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第42巻(巳の巻)
序文に代へて
総説に代へて
第1篇 波瀾重畳
01 北光照暗
〔1126〕
02 馬上歌
〔1127〕
03 山嵐
〔1128〕
04 下り坂
〔1129〕
第2篇 恋海慕湖
05 恋の罠
〔1130〕
06 野人の夢
〔1131〕
07 女武者
〔1132〕
08 乱舌
〔1133〕
09 狐狸窟
〔1134〕
第3篇 意変心外
10 墓場の怪
〔1135〕
11 河底の怪
〔1136〕
12 心の色々
〔1137〕
13 揶揄
〔1138〕
14 吃驚
〔1139〕
第4篇 怨月恨霜
15 帰城
〔1140〕
16 失恋会議
〔1141〕
17 酒月
〔1142〕
18 酊苑
〔1143〕
19 野襲
〔1144〕
第5篇 出風陣雅
20 入那立
〔1145〕
21 応酬歌
〔1146〕
22 別離の歌
〔1147〕
23 竜山別
〔1148〕
24 出陣歌
〔1149〕
25 惜別歌
〔1150〕
26 宣直歌
〔1151〕
余白歌
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> 第1篇 波瀾重畳 > 第2章 馬上歌
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第二章
馬上歌
(
ばじやうか
)
〔一一二七〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第42巻 舎身活躍 巳の巻
篇:
第1篇 波瀾重畳
よみ(新仮名遣い):
はらんちょうじょう
章:
第2章 馬上歌
よみ(新仮名遣い):
ばじょうか
通し章番号:
1127
口述日:
1922(大正11)年11月14日(旧09月26日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1924(大正13)年7月1日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
高照山の岩窟を後にして、セーラン王の一行はイルナの都に向かって馬を進める。途上、セーラン王は馬上にてこれまでの経緯の述懐し、自分の罪を懺悔し神の教えと誠に基づいた国づくりへの決意を歌った。
ヤスダラ姫は、神の清めによって自分を覆っていた恋の執着の雲もすっかり払われたことを歌い、イルナの都の立て直しへの決意を明かした。
竜雲も馬上にてこれまでの自身の経緯の述懐を歌った。竜雲は急坂を急ぎ行く一行に休息を提案し、王たちもこの言葉に従いしばし息を休めることになった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-12-19 12:01:51
OBC :
rm4202
愛善世界社版:
23頁
八幡書店版:
第7輯 651頁
修補版:
校定版:
23頁
普及版:
6頁
初版:
ページ備考:
001
神
(
かみ
)
の
御稜威
(
みいづ
)
も
高照山
(
たかてるやま
)
の
002
厳
(
いづ
)
の
岩窟
(
いはや
)
を
後
(
あと
)
にして
003
入那
(
いるな
)
の
都
(
みやこ
)
の
刹帝利
(
せつていり
)
004
セーラン
王
(
わう
)
の
一行
(
いつかう
)
は
005
栗毛
(
くりげ
)
の
駒
(
こま
)
に
跨
(
またが
)
りて
006
狼
(
おほかみ
)
吼
(
ほ
)
える
山路
(
やまみち
)
を
007
岩
(
いは
)
の
根
(
ね
)
木
(
き
)
の
根
(
ね
)
ふみさくみ
008
凩
(
こがらし
)
荒
(
すさ
)
ぶ
野路
(
のぢ
)
を
越
(
こ
)
え
009
蹄
(
ひづめ
)
の
音
(
おと
)
も
勇
(
いさ
)
ましく
010
音
(
おと
)
に
名高
(
なだか
)
き
照山
(
てるやま
)
の
011
峠
(
たうげ
)
の
麓
(
ふもと
)
に
到着
(
たうちやく
)
し
012
馬上
(
ばじやう
)
豊
(
ゆたか
)
に
歌
(
うた
)
ひつつ
013
都
(
みやこ
)
をさして
進
(
すす
)
みゆく。
014
セーラン
王
(
わう
)
は
馬上
(
ばじやう
)
静
(
しづか
)
に
歌
(
うた
)
ふ。
015
セーラン王
『
父
(
ちち
)
の
命
(
みこと
)
の
後
(
あと
)
をつぎ
016
心
(
こころ
)
の
暗
(
くら
)
き
吾
(
わが
)
身魂
(
みたま
)
017
入那
(
いるな
)
の
国
(
くに
)
の
王
(
わう
)
となり
018
徳望
(
とくばう
)
欠
(
か
)
けたる
所
(
ところ
)
より
019
部下
(
ぶか
)
の
統率
(
とうそつ
)
誤
(
あやま
)
りつ
020
遂
(
つひ
)
には
