霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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総説(そうせつ)

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第60巻 真善美愛 亥の巻 篇:前付 よみ(新仮名遣い):
章:総説 よみ(新仮名遣い):そうせつ 通し章番号:
口述日:1923(大正12)年04月05日(旧02月20日) 口述場所:皆生温泉 浜屋 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年8月12日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
古人は『善願あれば天必ず之を輔く』と言いました。
瑞月は神明のまにまに病躯を駆ってようやく神示の物語、原稿用紙七万五千枚、約八百五十万言、頁数二万四千、九か月の着手日数を要してここにいよいよ六十巻を口述編著しました。
今日の大多数の人々は古人に比して容易に深遠な教義を理解することができず、上走りにご解し易く、三五教の真相や大精神を曲解し、ついには忌まわしき大本事件を引き起こすにいたったことは返す返すも遺憾の至りであります。
中根下根の人々にたいしては高遠微妙なる文章や言語ではかえって神意を誤解し大道を汚濁するおそれがある。ゆえに瑞月は現代多数の人々のために多大の努力と日子を費やしてのです。
現代は奥行きが浅い人間が多く現れるのはやむを得ない。今後の人々に徹底せしめんとするためには、不断の根気が何よりも大切である。たとえ百年かかろうが神の大御心を万人に徹底せなくては措かない決心である。
現代の人々がただの一人も自分が口述した物語を用いてくれず、また了解してくれなくてもかまわない。自分だけただ一人これを信じて大神の大精神を幾分なりとも実行し、正しき信仰の下に人間として生きていく考えである。
世間の行事が悪化し獣化するのを見て、自分一人が心身を正しくし神の示した教えを信じることができようか、という人々の考えはあまりに狼狽している。国が滅亡するときは、一人の義人もおらず、一人の識者もいない、という極端まで行くものである。
しかし国に一人でも義人や真の識者がある限り、決してその国は亡びるものではない。神諭にも、「誠の義人が三人あれば弥勒神政必ず成就すべし」と示してある。
今日はお互いに最後の一人をもって任じ、せめて自分だけでも正しき信仰に生き、清き人間として世のため道のために尽くそうとする同じ心の人々と共に、この聖なる団体の擁護を開展し、この世界を真善美愛の楽土と化し、国祖の神慮に叶い奉らんことを希望する。
あらゆる迫害に堪えよく忍び、もってこの千載一遇の神業に奉仕せんと欲し、最後の一人となるも決して絶望せず、狼狽せず、平静に生命ある聖き希望を抱いて天下のために尽くさんとするものである。
ゆえに吾人は世俗のあらゆる非難攻撃にも屈せず、たゆまず屈せず、口述を続けて後世の規範とせんことを希求しつつあるのである。
『この世を造りし神直日、心も広き大直日、ただ何事も人の世は、直日に見直せ聞き直せ身の過ちは宣り直せ』と吾人は日夜この神示を楯として、ひしひしと押し寄せ来る激浪怒涛を浴びながら、善言美詞の言霊の武器をもってすべての外道を言向け和す覚悟である。
なにほど多勢の敵といえども驚くには及ばない。ただ一言の善辞、すなわち言霊の善用によって強敵はたちまち化して強き味方となり、また多数の味方といえども、ただ一つの悪言暴語によって直ちに怨敵となる。
言霊のもっとも慎むべきを明示したのは、本書霊界物語を通じての大眼目であります。読者幸いに本書に依って言霊の活用を味わいたまうことあらば、瑞月の微衷も報われたりというべきであります。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2017-05-09 14:41:02 OBC :rm600002
