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第80巻(未の巻)
序文
総説
第1篇 忍ケ丘
01 独り旅
〔2005〕
02 行倒
〔2006〕
03 復活
〔2007〕
04 姉妹婆
〔2008〕
05 三つ盃
〔2009〕
06 秋野の旅
〔2010〕
第2篇 秋夜の月
07 月見ケ丘
〔2011〕
08 月と闇
〔2012〕
09 露の路
〔2013〕
10 五乙女
〔2014〕
11 火炎山
〔2015〕
12 夜見還
〔2016〕
13 樹下の囁き
〔2017〕
14 報哭婆
〔2018〕
15 憤死
〔2019〕
第3篇 天地変遷
16 火の湖
〔2020〕
17 水火垣
〔2021〕
18 大挙出発
〔2022〕
19 笑譏怒泣
〔2023〕
20 復命
〔2024〕
21 青木ケ原
〔2025〕
22 迎への鳥船
〔2026〕
23 野火の壮観
〔2027〕
余白歌
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> 第2篇 秋夜の月 > 第7章 月見ケ丘
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第七章
月見
(
つきみ
)
ケ
丘
(
をか
)
〔二〇一一〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第80巻 天祥地瑞 未の巻
篇:
第2篇 秋夜の月
よみ(新仮名遣い):
しゅうやのつき
章:
第7章 月見ケ丘
よみ(新仮名遣い):
つきみがおか
通し章番号:
2011
口述日:
1934(昭和9)年07月27日(旧06月16日)
口述場所:
関東別院南風閣
筆録者:
林弥生
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1934(昭和9)年12月5日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm8007
愛善世界社版:
八幡書店版:
第14輯 325頁
修補版:
校定版:
127頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001
秋男
(
あきを
)
の
一行
(
いつかう
)
五
(
ご
)
人
(
にん
)
は、
002
漸
(
やうや
)
くにして
雑草
(
ざつさう
)
生
(
お
)
ひ
茂
(
しげ
)
る
月見
(
つきみ
)
ケ
丘
(
をか
)
の
夕
(
ゆふべ
)
を、
003
ここに
息
(
いき
)
を
休
(
やす
)
めながら
松間
(
まつま
)
の
月
(
つき
)
を
眺
(
なが
)
めて
歌
(
うた
)
ふ。
004
秋男
(
あきを
)
『
大野原
(
おほのはら
)
渉
(
わた
)
りて
漸
(
やうや
)
く
月見
(
つきみ
)
ケ
丘
(
をか
)
の
005
松
(
まつ
)
に
懸
(
かか
)
れる
月
(
つき
)
を
見
(
み
)
しかな』
006
松
(
まつ
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
007
『
松
(
まつ
)
生
(
お
)
ふる
月見
(
つきみ
)
ケ
丘
(
をか
)
の
月光
(
つきかげ
)
は
008
秋
(
あき
)
の
夕
(
ゆふべ
)
の
風
(
かぜ
)
にゆれつつ。
009
月
(
つき
)
清
(
きよ
)
み
草葉
(
くさば
)
にすだく
虫
(
むし
)
の
音
(
ね
)
も
010
いやさえざえに
小夜
(
さよ
)
更
(
ふ
)
けにけり。
011
秋月
(
あきづき
)
の
静
(
しづ
)
かに
照
(
て
)
れる
丘
(
をか
)
の
上
(
へ
)
に
012
旅
(
たび
)
の
疲
(
つか
)
れを
休
(
やす
)
らふ
宵