右守
(
うもり
)
の
司
(
かみ
)
をして
021
邪神
(
じやしん
)
の
群
(
むれ
)
におとしける
022
われは
尊
(
たふと
)
きバラモンの
023
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
を
受
(
う
)
けつぎて
024
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
な
国民
(
くにたみ
)
に
025
誠
(
まこと
)
の
模範
(
もはん
)
を
示
(
しめ
)
すべき
026
尊
(
たふと
)
き
職
(
しよく
)
に
在
(
あ
)
りながら
027
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
を
軽
(
かろ
)
んじつ
028
知
(
し
)
らず
識
(
し
)
らずに
慢心
(
まんしん
)
の
029
雲立昇
(
くもたちのぼ
)
り
村肝
(
むらきも
)
の
030
心
(
こころ
)
は
暗
(
やみ
)
に
迷
(
まよ
)
ひけり
031
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
032
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はへましまして
033
心
(
こころ
)
に
千花
(
ちばな
)
百花
(
ももばな
)
の
034
香
(
かを
)
る
時
(
とき
)
こそ
北光
(
きたてる
)
の
035
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
に
助
(
たす
)
けられ
036
水
(
みづ
)
も
漏
(
も
)
らさぬ
御教
(
みをしへ
)
に
037
漸
(
やうや
)
く
晴
(
は
)
れし
胸
(
むね
)
の
闇
(
やみ
)
038
空
(
そら
)
に
日月
(
じつげつ
)
輝
(
かがや
)
きて
039
晴
(
は
)
れわたりたる
胸
(
むね
)
の
空
(
そら
)
040
秋野
(
あきの
)
を
飾
(
かざ
)
る
黄金
(
わうごん
)
の
041
姫
(
ひめの
)
命
(
みこと
)
の
功績
(
いさをし
)
は
042
清照姫
(
きよてるひめ
)
と
輝
(
かがや
)
きぬ
043
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて
044
善神
(
ぜんしん
)
邪神
(
じやしん
)
を
立別
(
たてわ
)
ける
045
尊
(
たふと
)
き
稜威
(
いづ
)
の
御
(
おん
)
教
(
をしへ
)
046
悟
(
さと
)
りし
上
(
うへ
)
はセーランの
047
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
も
潔
(
いさぎよ
)
く
048
前非
(
ぜんぴ
)
を
悔
(
く
)
いて
天地
(
あめつち
)
に
049
誠
(
まこと
)
一
(
ひと
)
つの
三五
(
あななひ
)
の
050
善言
(
ぜんげん
)
美行
(
びかう
)
を
励
(
はげ
)
みつつ
051
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
の
天職
(
てんしよく
)
を
052
完全
(
うまら
)
に
委曲
(
つばら
)
に
顕現
(
けんげん
)
し
053
此
(
この
)
世
(
よ
)
の
鑑
(
かがみ
)
となりぬべし
054
ヤスダラ
姫
(
ひめ
)
よ
竜雲
(
りううん
)
よ
055
神
(
かみ
)
は
汝
(
なんぢ
)
と
倶
(
とも
)
にあり
056
神
(
かみ
)
の
大道
(
おほぢ
)
に
任
(
まか
)
す
身
(
み
)
は
057
如何
(
いか
)
に
大黒主
(
おほくろぬし
)
の
神
(
かみ
)
058
神変
(
しんぺん
)
不思議
(
ふしぎ
)
の
神力
(
しんりき
)
を
059
現
(
あら
)
はし
来
(
きた
)
り
入那城
(
いるなじやう
)
060
蹂躙
(
じうりん
)
せむと
いらつ
とも
061
何
(
なに
)
か
恐
(
おそ
)
れむ
敷島
(
しきしま
)
の
062
大和心
(
やまとごころ
)
のある
限
(
かぎ
)
り
063
必
(
かなら
)
ず
神
(
かみ
)
は
吾々
(
われわれ
)
を
064
安
(
やす
)
きに
救
(
すく
)
ひ
給
(
たま
)
ふべし
065
人
(
ひと
)
は
神
(
かみ
)
の
子
(
こ
)
神
(
かみ
)
の
宮
(
みや
)
066
天地
(
てんち
)
を
開
(
ひら
)
く
経綸
(
けいりん
)
