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第11巻(戌の巻)
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第13巻(子の巻)
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第61巻(子の巻)
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第66巻(巳の巻)
第67巻(午の巻)
第68巻(未の巻)
第69巻(申の巻)
第70巻(酉の巻)
第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
特別編 入蒙記
天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
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第81巻(申の巻)
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第63巻(寅の巻)
序歌
総説
第1篇 妙法山月
01 玉の露
〔1608〕
02 妙法山
〔1609〕
03 伊猛彦
〔1610〕
04 山上訓
〔1611〕
05 宿縁
〔1612〕
06 テルの里
〔1613〕
第2篇 日天子山
07 湖上の影
〔1614〕
08 怪物
〔1615〕
09 超死線
〔1616〕
第3篇 幽迷怪道
10 鷺と鴉
〔1617〕
11 怪道
〔1618〕
12 五託宣
〔1619〕
13 蚊燻
〔1620〕
14 嬉し涙
〔1621〕
第4篇 四鳥の別
15 波の上
〔1622〕
16 諒解
〔1623〕
17 峠の涙
〔1624〕
18 夜の旅
〔1625〕
第5篇 神検霊査
19 仕込杖
〔1626〕
20 道の苦
〔1627〕
21 神判
〔1628〕
22 蚯蚓の声
〔1629〕
余白歌
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第一〇章
鷺
(
さぎ
)
と
鴉
(
からす
)
〔一六一七〕
インフォメーション
著者:
巻:
篇:
よみ(新仮名遣い):
章:
よみ(新仮名遣い):
通し章番号:
口述日:
口述場所:
筆録者:
校正日:
校正場所:
初版発行日:
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
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備考:
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OBC :
rm6310
愛善世界社版:
八幡書店版:
修補版:
校定版:
普及版:
初版:
ページ備考:
派生
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出口王仁三郎全集 > 第二巻 宗教・教育編 > 【宗教編】第四篇 神霊世界 > 第十章 鷺と鴉
001
人間
(
にんげん
)
が
霊肉
(
れいにく
)
脱離
(
だつり
)
の
後
(
のち
)
、
002
高天原
(
たかあまはら
)
の
楽土
(
らくど
)
又
(
また
)
は
地獄
(
ぢごく
)
の
暗黒界
(
あんこくかい
)
へ
陥
(
おちい
)
るに
先
(
さき
)
んじて
003
何人
(
なにびと
)
も
踏
(
ふ
)
まねばならぬ
経過
(
けいくわ
)
がありまして、
004
この
状態
(
じやうたい
)
は
三種
(
さんしゆ
)
の
区別
(
くべつ
)
があります。
005
そしてこの
三状態
(
さんじやうたい
)
を
大別
(
たいべつ
)
して、
006
外面
(
ぐわいめん
)
の
状態
(
じやうたい
)
、
007
準備
(
じゆんび
)
の
状態
(
じやうたい
)
、
008
内面
(
ないめん
)
の
状態
(
じやうたい
)
と
致
(
いた
)
します。
009
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
死後
(
しご
)
直
(
ただち
)
に
高天原
(
たかあまはら
)
へ
上
(
のぼ
)
る
精霊
(
せいれい
)
と
010
地獄
(
ぢごく
)
へ
陥
(
おちい
)
る
精霊
(
せいれい
)
とのあることは、
011
今日
(
こんにち
)
迄
(
まで
)
の
物語
(
ものがたり
)
に
於
(
おい
)
て
読者
(
どくしや
)
は
既
(
すで
)
に
已
(
すで
)
に
御
(
ご
)
承知
(
しようち
)
の
事
(
こと
)
と
思
(
おも
)
ひます。
012
中有界
(
ちううかい
)
一名
(
いちめい
)
精霊界
(
せいれいかい
)
の
準備
(
じゆんび
)
を
経過
(
けいくわ
)
せずして
013
直
(
ただち
)
に
天界
(
てんかい
)
又
(
また
)
は
地獄
(
ぢごく
)
に
行
(
ゆ
)
くものは
014
生前
(
せいぜん
)
既
(
すで
)
に
其
(
その
)
準備
(
じゆんび
)
が
出来
(
でき
)
て
居
(
ゐ
)
て
015
善悪
(
ぜんあく
)
の
情動
(
じやうどう
)
並
(
ならび
)
に
因縁
(
いんねん
)
によつて
各自
(
かくじ
)
霊魂
(
れいこん
)
相応
(
さうおう
)
の
所
(
ところ
)
を
得
(
う
)
るものです。
016
右
(
みぎ
)
の
如
(
ごと
)
く
準備
(
じゆんび
)
既
(
すで
)
に
完了
(
くわんれう
)
せる
精霊
(
せいれい
)
にあつては
017
只
(
ただ
)
その
肉体
(
にくたい
)
と
共
(
とも
)
に
自然
(
しぜん
)
的
(
てき
)
世界
(
せかい
)
的
(
てき
)
なる
悪習慣
(
あくしふくわん
)
等
(
とう
)
を
洗滌
(
せんでう
)
すれば
018
直
(
ただち
)
に
天人
(
てんにん
)
の
保護
(
ほご
)
指導
(
しだう
)
に
依
(
よ
)
つて
019
天界
(
てんかい
)
の、
0191
それ
相応
(
さうおう
)
の
所主
(
しよしゆ
)
の
愛
(
あい
)
に
匹敵
(
ひつてき
)
した
楽土
(
らくど
)
に
導
(
みちび
)
かるるものであります。
020
之
(
これ
)
に
反
(
はん
)
して
直
(
ただち
)
に
地獄
(
ぢごく
)
に
陥
(
おちい
)
る
精霊
(
せいれい
)
にあつては、
021
現界
(
げんかい
)
に
於
(
おい
)
て
表面
(
へうめん
)
にのみ
愛
(
あい
)
と
善
(
ぜん
)
とを
標榜
(
へうぼう
)
し
022
且
(
か
)
つ
偽善
(
ぎぜん
)
的
(
てき
)
動作
(
どうさ
)
のみ
行
(
おこな
)
ひ、
023
内心
(
ないしん
)
深
(
ふか
)
く
悪
(
あく
)
を
蔵
(
ざう
)
し
居
(
を
)
りしもの、
024
所謂
(
いはゆる
)
自己
(
じこ
)
の
凶悪
(
きようあく
)
を
糊塗
(
こと
)
して
人
(
ひと
)
を
欺
(
あざむ
)
くために
025
善
(
ぜん
)
と
愛
(
あい
)
とを
利用
(
りよう
)
したものであります。
026
中
(
なか
)
にも
最
(
もつと
)
も
詐偽
(
さぎ
)
や
欺騙
(
ぎへん
)
に
富
