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霊界物語
霊主体従
第1巻(子の巻)
第2巻(丑の巻)
第3巻(寅の巻)
第4巻(卯の巻)
第5巻(辰の巻)
第6巻(巳の巻)
第7巻(午の巻)
第8巻(未の巻)
第9巻(申の巻)
第10巻(酉の巻)
第11巻(戌の巻)
第12巻(亥の巻)
如意宝珠
第13巻(子の巻)
第14巻(丑の巻)
第15巻(寅の巻)
第16巻(卯の巻)
第17巻(辰の巻)
第18巻(巳の巻)
第19巻(午の巻)
第20巻(未の巻)
第21巻(申の巻)
第22巻(酉の巻)
第23巻(戌の巻)
第24巻(亥の巻)
海洋万里
第25巻(子の巻)
第26巻(丑の巻)
第27巻(寅の巻)
第28巻(卯の巻)
第29巻(辰の巻)
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第37巻(子の巻)
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第40巻(卯の巻)
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第48巻(亥の巻)
真善美愛
第49巻(子の巻)
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第51巻(寅の巻)
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第61巻(子の巻)
第62巻(丑の巻)
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第64巻(卯の巻)下
第65巻(辰の巻)
第66巻(巳の巻)
第67巻(午の巻)
第68巻(未の巻)
第69巻(申の巻)
第70巻(酉の巻)
第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
特別編 入蒙記
天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
第79巻(午の巻)
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第81巻(申の巻)
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第63巻(寅の巻)
序歌
総説
第1篇 妙法山月
01 玉の露
〔1608〕
02 妙法山
〔1609〕
03 伊猛彦
〔1610〕
04 山上訓
〔1611〕
05 宿縁
〔1612〕
06 テルの里
〔1613〕
第2篇 日天子山
07 湖上の影
〔1614〕
08 怪物
〔1615〕
09 超死線
〔1616〕
第3篇 幽迷怪道
10 鷺と鴉
〔1617〕
11 怪道
〔1618〕
12 五託宣
〔1619〕
13 蚊燻
〔1620〕
14 嬉し涙
〔1621〕
第4篇 四鳥の別
15 波の上
〔1622〕
16 諒解
〔1623〕
17 峠の涙
〔1624〕
18 夜の旅
〔1625〕
第5篇 神検霊査
19 仕込杖
〔1626〕
20 道の苦
〔1627〕
21 神判
〔1628〕
22 蚯蚓の声
〔1629〕
余白歌
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> 第2篇 日天子山 > 第9章 超死線
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第九章
超死線
(
てうしせん
)
〔一六一六〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第63巻 山河草木 寅の巻
篇:
第2篇 日天子山
よみ(新仮名遣い):
すーらやさん
章:
第9章 超死線
よみ(新仮名遣い):
ちょうしせん
通し章番号:
1616
口述日:
1923(大正12)年05月24日(旧04月9日)
口述場所:
教主殿
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1926(大正15)年2月3日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
一行五人はスーラヤ山の中腹まで登ってきた。夜前妖怪が言っていた死線地帯にたどり着いた。
死線を突破するために伊太彦を導師として天津祝詞を奏上し、天の数歌を歌いながら勢いにおまかせて駆け上った。一行は死線を乗り越えられたことにそれぞれ感謝の歌を歌った。
伊太彦は一行を励ましながら岩窟の側近くにやってきた。深い井戸のように縦穴があいており、底には夜光の玉がいくつともなく光っているのが見えた。
伊太彦は藤蔓を切って太い縄にない、岩窟の一端にくくりつけて底深く降りて行った。一行も勇気を鼓して伊太彦に続いた。