に
067
仕
(
つか
)
ふる
身
(
み
)
ぞと
知
(
し
)
る
上
(
うへ
)
は
068
骨
(
ほね
)
を
粉
(
こな
)
にし
身
(
み
)
を
砕
(
くだ
)
き
069
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
為
(
ため
)
世
(
よ
)
の
為
(
ため
)
に
070
互
(
たがひ
)
に
心
(
こころ
)
を
合
(
あは
)
せあひ
071
力
(
ちから
)
を
一
(
ひと
)
つに
固
(
かた
)
めつつ
072
大慈
(
だいじ
)
大悲
(
だいひ
)
の
神恩
(
しんおん
)
に
073
酬
(
むく
)
いまつれよ
諸共
(
もろとも
)
に
074
照山峠
(
てるやまたうげ
)
の
坂路
(
さかみち
)
は
075
いかに
峻
(
さか
)
しくあるとても
076
心
(
こころ
)
の
駒
(
こま
)
の
脚並
(
あしな
)
みの
077
揃
(
そろ
)
ひし
上
(
うへ
)
は
光栄
(
くわうえい
)
の
078
遂
(
つひ
)
には
都
(
みやこ
)
に
進
(
すす
)
む
如
(
ごと
)
079
如何
(
いか
)
なる
事
(
こと
)
も
成
(
な
)
りとげむ
080
進
(
すす
)
めよ
進
(
すす
)
めいざ
進
(
すす
)
め
081
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
を
踏
(
ふ
)
みしめて
082
勝利
(
しようり
)
の
都
(
みやこ
)
に
逸早
(
いちはや
)
く
083
進
(
すす
)
めよ
進
(
すす
)
めいざ
進
(
すす
)
め
084
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
を
力
(
ちから
)
とし
085
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
を
杖
(
つゑ
)
として
086
心
(
こころ
)
の
駒
(
こま
)
の
勇
(
いさ
)
ましく
087
上
(
のぼ
)
りつ
下
(
くだ
)
りつ
村肝
(
むらきも
)
の
088
心
(
こころ
)
は
最早
(
もはや
)
秋
(
あき
)
の
空
(
そら
)
089
恩頼
(
みたまのふゆ
)
は
目
(
ま
)
のあたり
090
輝
(
かがや
)
き
初
(
そ
)
めて
春
(
はる
)
の
野
(
の
)
の
091
百花
(
ももばな
)
千花
(
ちばな
)
咲
(
さ
)
き
出
(
い
)
づる
092
嬉
(
うれ
)
しき
思
(
おも
)
ひに
充
(
み
)
たされぬ
093
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
に
進
(
すす
)
む
身
(
み
)
は
094
いかなる
曲
(
まが
)
も
夏草
(
なつぐさ
)
の
095
上
(
うへ
)
に
滴
(
したた
)
る
露
(
つゆ
)
の
玉
(
たま
)
096
朝日
(
あさひ
)
に
消
(
き
)
ゆる
其
(
その
)
如
(
ごと
)
く
097
亡
(
ほろ
)
び
失
(
う
)
せむは
目
(
ま
)
のあたり
098
勇
(
いさ
)
めよ
勇
(
いさ
)
め
諸共
(
もろとも
)
に
099
前途
(
ぜんと
)
多望
(
たばう
)
の
神司
(
かむづかさ
)
100
身
(
み
)
の
行末
(
ゆくすゑ
)
ぞ
頼
(
たの
)
もしき
101
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
102
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はへましませよ』
103
ヤスダラ
姫
(
ひめ
)
はセーラン
王
(
わう
)
の
後
(
あと
)
について、
104
声
(
こゑ
)
も
静
(
しづ
)
かに
馬上
(
ばじやう
)
ながら
歌
(
うた
)
ひ
進
(
すす
)
む。
105
ヤスダラ姫
『
入那
(
いるな
)
の
国
(
くに
)
の
刹帝利
(
せつていり
)
106
セーラン
王
(
わう
)
の
家筋
(
いへすぢ
)
に
107
生
(
うま
)
れ
合
(
あ
)
ひたる
吾
(
われ
)
こそは
108
親
(
おや
)
と
親
(
おや
)
との
許嫁
(
いひなづけ
)
109
セーラン
王
(
わう
)
の
妃
(
ひ
)
となりて
110
入那
(
いるな
)
の
国
(
くに
)
を
永久
(
とこしへ
)
に
111
守
(
まも
)
らむものと
朝夕
(
あさゆふ
)
に
112
神
(
かみ
)
に
願
(
ねが
)
ひを
掛巻