(
と
)
んで
居
(
ゐ
)
るものは
027
足
(
あし
)
を
上空
(
じやうくう
)
にし
頭
(
かしら
)
を
地
(
ち
)
に
倒
(
さかさま
)
にして
投
(
な
)
げ
込
(
こ
)
まれるやうにして
落
(
お
)
ち
行
(
ゆ
)
くものです。
028
この
外
(
ほか
)
にも
種々
(
しゆじゆ
)
様々
(
さまざま
)
の
状態
(
じやうたい
)
にて
地獄
(
ぢごく
)
へ
陥
(
お
)
ち
行
(
ゆ
)
くものもあり、
029
或
(
あるひ
)
は
死後
(
しご
)
直
(
ただち
)
に
岩窟
(
がんくつ
)
の
中
(
なか
)
深
(
ふか
)
く
投
(
な
)
げ
入
(
い
)
れられるものもありますが、
030
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
状態
(
じやうたい
)
になるのは
凡
(
すべ
)
て
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
ご
)
摂理
(
せつり
)
で
031
精霊界
(
せいれいかい
)
にある
精霊
(
せいれい
)
と
分離
(
ぶんり
)
せむがためであります。
032
或
(
ある
)
時
(
とき
)
は
岩窟内
(
がんくつない
)
より
取
(
と
)
り
出
(
だ
)
され、
033
又
(
また
)
ある
時
(
とき
)
は
引
(
ひ
)
き
入
(
い
)
れられる
場合
(
ばあひ
)
もありますが、
034
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
精霊
(
せいれい
)
は
生前
(
せいぜん
)
に
於
(
おい
)
て
035
口
(
くち
)
の
先
(
さき
)
計
(
ばか
)
りで
親切
(
しんせつ
)
らしく
見
(
み
)
せかけて、
0351
世人
(
せじん
)
を
油断
(
ゆだん
)
させ
036
其
(
その
)
虚
(
きよ
)
に
乗
(
じやう
)
じて
自己
(
じこ
)
の
利益
(
りえき
)
を
計
(
はか
)
り、
037
且
(
か
)
つ
世
(
よ
)
の
人
(
ひと
)
に
損害
(
そんがい
)
を
与
(
あた
)
へたものですが、
038
斯様
(
かやう
)
な
事
(
こと
)
は
比較
(
ひかく
)
的
(
てき
)
少数
(
せうすう
)
であつて、
039
その
大部分
(
だいぶぶん
)
は
精霊界
(
せいれいかい
)
に
留
(
とど
)
められて
神教
(
しんけう
)
を
授
(
さづ
)
かり
040
精霊
(
せいれい
)
自己
(
じこ
)
の
善悪
(
ぜんあく
)
の
程度
(
ていど
)
によつて
神
(
かみ
)
の
順序
(
じゆんじよ
)
に
従
(
したが
)
ひ、
041
第三
(
だいさん
)
下層
(
かそう
)
天国
(
てんごく
)
、
042
又
(
また
)
は
地獄
(
ぢごく
)
へ
入
(
い
)
るの
準備
(
じゆんび
)
を
為
(
な
)
さしめらるるものであります。
043
人間
(
にんげん
)
各自
(
かくじ
)
の
精霊
(
せいれい
)
には
外面
(
ぐわいめん
)
的
(
てき
)
、
044
内面
(
ないめん
)
的
(
てき
)
の
二方面
(
にはうめん
)
を
有
(
いう
)
しております。
045
精霊
(
せいれい
)
の
外面
(
ぐわいめん
)
とは
046
人間
(
にんげん
)
が
現世
(
げんせい
)
に
於
(
おい
)
て
他
(
た
)
の
人々
(
ひとびと
)
と
交
(
まじ
)
はるに
際
(
さい
)
し
047
其
(
その
)
身体
(
しんたい
)
をして
之
(
これ
)
に
適順
(
てきじゆん
)
せしむる
所
(
ところ
)
の
手段
(
しゆだん
)
を
用
(
もち
)
ひる
事
(
こと
)
で
048
特
(
とく
)
に
面色
(
めんしよく
)
、
049
語辞
(
ごじ
)
、
050
動作
(
どうさ
)
等
(
とう
)
の
外的
(
ぐわいてき
)
状態
(
じやうたい
)
であり、
051
精霊
(
せいれい
)
の
内面
(
ないめん
)
とは
人
(
ひと
)
の
意思
(
いし
)
及
(
およ
)
びその
意志
(
いし
)
よりする
想念
(
さうねん
)
に
属
(
ぞく
)
する
状態
(
じやうたい
)
であつて、
052
容易
(
ようい
)
に
外面
(
ぐわいめん
)
には
現
(
あら
)
はれないものであります。
053
凡
(
すべ
)
ての
人間
(
にんげん
)
は
054
幼少
(
えうせう
)
の
頃
(
ころ
)
より
朋友
(
ほういう
)
の
情
(
じやう
)
だとか、
055
仁義
(
じんぎ
)
誠実
(
せいじつ
)
、
056
道徳
(
だうとく
)
等
(
とう
)
の
武器
(
ぶき
)
を
外面
(
ぐわいめん
)
に
模表
(
もへう
)
する
事
(
こと
)
を
習
(
なら
)
つて
居
(
を
)
りますが、
057
其
(
その
)
意志
(
いし
)
よりする
所
(
ところ
)
の
凡
(
すべ
)
ての
想念
(
さうねん
)
は
058
之
(
これ
)
を
深
(
ふか
)
く
内底
(
ないてい
)
に
包蔵
(
はうざう
)
するが
故
(
ゆゑ
)
に、
059
人間
(
にんげん
)
同士
(
どうし
)
の
眼
(
め
)
よりは
之
(
これ
)
を
観破
(
くわんぱ
)
することは
実
(
じつ
)
に
不可能
(
ふかのう
)
であります。
060
現代
(
げんだい
)
の
人間
(
にんげん
)
は
061
その
内心
(
ないしん
)
は
如何
(
いか
)
に
邪悪
(
じやあく
)
無道
(
ぶだう
)
に
充
(
み
)
ちて
居
(
を
)
つても、
062
表面
(
へうめん
)
生活
(
せいくわつ
)
上
(
じやう
)
の
便宜
(
べんぎ
)
のために
063
似非
(
エセ
)
道徳
(
だうとく
)
的
(
てき
)
、
064
似非
(
エセ
)
文明
(
ぶんめい
)
的
(
てき
)
生涯
(
しやうがい
)
を
営
(
いとな
)
むのは
常
(
つね
)
であります。
065
現界
(
げんかい
)
永年
(
えいねん
)
の
習慣
(
しふくわん
)
の
結果
(
けつくわ
)
、
066
人間
(
にんげん
)
は
精神
(
せいしん
)
痳痺
(
まひ
)
し
切
(
き
)
つて
了
(
しま
)
つて、
067
自己
(
じこ
)
の
内面
(
ないめん
)
さへ
知
(
し
)
る
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
なくなつて
居
(
を
)
ります。
068
また
自己
(
じこ
)
の
内面
(
ないめん
)
的
(
てき
)
生涯
(
しやうがい
)
の
善悪
(
ぜんあく
)
などに
就
(
つ
)
いて
煩慮
(
はんりよ
)
することさへも
稀
(
まれ
)
であります。
069
況
(
いは
)
んや
070
自己
(
じこ
)
以外
(
いぐわい
)
の
他人
(
たにん
)
の
内面
(
ないめん
)
的
(
てき
)
生涯
(
しやうがい
)
の
如何
(
いかん
)
を
察知
(
さつち
)
するに
於
(
おい
)
ておやであります。
071
死後
(
しご
)
直
(
ただ
)
ちに
精霊界
(
せいれいかい
