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第75巻(寅の巻)
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第78巻(巳の巻)
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第15巻(寅の巻)
序
凡例
総説歌
第1篇 正邪奮戦
01 破羅門
〔568〕
02 途上の変
〔569〕
03 十六花
〔570〕
04 神の栄光
〔571〕
05 五天狗
〔572〕
06 北山川
〔573〕
07 釣瓶攻
〔574〕
08 ウラナイ教
〔575〕
09 薯蕷汁
〔576〕
10 神楽舞
〔577〕
第2篇 古事記言霊解
11 大蛇退治の段
〔578〕
第3篇 神山霊水
12 一人旅
〔579〕
13 神女出現
〔580〕
14 奇の岩窟
〔581〕
15 山の神
〔582〕
16 水上の影
〔583〕
17 窟の酒宴
〔584〕
18 婆々勇
〔585〕
第4篇 神行霊歩
19 第一天国
〔586〕
20 五十世紀
〔587〕
21 帰顕
〔588〕
22 和と戦
〔589〕
23 八日の月
〔590〕
跋文
余白歌
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第一四章
奇
(
くし
)
の
岩窟
(
がんくつ
)
〔五八一〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第15巻 如意宝珠 寅の巻
篇:
第3篇 神山霊水
よみ(新仮名遣い):
しんざんれいすい
章:
第14章 奇の岩窟
よみ(新仮名遣い):
くしのがんくつ
通し章番号:
581
口述日:
口述場所:
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年12月5日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
実は娘は木花姫命の化身であり、高国別の心を固めようとして問答を仕掛けたり、引っ掛け戻しをしたりしていたのであった。
木花姫命は、岩窟を探検して魔神に悩まされる多数の生霊を救うように、と高国別に命じて姿を消した。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2021-01-16 01:48:45
OBC :
rm1514
愛善世界社版:
174頁
八幡書店版:
第3輯 344頁
修補版:
校定版:
174頁
普及版:
79頁
初版:
ページ備考:
001
高国別
(
たかくにわけ
)
はドサリと
陥穽
(
おとしあな
)
に
落
(
お
)
ち
込
(
こ
)
んだ。
002
以前
(
いぜん
)
の
女
(
をんな
)
、
003
又
(
また
)
もや
追掛
(
おひかけ
)
来
(
きた
)
り、
004
女
『ホヽヽヽヽ』
005
と
笑
(
わら
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
006
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にか
金線
(
きんせん
)
を
吊
(
つ
)
り
下
(
お
)
ろし、
007
高国別
(
たかくにわけ
)
の
腮
(
あご
)
に
引
(
ひ
)
つかけ、
008
振釣瓶
(
ふりつるべ
)
を
手繰
(
たぐ
)
る
様
(
やう
)
にプリンプリンと
引
(
ひ
)
き
上
(
あ
)
げる。
009
高国別
(
たかくにわけ
)
は
喉
(
のど
)
締
(
し
)
め
上
(
あ
)
げられ、
010
又
(
また
)
もや
旧
(
もと
)
の
穴
(
あな
)
の
口
(
くち
)
に
上
(
あが
)
つて
来
(
き
)
た。
011
女
『ホヽヽヽヽ、
012
あのマア
蒼
(
あを
)
いお
顔
(
かほ
)
』
013
高国別
(