(
かけまく
)
も
113
畏
(
かしこ
)
き
神
(
かみ
)
の
御心
(
みこころ
)
に
114
反
(
そむ
)
きしものかゆくりなく
115
テルマン
国
(
ごく
)
に
追
(
お
)
ひやられ
116
素性
(
すじやう
)
卑
(
いや
)
しき
毘舎
(
びしや
)
の
家
(
いへ
)
117
シヤールの
妻
(
つま
)
となり
下
(
さが
)
り
118
面白
(
おもしろ
)
からぬ
月日
(
つきひ
)
をば
119
歎
(
なげ
)
きかこちつ
暮
(
くら
)
しける
120
時
(
とき
)
こそあれや
青天
(
せいてん
)
の
121
霹靂
(
へきれき
)
胸
(
むね
)
をとどろかす
122
惨状
(
さんじやう
)
吾
(
わが
)
身
(
み
)
に
迫
(
せま
)
りけり
123
梵天
(
ぼんてん
)
帝釈
(
たいしやく
)
自在天
(
じざいてん
)
124
神
(
かみ
)
は
此
(
この
)
世
(
よ
)
にまさずやと
125
吾
(
わが
)
身
(
み
)
の
不運
(
ふうん
)
を
歎
(
かこ
)
つ
折
(
をり
)
126
忠義
(
ちうぎ
)
に
篤
(
あつ
)
きリーダーが
127
雨風
(
あめかぜ
)
烈
(
はげ
)
しき
真夜中
(
まよなか
)
に
128
吾
(
わが
)
とらはれし
牢屋
(
ひとや
)
をば
129
忠義
(
ちうぎ
)
の
槌
(
つち
)
を
打振
(
うちふ
)
りて
130
砕
(
くだ
)
き
毀
(
こぼ
)
ちて
救
(
すく
)
ひ
出
(
だ
)
し
131
暗
(
やみ
)
に
紛
(
まぎ
)
れて
荒野原
(
あらのはら
)
132
スタスタ
進
(
すす
)
み
来
(
きた
)
る
折
(
をり
)
133
右守
(
うもり
)
の
司
(
かみ
)
の
捕手
(
とりて
)
等
(
ら
)
に
134
前後
(
ぜんご
)
左右
(
さいう
)
を
取
(
と
)
りまかれ
135
蓮
(
はちす
)
の
川
(
かは
)
の
此方
(
こなた
)
にて
136
いかがはせむと
悩
(
なや
)
む
折
(
をり
)
137
竜雲司
(
りううんつかさ
)
に
助
(
たす
)
けられ
138
又
(
また
)
もやここに
高照
(
たかてる
)
の
139
深山
(
みやま
)
の
奥
(
おく
)
の
岩窟
(
がんくつ
)
に
140
危
(
あやふ
)
き
身
(
み
)
をば
救
(
すく
)
はれて
141
北光神
(
きたてるがみ
)
の
御教
(
みをしへ
)
を
142
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なにかかぶりつ
143
曇
(
くも
)
りし
胸
(
むね
)
も
晴
(
は
)
れ
渡
(
わた
)
り
144
迷
(
まよ
)
ひの
雲
(
くも
)
は
払拭
(
ふつしき
)
し
145
真如
(
しんによ
)
の
月日
(
つきひ
)
は
心天
(
しんてん
)
に
146
強
(
つよ
)
く
輝
(
かがや
)
き
給
(
たま
)
ひけり
147
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
148
悪魔
(
あくま
)
のしげき
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
149
かくも
仁慈
(
じんじ
)
に
富
(
と
)
み
給
(
たま
)
ふ
150
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
もいますかと
151
感謝
(
かんしや
)
の
涙
(
なみだ
)
川
(
かは
)
となり
152
沈
(
しづ
)
みし
胸
(
むね
)
も
浮
(
う
)
き
立
(
た
)
ちて
153
救
(
すく
)
ひの
舟
(
ふね
)
に
棹
(
さを
)
をさし
154
天国
(
てんごく
)
浄土
(
じやうど
)
の
楽園
(
らくゑん
)
に
155
逍遥
(
せうえう
)
しける
折
(
をり
)
もあれ
156
思
(
おも
)
ひがけなき
刹帝利
(
せつていり
)
157
セーラン
王
(
わう
)
の
一行
(
いつかう
)
が
158
尋
(
たづ
)
ね
来
(
き
)
ませる
嬉
(
うれ
)
しさよ
159
絶
(
た
)
えて
久
(
ひさ
)
しき
二柱
(
ふたはしら
)
160
巡
(
めぐ
)
り
会
(
あ
)
ひたる
睦
(
むつ
)
び
言
(
ごと
)
161
かはす
間
(
ま
)
もなく
北光
(
きたてる
)
の
162
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
におごそかに
163
教
(
をし
)
へられたる