)
に
於
(
お
)
ける
人間
(
にんげん
)
精霊
(
せいれい
)
の
状態
(
じやうたい
)
は
072
その
肉体
(
にくたい
)
が
現世
(
げんせい
)
にありし
時
(
とき
)
の
如
(
ごと
)
く
依然
(
いぜん
)
として
容貌
(
ようばう
)
、
073
言語
(
げんご
)
、
074
性情
(
せいじやう
)
等
(
とう
)
は
相酷似
(
あひこくじ
)
し、
075
道徳
(
だうとく
)
上
(
じやう
)
、
076
民文
(
みんぶん
)
上
(
じやう
)
の
生活
(
せいくわつ
)
の
状態
(
じやうたい
)
と
少
(
すこ
)
しの
相違
(
さうゐ
)
もない。
077
故
(
ゆゑ
)
に
人間
(
にんげん
)
死後
(
しご
)
の
精霊
(
せいれい
)
にして
精霊界
(
せいれいかい
)
に
於
(
おい
)
て
相
(
あひ
)
遇
(
あ
)
ふ
事物
(
じぶつ
)
に
注意
(
ちうい
)
を
払
(
はら
)
はず、
078
又
(
また
)
天人
(
てんにん
)
が
彼
(
かれ
)
精霊
(
せいれい
)
を
甦生
(
かうせい
)
せし
時
(
とき
)
に
於
(
おい
)
ても、
079
自己
(
じこ
)
は
最早
(
もはや
)
一箇
(
いつこ
)
の
精霊
(
せいれい
)
だといふことを
想
(
おも
)
ひ
起
(
おこ
)
さなかつたなれば、
080
その
精霊
(
せいれい
)
は
依然
(
やはり
)
高姫
(
たかひめ
)
の
如
(
ごと
)
く
081
現界
(
げんかい
)
に
在
(
あ
)
つて
生活
(
せいくわつ
)
を
送
(
おく
)
つて
居
(
を
)
るといふ
感覚
(
かんかく
)
をなすの
外
(
ほか
)
は
無
(
な
)
いのです。
082
故
(
ゆゑ
)
に
人間
(
にんげん
)
の
死
(
し
)
といふものは
083
唯
(
ただ
)
此
(
この
)
間
(
かん
)
の
通路
(
つうろ
)
に
過
(
す
)
ぎないものであります。
084
現世
(
げんせい
)
を
去
(
さ
)
りて
未
(
いま
)
だ
幾何
(
いくばく
)
の
日時
(
にちじ
)
も
経
(
へ
)
ない
人間
(
にんげん
)
の
精霊
(
せいれい
)
も
085
又
(
また
)
現界人
(
げんかいじん
)
の
一
(
いち
)
時
(
じ
)
的
(
てき
)
変調
(
へんてう
)
によつて
霊界
(
れいかい
)
に
入
(
い
)
り
来
(
きた
)
りし
精霊
(
せいれい
)
も、
086
先
(
ま
)
づ
以上
(
いじやう
)
の
如
(
ごと
)
き
状態
(
じやうたい
)
に
居
(
を
)
るものであつて、
087
生前
(
せいぜん
)
の
朋友
(
ほういう
)
や
知己
(
ちき
)
と
互
(
たがひ
)
に
相
(
あひ
)
会
(
くわい
)
し
相
(
あひ
)
識合
(
しりあ
)
ふものであります。
088
何
(
なん
)
となれば、
089
精霊
(
せいれい
)
なるものは、
090
その
面色
(
めんしよく
)
や
言語
(
げんご
)
等
(
とう
)
によつて
知覚
(
ちかく
)
し
091
又
(
また
)
相
(
あひ
)
接近
(
せつきん
)
する
時
(
とき
)
はその
生命
(
せいめい
)
の
円相
(
ゑんさう
)
によつて
互
(
たがひ
)
に
知覚
(
ちかく
)
するものです。
092
霊界
(
れいかい
)
に
於
(
おい
)
て
甲
(
かふ
)
が
若
(
も
)
し
乙
(
おつ
)
の
事
(
こと
)
を
思
(
おも
)
ふ
時
(
とき
)
は
忽
(
たちま
)
ちその
面貌
(
めんばう
)
を
思
(
おも
)
ひ
093
之
(
これ
)
と
同時
(
どうじ
)
に、
0931
その
生涯
(
しやうがい
)
に
於
(
お
)
いて
起
(
おこ
)
りし
一切
(
いつさい
)
の
事物
(
じぶつ
)
を
思
(
おも
)
ふものです。
094
そして
甲
(
かふ
)
に
於
(
おい
)
て
之
(
これ
)
を
為
(
な
)
すときは、
095
乙
(
おつ
)
は
直
(
ただ
)
ちに
甲
(
かふ
)
の
前
(
まへ
)
に
現
(
あら
)
はれ
来
(
く
)
るもので
096
丁度
(
ちやうど
)
態人
(
わざびと
)
を
使
(
つか
)
ひに
遣
(
や
)
つて
招
(
まね
)
いて
来
(
く
)
るやうなものです。
097
霊界
(
れいかい
)
に
於
(
おい
)
て
何故
(
なぜ
)
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
自由
(
じいう
)
あるかと
謂
(
ゐ
)
へば
098
霊界
(
れいかい
)
は
想念
(
さうねん
)
の
世界
(
せかい
)
であるから
099
自
(
おのづか
)
ら
想念
(
さうねん
)
の
交通
(
かうつう
)
があり
100
何事
(
なにごと
)
も
霊的
(
れいてき
)
事象
(
じしやう
)
に
支配
(
しはい
)
されて
居
(
を
)
りますから、
101
現界
(
げんかい
)
の
如
(
ごと
)
く
時間
(
じかん
)
又
(
また
)
は
空間
(
くうかん
)
なるものが
無
(
な
)
いからであります。
102
それ
故
(
ゆゑ
)
霊界
(
れいかい
)
に
入
(
い
)
り
来
(
きた
)
りしものは
其
(
その
)
想念
(
さうねん
)
の
情動
(
じやうどう
)
によつて、
103
互
(
たがひ
)
にその
朋友
(
ほういう
)
、
104
親族
(
しんぞく
)
、
105
知己
(
ちき
)
を
認識
(
にんしき
)
せざるは
無
(
な
)
く、
106
現世
(
げんせい
)
にあつた
時
(
とき
)
の
交情
(
かうじやう
)
によつて
互
(
たがひ
)
に
談話
(
だんわ
)
も
為
(
な
)
し、
107
交際
(
かうさい
)
も
為
(
な
)
し、
108
殆
(
ほとん
)
ど
現世
(
げんせい
)
にありし
時
(
とき
)
と
少
(
すこ
)
しの
相違
(
さうゐ
)
もないのです。
109
中
(
なか
)
にも
夫婦
(
ふうふ
)
の
再会
(
さいくわい
)
などは
普通
(
ふつう
)
とせられて
居
(
ゐ
)
ますが、
110
夫婦
(
ふうふ
)
再会
(
さいくわい
)
の
時
(
とき
)
は
互
(
たがひ
)
に
相
(
あひ
)
祝
(
しゆく
)
し、
111
現世
(
げんせい
)
に
於
(
おい
)
て
夫婦
(
ふうふ
)
双棲
(
さうせい
)
の
歓喜
(
くわんき
)
を
味
(
あぢ
)
はひ
楽
(
たの
)
しんだ
程度
(
ていど
)
に
比
(
ひ
)
して、
112
或
(
あるひ
)
は
永
(
なが
)
く
久
(
ひさ
)
しく、
113
或
(
あるひ
)
は
少時間
(
せうじかん
)
、
114
その
生涯
(
しやうがい
)
を
共
(
とも
)
にするものです。
115
そしてその
夫婦
(
ふうふ
)
の
間
(
あひだ
)
に
真実
(
しんじつ
)
の
婚姻
(
こんいん
)
の
愛
(
あい
)
、
116
即
(
すなは
)
ち
神界
(
しんかい
)
の
愛
(
あい
)
に
基
(
もと
)
づいた
心
(
こころ
)
の
和合
(
わがふ
)
の
無
(
な
)
い
時
(
とき
)
は、