(
よひ
)
かな。
013
籠木
(
こもりぎ
)
の
梢
(
こずゑ
)
に
宿
(
やど
)
る
月影
(
つきかげ
)
は
014
千々
(
ちぢ
)
に
砕
(
くだ
)
けて
風
(
かぜ
)
にさゆれつ。
015
大空
(
おほぞら
)
の
月
(
つき
)
の
心
(
こころ
)
は
知
(
し
)
らねども
016
われには
楽
(
たの
)
しきかげにぞありける。
017
月
(
つき
)
澄
(
す
)
めるこれの
丘辺
(
をかべ
)
に
休
(
やす
)
らひて
018
松風
(
まつかぜ
)
聞
(
き
)
けば
秋
(
あき
)
の
声
(
こゑ
)
あり。
019
天国
(
てんごく
)
の
姿
(
すがた
)
なるかな
松
(
まつ
)
ケ
枝
(
え
)
に
020
澄
(
す
)
む
月影
(
つきかげ
)
を
見
(
み
)
れば
楽
(
たの
)
しき』
021
竹
(
たけ
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
022
『
此処
(
ここ
)
に
来
(
き
)
て
親
(
した
)
しと
思
(
おも
)
ふ
故郷
(
ふるさと
)
の
023
山
(
やま
)
の
端
(
は
)
出
(
い
)
づる
月
(
つき
)
を
見
(
み
)
しかな。
024
高光
(
たかみつ
)
の
山
(
やま
)
に
進
(
すす
)
まむ
道
(
みち
)
すがら
025
月見
(
つきみ
)
ケ
丘
(
をか
)
の
月
(
つき
)
を
見
(
み
)
るかな。
026
白雲
(
しらくも
)
の
幕
(
まく
)
を
閉
(
と
)
ぢつつ
開
(
ひら
)
きつつ
027
月
(
つき
)
の
桂男
(
かつらを
)
われ
等
(
ら
)
をのぞけり。
028
鈴虫
(
すずむし
)
も
清
(
すが
)
しき
声
(
こゑ
)
を
張
(
は
)
りあげて
029
今宵
(
こよひ
)
の
月
(
つき
)
を
称
(
たた
)
へうたふも。
030
萩
(
はぎ
)
、
桔梗
(
ききやう
)
匂
(
にほ
)
へる
丘
(
をか
)
に
照
(
て
)
る
月
(
つき
)
の
031
かげは
一入
(
ひとしほ
)
清
(
すが
)
しかりけり。
032
空
(
そら
)
高
(
たか
)
き
秋男
(
あきを
)
の
君
(
きみ
)
に
従
(
したが
)
ひて
033
今宵
(
こよひ
)
は
清
(
すが
)
しき
月
(
つき
)
を
見
(
み
)
るかな。
034
此処
(
ここ
)
に
来
(
き
)
て
空
(
そら
)
ゆく
月
(
つき
)
を
眺
(
なが
)
むれば
035
悪魔
(
あくま
)
のすまふ
野路
(
のぢ
)
とは
思
(
おも
)
へず。
036
大丈夫
(
ますらを
)
の
弥猛心
(
やたけごころ
)
も
月
(
つき
)
見
(
み
)
れば
037
柔
(
やは
)
らぎ
初
(
そ
)
めぬ
女郎花
(
をみなへし
)
の
花
(
はな
)
。
038
月
(
つき
)
の
夜
(
よ
)
に
咲
(
さ
)
く
女郎花
(
をみなへし
)
よく
見
(
み
)
れば
039
露
(
つゆ
)
を
浴
(
あ
)
みつつ
傾
(
かたむ
)
きにけり。
040
月
(
つき
)
の
行
(
ゆ
)
く
道
(
みち
)
も
確
(
たしか
)
に
見
(
み
)
ゆるまで
041
澄
(
す
)
み
渡
(
わた
)
りたり
今宵
(
こよひ
)
の
大空
(
おほぞら
)
。
042
大空
(
おほぞら
)
に
浮
(
うか
)
べる
月
(
つき
)
の
光
(
かげ
)
清
(
きよ
)
み
043
地上
(
ちじやう
)
に
松
(
まつ
)
の
影
(
かげ
)
を
描
(
ゑが
)
けり』
044
梅
(
うめ
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
