霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二五章 妖魅来(えうみらい)〔一〇三七〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第37巻 舎身活躍 子の巻 篇:第4篇 山青水清 よみ(新仮名遣い):やまあおくみずきよし
章:第25章 妖魅来 よみ(新仮名遣い):ようみらい 通し章番号:1037
口述日:1922(大正11)年10月12日(旧08月22日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年3月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
綾部への帰途、喜楽は四方氏とともに土田氏宅を訪ねていた。そこへ土田氏の従弟の南部という男が危篤だという電報が届いた。喜楽は土田氏に頼まれて神界に伺ってみたところ、一週間の命だという。
土田氏によると、南部は金光教の布教師をつとめていたが、身が定まらない男で、行く先々で婦女関連で失敗し、破門されて妹のところで厄介になっていたのだという。
喜楽は、神様に願って三年命を長らえてもらうようにし、その代わりにその間の行状を見届けた上で、その後の寿命を定めることとした。土田氏はその旨を京都の南部の妹宅に書いて送った。
はたして、南部は一週間後に息が絶えたが吹き返し、次第に快方に向かった。土田は京都に行って南部に面会した際、南部が回復したのは綾部に現れた金神様のおかげだと改心を説いたが、南部は土田の言うことはまったく聞かず、自分の回復は金光教のおかげだと吹聴して歩いた。
すると二三か月して南部氏はまた体調がすぐれなくなって重体になってしまった。土田氏は今度は、綾部に向かって祈れ、としか返事を出さなかった。
南部の母と妹は困ったときの神頼みでやむなく綾部に向かって祈願したところ、冬にもかかわらず大きなアブが入ってきて、病床の南部氏の頭の上を三回まわった。
すると南部氏は腹部にたまっていた汚いものを排泄し、それから日を追って快方に向かうこととなった。これが南部氏が大本に入信した動機であった。
喜楽と四方平蔵氏が綾部に帰ってくると、上谷の修行場には邪神が襲来しており、福島寅之助、村上房之助、野崎篤三郎らの神主は大乱脈となり、近郷近在を駆け回って大本の悪口を触れ回っていた。
福島は大音声で、自分こそが真の艮の金神だと怒鳴りたてている。この発動騒ぎに田舎人が珍しがって、毎日四方八方から弁当もちで見物に来る有様であった。喜楽は一生懸命に鎮圧に力を尽くし、ようやく審神者の特権で邪神を鎮めることができた。
足立正信氏は神懸に疑念を抱いていたので、これを機に再び反対運動を始め、金明会の仲は混乱し始めてきた。幸い、四方平蔵氏、四方藤太郎氏らの熱心な調停で、やや反対運動も小康を得た。
福島寅之助氏は正直者と評判を取っていたが、叛旗を掲げたのであった。人間としては申し分ない心がけのよい人であるが、悪魔・妖魅は世人に信用のある善良な人間を選んでうつりたがるのである。
それゆえ、神懸の修行をする者は、よほど胆力があり知恵が働く人でないと、失敗を招くのである。良き実を結ぶ木には害虫がわきやすく、美しい花の咲くものにはかえって虫がつきやすい。正直だから、善人だから悪神がつくはずがないと思うのは、大変な考え違いなのである。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2022-10-28 12:20:53 OBC :rm3725
愛善世界社版:299頁 八幡書店版:第7輯 143頁 修補版: 校定版:310頁 普及版:150頁 初版: ページ備考:
001 篠村(しのむら)から徒歩(とほ)となつて、002帰途(きと)(さいは)八木(やぎ)福島(ふくしま)寅之助(とらのすけ)(かた)立寄(たちよ)つて()た。003(ところ)主人(しゆじん)寅之助(とらのすけ)()綾部(あやべ)修業(しうげふ)()つた不在中(ふざいちゆう)で、004妻君(さいくん)久子(ひさこ)サンと子供(こども)()つたので、005四方(しかた)()から綾部(あやべ)様子(やうす)福島(ふくしま)()神懸(かむがか)校定版では「神憑り」次第(しだい)まで逐一(ちくいち)(はな)して()かした。006されど久子(ひさこ)金光教(こんくわうけう)信者(しんじや)である(ところ)から、007霊学(れいがく)(はなし)などは半信(はんしん)半疑(はんぎ)で、008(なに)()ふても(はな)(さき)であしらひ、009()におちぬやうな按配(あんばい)面白(おもしろ)くない。010二人(ふたり)はソコソコにして、011(この)()立出(たちい)八木(やぎ)大橋(おほはし)(わた)つて、012刑部(をさべ)といふ(ところ)土田(つちだ)雄弘(かつひろ)()寓居(ぐうきよ)(たづ)ね、013(かみ)(みち)()(はなし)など(たがひ)(かた)らふ(ところ)へ、014京都(きやうと)から一本(いつぽん)急電(きふでん)(とど)いた。015土田(つちだ)()何事(なにごと)ならむと早速(さつそく)(ひら)いて()れば、016京都(きやうと)()従弟(いとこ)南部(なんぶ)孫三郎(まごさぶらう)といふ(ひと)が、017病気(びやうき)危篤(きとく)であるからすぐ()てくれといふ電信(でんしん)であつた。018土田(つちだ)()(あま)(ゆたか)生活(せいくわつ)でないから京都(きやうと)()旅費(りよひ)もない。019(おほい)(こま)つて喜楽(きらく)(むか)()ふよう、
020土田(つちだ)只今(ただいま)電報(でんぱう)(わたし)従弟(いとこ)南部(なんぶ)といふ(もの)が、021(いま)まで金光(こんくわう)教会(けうくわい)布教師(ふけうし)をつとめて(をり)ましたが、022()(をさ)まらぬ人物(じんぶつ)で、023今迄(いままで)京都(きやうと)から尾州(びしう)024遠州(ゑんしう)025駿州(すんしう)あたり(まで)十三(じふさん)(しよ)金光(こんくわう)教会所(けうくわいしよ)(ひら)いては、026婦女(ふぢよ)関係(くわんけい)をつけては失敗(しつぱい)し、027(また)土地(とち)をかへては教会(けうくわい)(ひら)き、028(おな)じく婦人(ふじん)関係(くわんけい)しては追出(おひだ)され、029(つひ)には金光(こんくわう)教会(けうくわい)杉田(すぎた)政次郎(まさじらう)()から破門(はもん)されて、030(いま)(ところ)では(いもうと)(うち)厄介(やくかい)になつて()りますが、031二三(にさん)年前(ねんぜん)より肺結核(はいけつかく)にかかりブラブラ(いた)して()りました。032とうとう神罰(しんばつ)(あた)つたのでせうから、033到底(たうてい)全快(ぜんくわい)覚束(おぼつか)なからうと(しん)じて()りますけれど、034なる(こと)なら今一度(いまいちど)(かみ)(さま)()(たす)けに(あづか)りたいものです。035先生(せんせい)()祈念(きねん)で、036一度(いちど)(たす)けてやつて(くだ)さる(こと)出来(でき)ますまいか』
037心配相(しんぱいさう)(たの)()む。038喜楽(きらく)()(どく)がり、039(ただち)神界(しんかい)(うかが)うて()た。040(その)神占(しんせん)によると、041今後(こんご)一週間(いつしうかん)()()(この)病人(びやうにん)()つて大峠(おほたうげ)である、042九分(くぶ)九厘(くりん)までは到底(たうてい)(たす)かるまい……と()つた。043そこで土田(つちだ)()は……
044土田(つちだ)『モシ南部(なんぶ)(いのち)をお(すく)(くだ)さるなれば、045(わたし)から(かれ)()いてあなたの弟子(でし)(いた)し、046(みち)(ため)(ちか)つて尽力(じんりよく)をさせませう』
047()ふ。048喜楽(きらく)(わら)(なが)ら、
049喜楽(きらく)(また)金光(こんくわう)教会(けうくわい)布教師(ふけうし)時代(じだい)行方(やりかた)をくり(かへ)されますと(こま)りますなア。050(しか)しここ(さん)(ねん)(あひだ)051(かみ)(さま)(ねが)つて(いのち)()ばして(もら)ふやうに(いた)します。052(かみ)(さま)(さん)年間(ねんかん)行状(ぎやうじやう)見届(みとど)けた(うへ)で、053又々(またまた)寿命(じゆみやう)をのばして(くだ)さりませう。054(この)(こと)手紙(てがみ)()いて南部(なんぶ)サンへ()らしておやりなさい。055さうすれば京都(きやうと)旅費(りよひ)使(つか)うて()必要(ひつえう)はありませぬ』
