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第13巻(子の巻)
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第66巻(巳の巻)
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第33巻(申の巻)
序歌
瑞祥
第1篇 誠心誠意
01 高論濁拙
〔916〕
02 灰猫婆
〔917〕
03 言霊停止
〔918〕
04 楽茶苦
〔919〕
第2篇 鶴亀躍動
05 神寿言
〔920〕
06 皮肉歌
〔921〕
07 心の色
〔922〕
08 春駒
〔923〕
09 言霊結
〔924〕
10 神歌
〔925〕
11 波静
〔926〕
12 袂別
〔927〕
第3篇 時節到来
13 帰途
〔928〕
14 魂の洗濯
〔929〕
15 婆論議
〔930〕
16 暗夜の歌
〔931〕
17 感謝の涙
〔932〕
18 神風清
〔933〕
第4篇 理智と愛情
19 報告祭
〔934〕
20 昔語
〔935〕
21 峯の雲
〔936〕
22 高宮姫
〔937〕
23 鉄鎚
〔938〕
24 春秋
〔939〕
25 琉の玉
〔940〕
26 若の浦
〔941〕
伊豆温泉旅行につき訪問者人名詠込歌
附記 湯ケ島所感
余白歌
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(B)
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第一九章
報告祭
(
ほうこくさい
)
〔九三四〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第33巻 海洋万里 申の巻
篇:
第4篇 理智と愛情
よみ(新仮名遣い):
りちとあいじょう
章:
第19章 報告祭
よみ(新仮名遣い):
ほうこくさい
通し章番号:
934
口述日:
1922(大正11)年09月19日(旧07月28日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年11月10日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
綾の聖地の錦の宮の八尋殿では報告祭がおこなわれた。麻邇の宝珠の神業成就や黒姫の息子が玉治別だと判明したことなど、前代未聞の大慶事に直会の席もにぎわっていた。
竹公、安公、虎公がたわいもない話で盛り上がっていた。やがて東助の一声で直会もお開きとなり、信者一同は上機嫌で家路についた。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-11-09 14:56:42
OBC :
rm3319
愛善世界社版:
205頁
八幡書店版:
第6輯 326頁
修補版:
校定版:
215頁
普及版:
80頁
初版:
ページ備考:
001
綾
(
あや
)
の
聖地
(
せいち
)
に
於
(
お
)
ける
錦
(
にしき
)
の
宮
(
みや
)
の
八尋殿
(
やひろどの
)
には、
002
七五三
(
しちごさん
)
の
太鼓
(
たいこ
)
の
音
(
おと
)
が
聞
(
きこ
)
えて
来
(
き
)
た。
003
今日
(
けふ
)
は
殊
(
こと
)
の
外
(
ほか
)
風
(
かぜ
)
清
(
きよ
)
く、
004
陰鬱
(
いんうつ
)
なる
霧
(
きり
)
も
早朝
(
さうてう
)
より
晴
(
は
)
れ
渡
(
わた
)
り、
005
紺碧
(
こんぺき
)
の
空
(
そら
)
は
愈
(
いよいよ
)
高
(
たか
)
く、
006
太陽
(
たいやう
)
は
東
(
ひがし
)
の
山
(
やま
)
の
端
(
は
)
より
其
(
その
)
雄姿
(
ゆうし
)
を
現
(
あら
)
はし、
007
金色
(
こんじき
)
の
光
(
ひかり
)
を
地上
(
ちじやう
)
に
投
(
な
)
げてゐる。
008
今朝
(
けさ
)
は
太鼓
(
たいこ
)
の
音
(
おと
)
も
何
(
なん
)
となく
冴
(
さ
)
え
渡
(
わた
)
り、
009
下界
(
げかい
)
の
邪気
(
じやき
)
を
万里
(
ばんり
)
の
外
(
そと
)
に
追
(
お
)
ひ
払
(
はら
)
うた
様
(
やう
)
な
気分
(
きぶん
)
が
漂
(
ただよ
)
うてゐる。
010
東助
(
とうすけ
)
、
011
高姫
(
たかひめ
)
を
初
(
はじ
)
め、
012
秋彦
(
あきひこ
)
、
013
友彦
(
ともひこ
)
、
014
テールス
姫
(
ひめ
)
、
015
夏彦
(
なつひこ
)
、
016
佐田彦
(
さだひこ
)
、
017
お
玉
(
たま
)
、
018
高山彦
(
たかやまひこ
)
其
(
その
)
他
(
た
)
の
幹部
(
かんぶ
)
は
祭服
(
さいふく
)
厳
(
いか
)
めしく、
019
報告祭
(
ほうこくさい
)
を
勤行
(
ごんぎやう
)
するのであつた。
020
高姫
(
たかひめ
)
が
久振
(
ひさしぶ
)
りにて
高砂島
(
たかさごじま
)
より
帰
(
かへ
)
り、
021
又
(
また
)
黒姫
(
くろひめ
)
、
022
玉治別
(
たまはるわけ
)
が
筑紫
(
つくし
)
の
島
(
しま
)
より
遥々
(
はるばる
)
帰国
(
きこく
)
し、
023
鷹依姫
(
たかよりひめ
)
、
024
竜国別
(
たつくにわけ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
が
無事
(
ぶじ
)
に
帰国
(
きこく
)
して、
025
麻邇
(
まに
)
宝珠
(
ほつしゆ
)
の
神業
(
しんげふ
)
に
無事
(
ぶじ
)
奉仕
(
ほうし
)
せし
歓
(
よろこ
)
びと、
026
黒姫
(
くろひめ
)
が
三十五
(
さんじふご
)
年
(