たかくにわけ
)
『エー、
014
又
(
また
)
しても
又
(
また
)
しても、
015
能
(
よ
)
く
悪戯
(
いたづら
)
をする
女
(
をんな
)
だなア。
016
繊弱
(
かよわ
)
き
女
(
をんな
)
の
分際
(
ぶんざい
)
として
荒男
(
あらをとこ
)
の
腮
(
あご
)
に
綱
(
つな
)
を
掛
(
か
)
け、
017
引
(
ひ
)
き
上
(
あげ
)
るとは
不届
(
ふとどき
)
千万
(
せんばん
)
な、
018
飽迄
(
あくまで
)
も
図々
(
づうづう
)
しい
奴
(
やつ
)
だ。
019
見
(
み
)
た
割
(
わ
)
りとは
力
(
ちから
)
の
強
(
つよ
)
い
女
(
をんな
)
だなア』
020
女
『オホヽヽヽ、
021
何処
(
どこ
)
までも
執着心
(
しふちやくしん
)
の
綱
(
つな
)
は
離
(
はな
)
れませぬよ。
022
此
(
この
)
者
(
もの
)
と
見込
(
みこ
)
みを
付
(
つ
)
けて
神
(
かみ
)
が
綱
(
つな
)
を
掛
(
か
)
けたら
放
(
はな
)
さぬぞよ、
023
引掛
(
ひつかけ
)
戻
(
もど
)
しの
此
(
この
)
仕組
(
しぐみ
)
、
024
開
(
あ
)
いた
口
(
くち
)
が
閉
(
すぼ
)
まるまいがな』
025
高国別
『
人
(
ひと
)
の
腮太
(
あごた
)
に
堅
(
かた
)
い
堅
(
かた
)
い
金線
(
きんせん
)
を
引掛
(
ひきか
)
けよつて
開
(
あ
)
いた
口
(
くち
)
が
閉
(
すぼ
)
んで
仕舞
(
しま
)
つた
哩
(
わい
)
、
026
コウ
之
(
これ
)
見
(
み
)
よコンナ
型
(
かた
)
がつきよつた』
027
女
『
喉
(
のど
)
の
型
(
かた
)
はついたが
妾
(
わたし
)
の
かた
は、
028
如何
(
どう
)
してつけて
下
(
くだ
)
さる』
029
高国別
『エー、
030
五月蝿
(
うるさ
)
い
奴
(
やつ
)
だ、
031
かた
をつけるも、
032
つけぬも
有
(
あ
)
つたものかい。
033
貴様
(
きさま
)
と
俺
(
おれ
)
とは
夫婦
(
ふうふ
)
でも
無
(
な
)
ければ
味方
(
みかた
)
でも
無
(
な
)
い、
034
又
(
また
)
不倶
(
ふぐ
)
戴天
(
たいてん
)
の
敵
(
かたき
)
でも
無
(
な
)
いのだ。
035
あまりチヨツカイを
出
(
だ
)
すと
将来
(
しやうらい
)
の
為
(
た
)
めにならぬぞ』
036
女
『
貴方
(
あなた
)
、
037
ちつと
見方
(
みかた
)
が
違
(
ちが
)
ひは
致
(
いた
)
しませぬか、
038
堅
(
かた
)
き
誠
(
まこと
)
の
心
(
こころ
)
を
以
(
もつ
)
て
飽迄
(
あくまで
)
も
神
(
かみ
)
の
道
(
みち
)
を
進
(
すす
)
まねばなりますまい。
039
軽挙
(
けいきよ
)
妄動
(
もうどう
)
を
慎
(
つつし
)
み
慎重
(
しんちよう
)
の
態度
(
たいど
)
を
以
(
もつ
)
て
神
(
かみ
)
の
道
(
みち
)
に
仕
(
つか
)
ふるが
貴方
(
あなた
)
のお
役
(
やく
)
』
040
高国別
『エー
味方
(
みかた
)
が
違
(
ちが
)
ふの、
041
敵
(
かたき
)
が
違
(
ちが
)
ふのと、
042
あた
八釜
(
やかま
)
しい
哩
(
わい
)
、
043
一体
(
いつたい
)
貴様
(
きさま
)
は
何者
(
なにもの
)
だ、
044
如何
(
どう
)
も
腑
(
ふ
)
に
落
(
お
)
ちぬ
代物
(
しろもの
)
だなア』
045
女
『
妾
(
わらは
)
は
腑
(
ふ
)
に
落
(
お
)
ちぬ
代物
(
しろもの
)
か
知
(
し
)
りませぬが、
046
貴方
(
あなた
)
は