岩窟の底からまた横穴がい開いていて無数の玉が光っている。奥を見ると、ウバナンダ竜王がたくさんの眷属をつれて蜿蜒とわだかまっていた。
伊太彦はもろ手を合わせて柏手を打ち、天津祝詞を奏上しようとした。しかしどうしたものかにわかに舌はこわばり、一言も発することができなくなってその場に昏倒してしまった。
一行五人も同様にその場に枕を並べて昏倒してしまった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-04-23 16:13:54
OBC :
rm6309
愛善世界社版:
122頁
八幡書店版:
第11輯 305頁
修補版:
校定版:
124頁
普及版:
64頁
初版:
ページ備考:
001
水面
(
すいめん
)
を
抜
(
ぬ
)
く
事
(
こと
)
、
002
七千
(
しちせん
)
三百
(
さんびやく
)
尺
(
しやく
)
のスーラヤ
山
(
さん
)
の
中腹
(
ちうふく
)
迄
(
まで
)
一行
(
いつかう
)
五
(
ご
)
人
(
にん
)
は
漸
(
やうや
)
く
登
(
のぼ
)
りつめた。
003
これより
上
(
うへ
)
は
夜前
(
やぜん
)
妖怪
(
えうくわい
)
の
云
(
い
)
つた
死線
(
しせん
)
地帯
(
ちたい
)
である。
004
山
(
やま
)
の
中腹
(
ちうふく
)
に
邪気帯
(
じやきたい
)
があつて
四方
(
しはう
)
を
取囲
(
とりかこ
)
み、
005
何
(
いづ
)
れもこの
死線
(
しせん
)
を
突破
(
とつぱ
)
せむとして、
006
邪気
(
じやき
)
にうたれ、
007
身体
(
しんたい
)
水症病
(
すいしやうびやう
)
を
起
(
おこ
)
し、
008
ここにパタリパタリと
倒
(
たふ
)
れて
一人
(
ひとり
)
もこれより
上
(
うへ
)
に
登
(
のぼ
)
つたものはない。
009
何程
(
なにほど
)
夜光
(
やくわう
)
の
玉
(
たま
)
が
燦爛
(
さんらん
)
と
輝
(
かがや
)
き
渡
(
わた
)
り
高価
(
かうか
)
な
宝
(
たから
)
が
目
(
め
)
の
前
(
まへ
)
にブラ
下
(
さが
)
つて
居
(
を
)
つても
010
此
(
この
)
死線
(
しせん
)
を
越
(
こ
)
へる
事
(
こと
)
は
到底
(
たうてい
)
人間業
(
にんげんわざ
)
では
出来
(
でき
)
ぬ
事
(
こと
)
であつた。
011
此
(
この
)
地帯
(
ちたい
)
は
殆
(
ほと
)
んど
七八十
(
しちはちじつ
)
間
(
けん
)
ばかりの
幅
(
はば
)
であつた。
012
死線
(
しせん
)
の
近辺
(
きんぺん
)
迄
(
まで
)
来
(
き
)
て
見
(
み
)
ると
白骨
(
はくこつ
)
累々
(
るゐるゐ
)
として
横
(
よこ
)
たはつて
居
(
ゐ
)
る。
013
伊太彦
(
いたひこ
)
は
此
(
この
)
光景
(
くわうけい
)
を
見
(
み
)
て、
014
これは
到底
(
たうてい
)
一通
(
ひととほ
)
りでは
突破
(
とつぱ
)
する
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ない。
015
神力
(
しんりき
)
を
得
(
え
)
て
登
(
のぼ
)
るに
如
(
し
)
かずと、
016
ここに
伊太彦
(
いたひこ
)
を
導師
(
だうし
)
として
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し、
017
天
(
あま
)
の
数歌
(
かずうた
)
を
歌
(
うた
)
ひ
終
(
を
)
へ
乍
(
なが
)
ら
勢
(
いきほひ
)
に
任
(
まか
)
せて
駆
(
か
)
け
上
(
のぼ
)
つた。
018
漸
(
やうや
)
くにして
一行
(
いつかう
)
五
(
ご
)
人
(
にん
)
は
死線
(
しせん
)
を
突破
(
とつぱ
)
する
事
(
こと
)
を
得
(
え
)
た。
019
伊太
(
いた
)
『あゝ
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
。
020
開闢
(
かいびやく
)
以来
(
いらい
)
竜王
(
りうわう
)
と
雖
(
いへど
)
も
此
(
この
)
死線
(
しせん
)
を
突破
(
とつぱ
)
して
下
(
くだ
)
る
事
(
こと
)
を
得
(
え
)
ない
危険帯
(
きけんたい
)
を
無事
(
ぶじ
)
に
越
(
こ
)
へられたのも
021
全
(
まつた
)
く