056 土田(つちだ)()(よろこ)んでこまごまと手紙(てがみ)()京都(きやうと)()きも見合(みあは)した。057(はた)して南部(なんぶ)()七日目(なぬかめ)一旦(いつたん)(いき)()え、058(しばら)くして(ふたた)(いき)()(かへ)し、059それから()()快方(くわいはう)(むか)つた。060土田(つちだ)()南部(なんぶ)全快(ぜんくわい)(みぎり)京都(きやうと)()つて会見(くわいけん)した(さい)
061土田(つちだ)貴兄(きけい)今度(こんど)大病(たいびやう)全快(ぜんくわい)したのは、062(まつた)綾部(あやべ)(あら)はれた(うしとら)金神(こんじん)さまの()神徳(しんとく)と、063上田(うへだ)といふ(ひと)熱誠(ねつせい)なる()祈念(きねん)賜物(たまもの)である』
064()つて喜楽(きらく)約束(やくそく)したこと(および)綾部(あやべ)()ける神懸(かむがかり)修行(しうぎやう)実験談(じつけんだん)などを詳細(しやうさい)(はな)して()かせた。065されど南部(なんぶ)は、
066南部(なんぶ)(かならず)しも綾部(あやべ)(うしとら)金神(こんじん)(さま)()神徳(しんとく)ではない。067平素(へいそ)(しん)ずる天地金(てんちかね)(かみ)さまと、068金光(こんくわう)教祖(けうそ)()守護(しゆご)にて、069(わが)大病(たいびやう)綾部(あやべ)(かみ)上田(うへだ)といふ(をとこ)使役(しえき)してお(たす)(くだ)さつたのである。070(ゆゑ)(この)御恩(ごおん)九分(くぶ)九厘(くりん)はヤツパリ金光(こんくわう)さまにある』
071()つて、072(ただち)京都(きやうと)島原(しまばら)金光(こんくわう)教会(けうくわい)()(れい)(まゐ)りをなし、073綾部(あやべ)(はう)へは()もロクに()はさなんだのである。
074 それから(のち)は『(いま)まで金光教(こんくわうけう)布教師(ふけうし)拝命(はいめい)(なが)らいろいろの醜行(しうかう)(あへ)てし、075(かみ)(さま)()(いか)りにふれて一命(いちめい)すでに(あや)ふき(ところ)を、076慈悲(じひ)(ふか)天地金(てんちかね)(かみ)金光(こんくわう)教祖(けうそ)()威徳(ゐとく)でおかげを(かうむ)つた』とて、077朝晩(あさばん)078母親(ははおや)(いもうと)自分(じぶん)(かは)(がは)島原(しまばら)教会所(けうくわいしよ)参拝(さんぱい)して()つた。079そした(ところ)が、080一二(いちに)(げつ)たつと今度(こんど)(また)(はら)(はげ)しくいたみ()し、081()()うて重体(ぢうたい)(おちい)り、082日参(につさん)(どころ)室内(しつない)運動(うんどう)出来(でき)なくなつて(しま)つた。083それから(はは)(いもうと)一生(いつしやう)懸命(けんめい)金光(こんくわう)教会(けうくわい)へお百度(ひやくど)をふんでみたが(すこ)しも霊験(れいけん)(あら)はれぬ。084大学(だいがく)病院(びやうゐん)へかつぎこんで診察(しんさつ)して(もら)うと、085非常(ひじやう)(おも)盲腸炎(まうちやうえん)だから、086切開(せつかい)手術(しゆじゆつ)(ほどこ)さねばならぬが、087病人(びやうにん)(からだ)衰弱(すゐじやく)(はなはだ)しいから、088生命(せいめい)受合(うけあ)へぬとの医者(いしや)(げん)であつた。089そこで()むを()施術(しじゆつ)して(もら)ふのを見合(みあは)せ、090(わが)()へつれ(かへ)り、091成行(なりゆき)(まか)せて、092死期(しき)(いた)るを()(ほか)手段(しゆだん)がなかつたのである。