神嘉言
(
かむよごと
)
164
うなじに
分
(
わ
)
けて
両人
(
りやうにん
)
は
165
感謝
(
かんしや
)
の
涙
(
なみだ
)
払
(
はら
)
ひつつ
166
駒
(
こま
)
に
跨
(
またが
)
り
岩窟
(
いはやど
)
を
167
名残
(
なごり
)
を
惜
(
をし
)
みふり
返
(
かへ
)
り
168
馬上
(
ばじやう
)
ゆたかに
嵐
(
あらし
)
吹
(
ふ
)
く
169
野路
(
のぢ
)
を
踏
(
ふ
)
み
越
(
こ
)
えやうやうに
170
照山峠
(
てるやまたうげ
)
に
来
(
き
)
て
見
(
み
)
れば
171
木々
(
きぎ
)
の
梢
(
こずゑ
)
の
紅葉
(
もみぢば
)
は
172
いつしか
散
(
ち
)
りて
淋
(
さび
)
しげに
173
尾
(
を
)
の
上
(
へ
)
をわたる
秋
(
あき
)
の
風
(
かぜ
)
174
淋
(
さび
)
しき
山路
(
やまぢ
)
も
何
(
なん
)
となく
175
君
(
きみ
)
に
従
(
したが
)
ひ
登
(
のぼ
)
る
身
(
み
)
は
176
春
(
はる
)
めき
渡
(
わた
)
り
村肝
(
むらきも
)
の
177
心
(
こころ
)
は
映
(
は
)
ゆる
春心地
(
はるごこち
)
178
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
に
導
(
みちび
)
かれ
179
進
(
すす
)
む
吾
(
われ
)
こそ
楽
(
たの
)
しけれ
180
入那
(
いるな
)
の
都
(
みやこ
)
に
到
(
いた
)
りなば
181
右守
(
うもり
)
の
司
(
かみ
)
の
御子
(
みこ
)
とます
182
サマリー
姫
(
ひめ
)
はさぞやさぞ
183
吾
(
わが
)
身
(
み
)
の
姿
(
すがた
)
を
打眺
(
うちなが
)
め
184
心
(
こころ
)
を
悩
(
なや
)
ませ
給
(
たま
)
ふべし
185
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
186
如何
(
いか
)
なる
事
(
こと
)
も
天地
(
あめつち
)
の
187
神
(
かみ
)
の
御旨
(
みむね
)
に
従
(
したが
)
ひて
188
恋
(
こひ
)
の
執着
(
しふちやく
)
秋
(
あき
)
の
野
(
の
)
の
189
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
の
風
(
かぜ
)
に
散
(
ち
)
る
如
(
ごと
)
く
190
サラリと
清
(
きよ
)
め
睦
(
むつま
)
じく
191
姉妹
(
あねいもうと
)
と
手
(
て
)
を
握
(
と
)
つて
192
誠
(
まこと
)
一
(
ひと
)
つを
立
(
た
)
て
通
(
とほ
)
し
193
三五教
(
あななひけう
)
の
神力
(
しんりき
)
を
194
現
(
あら
)
はしまつり
入那国
(
いるなこく
)
195
都
(
みやこ
)
の
花
(
はな
)
と
謳
(
うた
)
はれて
196
誉
(
ほま
)
れを
千代
(
ちよ
)
に
伝
(
つた
)
ふべし
197
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
198
大地
(
だいち
)
の
竜
(
りう
)
と
名
(
な
)
を
負
(
お
)
ひし
199
清
(
きよ
)
き
白馬
(
はくば
)
に
跨
(
またが
)
りつ
200
誠
(
まこと
)
を
明
(
あ
)
かし
奉
(
たてまつ
)
る
201
セーラン
王
(
わう
)
よ
聞
(
きこ
)
し
召
(
め
)
せ
202
妾
(
わらは
)
を
包
(
つつ
)
みし
恋
(
こひ
)
の
雲
(
くも
)
203
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
吹
(
ふ
)
き
送
(
おく
)
る
204
科戸
(
しなど
)
の
風
(
かぜ
)
に
払
(
はら
)
はれて
205
塵
(
ちり
)
もとめなくなりにける
206
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
207
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
の
身魂
(
みたま
)
に
皇神
(
すめかみ
)
は
208
清
(
きよ
)
く
涼
(
すず
)
しく
宿
(
やど
)
りまし
209
汚
(
けが
)
れ
果
(
は
)
てたる
吾
(
わが
)
身
(
み
)
をば
210
雄々
(
をを
)
しく
照
(
て
