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第66巻(巳の巻)
第67巻(午の巻)
第68巻(未の巻)
第69巻(申の巻)
第70巻(酉の巻)
第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
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第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
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第15巻(寅の巻)
序
凡例
総説歌
第1篇 正邪奮戦
01 破羅門
〔568〕
02 途上の変
〔569〕
03 十六花
〔570〕
04 神の栄光
〔571〕
05 五天狗
〔572〕
06 北山川
〔573〕
07 釣瓶攻
〔574〕
08 ウラナイ教
〔575〕
09 薯蕷汁
〔576〕
10 神楽舞
〔577〕
第2篇 古事記言霊解
11 大蛇退治の段
〔578〕
第3篇 神山霊水
12 一人旅
〔579〕
13 神女出現
〔580〕
14 奇の岩窟
〔581〕
15 山の神
〔582〕
16 水上の影
〔583〕
17 窟の酒宴
〔584〕
18 婆々勇
〔585〕
第4篇 神行霊歩
19 第一天国
〔586〕
20 五十世紀
〔587〕
21 帰顕
〔588〕
22 和と戦
〔589〕
23 八日の月
〔590〕
跋文
余白歌
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第二一章
帰顕
(
きけん
)
〔五八八〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第15巻 如意宝珠 寅の巻
篇:
第4篇 神行霊歩
よみ(新仮名遣い):
しんこうれいほ
章:
第21章 帰顕
よみ(新仮名遣い):
きけん
通し章番号:
588
口述日:
口述場所:
筆録者:
外山豊二
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年12月5日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
一行は、金砂、銀砂、真珠を敷き詰めた清庭を進んで行くと、黄錦の制服を着た神人が迎え出た。それは言依別命であった。言依別命は一行を宮殿の奥へ招きいれ、国祖・国治立命に面会した。
次に、神素盞嗚命に面会した。神素盞嗚命は、言依別命ら一行四人は、聖地の有様を観覧してから現界に復帰し、使命を果たした後に再び高天原に帰り来るように、と神命を申し渡した。
その後、一行は松彦の案内で聖地の様子を見聞した後、松彦から与えられた四つの金色の翼を着けると、気がつけば河鹿峠の谷底に倒れていた。馬は辺りで草を食んでいる。
一行は高天原の様子を見せてもらったご神恩に感謝し、天津祝詞を奏上すると、馬に乗って山中を進んでいった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2021-01-21 16:33:09
OBC :
rm1521
愛善世界社版:
266頁
八幡書店版:
第3輯 378頁
修補版:
校定版:
264頁
普及版:
122頁
初版:
ページ備考:
001
松彦
(
まつひこ
)
一行
(
いつかう
)
は
金砂
(
きんさ
)
、
002
銀砂
(
ぎんさ
)
、
003
真珠
(
しんじゆ
)
を
一面
(
いちめん
)
に
敷
(
し
)
きつめたる
清庭
(
すがには
)
を
進
(
すす
)
む
折
(
をり
)
しも、
004
二三
(
にさん
)
の
従者
(
じゆうしや
)
を
伴
(
とも
)
なひ、
005
黄錦
(
わうきん
)
の
制服
(
せいふく
)
を
着
(
ちやく
)
したる
顔色
(
がんしよく
)
美
(
うる
)
はしく、
006
姿
(
すがた
)
何処
(
どこ
)
となく
優美
(
いうび
)
高尚
(
かうしやう
)
なる
神人
(
しんじん
)
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
り、
007
莞爾
(
くわんじ
)
として
松彦
(
まつひこ
)
に
向
(
むか
)
ひ、
008
神人
『
松彦
(
まつひこ
)
殿
(
どの
)
、
009
御
(
ご
)
苦労
(
くらう
)
なりしよ。
010
先
(
ま
)
づ
先
(
ま
)
づ
奥
(
おく
)
にて
休息
(
きうそく
)
あれ。
011
オー
玉彦
(
たまひこ
)
、
012
厳彦
(
いづひこ
)
、
013