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
ご
)
神徳
(
しんとく
)
だ。
022
皇神
(
すめかみ
)
の
恵
(
めぐ
)
みの
衣
(
きぬ
)
に
包
(
つつ
)
まれて
023
危
(
あやふ
)
き
死線
(
しせん
)
を
渡
(
わた
)
りけるかな。
024
惟神
(
かむながら
)
神
(
かみ
)
に
任
(
まか
)
せば
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
025
恐
(
おそ
)
るべきものはあらじとぞ
思
(
おも
)
ふ』
026
ブラヷーダ『
千早
(
ちはや
)
振
(
ふ
)
る
神世
(
かみよ
)
も
聞
(
き
)
かぬ
死
(
し
)
の
関
(
せき
)
を
027
無事
(
ぶじ
)
に
越
(
こ
)
へたる
人
(
ひと
)
ぞ
尊
(
たふと
)
き。
028
霊
(
たま
)
幸
(
ち
)
はふ
神
(
かみ
)
の
守
(
まも
)
りのなかりせば
029
如何
(
いか
)
で
渡
(
わた
)
れむ
醜
(
しこ
)
の
死線
(
しせん
)
を』
030
アスマガルダ『
伊太彦
(
いたひこ
)
の
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
の
功績
(
いさをし
)
は
031
神代
(
かみよ
)
にも
聞
(
き
)
かぬためしなりけり。
032
ウバナンダ・ナーガラシャーも
伊太彦
(
いたひこ
)
の
033
武者
(
むしや
)
振
(
ぶ
)
り
見
(
み
)
れば
驚
(
おどろ
)
くなるらむ。
034
スーラヤの
海
(
うみ
)
に
浮
(
うか
)
びし
此
(
この
)
山
(
やま
)
に
035
初
(
はじ
)
めて
登
(
のぼ
)
る
今日
(
けふ
)
の
嬉
(
うれ
)
しさ』
036
カークス『
恐
(
おそ
)
ろしき
醜
(
しこ
)
の
死線
(
しせん
)
を
突破
(
とつぱ
)
して
037
登
(
のぼ
)
り
来
(
きた
)
りぬ
山
(
やま
)
の
尾
(
を
)
の
上
(
へ
)
に。
038
ウラル
彦
(
ひこ
)
神
(
かみ
)
に
仕
(
つか
)
ふる
信徒
(
まめひと
)
が
039
屍
(
かばね
)
さらせしスーラヤの
山
(
やま
)
』
040
ベース『
三五
(
あななひ
)
の
神
(
かみ
)
の
力
(
ちから
)
に
守
(
まも
)
られて
041
安
(
やす
)
く
登
(
のぼ
)
りぬ
宝
(
たから
)
の
山
(
やま
)
に。
042
さり
乍
(
なが
)
ら
胸
(
むね
)
苦
(
くる
)
しくもなりにけり
043
醜
(
しこ
)
の
死線
(
しせん
)
に
触
(
ふ
)
れたる
為
(
ため
)
か』
044
カークス『
吾
(
われ
)
も
亦
(
また
)
胸
(
むね
)
騒
(
さわ
)
がしくなりにけり
045
守
(
まも
)
らせ
玉
(
たま
)
へ
三五
(
あななひ
)
の
神
(
かみ
)
』
046
ブラヷーダ『
肉体
(
からたま
)
は
俄
(
にはか
)
に
重
(
おも
)
くなり
行
(
ゆ
)
きて
047
行
(
ゆ
)
きなやみけり
此
(
この
)
山道
(
やまみち
)
を』
048
伊太彦
(
いたひこ
)
『
村肝
(
むらきも
)
の
心
(
こころ
)
ひきたて
神
(
かみ
)
に
拠
(
よ
)
り
049
登
(
のぼ
)
れば
登
(
のぼ
)
る
道
(
みち
)
もありけり』
050
アスマガルダ『
何
(
なん
)
となく
胸
(
むね
)
は
騒
(
さわ
)
ぎぬ
手
(
て
)
も
足
(
あし
)
も
051
心
(
こころ
)
の
儘
(
まま
)
に
動
(
うご
)
かずなりぬ』
052
伊太彦
(
いたひこ
)
『
名
(
な
)
にし
負
(
お
)
ふ
死線
(
しせん
)
を
突破
(
とつぱ
)
したる
身
(
み
)
は
053
少
(
すこ
)
しの
悩
(
なや
)
みは
免
(
まぬ
)
かれざらまし。
054
いざさらば
心
(
こころ
)
の
駒
(
こま
)
に
鞭
(
むちう
)
ちて
055
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
かなむ
竜王
(
りうわう
)
の
岩窟
(
いはや
)
に』
056
伊太彦
(
いたひこ
)
は
先
(
さき
)
に
立
(
た
)
つて
一行
(
いつかう
)
の
心
(
こころ
)
を
励
(
はげ
)
ませ
乍
(
なが
)
ら
057
自分
(
じぶん
)
も
重
(
おも
)
たい
足
(
あし
)
を
引摺
(
ひきず
)
りつつ
峰
(
みね
)
の
尾