)
らさせ
給
(
たま
)
ひけり
211
進
(
すす
)
めよ
進
(
すす
)
めいざ
進
(
すす
)
め
212
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
を
只管
(
ひたすら
)
に
213
心
(
こころ
)
の
限
(
かぎ
)
り
進
(
すす
)
みゆけ
214
勝利
(
しようり
)
の
都
(
みやこ
)
も
近
(
ちか
)
づきぬ
215
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
216
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はへましませよ
217
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
218
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
219
仮令
(
たとへ
)
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
220
誠
(
まこと
)
一
(
ひと
)
つは
世
(
よ
)
を
救
(
すく
)
ふ
221
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
を
踏
(
ふ
)
みしめて
222
玉
(
たま
)
の
御柱
(
みはしら
)
立直
(
たてなほ
)
し
223
天地
(
てんち
)
の
花
(
はな
)
と
謳
(
うた
)
はれて
224
豊
(
ゆた
)
けき
誠
(
まこと
)
の
実
(
みの
)
りをば
225
枝
(
えだ
)
もたわわに
結
(
むす
)
びつつ
226
今迄
(
いままで
)
もつれし
心
(
こころ
)
をば
227
ときさばき
行
(
ゆ
)
く
奇魂
(
くしみたま
)
228
曽富戸
(
そほど
)
の
神
(
かみ
)
の
幸
(
さきは
)
ひに
229
進
(
すす
)
むわれこそ
雄々
(
をを
)
しけれ
230
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
231
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はへましませよ』
232
道
(
みち
)
は
益々
(
ますます
)
急坂
(
きふはん
)
となり、
233
鞍上
(
あんじやう
)
最
(
もつと
)
も
注意
(
ちゆうい
)
を
要
(
えう
)
すべき
難路
(
なんろ
)
につき
当
(
あた
)
つた。
234
されど
何
(
いづ
)
れも
乗馬
(
じやうば
)
の
達人
(
たつじん
)
、
235
鞍上
(
あんじやう
)
人
(
ひと
)
なく、
236
鞍下
(
あんげ
)
馬
(
うま
)
なき
有様
(
ありさま
)
にて、
237
悠々
(
いういう
)
として
凩
(
こがらし
)
に
面
(
おもて
)
を
吹
(
ふ
)
かれながら
英気
(
えいき
)
に
充
(
み
)
ち、
238
一行
(
いつかう
)
は
単縦陣
(
たんじうぢん
)
を
張
(
は
)
りつつ
登
(
のぼ
)
るのであつた。
239
竜雲
(
りううん
)
は
馬上
(
ばじやう
)
豊
(
ゆた
)
かに
歌
(
うた
)
ひ
始
(
はじ
)
めた。
240
竜雲
『ハイハイハイハイ
馬
(
うま
)
の
奴
(
やつ
)
241
照山峠
(
てるやまたうげ
)
の
急坂
(
きふはん
)
だ
242
気
(
き
)
を
付
(
つ
)
け
遊
(
あそ
)
ばせ
栗毛
(
くりげ
)
さま
243
顛倒
(
てんたう
)
致
(
いた
)
しちや
堪
(
たま
)
らない
244
ハイハイドウドウ ハイドウドウ
245
人世
(
じんせ
)
の
旅
(
たび
)
は
急坂
(
きふはん
)
を
246
登
(
のぼ
)
るが
如
(
ごと
)
しと
聞
(
き
)
くからは
247
有為
(
うゐ
)
転変
(
てんぺん
)
の
世
(
よ
)
のさまを
248
思
(
おも
)
ひ
浮
(
うか
)
べてハイハイハイ
249
ゆかしさ
胸
(
むね
)
に
充
(
み
)
ちわきぬ
250
月
(
つき
)
の
御国
(
みくに
)
の
首陀
(
しゆだ
)
の
家
(
や
)
に
251
臍
(
へそ
)
の
緒
(
を
)
おとした
竜雲
(
りううん
)
も
252
天馬
(
てんば
)
が
空
(
くう
)
をかけるよな
253
思
(
おも
)
はぬ
欲望
(
よくばう
)
に
駆使
(
くし
)
されて
254
波間
(
なみま
)
に
浮
(
うか
)
ぶシロの
島
(
しま
)
255
神地
(
かうぢ
)
の
都
(