楠彦
(
くすひこ
)
殿
(
どの
)
よくマア
御
(
お
)
出
(
い
)
で
下
(
くだ
)
さいました』
014
三柱
(
みはしら
)
は
此
(
この
)
声
(
こゑ
)
の
何
(
なん
)
とも
言
(
い
)
ひ
得
(
え
)
ぬ
温味
(
あたたかみ
)
あるにフト
顔
(
かほ
)
を
上
(
あ
)
ぐれば、
015
河
(
かは
)
の
辺
(
ほとり
)
にて
別
(
わか
)
れたる
言依別
(
ことよりわけ
)
の
命
(
みこと
)
なりける。
016
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
驚
(
おどろ
)
き
乍
(
なが
)
ら、
017
三人
『ヤア
貴神
(
あなた
)
は
言依別
(
ことよりわけの
)
命
(
みこと
)
様
(
さま
)
』
018
と
言
(
い
)
つたきり、
019
嬉
(
うれ
)
し
涙
(
なみだ
)
をハラハラと
流
(
なが
)
してゐる。
020
言依別
(
ことよりわけの
)
命
(
みこと
)
は、
021
言依別
『
御
(
ご
)
一同
(
いちどう
)
此方
(
こちら
)
へ
御
(
お
)
出
(
い
)
でなされ』
022
と
先
(
さき
)
に
立
(
た
)
ちて
歩
(
あゆ
)
み、
023
緩
(
ゆる
)
やかに
美
(
うる
)
はしき
宮殿
(
きうでん
)
の
階段
(
かいだん
)
を
上
(
のぼ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
024
一行
(
いつかう
)
は
恐
(
おそ
)
る
恐
(
おそ
)
る
後
(
あと
)
に
続
(
つづ
)
く。
025
美
(
うる
)
はしき
桧造
(
ひのきづく
)
りの
宮殿
(
きうでん
)
の
真中央
(
まんなか
)
に、
026
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
据
(
す
)
ゑられた。
027
言依別
(
ことよりわけの
)
命
(
みこと
)
は
数多
(
あまた
)
の
美
(
うる
)
はしき
男女
(
だんぢよ
)
の
侍神
(
じしん
)
に
命
(
めい
)
じ、
028
玉杯
(
たまもひ
)
に
酒
(
さけ
)
を
盛
(
も
)
り、
029
珍
(
めづ
)
らしき
果物
(
このみ
)
を
添
(
そ
)
へて
差出
(
さしだ
)
し
勧
(
すす
)
むる。
030
一同
(
いちどう
)
は
意外
(
いぐわい
)
の
待遇
(
たいぐう
)
に
狂喜
(
きやうき
)
し、
031
身
(
み
)
の
措
(
を
)
き
所
(
どころ
)
も
知
(
し
)
らず、
032
何
(
なん
)
となく
心
(
こころ
)
いそいそとして
落着
(
おちつ
)
きかねし
風情
(
ふぜい
)
なり。
033
寸時
(
しばらく
)
休憩
(
きうけい
)
の
後
(
のち
)
、
034
言依別
(
ことよりわけの
)
命
(
みこと
)
は
三
(
さん
)
人
(
にん
)
を
伴
(
ともな
)
ひ、
035
木
(
き
)
の
香
(
か
)
薫
(
かほ
)
れる
美
(
うる
)
はしき
廊下
(
らうか
)
を
伝
(
つた
)
ひて、
036
奥
(
おく
)
へ
奥
(
おく
)
へと
伴
(
ともな
)
ひ
行
(
ゆ
)
く。
037
言依別
(
ことよりわけ
)
は
拍手
(
はくしゆ
)
を
終
(
をは
)
り、
038
神言
(
かみごと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
するや
錦
(
にしき
)
の
帳
(
とばり
)
をサツト
押開
(
おしひら
)
け
入
(
い
)
り
来
(
きた
)
る
白髪
(
はくはつ
)
の
老神
(
らうしん
)
、
039
莞爾
(
くわんじ
)
として
一同
(
いちどう
)
の
前
(
まへ
)
に
現
(
あら
)
はれ
給
(
たま
)
ひ、
040
老神(国祖)
『
汝
(
なんぢ
)
言依別
(
ことよりわけの
)
命
(
みこと
)
以下
(
いか
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
神司
(
かむつかさ
)
、
041
よくも
参
(
まゐ
)
りしよな。
042
汝
(
なんぢ
)
は
此
(
こ
)
の
高天原
(
たかあまはら
)
の
荘厳
(
さうごん
)
を
胸底
(
きようてい
)
深
(
ふか
)
く
畳込
(
たたみこ
)
み、
043
聖地
(
せいち
)
の
状況
(
じやうきやう
)
を
十分