穴
(
あな
)
に
落
(
お
)
ちる
代物
(
しろもの
)
だ。
047
ホヽヽヽ、
048
一寸
(
ちよつと
)
当
(
あ
)
てて
御覧
(
ごらん
)
、
049
妾
(
わらは
)
の
正体
(
しやうたい
)
が
分
(
わか
)
らぬ
様
(
やう
)
な
事
(
こと
)
で、
050
如何
(
どう
)
して
此
(
この
)
地底
(
ちてい
)
の
岩窟
(
がんくつ
)
が
探険
(
たんけん
)
出来
(
でき
)
ませうか。
051
第一
(
だいいち
)
着手
(
ちやくしゆ
)
として
妾
(
わらは
)
の
素性
(
すじやう
)
を
能
(
よ
)
く
審神
(
さには
)
して
下
(
くだ
)
さい』
052
高国別
『
吁
(
あゝ
)
、
053
邪魔臭
(
じやまくさ
)
いな、
054
お
前
(
まへ
)
の
方
(
はう
)
から「
妾
(
わらは
)
は
何々
(
なになに
)
の
何々
(
なになに
)
じや」と
自白
(
じはく
)
せぬかい。
055
さうしたら
此
(
この
)
方
(
はう
)
が
正
(
せい
)
か
邪
(
じや
)
か、
056
真
(
しん
)
か
偽
(
ぎ
)
かと
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
審神
(
さには
)
して
与
(
や
)
るのだ』
057
女
『ホヽヽヽヽ、
058
デモ
審神者
(
さには
)
の、
059
探
(
さぐ
)
り
審神者
(
さには
)
の、
060
ヘボ
審神者
(
さには
)
サン、
061
妾
(
わらは
)
のネームを
聞
(
き
)
かねば
審神
(
さには
)
が
出来
(
でき
)
ませぬか、
062
貴方
(
あなた
)
には
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
ご
)
守護
(
しゆご
)
は
零
(
ゼロ
)
ですな』
063
高国別
『
何
(
なん
)
だ、
064
審神者
(
さには
)
には
審神者
(
さには
)
としての
権能
(
けんのう
)
があるのだ、
065
人
(
ひと
)
に
物
(
もの
)
を
尋
(
たづ
)
ねるのに
何故
(
なぜ
)
自分
(
じぶん
)
のネームを
名告
(
なの
)
らないのか、
066
「
妾
(
わらは
)
は
何
(
なに
)
か
当
(
あ
)
てて
御覧
(
ごらん
)
」ナンテ、
067
まるで
十字街
(
じふじがい
)
に
立
(
たつ
)
てる
旅人
(
たびびと
)
が「
俺
(
わし
)
は
何方
(
どちら
)
へ
行
(
ゆ
)
くか
知
(
し
)
つてますか」と
尋
(
たづ
)
ねる
様
(
やう
)
なものだ。
068
ソンナ
理窟
(
りくつ
)
が
何処
(
どこ
)
にあるかい、
069
早
(
はや
)
く
名告
(
なの
)
らないか』
070
女
『ホヽヽヽヽ、
071
お
前
(
まへ
)
サンは
丁度
(
ちやうど
)
「
私
(
わたし
)
の
行
(
ゆ
)
く
処
(
ところ
)
は
何処
(
どこ
)
で
御座
(
ござ
)
います」と、
072
人
(
ひと
)
に
訊
(
たづ
)
ねる
様
(
やう
)
な
審神者
(
さには
)
だ。
073
ソンナ
審神者
(
さには
)
が
如何
(
どう
)
して
地底
(
ちてい
)
の
岩窟
(
がんくつ
)
が
探険
(
たんけん
)
出来
(
でき
)
ませうぞ。
074
妾
(
わらは
)
の
素性
(
すじやう
)
がはつきり
分
(
わか
)
る
迄
(
まで
)
、
075
千遍
(
せんべん
)
でも
万遍
(
まんべん
)
でも
綱
(
つな
)
を
掛
(
か
)
けて
引掛
(
ひつかけ
)
戻
(
もど
)
しをしますから
覚悟
(
かくご
)
をなさいませ、
076
ホヽヽヽ』
077
高国別
『アーア「
進退
(
しんたい
)
維
(
こ
)
れ
谷
(
きは
)
まる」とは
茲
(