045
『
月
(
つき
)
澄
(
す
)
める
御空
(
みそら
)
の
雲
(
くも
)
は
次々
(
つぎつぎ
)
に
046
薄
(
うす
)
らぎにつつ
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せにけり。
047
月
(
つき
)
と
花
(
はな
)
の
露
(
つゆ
)
にかこまれわれは
今
(
いま
)
048
月見
(
つきみ
)
ケ
丘
(
をか
)
に
歌
(
うた
)
を
詠
(
よ
)
むなり。
049
月読
(
つきよみ
)
の
露
(
つゆ
)
の
恵
(
めぐ
)
みの
無
(
な
)
かりせば
050
百
(
もも
)
の
草木
(
くさき
)
も
育
(
そだ
)
たざるべし。
051
澄
(
す
)
み
渡
(
わた
)
る
今宵
(
こよひ
)
の
月
(
つき
)
は
大井川
(
おほゐがは
)
052
竜
(
たつ
)
の
淵瀬
(
ふちせ
)
に
冴
(
さ
)
え
渡
(
わた
)
るらむ。
053
淵
(
ふち
)
に
浮
(
う
)
く
月
(
つき
)
を
眺
(
なが
)
めて
竜神
(
たつがみ
)
は
054
水
(
み
)
の
面
(
も
)
に
浮
(
うか
)
び
出
(
い
)
でて
遊
(
あそ
)
ばむ。
055
火炎山
(
くわえんざん
)
峰
(
みね
)
越
(
こ
)
す
月
(
つき
)
の
光
(
かげ
)
赤
(
あか
)
み
056
千草
(
ちぐさ
)
の
露
(
つゆ
)
も
風
(
かぜ
)
に
散
(
ち
)
るなり。
057
一
(
いち
)
日
(
にち
)
の
旅
(
たび
)
を
終
(
をは
)
りてわれは
今
(
いま
)
058
月見
(
つきみ
)
ケ
丘
(
をか
)
の
月
(
つき
)
に
親
(
した
)
しむ。
059
秋
(
あき
)
の
野
(
の
)
の
楽
(
たの
)
しきものは
百千花
(
ももちばな
)
060
月
(
つき
)
に
奏
(
かな
)
づる
虫
(
むし
)
の
音
(
ね
)
なりけり。
061
此処
(
ここ
)
に
来
(
き
)
て
松虫
(
まつむし
)
鈴虫
(
すずむし
)
きりぎりす
062
清
(
きよ
)
けき
虫
(
むし
)
の
鳴
(
な
)
く
音
(
ね
)
聞
(
き
)
きしよ。
063
水上
(
みなかみ
)
の
山
(
やま
)
にも
聞
(
き
)
かぬ
虫
(
むし
)
の
音
(
ね
)
に
064
わが
魂
(
たましひ
)
は
蘇
(
よみがへ
)
りける。
065
高光山
(
たかみつやま
)
進
(
すす
)
まむ
道
(
みち
)
の
首途
(
かどいで
)
に
066
われは
冴
(
さ
)
えたる
月
(
つき
)
を
見
(
み
)
しかな。
067
空
(
そら
)
渡
(
わた
)
る
月
(
つき
)
の
下草
(
したぐさ
)
露
(
つゆ
)
うけて
068
おのもおのもに
玉
(
たま
)
とかがよふ。
069
わが
袖
(
そで
)
は
露
(
つゆ
)
にしめりて
御空
(
みそら
)
ゆく
070
月
(
つき
)
の
光
(
かげ
)
さへ
宿
(
やど
)
らせにけり。
071
真昼間
(
まひるま
)
にまがふべらなる
月光
(
つきかげ
)
を
072
浴
(
あ
)
びて
今宵
(
こよひ
)
の
草枕
(
くさまくら
)
かな。
073
月
(
つき
)
澄
(
す
)
めば
御空
(
みそら
)
の
雲
(
くも
)
も
消
(
き
)
えゆきて
074
松
(
まつ
)
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
の
音
(
おと
)
もさやけき。
075
何時
(
いつ
)
とても
月
(
つき
)
を
倦
(
あ
)
く
夜
(
よ
)
はなけれども
076
旅
(
たび
)