ねん
)
振
(
ぶ
)
りに
吾
(
わが
)
実子
(
じつし
)
の
発見
(
はつけん
)
せられし
事
(
こと
)
の
感謝
(
かんしや
)
を
兼
(
か
)
ねたる
報告祭
(
はうこくさい
)
であつた。
027
一紘琴
(
いちげんきん
)
、
028
二紘琴
(
にげんきん
)
の
嚠喨
(
りうりやう
)
たる
音楽
(
おんがく
)
の
声
(
こゑ
)
と
共
(
とも
)
に
祭典
(
さいてん
)
は
無事
(
ぶじ
)
終了
(
しうれう
)
した。
029
教主
(
けうしゆ
)
の
英子姫
(
ひでこひめ
)
を
初
(
はじ
)
め、
030
玉照彦
(
たまてるひこ
)
、
031
玉照姫
(
たまてるひめ
)
の
神司
(
かむつかさ
)
並
(
ならび
)
に
紫姫
(
むらさきひめ
)
も、
032
神殿
(
しんでん
)
に
深
(
ふか
)
く
進
(
すす
)
みて
此
(
この
)
祭典
(
さいてん
)
に
列
(
れつ
)
せられた。
033
祭典
(
さいてん
)
終
(
をは
)
ると
共
(
とも
)
に
此
(
この
)
四柱
(
よはしら
)
は
教主
(
けうしゆ
)
の
館
(
やかた
)
を
指
(
さ
)
して、
034
悠々
(
いういう
)
と
四五
(
しご
)
人
(
にん
)
の
信徒
(
しんと
)
に
送
(
おく
)
られ
帰
(
かへ
)
つて
行
(
ゆ
)
く。
035
後
(
あと
)
には
賑々
(
にぎにぎ
)
しく
直会
(
なほらひ
)
の
宴
(
えん
)
が
開
(
ひら
)
かれた。
036
万代
(
ばんだい
)
未聞
(
みもん
)
の
大慶事
(
だいけいじ
)
といふので、
037
錦
(
にしき
)
の
宮
(
みや
)
の
八尋殿
(
やひろどの
)
も
日頃
(
ひごろ
)
の
窮屈
(
きうくつ
)
に
引替
(
ひきか
)
へ、
038
今日
(
けふ
)
一
(
いち
)
日
(
にち
)
は
気楽
(
きらく
)
に
直会
(
なほらひ
)
の
酒
(
さけ
)
を
飽
(
あ
)
く
迄
(
まで
)
頂
(
いただ
)
き、
039
口々
(
くちぐち
)
に
歌
(
うた
)
ひ
舞
(
ま
)
ひ、
040
踊
(
をど
)
り
狂
(
くる
)
ふ
事
(
こと
)
を
黙許
(
もくきよ
)
されて
居
(
ゐ
)
た。
041
酒
(
さけ
)
の
酔
(
ゑひ
)
が
廻
(
まは
)
るにつれて、
042
そろそろ
雑談
(
ざつだん
)
が
始
(
はじ
)
まつて
来
(
く
)
る。
043
甲
(
かふ
)
『オイ
虎公
(
とらこう
)
、
044
時節
(
じせつ
)
は
待
(
ま
)
たねばならぬものだなア。
045
高姫
(
たかひめ
)
の
大将
(
たいしやう
)
や、
046
黒姫
(
くろひめ
)
婆
(
ば
)
アさまが、
047
寝
(
ね
)
ても
醒
(
さ
)
めても、
048
玉々
(
たまたま
)
と
云
(
い
)
つて
随分
(
ずゐぶん
)
玉騒
(
たまさわ
)
ぎで、
049
言依別
(
ことよりわけの
)
命
(
みこと
)
様
(
さま
)
や、
050
大勢
(
おほぜい
)
の
者
(
もの
)
を
手古摺
(
てこず
)
らしたものだが、
051
到頭
(
たうとう
)
一心
(
いつしん
)
を
貫
(
つらぬ
)
いて、
052
玉
(
たま
)
の
御用
(
ごよう
)
を
首尾
(
しゆび
)
克
(
よ
)
く
勤
(
つと
)
め
上
(
あ
)
げたぢやないか。
053
おまけに
筑紫
(
つくし
)
の
島
(
しま
)
から
玉
(
たま
)
を
一
(
ひと
)
つ
持
(
も
)
つて
帰
(
かへ
)
りよつたのは
黒姫
(
くろひめ
)
だ。
054
本当
(
ほんたう
)
に
甘
(
うま
)
い
事
(
こと
)
しよつたネー』
055
虎公
(
とらこう
)
『オイ、
056
小
(
ちひ
)
さい
声
(
こゑ
)
で
言
(
い
)
はぬか。
057
あれ
見
(
み
)
よ、
058
高姫
(
たかひめ
)
さまや
黒姫
(
くろひめ
)
さまが
正座
(
しやうざ
)
に
構
(
かま
)
へて
御座
(
ござ
)
るぞ』
059
甲
(
かふ
)
『
俺
(
おれ
)
も
一
(
ひと
)
つ
是
(
これ
)
から
玉
(
たま
)
さがしに
往
(
い
)
つて
来
(
こ
)
うかなア』
060
虎公
(
とらこう
)
『
貴様
(
きさま
)
捜
(
さが
)
しに
往
(
い
)
かなくても、
061
宅
(
うち
)
に
沢山
(
たくさん
)
あるぢやないか。
062
よく
考
(
かんが
)
へて
見
(
み
)
よ。
063
貴様
(
きさま
)
ん
所
(
とこ
)
の
猫
(
ねこ
)
は
玉
(
たま
)
といふだらう。
064
そして
毛
(
け
)
の
色
(
いろ
)
が
真黒
(
まつくろ
)
々助
(
くろすけ
)
の
黒姫
(
くろひめ
)
だオツトドツコイ
黒猫
(
くろねこ
)
だ。
065
おまけに
貴様
(
きさま
)
の
嬶
(
かか
)
がお
すみ
と
云
(
い
)
つて
名詮
(
めいせん
)
自称
(
じしよう
)
の
真黒
(
まつくろ
)
々助
(
くろすけ
)
、
066
中低
(
なかびく
)
のお
玉
杓子
(
たまじやくし
)
のやうな
顔
(
かほ
)
をしてゐるだらう。
067
そして
小
(
ちい
)
つぽけな
肝
玉
(
きもたま
)
を
持
(
も
)
つてゐるなり、
068
団栗
(
どんぐり
)
のやうな
目
玉
(
めだま
)
も
二
(
ふた
)
つぶら
下
(
さ
)
げてゐる。
069
貴様
(
きさま
)
の
睾
丸
(
きんたま
)
は
名代
(
なだい
)
の
八畳敷
(
はちでふじき
)
狸
(
たぬき
)
が
税金取
(
うんじやうと
)
りに
来
(
く
)
るやうな
品
玉
(
しなだま
)
だ。
070
これ
丈
(
だけ
)
