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第69巻(申の巻)
第70巻(酉の巻)
第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
特別編 入蒙記
天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
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第33巻(申の巻)
序歌
瑞祥
第1篇 誠心誠意
01 高論濁拙
〔916〕
02 灰猫婆
〔917〕
03 言霊停止
〔918〕
04 楽茶苦
〔919〕
第2篇 鶴亀躍動
05 神寿言
〔920〕
06 皮肉歌
〔921〕
07 心の色
〔922〕
08 春駒
〔923〕
09 言霊結
〔924〕
10 神歌
〔925〕
11 波静
〔926〕
12 袂別
〔927〕
第3篇 時節到来
13 帰途
〔928〕
14 魂の洗濯
〔929〕
15 婆論議
〔930〕
16 暗夜の歌
〔931〕
17 感謝の涙
〔932〕
18 神風清
〔933〕
第4篇 理智と愛情
19 報告祭
〔934〕
20 昔語
〔935〕
21 峯の雲
〔936〕
22 高宮姫
〔937〕
23 鉄鎚
〔938〕
24 春秋
〔939〕
25 琉の玉
〔940〕
26 若の浦
〔941〕
伊豆温泉旅行につき訪問者人名詠込歌
附記 湯ケ島所感
余白歌
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> 第4篇 理智と愛情 > 第26章 若の浦
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第二六章
若
(
わか
)
の
浦
(
うら
)
〔九四一〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第33巻 海洋万里 申の巻
篇:
第4篇 理智と愛情
よみ(新仮名遣い):
りちとあいじょう
章:
第26章 若の浦
よみ(新仮名遣い):
わかのうら
通し章番号:
941
口述日:
1922(大正11)年09月19日(旧07月28日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年11月10日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
若の浦は昔は豊見の浦と言ったが、国玉別たちが球の玉に稚姫君命の御霊を取りかけて一つ島に斎き祀ってから、若の浦と改称したのである。この玉を納めた島は、玉留島と名付けられた。
玉留とは、玉を地中深くに埋めてその上に神社を建て、永遠に守るということである。玉留島は今は陸続きとなって玉津島と言われている。この辺りは非常に巨大な楠の木や杉の木が繁茂していた。
太古の大木からは虫のみならず、風水火の作用によって人が生まれたり、樹の魂が天狗となって生まれたりしたものである。
さて、国玉別夫婦らの奉安により、三五教の教えは紀の国はもちろん、伊勢志摩、尾張、大和、和泉方面まで拡張したのであった。
国玉別は宮殿を造営し、玉を納めて天津祝詞を奏上し祝歌を歌った。続いて玉能姫も祝歌を歌い、夫婦は永遠にこの島に鎮まって神業に奉仕することとなった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-09-09 14:21:26
OBC :
rm3326
愛善世界社版:
288頁
八幡書店版:
第6輯 355頁
修補版:
校定版:
301頁
普及版:
114頁
初版:
ページ備考:
派生
[?]
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:
出口王仁三郎全集 > 第五巻 言霊解・其他 > 【随筆・其他】 > 大木の精魂
001
秋
(
あき
)
も
漸
(
やうや
)
く
高
(
たか
)
くして
002
四方
(
よも
)
の
山辺
(
やまべ
)
に
佐保姫
(
さほひめ
)
の
003
錦
(
にしき
)
織出
(
おりだ
)
し
小男鹿
(
さをしか
)
の
004
妻
(
つま
)
恋
(
こ
)
ふ
声
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
き
乍
(
なが
)
ら
005
心
(
こころ
