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第10巻(酉の巻)
第11巻(戌の巻)
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第13巻(子の巻)
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第71巻(戌の巻)
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第75巻(寅の巻)
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第33巻(申の巻)
序歌
瑞祥
第1篇 誠心誠意
01 高論濁拙
〔916〕
02 灰猫婆
〔917〕
03 言霊停止
〔918〕
04 楽茶苦
〔919〕
第2篇 鶴亀躍動
05 神寿言
〔920〕
06 皮肉歌
〔921〕
07 心の色
〔922〕
08 春駒
〔923〕
09 言霊結
〔924〕
10 神歌
〔925〕
11 波静
〔926〕
12 袂別
〔927〕
第3篇 時節到来
13 帰途
〔928〕
14 魂の洗濯
〔929〕
15 婆論議
〔930〕
16 暗夜の歌
〔931〕
17 感謝の涙
〔932〕
18 神風清
〔933〕
第4篇 理智と愛情
19 報告祭
〔934〕
20 昔語
〔935〕
21 峯の雲
〔936〕
22 高宮姫
〔937〕
23 鉄鎚
〔938〕
24 春秋
〔939〕
25 琉の玉
〔940〕
26 若の浦
〔941〕
伊豆温泉旅行につき訪問者人名詠込歌
附記 湯ケ島所感
余白歌
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> 第2篇 鶴亀躍動 > 第8章 春駒
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第八章
春駒
(
はるこま
)
〔九二三〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第33巻 海洋万里 申の巻
篇:
第2篇 鶴亀躍動
よみ(新仮名遣い):
かくきやくどう
章:
第8章 春駒
よみ(新仮名遣い):
はるこま
通し章番号:
923
口述日:
1922(大正11)年08月26日(旧07月4日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年11月10日
概要:
舞台:
ウヅの館
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
春彦は、高姫に自転倒島から着いてきた経緯を歌い、宴席のめでたい場で国依別の過去を非難するような歌を歌った高姫を皮肉った。そして国依別と末子姫への祝いの言葉で祝歌を締めくくった。
テーリスタンは、鷹依姫のアルプス教から三五教に改心し、高姫に聖地を追い出された経緯からこれまでのことを歌い込み、また高姫への注意を交えて祝歌を歌った。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-08-12 17:58:01
OBC :
rm3308
愛善世界社版:
84頁
八幡書店版:
第6輯 285頁
修補版:
校定版:
86頁
普及版:
34頁
初版:
ページ備考:
001
春彦
(
はるひこ
)
も
立上
(
たちあが
)
り、
002
祝意
(
しゆくい
)
を
表
(
へう
)
し、
003
歌
(
うた
)
ひ
始
(
はじ
)
めたり。
004
春彦
『
高姫
(
たかひめ
)
さまのお
伴
(
とも
)
して
005
秋
津
(
あきつ
)
の
島
(
しま
)
を
春
彦
(
はるひこ
)
が
006
いと
なつ
かしき
故里
(
ふるさと
)
を
007
御霊
(
みたま
)
の
ふゆ
をかかぶりて
008
教
(
をしへ
)
を
四方
(
よも
)
に
しき
島
(
しま
)
の
009
大和
(
やまと
)
男子
(
をのこ
)
の
益良夫
(
ますらを
)
が
010
常彦
(
つねひこ
)
さまと
只
(
ただ
)
二人
(
ふたり
)
011
瀬戸
(
せと
)
の
海
(
うみ