(
じふぶん
)
に
視察
(
しさつ
)
し、
044
数日
(
すうじつ
)
此処
(
ここ
)
に
滞留
(
たいりう
)
して
聖地
(
せいち
)
の
空気
(
くうき
)
を
吸
(
す
)
ひ
身魂
(
みたま
)
を
清
(
きよ
)
め、
045
復
(
ふたた
)
び
現界
(
げんかい
)
に
現
(
あら
)
はれ、
046
汝
(
なんぢ
)
が
残
(
のこ
)
りの
使命
(
しめい
)
を
果
(
はた
)
し、
047
然
(
しか
)
して
後
(
のち
)
改
(
あらた
)
めて
此処
(
ここ
)
へ
帰
(
かへ
)
り
来
(
こ
)
られよ。
048
われこそは
国祖
(
こくそ
)
国治立
(
くにはるたちの
)
命
(
みこと
)
なるぞ』
049
と
儼
(
げん
)
として
犯
(
をか
)
すべからざる
威容
(
ゐよう
)
に
笑
(
ゑみ
)
を
湛
(
たた
)
へ、
050
軽
(
かる
)
く
一礼
(
いちれい
)
して
奥殿
(
おくでん
)
に
入
(
い
)
らせ
給
(
たま
)
うた。
051
言依別
(
ことよりわけ
)
以下
(
いか
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は、
052
嬉
(
うれ
)
しさに
胸
(
むね
)
塞
(
せま
)
り、
053
何
(
なん
)
の
応答
(
いらへ
)
も
なく
ばかり、
054
嬉
(
うれ
)
し
涙
(
なみだ
)
に
時
(
とき
)
の
移
(
うつ
)
るをも
知
(
し
)
らず
俯向
(
うつむ
)
きゐる。
055
又
(
また
)
もや
威厳
(
ゐげん
)
の
中
(
なか
)
に
温情
(
おんじやう
)
の
籠
(
こも
)
れる
声
(
こゑ
)
にて、
056
神素盞嗚大神
『
汝
(
なんぢ
)
言依別
(
ことよりわけの
)
命
(
みこと
)
並
(
ならび
)
に
玉彦
(
たまひこの
)
命
(
みこと
)
、
057
厳彦
(
いづひこの
)
命
(
みこと
)
、
058
楠彦
(
くすひこの
)
命
(
みこと
)
、
059
汝
(
なんぢ
)
が
至誠
(
しせい
)
は
地
(
ち
)
の
高天原
(
たかあまはら
)
に
通
(
つう
)
じたり。
060
悠々
(
いういう
)
聖地
(
せいち
)
の
状況
(
じやうきやう
)
を
観覧
(
くわんらん
)
し、
061
復
(
ふたた
)
び
現界
(
げんかい
)
に
復帰
(
ふくき
)
して
汝
(
なんぢ
)
が
使命
(
しめい
)
を
果
(
はた
)
せし
上
(
うへ
)
、
062
改
(
あらた
)
めて
此処
(
ここ
)
に
帰
(
かへ
)
り
来
(
きた
)
れ。
063
われこそは
豊国姫
(
とよくにひめの
)
神
(
かみ
)
の
分霊
(
わけみたま
)
否
(
いな
)
伊都能売
(
いづのめ
)
の
身魂
(
みたま
)
、
064
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのを
)
なるぞ』
065
と
声
(
こゑ
)
も
涼
(
すず
)
しく
宣
(
の
)
らせ
給
(
たま
)
へば、
066
一同
(
いちどう
)
は
思
(
おも
)
はず、
067
ハツと
頭
(
かしら
)
を
擡
(
もた
)
げ
御
(
お
)
顔
(
かほ
)
を
眺
(
なが
)
むれば、
068
三五
(
さんご
)
の
月
(
つき
)
の
御
(
おん
)
顔色
(
かんばせ
)
譬
(
たと
)
ふるに
物
(
もの
)
無
(
な
)
き
気高
(
けだか
)
さに、
069
又
(
また
)
もやハツと
頭
(
かしら
)
を
下
(
さ
)
ぐる
其
(
そ
)
の
刹那
(
せつな
)
、
070
微妙
(
びめう
)
の
言葉
(
ことば
)
につれて
徐々
(
しづしづ
)
と
奥殿
(
おくでん
)
に
入
(
い
)
らせ
給
(
たま
)
ふ
後姿
(
うしろすがた
)
を
遥
(
はるか
)
に
拝
(
はい
)
し
奉
(
たてまつ
)
り、
071
又
(
また
)
もや
恭敬
(
きようけい
)
礼拝
(
れいはい
)
感謝
(
かんしや
)
の
涙
(
なみだ
)
に
咽
(
むせ
)
びつつ、
072
祝詞
(
のりと
)
の
声
(
こゑ
)
も
嬉
(
うれ
)
し
涙
(
なみだ
)
に
湿
(
しめ
)
る
許
(
ばか
)
りなりき。
073
この
時
(
とき
)
何処
(
いづこ
)
よりともなく
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
る
以前
(
いぜん