093 益々(ますます)重態(ぢうたい)(おちい)り、094如何(いかん)ともすることも出来(でき)なくなり命旦夕(めいたんせき)(せま)つた。095(また)もや従弟(いとこ)なる土田(つちだ)()へ……病気(びやうき)危篤(きとく)すぐ(きた)れ……の電報(でんぱう)をうつた。096土田(つちだ)()(れい)刑部(おさべ)寓居(ぐうきよ)にありて、097(これ)披見(ひけん)し「綾部(あやべ)(むか)つて()(あは)せ」の返電(へんでん)()つておいて上京(じやうきやう)せなかつた。098京都(きやうと)南部(なんぶ)()(はは)(いもうと)とは(その)電報(でんぱう)()て、099(かな)はぬ(とき)神頼(かみだの)み、100(いのち)さへ(たす)けて(くだ)さらば何神(なにがみ)(さま)でもよい……と綾部(あやべ)(はう)(むか)つて「(うしとら)金神(こんじん)(さま)101今迄(いままで)取違(とりちがひ)()無礼(ぶれい)(だん)()(ゆる)(くだ)さいませ。102孫三郎(まごさぶらう)一命(いちめい)今一度(いまいちど)(たす)(くだ)さらば、103(かれ)(からだ)精神(せいしん)差上(さしあ)げまして、104(うしとら)金神(こんじん)さまの御用(ごよう)をさして(いただ)きます」
105一心(いつしん)不乱(ふらん)祈願(きぐわん)をこめた。106ふしぎや(たちま)感応(かんのう)あつて、107南部(なんぶ)()病床(びやうしやう)一寸(いつすん)(ばか)りもあらうと(おも)(おほ)きな(あぶ)が、108寒中(かんちう)にも(かか)はらずブンと(おと)()ててどこからともなく飛来(とびきた)り、109病人(びやうにん)(あたま)(うへ)三回(さんくわい)()(をは)るや、110南部(なんぶ)()腹部(ふくぶ)(いは)でも(くだ)けるやうな(おと)がして、111二三升(にさんぜう)(ばか)りも(きたな)いものが肛門(こうもん)から排出(はいしゆつ)すると(とも)に、112それより腹部(ふくぶ)激痛(げきつう)()まり、113()()うて快方(くわいはう)(むか)つた。114()れが南部(なんぶ)()金光教(こんくわうけう)断念(だんねん)して綾部(あやべ)大本(おほもと)入信(にふしん)した動機(どうき)であつた。
115 それから二人(ふたり)綾部(あやべ)(かへ)つて()ると、116上谷(うへだに)修行場(しうぎやうば)邪神(じやしん)襲来(しふらい)して、117福島(ふくしま)寅之助(とらのすけ)118村上(むらかみ)房之助(ふさのすけ)119野崎(のざき)篤三郎(とくさぶらう)(その)(ほか)一二(いちに)(めい)神主(かむぬし)大乱脈(だいらんみやく)となり、120あらぬ(こと)(ばか)口走(くちばし)つて(さわ)ぎまはつて()た。121村上(むらかみ)近郷(きんがう)近在(きんざい)昼夜(ちうや)区別(くべつ)なくかけまはり、122いろいろの(こと)をふれまはつて、123大本(おほもと)()(わる)くせむと一生(いつしやう)懸命(けんめい)妖魅(えうみ)がついて(くる)ひまはつて()る。124福島(ふくしま)寅之助(とらのすけ)上谷(うへだに)村中(むらぢう)(ひび)きわたるやうな大音声(だいおんじやう)で、
125福島(ふくしま)(うし)(とし)(うま)れた寅之助(とらのすけ)は、126福島(ふくしま)(ただ)一人(ひとり)であるぞよ。127それぢやによつて(この)(はう)(まこと)(うしとら)大金神(だいこんじん)であるぞよ。128上田(うへだ)(ひつじ)(とし)(うま)れ、129出口(でぐち)(なほ)(さる)(とし)(うま)れであるぞよ。130(やうや)二人(ふたり)()はして(ひつじさる)金神(こんじん)ぢやぞよ。131(ふた)(ひと)つぢやぞよ。132とても(この)福島(ふくしま)寅之助(とらのすけ)には(かな)はぬぞよ。133サア(みな)(もの)(ども)134これから(いま)までの取違(とりちがひ)をスツパリ改心(かいしん)(いた)して、135(この)(はう)にお(わび)(いた)せば(いま)までの(つみ)(ゆる)してやるぞよ。136出口(でぐち)上田(うへだ)裏鬼門(うらきもん)金神(こんじん)ぢや、137(まこと)丑寅(うしとら)金神(こんじん)出口(でぐち)(なほ)ではなかりたぞよ。138これが(わか)らぬ(やつ)はきびしきいましめ(いた)して、139谷底(たにそこ)()るぞよ。140これからは福島(ふくしま)寅之助(とらのすけ)(かみ)使(つか)うて、141三千(さんぜん)世界(せかい)立替(たてかへ)立直(たてなほ)しを(いた)して、142(かみ)仏事(ぶつじ)人民(じんみん)餓鬼(がき)(むし)けらに(いた)(まで)(いさ)んでくらさすぞよ。