)
あうたる
夫婦
(
ふうふ
)
連
(
づ
)
れ
006
国玉別
(
くにたまわけ
)
や
玉能姫
(
たまのひめ
)
007
駒彦
(
こまひこ
)
さまと
諸共
(
もろとも
)
に
008
数多
(
あまた
)
の
信者
(
しんじや
)
に
送
(
おく
)
られて
009
球
(
きう
)
の
玉
(
たま
)
をば
捧持
(
ほうぢ
)
しつ
010
再度山
(
ふたたびさん
)
の
山麓
(
さんろく
)
に
011
たちたる
館
(
やかた
)
を
後
(
あと
)
にして
012
少
(
すこ
)
しは
名残
(
なごり
)
を
惜
(
を
)
しみつつ
013
生田
(
いくた
)
の
森
(
もり
)
をくぐりぬけ
014
夜
(
よ
)
を
日
(
ひ
)
についで
紀
(
き
)
の
国
(
くに
)
の
015
若
(
わか
)
の
浦
(
うら
)
へと
着
(
つ
)
きにける。
016
若
(
わか
)
の
浦
(
うら
)
は
昔
(
むかし
)
は
豊見
(
とよみ
)
の
浦
(
うら
)
といつた。
017
国玉別
(
くにたまわけの
)
命
(
みこと
)
が
球
(
きう
)
の
玉
(
たま
)
を
捧
(
ほう
)
じ、
018
樟樹
(
しやうじゆ
)
鬱蒼
(
うつさう
)
として
茂
(
しげ
)
れる
和田中
(
わだなか
)
の
一
(
ひと
)
つ
島
(
じま
)
に
稚姫君
(
わかひめぎみの
)
命
(
みこと
)
の
御霊
(
みたま
)
を
球
(
きう
)
の
玉
(
たま
)
に
取
(
と
)
りかけ
斎
(
いつき
)
祀
(
まつ
)
つてより、
019
豊見
(
とよみ
)
の
浦
(
うら
)
はここに
若
(
わか
)
の
浦
(
うら
)
と
改称
(
かいしよう
)
する
事
(
こと
)
となつたのである。
020
此
(
こ
)
の
島
(
しま
)
を
玉留島
(
たまつめじま
)
と
名
(
な
)
づけられた。
021
玉留
(
たまつめ
)
といふ
意義
(
いぎ
)
は
玉
(
たま
)
を
固
(
かた
)
く
地中
(
ちちう
)
に
埋
(
うづ
)
め、
022
其
(
その
)
上
(
うへ
)
に
神社
(
かむやしろ
)
を
建
(
た
)
てて
永久
(
とことは
)
に
守
(
まも
)
るといふ
意味
(
いみ
)
である。
023
今
(
いま
)
は
此
(
この
)
玉留島
(
たまつめじま
)
は
陸続
(
りくつづ
)
きとなつて、
024
玉津島
(
たまつじま
)
と
改称
(
かいしよう
)
されてゐる。
025
此
(
この
)
辺
(
あた
)
りは
非常
(
ひじやう
)
に
巨大
(
きよだい
)
なる
杉
(
すぎ
)
の
木
(
き
)
や
楠
(
くすのき
)
が
大地
(
だいち
)
一面
(
いちめん
)
に
繁茂
(
はんも
)
してゐた。
026
太
(
ふと
)
い
楠
(
くすのき
)
になると、
027
幹
(
みき
)
の
周囲
(
まはり
)
百丈
(
ひやくぢやう
)
余
(
あま
)
りも
廻
(
まは
)
つたのがあつた。
028
杉
(
すぎ
)
も
亦
(
また
)
三十丈
(
さんじふぢやう
)
、
029
五十丈
(
ごじふぢやう
)
の
幹
(
みき
)
の
周囲
(
しうゐ
)
を
有
(
いう
)
するものは
数
(
かず
)
限
(
かぎ
)
りもなく
生
(
は
)
えてゐた。
030
自転倒
(
おのころ
)
島
(
じま
)
に
於
(
おい
)
て
最
(
もつと
)
も
巨大
(
きよだい
)
なる
樹木
(
じゆもく
)
の
繁茂
(
はんも
)
せし
国
(
くに
)
なれば、
031
神代
(
かみよ
)
より
木
(
き
)
の
国
(
くに
)
と
称
(
とな
)
へられてゐたのである。
032
大屋
(
おほや
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
などは
此
(
この
)
大木
(
たいぼく
)
の
股
(
また
)
よりお
生
(
うま
)
れになつたといふ
事
(
こと
)
である。
033
また
木股
(
きまた
)
の
神
(
かみ
)
といふ
神代
(
かみよ
)
の
神
(
かみ
)
も
大木
(
たいぼく
)
の
精
(
せい
)
より
現
(
あらは
)
れた
神人
(
しんじん
)
である。
034
近代
(
きんだい