117
その
夫婦
(
ふうふ
)
は
少時
(
しばらく
)
にして
相
(
あひ
)
別
(
わか
)
るるものであります。
118
又
(
また
)
夫婦
(
ふうふ
)
の
間
(
あひだ
)
に
現世
(
げんせい
)
に
於
(
おい
)
て
119
互
(
たがひ
)
に
了解
(
れうかい
)
なく
嫉妬
(
しつと
)
や
不和
(
ふわ
)
や
争闘
(
さうとう
)
や、
120
その
他
(
た
)
内心
(
ないしん
)
に
嫌忌
(
けんき
)
しつつあつたものは、
121
此
(
この
)
仇讐
(
きうしう
)
的
(
てき
)
想念
(
さうねん
)
は
忽
(
たちま
)
ち
外面
(
ぐわいめん
)
に
破裂
(
はれつ
)
して
122
相
(
あひ
)
争闘
(
さうとう
)
し
分離
(
ぶんり
)
するものであります。
123
霊界
(
れいかい
)
にある
善霊
(
ぜんれい
)
即
(
すなは
)
ち
天人
(
てんにん
)
は
124
現界
(
げんかい
)
より
新
(
あら
)
たに
入
(
い
)
り
来
(
きた
)
りし
精霊
(
せいれい
)
の
善悪
(
ぜんあく
)
正邪
(
せいじや
)
を
点撿
(
てんけん
)
すべく、
125
種々
(
しゆじゆ
)
の
方法
(
はうはふ
)
を
用
(
もち
)
ふるものです。
126
精霊
(
せいれい
)
の
性格
(
せいかく
)
は
127
死後
(
しご
)
の
外面
(
ぐわいめん
)
状態
(
じやうたい
)
にあつては
容易
(
ようい
)
に
弁別
(
べんべつ
)
が
付
(
つ
)
かないものです。
128
如何
(
いか
)
に
凶悪
(
きようあく
)
無道
(
ぶだう
)
なる
精霊
(
せいれい
)
にても
129
外面
(
ぐわいめん
)
的
(
てき
)
真理
(
しんり
)
を
克
(
よ
)
く
語
(
かた
)
り、
1291
善
(
ぜん
)
を
行
(
おこな
)
ふ
事
(
こと
)
は
130
至誠
(
しせい
)
至善
(
しぜん
)
の
善霊
(
ぜんれい
)
と
少
(
すこ
)
しも
相違
(
さうゐ
)
の
点
(
てん
)
を
見出
(
みいだ
)
すことが
出来
(
でき
)
ないのです。
131
外面
(
ぐわいめん
)
上
(
じやう
)
は
皆
(
みな
)
有徳
(
いうとく
)
愛善
(
あいぜん
)
らしき
生涯
(
しやうがい
)
を
送
(
おく
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
132
現界
(
げんかい
)
に
於
(
おい
)
て
一定
(
いつてい
)
の
統治
(
とうち
)
制度
(
せいど
)
の
下
(
もと
)
にあつて
法律
(
はふりつ
)
に
服従
(
ふくじゆう
)
して
生息
(
せいそく
)
し、
133
之
(
これ
)
に
由
(
よ
)
つて
正
(
ただ
)
しきもの、
134
至誠者
(
しせいしや
)
との
名声
(
めいせい
)
を
博
(
はく
)
し
或
(
あるひ
)
は
特別
(
とくべつ
)
の
恵
(
めぐみ
)
を
受
(
う
)
けて
尊貴
(
そんき
)
の
地位
(
ちゐ
)
に
上
(
のぼ
)
り
富
(
とみ
)
を
蒐
(
あつ
)
めたるものであつて、
135
是
(
これ
)
等
(
ら
)
は
死後
(
しご
)
少時
(
しばらく
)
は
善者
(
ぜんしや
)
有徳者
(
いうとくしや
)
と
認
(
みと
)
めらるるものです。
136
併
(
しか
)
しながら
天人
(
てんにん
)
は
是
(
これ
)
等
(
ら
)
の
精霊
(
せいれい
)
の
善悪
(
ぜんあく
)
を
区別
(
くべつ
)
するに
当
(
あた
)
り、
137
大抵
(
たいてい
)
左
(
さ
)
の
方法
(
はうはふ
)
に
由
(
よ
)
るものであります。
138
凡
(
すべ
)
て
何人
(
なにびと
)
も
所主
(
しよしゆ
)
の
愛
(
あい
)
に
左右
(
さいう
)
さるるものでありますから、
139
即
(
すなは
)
ち
凶霊
(
きようれい
)
は
常
(
つね
)
に
外面
(
ぐわいめん
)
的
(
てき
)
事物
(
じぶつ
)
にのみ
就
(
つい
)
て
談論
(
だんろん
)
するを
好
(
この
)
むこと
甚
(
はなは
)
だしく
140
内面
(
ないめん
)
的
(
てき
)
事物
(
じぶつ
)
に
就
(
つい
)
ては
毫
(
がう
)
も
顧
(
かへり
)
みないからであります。
141
内的
(
ないてき
)
事物
(
じぶつ
)
は
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
、
142
又
(
また
)
は
聖地
(
せいち
)
救世主
(
きうせいしゆ
)
の
神格
(
しんかく
)
、
143
及
(
およ
)
び
高天原
(
たかあまはら
)
に
関
(
くわん
)
する
真
(
しん
)
と
善
(
ぜん
)
とに
関
(
くわん
)
しては
之
(
これ
)
を
談論
(
だんろん
)
せず、
144
又
(
また
)
之
(
これ
)
を
教
(
をし
)
ふるも
聴
(
き
)
くことを
嫌忌
(
けんき
)
し
更
(
さら
)
に
意
(
い
)
に
留
(
と
)
めず、
145
又
(
また
)
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
を
聴
(
き
)
いて
楽
(
たのし
)
まず、
146
却
(
かへつ
)
て
不快
(
ふくわい
)
の
念
(
ねん
)
を
起
(
おこ
)
し
面貌
(
めんばう
)
にまで
表
(
あら
)
はすものです。
147
現界人
(
げんかいじん
)
の
多
(
おほ
)
くは
148
凡
(
すべ
)
て
神仏
(
しんぶつ
)
の
教
(
をしへ
)
を
迷信
(
めいしん
)
呼
(
よ
)
ばはりをなし、
149
且
(
か
)
つ
神仏
(
しんぶつ
)
を
口
(
くち
)
にする
事
(
こと
)
を
大
(
おほい
)
に
恥辱
(
ちじよく
)
の
如
(
ごと
)
く
考
(
かんが
)
へて
居
(
を
)
るものが
大多数
(
だいたすう
)
であつて、
150
大本
(
おほもと
)
の
教
(
をしへ
)
を
此方
(
こちら
)
から
何
(
なに
)
程
(
ほど
)
親切
(
しんせつ
)
を
以
(
もつ
)
て
聞
(
き
)
かし、
151
天界
(
てんかい
)
に
救
(
すく
)
ひ
助
(
たす
)
けむと
焦慮
(
せうりよ
)
するとも、
152
地獄道
(
ぢごくだう
)
に
籍
(
せき
)
を
置
(
お
)
いた
人間
(
にんげん
)
には、
153
到底
(
たうてい
)
駄目
(
だめ
)
である
事
(
こと
)
を
屢
(
しばしば
)
実験
(
じつけん
)
いたしました。
154
併
(
しか
)
しながら
大慈
(
だいじ
)
大悲
(
だいひ
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
御心
(
みこころ
)
を
奉体
(
ほうたい
)
し
一人
(
ひとり
)
たりとも
天界
(
てんかい
)
に
進
(
すす
)
ませ、
155
永遠
(
ゑいゑん
)
無窮
(
むきう
)
の
生命
(
せいめい
)
に
赴
(
おもむ
)
かしめ
156
以
(
もつ
)
て
神界
(
しんかい