(
を
)
の
上
(
へ
)
の
風
(
かぜ
)
に
吹
(
ふ
)
かれ、
058
歌
(
うた
)
を
謡
(
うた
)
つて
元気
(
げんき
)
よく
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
059
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
後
(
あと
)
に
牛
(
うし
)
の
歩
(
あゆ
)
みの
捗々
(
はかばか
)
しからず、
060
汗
(
あせ
)
をタラタラ
流
(
なが
)
し
乍
(
なが
)
ら
喘
(
あへ
)
ぎ
喘
(
あへ
)
ぎ
従
(
したが
)
ひ
行
(
ゆ
)
く。
061
伊太彦
(
いたひこ
)
『
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて
062
善
(
ぜん
)
と
悪
(
あく
)
とを
立別
(
たてわ
)
ける
063
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
064
伊太彦
(
いたひこ
)
司
(
つかさ
)
が
今
(
いま
)
ここに
065
神
(
かみ
)
の
御言
(
みこと
)
を
蒙
(
かうむ
)
りて
066
ナーガラシャーの
永久
(
とこしへ
)
に
067
守
(
まも
)
らせ
玉
(
たま
)
ふ
瑞
(
みづ
)
の
玉
(
たま
)
068
神政
(
しんせい
)
成就
(
じやうじゆ
)
のその
為
(
ため
)
に
069
吾
(
わが
)
手
(
て
)
に
受
(
う
)
けてエルサレム
070
貴
(
うづ
)
の
都
(
みやこ
)
の
大前
(
おほまへ
)
に
071
献
(
たてまつ
)
らむと
登
(
のぼ
)
り
来
(
き
)
ぬ
072
此
(
この
)
山
(
やま
)
守
(
まも
)
るウバナンダ
073
ナーガラシャーに
物
(
もの
)
申
(
まを
)
す
074
汝
(
なれ
)
が
命
(
みこと
)
は
千早
(
ちはや
)
振
(
ふ
)
る
075
神代
(
かみよ
)
の
遠
(
とほ
)
き
昔
(
むかし
)
より
076
神
(
かみ
)
の
怒
(
いか
)
りを
蒙
(
かうむ
)
りて
077
スーラヤ
山
(
さん
)
の
岩窟
(
がんくつ
)
に
078
閉
(
と
)
ぢ
込
(
こ
)
められて
千万
(
ちよろづ
)
の
079
悩
(
なや
)
みを
受
(
う
)
けしいたはしさ
080
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
の
梅
(
うめ
)
の
花
(
はな
)
081
一度
(
いちど
)
に
開
(
ひら
)
く
時
(
とき
)
は
充
(
み
)
ち
082
八大
(
はちだい
)
竜王
(
りうわう
)
悉
(
ことごと
)
く
083
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
の
御許
(
みゆる
)
しに
084
天津
(
あまつ
)
御国
(
みくに
)
に
救
(
すく
)
はれて
085
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
御柱
(
みはしら
)
と
086
仕
(
つか
)
へまつらむ
世
(
よ
)
となりぬ
087
喜
(
よろこ
)
び
給
(
たま
)
へウバナンダ
088
竜王
(
りうわう
)
の
前
(
まへ
)
に
告
(
つ
)
げまつる
089
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
090
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
091
仮令
(
たとへ
)
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
092
誠
(
まこと
)
一
(
ひと
)
つの
三五
(
あななひ
)
の
093
神
(
かみ
)
の
言葉
(
ことば
)
に
二言
(
にごん
)
ない
094
心
(
こころ
)
を
平
(
たひら
)
に
安
(
やす
)
らかに
095
此
(
この
)
伊太彦
(
いたひこ
)
が
使命
(
しめい
)
をば
096
諾
(
うべな
)
ひまして
逸早
(
いちはや
)
く
097
夜光
(
やくわう
)
の
玉
(
たま
)
を
渡
(
わた
)
せかし
098
汝
(
なれ
)
の
身霊
(
みたま
)
を
之
(
これ
)
よりは
099
広
(
ひろ
)
き
世界
(
せかい
)
に
現
(
あら
)
はして
100
五六七
(
