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第三〇章　神座(しんざ)〔一六〇五〕

インフォメーション
著者：出口王仁三郎 巻：霊界物語 第62巻 山河草木 丑の巻 篇：第6篇 聖地の花 よみ（新仮名遣い）：せいちのはな
章：第30章 神座 よみ（新仮名遣い）：しんざ 通し章番号：1605
口述日：1923（大正12）年05月16日（旧04月1日） 口述場所： 筆録者：隆光 校正日： 校正場所： 初版発行日：1925（大正14）年10月16日
概要： 舞台： あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です（一部加筆訂正してあります）。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]： 主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]： 備考： タグ： データ凡例： データ最終更新日： OBC ：rm6230
愛善世界社版：354頁 八幡書店版：第11輯 247頁 修補版： 校定版：386頁 普及版：61頁 初版： ページ備考：
001第五四二
002一
003仰(あふ)ぎ見(み)る此(この)世(よ)の月(つき)に比(くら)ぶれば
004霊国(みくに)の月(つき)は光(ひかり)妙(たへ)なり。
005二
006登(のぼ)り行(ゆ)く足跡(あしあと)見(み)れば惜(をし)きかな
007真白(ましろ)に積(つ)める雪(ゆき)の円山(まるやま)。
008三
009谷水(たにみづ)の流(なが)るるままにわが行衛(ゆくゑ)
010定(さだ)めおきたし神(かみ)にたよりて。
011四
012跡(あと)たれて幾世(いくよ)経(へ)ぬらむ水無月(みなつき)の
013社(やしろ)の松(まつ)も神(かむ)さびてけり。
014五
015千早振(ちはやふ)る神代(かみよ)ながらの月影(つきかげ)は
016わが玉(たま)の井(ゐ)の底(そこ)に宿(やど)れる。
017第五四三
018一
019天国(てんごく)の花(はな)をかざして大神(おほかみ)の
020御前(みまへ)を祀(まつ)る天使(あまつかひ)等(たち)。
021二
022朝日(あさひ)照(て)る桶伏山(をけふせやま)の神(かみ)の丘(をか)に
023光(ひかり)を添(そ)ゆる秋(あき)の夜(よ)の月(つき)。
024三
025朝日(あさひ)刺(さ)す月(つき)澄(す)み渡(わた)る円山(まるやま)の
026台(うてな)は神(かみ)の厳(いづ)の御社殿(みあらか)。
027四
028今(いま)の世(よ)も後(あと)の世(よ)も亦(また)皇神(すめかみ)の
029恵(めぐみ)にたよる外(ほか)なかりけり。
030五
031愛(めぐ)はしと皇(すめ)大神(おほかみ)もみなそこの
032すめる心(こころ)をみそなはすらむ。
033第五四四
034一
035万代(よろづよ)に御栄光(みさかえ)あれと朝夕(あさゆふ)に
036祈(いの)る心(こころ)を神(かみ)は愛(め)づらむ。
037二
038本宮山(ほんぐうやま)裾(すそ)を流(なが)るる和知川(わちがは)の
039水(みづ)は此(この)世(よ)のみそぎなるらむ。
040三
041小雲川(こくもがは)並木(なみき)の松(まつ)も老(お)いにけり
042吾(わが)身(み)も老(お)いぬ神(かみ)のまにまに。
043四
044二十五(にじふご)年(ねん)神(かみ)に仕(つか)へて漸(やうや)くに
045霊国(みくに)の様(さま)を悟(さと)り初(そ)めけり。
046五
047二年(ふたとせ)や三年(みとせ)四年(よとせ)の宮仕(みやづか)へに
048いかで悟(さと)らむ神(かみ)の経綸(しぐみ)を。
049第五四五
050一
051光(ひかり)をば和(やは)らげ塵(ちり)に同(まじ)はりて
052世人(よびと)を守(まも)る月(つき)の大神(おほかみ)。
053二
054寝(ね)て祈(いの)り起(お)きて祈(いの)りぬ愚(おろか)なる
055吾(わが)身(み)に幸(さち)の永久(とは)にあれよと。
056三
057千早振(ちはやふ)る富士(ふじ)の高山(たかやま)雪(ゆき)清(きよ)く
058深(ふか)きは神(かみ)の心(こころ)なりけり。
059四
060如意(によい)宝珠(ほつしゆ)玉(たま)拾(ひろ)はむと千早振(ちはやふ)る
061神(かみ)の光(ひかり)に求(ま)ぎて行(ゆ)くかも。
062五
063玉鉾(たまぼこ)の道(みち)を歩(あゆ)める身(み)ながらも
064人(ひと)は難波(なには)のよしあしを謂(い)ふ。
065第五四六
066一
067世(よ)の為(ため)と祈(いの)る真人(まびと)ぞ尠(すくな)けれ
068そこの心(こころ)は吾(わ)が身(み)の為(ため)のみ。
069二
070世(よ)を祈(いの)るわが真心(まごころ)に詐(いつは)りの
