霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一〇章 玉国(たまくに)〔一五三五〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第60巻 真善美愛 亥の巻 篇:第2篇 東山霊地 よみ(新仮名遣い):あづもすれいち
章:第10章 玉国 よみ(新仮名遣い):たまくに 通し章番号:1535
口述日:1923(大正12)年04月07日(旧02月22日) 口述場所:皆生温泉 浜屋 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年8月12日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
地上に戻ると、玉国別は伊太彦の功績をねぎらった。そしてタクシャカ竜王に向かい、歌で持って呼びかけ、竜王の改心と赦免を祝った。竜王は答えて改めて改心と感謝の情を表した。
一同がそれぞれ述懐の歌を交わしていると、大地はにわかに震動し、湖の波が立ち狂いパッと二つに開いた。湖中から恐ろしいサーガラ竜王が、七八才の乙女を背に乗せてスマの浜辺に浮かび出た。竜王はたちまち老媼の姿となり、幼児をかかえて中空を翔け、タクシャカ竜王の前に現れた。
サーガラ竜王は夫であるタクシャカ竜王の赦免を喜ぶ歌を歌った。そしてこの乙女は、自分の身魂から生まれた如意宝珠の化身であると明かした。
玉国別はこれより夫婦で世を守るようにと二人に命じた。サーガラ竜王が乙女に息を吹きかけると如意宝珠の玉と変じた。サーガラ竜王は玉を玉国別に奉じた。宣伝使たちはおのおの述懐の歌を交わした。
これよりタクシャカ竜王とサーガラ竜王はそれぞれ猩々翁、猩々媼となり、珍しい果物の酒を作って朝夕神前に献じて神慮をなぐさめ、罪を謝することとなった。
バーチル夫婦は二つの宮の宮司として仕え、子孫繁栄し神の柱と世に敬われた。元バラモン軍キャプテンのチルテルはスマの里の里庄となって村民を愛撫し、部下はいずれも里人の列に加えて美しく新しい村を造り余生を楽しく送り、その霊は天国に至って天人の列に加わり、アヅモス山の聖地を守ることとなった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm6010
愛善世界社版:119頁 八幡書店版:第10輯 637頁 修補版: 校定版:126頁 普及版:60頁 初版: ページ備考:
001伊太彦(いたひこ)(つかさ)(みちび)かれ
002三千(さんぜん)(ねん)幽閉(いうへい)
003ヤツと(のが)れて千仭(せんじん)
004地底(ちてい)(やみ)より(のぼ)()
005タクシャカ竜王(りうわう)人体(じんたい)
006変化(へんげ)(じゆつ)使(つか)ひつつ
007満面(まんめん)(ゑみ)(あひ)(たた)
008アヅモス(さん)霊場(れいぢやう)
009(かみ)(まつ)りし(その)(まへ)
010岩戸(いはと)階段(かいだん)(のぼ)りつつ
011(てん)にも(のぼ)心地(ここち)して
012(あら)はれ()でし(たふと)さよ
013玉国別(たまくにわけ)一行(いつかう)
014伊太彦(いたひこ)(つかさ)功績(いさをし)
015(くち)(きは)めて()(なが)
016タクシャカ竜王(りうわう)(うち)(むか)
017言葉(ことば)(やさし)()らす(やう)
018玉国別(たまくにわけ)国常立(くにとこたち)大御神(おほみかみ)
019豊国姫(とよくにひめ)大神(おほかみ)
020(ひら)かせ(たま)三五(あななひ)
021(をしへ)(みち)宣伝使(せんでんし)
022玉国別(たまくにわけ)神司(かむづかさ)
023(かみ)御言(みこと)(かうむ)りて
024ハルナの(みやこ)()でてゆく
025(その)(みち)すがら皇神(すめかみ)
026仕組(しぐみ)(いと)(あやつ)られ
027(こころ)()をもスマの(さと)
028アヅモス(さん)()()れば
029三千(さんぜん)(ねん)(その)(むかし)