ここ
)
の
事
(
こと
)
だ、
078
黐桶
(
とりもちをけ
)
へ
足
(
あし
)
をつツ
込
(
こ
)
んだ
様
(
やう
)
な
者
(
もの
)
だ、
079
困
(
こま
)
つたな。
080
オイオイ
女
(
をんな
)
、
081
良
(
い
)
い
加減
(
かげん
)
に
洒落
(
しやれ
)
て
置
(
お
)
いたら
如何
(
どう
)
だ、
082
神界
(
しんかい
)
の
御
(
ご
)
経綸
(
けいりん
)
の
妨害
(
ばうがい
)
致
(
いた
)
すと
為
(
た
)
めにならぬぞ。
083
如何
(
どう
)
だ、
084
神界
(
しんかい
)
へ
汝
(
なんぢ
)
の
罪
(
つみ
)
を
奏上
(
そうじやう
)
致
(
いた
)
さうか』
085
女
『
何
(
なん
)
と
言
(
い
)
つても
放
(
はな
)
しはせぬ、
086
いや
一寸
(
ちよつと
)
も
動
(
うご
)
かしはせぬ、
087
動
(
うご
)
くなら
動
(
うご
)
いて
御覧
(
ごら
)
うじ、
088
ホヽヽヽヽ』
089
高国別
『アーア、
090
仕方
(
しかた
)
が
無
(
な
)
いなア、
091
いやもう
何
(
いづ
)
れの
神
(
かみ
)
か
知
(
し
)
りませぬが、
092
トコトン
往生
(
わうじやう
)
致
(
いた
)
しました。
093
何卒
(
どうぞ
)
今迄
(
いままで
)
の
御
(
ご
)
無礼
(
ぶれい
)
、
094
お
気障
(
きざはり
)
は
千万
(
せんばん
)
御座
(
ござ
)
いませうとも、
095
広
(
ひろ
)
き
厚
(
あつ
)
き
大御心
(
おほみこころ
)
に
見直
(
みなほ
)
し
聞直
(
ききなほ
)
し
下
(
くだ
)
さいまして
御
(
ご
)
勘弁
(
かんべん
)
を
願
(
ねが
)
ひます。
096
鼻
(
はな
)
の
高国別
(
たかくにわけ
)
も
斯
(
こ
)
うなつちや
台
(
だい
)
なしだ、
097
此
(
この
)
鼻
(
はな
)
は
薩張
(
さつぱ
)
り
常世城
(
とこよじやう
)
の
鷹取別
(
たかとりわけ
)
ぢやないがベシヤベシヤだ』
098
女
『ホヽヽヽヽ、
099
此鼻
(
このはな
)
々々
(
このはな
)
、
100
不細工屋
(
ぶさいくや
)
姫
(
ひめ
)
の
低国別
(
ひくくにわけ
)
サン、
101
合点
(
がてん
)
がゆきましたか』
102
高国別
『オヽヽ、
103
いつたいつた、
104
いやもう、
105
ずんと
合点
(
がてん
)
がいつた
哩
(
わい
)
』
106
女
『ソンナラ
当
(
あ
)
てて
御覧
(
ごらん
)
』
107
高国別
『マアマア
矢
(
や
)
つ
張
(
ぱり
)
女
(
をんな
)
ぢや。
108
怪体
(
けつたい
)
な
訳
(
わけ
)
の
分
(
わか
)
らぬ
女神
(
めがみ
)
だな』
109
女
『
妾
(
わたし
)
のネームは
何
(
なん
)
と
申
(
まを
)
しますか』
110
高国別
『サア
何
(
なん
)
と
申
(
まを
)
して
好
(
よ
)
いやら、
111
一向
(
いつかう
)
合点
(
がてん
)
がゆかぬ、
112
大方
(
おほかた
)
お
前
(
まへ
)
サンはジユピターの
神
(
かみ
)
であらう』
113
女
(
をんな
)
は
首
(
くび
)
を
左右
(
さいう
)
に
振
(
ふ
)
り、
114
女
『
違
(
ちが
)
う
違
(
ちが
)
う』
115
高国別
『ソンナラ、
116
ジユピターの
神
(
かみ
)
のシスターだらう』
117
女
『
違
(
ちが
)
う
違
(
ちが
)
う』
118
高国別
『アポロの
女神
(
めがみ
)
か、
119
アテーナの
女神
(
めがみ
)
か、
120
あてなア、
121
合点
(
がてん
)
の
往
(
ゆ
)
かぬ
事
(
こと
)
だ』
122
女
『お
前
(
まへ