沢山
(
たくさん
)
に
麻邇
(
まに
)
の
宝珠
(
ほつしゆ
)
や
金
(
きん
)
の
玉
(
たま
)
を
持
(
も
)
つてゐる
癖
(
くせ
)
に、
071
此
(
この
)
上
(
うへ
)
玉騒
(
たまさわ
)
ぎをせられちや
皆
(
みな
)
の
者
(
もの
)
が
たま
らぬから、
072
モウ
良
(
い
)
い
加減
(
かげん
)
に
諦
(
あきら
)
めたがよからうぞ。
073
のう
狸
(
たぬき
)
の
安公
(
やすこう
)
』
074
安公
(
やすこう
)
『コリヤ
虎猫
(
とらねこ
)
、
075
何
(
なに
)
を
吐
(
ぬか
)
すのだ。
076
人
(
ひと
)
の
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
ふよりも、
077
自分
(
じぶん
)
の
蜂
(
はち
)
から
払
(
はら
)
うてかかれ。
078
俺
(
おれ
)
のは
八畳敷
(
はちでふじき
)
ぢやない
錦
(
にしき
)
の
信玄袋
(
しんげんふくろ
)
だ。
079
奴
(
ど
)
狸
(
たぬき
)
野郎
(
やらう
)
奴
(
め
)
貴様
(
きさま
)
は
手力男
(
たぢからをの
)
神
(
かみ
)
さまの
様
(
やう
)
に、
080
おれは
猫
(
ねこ
)
の
年
(
とし
)
に
生
(
うま
)
れた
寅公
(
とらこう
)
だけれど、
081
ヤツパリ
人
(
ひと
)
の
家
(
うち
)
に
養
(
やしな
)
はれる
家畜
(
かちく
)
だから、
082
自称
(
じしよう
)
艮
(
うしとら
)
の
金神
(
こんじん
)
よりも
余程
(
よつぽど
)
偉
(
えら
)
いと
吐
(
ぬか
)
してゐやがるが、
083
猫寅
(
ねことら
)
の
金神
(
こんじん
)
と
云
(
い
)
ふ
者
(
もの
)
がどこにあるか。
084
よつ
程
(
ぽど
)
よい
馬鹿者
(
ばかもの
)
だなア』
085
虎公
(
とらこう
)
『トラ
何
(
なに
)
を
吐
(
ぬか
)
す。
086
丑
(
うし
)
と
云
(
い
)
ふ
奴
(
やつ
)
は
庭
(
には
)
のすみつこに
置
(
お
)
いて
貰
(
もら
)
ひ、
087
糞
(
くそ
)
まぶれになつて
草
(
くさ
)
を
喰
(
くら
)
つて
暮
(
くら
)
して
居
(
ゐ
)
る
奴
(
やつ
)
だ。
088
猫
(
ねこ
)
と
云
(
い
)
ふ
奴
(
やつ
)
は、
089
主人
(
しゆじん
)
の
膝
(
ひざ
)
へものり、
090
同
(
おな
)
じ
炬燵
(
こたつ
)
へも
這入
(
はい
)
り、
091
家庭
(
かてい
)
の
花
(
はな
)
となつて、
092
優待
(
いうたい
)
される
代物
(
しろもの
)
だぞ。
093
それだから
猫
(
ねこ
)
が
一番
(
いちばん
)
偉
(
えら
)
いのだ。
094
それだから
猫虎
(
ねことら
)
の
金神
(
こんじん
)
は
丑寅
(
うしとら
)
の
金神
(
こんじん
)
よりも
位
(
くらゐ
)
が
上
(
うへ
)
だと
云
(
い
)
ふのだ。
095
猫
(
ねこ
)
が
三筋
(
みすぢ
)
の
手管
(
てくだ
)
の
糸
(
いと
)
で
096
鰌
(
どぜう
)
や
鯰
(
なまづ
)
を
引
(
ひ
)
きころす………
097
と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
知
(
し
)
らぬか。
098
何程
(
なにほど
)
鰌
(
どぜう
)
ひげを
生
(
は
)
やし、
099
鯰
(
まなづ
)
ひげを
生
(
は
)
やしとる
ゼニトルメン
でも、
100
自由
(
じいう
)
自在
(
じざい
)
に
引
(
ひ
)
きまはす、
101
万能力
(
ばんのうりよく
)
を
持
(
も
)
つてゐるのだから
大
(
たい
)
したものだ。
102
猫寅
(
ねことら
)
の
金神
(
こんじん
)
さまに
限
(
かぎ
)
るぞよ。
103
………
猫寅
(
ねことら
)
の
金神
(
こんじん
)
が
現
(
あら
)
はれて、
104
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
の
神
(
かみ
)
、
105
仏事
(
ぶつじ
)
、
106
人民
(
じんみん
)
、
107
鳥類
(
てうるゐ
)
、
108
獣
(
けだもの
)
、
109
虫族
(
むしけら
)
に
至
(
いた
)
るまで
守護
(
しゆご
)
致
(
いた
)
さぬぞよ。
110
……コラ
安
(
やす
)
、
111
イヤ
狸安
(
たぬきやす
)
、
112
どうだい、
113
豪勢
(
がうせい
)
な
者
(
もの
)
だらう。
114
オツホヽヽヽ』
115
と
笑
(
わら
)
ふ。
116
安公
(
やすこう
)
は
立
(
たち
)
あがり、
117
そこらをキヨロキヨロ
見
(
み
)
まはし、
118
自分
(
じぶん
)
の
加勢
(
かせい
)
に
来
(
き
)
て
呉
(
く
)
れる
友達
(
ともだち
)
はないかと、
119
酔眼
(
すゐがん
)
朦朧
(
まうろう
)
とあたりを
調
(
しら
)
べてゐる。
120
そこへ
目
(
め
)
についたのは
竹公
(
たけこう
)
と
云
(
い
)
ふ
友達
(
ともだち
)
である。
121
安公
(
やすこう
)
は、
122
安公
『オイ
竹公
(
たけこう
)
、
123
一寸
(
ちよつと
)
来
(
き
)
てくれ、
124
加勢
(
かせい
)
だ
加勢
(
かせい
)
だ』
125
此
(
この
)
声
(
こゑ
)
に
竹公
(
たけこう
)
は
多勢
(
おほぜい
)
の
中
(
なか
)
をヒヨロリヒヨロリと
千鳥足
(
ちどりあし
)
になり、
126
徳利
(
とくり
)
を
蹴転
(