030月照彦(つきてるひこ)大神(おほかみ)
031(この)()(やす)(をさ)めむと
032()めおかれたる()(みたま)
033(すく)(たす)けむ(とき)()
034()れも(なんぢ)(いさ)ましく
035(ふか)(つみ)をば(ゆる)されて
036ここに姿(すがた)(あら)はせる
037(その)光景(くわうけい)(うち)ながめ
038歓喜(くわんき)(なみだ)にたへかねつ
039(おも)はず()らず(そで)(しぼ)
040あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
041タクシャカ竜王(りうわう)(きこ)()
042(この)()(どろ)をすすがむと
043(あら)はれ(たま)ひし埴安(はにやす)
044(ひこの)(みこと)埴安姫(はにやすひめ)
045(いづ)(みづ)との神柱(かむばしら)
046(たて)(よこ)との経綸(けいりん)
047(はじ)(たま)ひし(うへ)からは
048(みづ)()らさぬ(かみ)(くに)
049(なれ)(いま)より御心(みこころ)
050(きよ)(ただ)しく()(たま)
051(もと)御祖(みおや)大神(おほかみ)
052大神業(だいしんげふ)(つか)へませ
053三千(さんぜん)(ねん)(その)(あひだ)
054地底(ちてい)(ひそ)(たま)ひたる
055苦心(くしん)(さつ)(たてまつ)る』
056 タクシャカ竜王(りうわう)(ひさ)(ぶり)にて地上(ちじやう)光明(くわうみやう)(よく)し、057(また)(めづ)らしき(ひと)(かほ)四辺(あたり)樹木(じゆもく)青々(あをあを)として(しげ)(さか)ゆる光景(くわうけい)(なが)歓喜(くわんき)()へず、058(うた)(もつ)玉国別(たまくにわけ)(こた)へたり。
059()れは八大(はちだい)竜王(りうわう)
060(つかさ)(きこ)えしタクシャカの
061九頭(くづ)両舌(りやうぜつ)悪神(あくがみ)
062一度(ひとたび)(まなこ)(ひか)らせば
063万木(ばんもく)万草(ばんさう)(みな)(しぼ)
064一度(ひとたび)(こゑ)(はつ)すれば
065山野(さんや)河海(かかい)動揺(どうえう)
066さすが(たふと)大神(おほかみ)
067いとど(なや)ませ(たま)ひつつ
068神力(しんりき)無双(むさう)のエンゼルと
069(あら)はれ(たま)ひし月照彦(つきてるひこ)
070(かみ)(みこと)天降(あまくだ)
071有無(うむ)()はせず言霊(ことたま)
072伊吹(いぶき)(われ)霊縛(れいばく)
073アヅモス(さん)()(そこ)
074(いま)(まで)(ふう)(たま)ひけり
075かくなる(うへ)(われ)とても
076いかでか(あく)(この)まむや
077仁慈(じんじ)無限(むげん)大神(おほかみ)
078大御心(おほみこころ)(こころ)とし
079蒼生(あをひとぐさ)(くさ)()
080片葉(かきは)(つゆ)(いた)(まで)
081(こころ)(つく)()(つく)
082いと(ねもごろ)(まも)るべし
083(われ)(たから)()めおきし
084夜光(やくわう)(たま)伊太彦(いたひこ)
085(ふところ)(ふか)(をさ)めまし
086(いま)(この)()()れましぬ
087タクシャカ竜王(りうわう)改心(かいしん)
088至誠(しせい)(あらは)(その)(ため)
089風水(ふうすい)火災(くわさい)自由(じいう)にせし
090(この)宝玉(はうぎよく)(たてまつ)
091何卒(なにとぞ)()けさせ(たま)へかし
092(あさひ)()るとも(くも)るとも
093(つき)()つとも()くるとも
094仮令(たとへ)大地(だいち)(やぶ)るとも
095一旦(いつたん)(かみ)(ちか)ひたる
096(わが)言霊(ことたま)(うご)かまじ
097(うべな)(たま)惟神(かむながら)
098玉国別(たまくにわけ)(おん)(まへ)
099(つつし)(ゐやま)()ぎまつる』
100玉国別(たまくにわけ)()(みだ)八岐(やまた)大蛇(をろち)祖神(おやがみ)
101()きたる竜神(かみ)(なんぢ)なりしか。