)
の
天使
(
てんし
)
松彦
(
まつひこ
)
は、
074
松彦
(
まつひこ
)
『ヤア
皆様
(
みなさま
)
、
075
結構
(
けつこう
)
でございました。
076
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
の
命
(
めい
)
に
依
(
よ
)
つて、
077
これから
神界
(
しんかい
)
の
一部
(
いちぶ
)
を
御
(
ご
)
案内
(
あんない
)
いたしませう。
078
サア
御
(
お
)
出
(
い
)
でなさいませ』
079
と
御殿
(
ごてん
)
を
下
(
さが
)
り、
080
スタスタと
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
081
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
松彦
(
まつひこ
)
の
後
(
あと
)
に
続
(
つづ
)
く。
082
松彦
(
まつひこ
)
は
十重
(
とへ
)
の
高楼
(
たかどの
)
に
四
(
よ
)
人
(
にん
)
を
導
(
みちび
)
き、
083
四方
(
よも
)
の
風景
(
ふうけい
)
を
指
(
ゆび
)
さして
一々
(
いちいち
)
説明
(
せつめい
)
を
与
(
あた
)
ふる。
084
金銀
(
きんぎん
)
の
波
(
なみ
)
を
湛
(
たた
)
へたる
湖
(
みづうみ
)
は
四方
(
しはう
)
を
囲
(
かこ
)
み、
085
金銀
(
きんぎん
)
の
帆
(
ほ
)
を
張
(
は
)
りたる
五色
(
ごしき
)
の
船
(
ふね
)
は、
086
右往
(
うわう
)
左往
(
さわう
)
に
往来
(
わうらい
)
しつつありき。
087
遥
(
はるか
)
の
彼方
(
かなた
)
に
浮
(
う
)
かべる
如
(
ごと
)
く
見
(
み
)
ゆる
松
(
まつ
)
生茂
(
おひしげ
)
る
一
(
ひと
)
つの
島
(
しま
)
を
示
(
しめ
)
し、
088
松彦
(
まつひこ
)
は、
089
松彦
『
彼
(
か
)
の
島
(
しま
)
は
三十八万
(
さんじふはちまん
)
年
(
ねん
)
の
昔
(
むかし
)
、
090
顕恩郷
(
けんおんきやう
)
と
称
(
とな
)
へて
南天王
(
なんてんわう
)
の
守
(
まも
)
り
給
(
たま
)
ひし
楽園
(
らくゑん
)
でありました。
091
大地
(
だいち
)
の
傾斜
(
けいしや
)
旧
(
もと
)
に
復
(
ふく
)
してより、
092
今
(
いま
)
は
御覧
(
ごらん
)
の
如
(
ごと
)
く
低地
(
ていち
)
は
残
(
のこ
)
らず
湖水
(
こすゐ
)
となり、
093
唯
(
ただ
)
高山
(
かうざん
)
の
頂
(
いただ
)
きのみ
頭
(
あたま
)
を
現
(
あら
)
はし、
094
今
(
いま
)
は
国治立
(
くにはるたちの
)
大神
(
おほかみ
)
の
御
(
お
)
安息
(
やすみ
)
場所
(
ばしよ
)
となりました。
095
彼
(
あ
)
のきらきらと
輝
(
かがや
)
く
光
(
ひかり
)
は、
096
十曜
(
とえう
)
の
神紋
(
しんもん
)
でございます』
097
言依別
(
ことよりわけ
)
『
三十八万
(
さんじふはちまん
)
年
(
ねん
)
とは、
098
それは
何時
(
いつ
)
から
計算
(
けいさん
)
しての
年数
(
ねんすう
)
でございますか』
099
松彦
(
まつひこ
)
『
素盞嗚
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
、
100
天
(
てん
)
の
高天原
(
たかあまはら
)
を
神退
(
かむやら
)
ひに
退
(
やら
)
はれ
給
(
たま
)
ひし
日
(
ひ
)
より
計算
(
けいさん
)
しての
年数
(
ねんすう
)
でございます』
101
言依別
(
ことよりわけ
)
『アア
然
(
しか
)
らば
最早
(
もはや
)
数十万
(
すふじふまん
)
年
(
ねん
)
の
年月
(
ねんげつ
)
を
経
(
へ
)
たるか。
102
はて
不思議
(
ふしぎ
)
千万
(
せんばん
)
、
103
合点
(
がてん
)
の
行
(
ゆ
)
かぬことであるワイ』
104
松彦
(
まつひこ
)
『
神界
(
しんかい
)
に
時間
(
じかん
)
はありませぬ。
105
これも
現界
(
げんかい
)
より
見
(
み
)
ての
年数
(
ねんすう
)
です。
106
アレアレ
四方
(
よも
)
を
御覧