)
御
(
ご
)
経綸
(
けいりん
)
の
一端
(
いつたん
)
に
仕
(
つか
)
へなくては
成
(
な
)
らないのであります。
157
霊界
(
れいかい
)
に
於
(
おい
)
ても
現界
(
げんかい
)
に
於
(
おい
)
ても
同一
(
どういつ
)
ですが、
158
地獄
(
ぢごく
)
入
(
い
)
りの
凶霊
(
きようれい
)
と
天界
(
てんかい
)
往
(
ゆ
)
きの
善霊
(
ぜんれい
)
とを
区別
(
くべつ
)
せむとするには
159
凶霊
(
きようれい
)
は
屢
(
しばしば
)
ある
一定
(
いつてい
)
の
方向
(
はうかう
)
に
進
(
すす
)
まむとするを
見
(
み
)
ることが
出来
(
でき
)
ます。
160
凶霊
(
きようれい
)
がモシその
意
(
い
)
のままに
放任
(
はうにん
)
される
時
(
とき
)
はそれに
通
(
つう
)
ずる
道路
(
だうろ
)
を
往来
(
わうらい
)
するもので、
161
彼
(
かれ
)
等
(
ら
)
が
往来
(
わうらい
)
する
方向
(
はうかう
)
と
転向
(
てんかう
)
する
道路
(
だうろ
)
とによりて、
162
その
所主
(
しよしゆ
)
の
愛
(
あい
)
は
何
(
いづ
)
れにあるかを
確
(
たしか
)
めらるるものであります。
163
現界
(
げんかい
)
を
去
(
さ
)
つて
霊界
(
れいかい
)
に
新
(
あら
)
たに
入
(
い
)
り
来
(
きた
)
る
精霊
(
せいれい
)
は
164
何
(
いづ
)
れも
高天原
(
たかあまはら
)
とか
地獄界
(
ぢごくかい
)
とかの
或
(
あ
)
る
団体
(
だんたい
)
に
属
(
ぞく
)
して
居
(
ゐ
)
ないものは
有
(
あ
)
りませぬが、
165
併
(
しか
)
し
之
(
これ
)
は
内的
(
ないてき
)
の
事
(
こと
)
ですから、
166
その
精霊
(
せいれい
)
が
尚
(
な
)
ほ
依然
(
いぜん
)
として
外面
(
ぐわいめん
)
的
(
てき
)
状態
(
じやうたい
)
にある
間
(
あひだ
)
は
其
(
その
)
内実
(
ないじつ
)
を
現
(
あら
)
はさない。
167
外面
(
ぐわいめん
)
的
(
てき
)
事物
(
じぶつ
)
が
凡
(
すべ
)
ての
内面
(
ないめん
)
を
蔽
(
おほ
)
ひかくして
了
(
しま
)
ひ、
168
内面
(
ないめん
)
の
暴悪
(
ばうあく
)
なるものは、
169
殊
(
こと
)
に
之
(
これ
)
を
蔽
(
おほ
)
ひかくすこと
巧妙
(
かうめう
)
を
極
(
きは
)
めて
居
(
を
)
るからです。
170
併
(
しか
)
し
或
(
あ
)
る
一定
(
いつてい
)
の
期間
(
きかん
)
を
経
(
へ
)
たる
後
(
のち
)
に
彼
(
かれ
)
等
(
ら
)
の
精霊
(
せいれい
)
が
内面
(
ないめん
)
的
(
てき
)
状態
(
じやうたい
)
に
移
(
うつ
)
る
時
(
とき
)
に
於
(
おい
)
て、
171
その
内分
(
ないぶん
)
の
一切
(
いつさい
)
が
暴露
(
ばくろ
)
するものです。
172
この
時
(
とき
)
は
最早
(
もはや
)
外面
(
ぐわいめん
)
は
眠
(
ねむ
)
り
且
(
か
)
つ
消失
(
せうしつ
)
し
173
内面
(
ないめん
)
のみ
開
(
ひら
)
かるるからであります。
174
人間
(
にんげん
)
の
死後
(
しご
)
に
於
(
お
)
ける
第一
(
だいいち
)
の
外面
(
ぐわいめん
)
的
(
てき
)
情態
(
じやうたい
)
は
175
或
(
あるひ
)
は
一
(
いち
)
日
(
にち
)
、
176
或
(
あるひ
)
は
数日
(
すうじつ
)
、
177
或
(
あるひ
)
は
数
(
すう
)
ケ
月
(
げつ
)
、
178
或
(
あるひ
)
は
一
(
いち
)
年
(
ねん
)
に
渉
(
わた
)
ることがあります。
179
されど
一
(
いち
)
年
(
ねん
)
を
越
(
こ
)
ゆるものは
極
(
きは
)
めて
稀有
(
けう
)
の
事
(
こと
)
であります。
180
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
く
各自
(
かくじ
)
の
精霊
(
せいれい
)
が
外面
(
ぐわいめん
)
状態
(
じやうたい
)
に
長短
(
ちやうたん
)
の
差
(
さ
)
ある
所以
(
ゆゑん
)
は、
181
内外
(
ないぐわい
)
両面
(
りやうめん
)
の
一致
(
いつち
)
不一致
(
ふいつち
)
によるものです。
182
何故
(
なぜ
)
なれば、
183
精霊界
(
せいれいかい
)
にあつては
何人
(
なにびと
)
と
雖
(
いへど
)
も
思想
(
しさう
)
及
(
およ
)
び
意志
(
いし
)
と
言説
(
げんせつ
)
又
(
また
)
は
行動
(
かうどう
)
を
別
(
べつ
)
にする
事
(
こと
)
を
許
(
ゆる
)
されないから、
184
各
(
かく
)
精霊
(
せいれい
)
の
内外
(
ないぐわい
)
両面
(
りやうめん
)
が
一
(
ひとつ
)
となつて
相応
(
さうおう
)
せざればならぬからであります。
185
精霊界
(
せいれいかい
)
にあるものは、
186
自有
(
じいう
)
の
情動
(
じやうどう
)
たる
愛
(
あい
)
の
影像
(
えいざう
)
ならぬものはありませぬから、
187
その
内面
(
ないめん
)
にある
所
(
ところ
)
の
一切
(
いつさい
)
をその
外面
(
ぐわいめん
)
に
露
(
あら
)
はさない
訳
(
わけ
)
にはゆきませぬ。
188
此
(
これ
)
故
(
ゆゑ
)
善霊
(
ぜんれい
)
なる
天人
(
てんにん
)
は
先
(
ま
)
づ
精霊
(
せいれい
)
の
外面
(
ぐわいめん
)
を
暴露
(
ばくろ
)
せしめ、
189
是
(
これ
)
を
順序
(
じゆんじよ
)
中
(
ちう
)
に
入
(
い
)
らしめて
190
以
(
もつ
)
て
其
(
その
)
内面
(
ないめん
)
に
相応
(
さうおう
)
する
平面
(
へいめん
)
たらしめらるるのであります。
191
そして
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
順序
(
じゆんじよ
)
を
取
(
と
)
る
所
(
ところ
)
は
192
精霊界
(
せいれいかい
)
即
(
すなは
)
ち
中有界
(
ちううかい
)
の
中心点
(
ちうしんてん
)
たる
天
(
あめ
)
の
八衢
(
やちまた
)
の
関所
(
せきしよ
)
であつて、
193
伊吹戸主
(
いぶきどぬしの
)
神
(
かみ
)
の
主管
(
しゆくわん
)
し
給
(
たま
)
ふ、
194
ブルガリオに
於
(
おい
)
て
行
(
おこな
)
はるるものであります。
195
内面
(
ないめん
)
的
(
てき
)
情態
(
じやうたい
)
は
196
人間
(
にんげん
)
の
死後
(
しご
)
或
(
あ
)
る
一定
(
いつてい
)
の
期間
(
きかん
)
を
中有界
(
ちううかい
)
にて
経過
(
けいくわ
)
し、
197
心
(
こころ
)
即
(
すなは
)
ち
意志
(
いし
)