143これが(ちが)うたら(かみ)(この)()にをらぬぞよ。144(だい)()逆様(さかさま)になりて()るぞよ。145(いま)天地(てんち)がでんぐり(かへ)るぞよ。146用意(ようい)をなされよ。147(いま)足許(あしもと)から(とり)()つぞよ。148(うしとら)金神(こんじん)(いま)まで悪神(あくがみ)(たた)(がみ)とけなされたが(まこと)結構(けつこう)(かみ)でありたぞよ。149(かみ)(おもて)(あら)はれて(ぜん)(あく)とを立分(たてわ)けて世界(せかい)人民(じんみん)改心(かいしん)さして(まつ)神世(かみよ)にいたすぞよ。150(かみ)(けつ)してウソは(まを)さぬぞよ。151(うたが)へば(かみ)気障(きざは)りになるぞよ。152(これ)から上田(うへだ)(かへ)つても相手(あひて)になる(こと)はならぬぞよ。153(まこと)(うしとらの)金神(こんじん)()をつけるぞよ』
154などと赤裸(まつぱだか)となり妖魅(えうみ)がうつつて、155教祖(けうそ)筆先(ふでさき)真似(まね)(ばか)りを、156のべつ(まく)なしに呶鳴(どな)りちらして始末(しまつ)()へない。157喜楽(きらく)(ただち)神界(しんかい)祈願(きぐわん)をこめ鎮魂(ちんこん)(しう)した。158(その)(ため)一旦(いつたん)邪神(じやしん)暴動(ばうどう)鎮定(ちんてい)したが、159(また)(ほか)神懸(かむがかり)にも沢山(たくさん)妖魅(えうみ)同類(どうるゐ)がうつつて福島(ふくしま)(かみ)加勢(かせい)をする。160(つひ)には神懸(かむがかり)一同(いちどう)(くち)(そろ)へて、
161一同(みな)(もの)よ。162シツカリ(いた)さぬと、163上田(うへだ)曲津(まがつ)にごまかされて、164ヒドイ()にあはされるぞよ。165(まこと)(うしとら)金神(こんじん)福島(ふくしま)大先生(だいせんせい)(ちが)ひはないぞよ』
166(さけ)ぶのを()いた福島(ふくしま)は、167(ふたた)邪神(じやしん)におそはれて、168(くろ)()眉毛(まゆげ)()げたり()げたり、169()()いたり、170(うで)をふり()げたり、171()んだりはねたり、172(しり)をまくつてはねまはつたり、173(たたみ)(あな)があき(ゆか)はおつる、174ドンドンドンと(ひび)きわれるやうな(おと)をさして、175非常(ひじやう)大騒(おほさわ)ぎを再演(さいえん)()したので、176田舎人(いなかびと)(めづら)しがつて、177四方(しはう)八方(はつぱう)から毎日(まいにち)々々(まいにち)弁当持(べんたうもち)見物(けんぶつ)()る。178喜楽(きらく)一生(いつしやう)懸命(けんめい)鎮圧(ちんあつ)(ちから)(つく)しても、179二十(にじふ)有余(いうよ)(にん)神憑(かむがかり)大部分(だいぶぶん)に、180不在(ふざい)()妖魅(えうみ)(うつ)つたのであるから、181中々(なかなか)容易(ようい)にしづまらない、182こちらを(おさ)へばあちらが(あが)る、183丁度(ちやうど)(しろ)馬場(ばんば)合羽屋(かつぱや)合羽(かつぱ)()してゐた(ところ)(にはか)天狗風(てんぐかぜ)()合羽(かつぱ)()(あが)り、184一度(いちど)(おさ)へることが出来(でき)なくなつて、185(おやじ)があわてて(ほり)へはまつたやうな具合(ぐあひ)になつて()た。186そして日一日(ひいちにち)狂態(きやうたい)(はげ)しくなつて()る。187つひには修行者(しうぎやうしや)(おや)兄弟(きやうだい)(おこ)つて()て、
188(わが)()大事(だいじ)(せがれ)気違(きちがひ)にしたから承知(しようち)せない、189(わが)(いもうと)(きつね)つきにしよつた……おれの()巫子(みこ)仕立(したて)よとしよつた……(たぬき)をつけたのだろ、190(その)(すぢ)告訴(こくそ)してやる』
191などと一斉(いつせい)にせめかくる。192四方(しかた)藤太郎(とうたらう)(その)(なか)でも(やや)常識(じやうしき)()つてゐたから、193(いん)(やう)()(くば)り、194忠実(ちうじつ)審神者(さには)手伝(てつだ)ひをしてくれたので、195喜楽(きらく)非常(ひじやう)(ちから)()196千難(せんなん)万苦(ばんく)(はい)して一斉(いつせい)反抗(はんかう)妨害(ばうがい)頓着(とんちやく)なく、197あく(まで)審神者(さには)職権(しよくけん)をふりまはして(やうや)邪神(じやしん)帰順(きじゆん)せしむることを()た。