)
は
余
(
あま
)
り
大木
(
たいぼく
)
は
少
(
すくな
)
くなつたが、
035
太古
(
たいこ
)
は
非常
(
ひじやう
)
に
巨大
(
きよだい
)
なる
樹木
(
じゆもく
)
が
木
(
き
)
の
国
(
くに
)
のみならず、
036
各地
(
かくち
)
にも
沢山
(
たくさん
)
に
生
(
は
)
えてゐたものである。
037
植物
(
しよくぶつ
)
の
繊維
(
せんゐ
)
が
醗酵
(
はつかう
)
作用
(
さよう
)
によつて
虫
(
むし
)
を
生
(
しやう
)
じ、
038
其
(
そ
)
の
虫
(
むし
)
は
孵化
(
ふくわ
)
して
甲虫
(
かぶとむし
)
の
如
(
ごと
)
き
甲虫族
(
かふちうぞく
)
を
発生
(
はつせい
)
する
如
(
ごと
)
く、
039
古
(
いにしへ
)
は
大木
(
たいぼく
)
の
繊維
(
せんゐ
)
により
風水火
(
ふうすいくわ
)
の
醗酵
(
はつかう
)
作用
(
さよう
)
によつて、
040
人
(
ひと
)
が
生
(
うま
)
れ
出
(
で
)
た
事
(
こと
)
も
珍
(
めづら
)
しくない。
041
又
(
また
)
猿
(
さる
)
などは
随分
(
ずゐぶん
)
沢山
(
たくさん
)
に
発生
(
はつせい
)
したものである。
042
天狗
(
てんぐ
)
を
木精
(
こだま
)
といふのは
木
(
き
)
の
魂
(
たましひ
)
といふ
事
(
こと
)
であつて
樹木
(
じゆもく
)
の
精魂
(
せいこん
)
より
発生
(
はつせい
)
する
一種
(
いつしゆ
)
の
動物
(
どうぶつ
)
である。
043
天狗
(
てんぐ
)
は
人体
(
じんたい
)
に
似
(
に
)
たのもあり、
044
或
(
あるひ
)
は
鳥族
(
てうぞく
)
に
似
(
に
)
たのもある。
045
近代
(
きんだい
)
に
至
(
いた
)
つても
巨大
(
きよだい
)
なる
樹木
(
じゆもく
)
は
之
(
これ
)
を
此
(
この
)
天狗
(
てんぐ
)
の
止
(
と
)
まり
木
(
ぎ
)
と
称
(
とな
)
へられ
地方
(
ちはう
)
によつては
非常
(
ひじやう
)
に
恐
(
おそ
)
れられてゐる
所
(
ところ
)
もある。
046
現代
(
げんだい
)
に
於
(
おい
)
ても
大森林
(
だいしんりん
)
の
大樹
(
たいじゆ
)
には
天狗
(
てんぐ
)
の
種類
(
しゆるゐ
)
が
可
(
か
)
なり
沢山
(
たくさん
)
に
発生
(
はつせい
)
しつつあるのである。
047
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
事
(
こと
)
を
口述
(
こうじゆつ
)
する
時
(
とき
)
は、
048
現代
(
げんだい
)
の
理学者
(
りがくしや
)
や
植物
(
しよくぶつ
)
学者
(
がくしや
)
は、
049
痴人
(
ちじん
)
の
夢物語
(
ゆめものがたり
)
と
一笑
(
いつせう
)
に
付
(
ふ
)
して
顧
(
かへり
)
みないであらうが、
050
併
(
しか
)
し
天地
(
てんち
)
の
間
(
あひだ
)
はすべて
不可思議
(
ふかしぎ
)
なものである。
051
到底
(
たうてい
)
今日
(
こんにち
)
の
所謂
(
いはゆる
)
文明
(
ぶんめい
)
人士
(
じんし
)
の
智嚢
(
ちなう
)
では
神
(
かみ
)
の
霊能力
(
れいのうりよく
)
は
分
(
わか
)
るものではない
事
(
こと
)
を
断言
(
だんげん
)
しておく。
052
さて
国玉別
(
くにたまわけ
)
、
053
玉能姫
(
たまのひめ
)
は
此
(
この
)
島
(
しま
)
に
社
(
やしろ
)
を
造
(
つく
)
りて、
054
球
(
きう
)
の
宝玉
(
ほうぎよく
)
を
捧按
(
ほうあん
)
し、
055
之
(
これ
)
を
稚姫君
(
わかひめぎみ
)
の
大神
(
おほかみ
)
と
斎
(
いつき
)
祀
(
まつ
)
り、
056
傍
(
かたはら
)
に
広殿
(
ひろどの
)
を
建
(
た
)
て、
057
ここにありて
三五教
(
あななひけう
)
の
御教
(
みをしへ
)
を
木
(
き
)
の
国
(
くに
)
一
(
いち
)
円
(
ゑん
