霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第四章 (くだ)(ざか)〔一一二九〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第42巻 舎身活躍 巳の巻 篇:第1篇 波瀾重畳 よみ(新仮名遣い):はらんちょうじょう
章:第4章 下り坂 よみ(新仮名遣い):くだりざか 通し章番号:1129
口述日:1922(大正11)年11月14日(旧09月26日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年7月1日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
レーブは出まかせの歌を歌いながら一行の最後尾について坂を下っていく。テームスも滑稽な歌を歌いながら下っていく。
一行は峠の麓に下りつき、谷を流れる清水にのどの渇きをいやししばし休憩した。一同は再び馬上の人となり、くつわを並べて鈴の音も勇ましく、木枯らし吹きすさぶ大野原を都をさして駆けていく。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2022-12-20 13:48:34 OBC :rm4204
愛善世界社版:51頁 八幡書店版:第7輯 660頁 修補版: 校定版:53頁 普及版:17頁 初版: ページ備考:
001レーブ『月日(つきひ)(そら)照山(てるやま)
002(たうげ)急坂(きふはん)(くだ)りゆく
003セーラン(わう)(したが)ひて
004ハイハイハイハイ ドウドウドウ
005どうしても(この)(さか)(くだ)らねば
006イルナの(みやこ)()かれない
007右守(うもり)(かみ)のカールチン
008(よく)悪魔(あくま)憑依(ひようい)され
009悪逆(あくぎやく)無道(ぶだう)(たく)(ごと)
010ここ(まで)やつて()たけれど
011どうしてこんな(たく)(ごと)
012()()げさうな(こと)はない
013ハイハイハイハイこん畜生(ちくしやう)
014(しつか)りせぬかい()をつけよ
015(とが)つた(いし)(つまづ)いて
016千尋(ちひろ)谷間(たにま)()ちたなら
017(まへ)(たちま)()ぬだらう
018ハーハーハイハイ(なん)とまあ
019(けは)しい(けは)しい坂道(さかみち)
020ヤスダラ(ひめ)神司(かむづかさ)
021これから(しば)しの()辛抱(しんばう)
022やがて(みやこ)()えまする
023カールチン()がいろいろと
024()からぬ(こと)(たく)まうと
025天地(てんち)(かみ)のます(かぎ)
026(あく)(さか)ゆる(ためし)ない
027(たちま)()ゆる(はる)(ゆき)
028ハイハイハイハイ敗亡(はいぼう)
029(かがみ)にかけて()るやうだ
030ドツコイ畜生(ちくしやう)()をつけよ
031豆屁(まめべ)ばつかり()れよつて
032ほんとに(まこと)にハアハアハア
033(おほ)馬鹿者(ばかもの)()畜生(ちくしやう)()
034何故(なにゆゑ)(おれ)(うま)だけは
035これ(ほど)ハイハイ頓馬(とんま)だらう
036ガラガラガラガラ アイタツタ
037ヒンヒンヒンヒンこん畜生(ちくしやう)
038おれが(ころ)げたがをかしいか
039(まへ)()(あし)レブさまは
040(うま)れついての二本足(にほんあし)
041(ふた)つの(あし)()(あし)
042どうして競争(きやうそう)がなるものか
043あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
044バラモン天王(てんわう)ドツコイシヨ
045こいつは()ふのぢやなかつたなア
046天地(てんち)(つく)りし(もと)(かみ)
047国治立(くにはるたちの)大神(おほかみ)
048(まも)(ひと)へに(ねが)ひます
049こんな難所(なんしよ)でペツタリと
050右守(うもり)(かみ)手下(てした)()
051出会(でつくわ)すならばどうしようぞ
052レーブは(ちつ)とも(かま)はねど
053(こころ)にかかるは(わう)(さま)
054ヤスダラ(ひめ)()(うへ)
055竜雲(りううん)さまよ(しつか)りせ
056(まへ)さまの(うま)(あや)しいぞ
057(わたし)(あと)から(なが)むれば
058屁放(へつぴ)(ごし)(うま)のざま
059目玉(めだま)をあけて()られない
060ハーハーハーハー ハイハイハイ
061(こん)畜生(ちくしやう)()()をつけよ
062(おれ)(あたま)をなぜ()ぶる
063すつての(こと)(かさ)(だい)
064がぶつとやられる(とこ)だつた
065(かしこ)いやうでも畜生(ちくしやう)