けころ
)
がし、
127
盃
(
さかづき
)
をふみ
砕
(
くだ
)
き、
128
人
(
ひと
)
の
頭
(
あたま
)
の
上
(
うへ
)
に
尻餅
(
しりもち
)
をついたり、
129
肩
(
かた
)
を
押
(
おさ
)
へたりし
乍
(
なが
)
ら、
130
やつとの
事
(
こと
)
で
安公
(
やすこう
)
の
前
(
まへ
)
にやつて
来
(
き
)
た。
131
少
(
すこ
)
し
目
(
め
)
が
悪
(
わる
)
いので
信仰
(
しんかう
)
を
始
(
はじ
)
めた
近在
(
きんざい
)
の
百姓
(
ひやくしやう
)
男
(
をとこ
)
である。
132
真珠
(
しんじゆ
)
の
上
(
うへ
)
に
雑水
(
ざふづ
)
をかぶせた
様
(
やう
)
な
目玉
(
めだま
)
を、
133
底
(
そこ
)
の
方
(
はう
)
からピカピカ
光
(
ひか
)
らせ
乍
(
なが
)
ら、
134
竹公
(
たけこう
)
は、
135
竹公
『オイ
安公
(
やすこう
)
、
136
何
(
なに
)
を
かせい
するのだ。
137
かせいと
云
(
い
)
つたつて、
138
此
(
この
)
頃
(
ごろ
)
はサツパリ
懐
(
ふところ
)
が
冬枯
(
ふゆが
)
れだ。
139
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
一
(
いち
)
枚
(
まい
)
ドンドン
乍
(
なが
)
ら、
140
持
(
も
)
つてゐないのだから、
141
反対
(
あべこべ
)
にこつちへチツト
許
(
ばか
)
り
貸
(
か
)
せないかなア。
142
俺
(
おれ
)
も
今日
(
けふ
)
は
斯
(
か
)
うして
目出
(
めで
)
たい
酒
(
さけ
)
を
頂
(
いただ
)
いたのだが、
143
今日
(
けふ
)
働
(
はたら
)
いて
今日
(
けふ
)
食
(
く
)
ふと
云
(
い
)
ふ
江戸
(
えど
)
つ
児
(
こ
)
気質
(
かたぎ
)
の
哥兄
(
にい
)
さまだから、
144
今日
(
けふ
)
は
稼
(
かせ
)
ぎが
出来
(
でき
)
ない。
145
三界
(
さんがい
)
の
首枷
(
くびかせ
)
となる
餓鬼
(
がき
)
が
二三匹
(
にさんびき
)
、
146
家
(
うち
)
にや
嬶
(
かか
)
と
一緒
(
いつしよ
)
に
鍋
(
なべ
)
を
洗
(
あら
)
つて
待
(
ま
)
つてゐるのだから、
147
俺
(
おれ
)
やモウそれを
思
(
おも
)
ふと、
148
折角
(
せつかく
)
呑
(
の
)
んだ
酒
(
さけ
)
がさめて
了
(
しま
)
ひさうだ。
149
おれのやうな
者
(
もの
)
にカセカセ
吐
(
ぬか
)
さずと、
150
此
(
この
)
猫寅
(
ねことら
)
に
貸
(
か
)
して
貰
(
もら
)
つたら
如何
(
どう
)
だい』
151
虎公
(
とらこう
)
『オイ
竹公
(
たけこう
)
、
152
猫虎
(
ねことら
)
とは
余
(
あま
)
りぢやないか』
153
竹公
(
たけこう
)
『
丑寅
(
うしとら
)
の
金神
(
こんじん
)
さまよりも
偉
(
えら
)
い
名
(
な
)
ぢやないか。
154
今
(
いま
)
お
前
(
まへ
)
がさう
言
(
い
)
つて
自慢
(
じまん
)
して
居
(
ゐ
)
ただらう。
155
それだから
此
(
この
)
竹公
(
たけこう
)
が、
156
力
(
ちから
)
一杯
(
いつぱい
)
尊敬
(
そんけい
)
して
猫寅
(
ねことら
)
といふのだが、
157
どこが
悪
(
わる
)
いのだ、
158
そんな
事
(
こと
)
言
(
い
)
はずにチツト
俺
(
おれ
)
に
貸
(
か
)
せ。
159
今日
(
けふ
)
は
目出
(
めで
)
たい
日
(
ひ
)
だから、
160
お
前
(
まへ
)
も
人
(
ひと
)
に
頼
(
たの
)
まれて
滅多
(
めつた
)
に
首
(
くび
)
を
横
(
よこ
)
にふるやうな
事
(
こと
)
はしさうな
筈
(
はず
)
もなし、
161
俺
(
おれ
)
も
亦
(
また
)
借
(
か
)
つて
呉
(
く
)
れと
頼
(
たの
)
まれて
借
(
か
)
つてやらぬと
云
(
い
)
つて、
162
一口
(
ひとくち
)
にはねるやうな
拙劣
(
へた
)
な
事
(
こと
)
はせないからなア』
163
安公
(
やすこう
)
『オイ
竹公
(
たけこう
)
、
164
こんな
奴
(
やつ
)
に
金
(
かね
)
でも
借
(
か
)
らうものなら、
165
それこそ
大事
(
おほごと
)
だ。
166
出会
(
であ
)
ふ
度
(
たび
)
に、
167
貸
(
か
)
してやつた
貸
(
か
)
してやつたと、
168
人
(
ひと
)
の
前
(
まへ
)
だらうが
何処
(
どこ
)
だらうが
構
(
かま
)
はずに、
169
いつ
迄
(
まで
)
も
恥
(
はぢ
)
をかかしやがるから、
170
措
(
お
)
け
措
(
お
)
け、
171
後
(
あと
)
の
為
(
ため
)
が
悪
(
わる
)
いぞ』
172
竹公
(
たけこう
)
『ナーニ、
173
構
(
かま
)
ふものか。
174
こちらの
方
(
はう
)
から
反対
(
はんたい
)
に、
175
人
(
ひと
)
に
出会
(
であ
)
ふ
度
(
たび
)
に
借
(
か
)
つてやつた
借
(
か
)
つてやつたと
云
(
い
)
つたらいいぢやないか。
176
貸
(
か
)
してられる
奴
(
やつ
)
よりも
借
(
か
)
る
奴
(
やつ
)
の
方
(
はう
)
が、
177
当世
(
たうせい
)
は
力
(
ちから
)
があるのだからなア。
178
さうだから
人間
(
にんげん
)
は
借金
(
しやくきん
)
をせなくては、
179
男
(
