
)
つたと
嘘
(
うそ
)
ばかり
吐
(
こ
)
きやがるものだから、
114
早
(
はや
)
く
追付
(
おつつ
)
かうと
思
(
おも
)
つて、
115
どれ
丈
(
だ
)
け
気
(
き
)
をもんだか
知
(
し
)
れませぬわ』
116
伊太
(
いた
)
『ア、
1161
さうだつたか、
117
ここは
岩窟内
(
がんくつない
)
の
事
(
こと
)
だから
四辺
(
あたり
)
の
光景
(
くわうけい
)
も
違
(
ちが
)
ふて
居
(
ゐ
)
るなり、
118
何
(
いづ
)
れ
妖怪
(
えうくわい
)
も
出
(
で
)
るだらうよ。
119
さア
之
(
これ
)
から
奥
(
おく
)
に
行
(
ゆ
)
かう。
120
屹度
(
きつと
)
ウバナンダ
竜王
(
りうわう
)
が
玉
(
たま
)
を
翳
(
かざ
)
して
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
るだらう』
121
カークス『そんならお
伴
(
とも
)
を
致
(
いた
)
しませう。
122
おいベース、
123
どうやら
此方
(
こつち
)
のものらしいぞ。
124
まア
喜
(
よろこ
)
んだり
喜
(
よろこ
)
んだり。
125
一
(
ひと
)
つ
宣伝歌
(
せんでんか
)
でも
謡
(
うた
)
つて
潔
(
いさぎよ
)
う
行
(
ゆ
)
きませう』
126
カークス『
不思議
(
ふしぎ
)
な
事
(
こと
)
があるものだ
127
スーラヤ
山
(
さん
)
の
岩窟
(
がんくつ
)
に
128
藤
(
ふぢ
)
で
造
(
つく
)
つた
縄梯子
(
なははしご
)
129
垂
(
た
)
らしてスルスルスルと
下
(
お
)
り
130
見
(
み
)
れば
四辺
(
あたり
)
は
思
(
おも
)
うたより
131
広
(
ひろ
)
き
山川
(
さんせん
)
草木
(
そうもく
)
が
132
縦横
(
じうわう
)
無尽
(
むじん
)
に
展開
(
てんかい
)
し
133
岩窟
(
いはや
)
の
中
(
なか
)
とは
思
(
おも
)
へない
134
心
(
こころ
)
の
迷
(
まよ
)
ひか
知
(
し
)
らねども
135
三途
(
せうづ
)
の
川
(
かは
)
の
渡
(
わた
)
し
場
(
ば
)
で
136
お
岩
(
いは
)
幽霊
(
いうれい
)
の
醜婆
(
しこばば
)
が
137
萱
(
かや
)
の
中
(
なか
)
から
現
(
あら
)
はれて
138
凄
(
すご
)
い
文句
(
もんく
)
を
並
(
なら
)
べ
立
(
た
)
て
139
二人
(
ふたり
)
の
肝玉
(
きもだま
)
とり
挫
(
ひし
)
ぎ
140
忽
(
たちま
)
ち
岩
(
いは
)
と
化
(
ば
)
けよつた
141
いざ
之
(
これ
)
よりは
伊太彦
(
いたひこ
)
の
142
司
(
つかさ
)
と
共
(
とも
)
にある
限
(
かぎ
)
り
143
如何
(
いか
)
なる
曲
(
まが
)
の
来
(
きた
)
るとも
144
如何
(
いか
)
で
恐
(
おそ
)
れむ
惟神
(
かむながら
)
145
神
(
かみ
)
の
光
(
ひかり
)
に
照
(
て
)
らされて
146
曲津
(
まがつ
)
の
潜
(
ひそ
)
む
岩窟
(
いはやど
)
も
147
何
(
なん
)
の
苦
(
く
)
もなく
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
148
吾
(
わが
)
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
ぞ
楽
(
たの
)
しけれ
149
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
てら
)
ず
月
(
つき
)
はなく
150
風
(
かぜ
)
さへ
碌
(
ろく
)
に
吹
(
ふ
)
かねども
151
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
御
(
おん
)
為
(
ため
)
に
152
進
(
すす
)
む
吾
(
わが
)
身
(
み
)
は
有難
(
ありがた
)
や
153
八大
(
はちだい
)
竜王
(
りうわう
)
の
其
(
その
)
一
(
ひと
)
つ
154
歓喜
(
くわんき
)
竜王
(
りうわう
)
と
聞
(
