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科学(くわがく)の力(ちから)

インフォメーション

鏡：水鏡題名：科学の力よみ：著者：出口王仁三郎

神の国掲載号：1928（昭和3）年05月号八幡書店版：22頁愛善世界社版：17頁著作集：340頁第五版：154頁第三版：154頁全集：417頁初版：146頁

概要：備考：タグ：データ凡例：データ最終更新日： OBC ：kg129

001　現代(げんだい)は、002科学(くわがく)万能(ばんのう)の世界(せかい)と云(い)はれて居(ゐ)る。003ラヂオ、004無線(むせん)電信(でんしん)、005空中(くうちう)飛行船(ひかうせん)、006飛行機(ひかうき)、007潜水艇(せんすいてい)其外(そのほか)種々(しゆじゆ)の文明(ぶんめい)の利器(りき)は非常(ひじやう)に発達(はつたつ)し、008宇宙(うちう)一切(いつさい)の事(こと)は科学(くわがく)でなければ、009解決(かいけつ)できないと云(い)ふて誇(ほこ)つて居(ゐ)る学者(がくしや)も沢山(たくさん)あるやうであるが、010何程(なにほど)科学(くわがく)が進(すす)んだと云(い)ふても、011宇宙(うちう)の謎(なぞ)は解(と)く事(こと)は出来(でき)ない。012白(しろ)い米(こめ)を喰(く)ふて、013赤(あか)い血(ち)を出(だ)し、014黒(くろ)い髪(かみ)を生(は)やし、015黄色糞(きなくそ)を垂(た)れる、016この原理(げんり)が明瞭(めいれう)に分(わか)つた医学(いがく)博士(はかせ)もなければ科学者(くわがくしや)もない世(よ)の中(なか)だ。017それだから虱(しらみ)一匹(いつぴき)を研究(けんきう)して論文(ろんぶん)を出(だ)しても、018博士(はかせ)になれる世(よ)の中(なか)だから、019学者(がくしや)といつても、020真(しん)に頼(たよ)りないものである。021今(いま)の学者(がくしや)は天地(てんち)を征服(せいふく)するとか、022神(かみ)を解剖(かいぼう)するとか、023猪口才(ちよこざい)な大法螺(おほぼら)を吹(ふ)いて居(ゐ)るが、024無限(むげん)絶対(ぜつたい)無始(むし)無終(むしう)におはします神(かみ)どころか、025日々(にちにち)自分(じぶん)が食(く)つて居(ゐ)る飯(めし)の事(こと)さへ解決(かいけつ)がつかないやうな事(こと)で、026何程(なにほど)鯱(しやち)になつても、027神(かみ)の説明(せつめい)だとか、028天地(てんち)の征服(せいふく)なぞは駄目(だめ)である。029昔(むかし)の黄金(わうごん)時代(じだい)の人間(にんげん)や、030天国(てんごく)の天人(てんにん)が、031唯(ただ)一二言(いちにごん)で解決(かいけつ)する事柄(ことがら)を現代(げんだい)の学者(がくしや)は数千万語(すうせんまんご)を費(ついや)さなくては分(わか)らないと云(い)ふ、032厄介(やくかい)の代物(しろもの)である。033現代(げんだい)の鼻高(はなだか)学者(がくしや)に、034宇宙(うちう)の真相(しんさう)や、035神様(かみさま)の御本体(ごほんたい)を明瞭(めいれう)に分(わか)るやうに説明(せつめい)せうと思(おも)へば、036世界(せかい)五大洋(ごたいやう)の海水(かいすい)をインクに使(つか)つて、037一滴(いつてき)も無(な)いやうにした所(ところ)で、038まだ書(か)き切(き)れない程(ほど)云(い)はなくてはならない厄介(やくかい)至極(しごく)な現代人(げんだいじん)である。039それだから神様(かみさま)が、040常暗(とこやみ)の訳(わけ)の分(わか)らぬ世(よ)の中(なか)だと仰有(おつしや)るのも無理(むり)はないと思(おも)ふ。

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