をとこ
)
の
幅
(
はば
)
が
利
(
き
)
かぬといふのだ。
180
貴様
(
きさま
)
のやうに
金持
(
かねもち
)
の
所
(
ところ
)
へ
行
(
い
)
つては
三文
(
さんもん
)
一文
(
いちもん
)
の
世話
(
せわ
)
にもならぬ
癖
(
くせ
)
に、
181
追従
(
つゐしよう
)
タラダラ、
182
旦那
(
だんな
)
はん
仏壇
(
ぶつだ
)
はん、
183
ゼントルマンだとか
吐
(
ぬか
)
しやがつて、
184
お
髭
(
ひげ
)
の
塵
(
ちり
)
を
払
(
はら
)
ふよりも、
185
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
は
自分
(
じぶん
)
の
甲斐性
(
かひしやう
)
でドツサリ
金
(
かね
)
を
借
(
か
)
り、
186
お
髭
(
ひげ
)
の
塵
(
ちり
)
どころか、
187
三文
(
さんもん
)
も
払
(
はら
)
うてやらぬのだ。
188
さうすると、
189
借
(
か
)
られた
奴
(
やつ
)
めが、
190
反対
(
あべこべ
)
に
俺
(
おれ
)
の
機嫌
(
きげん
)
を
取
(
と
)
りやがつて、
191
逆
(
さか
)
さまに
振
(
ふる
)
うても
虱
(
しらみ
)
一
(
ひと
)
つおちぬ
男
(
をとこ
)
を、
192
道
(
みち
)
で
出会
(
であ
)
ふと
向
(
むか
)
ふの
方
(
はう
)
からペコペコ
頭
(
あたま
)
を
下
(
さ
)
げて、
193
機嫌
(
きげん
)
を
取
(
と
)
るのだから
大
(
たい
)
したものだよ。
194
モシも
俺
(
おれ
)
を
怒
(
おこ
)
らさうものなら、
195
貸
(
か
)
した
金
(
かね
)
をふみつぶされちや
堪
(
たま
)
らないと、
196
執着心
(
しふちやくしん
)
の
欲
(
よく
)
にかられて
弱
(
よわ
)
くなるのだからなア、
197
貴様
(
きさま
)
の
様
(
やう
)
に
貸
(
か
)
しもせねば、
198
能
(
よ
)
う
借
(
か
)
りもせず、
199
朝
(
あさ
)
から
晩
(
ばん
)
まで
碌
(
ろく
)
な
物
(
もの
)
も
食
(
くら
)
はず、
200
嬶
(
かか
)
アと
睨
(
にら
)
みつこ
計
(
ばか
)
りして……あゝ
今年
(
ことし
)
もなんぼ なんぼ
食
(
く
)
ひ
込
(
こ
)
んだ、
201
田
(
た
)
が
一町
(
いつちやう
)
減
(
へ
)
つた。
202
林
(
はやし
)
が
一
(
ひと
)
つ
飛
(
と
)
んだ……と
言
(
い
)
つて、
203
青息
(
あをいき
)
吐息
(
といき
)
で
暮
(
くら
)
す
代物
(
しろもの
)
とは、
204
チツト
種
(
たね
)
が
違
(
ちが
)
ふのだからなア』
205
虎公
(
とらこう
)
は
酒
(
さけ
)
にヅブ
六
(
ろく
)
に
酔
(
よ
)
うて
居
(
ゐ
)
る
竹公
(
たけこう
)
の
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
いて、
206
何
(
なん
)
と
思
(
おも
)
うたか、
207
虎公
(
とらこう
)
『オイ
竹公
(
たけこう
)
、
208
貴様
(
きさま
)
の
言草
(
いひぐさ
)
は
中々
(
なかなか
)
面白
(
おもしろ
)
い。
209
今
(
いま
)
まで
随分
(
ずゐぶん
)
借倒
(
かりたふ
)
されたが、
210
到底
(
たうてい
)
返
(
かへ
)
してくれる
見込
(
みこみ
)
もあり
相
(
さう
)
にない。
211
一生
(
いつしやう
)
貴様
(
きさま
)
のいふ
通
(
とほ
)
り、
212
俺
(
おれ
)
は
貴様
(
きさま
)
の
機嫌
(
きげん
)
をとらねばならぬと
思
(
おも
)
へば
情
(
なさけ
)
なうなつて
来
(
き
)
た。
213
どうぞおれに
金
(
かね
)
を
借
(
か
)
つてやつたと
云
(
い
)
ふことを
忘
(
わす
)
れてくれ。
214
俺
(
おれ
)
も
亦
(
また
)
貸
(
か
)
したなんどといふ
事
(
こと
)
は
夢
(
ゆめ
)
にも
思
(
おも
)
はぬからなア。
215
ここに
金
(
きん
)
百
(
ひやく
)
両
(
りやう
)
あるが、
216
これも
貴様
(
きさま
)
に
献上
(
けんじやう
)
するから
受取
(
うけと
)
つてくれ。
217
そして
俺
(
おれ
)
から
貰
(
もら
)
うたといふ
事
(
こと
)
もスツカリ
忘
(
わす
)
れるのだぞ。
218
俺
(
おれ
)
も
貴様
(
きさま
)
にやつたといふ
事
(
こと
)
を、
219
今日
(
けふ
)
限
(
かぎ
)
り
忘
(
わす
)
れて
了
(
しま
)
ふからなア』
220
竹公
(
たけこう
)
『ヨシ、
221
特別
(
とくべつ
)
を
以
(
もつ
)
て
許
(
ゆる
)
してやらう。
222
有難
(
ありがた
)
く
頂戴
(
ちやうだい
)
いたせ……ぢやない、
223
俺
(
おれ
)
が
頂戴
(
ちやうだい
)
いたす……オイ
安公
(
やすこう
)
、
224
どうだい、
225
竹哥兄
(
たけにい
)
のお
腕前
(
うでまへ
)
を
知
(
し
)
つたか、
226
アーン』
227
安公
(
やすこう
)
『チツト
俺
(
おれ
)
にも
分配
(
ぶんぱい
)
せぬかい。
228
貴様
(
きさま
)
一人
(
ひとり
)
、
229
猫糞
(
ねこばば
)
をきめるとは、
230
余
(
あま
)
り
虫
(
むし
)
がよすぎるぞ』
231
竹公
(
たけこう
)
『
猫糞
(
ねこばば
)
をきめこむのは
当然
(
あたりまへ
)
だ。
232
灰猫
(
はひねこ
)
の
猫寅
(