みろく
)
神政
(
しんせい
)
の
柱
(
はしら
)
とし
101
天地
(
てんち
)
日月
(
じつげつ
)
相並
(
あひなら
)
び
102
神
(
かみ
)
と
人
(
ひと
)
との
隔
(
へだ
)
てなく
103
いと
安
(
やす
)
らかに
世
(
よ
)
を
照
(
て
)
らし
104
醜
(
しこ
)
の
曲霊
(
まがひ
)
を
悉
(
ことごと
)
く
105
言向和
(
ことむけやは
)
し
神国
(
しんこく
)
の
106
常世
(
とこよ
)
の
春
(
はる
)
の
花
(
はな
)
匂
(
にほ
)
ふ
107
目出度
(
めでた
)
き
御代
(
みよ
)
と
開
(
ひら
)
き
行
(
ゆ
)
く
108
此
(
この
)
神業
(
しんげふ
)
を
諾
(
うべな
)
ひて
109
一日
(
ひとひ
)
も
早
(
はや
)
く
帰順
(
きじゆん
)
せよ
110
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
111
神
(
かみ
)
に
従
(
したが
)
ふ
武士
(
つはもの
)
よ
112
少
(
すこ
)
しの
悩
(
なや
)
みに
撓
(
たゆ
)
まずに
113
心
(
こころ
)
を
引立
(
ひきた
)
て
進
(
すす
)
めかし
114
神
(
かみ
)
は
汝
(
なんぢ
)
と
倶
(
とも
)
にあり
115
人
(
ひと
)
は
神
(
かみ
)
の
子
(
こ
)
神
(
かみ
)
の
宮
(
みや
)
116
如何
(
いか
)
に
死線
(
しせん
)
を
越
(
こ
)
ゆるとも
117
障害
(
さはり
)
のあるべき
道理
(
だうり
)
なし
118
心
(
こころ
)
一
(
ひと
)
つの
持
(
も
)
ちやうぞ
119
来
(
きた
)
れよ
来
(
きた
)
れ
早
(
は
)
や
来
(
きた
)
れ
120
竜王
(
りうわう
)
の
岩窟
(
いはや
)
近
(
ちか
)
づきて
121
御空
(
みそら
)
を
照
(
てら
)
す
光明
(
くわうみやう
)
は
122
昼
(
ひる
)
とは
云
(
い
)
へど
明
(
あきら
)
かに
123
吾
(
わが
)
目
(
め
)
に
映
(
うつ
)
り
来
(
きた
)
りけり
124
勝利
(
しようり
)
の
都
(
みやこ
)
は
近
(
ちか
)
づきぬ
125
勇
(
いさ
)
めよ
勇
(
いさ
)
め
言霊
(
ことたま
)
の
126
神
(
かみ
)
の
使
(
つかひ
)
の
御軍
(
みいくさ
)
よ』
127
カークスは
一丁
(
いつちやう
)
ばかり
遅
(
おく
)
れ
乍
(
なが
)
ら
128
足
(
あし
)
を
引摺
(
ひきず
)
りもつて
謡
(
うた
)
ひ
初
(
はじ
)
めた。
129
『あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
130
神
(
かみ
)
の
守
(
まも
)
りに
吾々
(
われわれ
)
は
131
さも
恐
(
おそ
)
ろしきスーラヤの
132
死線
(
しせん
)
を
越
(
こ
)
へて
登
(
のぼ
)
りけり
133
さはさり
乍
(
なが
)
ら
何
(
なん
)
となく
134
足許
(
あしもと
)
重
(
おも
)
く
胸
(
むね
)
騒
(
さわ
)
ぎ
135
歩
(
あゆ
)
み
倦
(
あぐ
)
みし
苦
(
くる
)
しさよ
136
伊太彦
(
いたひこ
)
司
(
つかさ
)
待
(
ま
)
ち
玉
(
たま
)
へ
137
如何
(
いか
)
に
心
(
こころ
)
を
焦
(
いら
)
つとも
138
自由
(
じいう
)
にならぬ
吾
(
わが
)
体
(
からだ
)
139
憐
(
あは
)
れみ
玉
(
たま
)
へ
今
(
いま
)
一度
(
いちど
)
140
伊吹
(
いぶき
)
の
狭霧
(
さぎり
)
に
曲津身
(
まがつみ
)
を
141
祓
(
はら
)
はせ
玉
(
たま
)
へ
惟神
(
かむながら
)
142
神
(
かみ
)
かけ
念
(
ねん
)
じ
奉
(
たてまつ
)
る』
143
ブラヷーダ『
吾
(
わが
)
背
(
せ
)
の
君
(
きみ
)
よ
待
(
ま
)
ち
玉
(
たま
)
へ
144
踏
(
ふ
)
みも
習
(
なら
)
はぬ
高山
(
たかやま
)
を
145
一瀉
(
いつしや
)
千里
(
せんり
)
に
登
(
のぼ
)
りつめ
146
吾
(
わが
)
肉体
(
からたま
)
も
疲
(
つか
)
れ
果
(
は
)
て
147
手足
(
てあし
)
も
重
(
おも
)
くなりにけり
148
汝
(
なれ
)
が
命
(
みこと
)
は
宣伝使
(
せんでんし
)