102面白(おもしろ)(こころ)(そこ)より(あらた)めて
103(たま)(かへ)せし(なれ)(かみ)なり。
104つゆ(しづく)(いつは)()たぬ(こと)()
105(われ)(うれ)しく(たま)()けなむ。
106伊太彦(いたひこ)教司(をしへつかさ)大神(おほかみ)
107神業(みわざ)(きよ)(つか)()へぬる』
108伊太彦(いたひこ)(わが)身魂(みたま)(よわ)甲斐(かひ)なく(ちから)なく
109(かみ)のまにまに(つと)(おほ)せし』
110ワックス『伊太彦(いたひこ)(つかさ)(あと)(したが)ひて
111さも(おそ)ろしき(ゆめ)()(かな)
112さり(なが)(いま)(よろこ)()るにつけ
113(おも)はず()らず(こころ)(いさ)みぬ』
114エル『(おも)はざる(しこ)魔神(まがみ)にさへられて
115(きも)(つぶ)したる(こと)(おろか)さ。
116さり(なが)伊太彦(いたひこ)(つかさ)諸共(もろとも)
117無事(ぶじ)(かへ)りし(こと)(うれ)しき』
118真純彦(ますみひこ)伊太彦(いたひこ)(こころ)おちゐぬ(ひと)とのみ
119(おも)ひし(こと)(はづか)しき(かな)
120三千彦(みちひこ)鉋屑(かんなくづ)()()(とき)のあるものと
121()きし言葉(ことば)(おも)()されぬ。
122言霊(ことたま)(にご)(をとこ)とさげすむな
123(われ)幾度(いくたび)揶揄(からかは)れたる()よ』
124伊太彦(いたひこ)惟神(かむながら)とは()(なが)(いも)()
125(すす)()()(うらや)ましく(おも)へば』
126デビス(ひめ)伊太彦(いたひこ)教司(をしへつかさ)功績(いさをし)
127岩戸(いはと)(びら)きの(わざ)(まさ)れる』
128バーチル『(むかし)より()(かく)れしと(つた)へたる
129(この)神山(かみやま)岩戸(いはと)(ひら)きぬ』
130サーベル(ひめ)()(まで)(みたま)(きよ)(かみ)ますと
131(われ)(ゆめ)にも(おも)はざりけり。
132猩々(しやうじやう)(ひめ)(みこと)(をし)へられ
133(なれ)(むか)へし今日(けふ)(うれ)しさ』
134タクシャカ『(いま)よりは猩々翁(しやうじやうおきな)()をかへて
135これの神山(みやま)(なが)(つか)へむ』
136玉国別(たまくにわけ)千代(ちよ)八千代(やちよ)万代(よろづよ)までも(この)(みや)
137いと(やす)らけく(つか)(たま)はれ』
138チルテル『(いぶ)かしや猩々(しやうじやう)(ひこ)猩々姫(しやうじやうひめ)
139猩々翁(しやうじやうおきな)(あら)はれむとは。
140九頭竜(くづりう)(しこ)魔神(まがみ)()きぬれど
141(なれ)姿(すがた)(かみ)にましけり』
142 ()(うた)(ところ)へ、143大地(だいち)(にはか)震動(しんどう)して、1431キヨメの(うみ)(なみ)(たち)(くる)ひ、144(うみ)はパツと(ふた)つに(ひら)いて、1441(なか)より、145さも(おそ)ろしきサーガラ竜王(りうわう)146七八(しちはち)(さい)乙女(をとめ)()()(なが)ら、147スマの浜辺(はまべ)(うか)()で、148(たちま)老媼(おうな)姿(すがた)となり、149(あい)らしき幼児(えうじ)(かか)へ、150(きり)(つつ)まれ(なが)ら、151中空(ちうくう)(かけ)つて、1511タクシャカ竜王(りうわう)(まへ)(あら)はれ(きた)り、
152サーガラ『三千年(みちとせ)(なや)(しの)びて目出度(めでた)くも
153(わが)()(きみ)()()でにけり。
154(この)御子(みこ)(わが)身魂(みたま)より()()でし
155如意(によい)宝珠(ほつしゆ)化身(けしん)なりけり』
156タクシャカ『恋慕(こひした)(なれ)(みこと)(めぐ)()
157(うれ)しさ(むね)三千年(みちとせ)今日(けふ)
158玉国(たまくに)(かみ)(つかさ)諸人(もろびと)
159(すく)はれ(かみ)(ゆる)しうけけり』