きこ
)
えたる
155
ナーガラシャーの
宝
(
たから
)
をば
156
伊太彦
(
いたひこ
)
さまが
手
(
て
)
に
入
(
い
)
れて
157
珍
(
うづ
)
の
都
(
みやこ
)
のエルサレム
158
黄金山
(
わうごんざん
)
に
献
(
たてまつ
)
り
159
五六七
(
みろく
)
神政
(
しんせい
)
の
完成
(
くわんせい
)
を
160
計
(
はか
)
らせ
玉
(
たま
)
ふ
神業
(
しんげふ
)
の
161
その
一端
(
いつたん
)
に
仕
(
つか
)
ふるは
162
神代
(
かみよ
)
も
聞
(
き
)
かぬ
功績
(
いさをし
)
ぞ
163
あゝ
勇
(
いさ
)
ましや
勇
(
いさ
)
ましや
164
如何
(
いか
)
なる
枉
(
まが
)
のさやるとも
165
神
(
かみ
)
に
任
(
まか
)
せし
吾
(
わが
)
身魂
(
みたま
)
166
何
(
なに
)
か
恐
(
おそ
)
れむ
敷島
(
しきしま
)
の
167
神国魂
(
みくにだましひ
)
を
振
(
ふ
)
り
起
(
おこ
)
し
168
地獄
(
ぢごく
)
の
底
(
そこ
)
迄
(
まで
)
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
169
あゝ
面白
(
おもしろ
)
や
勇
(
いさ
)
ましや
170
神
(
かみ
)
は
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
と
共
(
とも
)
にあり
171
神
(
かみ
)
に
守
(
まも
)
られ
進
(
すす
)
む
身
(
み
)
は
172
如何
(
いか
)
なる
嶮
(
けは
)
しき
山阪
(
やまさか
)
も
173
濁流
(
だくりう
)
漲
(
みなぎ
)
る
大川
(
おほかは
)
も
174
いと
安々
(
やすやす
)
と
進
(
すす
)
むべし
175
来
(
きた
)
れよ
来
(
きた
)
れいざ
来
(
きた
)
れ
176
勝利
(
しようり
)
の
都
(
みやこ
)
は
近
(
ちか
)
づきぬ
177
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
178
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
179
仮令
(
たとへ
)
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
180
吾
(
わが
)
身
(
み
)
の
命
(
いのち
)
は
亡
(
ほろ
)
ぶとも
181
此
(
この
)
神業
(
しんげふ
)
を
果
(
はた
)
さねば
182
決
(
けつ
)
して
後
(
あと
)
には
引
(
ひ
)
きはせぬ
183
守
(
まも
)
らせ
玉
(
たま
)
へ
大御神
(
おほみかみ
)
184
御霊
(
みたま
)
の
恩頼
(
ふゆ
)
を
願
(
ね
)
ぎ
奉
(
まつ
)
る』
185
斯
(
か
)
く
謡
(
うた
)
ひつつ
進
(
すす
)
んで
行
(
ゆ
)
くと
186
禿山
(
はげやま
)
の
麓
(
ふもと
)
に
草葺
(
くさふき
)
の
屋根
(
やね
)
が
一軒
(
いつけん
)
建
(
た
)
つてゐる。
187
そして
屋根
(
やね
)
は
所々
(
ところどころ
)
洩
(
も
)
り
188
幾条
(
いくすぢ
)
も
幾条
(
いくすぢ
)
も
谷
(
たに
)
が
出来
(
でき
)
て
青
(
あを
)
い
草
(
くさ
)
が
生
(
は
)
え、
189
下地
(
したぢ
)
の
竹
(
たけ
)
が
骨
(
ほね
)
を
出
(
だ
)
して
居
(
ゐ
)
る。
190
「ハテ
不思議
(
ふしぎ
)
な
家
(
いへ
)
があるものだな」と
一同
(
いちどう
)
は
佇
(
たたず
)
んで
首
(
くび
)
を
傾
(
かたむ
)
けて
考
(
かんが
)
へて
居
(
ゐ
)
る。
191
そこへ
一人
(
ひとり
)
の
婆
(
ばば
)
が
破
(
やぶ
)
れ
戸
(
ど
)
を、
192
ガタつかせ
乍
(
なが
)
らニユツと
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
り、
193
アトラスのやうな
斑
(
まんだら
)
な
顔
(
かほ
)
をして、
194
婆
(
ばば