071あら尊(たふと)けれ神(かみ)のみぞ知(し)る。
072三
073罪(つみ)穢(けがれ)あら人神(ひとがみ)の安(やす)かれと
074朝(あさ)な夕(ゆふ)なに神前(みまへ)に祈(いの)る。
075四
076わが植(う)ゑし常磐(ときは)の松(まつ)は繁(しげ)りけり
077三(み)つの柱(はしら)の幹(みき)を揃(そろ)へて。
078五
079幾千代(いくちよ)も忘(わす)れざらまし吾(わが)植(う)ゑし
080常磐(ときは)の松(まつ)に心(こころ)とどめて。
081第五四七
082一
083此(この)松(まつ)の栄(さか)ゆる如(ごと)く教(をし)へ草(ぐさ)の
084永久(とこしへ)なれと祈(いの)りつつ植(う)ゑぬ。
085二
086死(まか)るとも此(この)松ケ枝(まつがえ)に魂(たま)かけて
087五六七(みろく)の御代(みよ)を守(まも)らむとぞ思(おも)ふ。
088三
089霊(たま)ちはふ神(かみ)の大道(おほぢ)を歩(あゆ)む身(み)は
090世(よ)のうき事(こと)も楽(たの)しみと見(み)る。
091四
092此(この)道(みち)の堅磐(かきは)常磐(ときは)に動(うご)かざれと
093石(いし)の玉垣(たまがき)仕(つか)へまつりぬ。
094五
095冴(さ)え渡(わた)る八雲(やくも)小琴(をごと)のすがかきを
096神(かみ)も愛(め)でつつ聞(きこ)し召(め)すらむ。
097第五四八
098一
099松ケ枝(まつがえ)に桜(さくら)の花(はな)に降(ふ)る雨(あめ)も
100同(おな)じ御神(みかみ)の恵(めぐみ)なりけり。
101二
102紅(くれなゐ)の花(はな)も清(きよ)けき白梅(しらうめ)も
103同(おな)じ恵(めぐみ)の雨(あめ)に咲(さ)くなり。
104三
105神垣(かみがき)の風(かぜ)にしられぬ法燈(ともしび)は
106根底(ねそこ)の国(くに)まで照(てら)し行(ゆ)くなり。
107四
108消(き)えやらぬ神(かみ)の御前(みまへ)の燈火(ともしび)に
109闇(くら)き心(こころ)を照(てら)されて行(ゆ)く。
110五
111来(き)て見(み)れば思(おも)ひしよりも勝(まさ)りけり
112桶伏山(をけふせやま)の珍(うづ)の聖地(せいち)は。
113第五四九
114一
115玉(たま)の井(ゐ)の水(みづ)の面(おもて)に心(こころ)とめて
116輝(かがや)きにけり三五(あななひ)の月(つき)。
117二
118皇神(すめかみ)の大道(おほぢ)を歩(あゆ)む心(こころ)しあれば
119迷(まよ)ひの暗(やみ)もやすく晴(は)れなむ。
120三
121山(やま)の上(へ)の池(いけ)の心(こころ)は仇(あだ)なれや
122氷(こほり)も水(みづ)も名(な)のみ残(のこ)れる。
123四
124名(な)ばかりの水(みづ)なき池(いけ)に如何(いか)にして
125月(つき)の姿(すがた)の映(うつ)るべしやは。
126五
127月(つき)の水(みづ)たえてし無(な)くば草(くさ)も木(き)も
128如何(いか)で芽含(めぐ)まむ此(この)地(ち)の上(うへ)に。
129第五五〇
130一
131皇神(すめかみ)の教(のり)の真清水(ましみづ)清(きよ)ければ
132流(なが)れ流(なが)れて世(よ)を洗(あら)ふなり。
133二
134玉(たま)の井(ゐ)の同(おな)じ清水(しみづ)を掬(むす)ぶ身(み)は
135瑞(みづ)の御霊(みたま)の永久(とこしへ)の友(とも)。
136三
137三十年(みそとせ)の厳(いづ)の御霊(みたま)の御教(みをしへ)に
138まだ現(あら)はれぬ光(ひかり)見(み)るかな。
139四
140薄雲(うすぐも)におほはれ居(ゐ)たる月(つき)の光(かげ)を
141今(いま)も仰(あふ)ぎぬ目(め)無(な)き司(つかさ)は。
142五
143薄雲(うすぐも)の逃(に)げ去(さ)り行(ゆ)きし後(あと)の月(つき)の
144光(ひかり)に照(て)りて慄(ふる)ひ戦(をのの)く。
145第五五一
146一
147かりそめに説(と)きおかれたる言(こと)の葉(は)に
148眼(まなこ)とどめて迷(まよ)ふ人(ひと)あり。
149二
150さまざまに説(と)けども説(と)き得(え)ぬ言(こと)の葉(は)を
151聞(き)かずして聞(き)く人(ひと)は稀(まれ)なり。
152三
153曇(くも)りたる人(ひと)の心(こころ)を照(てら)さむと
154厳(いづ)と瑞(みづ)との鏡(かがみ)かがやく。
155四
156情(なさけ)知(し)らぬ春(はる)の嵐(あらし)も神(かみ)の里(さと)の
157主(ぬし)ある花(はな)は避(さ)けて吹(ふ)くらむ。
158五
159更生主(かうせいしゆ)再(ふたた)び下(くだ)る世(よ)に会(あ)ひて
160誠(まこと)の神(かみ)の教(のり)を聞(き)くなり。
161（大正一二・五・一六　旧四・一　隆光録）
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