と
想念
(
さうねん
)
に
属
(
ぞく
)
する
精霊
(
せいれい
)
の
境遇
(
きやうぐう
)
を
云
(
い
)
ふのです。
198
人間
(
にんげん
)
の
生涯
(
しやうがい
)
、
199
言説
(
げんせつ
)
、
200
行為
(
かうゐ
)
等
(
とう
)
を
観察
(
くわんさつ
)
する
時
(
とき
)
は
201
何人
(
なにびと
)
にも
内面
(
ないめん
)
外面
(
ぐわいめん
)
の
二方面
(
にはうめん
)
を
有
(
いう
)
することが
知
(
し
)
り
得
(
え
)
られます。
202
その
想念
(
さうねん
)
にも
意志
(
いし
)
にも
内外
(
ないぐわい
)
両面
(
りやうめん
)
の
区別
(
くべつ
)
があるものです。
203
凡
(
すべ
)
て
民文
(
みんぶん
)
の
発達
(
はつたつ
)
した
社会
(
しやくわい
)
に
生存
(
せいぞん
)
するものは
204
他人
(
たにん
)
の
事
(
こと
)
を
思惟
(
しゐ
)
するに
当
(
あた
)
り、
205
その
人
(
ひと
)
に
対
(
たい
)
する
世間
(
せけん
)
の
風評
(
ふうひやう
)
又
(
また
)
は
談話
(
だんわ
)
等
(
とう
)
に
由
(
よ
)
つて
見
(
み
)
たり
聞
(
き
)
いたりした
所
(
ところ
)
のものを
以
(
もつ
)
て
206
人間
(
にんげん
)
の
性能
(
せいのう
)
を
観察
(
くわんさつ
)
する
基礎
(
きそ
)
となすものです。
207
されど
人間
(
にんげん
)
は
他人
(
たにん
)
と
物語
(
ものがた
)
る
時
(
とき
)
に
際
(
さい
)
して
208
自分
(
じぶん
)
の
心
(
こころ
)
の
儘
(
まま
)
を
語
(
かた
)
るものではありませぬ。
209
たとへ
対者
(
たいしや
)
が
悪人
(
あくにん
)
と
知
(
し
)
つても、
210
又
(
また
)
自分
(
じぶん
)
の
気
(
き
)
に
合
(
あ
)
はない
人
(
ひと
)
であつても、
211
その
交際
(
かうさい
)
応接
(
おうせつ
)
などの
点
(
てん
)
は
成
(
な
)
る
可
(
べ
)
く
礼
(
れい
)
に
合
(
あ
)
ふべく、
212
又
(
また
)
相手
(
あひて
)
方
(
がた
)
の
感情
(
かんじやう
)
を
害
(
がい
)
せざる
様
(
やう
)
と
努
(
つと
)
むるもので、
213
実
(
じつ
)
に
偽善
(
ぎぜん
)
的
(
てき
)
の
行為
(
かうゐ
)
を
敢
(
あへ
)
てするもので、
214
又
(
また
)
此
(
これ
)
でなければ
社会
(
しやくわい
)
より
排斥
(
はいせき
)
されて
了
(
しま
)
ふやうな
矛盾
(
むじゆん
)
が
出来
(
しゆつたい
)
する
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
であります。
215
そして
凡
(
すべ
)
ての
人
(
ひと
)
は
見
(
み
)
えすいたやうな
嘘
(
うそ
)
でも
善
(
よ
)
く
言
(
い
)
はれると
大変
(
たいへん
)
に
歓
(
よろこ
)
ぶものですが、
216
之
(
これ
)
に
反
(
はん
)
し
真実
(
しんじつ
)
を
其
(
その
)
人
(
ひと
)
の
前
(
まへ
)
に
赤裸々
(
せきらら
)
に
言明
(
げんめい
)
する
時
(
とき
)
は
非常
(
ひじやう
)
に
不快
(
ふくわい
)
の
念
(
ねん
)
を
起
(
おこ
)
し、
217
遂
(
つひ
)
には
敵視
(
てきし
)
する
様
(
やう
)
になり、
218
害
(
がい
)
を
加
(
くは
)
ふるやうな
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
るものです。
219
故
(
ゆゑ
)
に
現代
(
げんだい
)
の
人間
(
にんげん
)
の
言
(
い
)
ふ
所
(
ところ
)
、
220
行
(
おこな
)
ふ
所
(
ところ
)
は、
221
その
思
(
おも
)
ふ
所
(
ところ
)
願
(
ねが
)
ふ
所
(
ところ
)
と
全
(
まつた
)
く
正反対
(
せいはんたい
)
のものです。
222
偽善者
(
きぜんしや
)
の
境遇
(
きやうぐう
)
にあるものは、
223
高天原
(
たかあまはら
)
の
経綸
(
けいりん
)
や
死後
(
しご
)
の
世界
(
せかい
)
や、
224
霊魂
(
れいこん
)
の
救
(
すく
)
ひや
聖場
(
せいぢやう
)
の
真理
(
しんり
)
や
国家
(
こくか
)
の
利福
(
りふく
)
や
隣人
(
りんじん
)
の
事
(
こと
)
を
語
(
かた
)
らしておけば
225
恰
(
あたか
)
も
天人
(
てんにん
)
の
如
(
ごと
)
く
愛善
(
あいぜん
)
と
信真
(
しんしん
)
に
一切
(
いつさい
)
基
(
もと
)
づける
様
(
やう
)
なれども、
226
其
(
その
)
内実
(
ないじつ
)
には
高天原
(
たかあまはら
)
の
経綸
(
けいりん
)
も
霊魂
(
れいこん
)
の
救
(
すく
)
ひも
死後
(
しご
)
の
世界
(
せかい
)
も
信
(
しん
)
じないのみか、
227
只
(
ただ
)
愛
(
あい
)
する
所
(
ところ
)
のものは
自己
(
じこ
)
の
利益
(
りえき
)
あるのみであります。
228
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
偽善者
(
きぜんしや
)
、
229
偽信者
(
ぎしんじや
)
は
随分
(
ずいぶん
)
太古
(
たいこ
)
の
教徒
(
けうと
)
の
中
(
なか
)
にも
可
(
か
)
なり
沢山
(
たくさん
)
あつたものですが、
230
現代
(
げんだい
)
の
三五教
(
あななひけう
)
の
中
(
なか
)
には
十指
(
じつし
)
を
折
(
を
)
り
数
(
かぞ
)
へたら
231
最早
(
もはや
)
残
(
のこ
)
るは
外面
(
ぐわいめん
)
的
(
てき
)
状態
(
じやうたい
)
にあるもの
計
(
ばか
)
りで、
232
天国
(
てんごく
)
に
直
(
ただ
)
ちに
上
(
のぼ
)
り
得
(
う
)
る
精霊
(
せいれい
)
は
少
(
すくな
)
いやうであります。
233
凡
(
すべ
)
て
人間
(
にんげん
)
の
想念
(
さうねん
)
には
内面
(
ないめん
)
、
234
外面
(
ぐわいめん
)
の
区別
(
くべつ
)
がありまして、
235
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
人間
(
にんげん
)
は、
236
外面
(
ぐわいめん
)
的
(
てき
)
想念
(
さうねん
)
によりて
言説
(
げんせつ
)
をなし、
237
内面
(
ないめん
)
には
却
(
かへつ
)
て
異様
(
いやう
)
の
感情
(
かんじやう
)
を
包蔵
(
はうざう
)
して
居
(
を
)
るものです。
238
そして
内外
(
ないぐわい
)
両面
(
りやうめん
)
を
区別
(
くべつ
)
する
事
(
こと
)
に
努
(
つと
)
めて、
239
一
(