愛善世界社版:3頁 八幡書店版:第10輯 597頁 修補版: 校定版:3頁 普及版: 初版: ページ備考:
001 古人(こじん)()ふ、002善願(ぜんぐわん)あれば(てん)(かなら)(これ)(たす)く』と。003瑞月(ずゐげつ)神明(しんめい)随々(まにまに)病躯(びやうく)()つて(やうや)神示(しんじ)物語(ものがたり)004原稿(げんかう)用紙(ようし)七万(しちまん)五千(ごせん)(まい)005(やく)八百(はつぴやく)五十(ごじふ)(まん)(げん)006頁数(ページすう)二万(にまん)四千(よんせん)007(やく)九箇月(きうかげつ)着手(ちやくしゆ)日数(につすう)(えう)して、008(ここ)にいよいよ六十(ろくじつ)(くわん)口述(こうじゆつ)編著(へんちよ)しました。009()かる阿房(あはう)多羅(だら)(なが)物語(ものがたり)()いて010識者(しきしや)より冗長(じようちやう)粗漫(そまん)文章(ぶんしやう)だと失笑(しつせう)さるる(おそ)()きには(あら)ざれども、011今日(こんにち)大多数(だいたすう)人々(ひとびと)古人(こじん)()して頭悩(づなう)活動力(くわつどうりよく)(もつと)(おと)り、012容易(ようい)深遠(しんゑん)なる教義(けうぎ)真解(しんかい)すること(あた)はず、013()何事(なにごと)上走(うはばし)りにて誤解(ごかい)(やす)く、014(ため)三五教(あななひけう)真相(しんさう)大精神(だいせいしん)曲解(きよくかい)015(つひ)には(いま)はしき大本(おほもと)事件(じけん)喚起(くわんき)するに(いた)つたのは、016(かへ)(がへ)すも遺憾(ゐかん)(いた)りであります。
017 上根(じやうこん)(ひと)一言(ひとこと)()いて(その)真相(しんさう)了解(れうかい)し、018至仁(しじん)至愛(しあい)(かみ)大精神(だいせいしん)大経綸(だいけいりん)正覚(しやうかく)すと(いへど)も、019中根(ちうこん)下根(げこん)人々(ひとびと)(たい)しては到底(たうてい)高遠(かうゑん)微妙(びめう)なる文章(ぶんしやう)言語(げんご)にては(かい)()ない而己(のみ)ならず、020(かへつ)神意(しんい)誤解(ごかい)し、021大道(だいだう)汚濁(をぢよく)する(おそれ)がある。022(ゆゑ)瑞月(ずゐげつ)現代(げんだい)多数(たすう)人々(ひとびと)(ため)多大(ただい)努力(どりよく)日子(につし)(つひや)したのであります。
023 現代(げんだい)(いにしへ)(ことな)つて何事(なにごと)大仕掛(おほじかけ)になつて()024(さら)益々(ますます)(おほ)きく()らむとしつつあるが(ゆゑ)に、025非常(ひじやう)(その)間口(まぐち)(ひろ)くて、026奥行(おくゆき)(あさ)人間(にんげん)(おほ)(あら)はれるのは()むを()ない。027(ゆゑ)今後(こんご)人々(ひとびと)(たい)して徹底(てつてい)せしめむとするには028不断(ふだん)根気(こんき)(なに)よりも大切(たいせつ)である。029たとへ(ひやく)(ねん)(かか)らうが(かみ)大御心(おほみこころ)万人(ばんにん)徹底(てつてい)させなくては()かない決心(けつしん)である。
030 現代(げんだい)人々(ひとびと)(ただ)一人(ひとり)自分(じぶん)口述(こうじゆつ)した物語(ものがたり)(もち)ゐて()れず、031(また)了解(れうかい)して()れなくても(かま)はない、032自分(じぶん)だけ(ただ)一人(ひとり)(これ)(しん)じて大神(おほかみ)大精神(だいせいしん)幾分(いくぶん)なりとも実行(じつかう)し、033(ただ)しき信仰(しんかう)(もと)人間(にんげん)として()きて()(かんが)へである。034現代人(げんだいじん)(うち)には(かく)(ごと)世間(せけん)行事(ぎやうじ)悪化(あくくわ)獣化(じうくわ)するのを()ては、035……自分(じぶん)一人(ひとり)心身(しんしん)(ただ)しくし(かみ)示教(じけう)(しん)じる(こと)出来(でき)ようか……と(おも)つたり()つたりして()人々(ひとびと)(かんが)へは(あま)りの狼狽(らうばい)である。