)
も
余
(
よ
)
つ
程
(
ぽど
)
アポーロ(
阿呆
(
あほう
)
)の
男神
(
をがみ
)
だよ、
123
オホヽヽヽ』
124
高国別
『アヽ
斯
(
こ
)
うなると
天下
(
てんか
)
の
審神者
(
さには
)
は
並
(
なみ
)
や
大抵
(
たいてい
)
では
無
(
な
)
い
哩
(
わい
)
』
125
女
『さうさ、
126
俄
(
にはか
)
信心
(
しんじん
)
の
俄
(
にはか
)
審神者
(
さには
)
では
此
(
この
)
女神
(
めがみ
)
の
正体
(
しやうたい
)
は
分
(
わか
)
りますまい』
127
と
鼻
(
はな
)
をチヨンと
抑
(
おさ
)
へて
見
(
み
)
せた。
128
高国別
(
たかくにわけ
)
は
忽
(
たちま
)
ち
大地
(
だいち
)
に
平伏
(
へいふく
)
し、
129
高国別
『
之
(
これ
)
は
之
(
これ
)
は
御
(
ご
)
無礼
(
ぶれい
)
を
致
(
いた
)
しました。
130
いやもう
梅花
(
ばいくわ
)
の
春陽
(
しゆんやう
)
に
会
(
あ
)
うて
一度
(
いちど
)
にパツと
開
(
ひら
)
く
如
(
ごと
)
く
爛漫
(
らんまん
)
たる
桜花
(
おうくわ
)
の
如
(
ごと
)
く
心
(
こころ
)
の
暗
(
やみ
)
は
開
(
ひら
)
けました。
131
貴神
(
あなた
)
は
天教山
(
てんけうざん
)
に
坐
(
ま
)
します
木花姫
(
このはなひめ
)
の
命
(
みこと
)
様
(
さま
)
』
132
と
両手
(
りやうて
)
を
合
(
あは
)
せて
拝跪
(
はいき
)
する。
133
忽
(
たちま
)
ち
空中
(
くうちう
)
に
微妙
(
びめう
)
の
音楽
(
おんがく
)
聞
(
きこ
)
え、
134
馥郁
(
ふくいく
)
たる
梅花
(
ばいくわ
)
の
香
(
にほひ
)
、
135
鼻
(
はな
)
に
迫
(
せま
)
るよと
見
(
み
)
る
間
(
ま
)
に
如何
(
いかが
)
はしけむ、
136
女神
(
めがみ
)
の
姿
(
すがた
)
は
煙
(
けぶり
)
と
消
(
き
)
えて、
137
野路
(
のぢ
)
を
吹
(
ふ
)
き
渡
(
わた
)
る
風
(
かぜ
)
に
雪
(
ゆき
)
さへ
交
(
まじ
)
つてちらつき
初
(
はじ
)
めた。
138
此
(
この
)
時
(
とき
)
捩鉢巻
(
ねじはちまき
)
、
139
襷
(
たすき
)
十文字
(
じふもんじ
)
に
綾
(
あや
)
どり、
140
息
(
いき
)
せききつて
此
(
この
)
場
(
ば
)
に
現
(
あら
)
はれた
一人
(
ひとり
)
の
男
(
をとこ
)
、
141
大地
(
だいち
)
にピタリと
頭
(
かしら
)
を
下
(
さ
)
げ、
142
男
『もうしもうし、
143
高国別
(
たかくにわけ
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
、
144
カナンの
家
(
うち
)
に
御
(
ご
)
逗留
(
とうりう
)
遊
(
あそ
)
ばす
立派
(
りつぱ
)
なお
方
(
かた
)
から、
145
大事変
(
だいじへん
)
が
突発
(
とつぱつ
)
したから
貴神
(
あなた
)
様
(
さま
)
を
呼
(
よ
)
んで
来
(
こ
)
いと
仰
(
あふ
)
せられました。
146
サア
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
私
(
わたし
)
の
後
(
あと
)
についてお
帰
(
かへ
)
り
下
(
くだ
)
さいませ。
147
タヽヽ
大変
(
たいへん
)
な
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
ました』
148
高国別
『ナニ、
149
須佐之男
(
すさのを
)
之