066此奴(こやつ)(おほ)きな(がら)をして
067ヒンヒン()かして()()れて
068(ちひ)さい(をとこ)(あつか)はれ
069(せな)()られて(むち)()たれ
070いと神妙(しんめう)にハアハアハア
071ついて()()馬鹿者(ばかもの)
072これこれもうし竜雲(りううん)さま
073(まへ)ばつかり(さき)()
074(おれ)をどうして()れるのだ
075(おれ)のコンパスあ達者(たつしや)だが
076肝腎要(かんじんかなめ)(うま)(やつ)
077どうしても(おも)よに(ある)かない
078屁古垂(へこた)(うま)()いて()
079(おれ)(こころ)になつて()
080ほんとに(まこと)にぢれつたい
081さはさりながらハイハイハイ
082蛞蝓(なめくぢ)さへも百千(ひやくせん)()
083(あゆ)めばいつか目的地(もくてきち)
084(たつ)する(ためし)もありときく
085照山峠(てるやまたうげ)()にし()
086イルナで(いち)難所(なんしよ)ぞや
087此処(ここ)をば無事(ぶじ)(うま)()いて
088(くだ)(おう)せた(あかつき)
089(ふたた)(こま)()(なほ)
090勇気(ゆうき)(おこ)して堂々(だうだう)
091一瀉(いつしや)千里(せんり)(いきほ)ひで
092(すす)みイルナの聖城(せいじやう)
093(なん)()()(つき)(そら)
094ハーハーハーハー ハイハイハイ
095朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
096(つき)()つとも()くるとも
097照山峠(てるやまたうげ)はさかしとも
098いつしか()ゆる(この)旅路(たびぢ)
099前途(ぜんと)中々(なかなか)有望(いうばう)
100勝利(しようり)(みやこ)(ちか)づいて
101(くび)をのばして()つて()
102黄金(わうごん)世界(せかい)神司(かむつかさ)
103黄金姫(わうごんひめ)清照姫(きよてるひめ)
104(いづ)のお(かほ)(をが)むのも
105次第(しだい)(ちか)づき北光(きたてる)
106(かみ)(をしへ)遵奉(じゆんぽう)
107イルナの(しろ)(わだか)まる
108曲司(まがかみ)(たち)(ことごと)
109(まこと)(みち)言向(ことむ)けて
110三五教(あななひけう)神力(しんりき)
111宇内(うだい)(あまね)(かがや)かし
112(ほまれ)(たか)宣伝使(せんでんし)
113レーブと名乗(なの)つて(つき)(くに)
114ハイハイハイハイ フサの(くに)
115羅馬(ローマ)希臘(ギリシヤ)(せう)亜細亜(アジア)
116筑紫(つくし)(しま)()てまでも
117(わが)足跡(あしあと)(いん)しつつ
118(つか)へまつらむ(わが)(おも)
119(かな)はせ(たま)天津(あまつ)(かみ)
120国津(くにつ)(かみ)(たち)八百万(やほよろづ)
121(うま)諸共(もろとも)真心(まごころ)
122(ささ)げて(いの)(たてまつ)
123あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
124御霊(みたま)(さち)はへましませよ』
125倒徳利(こけどつくり)のやうにドブドブと()まかせの(ねつ)()きながら、126一行(いつかう)最後(さいご)について、127足許(あしもと)覚束(おぼつか)なく(くだ)()く。128テームスは(うま)()きながら(うた)ひはじめた。
129テームス『セーラン(わう)やヤスダラの
130(ひめ)(みこと)御尾前(みをさき)
131(まも)りて(くだ)照山(てるやま)
132(けは)しき(さか)はハイハイハイ
133(また)とあるまい難所(なんしよ)ぞや
134追々(おひおひ)(さか)はきつくなり
135足許(あしもと)あやしくなつて()
136(あめ)(ごと)くに打出(うちいだ)
137(かぜ)()()()(ごと)
138バラバラバツと()()らし
139ハイハイハイハイドウドウドウ
140畜生(ちくしやう)()をつけ危険(あぶない)
141(なん)だえ(あわ)()きやがつて
142ハーハーハツハイこれしきの
143(さか)がそれ(ほど)(くる)しいか
144とは()ふものの(おれ)だとて
145矢張(やつぱ)(くる)しうなつて()
146(くる)しい(とき)神頼(かみだの)
147三五教(あななひけう)(かみ)(さま)
148何卒(なにとぞ)宜敷(よろしく)(ねが)ひます
149人馬(じんば)諸共(もろとも)(つつが)なく
150(この)坂道(さかみち)をハイハイハイ
151(くだ)らせ(たま)惟神(かむながら)
152(まこと)(みち)(すす)()
153(この)テームスも(かみ)御子(みこ)
154(かみ)(まも)りのある(うへ)