036今日(こんにち)社会(しやくわい)にコウ()狼狽(うろた)へた人々(ひとびと)(おほ)いことは如何(いか)にしても(なげか)はしいことである。037(くに)滅亡(めつぼう)する(とき)は「(いち)(にん)義人(ぎじん)あるなし。038(また)識者(しきしや)なるもの(いち)(にん)もある()し」といふ極端(きよくたん)まで()くものだが、039(くに)一人(ひとり)にても、040義人(ぎじん)(しん)識者(しきしや)のある(かぎ)り、041(けつ)して(その)(くに)(ほろ)ぶるものでは()い。042神諭(しんゆ)にも「(まこと)義人(もの)(さん)(にん)あれば弥勒(みろく)神政(しんせい)(かなら)成就(じやうじゆ)すべし」と(しめ)してある。043今日(こんにち)はお(たがひ)最後(さいご)(いち)(にん)(もつ)(にん)じ、044せめて自分(じぶん)だけでも(ただ)しき信仰(しんかう)()き、045(きよ)人間(にんげん)として()()(みち)()めに(つく)さむとする(おな)(こころ)人々(ひとびと)(とも)に、046この(せい)なる団体(だんたい)擁護(えうご)開展(かいてん)047(もつ)()世界(せかい)をして真善(しんぜん)美愛(びあい)楽土(らくど)(くわ)せしめ、048国祖(こくそ)神慮(しんりよ)(かな)(まつ)らむことを希望(きばう)し、049あらゆる迫害(はくがい)()へ、050()(しの)(もつ)()千載(せんざい)一遇(いちぐう)神業(しんげふ)奉仕(ほうし)せむと(ほつ)し、051最後(さいご)(いち)(にん)となるも(けつ)して絶望(ぜつばう)せず、052狼狽(らうばい)せず、053平静(へいせい)生命(せいめい)ある(きよ)希望(きばう)(いだ)いて天下(てんか)(ため)(つく)さむとするものである。054(ゆゑ)吾人(ごじん)世俗(せぞく)所在(あらゆる)非難(ひなん)攻撃(こうげき)にも(くつ)せず、055山鳥(やまどり)()のしだり()長々(ながなが)しくも(たゆ)まず(くつ)せず、056口述(こうじゆつ)(つづ)けて後世(こうせい)軌範(きはん)とせむことを希求(ききう)しつつあるのである。
057 この()(つく)りし神直日(かむなほひ)058(こころ)(ひろ)大直日(おほなほひ)059(ただ)何事(なにごと)(ひと)()は、060直日(なほひ)見直(みなほ)()(なほ)()(あやま)ちは()(なほ)せ。061吾人(ごじん)日夜(にちや)この神示(しんじ)(たて)として062ヒシヒシと(おし)()()たる激浪(げきらう)怒濤(どたう)()びながら、063善言(ぜんげん)美詞(びじ)言霊(ことたま)武器(ぶき)(もつ)(すべ)ての外道(げだう)言向和(ことむけやは)覚悟(かくご)である。064(なに)(ほど)多勢(たぜい)(てき)(いへど)(おどろ)くには(およ)ばない。065(ただ)一言(ひとこと)善辞(ぜんじ)066(すなは)言霊(ことたま)善用(ぜんよう)()りて強敵(きやうてき)(たちま)(くわ)して(つよ)味方(みかた)となり、067(また)多数(たすう)味方(みかた)(いへど)も、068(ただ)(ひと)つの悪言(あくげん)暴語(ばうご)()つて(ただ)ちに怨敵(をんてき)となる。069言霊(ことたま)(もつと)(つつし)むべきを明示(めいじ)したのは070本書(ほんしよ)霊界(れいかい)物語(ものがたり)(つう)じての大眼目(だいがんもく)であります。071読者(どくしや)(さいはひ)本書(ほんしよ)()つて言霊(ことたま)活用(くわつよう)(あぢは)ひたまふことあらば072瑞月(ずゐげつ)微衷(びちう)(むく)はれたりといふべきであります。073アヽ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
074   大正十二年四月
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