の
夕
(
ゆふべ
)
に
見
(
み
)
るは
楽
(
たの
)
しき。
077
天
(
あま
)
の
原
(
はら
)
ふりさけ
見
(
み
)
れば
緑
(
みどり
)
深
(
ふか
)
し
078
秋
(
あき
)
こそ
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
なるかな。
079
水上山
(
みなかみやま
)
松
(
まつ
)
の
木
(
こ
)
の
間
(
ま
)
の
月
(
つき
)
冴
(
さ
)
えて
080
われを
送
(
おく
)
るかこの
丘
(
をか
)
に
見
(
み
)
つ。
081
雲
(
くも
)
の
間
(
ま
)
に
翼
(
つばさ
)
を
搏
(
う
)
ちて
飛
(
と
)
ぶ
雁
(
かり
)
の
082
数
(
かず
)
さへ
見
(
み
)
ゆる
今宵
(
こよひ
)
の
月
(
つき
)
はも』
083
桜
(
さくら
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
084
『
澄
(
す
)
み
渡
(
わた
)
る
秋男
(
あきを
)
の
君
(
きみ
)
に
従
(
したが
)
ひて
085
冴
(
さ
)
えたる
月
(
つき
)
の
顔
(
かむばせ
)
を
見
(
み
)
る。
086
花
(
はな
)
の
香
(
か
)
も
虫
(
むし
)
の
鳴
(
な
)
く
音
(
ね
)
も
月光
(
つきかげ
)
も
087
秋
(
あき
)
を
飾
(
かざ
)
らぬものなかりけり。
088
楽
(
たの
)
しきは
秋
(
あき
)
の
旅路
(
たびぢ
)
に
如
(
し
)
かざらめ
089
百花
(
ももばな
)
匂
(
にほ
)
ひ
月
(
つき
)
の
冴
(
さ
)
ゆれば。
090
月
(
つき
)
冴
(
さ
)
ゆる
下道
(
したみち
)
ゆけば
虫
(
むし
)
の
声
(
こゑ
)
091
露
(
つゆ
)
にふるひて
花香
(
はなかを
)
るなり。
092
月
(
つき
)
の
夜
(
よ
)
の
冴
(
さ
)
ゆる
空気
(
くうき
)
をゆるがせて
093
透
(
す
)
きとほるなり
鈴虫
(
すずむし
)
の
声
(
こゑ
)
。
094
天地
(
あめつち
)
を
隈
(
くま
)
なく
照
(
て
)
らす
月光
(
つきかげ
)
の
095
心持
(
こころも
)
ちたし
旅
(
たび
)
ゆくわれは。
096
せせらぎの
音
(
おと
)
も
聞
(
きこ
)
えて
丘
(
をか
)
の
辺
(
べ
)
に
097
虫
(
むし
)
の
音
(
ね
)
冴
(
さ
)
ゆる
月
(
つき
)
の
夜頃
(
よごろ
)
よ。
098
昼
(
ひる
)
の
如
(
ごと
)
明
(
あか
)
るき
月
(
つき
)
も
女郎花
(
をみなへし
)
099
桔梗
(
ききやう
)
刈萱
(
かるかや
)
色
(
いろ
)
褪
(
あ
)
せて
見
(
み
)
ゆ』
100
かく
一行
(
いつかう
)
は、
101
秋
(
あき
)
の
夜
(
よ
)
の
澄
(
す
)
みきる
月
(
つき
)
を
称
(
たた
)
へ、
102
休
(
やす
)
らひ
居
(
ゐ
)
たる
折
(
をり
)
もあれ、
103
東南
(
とうなん
)
の
天
(
てん
)
に
当
(
あた
)
りて
一塊
(
いつくわい
)
の
黒雲
(
こくうん
)
現
(
あら
)
はるるよと
見
(
み
)
る
間
(
ま
)
に、
104
次第
(
しだい
)
々々
(
しだい
)
に
四方
(
しはう
)
に
拡
(
ひろ
)
がり、
105
さしもに
明
(
あか
)
るき
月光
(
つきかげ
)
も、
106
忽
(
たちま
)
ち
黒雲
(
こくうん
)
に
包
(
つつ
)
まれ、
107
咫尺
(
しせき
)
黯澹
(
あんたん
)
として、
108
どつかりと