)
はいふも
更
(
さら
)
なり
伊勢
(
いせ
)
、
058
志摩
(
しま
)
、
059
尾張
(
をはり
)
、
060
大和
(
やまと
)
、
061
和泉
(
いづみ
)
方面
(
はうめん
)
まで
拡充
(
くわくじう
)
したのである。
062
国玉別
(
くにたまわけ
)
は
宮殿
(
きうでん
)
を
造
(
つく
)
り
玉
(
たま
)
を
納
(
をさ
)
めて
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し、
063
祝歌
(
しゆくか
)
を
歌
(
うた
)
ふ。
064
其
(
その
)
歌
(
うた
)
、
065
国玉別
(
くにたまわけ
)
『
朝日
(
あさひ
)
のたださす
神
(
かみ
)
の
国
(
くに
)
066
夕日
(
ゆふひ
)
のひてらす
珍
(
うづ
)
の
国
(
くに
)
067
自凝島
(
おのころじま
)
のいや
果
(
は
)
てに
068
打寄
(
うちよ
)
せ
来
(
きた
)
る
荒波
(
あらなみ
)
の
069
中
(
なか
)
に
浮
(
うか
)
べる
珍
(
うづ
)
の
島
(
しま
)
070
下津
(
したつ
)
磐根
(
いはね
)
はいや
深
(
ふか
)
く
071
竜宮
(
りうぐう
)
の
底
(
そこ
)
まで
届
(
とど
)
くなり
072
千引
(
ちびき
)
の
岩
(
いは
)
もて
固
(
かた
)
めたる
073
此
(
この
)
珍島
(
うづしま
)
は
神国
(
かみくに
)
の
074
堅磐
(
かきは
)
常磐
(
ときは
)
の
固
(
かた
)
めぞや
075
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
御言
(
みこと
)
もて
076
琉球島
(
りうきうたう
)
より
現
(
あらは
)
れし
077
球
(
きう
)
の
御玉
(
みたま
)
を
今
(
いま
)
ここに
078
大宮柱
(
おほみやばしら
)
太知
(
ふとし
)
りて
079
高天原
(
たかあまはら
)
に
千木
(
ちぎ
)
高
(
たか
)
く
080
仕
(
つか
)
へまつりて
永久
(
とこしへ
)
に
081
納
(
をさ
)
むる
今日
(
けふ
)
の
目出
(
めで
)
たさよ
082
此
(
この
)
神国
(
かみくに
)
に
此
(
この
)
玉
(
たま
)
の
083
鎮
(
しづ
)
まりゐます
其
(
その
)
限
(
かぎ
)
り
084
自凝島
(
おのころじま
)
はいや
固
(
かた
)
く
085
波
(
なみ
)
も
静
(
しづ
)
かに
治
(
をさ
)
まりて
086
青人草
(
あをひとぐさ
)
は
日
(
ひ
)
に
月
(
つき
)
に
087
天津
(
あまつ
)
御空
(
みそら
)
の
星
(
ほし
)
の
如
(
ごと
)
088
浜
(
はま
)
の
真砂
(
まさご
)
も
数
(
かず
)
ならず
089
栄
(
さか
)
えて
行
(
ゆ
)
かむ
神
(
かみ
)
の
国
(
くに
)
090
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
091
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
092
大地
(
だいち
)
は
泥
(
どろ
)
にひたるとも
093
球
(
きう
)
の
御玉
(
みたま
)
をかくしたる
094
此
(
この
)
珍島
(
うづしま
)
は
永久
(
とこしへ
)
に
095
水
(
みづ
)
に
溺
(
おぼ
)
れず
火
(
ひ
)
にやけず
096
国
(
くに
)
の
守
(
まも
)
りとなりなりて
097
国玉別
(
くにたまわけ
)
や
玉能姫
(
たまのひめ
)
098
仕
(
つか
)
へまつりし
功績
(
いさをし
)
を
099
千代
(
ちよ
)
に
八千代
(
やちよ
)
に
止
(
とど
)
むべし
100
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
101
御霊
(
みたま
)
幸
(
さちは
)
ひましまして
102
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
守
(
まも
)
ります
103