ねことら
)
から……オツトドツコイ、
233
忘
(
わす
)
れるのだつた、
234
貰
(
もら
)
つたか
貰
(
もら
)
はぬか、
235
曖眛
(
あいまい
)
模糊
(
もこ
)
として、
236
捕捉
(
ほそく
)
す
可
(
べか
)
らざる
活劇
(
くわつげき
)
に
依
(
よ
)
つて、
237
捕捉
(
ほそく
)
したのだから、
238
マア
内
(
うち
)
の
嬶
(
かか
)
アに
御
(
お
)
届
(
とど
)
けする
迄
(
まで
)
は
御免
(
ごめん
)
蒙
(
かうむ
)
らうかい。
239
ウフヽヽヽ……
時
(
とき
)
に
黒姫
(
くろひめ
)
さまの
本当
(
ほんたう
)
の
子
(
こ
)
といふのは、
240
あの……それ……
何
(
なん
)
ぢやないか、
241
本当
(
ほんたう
)
に
呆
(
あき
)
れたものだなア』
242
安公
(
やすこう
)
『
玉治別
(
たまはるわけ
)
さまが
黒姫
(
くろひめ
)
の
若
(
わか
)
い
時
(
とき
)
の
伜
(
せがれ
)
だつたといの。
243
何
(
なん
)
と
黒姫
(
くろひめ
)
も
今
(
いま
)
こそ
神
(
かみ
)
さまだとか、
244
教
(
をしへ
)
だとか、
245
偉相
(
えらさう
)
に
云
(
い
)
つてゐやがるが、
246
若
(
わか
)
い
時
(
とき
)
や
余程
(
よほど
)
の
淫奔娘
(
いたづらむすめ
)
だつたと
見
(
み
)
えるワイ』
247
竹公
(
たけこう
)
『さうだから、
248
神
(
かみ
)
さまが
此
(
この
)
八尋殿
(
やひろどの
)
へ
集
(
あつま
)
つて
来
(
く
)
る
者
(
もの
)
は、
249
罪人
(
とがにん
)
計
(
ばか
)
りだと
仰有
(
おつしや
)
るのだ。
250
一代
(
いちだい
)
で
取
(
と
)
れぬ
罪
(
つみ
)
を
神
(
かみ
)
の
御用
(
ごよう
)
を
命
(
さ
)
して、
251
一代
(
いちだい
)
で
取
(
と
)
つてやらうと
仰有
(
おつしや
)
るのだからなア。
252
此
(
この
)
聖地
(
せいち
)
で
偉
(
えら
)
さうにやつて
居
(
を
)
る
東助
(
とうすけ
)
総務
(
そうむ
)
でも、
253
高姫
(
たかひめ
)
でも、
254
げほうさまでも、
255
若
(
わか
)
い
時
(
とき
)
に
如何
(
どん
)
な
事
(
こと
)
をやつて
来
(
き
)
やがつたか、
256
知
(
し
)
れたものぢやないぞ。
257
上
(
うへ
)
に
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
る
者
(
もの
)
程
(
ほど
)
霊
(
みたま
)
の
悪
(
わる
)
い
如何
(
どう
)
も
斯
(
か
)
うもならぬ
奴
(
やつ
)
が
引寄
(
ひきよ
)
せてあるぞよと、
258
神
(
かみ
)
さまが
仰有
(
おつしや
)
るのだからなア』
259
虎公
(
とらこう
)
『オイ
両人
(
りやうにん
)
、
260
余
(
あんま
)
りな
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
つちや
可
(
い
)
けないぞ。
261
今日
(
けふ
)
は
目出
(
めで
)
たい
日
(
ひ
)
だから、
262
話
(
はなし
)
をするのは
良
(
い
)
いが、
263
人身
(
じんしん
)
攻撃
(
こうげき
)
になるやうな
事
(
こと
)
は
謹
(
つつし
)
まねばならうまい。
264
悪言暴語
(
ののしること
)
なく、
265
善言美詞
(
みやび
)
の
言霊
(
ことたま
)
を
以
(
もつ
)
て
普
(
あまね
)
く
神人
(
かみがみ
)
を
和
(
なご
)
め、
266
天地
(
あめつち
)
の
御子
(
みこ
)
と
生
(
うま
)
れ
出
(
い
)
でたる
其
(
その
)
本分
(
つとめ
)
を
尽
(
つく
)
させ
玉
(
たま
)
へ……と
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに
祈
(
いの
)
る
所
(
ところ
)
の
八尋殿
(
やひろどの
)
ぢやないか。
267
チツト
場所
(
ばしよ
)
を
考
(
かんが
)
へて
見
(
み
)
よ』
268
竹公
(
たけこう
)
『
上
(
うへ
)
に
立
(
た
)
つとる
奴
(
やつ
)
は、
269
何奴
(
どいつ
)
も
此奴
(
こいつ
)
もすました
顔
(
かほ
)
しやがつて、
270
俺
(
おれ
)
はゼントルメンだと
吐
(
ぬか
)
してゐるが、
271
神
(
かみ
)
さまを
松魚節
(
かつをぶし
)
にして、
272
人
(
ひと
)
の
懐
(
ふところ
)
から
銭取奴
(
ぜにとるめん
)
だ。
273
まるで
体
(
てい
)
のよい
泥棒
(
どろばう
)
だよ。
274
八尋殿
(
やひろどの
)
が
聞
(
き
)
いて
呆
(
あき
)
れら。
275
ワツハヽヽヽ』
276
安公
(
やすこう
)
『
銭取
(
ぜにと
)
る
奴
(
めん
)
といふ
事
(
こと
)
は
貴様
(
きさま
)
の
事
(
こと
)
だ。
277
衆人
(
しうじん
)
環視
(
くわんし
)
の
中
(
なか
)
で、
278
猫寅
(
ねことら
)
の
懐
(
ふところ
)
から、
279
現
(
げん
)
に
銭取
(
ぜにと
)
る
奴
(
めん
)
をやつたぢやないか。
280
人
(
ひと
)
の
事
(
こと
)
だと
思
(
おも
)
うて
居
(
を
)
つたら、
281
皆
(
みな
)
吾
(
わが
)
事
(
こと
)
であるぞよと
神
(
かみ
)
さまの
御教
(
みをしへ
)
にあるのを
貴様
(
きさま
)
覚
(
おぼ