)
をば
船出
(
ふなで
)
して
012
艪櫂
(
ろかい
)
を
漕
(
こ
)
ぎつつ
渡
(
わた
)
り
来
(
く
)
る
013
浪高姫
(
なみたかひめ
)
の
御
(
ご
)
剣幕
(
けんまく
)
014
荒
(
あら
)
き
汐路
(
しほぢ
)
を
打
(
う
)
ち
渡
(
わた
)
り
015
船
(
ふね
)
を
暗礁
(
あんせう
)
に
乗
(
の
)
り
上
(
あ
)
げて
016
高島丸
(
たかしままる
)
の
船長
(
せんちやう
)
の
017
タルチルさまに
助
(
たす
)
けられ
018
波高砂
(
なみたかさご
)
の
島
(
しま
)
の
端
(
はて
)
019
テルの
港
(
みなと
)
に
安着
(
あんちやく
)
し
020
金剛
(
こんがう
)
不壊
(
ふゑ
)
の
如意
(
によい
)
宝珠
(
ほつしゆ
)
021
其
(
その
)
他
(
た
)
の
玉
(
たま
)
の
所在
(
ありか
)
をば
022
尋
(
たづ
)
ねむものと
言依別
(
ことよりわけ
)
の
023
瑞
(
みづ
)
の
命
(
みこと
)
の
跡
(
あと
)
逐
(
お
)
うて
024
鏡
(
かがみ
)
の
池
(
いけ
)
に
立向
(
たちむか
)
ひ
025
いろいろ
雑多
(
ざつた
)
と
身
(
み
)
をこがし
026
アマゾン
河
(
がは
)
を
初
(
はじ
)
めとし
027
時雨
(
しぐれ
)
の
森
(
もり
)
のまん
中
(
なか
)
で
028
モールバンドに
出会
(
でつくは
)
し
029
震
(
ふる
)
ひ
戦
(
をのの
)
く
折柄
(
をりから
)
に
030
言依別
(
ことよりわけ
)
の
神
(
かみ
)
さまが
031
遣
(
つか
)
はし
玉
(
たま
)
ひし
神司
(
かむつかさ
)
032
四
(
よ
)
人
(
にん
)
のお
方
(
かた
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
033
大森林
(
だいしんりん
)
をくぐりぬけ
034
鰐
(
わに
)
の
架橋
(
かけはし
)
打
(
う
)
ちわたり
035
兎
(
うさぎ
)
の
都
(
みやこ
)
に
立向
(
たちむか
)
ひ
036
鷹依姫
(
たかよりひめ
)
の
一行
(
いつかう
)
と
037
帽子
(
ぼうし
)
ケ
岳
(
だけ
)
の
霊光
(
れいくわう
)
を
038
合図
(
あひづ
)
に
漸
(
やうや
)
く
登
(
のぼ
)
りつめ
039
目出度
(
めでた
)
く
此処
(
ここ
)
につきにけり
040
国依別
(
くによりわけ
)
の
神司
(
かむつかさ
)
041
末子
(
すゑこ
)
の
姫
(
ひめ
)
の
夫
(
つま
)
となり
042
偕老
(
かいらう
)
同穴
(
どうけつ
)
永久
(
とこしへ
)
に
043
妹背
(
いもせ
)
の
道
(
みち
)
を
結
(
むす
)
びます
044
其
(
その
)
事
(
こと
)
きまりて
高姫
(
たかひめ
)
は
045
身魂
(
みたま
)
が
濁
(
にご
)
つた
濁
(
にご
)
らぬと
046
自
(
みづか
)
ら
心
(
こころ
)
を
濁
(
にご
)
しつつ
047
あちら
此方
(
こちら
)
とかけ
廻
(
めぐ
)
り
048
遂
(
つい
)
には
深
(
ふか
)
き
川
(
かは
)
に
落
(
お
)
ち
049
命
(
いのち
)
を
助
(
たす
)
けて
貰
(
もら
)
ひつつ
050
突
(
つ
)
き
落
(
おと
)
したと
逆理屈
(
さかりくつ
)
051
呆
(
あき
)
れ
果
(
は
)
てたる
計
(
ばか
)
りなり
052
又
(
また
)
もや
館
(
やかた
)
にかつがれて
053
帰
(
かへ
)
つて
息
(
いき
)
を
吹返
(
ふきかへ
)
し
054
相
(
あい
)
も
変
(
かは
)
らぬ
毒々
(
どくどく
)
しい
055
憎
(
にく
)
まれ
口
(
ぐち
)
を
叩
(
たた
)
きつつ
056
カール
春彦
(
はるひこ
)
腹
(
はら
)
を
立
(
た
)
て
057
目
(