(
ごらん
)
なさいませ。
107
尊
(
みこと
)
御
(
ご
)
退隠
(
たいいん
)
時代
(
じだい
)
は、
108
彼
(
あ
)
の
波
(
なみ
)
の
漂
(
ただよ
)
ふ
辺
(
あた
)
りは
残
(
のこ
)
らず
美
(
うる
)
はしき
山
(
やま
)
でございました。
109
また
少
(
すこ
)
しく
東
(
ひがし
)
に
当
(
あた
)
つて
小
(
ちい
)
さき、
110
黒
(
くろ
)
き
影
(
かげ
)
の
見
(
み
)
えまするのは、
111
古
(
いにしへ
)
のシナイ
山
(
ざん
)
の
頂
(
いただき
)
でございます。
112
斯
(
か
)
くの
如
(
ごと
)
く
世態
(
せたい
)
は
一変
(
いつぺん
)
し、
113
陸地
(
りくち
)
は
大湖水
(
だいこすゐ
)
となり、
114
海
(
うみ
)
の
各所
(
かくしよ
)
に
新
(
あたら
)
しき
島嶼
(
たうしよ
)
が
続出
(
ぞくしゆつ
)
しました』
115
と
話
(
はな
)
す
折
(
をり
)
しも、
116
美
(
うる
)
はしき
羽翼
(
うよく
)
を
列
(
なら
)
べて
十四五
(
じふしご
)
の
鳥
(
とり
)
、
117
此
(
こ
)
の
十重
(
とへ
)
の
塔
(
たふ
)
に
翺
(
か
)
け
来
(
きた
)
り、
118
五
(
ご
)
人
(
にん
)
が
前
(
まへ
)
に
羽根
(
はね
)
を
休
(
やす
)
めける。
119
見
(
み
)
れば
鳥
(
とり
)
と
見
(
み
)
しは
見誤
(
みあやま
)
りにて、
120
羽根
(
はね
)
の
生
(
は
)
へたる
小
(
ちい
)
さき
人間
(
にんげん
)
なりき。
121
松彦
(
まつひこ
)
は
一同
(
いちどう
)
に
向
(
むか
)
ひ、
122
松彦
『
彼
(
かれ
)
は
天地
(
てんち
)
の
間
(
あひだ
)
を
往来
(
わうらい
)
し、
123
神々
(
かみがみ
)
の
御
(
お
)
言葉
(
ことば
)
を
伝
(
つた
)
ふる
使神
(
つかいがみ
)
であります。
124
地上
(
ちじやう
)
の
世界
(
せかい
)
は
炎熱
(
えんねつ
)
甚
(
はなはだ
)
しく
相
(
あひ
)
成
(
な
)
りたれば、
125
今
(
いま
)
は
罪
(
つみ
)
軽
(
かる
)
き
神人
(
しんじん
)
は
残
(
のこ
)
らず、
126
日
(
ひ
)
の
御国
(
みくに
)
に
移住
(
いぢう
)
をすることになつてゐます。
127
そのために
空中
(
くうちう
)
郵便
(
ゆうびん
)
が
開始
(
かいし
)
され、
128
つまり
彼
(
か
)
の
使
(
つかい
)
は
三十
(
さんじつ
)
世紀
(
せいき
)
の
昔
(
むかし
)
に
於
(
お
)
ける
郵便
(
ゆうびん
)
配達夫
(
はいたつふ
)
の
役
(
やく
)
を
勤
(
つと
)
むるものでございますよ。
129
日
(
ひ
)
の
御国
(
みくに
)
に
御用
(
ごよう
)
がございますれば、
130
此処
(
ここ
)
で
手紙
(
てがみ
)
を
御
(
お
)
書
(
か
)
きなさいませ。
131
この
十重
(
とへ
)
の
神殿
(
しんでん
)
は
謂
(
い
)
はば
天
(
てん
)
と
地
(
ち
)
との
文書
(
ぶんしよ
)
の
往復
(
わうふく
)
を
掌
(
つかさど
)
る
一等
(
いつとう
)
郵便局
(
ゆうびんきよく
)
のやうなものです』
132
言依別
(
ことよりわけ
)
『
吾々
(
われわれ
)
は
神代
(
かみよ
)
の
文字
(
もじ
)
は
知
(
し
)
つてゐますが、
133
今日
(
こんにち
)
の
時代
(
じだい
)
は
文字
(
もじ
)
も
大変
(
たいへん
)
異
(
かは
)
つてゐませうね』
134
松彦
(
まつひこ
)
『
昔
(
むかし
)
のやうに
今日
(
こんにち
)
の
時代
(
じだい
)
は、
135
毛筆
(
まうひつ
)
や、
136
鉛筆
(
えんぴつ
)
や、
137
万年筆
(
まんねんひつ
)
などの
必要
(
ひつえう
)
はありませぬ。
138
唯
(
ただ
)
指先
(
ゆびさき
)
を
以
(
もつ
)
て
空中
(
くうちう
)
に
七十五
(
しちじふご
)
声
(
せい
)
の
文字
(
もじ
)
を
記
(
しる
)
せば、
139
配達夫
(
はいたつふ
)
は
直
(
ただち
)
に
配達
(
はいたつ
)
して
呉
(
く
)
れますよ。
140
私
(
わたくし
)
が
一
(
ひと