(
の
)
尊
(
みこと
)
様
(
さま
)
が
某
(
それがし
)
に
帰
(
かへ
)
れと
仰有
(
おつしや
)
つたか、
150
はて、
151
合点
(
がてん
)
の
往
(
ゆ
)
かぬ
事
(
こと
)
だワイ』
152
と
双手
(
もろて
)
を
組
(
く
)
んで
小丘
(
こをか
)
の
上
(
うへ
)
に
端坐
(
たんざ
)
した
儘
(
まま
)
考
(
かんが
)
へ
込
(
こ
)
んで
居
(
ゐ
)
る。
153
地底
(
ちてい
)
よりは
何者
(
なにもの
)
の
声
(
こゑ
)
とも
知
(
し
)
らぬ、
154
怒鳴り声
『ヤアヤア、
155
高国別
(
たかくにわけ
)
、
156
何
(
なに
)
を
愚図
(
ぐづ
)
々々
(
ぐづ
)
致
(
いた
)
して
居
(
ゐ
)
る、
157
早
(
はや
)
く
地底
(
ちてい
)
の
岩窟
(
がんくつ
)
へ
這入
(
はい
)
つて
来
(
こ
)
ないか、
158
岩窟内
(
がんくつない
)
には
大惨事
(
だいさんじ
)
が
突発
(
とつぱつ
)
致
(
いた
)
して
居
(
ゐ
)
るぞ。
159
人
(
ひと
)
を
救
(
すく
)
ふは
宣伝使
(
せんでんし
)
の
役
(
やく
)
だ、
160
数十
(
すうじふ
)
人
(
にん
)
の
生霊
(
いきりやう
)
をみすみす
見殺
(
みごろ
)
しに
致
(
いた
)
すか』
161
と
呶鳴
(
どな
)
り
声
(
ごゑ
)
が
聞
(
きこ
)
えて
来
(
き
)
た。
162
男
(
をとこ
)
は、
163
男
『もしもし
高国別
(
たかくにわけ
)
サン、
164
大神
(
おほかみ
)
の
御
(
ご
)
命令
(
めいれい
)
で
御座
(
ござ
)
います、
165
サアサア
早
(
はや
)
く
御
(
お
)
越
(
こ
)
し
下
(
くだ
)
さいませ。
166
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
ご
)
命令
(
めいれい
)
には
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
立帰
(
たちかへ
)
れ、
167
愚図
(
ぐづ
)
々々
(
ぐづ
)
致
(
いた
)
さば
主従
(
しゆじゆう
)
の
縁
(
えん
)
をきるとの
厳
(
きび
)
しき
御
(
おん
)
仰
(
あふ
)
せ、
168
サア
早
(
はや
)
くお
越
(
こ
)
し
下
(
くだ
)
さい』
169
地底
(
ちてい
)
の
岩窟
(
がんくつ
)
より、
170
声
『ヤア
高国別
(
たかくにわけ
)
、
171
汝
(
なんぢ
)
は
数十
(
すうじふ
)
人
(
にん
)
の
生霊
(
せいれい
)
を
見殺
(
みごろ
)
しに
致
(
いた
)
す
所存
(
しよぞん
)
か、
172
宣伝使
(
せんでんし
)
の
天職
(
てんしよく
)
を
何
(
なん
)
と
心得
(
こころえ
)
て
居
(
ゐ
)
る。
173
九死
(
きうし
)
一生
(
いつしやう
)
の
場合
(
ばあひ
)
だ、
174
一刻
(
いつこく
)
も
早
(
はや
)
く
岩窟
(
がんくつ
)
に
侵入
(
しんにふ
)
して
人命
(
じんめい
)
を
救
(
すく
)
へ』
175
男
『もしもし
何卒
(
どうぞ
)
早
(
はや
)
くお
帰
(
かへ
)
り
下
(
くだ
)
さい、
176
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
の
一大事
(
いちだいじ
)
』
177
高国別
『
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
の
一大事
(
いちだいじ
)
とは
如何
(
いか
)
なる
事
(
こと
)
が
突発
(
とつぱつ
)
いたしたか、
178
詳細
(