め
)
を
釣
(
つ
)
り
合
(
あ
)
うてゐたりしが
058
私
(
わたし
)
は
腹
(
はら
)
がたちまちに
059
有合
(
ありあ
)
ふ
火鉢
(
ひばち
)
を
手
(
て
)
にささげ
060
高姫
(
たかひめ
)
目
(
め
)
がけて
投
(
な
)
げつける
061
覚悟
(
かくご
)
した
時
(
とき
)
カールさま
062
待
(
ま
)
て
待
(
ま
)
て
暫
(
しば
)
し
待
(
ま
)
て
暫
(
しば
)
し
063
そんな
乱暴
(
らんばう
)
はやめておけ
064
何
(
なん
)
ぢや
彼
(
かん
)
ぢやと
引止
(
ひきと
)
める
065
火鉢
(
ひばち
)
は
忽
(
たちま
)
ち
墜落
(
つゐらく
)
し
066
そこらあたりが
灰
(
はひ
)
まぶれ
067
高姫
(
たかひめ
)
さまは
知
(
し
)
らぬ
間
(
ま
)
に
068
灰猫婆
(
はひねこば
)
さまとなりました
069
灰
(
はひ
)
にまみれた
三
(
さん
)
人
(
にん
)
が
070
ヤツサモツサの
最中
(
さいちう
)
に
071
言依別
(
ことよりわけ
)
の
神
(
かみ
)
さまが
072
表戸
(
おもてど
)
あけて
入
(
い
)
り
来
(
きた
)
り
073
いろいろ
雑多
(
ざつた
)
と
言
(
こと
)
わけて
074
諭
(
さと
)
し
玉
(
たま
)
へど
高姫
(
たかひめ
)
は
075
俄
(
にはか
)
に
唖
(
おし
)
の
真似
(
まね
)
をして
076
プリンプリンと
身
(
み
)
をまはす
077
芋葉
(
いもば
)
に
止
(
とま
)
つた
芋虫
(
いもむし
)
か
078
蚕
(
かひこ
)
の
蛹
(
さなぎ
)
の
虫
(
むし
)
のよに
079
頭
(
あたま
)
をふつたり
尻
(
しり
)
をふり
080
御
(
ご
)
機嫌
(
きげん
)
悪
(
わる
)
いお
顔付
(
かほつき
)
081
忽
(
たちま
)
ち
捨子
(
すてこ
)
の
姫
(
ひめ
)
さまの
082
館
(
やかた
)
をさして
駆出
(
かけいだ
)
す
083
こりやたまらぬと
春彦
(
はるひこ
)
は
084
カールの
司
(
つかさ
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
085
後
(
あと
)
追
(
お
)
つかけて
往
(
い
)
て
見
(
み
)
れば
086
フルナの
弁
(
べん
)
の
高姫
(
たかひめ
)
も
087
言依別
(
ことよりわけ
)
や
捨子姫
(
すてこひめ
)
088
二人
(
ふたり
)
の
御
(
お
)
方
(
かた
)
の
言霊
(
ことたま
)
に
089
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にやら
降伏
(
かうふく
)
し
090
いやいや
乍
(
なが
)
ら
承諾
(
しようだく
)
し
091
ホンに
目出
(
めで
)
たいお
目出
(
めで
)
たい
092
今宵
(
こよひ
)
は
私
(
わたし
)
も
参
(
まゐ
)
りませう
093
何
(
なに
)
かお
祝
(
いはひ
)
しませうと
094
立派
(
りつぱ
)
に
立派
(
りつぱ
)
に
言
(
い
)
はしやつた
095
何
(
なに
)
をお
祝
(
いはひ
)
なさるかと
096
固唾
(
かたづ
)
を
呑
(
の
)
んで
見
(
み
)
て
居
(
を
)
れば
097
言
(
い
)
はいでもよい
事
(
こと
)
ばかり
098
国依別
(
くによりわけ
)
のアラ
捜
(
さが
)
し
099
こんな
目出
(
めで
)
たい
宴席
(
えんせき
)
で
100
ケチをつけるも
程
(
ほど
)
がある
101
意地
(
いぢ
)
くね
悪
(
わる
)
い
婆
(
ば
)
さまぢやと
102
私
(
わたし
)
は
腹
(
はら
)
が
立
(
た
)
ちました
103
外
(
ほか
)
の
時
(
とき
)
なら
此
(
この
)
儘
(
まま
)
に
104
私
(
わたし
)
は
放
(
ほ
)
かしちやおきませぬ