198 一方(いつぱう)では金光(こんくわう)教師(けうし)たりし足立(あだち)正信(まさのぶ)()()心機(しんき)一転(いつてん)して、199金明会(きんめいくわい)破滅(はめつ)せしむるは(この)好機(かうき)()いて()にある(べか)らずとなし、200数多(あまた)信徒(しんと)をひそかに、201以前(いぜん)田中(たなか)新之助(しんのすけ)といふ信者(しんじや)(うち)(あつ)めて、202鎮魂(ちんこん)帰神(きしん)霊術(れいじゆつ)不成績(ふせいせき)なることを強調(きやうちよう)し、203()喜楽(きらく)放逐(はうちく)すべく密議(みつぎ)をこらしてゐた。204折角(せつかく)(かた)まりかけてゐた金明会(きんめいくわい)信徒(しんと)五里(ごり)霧中(むちゆう)彷徨(はうくわう)し、205去就(きよしう)(まよ)ひ、206四分(しぶん)五裂(ごれつ)状態(じやうたい)になつて()た。207えたり(かしこ)しと、208中村(なかむら)竹造(たけざう)209四方(しかた)春三(はるざう)野心家(やしんか)()が、210諸方(しよはう)へかけまはつて喜楽(きらく)神憑(かむがかり)初版・愛世版では「神憑」、校定版では「神がかり」。有害(いうがい)にして無益(むえき)だとか、211狐使(きつねつかひ)だとか、212魔法師(まはふし)だとか力限(ちからかぎ)根限(こんかぎ)(くだ)らぬことをふれ(ある)く。213(つひ)には教祖(けうそ)のことまで悪口(あくこう)するやうになつて()た。214(その)(とき)有様(ありさま)(まつた)万妖(ばんえう)(ことごと)(おこ)るてふ古事記(こじき)(あま)岩戸(いはと)がくれ(しき)であつた。
215 (さいはひ)にして四方(しかた)平蔵(へいざう)216(どう)藤太郎(とうたらう)()熱心(ねつしん)誠実(せいじつ)なる調停(てうてい)で、217(いち)()喜楽(きらく)(たい)する猛烈(まうれつ)反抗(はんかう)(やや)小康(せうかう)()ることとなつた。218そしてイの一番(いちばん)叛旗(はんき)をかかげたのは福島(ふくしま)寅之助(とらのすけ)()であつた。219元来(ぐわんらい)福島(ふくしま)正直(しやうぢき)評判(へうばん)をとつてゐる、220人間(にんげん)としては申分(まをしぶん)のない心掛(こころがけ)のよい(ひと)である。221妖魅(えうみ)といふ(やつ)中々(なかなか)()へぬ(やつ)で、222世界(せかい)から…(かれ)悪人(あくにん)ぢや、223不正直(ふしやうぢき)だと()なされてゐるやうな人間(にんげん)にはメツタに(うつ)るものでない。224たとへ(うつ)つて()(ところ)(その)人物(じんぶつ)信用(しんよう)がなければ、225世人(せじん)信用(しんよう)せないことを()つてゐるからである。226そこで悪魔(あくま)(かなら)善良(ぜんりやう)なる人間(にんげん)(えら)んで(うつ)りたがるものであるから、227神憑(かむがかり)初版・愛世版では「神憑」、校定版では「神がかり」。修行(しうぎやう)する(もの)余程(よほど)胆力(たんりよく)のある智慧(ちゑ)(はたら)(ひと)でないと、228とんだ失敗(しつぱい)(まね)くものである。229()()(むす)()には害虫(がいちう)がわき(やす)いものである。230(きく)一本(いつぽん)にても、231(おほ)きい(うつく)しい(はな)()くものには(むし)(かへつ)てよけいにわくやうなもので、232正直(しやうぢき)だから善人(ぜんにん)だから、233悪神(あくがみ)がつく(はず)がないと(おも)ふのは、234大変(たいへん)(かんが)(ちがひ)である。235あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
236大正一一・一〇・一二 旧八・二二 松村真澄録)
237(昭和一〇・六・一〇 王仁校正)
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