155仮令(たとへ)曲津(まがつ)襲来(しふらい)
156前後(ぜんご)左右(さいう)()()いて
157猛虎(まうこ)(いきほひ)(すさま)じく
158(やり)のきつ(さき)ハイハイハイ
159(なら)べて(すす)(きた)るとも
160如何(いか)(おそ)れむ益良雄(ますらを)
161(われ)()(うで)には(ほね)がある
162日本(やまと)(だましひ)生粋(きつすゐ)
163()りによつたる神司(かむづかさ)
164天下(てんか)如何(いか)(ひろ)くとも
165(われ)()(てき)するものあろか
166(さか)(のぼ)(とき)重宝(ちようほう)
167名馬(めいば)(こま)(くだ)(ざか)
168足手(あして)(まと)ひと()りながら
169()いて()かねばハイハイハイ
170大野(おほの)(はら)(わた)れない
171右守(うもり)(かみ)手下(てした)()
172神出(しんしゆつ)鬼没(きぼつ)ドツコイシヨ
173()()(した)(かく)()
174(われ)()一行(いつかう)散々(さんざん)
175(なや)ませくれむとハイハイハイ
176固唾(かたづ)をのんで()つぢやらう
177仮令(たとへ)数万(すまん)敵軍(てきぐん)
178()()()(こと)あるとても
179三五教(あななひけう)にて(まな)びたる
180善言(ぜんげん)美詞(びし)言霊(ことたま)
181ハイハイハイハイブウブウブウ
182エヽこん畜生(ちくしやう)(くさ)いわい
183(あと)から(かぜ)()(とき)
184さうやられては(たま)らない
185(ちつと)行儀(ぎやうぎ)()るがよい
186セーラン(わう)のお(とも)だぞ
187無礼(ぶれい)(きは)まる畜生(ちくしやう)だな
188ハーハーハーハイ アイタツタ
189(たか)岩根(いはね)(つまづ)いた
190(みな)さま用心(ようじん)なされませ
191其処(そこ)らあたりに転倒(こけ)()
192(いし)(くるま)()つたなら
193(うま)諸共(もろとも)千仭(せんじん)
194谷間(たにま)(たちま)顛落(てんらく)
195(ふたた)(この)()(あか)りをば
196()られぬやうになりますぞ
197ハーハーハーハイ ドウドウドウ
198(かげ)難関(なんくわん)()()えた
199(うま)畜生(ちくしやう)(よろこ)べよ
200これから(さき)(ある)きよい
201(おれ)面白(おもしろ)なつて()
202(ひと)一生(いつしやう)()ふものは
203恰度(ちやうど)(この)(やま)(わた)るよな
204ハイハイハイハイものだらう
205一寸(ちよつと)目放(めばな)ししたときは
206ハイハイ(たちま)失脚(しつきやく)
207()落人(おちびと)となり()てて
208世界(せかい)(やつ)()げしまれ
209ハーハーハイハイ牛馬(うしうま)
210()まれにやならぬやうになる
211さはさりながら人間(にんげん)
212何程(なにほど)あせつて()たとこで
213(その)(ちから)には(かぎ)りある
214無限(むげん)神力(しんりき)(そな)へたる
215ハイハイハイハイドウドウドウ
216(たふと)(きよ)(かみ)(さま)
217摂理(せつり)のもとに(まか)すより
218仕様(しやう)模様(もやう)()いものぞ
219あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
220御霊(みたま)(さち)はへましまして
221(かみ)(したが)吾々(われわれ)
222(あつ)(まも)りてハイハイハイ
223イルナの(みやこ)(つつが)なく
224(すす)ませ(たま)へと()ぎまつる
225ドツコイドツコイ ドツコイシヨ
226(みち)段々(だんだん)(ひろ)くなり
227小石(こいし)(すくな)うなつて()
228七転(ななころび)八起(やおき)(くる)しみも
229(やうや)()えた(くだ)(ざか)
230右守(うもり)(かみ)醜霊(しこだま)
231直日(なほひ)(みたま)言向(ことむ)けて
232勝鬨(かちどき)()ぐるも()のあたり
233あゝ(いさ)ましし(いさ)ましし』
234(うた)ひつつ(やうや)くにして一行(いつかう)(たうげ)(ふもと)(くだ)りついた。
235 (たに)(なが)るる清水(しみづ)(のど)(かわ)きをいやし、236(しば)休憩(きうけい)(うへ)(ふたた)馬上(ばじやう)(ひと)となり、237一同(いちどう)(くつわ)をならべて(すず)()(いさ)ましく、238木枯(こがらし)(すさ)大野原(おほのはら)239暴虎(ぼうこ)馮河(ひようが)(いきほひ)にて、240(みやこ)をさして()けりゆく。
241大正一一・一一・一四 旧九・二六 加藤明子録)
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