)
『これこれ
旅
(
たび
)
のお
方
(
かた
)
、
195
一寸
(
ちよつと
)
寄
(
よ
)
つて
下
(
くだ
)
さい。
196
渋茶
(
しぶちや
)
でも
進
(
しん
)
ぜ
度
(
た
)
いから……
随分
(
ずいぶん
)
お
前
(
まへ
)
さまも
草臥
(
くたびれ
)
ただらう。
197
お
前
(
まへ
)
の
草鞋
(
わらぢ
)
には
泥埃
(
どろぼこり
)
の
寄生虫
(
きせいちう
)
が
湧
(
わ
)
いてるやうだ。
198
さぞ
足
(
あし
)
が
重
(
おも
)
たい
事
(
こと
)
だらう』
199
伊太
(
いた
)
『ハイ、
200
有難
(
ありがた
)
う。
201
然
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
御
(
ご
)
親切
(
しんせつ
)
を
無
(
む
)
にするは
誠
(
まこと
)
に
済
(
す
)
みませぬが、
202
少
(
すこ
)
し
急
(
せ
)
く
旅
(
たび
)
ですから
又
(
また
)
帰
(
かへ
)
りがけにお
世話
(
せわ
)
に
預
(
あづか
)
りませう』
203
婆
(
ばば
)
『これこれ、
204
お
前
(
まへ
)
は
心得
(
こころえ
)
が
悪
(
わる
)
いぞや。
205
此
(
この
)
婆
(
ばば
)
が
親切
(
しんせつ
)
に
茶
(
ちや
)
を
与
(
あた
)
へようと
云
(
い
)
ふのに、
206
何
(
なに
)
辞退
(
じたい
)
をなさるのか。
207
急
(
せ
)
く
旅
(
たび
)
ぢやと
云
(
い
)
つても
一
(
いち
)
日
(
にち
)
歩
(
ある
)
く
訳
(
わけ
)
にも
行
(
ゆ
)
くまい。
208
此処
(
ここ
)
で
休
(
やす
)
んで
行
(
ゆ
)
かつしやい。
209
結構
(
けつこう
)
な
結構
(
けつこう
)
な
三五教
(
あななひけう
)
の
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
かして
上
(
あ
)
げませうぞや』
210
伊太
(
いた
)
『
貴女
(
あなた
)
は
三五教
(
あななひけう
)
のお
方
(
かた
)
ですか。
211
実
(
じつ
)
は
私
(
わたし
)
も
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
で
厶
(
ござ
)
います』
212
婆
(
ばば
)
『お
前
(
まへ
)
も
何
(
なん
)
と
目
(
め
)
の
悪
(
わる
)
い
事
(
こと
)
だな。
213
俺
(
わし
)
の
相貌
(
そつぽ
)
を
見
(
み
)
ても
神司
(
かむづかさ
)
であるか、
214
神司
(
かむづかさ
)
でないか
分
(
わか
)
らなならぬ
筈
(
はず
)
だ。
215
実
(
じつ
)
の
所
(
ところ
)
は
三五教
(
あななひけう
)
の
高姫
(
たかひめ
)
と
云
(
い
)
ふ
変性
(
へんじやう
)
男子
(
なんし
)
の
系統
(
ひつぽう
)
、
216
日出
(
ひのでの
)
神
(
かみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
だが、
217
言依別
(
ことよりわけ
)
や
東助
(
とうすけ
)
の
没分暁漢
(
わからずや
)
に
愛憎
(
あいそ
)
をつかし、
218
又
(
また
)
旧
(
もと
)
のウラナイ
教
(
けう
)
を
開
(
ひら
)
いて
此処
(
ここ
)
でお
道
(
みち
)
を
説
(
と
)
いて
居
(
を
)
るのだ。
219
まアまア
聞
(
き
)
いて
行
(
ゆ
)
かつしやい。
220
決
(
けつ
)
して
悪
(
わる
)
いことは
云
(
い
)
はぬぞや』
221
伊太
(
いた
)
『あゝ
貴女
(
あなた
)
が
噂
(
うはさ
)
に
高
(
たか
)
き
高姫
(
たかひめ
)
さまで
厶
(
ござ
)
いましたか。
222
いや
初
(
はじ
)
めてお
目
(
め
)
にかかります。
223
さうして
又
(
また
)
三五教
(
あななひけう
)
を
捨
(
す
)
てウラナイ
教
(
けう
)
へお
這入
(
はい
)
りになるとは、
224
どう
云
(
い
)
ふお
考
(
かんが
)
へですか、
225
如何
(
いか
)
に
言依別