みやこ
)
の
神司
(
かむづかさ
)
256
ハイハイ
手綱
(
たづな
)
をしめ
直
(
なほ
)
し
257
しつかりせなくちや
危
(
あぶ
)
ないぞ
258
サガレン
王
(
わう
)
を
放逐
(
ほうちく
)
し
259
折柄
(
をりから
)
起
(
おこ
)
る
風雲
(
ふううん
)
に
260
乗
(
じやう
)
じて
天
(
てん
)
へ
舞
(
ま
)
ひ
昇
(
のぼ
)
り
261
心猿
(
しんゑん
)
意馬
(
いば
)
は
忽
(
たちま
)
ちに
262
狂
(
くる
)
ひ
出
(
いだ
)
してハイハイハイ
263
悪虐
(
あくぎやく
)
無道
(
ぶだう
)
の
張本
(
ちやうほん
)
と
264
なりすましたる
恐
(
おそ
)
ろしさ
265
心
(
こころ
)
に
潜
(
ひそ
)
む
鬼
(
おに
)
大蛇
(
をろち
)
266
醜神
(
しこがみ
)
どもの
勢
(
いきほひ
)
は
267
鬣
(
たてがみ
)
振
(
ふ
)
り
立
(
た
)
て
急坂
(
きふはん
)
を
268
越
(
こ
)
え
行
(
ゆ
)
く
駒
(
こま
)
のその
如
(
ごと
)
く
269
とめどもなくに
味噌汁
(
みそしる
)
が
270
ステツペンへと
飛上
(
とびあが
)
り
271
意気
(
いき
)
揚々
(
やうやう
)
と
雲
(
くも
)
の
上
(
うへ
)
272
ハイハイハイハイドウドウドウ
273
天
(
あめ
)
の
下
(
した
)
をば
睥睨
(
へいげい
)
し
274
俺
(
おれ
)
程
(
ほど
)
運
(
うん
)
のよい
者
(
もの
)
が
275
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
にあらうかと
276
笑壺
(
ゑつぼ
)
に
入
(
い
)
りし
折
(
をり
)
もあれ
277
運命
(
うんめい
)
つきて
北光
(
きたてる
)
の
278
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
に
荒肝
(
あらぎも
)
を
279
拉
(
ひ
)
しがれ
忽
(
たちま
)
ち
谷底
(
たにそこ
)
へ
280
顛落
(
てんらく
)
したるあさましさ
281
オツトドツコイ
馬
(
うま
)
の
奴
(
やつ
)
282
道
(
みち
)
にさやりし
岩角
(
いはかど
)
に
283
躓
(
つまづ
)
きやがつた
確
(
しつか
)
りせい
284
膝
(
ひざ
)
を
摧
(
くぢ
)
いちや
堪
(
たま
)
らない
285
お
前
(
まへ
)
は
俺
(
おれ
)
の
助
(
たす
)
け
舟
(
ぶね
)
286
神
(
かみ
)
の
光
(
ひかり
)
に
照
(
て
)
らされて
287
改心
(
かいしん
)
致
(
いた
)
した
其
(
その
)
おかげ
288
七千
(
しちせん
)
余国
(
よこく
)
の
月
(
つき
)
の
国
(
くに
)
289
何
(
なん
)
の
障
(
さはり
)
も
荒野原
(
あらのはら
)
290
巡
(
めぐ
)
りて
進
(
すす
)
む
神
(
かみ
)
の
道
(
みち
)
291
ハイハイハイハイ シーシーシー
292
セーラン
王
(
わう
)
に
従
(
したが
)
ひて
293
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
に
入那城
(
いるなじやう
)
294
四方
(
よも
)
に
輝
(
かがや
)
く
黄金姫
(
わうごんひめ
)
295
身魂
(
みたま
)
も
清照姫
(
きよてるひめ
)
命
(
みこと
)
296
あれます
聖地
(
せいち
)
へ
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
297
吾
(
わが
)
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
ぞ
楽
(
たの
)
しけれ
298
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
299
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて
300
善
(
ぜん
)
をば
助
(
たす
)
け
悪神
(
あくがみ
)
を
301
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
にまつろはせ
302
救
(
すく
)
はせ
給
(
たま
)
ふ
三五
(
あななひ
)
の
303
神
(
かみ
)
こそ
誠
(
まこと
)
の
世
(
よ
)
の
柱
(
はしら
)
304
心
(
こころ
)
ねぢけた
竜雲
(
りううん