)
つ
手本
(
てほん
)
を
見
(
み
)
せませう。
141
この
交通
(
かうつう
)
機関
(
きくわん
)
は
廿一
(
にじふいつ
)
世紀
(
せいき
)
の
初期
(
しよき
)
から
開始
(
かいし
)
されたのですよ』
142
と
右
(
みぎ
)
の
指
(
ゆび
)
を
以
(
もつ
)
て
空中
(
くうちう
)
に
七十五
(
しちじふご
)
声
(
せい
)
の
片仮名
(
かたかな
)
を
綴
(
つづ
)
りて、
143
一
(
ひと
)
つの
語
(
ご
)
を
作
(
つく
)
り、
144
松彦
『サア、
145
これで
手紙
(
てがみ
)
が
書
(
か
)
けました。
146
文字
(
もじ
)
が
言語
(
げんご
)
を
発
(
はつ
)
する
時代
(
じだい
)
となつて
来
(
き
)
ました』
147
と
言
(
い
)
つて
笑
(
わら
)
つてゐる。
148
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
耳
(
みみ
)
を
傾
(
かたむ
)
けて
珍
(
めづ
)
らしき
文字
(
もじ
)
の
声
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
かむと
努
(
つと
)
めける。
149
文字
(
もじ
)
の
声
(
こゑ
)
は
音楽
(
おんがく
)
の
如
(
ごと
)
く
聞
(
きこ
)
え
来
(
き
)
たりぬ。
150
其
(
そ
)
の
文面
(
ぶんめん
)
に
拠
(
よ
)
れば、
151
『
唯今
(
ただいま
)
地
(
ち
)
の
高天原
(
たかあまはら
)
に
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
を
伝
(
つた
)
ふる
言依別
(
ことよりわけの
)
命
(
みこと
)
、
152
玉彦
(
たまひこ
)
、
153
厳彦
(
いづひこ
)
、
154
楠彦
(
くすひこ
)
の
四柱
(
よはしら
)
が
御
(
お
)
出
(
い
)
でになり、
155
国治立
(
くにはるたち
)
の
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
、
156
又
(
また
)
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのを
)
の
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
に
御
(
ご
)
対面
(
たいめん
)
遊
(
あそ
)
ばされ、
157
唯今
(
ただいま
)
十重
(
とへ
)
の
高楼
(
たかどの
)
に
御
(
お
)
上
(
あ
)
がりになつて、
158
四辺
(
あたり
)
の
景色
(
けしき
)
を
眺
(
なが
)
めてゐられます。
159
天
(
てん
)
の
高天原
(
たかあまはら
)
に
於
(
おい
)
て
此
(
こ
)
の
方々
(
かたがた
)
に
対
(
たい
)
して
御用
(
ごよう
)
がございますれば、
160
直
(
すぐ
)
に
御
(
ご
)
返事
(
へんじ
)
を
下
(
くだ
)
さいませ。
161
左様
(
さやう
)
なら』
162
と
明瞭
(
はつきり
)
と
聞
(
きこ
)
えて
来
(
き
)
た。
163
使
(
つかい
)
の
神
(
かみ
)
は
空中
(
くうちう
)
の
文字
(
もじ
)
をクルクルと
巻
(
ま
)
き
乍
(
なが
)
ら、
164
羽根
(
はね
)
の
間
(
あひだ
)
にはさみ、
165
天空
(
てんくう
)
目蒐
(
めが
)
けて
電光
(
でんくわう
)
石火
(
せきくわ
)
の
如
(
ごと
)
く
飛
(
と
)
び
去
(
さ
)
りぬ。
166
松彦
(
まつひこ
)
『
今
(
いま
)
に
御
(
ご
)
返事
(
へんじ
)
が
参
(
まゐ
)
りませうよ。
167
暫
(
しばら
)
く
四辺
(
あたり
)
の
景色
(
けしき
)
を
眺
(
なが
)
めて
御
(
お
)
待
(
ま
)
ち
下
(
くだ
)
さいませ』
168
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
驚
(
おどろ
)
きて、
169
三人
『モシ
言依別
(
ことよりわけ
)
の
命
(
みこと
)
さま、
170
妙
(
めう
)
なものですなア。
171
随分
(
ずゐぶん
)
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
も
開
(