(
ことよりわけ
)
や
東助
(
とうすけ
)
さまと
御
(
ご
)
意見
(
いけん
)
が
合
(
あ
)
はぬと
云
(
い
)
つても
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
に
二
(
ふた
)
つはありますまい。
226
貴女
(
あなた
)
は
人間
(
にんげん
)
を
信用
(
しんよう
)
なさるから、
227
そんな
間違
(
まちがひ
)
が
出来
(
でき
)
るのでせう』
228
高姫
(
たかひめ
)
『まアまア
道端
(
みちばた
)
に
立
(
た
)
つて
話
(
はな
)
しても
仕方
(
しかた
)
がない。
229
一厘
(
いちりん
)
の
仕組
(
しぐみ
)
を
教
(
をし
)
へて
上
(
あ
)
げますから、
230
とつととお
這入
(
はい
)
りなさい。
231
まア
綺麗
(
きれい
)
なお
姫
(
ひめ
)
様
(
さま
)
だこと、
232
三五教
(
あななひけう
)
は
夫婦
(
ふうふ
)
ありては
御用
(
ごよう
)
が
出来
(
でき
)
ないと
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
仰有
(
おつしや
)
るのだが、
233
今
(
いま
)
は
言依別
(
ことよりわけ
)
のド
灰殻
(
はひから
)
や
東助
(
とうすけ
)
が
幹部
(
かんぶ
)
を
占
(
し
)
めて
居
(
を
)
るものだから、
234
何
(
なに
)
もかも
規律
(
きりつ
)
が
乱
(
みだ
)
れて……アタ
阿呆
(
あはう
)
らしい。
235
宣伝使
(
せんでんし
)
が
女房
(
にようばう
)
を
連
(
つ
)
れて……
何
(
なん
)
の
事
(
こと
)
ぢやいな。
236
それだから
三五教
(
あななひけう
)
は
駄目
(
だめ
)
だと
云
(
い
)
ふのだよ』
237
伊太
(
いた
)
『まア
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
一服
(
いつぷく
)
さして
貰
(
もら
)
はう。
238
なア ブラヷーダさま、
239
アスマガルダさま』
240
ブラヷーダ『はい、
241
そんならお
世話
(
せわ
)
になりませうかな』
242
高姫
(
たかひめ
)
『サアサアお
世話
(
せわ
)
になりなさい。
243
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
ふても
日出
(
ひのでの
)
神
(
かみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
だから、
244
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
の
事
(
こと
)
は
此
(
この
)
生宮
(
いきみや
)
に
聞
(
き
)
かねば
分
(
わか
)
りはせぬぞや』
245
カークス『もし
先生
(
せんせい
)
、
246
こんな
我
(
が
)
の
強
(
つよ
)
い
婆
(
ば
)
アさまの
所
(
ところ
)
へ
休
(
やす
)
むのは
胸
(
むね
)
が
悪
(
わる
)
いぢやありませぬか。
247
なア、
248
ベース、
249
一
(
ひと
)
つ
先生
(
せんせい
)
に
歎願
(
たんぐわん
)
してここへ
這入
(
はい
)
るのは
止
(
や
)
めて
貰
(
もら
)
はうぢやないか』
250
ベース『ウン、
251
あまり
偉
(
えら
)
さうに
云
(
い
)
ふぢやないか。
252
渋茶
(
しぶちや
)
を
飲
(
の
)
ますと
云
(
い
)
つて
馬
(
うま
)
の
小便
(
せうべん
)
でも
飲
(
の
)
ますか
知
(
し
)
れないぞ。
253
こりやうつかり
這入
(
はい
)
れまい』
254
高姫
(
たかひめ
)
『こりや
瓢六玉
(
へうろくだま
)
、
255
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
ふのだい。
256
嫌
(
いや
)
なら
這入
(
はい
)
らいでも
宜
(
よ
)
いわい。
257
何
(
なん
)
だ、
258
泥坊
(
どろばう
)
の
様
(
やう
)
な
面
(
つら
)
して、
259
側
(
そば
)
から
何
(
なに
)
を
横槍
(
よこやり
)
を