)
も
305
心
(
こころ
)
の
駒
(
こま
)
を
立直
(
たてなほ
)
し
306
教
(
をしへ
)
も
清
(
きよ
)
く
照山
(
てるやま
)
の
307
さしもに
嶮
(
けは
)
しき
坂路
(
さかみち
)
を
308
栗毛
(
くりげ
)
の
駒
(
こま
)
に
助
(
たす
)
けられ
309
正
(
ただ
)
しき
人
(
ひと
)
に
従
(
したが
)
ひて
310
旗鼓
(
きこ
)
堂々
(
だうだう
)
と
登
(
のぼ
)
りゆく
311
ハイハイハイハイハイドウドウ
312
馬
(
うま
)
の
合
(
あ
)
うたる
人
(
ひと
)
ばかり
313
一緒
(
いつしよ
)
にゆくのが
同道々
(
どうだうだう
)
314
いよいよ
面白
(
おもしろ
)
なつて
来
(
き
)
た
315
最早
(
もはや
)
絶頂
(
ぜつちやう
)
も
近
(
ちか
)
づいた
316
峠
(
たうげ
)
の
上
(
うへ
)
で
鹿毛
(
かげ
)
さまよ
317
お
前
(
まへ
)
も
一服
(
いつぷく
)
するがよい
318
重
(
おも
)
い
男
(
をとこ
)
を
背
(
せな
)
に
乗
(
の
)
せ
319
登
(
のぼ
)
る
貴様
(
きさま
)
もえらかろが
320
乗
(
の
)
つてる
俺
(
おれ
)
も
楽
(
らく
)
でない
321
さはさりながら
苦
(
くるし
)
みの
322
後
(
あと
)
にはキツト
楽
(
らく
)
がくる
323
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
324
人馬
(
じんば
)
諸共
(
もろとも
)
神
(
かみ
)
の
山
(
やま
)
325
登
(
のぼ
)
りつめたる
暁
(
あかつき
)
は
326
四方
(
よも
)
を
見
(
み
)
はらす
世界晴
(
せかいばれ
)
327
晴
(
は
)
れて
嬉
(
うれ
)
しき
胸
(
むね
)
の
暗
(
やみ
)
328
忽
(
たちま
)
ち
開
(
ひら
)
く
天国
(
てんごく
)
の
329
清
(
きよ
)
き
涼
(
すず
)
しき
花園
(
はなぞの
)
に
330
進
(
すす
)
むわれこそ
楽
(
たの
)
しけれ
331
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
332
最早
(
もはや
)
峠
(
たうげ
)
に
着
(
つ
)
きました
333
王
(
わう
)
様
(
さま
)
一服
(
いつぷく
)
致
(
いた
)
しませう
334
ヤスダラ
姫
(
ひめ
)
様
(
さま
)
、テームスよ
335
レーブよ、カルよ、
一休
(
ひとやす
)
み
336
四足
(
よつあし
)
泡
(
あわ
)
を
吹
(
ふ
)
き
出
(
だ
)
した
337
これから
先
(
さき
)
は
下
(
くだ
)
り
坂
(
ざか
)
338
世
(
よ
)
の
立替
(
たてかへ
)
が
始
(
はじ
)
まつて
339
上
(
のぼ
)
る
身魂
(
みたま
)
や
下
(
くだ
)
る
魂
(
たま
)
340
行合
(
ゆきあ
)
ひかち
合
(
あ
)
ひ
騒
(
さわ
)
がしく
341
入那
(
いるな
)
の
都
(
みやこ
)
の
大空
(
おほぞら
)
に
342
一悶錯
(
ひともんさく
)
の
起
(
おこ
)
る
前
(
まへ
)
343
縺
(
もつ
)
れ
果
(
は
)
てたる
小田巻
(
をだまき
)
の
344
いとやすやすと
治
(
をさ
)
めませ
345
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
346
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はへましませよ』
347
と
歌
(
うた
)
ひ
了
(
をは
)
り、
348
馬
(
うま
)
をヒラリと
飛
(
と
)
び
下
(
お
)
り、
349
傍
(
かたはら
)
の
巌
(
いはほ
)
に
腰
(
こし
)
を
打
(
うち
)
かけ、
350
息
(
いき
)
を
休
(
やす
)
むるのであつた。
351
セーラン
王
(
わう
)
其
(
その
)
他
(
た
)
も
竜雲
(
りううん
)
の
言葉
(
ことば
)
に
従
(
したが
)
ひ、
352
馬背
(
ばはい
)
を
飛
(
と
)
び
降
(
お
)
り、
353
人馬
(
じんば
)
共
(
とも
)
に、
354
暫
(
しば
)
し
息
(
いき
)
を
休
(
やす
)
むることとなつた。
355
(
大正一一・一一・一四
旧九・二六
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