105
さは
然
(
さ
)
り
乍
(
なが
)
ら
今日
(
けふ
)
の
日
(
ひ
)
は
106
誠
(
まこと
)
に
芽出
(
めで
)
たいお
日柄
(
ひがら
)
ぢや
107
喧嘩
(
けんくわ
)
をしては
済
(
す
)
まないと
108
今迄
(
いままで
)
きばつて
居
(
ゐ
)
たけれど
109
腹
(
はら
)
の
虫
(
むし
)
奴
(
め
)
が
承知
(
しようち
)
せぬ
110
実
(
じつ
)
に
呆
(
あき
)
れたお
婆
(
ば
)
アさま
111
皆
(
みな
)
さま
定
(
さだ
)
めて
高姫
(
たかひめ
)
の
112
あの
歌
(
うた
)
聞
(
き
)
いたら
腹
(
はら
)
が
立
(
た
)
たう
113
何程
(
なにほど
)
腹
(
はら
)
が
立
(
た
)
つとても
114
今宵
(
こよひ
)
ばかりは
許
(
ゆる
)
しやんせ
115
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
116
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
117
仮令
(
たとへ
)
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
118
あれ
丈
(
だけ
)
ねぢれた
魂
(
たましひ
)
が
119
どうして
元
(
もと
)
へ
帰
(
かへ
)
らうか
120
曲
(
まが
)
つた
剣
(
つるぎ
)
は
如何
(
どう
)
しても
121
元
(
もと
)
の
鞘
(
さや
)
には
納
(
をさ
)
まらぬ
122
一
(
いつ
)
ぺんあつい
火
(
ひ
)
にかけて
123
きつい
重
(
おも
)
たい
向
(
むか
)
ふ
鎚
(
づち
)
124
ドツサリ
加
(
くは
)
へて
打
(
う
)
ち
直
(
なほ
)
し
125
焼刃
(
やきば
)
を
入
(
い
)
れねば
仕方
(
しかた
)
ない
126
曲
(
まが
)
り
切
(
き
)
つたる
魂
(
たましひ
)
が
127
如何
(
どう
)
して
元
(
もと
)
へ
返
(
かへ
)
るやら
128
何程
(
なにほど
)
真直
(
ますぐ
)
な
杖
(
つゑ
)
でさへ
129
水
(
みづ
)
にひたして
眺
(
なが
)
むれば
130
必
(
かなら
)
ず
曲
(
まが
)
つて
見
(
み
)
えまする
131
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
で
132
曲
(
まが
)
つた
心
(
こころ
)
の
魂
(
たましひ
)
を
133
浸
(
ひた
)
した
所
(
ところ
)
で
如何
(
どう
)
してか
134
これが
真直
(
ますぐ
)
に
見
(
み
)
えませうか
135
これ
程
(
ほど
)
分
(
わか
)
らぬ
御
(
おん
)
方
(
かた
)
に
136
はるばる
従
(
つ
)
いて
此処
(
ここ
)
までも
137
来
(
き
)
た
春彦
(
はるひこ
)
と
思
(
おも
)
はれちや
138
誠
(
まこと
)
に
誠
(
まこと
)
に
恥
(
はづ
)
かしい
139
こんな
人
(
ひと
)
とは
知
(
し
)
らなんだ
140
呆
(
あき
)
れて
物
(
もの
)
が
言
(
い
)
へませぬ
141
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
142
直日
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
し
聞直
(
ききなほ
)
し
143
高姫
(
たかひめ
)
さまは
此
(
この
)
頃
(
ごろ
)
は
144
神経
(
しんけい
)
過敏
(
くわびん
)
のヒステリに
145
かかつて
御座
(
ござ
)
ると
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
し
146
今迄
(
いままで
)
加
(
くは
)
へた
御
(
ご
)
無礼
(
ぶれい