三五教
(
あななひけう
)
は
天
(
あめ
)
の
下
(
した
)
104
四方
(
よも
)
の
国々
(
くにぐに
)
隈
(
くま
)
もなく
105
伊行
(
いゆ
)
きわたらひ
神人
(
かみびと
)
は
106
いと
安
(
やす
)
らけく
平
(
たひら
)
けく
107
五六七
(
みろく
)
の
御代
(
みよ
)
を
楽
(
たの
)
しみて
108
鳥
(
とり
)
獣
(
けだもの
)
はいふもさら
109
草
(
くさ
)
の
片葉
(
かきは
)
に
至
(
いた
)
るまで
110
各々
(
おのおの
)
其
(
その
)
所
(
しよ
)
を
得
(
え
)
せしめよ
111
球
(
きう
)
の
御玉
(
みたま
)
に
取
(
とり
)
かけし
112
稚姫君
(
わかひめぎみ
)
の
生御霊
(
いくみたま
)
113
木
(
き
)
の
神国
(
かみくに
)
に
鎮
(
しづ
)
まりて
114
押
(
お
)
しよせ
来
(
きた
)
る
仇波
(
あだなみ
)
を
115
伊吹払
(
いぶきはら
)
ひに
吹
(
ふ
)
き
払
(
はら
)
へ
116
自凝島
(
おのころじま
)
は
永久
(
とこしへ
)
に
117
栄
(
さか
)
え
栄
(
さか
)
えて
神人
(
かみびと
)
の
118
ゑらぎ
楽
(
たの
)
しむ
楽園地
(
らくゑんち
)
119
天国
(
てんごく
)
浄土
(
じやうど
)
の
有様
(
ありさま
)
を
120
いや
永久
(
とこしへ
)
に
保
(
たも
)
ちつつ
121
千代
(
ちよ
)
に
栄
(
さか
)
えを
松緑
(
まつみどり
)
122
世
(
よ
)
はくれ
竹
(
たけ
)
の
起
(
お
)
きふしに
123
心
(
こころ
)
を
清
(
きよ
)
め
身
(
み
)
を
浄
(
きよ
)
め
124
仕
(
つか
)
へまつらむ
夫婦
(
めをと
)
連
(
づ
)
れ
125
心
(
こころ
)
の
駒彦
(
こまひこ
)
潔
(
いさぎよ
)
く
126
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
服
(
まつ
)
ろひて
127
恵
(
めぐみ
)
も
開
(
ひら
)
く
梅
(
うめ
)
の
花
(
はな
)
128
一度
(
いちど
)
に
薫
(
かを
)
る
時津風
(
ときつかぜ
)
129
松
(
まつ
)
の
神代
(
かみよ
)
の
礎
(
いしづゑ
)
を
130
樟
(
くす
)
の
木
(
き
)
の
根
(
ね
)
のいや
固
(
かた
)
に
131
杉
(
すぎ
)
の
木立
(
こだち
)
のすぐすぐと
132
守
(
まも
)
らせ
給
(
たま
)
へ
惟神
(
かむながら
)
133
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
願
(
ね
)
ぎまつる
134
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
願
(
ね
)
ぎまつる』
135
と
歌
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
り
拍手
(
はくしゆ
)
再拝
(
さいはい
)
して、
136
傍
(
かたはら
)
の
樟
(
くす
)
の
根
(
ね
)
に
腰
(
こし
)
打
(
うち
)
かけた。
137
玉能姫
(
たまのひめ
)
は
又
(
また
)
歌
(
うた
)
ふ。
138
玉能姫
『
南
(
みなみ
)
に
広
(
ひろ
)
き
海
(
うみ
)
をうけ
139
東
(
ひがし
)
に
朝日
(
あさひ
)
を
伏
(
ふ
)
し
拝
(
をが
)
み
140
西
(
にし
)
に
二日
(
ふつか
)
の
月
(
つき
)
を
見
(
み
)
る
141
此
(
この
)
珍島
(
うづしま
)
に
畏
(
かしこ
)
くも
142
稚姫君
(
わかひめぎみ
)
の
御
(
おん
)
霊魂
(
みたま
)
143
斎
(
いつ
)
きまつりて
三五
(
あななひ
)
の
144
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
145
国玉別
(
くにたまわけ
)
や
玉能姫
(
たまのひめ
)
146
心
(
こころ
)
の
駒彦
(
こまひこ
)
諸共