)
えて
居
(
を
)
るか』
282
竹公
(
たけこう
)
『そんな
所
(
ところ
)
は
俺
(
おれ
)
が
覚
(
おぼ
)
える
必要
(
ひつえう
)
がないのだ。
283
各自
(
めいめい
)
に
心
(
こころ
)
相応
(
さうおう
)
に
取
(
と
)
れる
教
(
をしへ
)
だから、
284
俺
(
おれ
)
はおれで
取
(
と
)
る
所
(
ところ
)
があるのだ。
285
貴様
(
きさま
)
も
貴様
(
きさま
)
で、
286
気
(
き
)
に
入
(
い
)
つた
筆先
(
ふでさき
)
の
文句
(
もんく
)
があるだらう』
287
安公
(
やすこう
)
『さうだなア、
288
俺
(
おれ
)
だつて
嫌
(
きら
)
ひな
所
(
ところ
)
もあれば
好
(
す
)
きな
所
(
ところ
)
もある。
289
……
艮
(
うしとら
)
の
金神
(
こんじん
)
現
(
あら
)
はれて……と
云
(
い
)
ふ
声
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
くと、
290
俄
(
にはか
)
に
頭
(
あたま
)
が
痛
(
いた
)
くなりやがるなり……
竜宮
(
りうぐう
)
の
乙姫
(
おとひめ
)
が
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
と
現
(
あら
)
はれるぞよ……といふ
文句
(
もんく
)
になつて
来
(
く
)
ると、
291
益々
(
ますます
)
気分
(
きぶん
)
が
悪
(
わる
)
くなつて
逃
(
に
)
げて
帰
(
かへ
)
りたくなつて
了
(
しま
)
ふワ。
292
さうだと
思
(
おも
)
ふと……
世
(
よ
)
におちぶれた
者
(
もの
)
を
侮
(
あなど
)
る
事
(
こと
)
はならぬぞよ、
293
結構
(
けつこう
)
なお
方
(
かた
)
が
世
(
よ
)
におとしてあるぞよ、
294
誠
(
まこと
)
の
人間
(
にんげん
)
ほど
苦労
(
くらう
)
が
永
(
なが
)
いぞよ、
295
神
(
かみ
)
は
上下
(
うへした
)
運否
(
うんぷ
)
のなき
様
(
やう
)
に
致
(
いた
)
すぞよ……といふ
点
(
てん
)
になると、
296
中々
(
なかなか
)
気
(
き
)
に
入
(
い
)
るね。
297
斯
(
か
)
ういふ
所
(
ところ
)
を
聞
(
き
)
かされると、
298
虎公
(
とらこう
)
なぞは
頭
(
あたま
)
の
痛
(
いた
)
い
口
(
くち
)
だらう。
299
それだから
其
(
その
)
人々
(
ひとびと
)
の
心
(
こころ
)
に
取
(
と
)
れる
筆先
(
ふでさき
)
だと
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
仰有
(
おつしや
)
るのだ』
300
虎公
(
とらこう
)
『
俺
(
おれ
)
は
別
(
べつ
)
にどこが
好
(
す
)
きだの
嫌
(
きら
)
ひだのといふ
事
(
こと
)
はない、
301
神
(
かみ
)
さまの
教
(
をしへ
)
には
無条件
(
むでうけん
)
降服
(
かうふく
)
だ。
302
何程
(
なにほど
)
人間
(
にんげん
)
が
偉相
(
えらさう
)
に
考
(
かんが
)
へて
見
(
み
)
た
所
(
ところ
)
で
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
のお
詞
(
ことば
)
が
分
(
わか
)
るものぢやない。
303
俺
(
おれ
)
は
変性
(
へんじやう
)
男子
(
なんし
)
に
対
(
たい
)
しても
変性
(
へんじやう
)
女子
(
によし
)
に
対
(
たい
)
しても
絶対
(
ぜつたい
)
服従
(
ふくじゆう
)
だ。
304
無条件
(
むでうけん
)
降服
(
かうふく
)
だ。
305
それより
取
(
と
)
るべき
途
(
みち
)
がないのだからなア』
306
安公
(
やすこう
)
『
貴様
(
きさま
)
も
偉
(
えら
)
い
迷信家
(
めいしんか
)
だなア。
307
筆先
(
ふでさき
)
といふものは
一々
(
いちいち
)
審神
(
さには
)
をせなくては、
308
何
(
なに
)
もかも、
309
貴様
(
きさま
)
のやうに
唐辛
(
たうがらし
)
丸呑
(
まるの
)
みの
議論
(
ぎろん
)
ではサツパリ
駄目
(
だめ
)
だ。
310
辛
(
から
)
いか
甘
(
あま
)
いか
苦
(
にが
)
いか、
311
よくかみ
分
(
わ
)
けるのが、
312
吾々
(
われわれ
)
の
務
(
つと
)
めだ』
313
竹公
(
たけこう
)
『もうゴテゴテいふな、
314
今日
(
けふ
)
は
目出
(
めで
)
たい
日
(
ひ
)
だから、
315
俺
(
おれ
)
は
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
筆先
(
ふでさき
)
に
有難
(
ありがた
)
いことがあるのだ。
316
……
難儀
(
なんぎ
)
な
者
(
もの
)
を
助
(
たす
)
ける
精神
(
せいしん
)
にならぬと、
317
神
(
かみ
)
の
気
(
き
)
かんに
叶
(
かな
)
はぬぞよ……といふ
所
(
ところ
)
がある。
318
其
(
その
)
筆先
(
ふでさき
)
のおかげで、
319
猫寅
(
ねことら
)
が
今迄
(
いままで
)
の
執着心
(
しふちやくしん
)
をスツパリ
捨
(
す
)
てて
了
(
しま
)
つて
俺
(
おれ
)
に
現金
(
げんきん
)
で
百
(
ひやく
)
両
(
りやう
)
も、
320
沢山
(
たくさん
)
借金
(
しやくきん
)
がある
上
(
うへ
)
に、
321
くれる
様