ひとつ
)
とならない
様
(
やう
)
にと
努
(
つと
)
むるものです。
240
真
(
しん
)
に
高天原
(
たかあまはら
)
の
経綸
(
けいりん
)
を
扶
(
たす
)
け
聖壇
(
せいだん
)
の
隆盛
(
りうせい
)
を
祈
(
いの
)
り
241
死後
(
しご
)
の
安住所
(
あんぢうしよ
)
を
得
(
え
)
むことを
思
(
おも
)
はば
242
如何
(
いか
)
なる
事情
(
じじやう
)
をも
道
(
みち
)
のためには
忍
(
しの
)
ぶべきものであります。
243
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御用
(
ごよう
)
にたて
得
(
え
)
らるるだけの
余裕
(
よゆう
)
を
与
(
あた
)
へられたのも
244
皆
(
みな
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
のお
蔭
(
かげ
)
である
事
(
こと
)
を
忘
(
わす
)
れ、
245
自有
(
じいう
)
と
心得
(
こころえ
)
て
居
(
を
)
るからです。
246
爰
(
ここ
)
に
外面
(
ぐわいめん
)
内面
(
ないめん
)
の
衝突
(
しようとつ
)
を
来
(
きた
)
すことになつて
来
(
く
)
るのです。
247
併
(
しか
)
し
現代
(
げんだい
)
の
理窟
(
りくつ
)
から
言
(
い
)
へば、
248
内外
(
ないぐわい
)
両面
(
りやうめん
)
を
区別
(
くべつ
)
して
考
(
かんが
)
ふる
事
(
こと
)
が
至当
(
したう
)
となつて
居
(
を
)
ります。
249
そして
右様
(
みぎやう
)
の
説
(
せつ
)
に
対
(
たい
)
しては
種々
(
しゆじゆ
)
の
悪名
(
あくめい
)
を
以
(
もつ
)
て
対抗
(
たいかう
)
し、
250
且
(
か
)
つ
悪魔
(
あくま
)
の
言
(
げん
)
と
貶
(
けな
)
すものであります。
251
又
(
また
)
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
人
(
ひと
)
は
内面
(
ないめん
)
的
(
てき
)
想念
(
さうねん
)
の
外表
(
ぐわいへう
)
に
流
(
なが
)
れ
出
(
い
)
でて
爰
(
ここ
)
に
暴露
(
ばくろ
)
することなからむを
勉
(
つと
)
め、
252
現界
(
げんかい
)
的
(
てき
)
道理
(
だうり
)
によつて、
253
凡
(
すべ
)
てを
解決
(
かいけつ
)
せむとし
254
内面
(
ないめん
)
的
(
てき
)
神善
(
しんぜん
)
を
抹殺
(
まつさつ
)
するものであります。
255
さり
乍
(
なが
)
ら
人間
(
にんげん
)
の
創造
(
さうざう
)
さるるや、
256
その
内面
(
ないめん
)
的
(
てき
)
想念
(
さうねん
)
をして
257
相応
(
さうおう
)
に
由
(
よ
)
りて
外面
(
ぐわいめん
)
的
(
てき
)
想念
(
さうねん
)
と
相
(
あひ
)
一致
(
いつち
)
せしめなくては
成
(
な
)
らない
理由
(
りいう
)
があるのです。
258
この
一致
(
いつち
)
は
真
(
しん
)
の
善人
(
ぜんにん
)
に
於
(
おい
)
て
見
(
み
)
る
所
(
ところ
)
であつて、
259
その
思
(
おも
)
ふ
所
(
ところ
)
も
言
(
い
)
ふ
所
(
ところ
)
も、
260
唯々
(
ただただ
)
善
(
ぜん
)
のみだからであります。
261
かくの
如
(
ごと
)
き
内外
(
ないぐわい
)
両面
(
りやうめん
)
の
想念
(
さうねん
)
の
一致
(
いつち
)
する
事
(
こと
)
は
262
到底
(
たうてい
)
地獄
(
ぢごく
)
的
(
てき
)
悪人
(
あくにん
)
に
於
(
おい
)
ては
見
(
み
)
る
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
ない。
263
何故
(
なぜ
)
なれば、
264
心
(
こころ
)
に
悪
(
あく
)
を
思
(
おも
)
ひながら
善
(
ぜん
)
を
口
(
くち
)
に
語
(
かた
)
り
265
全
(
まつた
)
く
善人
(
ぜんにん
)
と
正反対
(
せいはんたい
)
の
情態
(
じやうたい
)
にあるものです。
266
外面
(
ぐわいめん
)
に
善
(
ぜん
)
を
示
(
しめ
)
して
悪
(
あく
)
を
抱
(
いだ
)
いて
居
(
を
)
る。
267
かくて
善
(
ぜん
)
は
悪
(
あく
)
のために
制
(
せい
)
せられ、
268
之
(
これ
)
に
使役
(
しえき
)
さるるに
至
(
いた
)
るのであります。
269
悪人
(
あくにん
)
はその
所主
(
しよしゆ
)
の
愛
(
あい
)
に
属
(
ぞく
)
する
目的
(
もくてき
)
を
達成
(
たつせい
)
せむがために、
270
表
(
おもて
)
に
善
(
ぜん
)
を
飾
(
かざ
)
つて
唯一
(
ゆゐいつ
)
の
方便
(
はうべん
)
となすものです。
271
故
(
ゆゑ
)
にその
言説
(
げんせつ
)
と
行動
(
かうどう
)
とに
現
(
あらは
)
れる
所
(
ところ
)
の
善事
(
ぜんじ
)
なるものは、
272
その
中
(
なか
)
に
悪
(
あし
)
き
目的
(
もくてき
)
を
包蔵
(
はうざう
)
して
居
(
を
)
るので、
273
善
(
ぜん
)
も
決
(
けつ
)
して
善
(
ぜん
)
でなく、
274
悪
(
あく
)
の
汚
(
けが
)
す
所
(
ところ
)
となるは
明白
(
めいはく
)
なものです。
275
外面
(
ぐわいめん
)
的
(
てき
)
に
之
(
これ
)
を
見
(
み
)
て
善事
(
ぜんじ
)
となすものは、
276
その
内面
(
ないめん
)
を
少
(
すこ
)
しも
知悉
(
ちしつ
)
せざるものの
言葉
(
ことば
)
であります。
277
真
(
しん
)
の
善
(
ぜん
)
に
居
(
を
)
るものは、
278
順序
(
じゆんじよ
)
を
乱
(
みだ
)
すこと
無
(
な
)
く、
279
その
善
(
ぜん
)
は
皆
(
みな
)
内面
(
ないめん
)
的
(
てき
)
想念
(
さうねん
)
より
流
(
なが
)
れて
外面
(
ぐわいめん
)
に
出
(
で
)
て
280
それが
言説
(
げんせつ
)
となり
行動
(
かうどう
)
となるのは、
281
人間
(
にんげん
)
は
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
順序
(
じゆんじよ
)
のもとに
創造
(
さうざう
)
せられたものであるからであります。
282
人間
(
にんげん
)
の
内面
(
ないめん
)
は
凡
(
すべ
)
て
高天原
(
たかあまはら
)
の
神界
(
しんかい
)
にあり、
283
神界
(
しんかい
)
の
光明中
(
くわうみやうちう
)
に
包
(
つつ
)
まれて
居
(
を
)
る。
284
その
光明
(
くわうみやう
)
とは、
285
大神
(
おほかみ
)
より
起来
(
きらい
)
する
所
(
ところ
)
の
神真