(
もろとも
)
に
147
大宮柱
(
おほみやばしら
)
太
(
ふと
)
しりて
148
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに
仕
(
つか
)
へゆく
149
其
(
その
)
神業
(
かむわざ
)
ぞ
尊
(
たふと
)
けれ
150
天教山
(
てんけうざん
)
に
現
(
あ
)
れませし
151
神
(
かむ
)
伊邪諾
(
いざなぎの
)
大御神
(
おほみかみ
)
152
神
(
かむ
)
伊邪冊
(
いざなみの
)
大御神
(
おほみかみ
)
153
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
や
木
(
こ
)
の
花
(
はな
)
の
154
咲耶
(
さくや
)
の
姫
(
ひめ
)
の
御言
(
みこと
)
もて
155
天
(
あめ
)
の
下
(
した
)
なる
国々
(
くにぐに
)
を
156
開
(
ひら
)
き
給
(
たま
)
ひし
神
(
かみ
)
の
道
(
みち
)
157
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
の
158
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
は
畏
(
かしこ
)
くも
159
高天原
(
たかあまはら
)
を
退
(
やら
)
はれて
160
大海原
(
おほうなばら
)
の
国々
(
くにぐに
)
を
161
巡
(
めぐ
)
り
給
(
たま
)
ひて
許々多久
(
ここたく
)
の
162
教司
(
をしへつかさ
)
を
配
(
くば
)
りつつ
163
数多
(
あまた
)
の
神
(
かみ
)
や
人々
(
ひとびと
)
を
164
教
(
をし
)
へ
導
(
みちび
)
き
鳥
(
とり
)
獣
(
けもの
)
165
虫
(
むし
)
けら
草木
(
くさき
)
に
至
(
いた
)
るまで
166
恵
(
めぐみ
)
の
露
(
つゆ
)
をたれ
給
(
たま
)
ひ
167
コーカス
山
(
ざん
)
や
斎苑
(
いそ
)
館
(
やかた
)
168
綾
(
あや
)
の
聖地
(
せいち
)
に
天降
(
あも
)
りまし
169
仁慈
(
じんじ
)
無限
(
むげん
)
の
神徳
(
しんとく
)
を
170
施
(
ほどこ
)
し
玉
(
たま
)
ふ
有難
(
ありがた
)
さ
171
妾
(
わらは
)
も
同
(
おな
)
じ
三五
(
あななひ
)
の
172
神
(
かみ
)
の
大道
(
おほぢ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
173
大海原
(
おほうなばら
)
を
打渡
(
うちわた
)
り
174
山川
(
やまかは
)
幾
(
いく
)
つふみ
越
(
こ
)
えて
175
やうやく
玉能
(
たまの
)
の
姫
(
ひめ
)
となり
176
生田
(
いくた
)
の
森
(
もり
)
に
年
(
とし
)
永
(
なが
)
く
177
仕
(
つか
)
へまつりし
折
(
をり
)
もあれ
178
夫
(
つま
)
の
命
(
みこと
)
の
若彦
(
わかひこ
)
は
179
言依別
(
ことよりわけ
)
の
御言
(
みこと
)
もて
180
琉球
(
りうきう
)
の
島
(
しま
)
より
宝玉
(
ほうぎよく
)
を
181
捧
(
ほう
)
じて
目出
(
めで
)
たく
再度
(
ふたたび
)
の
182
山
(
やま
)
の
麓
(
ふもと
)
の
神館
(
かむやかた
)
183
生田
(
いくた
)
の
森
(
もり
)
に
帰
(
かへ
)
りまし
184
ここに
夫婦
(
ふうふ
)
は
同棲
(
どうせい
)
の
185
恵
(
めぐみ
)
に
浴
(
よく
)
し
朝夕
(
あさゆふ
)
に
186
琉
(
りう
)
と
球
(
きう
)
との
神宝
(
しんぽう
)
を
187
固
(
かた
)
く
守
(
まも
)
りて
居
(
ゐ
)
る
間
(
うち
)
に
188
玉照彦
(
たまてるひこ
)
や
玉照姫
(
たまてるひめ
)
の
189
貴
(
うづ
)
の
命
(
みこと
)
の
御言
(
みこと
)
もて
190
生田
(
いくた
)
の
森
(
もり
)
の
館
(
やかた
)
をば
191
高姫司
(
たかひめつかさ