(
やう
)
な
善
(
ぜん
)
の
心
(
こころ
)
に
立返
(
たちかへ
)
りなされたぞよ。
322
竜宮
(
りうぐう
)
の
乙姫
(
おとひめ
)
殿
(
どの
)
は、
323
誠
(
まこと
)
に
欲
(
よく
)
の
深
(
ふか
)
い
神
(
かみ
)
でありたなれど、
324
此
(
この
)
度
(
たび
)
艮
(
うしとら
)
の
金神
(
こんじん
)
さまが
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれ
遊
(
あそ
)
ばして、
325
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
をお
構
(
かま
)
ひ
遊
(
あそ
)
ばすについて、
326
乙姫
(
おとひめ
)
さまも、
327
これでは
可
(
い
)
かぬと
御
(
お
)
合点
(
がつてん
)
を
遊
(
あそ
)
ばし、
328
今
(
いま
)
まで
海
(
うみ
)
の
底
(
そこ
)
にためておいた
宝
(
たから
)
を、
329
残
(
のこ
)
らず
艮
(
うしとら
)
の
金神
(
こんじん
)
様
(
さま
)
にお
渡
(
わた
)
し
申
(
まを
)
して、
330
今度
(
こんど
)
の
御用
(
ごよう
)
の
片腕
(
かたうで
)
にお
成
(
な
)
りなされたぞよ。
331
人民
(
じんみん
)
も
其
(
その
)
通
(
とほ
)
り、
332
欲
(
よく
)
にためて
居
(
を
)
りて
万劫
(
まんごふ
)
末代
(
まつだい
)
吾
(
われ
)
の
物
(
もの
)
だとこばりて
居
(
を
)
りても、
333
天地
(
てんち
)
の
物
(
もの
)
は
皆
(
みな
)
神
(
かみ
)
の
物
(
もの
)
であるから、
334
神
(
かみ
)
に
返
(
かへ
)
さねばならぬぞよ。
335
上下
(
うへした
)
運否
(
うんぷ
)
のなき
世
(
よ
)
に
致
(
いた
)
して、
336
世界
(
せかい
)
の
人民
(
じんみん
)
を
安心
(
あんしん
)
させるぞよ。
337
早
(
はや
)
く
改心
(
かいしん
)
致
(
いた
)
した
者
(
もの
)
程
(
ほど
)
結構
(
けつこう
)
になるぞよ……と
云
(
い
)
ふお
筆先
(
ふでさき
)
は
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
に
取
(
と
)
つては
天来
(
てんらい
)
の
大福音
(
だいふくいん
)
だ。
338
猫寅
(
ねことら
)
でさへも
竜宮
(
りうぐう
)
の
乙姫
(
おとひめ
)
さまになりかけたのだからなア。
339
ウツフヽヽ、
340
ボロイボロイこんなボロイ
事
(
こと
)
が
世
(
よ
)
にあらうか。
341
それだから
信心
(
しんじん
)
の
味
(
あぢ
)
が
分
(
わか
)
らぬといふのだ』
342
斯
(
か
)
く
得意
(
とくい
)
になつて、
343
ベラベラ
喋
(
しやべ
)
つてゐる
所
(
ところ
)
へ、
344
伊助
(
いすけ
)
といふ
竹公
(
たけこう
)
の
身内
(
みうち
)
の
男
(
をとこ
)
、
345
矢庭
(
やには
)
に
走
(
はし
)
り
来
(
き
)
たり、
346
『
馬鹿
(
ばか
)
ツ』と
大声
(
たいせい
)
一喝
(
いつかつ
)
、
347
竹公
(
たけこう
)
の
横面
(
よこづら
)
をなぐりつけた。
348
竹公
(
たけこう
)
『アイタヽ、
349
コリヤ
伊助
(
いすけ
)
、
350
貴様
(
きさま
)
は
誰
(
たれ
)
に
断
(
ことわ
)
つて
俺
(
おれ
)
の
面
(
つら
)
を
擲
(
なぐ
)
つたのだ。
351
伊
(
い
)
け
助
(
すけ
)
ない
餓鬼
(
がき
)
だ。
352
今
(
いま
)
にドツサリ
金
(
かね
)
を
持
(
も
)
つてお
礼
(
れい
)
に
行
(
ゆ
)
くから、
353
さう
思
(
おも
)
へ』
354
伊助
(
いすけ
)
『
早
(
はや
)
くお
礼
(
れい
)
に
来
(
き
)
てくれ、
355
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
る』
356
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
群集
(
ぐんしふ
)
を
押分
(
おしわ
)
け
表
(
おもて
)
へ
駆出
(
かけだ
)
した。
357
東助
(
とうすけ
)
は
高座
(
かうざ
)
に
立現
(
たちあら
)
はれ、
358
大声
(
おほごゑ
)
を
張上
(
はりあ
)
げて、
359
東助
(
とうすけ
)
『
皆様
(
みなさま
)
、
360
御
(
ご
)
苦労
(
くらう
)
で
御座
(
ござ
)
いました。
361
これで
宴会
(
えんくわい
)
を
閉
(
と
)
ぢますから、
362
一先
(
ひとま
)
づ
御
(
ご
)
退場
(
たいぢやう
)
を
願
(
ねが
)
ひます』
363
と
宣示
(
せんじ
)
した。
364
数千
(
すうせん
)
人
(
にん
)
の
人々
(
ひとびと
)
は
東助
(
とうすけ
)
の
鶴
(
つる
)
の
一声
(
ひとこゑ
)
に、
365
神殿
(
しんでん
)
に
向
(
むか
)
ひ
拍手
(
はくしゆ
)
再拝
(
さいはい
)
し、
366
各
(
おのおの
)
上機嫌
(
じやうきげん
)
で
住家
(
すみか
)
を
指
(
さ
)
して
帰
(
かへ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
367
(
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