闇
(
やみ
)
の
塊
(
かたまり
)
は
月見
(
つきみ
)
ケ
丘
(
をか
)
の
茂樹
(
しげき
)
の
森
(
もり
)
に
落
(
お
)
ち
来
(
きた
)
りぬ。
109
一行
(
いつかう
)
の
姿
(
すがた
)
は
互
(
たがひ
)
に
見
(
み
)
えぬまで
暗黒
(
あんこく
)
と
化
(
くわ
)
し、
110
只
(
ただ
)
声
(
こゑ
)
のみを
頼
(
たよ
)
りに
空
(
そら
)
の
晴
(
は
)
るるを
待
(
ま
)
つより
外
(
ほか
)
に
手段
(
てだて
)
なかりける。
111
秋男
(
あきを
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
112
『
昼
(
ひる
)
の
如
(
ごと
)
晴
(
は
)
れたる
空
(
そら
)
も
忽
(
たちま
)
ちに
113
あやめも
分
(
わ
)
かずなりにけらしな。
114
幾万
(
いくまん
)
の
星
(
ほし
)
を
残
(
のこ
)
らず
包
(
つつ
)
みたる
115
雲
(
くも
)
黒々
(
くろぐろ
)
と
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
寒
(
さむ
)
し。
116
虫
(
むし
)
の
音
(
ね
)
もひたと
止
(
と
)
まりて
梢
(
こずゑ
)
吹
(
ふ
)
く
117
風
(
かぜ
)
いやらしくうなり
初
(
そ
)
めたり。
118
松
(
まつ
)
、
竹
(
たけ
)
よ
梅
(
うめ
)
よ
桜
(
さくら
)
よ
心
(
こころ
)
せよ
119
悪魔
(
あくま
)
の
出
(
い
)
づる
序幕
(
じよまく
)
なるらむ。
120
闇
(
やみ
)
の
幕
(
まく
)
下
(
おろ
)
してわれ
等
(
ら
)
が
目
(
め
)
をかすめ
121
事
(
こと
)
謀
(
はか
)
るらし
悪魔
(
あくま
)
の
群
(
むれ
)
は。
122
われわれの
力
(
ちから
)
に
怖
(
お
)
ぢて
悪神
(
あくがみ
)
は
123
地上
(
ちじやう
)
に
闇
(
やみ
)
を
落
(
おと
)
せしならむ。
124
惟神
(
かむながら
)
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましまして
125
この
暗闇
(
くらやみ
)
を
晴
(
は
)
らさせ
給
(
たま
)
へ。
126
何処
(
いづこ
)
よりか
怪
(
あや
)
しき
声
(
こゑ
)
の
聞
(
きこ
)
ゆなり
127
笑
(
わら
)
ひ
婆
(
ばば
)
アか
譏
(
そし
)
り
婆
(
ばば
)
アか。
128
如何
(
いか
)
ならむ
曲津
(
まがつ
)
の
襲
(
おそ
)
ひ
来
(
きた
)
るとも
129
われには
厳
(
いづ
)
の
言霊
(
ことたま
)
ありけり』
130
松
(
まつ
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
131
『
月見
(
つきみ
)
ケ
丘
(
をか
)
松
(
まつ
)
の
百木
(
ももき
)
も
黒雲
(
くろくも
)
に
132
かくれて
見
(
み
)
えず
虫
(
むし
)
の
音
(
ね
)
細
(
ほそ
)
し。
133
水奔鬼
(
すゐほんき
)
たとへ
幾万
(
いくまん
)
来
(
きた
)
るとも
134
生言霊
(
いくことたま
)
に
打
(
う
)
ちて
放
(
はふ
)
らむ。
135
兎
(
と
)
にもあれ
月見
(
つきみ
)
ケ
丘
(
をか
)
を
包
(
つつ
)
みたる
136
闇
(
やみ
)
を
晴
(
は
)
らして
進
(
すす
)
みゆかばや』
137
竹
(
たけ
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