)
に
相渡
(
あいわた
)
し
192
琉
(
りう
)
の
玉
(
たま
)
をば
残
(
のこ
)
しおき
193
球
(
きう
)
の
神宝
(
しんぽう
)
を
捧持
(
ほうぢ
)
して
194
木
(
き
)
の
神国
(
かみくに
)
に
打渡
(
うちわた
)
り
195
大海原
(
おほうなばら
)
に
漂
(
ただよ
)
へる
196
堅磐
(
かきは
)
常磐
(
ときは
)
の
岩
(
いは
)
が
根
(
ね
)
に
197
宮居
(
みやゐ
)
を
建
(
た
)
てて
厳
(
おごそ
)
かに
198
稚姫君
(
わかひめぎみ
)
の
御霊
(
みたま
)
とし
199
仕
(
つか
)
へまつれと
宣
(
の
)
り
給
(
たま
)
ふ
200
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
201
神
(
かみ
)
の
御言
(
みこと
)
はそむかれず
202
住
(
すみ
)
なれかけし
館
(
やかた
)
をば
203
後
(
あと
)
に
見
(
み
)
すててはるばると
204
此
(
この
)
島国
(
しまぐに
)
に
来
(
き
)
て
見
(
み
)
れば
205
思
(
おも
)
ひもよらぬ
珍
(
うづ
)
の
国
(
くに
)
206
木々
(
きぎ
)
の
色艶
(
いろつや
)
美
(
うる
)
はしく
207
野山
(
のやま
)
は
錦
(
にしき
)
の
機
(
はた
)
を
織
(
お
)
り
208
川
(
かは
)
の
流
(
なが
)
れはさやさやと
209
自然
(
しぜん
)
の
音楽
(
おんがく
)
奏
(
かな
)
でつつ
210
天国
(
てんごく
)
浄土
(
じやうど
)
の
如
(
ごと
)
くなり
211
殊
(
こと
)
に
尊
(
たふと
)
き
此
(
この
)
島
(
しま
)
に
212
珍
(
うづ
)
の
社
(
やしろ
)
を
建
(
た
)
て
上
(
あ
)
げて
213
いや
永久
(
とこしへ
)
に
守
(
まも
)
る
身
(
み
)
は
214
げにも
嬉
(
うれ
)
しき
優曇華
(
うどんげ
)
の
215
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
く
春
(
はる
)
に
会
(
あ
)
ふ
心地
(
ここち
)
216
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
御恵
(
みめぐみ
)
の
217
深
(
ふか
)
きを
今更
(
いまさら
)
思
(
おも
)
ひ
知
(
し
)
り
218
感謝
(
かんしや
)
の
涙
(
なみだ
)
しとしとと
219
口
(
くち
)
には
言
(
い
)
はれぬ
嬉
(
うれ
)
しさよ
220
稚姫君
(
わかひめぎみの
)
大御神
(
おほみかみ
)
221
汝
(
なれ
)
が
命
(
みこと
)
は
此
(
この
)
島
(
しま
)
に
222
いや
永久
(
とこしへ
)
に
鎮
(
しづ
)
まりて
223
普
(
あまね
)
く
世人
(
よびと
)
の
身魂
(
みたま
)
をば
224
守
(
まも
)
らせ
給
(
たま
)
へ
惟神
(
かむながら
)
225
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
只管
(
ひたすら
)
に
226
玉能
(
たまの
)
の
姫
(
ひめ
)
が
願
(
ね
)
ぎまつる
227
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
228
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませよ』
229
と
歌
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
り、
230
永久
(
とこしへ
)
に
此
(
この
)
島
(
しま
)
に
鎮
(
しづ
)
まり
神業
(
しんげふ
)
に
奉仕
(
ほうし
)
する
事
(
こと
)
とはなりける。
231
(
大正一一・九・一九
旧七・二八
松村真澄
録)
232
(昭和一〇・六・一〇 王仁校正)
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