入
(
い
)
れるのだ。
260
さアさア
三
(
さん
)
人
(
にん
)
のお
方
(
かた
)
、
261
貴方
(
あなた
)
はどうも
利口
(
りこう
)
さうなお
方
(
かた
)
だ。
262
屹度
(
きつと
)
身魂
(
みたま
)
が
宜
(
よ
)
いのでせう。
263
サア
遠慮
(
ゑんりよ
)
は
要
(
い
)
らぬ、
264
早
(
はや
)
うお
這入
(
はい
)
り
下
(
くだ
)
さい』
265
伊太
(
いた
)
『さアさア、
266
カークス、
267
ベースの
両人
(
りやうにん
)
さま、
268
お
前
(
まへ
)
もそんな
理窟
(
りくつ
)
云
(
い
)
はずに
這入
(
はい
)
つたらどうだ』
269
高姫
(
たかひめ
)
『これ
伊太彦
(
いたひこ
)
さま、
270
あんな
瓢六玉
(
へうろくだま
)
は
日出
(
ひのでの
)
神
(
かみ
)
の
館
(
やかた
)
に
入
(
い
)
る
資格
(
しかく
)
はありませぬわい。
271
又
(
また
)
這入
(
はい
)
つて
貰
(
もら
)
ふと
家
(
いへ
)
が
穢
(
けが
)
れるから、
272
山門
(
さんもん
)
の
仁王
(
にわう
)
の
様
(
やう
)
に
門番
(
もんばん
)
をさして
置
(
お
)
けば、
273
それで
結構
(
けつこう
)
だ』
274
ブラヷーダ『もし
伊太彦
(
いたひこ
)
さま、
275
妾
(
わらは
)
は
斯
(
か
)
うして
五
(
ご
)
人
(
にん
)
生死
(
せいし
)
を
共
(
とも
)
にして
御用
(
ごよう
)
に
来
(
き
)
たので
厶
(
ござ
)
いますから、
276
カークス、
277
ベースさまが
這入
(
はい
)
れぬ
宅
(
うち
)
へはお
世話
(
せわ
)
になる
事
(
こと
)
はやめませうか』
278
伊太
(
いた
)
『ウン、
279
それもさうだ』
280
高姫
(
たかひめ
)
『
扨
(
さて
)
も
扨
(
さて
)
も
分
(
わか
)
らぬ
姫
(
ひめ
)
様
(
さま
)
だな。
281
お
前
(
まへ
)
は
身魂
(
みたま
)
の
善悪
(
ぜんあく
)
正邪
(
せいじや
)
を
知
(
し
)
らないから、
282
そんな
小理窟
(
こりくつ
)
を
云
(
い
)
ふのだよ。
283
此
(
この
)
高姫
(
たかひめ
)
の
眼
(
め
)
で
一寸
(
ちよつと
)
睨
(
にら
)
んだら
金輪
(
こんりん
)
奈落
(
ならく
)
、
284
違
(
ちが
)
ひはせぬぞや。
285
オツホヽヽヽ
286
何分
(
なにぶん
)
立派
(
りつぱ
)
な
男
(
をとこ
)
の
中
(
なか
)
に
混
(
まじ
)
つて
宣伝
(
せんでん
)
に
歩
(
ある
)
くと
云
(
い
)
ふやうな
新
(
あたら
)
しい
女
(
をんな
)
の
事
(
こと
)
だから、
287
どうで
此
(
この
)
婆
(
ばば
)
の
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は
気
(
き
)
に
合
(
あ
)
ひますまい。
288
然
(
しか
)
し、
289
そこは
一
(
ひと
)
つ
胸
(
むね
)
に
手
(
て
)
を
当
(
あ
)
てて
考
(
かんが
)
へたが
宜
(
よろ
)
しからうぞや』
290
ブラヷーダ『お
言葉
(
ことば
)
で
厶
(
ござ
)
いますが、
291
妾
(
わらは
)
はカークス、
292
ベースさまに
同情
(
どうじやう
)
して
一緒
(
いつしよ
)
に
立番
(
たちばん
)
を
致
(
いた
)
しませう。
293
伊太彦
(
いたひこ
)
様
(
さま
)
、
294
お
兄様
(
あにさま
)
、
295
どうぞ
中
(
なか
)
に
入
(
はい
)
つて
高姫
(
たかひめ
)
さまのお
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
いて
下
(
くだ
)
さい』
296
伊太
(
いた
)
『いやお
前
(
まへ
)
が
外
(
そと
)
へ
居
(
を
)
るのに
私
(
わし
)
が
中
(
なか
)
に
入
(
はい
)
る
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ない。
297
そんなら
私
(
わし
)
も
断
(
ことわ