149
如何
(
いか
)
なる
枉
(
まが
)
の
棲処
(
すみか
)
をも
150
恐
(
おそ
)
れ
玉
(
たま
)
はずさり
乍
(
なが
)
ら
151
兄
(
あに
)
の
命
(
みこと
)
のアスマガルダ
152
その
外
(
ほか
)
二人
(
ふたり
)
の
伴人
(
ともびと
)
が
153
死線
(
しせん
)
の
邪気
(
じやき
)
に
襲
(
おそ
)
はれて
154
手足
(
てあし
)
も
心
(
こころ
)
もままならぬ
155
悲
(
かな
)
しき
身
(
み
)
とはなりましぬ
156
ナーガラシャーの
岩窟
(
がんくつ
)
は
157
吾
(
わが
)
目
(
め
)
の
前
(
まへ
)
に
横
(
よこた
)
はり
158
夜光
(
やくわう
)
の
玉
(
たま
)
の
御光
(
みひかり
)
は
159
四辺
(
あたり
)
に
輝
(
かがや
)
き
玉
(
たま
)
へども
160
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
の
心
(
こころ
)
は
何
(
なん
)
となく
161
曇
(
くも
)
りて
黄泉
(
よみ
)
の
道芝
(
みちしば
)
を
162
辿
(
たど
)
るが
如
(
ごと
)
く
覚
(
おぼ
)
ゆなり
163
休
(
やす
)
ませ
玉
(
たま
)
へ
背
(
せ
)
の
君
(
きみ
)
よ
164
偏
(
ひとへ
)
に
願
(
ねが
)
ひ
奉
(
たてまつ
)
る』
165
伊太彦
(
いたひこ
)
はブラヷーダの
此
(
この
)
歌
(
うた
)
を
聞
(
き
)
いて
166
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
者
(
もの
)
の
行歩
(
かうほ
)
に
悩
(
なや
)
んで
居
(
ゐ
)
る
事
(
こと
)
を
憐
(
あは
)
れみ、
167
山頂
(
さんちやう
)
に
碁布
(
ごふ
)
せる
岩石
(
がんせき
)
に
腰
(
こし
)
かけて、
168
暫
(
しば
)
らく
落伍者
(
らくごしや
)
の
追
(
おひ
)
付
(
つ
)
くを
待
(
ま
)
つ
事
(
こと
)
とした。
169
カークスは
気息
(
きそく
)
奄々
(
えんえん
)
として
息
(
いき
)
も
絶
(
た
)
え
絶
(
だ
)
えに
這
(
は
)
ふやうにして
追
(
おひ
)
付
(
つ
)
き
来
(
きた
)
り、
170
カークス『もし
先生
(
せんせい
)
、
171
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御用
(
ごよう
)
とは
申
(
まを
)
し
乍
(
なが
)
ら
172
どうにも
斯
(
か
)
うにも
苦
(
くる
)
しくて
堪
(
たま
)
りませぬわ、
173
一
(
ひと
)
つ
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
に
願
(
ねが
)
つて
下
(
くだ
)
さいな』
174
伊太
(
いた
)
『
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
に
願
(
ねが
)
ふのは、
175
お
前
(
まへ
)
の
心
(
こころ
)
で
念
(
ねん
)
じた
方
(
はう
)
が
宜
(
よ
)
い。
176
俺
(
わし
)
だとて
全責任
(
ぜんせきにん
)
を
負
(
お
)
ふてゐるのだから
177
足
(
あし
)
の
痛
(
いた
)
いのも、
1771
体
(
からだ
)
の
苦
(
くる
)
しいのも
辛抱
(
しんばう
)
してここ
迄
(
まで
)
やつて
来
(
き
)
たのだよ。
178
何
(
いづ
)
れ
神界
(
しんかい
)
の
御用
(
ごよう
)
をするのだから、
179
さう
楽々
(
らくらく
)
に
勤
(
つと
)
まるものではない。
180
神徳
(
しんとく
)
さへあれば
何
(
なん
)
でもないのだが
181
ナーガラシャーでさへも
死線
(
しせん
)
を
越
(
こ
)
へて
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
す
訳
(
わけ
)
にもゆかず、
182
神代
(
かみよ
)
から
此処
(
ここ
)
に
蟄伏
(
ちつぷく
)
して
居
(
ゐ
)
る
様
(
やう
)
な
険難
(
けんのん
)
千万
(
せんばん
)
の
処
(
ところ
)
を
越
(
こ
)
へて
来
(
き
)
たのだから、
183
少
(
すこ
)
し
位
(
ぐらゐ
)
苦
(
くる
)
しいのは
当然
(
あたりまへ
)
だよ。