(
しんしん
)
で
286
所謂
(
いはゆる
)
高天原
(
たかあまはら
)
の
主
(
しゆ
)
なるものです。
287
人間
(
にんげん
)
は
内外
(
ないぐわい
)
両面
(
りやうめん
)
の
想念
(
さうねん
)
があり、
288
その
想念
(
さうねん
)
が
内外
(
ないぐわい
)
互
(
たがひ
)
に
相
(
あひ
)
隔
(
へだ
)
たり
居
(
を
)
ることは
前述
(
ぜんじゆつ
)
の
通
(
とほ
)
りであります。
289
想念
(
さうねん
)
と
言
(
い
)
つたのは
其
(
その
)
中
(
なか
)
に
意志
(
いし
)
をも
包含
(
はうがん
)
して
併
(
あは
)
せて
言
(
い
)
つたのです。
290
盖
(
けだ
)
し
想念
(
さうねん
)
なるものは
意志
(
いし
)
より
来
(
きた
)
り、
291
意志
(
いし
)
なければ
何人
(
なにびと
)
と
雖
(
いへど
)
も
想念
(
さうねん
)
なるものは
有
(
あ
)
りませぬ。
292
又
(
また
)
意志
(
いし
)
及
(
およ
)
び
想念
(
さうねん
)
と
云
(
い
)
ふ
時
(
とき
)
は、
293
この
意志
(
いし
)
の
裡
(
うち
)
にも
又
(
また
)
情動
(
じやうどう
)
、
294
愛
(
あい
)
、
295
及
(
およ
)
び、
2951
是
(
これ
)
等
(
ら
)
より
起来
(
きらい
)
する
歓喜
(
くわんき
)
や
悦楽
(
えつらく
)
をも
含
(
ふく
)
んで
居
(
を
)
ります。
296
以上
(
いじやう
)
のものは
何
(
いづ
)
れも
意志
(
いし
)
と
関連
(
くわんれん
)
して
居
(
を
)
るからです。
297
何故
(
なぜ
)
なれば
人
(
ひと
)
はその
欲
(
ほつ
)
する
所
(
ところ
)
を
愛
(
あい
)
し、
298
之
(
これ
)
によつて
歓喜
(
くわんき
)
悦楽
(
えつらく
)
の
情
(
じやう
)
を
生
(
しやう
)
ずるものだからです。
299
又
(
また
)
想念
(
さうねん
)
といふことは
300
人
(
ひと
)
が
由
(
よ
)
りて
以
(
もつ
)
て
其
(
その
)
情動
(
じやうどう
)
即
(
すなは
)
ち
愛
(
あい
)
を
確
(
たし
)
かむる
所
(
ところ
)
の
一切
(
いつさい
)
を
言
(
い
)
ふのです。
301
何
(
な
)
んとなれば
想念
(
さうねん
)
は
意志
(
いし
)
の
形式
(
けいしき
)
に
過
(
す
)
ぎないものです。
302
即
(
すなは
)
ち
意志
(
いし
)
が
由
(
よ
)
りて
以
(
もつ
)
て
自
(
みづか
)
ら
顕照
(
けんせう
)
せむと
欲
(
ほつ
)
する
所
(
ところ
)
のものに
過
(
す
)
ぎないからであります。
303
この
形式
(
けいしき
)
は
種々
(
しゆじゆ
)
の
理性
(
りせい
)
的
(
てき
)
解剖
(
かいばう
)
によつて
現
(
あらは
)
れるもので、
304
その
源泉
(
げんせん
)
を
霊界
(
れいかい
)
に
発
(
はつ
)
し
人
(
ひと
)
の
精霊
(
せいれい
)
に
属
(
ぞく
)
するものであります。
305
凡
(
すべ
)
て
人間
(
にんげん
)
の
人間
(
にんげん
)
たる
所以
(
ゆゑん
)
は
全
(
まつた
)
くその
内面
(
ないめん
)
にあつて
306
内面
(
ないめん
)
を
放
(
はな
)
れた
所
(
ところ
)
の
外面
(
ぐわいめん
)
にあらざることを
知
(
し
)
らねばならない。
307
内面
(
ないめん
)
は
人
(
ひと
)
の
霊
(
れい
)
に
属
(
ぞく
)
し、
308
人
(
ひと
)
の
生涯
(
しやうがい
)
なるものは、
309
此
(
こ
)
の
内面
(
ないめん
)
なる
霊
(
れい
)
(
精霊
(
せいれい
)
)の
生涯
(
しやうがい
)
に
外
(
ほか
)
ならないからです。
310
人
(
ひと
)
の
身体
(
しんたい
)
に
生命
(
せいめい
)
のあるのは
311
此
(
この
)
精霊
(
せいれい
)
に
由
(
よ
)
るものです。
312
是
(
こ
)
の
理
(
り
)
によつて
人
(
ひと
)
はその
内面
(
ないめん
)
の
如
(
ごと
)
くに
生存
(
せいぞん
)
し
永遠
(
えいゑん
)
に
渉
(
わた
)
りて
変
(
かは
)
らず、
313
不老
(
ふらう
)
不死
(
ふし
)
の
永生
(
えいせい
)
を
保
(
たも
)
つものです。
314
されど
外面
(
ぐわいめん
)
は
又
(
また
)
肉体
(
にくたい
)
に
属
(
ぞく
)
するが
故
(
ゆゑ
)
に、
315
死後
(
しご
)
は
必
(
かなら
)
ず
離散
(
りさん
)
し
消滅
(
せうめつ
)
し、
316
其
(
その
)
霊
(
れい
)
に
属
(
ぞく
)
して
居
(
ゐ
)
た
部分
(
ぶぶん
)
は
眠
(
ねむ
)
り、
317
唯
(
ただ
)
内面
(
ないめん
)
のために、
318
是
(
これ
)
が
平面
(
へいめん
)
となるに
過
(
す
)
ぎないのです。
319
かくて
人間
(
にんげん
)
の
自有
(
じいう
)
に
属
(
ぞく
)
するものと
属
(
ぞく
)
せざるものとの
区別
(
くべつ
)
が
明
(
あきら
)
かになるのであります。
320
悪人
(
あくにん
)
にあつては
其
(
その
)
言説
(
げんせつ
)
を
起
(
おこ
)
さしむる
所
(
ところ
)
の
外的
(
ぐわいてき
)
想念
(
さうねん
)
と、
321
其
(
その
)
行動
(
かうどう
)
を
起
(
おこ
)
さしむる
所
(
ところ
)
の
外的
(
ぐわいてき
)
意志
(
いし
)
とに
属
(
ぞく
)
するものは、
322
一
(
いつ
)
も
以
(
もつ
)
て
彼
(
かれ
)
等
(
ら
)
の
自有
(
じいう
)
と
為
(
な
)
すべからざるものと
知
(
し
)
り
得
(
う
)
るでありませう。
323
只
(
ただ
)
その
内面
(
ないめん
)
的
(
てき
)
なる
想念
(
さうねん
)
と
意志
(
いし
)
とに
属
(
ぞく
)
するもの
而己
(
のみ
)
が
324
自有
(
じいう
)
を
為
(
な
)
し
得
(
う
)
るのであります。
325
故
(
ゆゑ
)
に
永遠
(
えいゑん
)
の
生命
(
せいめい
)
に
入
(
い
)
りたる
時
(
とき
)
自有
(
じいう
)
となるべきものは、
326
神
(
かみ
)
の
国
(
くに
)
の
栄
(
さか
)
えのために
努力
(
どりよく
)
した
花実
(
くわじつ
)
ばかりで、
327
其
(
その
)
他
(
た
)
の
一切
(
いつさい
)
のものは、
328
中有界
(
ちううかい
)
に
於
(
おい
)
て
剥脱
(
はくだつ
)
されるものであります。
329
アヽ
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
。
330
(
大正一二・五・二四
旧四・九
於竜宮館
加藤明子
録)
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