)
を
147
皆
(
みな
)
さま
許
(
ゆる
)
して
下
(
くだ
)
さんせ
148
お
伴
(
とも
)
についてやつて
来
(
き
)
た
149
此
(
こ
)
の
春彦
(
はるひこ
)
が
高姫
(
たかひめ
)
に
150
代
(
かは
)
つてお
詫
(
わび
)
を
致
(
いた
)
します
151
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
152
こんな
事
(
こと
)
をば
此
(
この
)
席
(
せき
)
で
153
申上
(
まをしあ
)
げるは
済
(
す
)
まないが
154
私
(
わたし
)
の
体
(
からだ
)
に
憑
(
うつ
)
つたる
155
副
(
ふく
)
守護神
(
しゆごじん
)
が
承知
(
しようち
)
せぬ
156
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
ずして
悪口
(
わるくち
)
を
157
ベラベラ
喋
(
しやべ
)
つた
此
(
こ
)
の
私
(
わたし
)
158
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
達
(
たち
)
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
159
国魂神
(
くにたまがみ
)
さま
春彦
(
はるひこ
)
の
160
此
(
この
)
過
(
あやま
)
ちを
平
(
たひら
)
けく
161
見直
(
みなほ
)
しまして
今日
(
けふ
)
だけは
162
どうぞお
赦
(
ゆる
)
しなさりませ
163
国依別
(
くによりわけ
)
の
神
(
かみ
)
さまよ
164
末子
(
すゑこ
)
の
姫
(
ひめ
)
と
睦
(
むつ
)
まじう
165
生
(
い
)
き
存
(
なが
)
らへていつ
迄
(
まで
)
も
166
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
為
(
ため
)
世
(
よ
)
の
為
(
ため
)
に
167
どうぞ
尽
(
つく
)
して
下
(
くだ
)
さんせ
168
春彦
(
はるひこ
)
ここに
真心
(
まごころ
)
を
169
こめて
御
(
お
)
願
(
ねが
)
ひ
致
(
いた
)
します
170
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
171
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませよ』
172
テーリスタンは
立上
(
たちあが
)
り、
173
歌
(
うた
)
ひ
始
(
はじ
)
めたり。
174
其
(
その
)
歌
(
うた
)
、
175
テーリスタン
『
自転倒
(
おのころ
)
島
(
じま
)
の
中心地
(
ちうしんち
)
176
高春山
(
たかはるやま
)
に
現
(
あら
)
はれし
177
鷹依姫
(
たかよりひめ
)
に
従
(
したが
)
うて
178
テーリスタンやカーリンス
179
左守
(
さもり
)
右守
(
うもり
)
の
神
(
かみ
)
となり
180
羽振
(
はぶ
)
りを
利
(
き
)
かしてゐる
所
(
ところ
)
181
高姫
(
たかひめ
)
黒姫
(
くろひめ
)
両人
(
りやうにん
)
が
182
天
(
あめ
)
の
森
(
もり
)
までやつて
来
(
き
)
て
183
茲
(
ここ
)
に
二人
(
ふたり
)
が
同志打
(
どうしうち
)
184
其
(
その
)
機
(
き
)
を
伺
(
うかが
)
ひいろいろと
185
手段
(
てだて
)
を
以
(
もつ
)
て
両人
(
りやうにん
)
を
186
岩窟
(
いはや
)
の
中
(
なか
)
へ
押込
(
おしこ
)
めて
187
金剛
(
こんがう
)
不壊
(
ふゑ
)
の
如意
(
によい
)
宝珠
(
ほつしゆ
)
188
喉
(
のど
)
から
吐
(
は
)
かそと
思
(
おも
)
ふ
間
(
うち
)
189
国依別
(
くによりわけ
)
の
一行
(
いつかう