ひら
)
けました。
172
二十
(
にじつ
)
世紀
(
せいき
)
時代
(
じだい
)
の
人間
(
にんげん
)
は
文明
(
ぶんめい
)
の
極致
(
きよくち
)
に
達
(
たつ
)
したとか、
173
神界
(
しんかい
)
の
秘密
(
ひみつ
)
を
探
(
さぐ
)
つたとか、
174
時代
(
じだい
)
を
征服
(
せいふく
)
したとか
言
(
い
)
うて
居
(
ゐ
)
た
時代
(
じだい
)
もありましたが、
175
今日
(
こんにち
)
になつて
見
(
み
)
れば
実
(
じつ
)
に
幼稚
(
えうち
)
なものですな』
176
と
話
(
はな
)
しゐる。
177
此
(
この
)
時
(
とき
)
以前
(
いぜん
)
の
使
(
つかい
)
は、
178
電
(
いなづま
)
の
如
(
ごと
)
く
此
(
この
)
場
(
ば
)
に
降
(
くだ
)
り
来
(
き
)
たりぬ。
179
而
(
しか
)
して
松彦
(
まつひこ
)
に
空中
(
くうちう
)
返書
(
へんしよ
)
を
手渡
(
てわた
)
し
乍
(
なが
)
ら、
180
又
(
また
)
もや
矢
(
や
)
を
射
(
い
)
る
如
(
ごと
)
く
東天
(
とうてん
)
指
(
さ
)
して
翔
(
か
)
け
去
(
さ
)
りにける。
181
其
(
そ
)
の
文面
(
ぶんめん
)
に
曰
(
い
)
ふ。
182
『
天
(
てん
)
の
高天原
(
たかあまはら
)
より
返事
(
へんじ
)
を
致
(
いた
)
します。
183
唯今
(
ただいま
)
御
(
お
)
申越
(
まをしこ
)
しの
言依別
(
ことよりわけの
)
命
(
みこと
)
外
(
ほか
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は、
184
未
(
ま
)
だ
現界
(
げんかい
)
に
尽
(
つく
)
す
可
(
べ
)
き
神業
(
しんげふ
)
の
数多
(
あまた
)
あれば、
185
一度
(
いちど
)
現界
(
げんかい
)
へ
御
(
お
)
帰
(
かへ
)
し
下
(
くだ
)
され
度
(
た
)
し。
186
時代
(
じだい
)
は
三十五万
(
さんじふごまん
)
年
(
ねん
)
の
古
(
いにしへ
)
に
復
(
かへ
)
して、
187
河鹿
(
かじか
)
峠
(
たうげ
)
の
谷底
(
たにそこ
)
へ
帰顕
(
きけん
)
せしめられ
度
(
た
)
し。
188
右
(
みぎ
)
御
(
ご
)
返事
(
へんじ
)
申
(
まを
)
します。
189
地
(
ち
)
の
高天原
(
たかあまはら
)
の
消息
(
おとづれ
)
の
司
(
つかさ
)
松彦
(
まつひこ
)
殿
(
どの
)
』
190
と
空中
(
くうちう
)
文字
(
もじ
)
の
返書
(
へんしよ
)
が
声
(
こゑ
)
を
発
(
はつ
)
して、
191
自然
(
しぜん
)
に
物語
(
ものがた
)
りゐる。
192
玉彦
(
たまひこ
)
『アア
未来
(
みらい
)
の
世
(
よ
)
は
結構
(
けつこう
)
だナア。
193
吾々
(
われわれ
)
も
此
(
この
)
儘
(
まま
)
神界
(
しんかい
)
にゐたいものだが、
194
アーア
三十五万
(
さんじふごまん
)
年
(
ねん
)
の
未
(
ま
)
だ
苦労
(
くらう
)
を
済
(
す
)
まさねば、
195
此処
(
ここ
)
へ
来
(
く
)
ることは
出来
(
でき
)
ぬのかなア。
196
アヽ
仕方
(
しかた
)
がありませぬ、
197
左様
(
さやう
)
なら、
198
松彦
(
まつひこ
)
様
(
さま
)
、
199
これから
御
(
お
)
暇
(
いとま
)
を
致
(
いた
)
します』
200
松彦
(
まつひこ
)
は、
201
松彦
『
皆様
(
みなさま
)
、
202
暫
(
しば
)
らく
御
(
お
)
待
(
ま
)
ち
下
(
くだ
)
さいませ。
203
空中
(
くうちう
)
交通機
(
かうつうき
)
を
上
(
あ
)
げませう』
204
と
又
(
また
)
もや
指先
(
ゆびさき
)
にて
空中
(
くうちう
)
に、
205
何事
(
なにごと
)
か
記
(
しる
)
す
其
(
そ
)
の
刹那
(
せつな
)
、
206
金色
(
こんじき
)
燦然
(
さんぜん
)
たる
鳥
(
とり
)
の
翼
(
つばさ
)
の
如
(
ごと
)
きもの
四組
(
よくみ
)
、
207
何処
(
いづこ
)
ともなく
此
(
この
)
場
(
ば
)
に
降
(
くだ
)
り
来
(
き
)