160サーガラ『()(みこと)()()でませば(われ)(また)
161(ひと)姿(すがた)となりて(つか)へむ。
162玉国(たまくに)(わけ)(つかさ)諸人(もろびと)
163(あは)れみ(たま)へこれの夫婦(ふうふ)を』
164玉国別(たまくにわけ)(むかし)より(えにし)(ふか)夫婦(めをと)づれ
165いや永久(とこしへ)()(まも)りませ』
166 サーガラ竜王(りうわう)は、167(わき)(かか)へし七八(しちはち)(さい)(ばか)りの乙女(をとめ)()(おろ)し、168夫婦(ふうふ)(たが)ひに水火(いき)()きかけた。169(たちま)乙女(をとめ)如意(によい)宝珠(ほつしゆ)(たま)(へん)じた。170サーガラ竜王(りうわう)(おし)(いただ)き、
171サーガラ『(この)(たま)(あさ)(ゆふ)なに(いだ)きてし
172如意(によい)宝珠(ほつしゆ)(きみ)(ささ)げむ』
173玉国別(たまくにわけ)玉国別(たまくにわけ)(かみ)(みこと)()()ひし
174(われ)(ふた)つの(たま)()にけり。
175(この)(たから)(ふた)(そろ)うて()()らば
176いかで(おそ)れむ大黒主(おほくろぬし)を』
177真純彦(ますみひこ)()(きみ)御名(みな)(いま)こそ()られけり
178玉守別(たまもりわけ)()(なほ)しませ』
179三千彦(みちひこ)玉守別(たまもりわけ)ならで玉取別(たまとりわけ)(がみ)
180()(なほ)しませ(わが)()(きみ)よ』
181玉国別(たまくにわけ)国魂(くにたま)(みぎ)(ひだり)()けし()
182玉国別(たまくにわけ)名乗(なの)るこそよき』
183伊太彦(いたひこ)肝腎(かんじん)(たま)(わが)()(もの)となり
184(ゆび)かみ()つて伊太彦(いたひこ)(われ)
185デビス(ひめ)(なれ)はなぜ玉取別(たまとりわけ)名乗(なの)らざる
186伊太彦(いたひこ)(つかさ)()こそ()しけれ』
187伊太彦(いたひこ)(いま)となり()宣直(のりなほ)(すべ)もなし
188(かみ)()さしの(とな)へなりせば』
189真純彦(ますみひこ)因縁(いんねん)霊々(みたまみたま)御用(ごよう)をば
190させると(かみ)(をしへ)なりけり。
191言霊(ことたま)真純(ますみ)(ひこ)()()ふも
192(たま)(にご)らばいかにとやせむ。
193(われ)(また)(こころ)(たま)(みが)()
194(わが)()(きみ)にあやかりて()む』
195 これよりタクシャカ竜王(りうわう)は、196人体(じんたい)変化(へんげ)し、197猩々翁(しやうじやうおきな)となり、198サーガラ竜王(りうわう)猩々媼(しやうじやうおうな)となり、199(めづら)しき果物(くだもの)(さけ)(つく)り、200朝夕(あさゆふ)神前(しんぜん)(けん)じて、2001神慮(しんりよ)(なぐさ)め、201自分(じぶん)(つみ)(しや)する(こと)となつた。202バーチル夫婦(ふうふ)(ふた)つの(みや)宮司(ぐうじ)として、2021永久(えいきう)(つか)へ、203子孫(しそん)繁栄(はんゑい)し、204(かみ)(はしら)()(うやま)はれた。205(また)バラモンのチルテル夫婦(ふうふ)はバーチルの(やかた)一隅(いちぐう)(きよ)(かま)へ、206スマの(さと)里庄(りしやう)となり207(あつ)(かみ)(つか)へて、2071村民(そんみん)愛撫(あいぶ)し、208部下(ぶか)はカンナ、209ヘールを家僕(いへのこ)とし、210(その)()(いづ)れも里人(さとびと)(れつ)(くは)へ、211(うる)はしく(あたら)しき(むら)(つく)つて、212余生(よせい)(たの)しく(おく)り、213(その)(みたま)天国(てんごく)(いた)つて、214天人(てんにん)(れつ)(くは)はり、215アヅモス(さん)聖地(せいち)(まも)(こと)となつた。
216大正一二・四・七 旧二・二二 於皆生温泉浜屋 松村真澄録)
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