まつぶさ
)
に
物語
(
ものがた
)
れよ』
179
男
(
をとこ
)
は、
180
男
『
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
には
数百
(
すうひやく
)
人
(
にん
)
のウラナイ
教
(
けう
)
の
魔神
(
まがみ
)
に
十重
(
とへ
)
二十重
(
はたへ
)
に
取囲
(
とりかこ
)
まれ、
181
衆寡
(
しうくわ
)
敵
(
てき
)
せず
御
(
ご
)
身辺
(
しんぺん
)
刻々
(
こくこく
)
に
危機
(
きき
)
に
瀕
(
ひん
)
し
給
(
たま
)
ふ。
182
早
(
はや
)
く
早
(
はや
)
くお
帰
(
かへ
)
り
遊
(
あそ
)
ばせ、
183
時
(
とき
)
遅
(
おく
)
れては
一大事
(
いちだいじ
)
、
184
必
(
かなら
)
ず
必
(
かなら
)
ず
躊躇
(
ちうちよ
)
逡巡
(
しゆんじゆん
)
して
呑臍
(
どんぜい
)
の
悔
(
くい
)
を
貽
(
のこ
)
し
給
(
たま
)
ふな』
185
地底
(
ちてい
)
の
岩窟
(
がんくつ
)
より、
186
声
『ヤアヤア
高国別
(
たかくにわけ
)
、
187
数十
(
すうじふ
)
人
(
にん
)
の
生霊
(
いきりやう
)
を
見殺
(
みごろ
)
しに
致
(
いた
)
す
所存
(
しよぞん
)
か、
188
疾
(
と
)
く
来
(
きた
)
りて
可憐
(
かれん
)
なる
彼
(
かれ
)
等
(
ら
)
の
生命
(
いのち
)
を
救
(
すく
)
へ』
189
と
両方
(
りやうはう
)
より
絞木
(
しめぎ
)
にかかつた
高国別
(
たかくにわけ
)
はホツと
一息
(
ひといき
)
、
190
兎
(
と
)
やせん
斯
(
か
)
くや
詮術
(
せんすべ
)
もなくなく
涙
(
なみだ
)
に
暮
(
く
)
れて
居
(
ゐ
)
る。
191
忠
(
ちう
)
と
仁
(
じん
)
との
板挟
(
いたばさ
)
みになつた
高国別
(
たかくにわけ
)
は
忠
(
ちう
)
ならむとすれば
仁
(
じん
)
ならず、
192
仁
(
じん
)
ならむとすれば
忠
(
ちう
)
ならず、
193
心
(
こころ
)
は
宙
(
ちう
)
に
岡
(
をか
)
の
上
(
うへ
)
、
194
双手
(
もろて
)
を
組
(
く
)
んで
深
(
ふか
)
き
思案
(
しあん
)
に
沈
(
しづ
)
み
居
(
ゐ
)
る。
195
地底
(
ちてい
)
の
岩窟
(
がんくつ
)
よりは
阿鼻
(
あび
)
叫喚
(
けうくわん
)
の
声
(
こゑ
)
、
196
益々
(
ますます
)
烈
(
はげ
)
しく
手
(
て
)
にとる
如
(
ごと
)
く
耳朶
(
じだ
)
をうつた。
197
高国別
『アヽ
如何
(
いか
)
にせむ、
198
彼方
(
あちら
)
たてれば
此方
(
こちら
)
がたたぬ、
199
此方
(
こちら
)
たてれば
彼方
(
あちら
)
がたたぬ、
200
両方
(
りやうはう
)
たつれば
身
(
み
)
がたたぬ』
201
と
両刃
(
もろは
)
の
剣
(
けん
)
を
執
(
と
)
るより
早
(
はや
)
く
両肌
(
もろはだ
)
を
脱
(
ぬ
)
いで、
202
左
(
ひだり
)
の
脇腹
(
わきばら
)
にグツと
突
(
つ
)
き
立
(
た
)
てむとする
折
(
をり
)
しもあれ、
203
忽然
(
こつぜん
)
として
此
(
この
)
場
(
ば
)
に
現
(
あら
)
はれたる
以前
(
いぜん
)
の
女神
(
めがみ
)
、
204
忽
(
たちま
)
ち
高国別
(
たかくにわけ
)
が
右手
(
みぎて
)
をグツト
抑
(
おさ
)
へて
動
(
うご
)
かさず。
205
高国別
(
たかくにわけ
)
は
身
(
み
)
を
藻掻
(
もが
)
き
手
(
て
)
を
振
(
ふ
)
り
放
(