184
暫
(
しば
)
らくここの
山風
(
やまかぜ
)
に
当
(
あた
)
つて
休
(
やす
)
んで
居
(
を
)
つたら
又
(
また
)
元気
(
げんき
)
恢復
(
くわいふく
)
するだらうよ』
185
カークス『はい、
186
有難
(
ありがた
)
う
厶
(
ござ
)
います。
187
何事
(
なにごと
)
も
神業
(
しんげふ
)
だと
思
(
おも
)
へば、
188
仮令
(
たとへ
)
死
(
し
)
んでも
怨
(
うら
)
みとは
思
(
おも
)
ひませぬ』
189
伊太
(
いた
)
『そんな
気
(
き
)
の
弱
(
よわ
)
い
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
ふものぢやない。
190
永遠
(
えいゑん
)
の
命
(
いのち
)
の
源泉
(
げんせん
)
たる
瑞
(
みづ
)
の
御魂
(
みたま
)
さまがお
守
(
まも
)
り
下
(
くだ
)
さる
以上
(
いじやう
)
は
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
だよ。
191
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
神
(
かみ
)
を
信
(
しん
)
じ
神
(
かみ
)
に
祈
(
いの
)
るより
外
(
ほか
)
にないのだ。
192
あゝ
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
』
193
ベース『
先生
(
せんせい
)
、
194
私
(
わたし
)
も
何
(
なん
)
だか
弱音
(
よわね
)
を
吹
(
ふ
)
くやうですが、
195
息
(
いき
)
がきれさうになつて
来
(
き
)
ました』
196
伊太
(
いた
)
『エー、
197
気
(
き
)
の
弱
(
よわ
)
い
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
ふ
男
(
をとこ
)
だな。
198
もう
一息
(
ひといき
)
だ。
199
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
ご
)
神力
(
しんりき
)
に
頼
(
たよ
)
つて
目的
(
もくてき
)
を
達
(
たつ
)
せねばなるまい。
200
九分
(
くぶ
)
九厘
(
くりん
)
行
(
い
)
つた
処
(
ところ
)
で
成就
(
じやうじゆ
)
せない
事
(
こと
)
があるとどうするか。
201
そんな
弱虫
(
よわむし
)
では
現幽
(
げんいう
)
一致
(
いつち
)
を
守
(
まも
)
らせ
玉
(
たま
)
ふ
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に、
202
復命
(
ふくめい
)
する
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
ぬぢやないか』
203
ベース『ハイ、
204
お
言葉
(
ことば
)
の
通
(
とほ
)
りで
厶
(
ござ
)
いますが、
205
どうも
苦
(
くる
)
しくて
欲
(
よく
)
にも
徳
(
とく
)
にも
換
(
かへ
)
られなくなりました』
206
伊太
(
いた
)
『
困
(
こま
)
つたな。
207
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
祈祷
(
いのり
)
が
肝腎
(
かんじん
)
だ』
208
アスマガルダ『スーラヤの
湖水
(
こすい
)
の
彼方
(
あなた
)
を
眺
(
なが
)
むれば
209
父
(
ちち
)
と
母
(
はは
)
との
恋
(
こひ
)
しくなりぬ』
210
伊太彦
(
いたひこ
)
『
千早
(
ちはや
)
振
(
ふ
)
る
神
(
かみ
)
の
大道
(
おほぢ
)
に
進
(
すす
)
む
身
(
み
)
は
211
此
(
この
)
世
(
よ
)
のものを
忘
(
わす
)
るるに
如
(
し
)
かず。
212
父母
(
ちちはは
)
の
恵
(
めぐみ
)
は
如何
(
いか
)
に
高
(
たか
)
くとも
213
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
に
比
(
くら
)
ぶべきやは』
214
ブラヷーダ『
天地
(
あめつち
)
の
誠
(
まこと
)
の
親
(
おや
)
に
抱
(
いだ
)
かれて
215
神国
(
みくに
)
に
登
(
のぼ
)
る
心地
(
ここち
)
しにけり』
216
ベース『
何事
(
なにごと
)
も