138
『
大丈夫
(
ますらを
)
の
弥猛心
(
やたけごころ
)
は
暗闇
(
くらやみ
)
に
139
恐
(
おそ
)
るべしやは
国
(
くに
)
の
御
(
おん
)
為
(
ため
)
。
140
爛漫
(
らんまん
)
と
匂
(
にほ
)
へる
花
(
はな
)
の
香
(
か
)
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せて
141
闇
(
やみ
)
はますます
深
(
ふか
)
みけるかな。
142
この
丘
(
をか
)
にすだく
虫
(
むし
)
の
音
(
ね
)
細
(
ほそ
)
りつつ
143
怪
(
あや
)
しき
風
(
かぜ
)
の
吹
(
ふ
)
き
来
(
く
)
る
夜半
(
よは
)
なり。
144
雄々
(
をを
)
しくは
言挙
(
ことあげ
)
すれど
村肝
(
むらきも
)
の
145
心
(
こころ
)
淋
(
さび
)
しくなりにけらしな』
146
梅
(
うめ
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
147
『
大丈夫
(
ますらを
)
に
君
(
きみ
)
は
非
(
あら
)
ずや
常闇
(
とこやみ
)
の
148
今宵
(
こよひ
)
をさまで
恐
(
おそ
)
れ
給
(
たま
)
ふか。
149
闇
(
やみ
)
の
幕
(
まく
)
幾重
(
いくへ
)
にわれを
包
(
つつ
)
むとも
150
心
(
こころ
)
の
誠
(
まこと
)
の
光
(
ひか
)
りに
進
(
すす
)
まむ。
151
大空
(
おほぞら
)
の
清
(
きよ
)
き
月光
(
つきかげ
)
包
(
つつ
)
みつつ
152
曲津
(
まが
)
はわれ
等
(
ら
)
にさやらむとすも。
153
よしやよし
常闇
(
とこやみ
)
の
夜
(
よ
)
は
深
(
ふか
)
くとも
154
如何
(
いか
)
でひるまむ
悪魔
(
あくま
)
も
恐
(
おそ
)
れじ』
155
桜
(
さくら
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
156
『
珍
(
めずら
)
しく
月見
(
つきみ
)
ケ
丘
(
をか
)
に
登
(
のぼ
)
り
来
(
き
)
て
157
われは
心
(
こころ
)
を
慰
(
なぐさ
)
めしはや。
158
魂
(
たましひ
)
の
蘇
(
よみがへ
)
りたるたまゆらを
159
包
(
つつ
)
むも
憎
(
にく
)
し
醜
(
しこ
)
の
黒雲
(
くろくも
)
。
160
黒雲
(
くろくも
)
は
包
(
つつ
)
めど
月
(
つき
)
は
皎々
(
かうかう
)
と
161
御空
(
みそら
)
に
輝
(
かがや
)
き
給
(
たま
)
ふなるらむ。
162
中空
(
なかぞら
)
の
雲
(
くも
)
は
如何程
(
いかほど
)
厚
(
あつ
)
くとも
163
やがては
晴
(
は
)
れむ
月
(
つき
)
のいませば』
164
斯
(
か
)
く
歌
(
うた
)
へる
折
(
をり
)
しも、
165
何処
(
いづこ
)
ともなく
聞
(
きこ
)
え
来
(
きた
)
るいやらしき
声
(
こゑ
)
。
166
『ギアハハハハハー、
167
ギヨホホホホー
168
腰抜
(
こしぬ
)
けのヒヨロヒヨロ
男
(
をとこ
)
が
集
(
あつま
)
りて
169
弱音
(
よわね
)
吹
(
ふ
)
くかな
月見
(
つきみ
)
ケ
丘
(
をか
)
に。
170
空
(
そら
)
渡
(
わた
)
る
月
(
つき
)
を
力
(
ちから
)
に
腰抜
(
こしぬ
)
けが
171
くだらぬ
歌
(
うた
)
をうたふ
可笑
(
をか
)
しさ。
172
闇
(
やみ
)
の
幕
(
まく
)
に
包
(
つつ
)