)
らうかな』
298
アスマガルダ『そんなら
私
(
わし
)
も
断
(
ことわ
)
らう。
299
高姫
(
たかひめ
)
さまとやら、
300
大
(
おほ
)
きに
有難
(
ありがた
)
う、
301
又
(
また
)
御縁
(
ごえん
)
があつたらお
目
(
め
)
にかかりませう』
302
高姫
(
たかひめ
)
『オホヽヽヽ
流石
(
さすが
)
の
伊太彦
(
いたひこ
)
宣伝使
(
せんでんし
)
も
女
(
をんな
)
に
掛
(
か
)
けたら
弱
(
よわ
)
いものだな。
303
涎
(
よだれ
)
をくつたり
眥
(
めじり
)
を
下
(
さ
)
げたり……そんな
事
(
こと
)
でお
道
(
みち
)
が、
304
どうして
開
(
ひら
)
けますか』
305
伊太
(
いた
)
『
高姫
(
たかひめ
)
さま、
306
そんなら
貴女
(
あなた
)
もドツと
譲歩
(
じやうほ
)
して
307
五
(
ご
)
人
(
にん
)
ともお
世話
(
せわ
)
になる
訳
(
わけ
)
には
行
(
ゆ
)
きませぬか』
308
高姫
(
たかひめ
)
『エー、
309
仕方
(
しかた
)
が
無
(
な
)
い。
310
そんならお
前
(
まへ
)
さまに
免
(
めん
)
じて
入
(
い
)
れて
上
(
あ
)
げませう。
311
決
(
けつ
)
して
座敷
(
ざしき
)
なぞへ
上
(
あが
)
つてはなりませぬぞ。
312
庭
(
には
)
の
隅
(
すみ
)
になつと
蹲踞
(
ちやうつくば
)
つて
居
(
ゐ
)
なさいや』
313
カークス『それ
程
(
ほど
)
むつかしいお
屋敷
(
やしき
)
へは
這入
(
はい
)
りませぬわい。
314
なア、
315
ベース、
316
馬鹿
(
ばか
)
にしてるわ』
317
ベース『ウン、
318
さうだ。
319
絶対
(
ぜつたい
)
俺
(
おれ
)
も
這入
(
はい
)
らぬ
積
(
つも
)
りだ。
320
それより
高姫
(
たかひめ
)
に
外
(
そと
)
に
出
(
で
)
て
貰
(
もら
)
つて、
321
茶
(
ちや
)
はどうでもいいから
結構
(
けつこう
)
なお
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
かして
貰
(
もら
)
はうかい』
322
高姫
(
たかひめ
)
『オホヽヽヽ、
323
それはよい
思案
(
しあん
)
だ。
324
さうすれば
俺
(
わし
)
の
宅
(
うち
)
も
穢
(
けが
)
さんで
都合
(
つがふ
)
が
好
(
よ
)
い。
325
俺
(
わし
)
は
此処
(
ここ
)
で
坐
(
すわ
)
つてお
話
(
はなし
)
するから
326
五
(
ご
)
人
(
にん
)
は
外
(
そと
)
に
蹲踞
(
ちやうつくば
)
つて
聞
(
き
)
きなさい。
327
それが
身魂
(
みたま
)
相応
(
さうおう
)
だらう。
328
どれ
329
平易
(
やす
)
い
処
(
ところ
)
から
話
(
はな
)
して
上
(
あ
)
げようから、
330
よく
耳
(
みみ
)
をすまして
聞
(
き
)
きなさいや』
331
伊太
(
いた
)
『アツハヽヽヽ』
332
アスマガルダ『ウツフヽヽヽ』
333
ブラヷーダ『オツホヽヽヽ』
334
カークス『エツヘヽヽヽ』
335
ベース『イツヒヽヽヽ』
336
(
大正一二・五・二四
旧四・九
北村隆光
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 怪道
(B)
(N)
蚊燻 >>>
霊界物語
>
第63巻
> 第3篇 幽迷怪道 > 第12章 五託宣
Tweet
ロシアのプーチン大統領が霊界物語に予言されていた!?<絶賛発売中>
オニド関連サイト
最新更新情報
10/22
【霊界物語ネット】
『
王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)
』をテキスト化しました。
9/18
【
飯塚弘明.com
】
飯塚弘明著『
PTC2 出口王仁三郎の霊界物語で透見する世界現象 T之巻
』発刊!
5/8
【霊界物語ネット】
霊界物語ネットに出口王仁三郎の
第六歌集『霧の海』
を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【12 五託宣|第63巻(寅の巻)|霊界物語/rm6312】
合言葉「みろく」を入力して下さい→