たりぬ。
208
松彦
『サア
之
(
これ
)
を
御
(
お
)
着
(
つ
)
けなされ』
209
と
云
(
い
)
ふより
早
(
はや
)
く
自然
(
しぜん
)
的
(
てき
)
に
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
肩
(
かた
)
の
辺
(
あた
)
りに、
210
金色
(
こんじき
)
の
翼
(
つばさ
)
はピタリと
くいつき
たり。
211
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
一度
(
いちど
)
に、
212
四人
『アアこれは
立派
(
りつぱ
)
だナア』
213
と
羽
(
は
)
ばたきを
試
(
こころ
)
むるや、
214
身
(
み
)
は
益々
(
ますます
)
高
(
たか
)
く
空中
(
くうちう
)
に
飛
(
と
)
び
揚
(
あ
)
がり、
215
一瀉
(
いつしや
)
千里
(
せんり
)
の
勢
(
いきほひ
)
を
以
(
もつ
)
て
電波
(
でんぱ
)
よりも
早
(
はや
)
く、
216
西
(
にし
)
の
空
(
そら
)
を
目蒐
(
めが
)
けて
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
217
眼下
(
がんか
)
に
横
(
よこ
)
たはる
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
肉体
(
にくたい
)
、
218
ハツと
見下
(
みおろ
)
す
途端
(
とたん
)
に
吾
(
われ
)
に
返
(
かへ
)
り
四辺
(
あたり
)
を
見
(
み
)
れば、
219
河鹿河
(
かじかがは
)
の
谷底
(
たにそこ
)
に
倒
(
たふ
)
れ
居
(
ゐ
)
たるなり。
220
乗
(
の
)
り
来
(
き
)
し
駒
(
こま
)
は
如何
(
いか
)
にと
見
(
み
)
れば、
221
無心
(
むしん
)
の
馬
(
うま
)
は
河辺
(
かはべり
)
の
青草
(
あをくさ
)
をグイグイと
むし
りゐたりける。
222
言依別
(
ことよりわけ
)
『アア
暫
(
しばら
)
くの
間
(
あひだ
)
、
223
気
(
き
)
が
遠
(
とほ
)
くなつたと
思
(
おも
)
へば、
224
有
(
あ
)
り
難
(
がた
)
い、
225
高天原
(
たかあまはら
)
の
状況
(
じやうきやう
)
やら、
226
数十万
(
すうじふまん
)
年後
(
ねんご
)
の
世界
(
せかい
)
の
状況
(
じやうきやう
)
を
見
(
み
)
せて
貰
(
もら
)
つた。
227
これも
全
(
まつた
)
く
国治立
(
くにはるたちの
)
尊
(
みこと
)
、
228
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
尊
(
みこと
)
の
広
(
ひろ
)
き、
229
厚
(
あつ
)
き
御恵
(
みめぐ
)
みだ。
230
サア
一同
(
いちどう
)
此処
(
ここ
)
に
禊身
(
みそぎ
)
を
修
(
しう
)
し、
231
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
して、
232
潔
(
いさぎよ
)
く
大神
(
おほかみ
)
の
御
(
ご
)
隠退場
(
いんたいぢやう
)
に
参向
(
さんかう
)
致
(
いた
)
しませう』
233
と
身
(
み
)
を
浄
(
きよ
)
め、
234
口
(
くち
)
を
嗽
(
そそ
)
ぎ
拍手
(
はくしゆ
)
の
声
(
こゑ
)
勇
(
いさ
)
ましく、
235
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し
終
(
をは
)
つて
又
(
また
)
もや
駒
(
こま
)
にヒラリと
跨
(
またが
)
り、
236
天馬
(
てんば
)
空
(
くう
)
を
駆
(
か
)
ける
如
(
ごと
)
く、
237
身
(
み
)
も
軽々
(
かるがる
)
しく
坂道
(
さかみち
)
指
(
さ
)
して、
238
道
(
みち
)
なき
小柴
(
こしば
)
の
山中
(
さんちう
)
を
一目散
(
いちもくさん
)
に
上
(
のぼ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
239
(
大正一一・四・四
旧三・八
外山豊二
録)
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