まれ
虫
(
むし
)
の
鳴
(
な
)
く
如
(
ごと
)
き
173
悲
(
かな
)
しき
声
(
こゑ
)
をしぼり
居
(
ゐ
)
るかな。
174
高光山
(
たかみつやま
)
の
旅
(
たび
)
をとどまれ
貴様
(
きさま
)
等
(
ら
)
の
175
弱腰
(
よわごし
)
にてはとても
及
(
およ
)
ばじ。
176
貴様
(
きさま
)
等
(
ら
)
の
求
(
もと
)
むる
冬男
(
ふゆを
)
は
早
(
は
)
や
既
(
すで
)
に
177
へこたれよつて
弱鬼
(
よわおに
)
となりしよ。
178
メソメソと
吠面
(
ほえづら
)
かわき
赤恥
(
あかはぢ
)
を
179
忍
(
しのぶ
)
ケ
丘
(
をか
)
に
泣
(
な
)
き
暮
(
くら
)
し
居
(
ゐ
)
る。
180
其
(
その
)
方
(
はう
)
も
冬男
(
ふゆを
)
の
如
(
ごと
)
くへこたれて
181
月見
(
つきみ
)
ケ
丘
(
をか
)
の
鬼
(
おに
)
となれなれ。
182
汝
(
なんぢ
)
等
(
ら
)
の
歌
(
うた
)
を
道々
(
みちみち
)
聞
(
き
)
いてゐた
183
俺
(
おれ
)
の
姿
(
すがた
)
を
知
(
し
)
らぬか
馬鹿者
(
ばかもの
)
。
184
此
(
この
)
方
(
はう
)
は
世界
(
せかい
)
の
奴
(
やつ
)
を
悉
(
ことごと
)
く
185
譏
(
そし
)
り
楽
(
たの
)
しむ
婆
(
ばば
)
アなるぞや。
186
譏
(
そし
)
られて
腹
(
はら
)
が
立
(
た
)
つなら
目
(
め
)
を
噛
(
か
)
んで
187
死
(
し
)
んでしまへば
埒
(
らち
)
があくぞや。
188
此
(
この
)
方
(
はう
)
の
経綸
(
しぐみ
)
の
闇
(
やみ
)
に
包
(
つつ
)
まれて
189
吠面
(
ほえづら
)
かわく
腰抜
(
こしぬけ
)
野郎
(
やらう
)
よ。
190
ギヤハハハハーぎゆうぎゆう
喉
(
のど
)
をしめられて
191
今
(
いま
)
に
悲
(
かな
)
しき
最後
(
さいご
)
をする
奴
(
やつ
)
。
192
かうなればもう
俺
(
おれ
)
のもの
貴様
(
きさま
)
等
(
ら
)
は
193
舌
(
した
)
など
噛
(
か
)
んで
死
(
し
)
んだがよいぞや。
194
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
俺
(
おれ
)
程
(
ほど
)
えらい
者
(
もの
)
はない
195
水上館
(
みなかみやかた
)
も
神
(
かみ
)
もあるかい。
196
腰抜
(
こしぬけ
)
の
冬男
(
ふゆを
)
の
兄
(
あに
)
が
来
(
く
)
ると
聞
(
き
)
きて
197
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
たぞよ
月見
(
つきみ
)
ケ
丘
(
をか
)
に。
198
かくなればもうこちのもの
煮
(
に
)
て
喰
(
く
)
はうと
199
焼
(
や
)
いて
喰
(
く
)
はうとしたい
放題
(
はうだい
)
。
200
アハハハハあはれなるかな
此
(
この
)
餓鬼
(
がき
)
は
201
俺
(
おれ
)
等
(
ら
)
の
仲間
(
なかま
)
で
嬲
(
なぶ
)
り
殺
(
ごろ
)
しよ。
202
ちよこざいな
腰弱
(
こしよわ
)
男
(
をとこ
)
の
餓鬼
(
がき
)
どもが
203
俺
(
おれ
)
の
縄張
(
なはばり
)
荒
(
あ
)
らそとするか。
204
縄張
(
なはばり
)
をむざむざ
貴様
(
きさま
)
に
荒
(
あ
)
らされて
205
譏
(
そし
)
り
婆
(
ば
)
さんの
顔
(
かほ
)
がたつかい。
206
笑
(