)
が
190
ここに
現
(
あら
)
はれましまして
191
不思議
(
ふしぎ
)
の
縁
(
えん
)
で
吾々
(
われわれ
)
は
192
三五教
(
あななひけう
)
に
入信
(
にふしん
)
し
193
錦
(
にしき
)
の
宮
(
みや
)
の
側
(
そば
)
近
(
ちか
)
き
194
黒姫館
(
くろひめやかた
)
に
身
(
み
)
を
托
(
たく
)
し
195
仕
(
つか
)
へ
居
(
ゐ
)
るをり
黄金
(
わうごん
)
の
196
玉
(
たま
)
の
紛失
(
ふんしつ
)
事件
(
じけん
)
より
197
高姫
(
たかひめ
)
さまに
追
(
お
)
ひ
出
(
だ
)
され
198
カーリンスと
諸共
(
もろとも
)
に
199
大海原
(
おほうなばら
)
を
漂
(
ただよ
)
ひつ
200
鷹依姫
(
たかよりひめ
)
や
竜国別
(
たつくにわけ
)
の
201
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
に
巡
(
めぐ
)
り
合
(
あ
)
ひ
202
四
(
よ
)
人
(
にん
)
揃
(
そろ
)
うて
高砂
(
たかさご
)
の
203
島
(
しま
)
にやうやう
安着
(
あんちやく
)
し
204
いろいろ
雑多
(
ざつた
)
と
気
(
き
)
を
配
(
くば
)
り
205
玉
(
たま
)
の
所在
(
ありか
)
を
尋
(
たづ
)
ねつつ
206
時雨
(
しぐれ
)
の
森
(
もり
)
の
森林
(
しんりん
)
に
207
兎
(
うさぎ
)
の
王
(
わう
)
の
神
(
かみ
)
となり
208
月日
(
つきひ
)
を
送
(
おく
)
る
折柄
(
をりから
)
に
209
高姫
(
たかひめ
)
一行
(
いつかう
)
八
(
はち
)
人
(
にん
)
は
210
のそのそ そこへやつて
来
(
き
)
た
211
無事
(
ぶじ
)
でおまめでお
達者
(
たつしや
)
で
212
目出
(
めで
)
たい
事
(
こと
)
で
御座
(
ござ
)
います
213
こんな
挨拶
(
あいさつ
)
そこそこに
214
かはす
間
(
ま
)
もなく
一行
(
いつかう
)
は
215
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
を
宣
(
の
)
り
乍
(
なが
)
ら
216
帽子
(
ぼうし
)
ケ
岳
(
だけ
)
に
立向
(
たちむか
)
ひ
217
今日
(
けふ
)
の
花形
(
はながた
)
役者
(
やくしや
)
なる
218
国依別
(
くによりわけ
)
の
神
(
かみ
)
さまに
219
ベツタリ
出会
(
であ
)
うて
勇
(
いさ
)
み
立
(
た
)
ち
220
言依別
(
ことよりわけ
)
の
教主
(
けうしゆ
)
等
(
ら
)
と
221
十八
(
じふはち
)
人
(
にん
)
の
一行
(
いつかう
)
は
222
ウヅの
都
(
みやこ
)
へ
帰
(
かへ
)
りけり
223
思
(
おも
)
ひがけなき
末子姫
(
すゑこひめ
)
224
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
尊
(
みこと
)
まで
225
此処
(
ここ
)
に
現
(
あら
)
はれゐますとは
226
私
(
わたし
)
は
夢
(
ゆめ
)
にも
知
(
し
)
らなんだ
227
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
228
神
(
かみ
)
の
御稜威
(
みいづ
)
の
現
(
あら
)
はれて
229
国依別
(
くによりわけ
)
の
神司
(
かむつかさ
)
230
末子
(
すゑこ
)
の
姫
(
ひめ
)
と
合衾
(
がふきん
)
の
231
目出
(
めで
)
たき
式
(
しき
)
をあげ
玉
(
たま
)
ふ
232
此
(
この
)
宴席
(
えんせき
)
に
侍
(
はんべ
)
りて
233
神酒
(
みき
)
神饌
(
みけ
)
御水
(
みもひ
)
は
云
(
い
)
ふも
更
(
さら
)
234
海河
(