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
御心
(
みこころ
)
の
217
ままと
思
(
おも
)
へば
何
(
なに
)
をか
怨
(
うら
)
みむ。
218
苦
(
くる
)
しさの
後
(
のち
)
に
楽
(
たの
)
しみ
来
(
きた
)
るてふ
219
厳
(
いづ
)
の
教
(
をしへ
)
を
思
(
おも
)
ひて
微笑
(
ほほゑ
)
む』
220
伊太彦
(
いたひこ
)
『いざさらば
夜光
(
やくわう
)
の
玉
(
たま
)
の
所在
(
ありか
)
へと
221
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
かなむ
諸人
(
もろびと
)
立
(
た
)
てよ』
222
斯
(
か
)
く
互
(
たがひ
)
に
述懐
(
じゆつくわい
)
をのべ
終
(
をは
)
り
223
伊太彦
(
いたひこ
)
は
又
(
また
)
先頭
(
せんとう
)
に
立
(
た
)
ち
竜王
(
りうわう
)
の
潜
(
ひそ
)
むてふ
岩窟
(
がんくつ
)
の
側
(
そば
)
近
(
ちか
)
く
立
(
たち
)
寄
(
よ
)
つた。
224
此
(
この
)
岩窟
(
がんくつ
)
は
深
(
ふか
)
き
井戸
(
ゐど
)
の
如
(
ごと
)
く
縦穴
(
たてあな
)
が
開
(
あ
)
いてゐる、
225
そして
幾丈
(
いくぢやう
)
とも
知
(
し
)
れぬ
岩窟
(
がんくつ
)
の
底
(
そこ
)
には
226
夜光
(
やくわう
)
の
玉
(
たま
)
が
目
(
め
)
も
眩
(
まばゆ
)
きばかり
幾
(
いく
)
つともなく
光
(
ひか
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
227
伊太彦
(
いたひこ
)
は
山
(
やま
)
の
尾
(
を
)
の
上
(
へ
)
を
捜
(
あさ
)
つて
藤蔓
(
ふぢつる
)
を
切
(
き
)
り
之
(
これ
)
にて
太
(
ふと
)
き
縄
(
なは
)
を
綯
(
な
)
ひ、
228
入口
(
いりぐち
)
の
岩窟
(
がんくつ
)
に
一端
(
いつたん
)
を
括
(
くく
)
りつけ
229
綱
(
つな
)
を
伝
(
つた
)
ふてスルスルスルと
底
(
そこ
)
深
(
ふか
)
く
下
(
くだ
)
り
着
(
つ
)
いた。
230
一同
(
いちどう
)
も
勇気
(
ゆうき
)
を
鼓
(
こ
)
して
伊太彦
(
いたひこ
)
の
後
(
あと
)
に
従
(
したが
)
ひ
231
藤
(
ふぢ
)
の
縄梯子
(
なははしご
)
を
足
(
あし
)
にて
刻
(
きざ
)
み
乍
(
なが
)
ら、
232
漸
(
やうや
)
くに
岩窟
(
がんくつ
)
の
底
(
そこ
)
に
安着
(
あんちやく
)
した。
233
見
(
み
)
れば
其処
(
そこ
)
から
又
(
また
)
横穴
(
よこあな
)
が
開
(
あ
)
いてゐて
234
無数
(
むすう
)
の
玉
(
たま
)
が
光
(
ひか
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
235
奥
(
おく
)
の
方
(
はう
)
にはウバナンダ
竜王
(
りうわう
)
が
沢山
(
たくさん
)
な
眷族
(
けんぞく
)
をつれて
蜒々
(
えんえん
)
と
蟠
(
わだか
)
まつて
居
(
ゐ
)
るその
恐
(
おそ
)
ろしさ、
236
伊太彦
(
いたひこ
)
は
双手
(
もろて
)
を
合
(
あは
)
せ
拍手
(
かしはで
)
をうち、
237
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
せむとしたが、
238
どうしたものか
俄
(
にはか
)
に
舌
(
した
)
硬
(
こは
)
ばり
一言
(
いちごん
)
も
発
(
はつ
)
し
得
(
え
)
なくなつて
239
其
(
その
)
場
(
ば
)
に
昏倒
(
こんたう
)
して
了
(
しま
)
つた。
240
アスマガルダを
初
(
はじ
)
め
外
(
ほか
)
一同
(
いちどう
)
も
枕
(
まくら
)
を
並
(
なら
)
べて
其
(
その
)
場
(
ば
)
に
昏倒
(
こんたう
)
した。
241
あゝ
五
(
ご
)
人
(
にん
)
の
運命
(
うんめい
)
は
如何
(
いか
)
になり
行
(
ゆ
)
くであらうか。
242
(
大正一二・五・二四
旧四・九
於教主殿
北村隆光
録)
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