わら
)
ひ
婆
(
ばば
)
の
妹
(
いもと
)
の
俺
(
おれ
)
は
譏
(
そし
)
り
婆
(
ばば
)
よ
207
譏
(
そし
)
り
散
(
ち
)
らして
泡
(
あわ
)
を
吹
(
ふ
)
かさむ。
208
此
(
この
)
方
(
はう
)
の
罠
(
わな
)
にかかつてこの
丘
(
をか
)
に
209
休
(
やす
)
むといふは
運
(
うん
)
の
尽
(
つ
)
きぞや。
210
大空
(
おほぞら
)
の
月見
(
つきみ
)
したのが
其
(
そ
)
の
方
(
はう
)
の
211
いよいよ
運
(
うん
)
の
尽
(
つ
)
きとなりける。
212
運
(
うん
)
のつきまごつきうろつききよろつきの
213
五人
(
ごにん
)
男
(
をとこ
)
の
憐
(
あは
)
れなるかな。
214
ギヤハハハハー、
215
ギヨホホホホー、
216
ギユフフフフー』
217
といやらしき
声
(
こゑ
)
が
闇
(
やみ
)
の
中
(
なか
)
に
連続
(
れんぞく
)
してゐる。
218
秋男
(
あきを
)
は
最早
(
もは
)
や
堪
(
たま
)
り
兼
(
か
)
ね、
219
天
(
てん
)
を
拝
(
はい
)
し
地
(
ち
)
を
拝
(
はい
)
し
拍手
(
はくしゆ
)
しながら、
220
『
一
(
ひと
)
二
(
ふた
)
三
(
み
)
四
(
よ
)
五
(
いつ
)
六
(
むゆ
)
七
(
なな
)
八
(
や
)
九
(
ここの
)
十
(
たり
)
221
百
(
もも
)
千
(
ち
)
万
(
よろづ
)
八千万
(
やちよろづ
)
の
神
(
かみ
)
222
天津
(
あまつ
)
御空
(
みそら
)
を
晴
(
は
)
らさせ
給
(
たま
)
へ』
223
と
天
(
あま
)
の
数歌
(
かずうた
)
を
繰
(
く
)
り
返
(
かへ
)
してゐる。
224
闇
(
やみ
)
の
中
(
なか
)
より
破鐘
(
われがね
)
の
様
(
やう
)
な
声
(
こゑ
)
、
225
『ワツハハハハー、
226
ウフフフフー、
227
てもさてもいぢらしいものだのう。
228
此
(
この
)
方
(
はう
)
は
忍
(
しのぶ
)
ケ
丘
(
をか
)
に
棲
(
す
)
む
水奔鬼
(
すゐほんき
)
の
笑
(
わら
)
ひ
婆
(
ば
)
アさんの
妹
(
いもうと
)
、
229
世界
(
せかい
)
の
奴
(
やつ
)
ども
片
(
かた
)
つぱしから
譏
(
そし
)
り
散
(
ち
)
らして
茶々
(
ちやちや
)
を
入
(
い
)
れる
譏
(
そし
)
り
婆
(
ばあ
)
さんの
貧乏神
(
びんばふがみ
)
ぞや、
230
恐
(
おそ
)
れ
入
(
い
)
つたか。
231
天
(
あま
)
の
数歌
(
かずうた
)
なんぞと
減
(
へ
)
らず
口
(
ぐち
)
を
叩
(
たた
)
くな。
232
そんな
事
(
こと
)
でビクとも
致
(
いた
)
す
鬼婆
(
おにばば
)
ではないぞや。
233
ギヤハハハハー、
234
ギユフフフフー、
235
終
(
をは
)
り』
236
と
言
(
い
)
つた
限
(
き
)
り、
237
ピタリと
怪
(
あや
)
しき
声
(
こゑ
)
は
止
(
とま
)
つた。
238
(
昭和九・七・二七
旧六・一六
於関東別院南風閣
林弥生
謹録)
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PTC2 出口王仁三郎の霊界物語で透見する世界現象 T之巻
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霊界物語ネットに出口王仁三郎の
第六歌集『霧の海』
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