はな
)
ち、
206
又
(
また
)
もや
両刃
(
もろは
)
の
剣
(
つるぎ
)
を
我
(
わが
)
脇腹
(
わきばら
)
に
突
(
つ
)
き
立
(
た
)
てむとする
折
(
をり
)
しも、
207
以前
(
いぜん
)
の
女神
(
めがみ
)
は
飛鳥
(
ひてう
)
の
如
(
ごと
)
く
飛
(
と
)
びかかり、
208
両刃
(
もろは
)
の
剣
(
つるぎ
)
を
手早
(
てばや
)
くもぎ
取
(
と
)
り
声
(
こゑ
)
厳
(
おごそ
)
かに、
209
女神
『
汝
(
なんぢ
)
は
忠
(
ちう
)
と
仁
(
じん
)
との
分水嶺
(
ぶんすゐれい
)
に
立
(
た
)
ち
其
(
その
)
去就
(
きよしう
)
に
迷
(
まよ
)
ひ、
210
今
(
いま
)
や
自
(
みづか
)
ら
身
(
み
)
を
殺
(
ころ
)
さむとせしは
不覚
(
ふかく
)
の
至
(
いた
)
りなり、
211
先
(
ま
)
づ
先
(
ま
)
づ
心
(
こころ
)
を
落付
(
おちつ
)
けよ。
212
神
(
かむ
)
須佐之男
(
すさのを
)
の
大神
(
おほかみ
)
は
御
(
ご
)
安泰
(
あんたい
)
に
坐
(
ま
)
しますぞ、
213
汝
(
なんぢ
)
が
真心
(
まごころ
)
を
試
(
ため
)
さむ
為
(
た
)
め、
214
木花姫
(
このはなひめ
)
之
(
の
)
命
(
みこと
)
身
(
み
)
を
変
(
へん
)
じて
迎
(
むか
)
への
男
(
をとこ
)
となり、
215
所存
(
しよぞん
)
の
臍
(
ほぞ
)
を
固
(
かた
)
めしめむとなしたる
神業
(
かむわざ
)
なり。
216
須佐之男
(
すさのをの
)
尊
(
みこと
)
は
神変
(
しんぺん
)
不思議
(
ふしぎ
)
の
神力
(
しんりき
)
在
(
おは
)
しませば
心慮
(
しんりよ
)
を
煩
(
わづら
)
はすに
及
(
およ
)
ばず、
217
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
地底
(
ちてい
)
の
岩窟
(
がんくつ
)
に
落
(
お
)
ちて、
218
魔神
(
まがみ
)
に
悩
(
なや
)
まされつつある
数多
(
あまた
)
の
生霊
(
せいれい
)
を
救
(
すく
)
へ』
219
と
言葉
(
ことば
)
終
(
をは
)
ると
共
(
とも
)
に
女神
(
めがみ
)
の
姿
(
すがた
)
も
男
(
をとこ
)
の
影
(
かげ
)
も
煙
(
けぶり
)
の
如
(
ごと
)
く
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せた。
220
高国別
(
たかくにわけ
)
は
地底
(
ちてい
)
の
岩窟
(
がんくつ
)
目蒐
(
めが
)
けて
身
(
み
)
を
躍
(
をど
)
らしヒラリと
飛
(
と
)
び
込
(
こ
)
んだ。
221
岩窟
(
がんくつ
)
は
意外
(
いぐわい
)
に
広
(
ひろ
)
く
幾十丁
(
いくじつちやう
)
ともなく
前方
(
ぜんぱう
)
に
開展
(
かいてん
)
して
居
(
ゐ
)
る。
222
高国別
(
たかくにわけ
)
は
足
(
あし
)
を
速
(
はや
)
め
神歌
(
しんか
)
を
歌
(
うた
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
先
(
さき
)
へ
先
(
さき
)
へと
進
(
すす
)
んで
行
(
ゆ
)
く。
223
(
大正一一・四・三
旧三・七
北村隆光
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PTC2 出口王仁三郎の霊界物語で透見する世界現象 T之巻
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