うみかは
)
山野
(
やまぬ
)
種々
(
くさぐさ
)
の
235
珍物
(
うましもの
)
をばあてがはれ
236
謡
(
うた
)
ひつ
舞
(
ま
)
ひつ
勇
(
いさ
)
ましく
237
千歳
(
ちとせ
)
寿
(
ことほ
)
ぐ
嬉
(
うれ
)
しさよ
238
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
239
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましまして
240
放
(
ほ
)
り
出
(
だ
)
されたる
高姫
(
たかひめ
)
さまに
241
又
(
また
)
もや
此処
(
ここ
)
でいろいろの
242
妙
(
めう
)
なお
歌
(
うた
)
を
聞
(
き
)
かされて
243
私
(
わたし
)
は
感心
(
かんしん
)
々々
(
かんしん
)
と
244
頭
(
あたま
)
をかたげて
居
(
を
)
りました
245
感心
(
かんしん
)
したと
申
(
まを
)
すのは
246
意地
(
いぢ
)
くね
悪
(
わる
)
い
高姫
(
たかひめ
)
の
247
負
(
ま
)
けず
嫌
(
ぎら
)
ひの
魂
(
たましひ
)
に
248
本当
(
ほんたう
)
に
呆
(
あき
)
れた
事
(
こと
)
ですよ
249
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
250
こんな
目出
(
めで
)
たい
席上
(
せきじやう
)
で
251
高姫
(
たかひめ
)
さまとの
争
(
いさか
)
ひを
252
したくはなけれど
後
(
のち
)
の
為
(
ため
)
253
高姫
(
たかひめ
)
さまの
戒
(
いまし
)
めに
254
一寸
(
ちよつと
)
意見
(
いけん
)
を
述
(
の
)
べました
255
思
(
おも
)
へば
畏
(
かしこ
)
き
神
(
かみ
)
の
前
(
まへ
)
256
末子
(
すゑこ
)
の
姫
(
ひめ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
も
257
憚
(
はばか
)
りませぬ
無作法
(
ぶさはふ
)
を
258
何卒
(
なにとぞ
)
許
(
ゆる
)
して
下
(
くだ
)
さんせ
259
テーリスタンが
真心
(
まごころ
)
を
260
こめて
御
(
お
)
願
(
ねがひ
)
致
(
いた
)
します
261
言依別
(
ことよりわけ
)
の
神司
(
かむつかさ
)
262
其
(
その
)
他
(
た
)
一同
(
いちどう
)
の
方々
(
かたがた
)
よ
263
互
(
たがひ
)
に
心
(
こころ
)
をあはせつつ
264
打寛
(
うちくつ
)
ろいで
酒肴
(
さけさかな
)
265
ドツサリよばれて
舞
(
ま
)
ひ
踊
(
をど
)
り
266
千秋
(
せんしう
)
万歳
(
ばんざい
)
万々歳
(
ばんばんざい
)
267
世
(
よ
)
は
高砂
(
たかさご
)
の
何時
(
いつ
)
までも
268
栄
(
さか
)
え
栄
(
さか
)
えて
後
(
のち
)
の
世
(
よ
)
の
269
礎
(
いしずゑ
)
固
(
かた
)
くつきかため
270
これの
目出
(
めで
)
たい
宴席
(
えんせき
)
を
271
仇
(
あだ
)
に
流
(
なが
)
さずいつ
迄
(
まで
)
も
272
心
(
こころ
)
に
刻
(
きざ
)
みて
喜
(
よろこ
)
びませう
273
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
274
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
寿
(
ほ
)
ぎまつる
275
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
祝
(
ほ
)
ぎまつる』
276
(
大正一一・八・二六
旧七・四
松村真澄
録)
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