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第一八章 神風清(かみかぜきよし)〔九三三〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第33巻 海洋万里 申の巻 篇:第3篇 時節到来 よみ(新仮名遣い):じせつとうらい
章:第18章 神風清 よみ(新仮名遣い):かみかぜきよし 通し章番号:933
口述日:1922(大正11)年08月29日(旧07月7日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年11月10日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
秋山別は東助ら聖地から集まった人々の前に現れ、言依別命が責任を負って聖地から退任された麻邇の宝珠の大事件の顛末について報告した。秋山別は、麻邇の宝珠は高姫たち四人の熱誠によって再発見されたと宣言し、四人は後程宝珠を携えて聖地に戻るだろうと告げた。
一同は高姫らの活躍で大事件の解決がついたことを意外に思いながらも、聖地に戻って行った。東助は聖地に戻り、秋山別の言葉を取次ぎの紫姫と英子姫に伝えた。それを聞いた玉照彦と玉照姫はニコニコと頷き、喜び、祝詞を上げると信徒たちに目礼をして奥殿に姿を隠した。
紫姫は東助に、玉照彦、玉照姫、英子姫の三柱によれば、高姫ら四人は明日、宝珠を携えて聖地に戻るだろうから、歓迎の準備をするようにと依頼した。
明けて九月八日、高姫たち四人は、それぞれ麻邇の宝珠を携えて聖地に現れた。そして神殿に進み、各々玉を奉持して無言のまま控えている。そこへ、玉照彦、玉照姫、英子姫、紫姫が礼装を整えて現れた。
そして各々一つずつ麻邇の宝珠を受け取り、頭上高く捧げて錦の宮の神前に進んで安置した。そして八尋殿に戻ってくると、高姫ら四人を殿内に導き入れ、共に感謝祈願の祝詞を奏上した。
八人は教主殿の奥の間に進んで、互いに神業成就の歓を尽くし、無事の帰国と成功を祝した。英子姫は高姫にねぎらいの言葉をかけた。
高姫は英子姫に対し、神様のお道を思うあまりにかえって道を踏み外し、瑞霊の行いを悪だと思いつめて力いっぱい妨害していたことを心から詫び、身魂の相応の御用を仰せ付けてくださるようにと謙虚に赦しを請うた。
英子姫は、高姫の言を聞いて喜んだ。鷹依姫、黒姫、竜国別もそれぞれ、感謝の思いを披露した。玉照彦と玉照姫は、四人に鎮魂を施した。
高姫は初めて今までの我を払しょくし、青色の麻邇の宝珠の神業に参加することを決意し、金剛不壊の如意宝珠は吾が身の業ではないことを悟ったのであった。
金剛不壊の如意宝珠の御用を務めた初稚姫は、錦の宮の八尋殿の教主となった。紫色の玉の御用を務めた玉能姫は、夫の若彦とともに、生田の森の神館に仕えることとなった。若彦は、後に国玉別という名を賜ることになった。
黄金の玉の神業に奉仕した言依別命は、少彦名神の神霊とともに斎苑の館を立ち出でて、アーメニヤに渡りエルサレムに現れた。そこに立派な宮殿を造り、黄金の玉の威徳と琉の玉の威徳をもって、あまねく神人を教化し給うた。
梅子姫は父神のおわす斎苑の館に帰った。紫の麻邇の玉の威徳によってフサの国の神業に参加した。
高姫は、黒姫、鷹依姫、竜国別らとともに聖地において紫姫の部下となり、神妙に神務に奉仕し、神政成就の基礎的活動に励むことになった。
これらの神々の舎身的活動によって、四尾山麓に時節が到来し、国常立尊と現れて現幽神三界の修理個性を開始し玉うことを得るに至ったのである。これがすなわち、国祖国常立尊が変性男子の身魂・出口教祖に帰神して、大本の教えを神宮本宮の坪の内より現れ給うた原因なのである。
また言依別命の舎身的活動によって、黄金の玉の威霊より変性女子の身魂が高熊山の霊山を起点として現れ、大本の教えを輔助しかつ開くことになったのである。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2022-09-01 05:07:09 OBC :rm3318
愛善世界社版:194頁 八幡書店版:第6輯 322頁 修補版: 校定版:203頁 普及版:75頁 初版: ページ備考:
001 秋山彦(あきやまひこ)東助(とうすけ)002玉治別(たまはるわけ)(その)()一同(いちどう)(あつ)まる広間(ひろま)(あら)はれ、
003秋山彦皆様(みなさま)004()苦労(くらう)御座(ござ)いました。005高姫(たかひめ)(さま)(はじ)黒姫(くろひめ)006鷹依姫(たかよりひめ)007竜国別(たつくにわけ)()一行(いつかう)(やうや)惟神(かむながら)()経綸(けいりん)()り、008(わたくし)(やかた)までお(かへ)(くだ)さいまして、009(じつ)にこれ(くらゐ)(よろこ)ばしい(こと)御座(ござ)いませぬ。010()いては言依別(ことよりわけの)(みこと)(さま)責任(せきにん)()うて、011聖地(せいち)をお立退(たちの)きになりました大事件(だいじけん)根源(こんげん)たる麻邇(まに)宝珠(ほつしゆ)所在(ありか)が、012高姫(たかひめ)(さま)以下(いか)()一同(いちどう)熱誠(ねつせい)()つて、013判明(はんめい)(いた)しましたに()いては、014(やが)(ちか)(うち)麻邇(まに)宝珠(ほつしゆ)()つてお(かへ)りになることで御座(ござ)いませう。015皆様(みなさま)はどうぞ、016これより聖地(せいち)(かへ)り、017歓迎(くわんげい)()準備(じゆんび)(ねが)ひます。018国治立(くにはるたちの)(みこと)(さま)019豊国姫(とよくにひめの)(みこと)(さま)(はじ)め、020神々(かみがみ)(さま)()仁慈(じんじ)到底(たうてい)吾々(われわれ)(かた)(つく)すべき(ところ)では御座(ござ)いませぬ』
021(うれ)(なみだ)湿(しめ)つた(こゑ)張上(はりあ)げて挨拶(あいさつ)をするのであつた。022東助(とうすけ)023玉治別(たまはるわけ)(その)()一同(いちどう)は、024秋山彦(あきやまひこ)(あん)相違(さうゐ)言葉(ことば)(おどろ)()(あや)しみ(なが)ら、025高姫(たかひめ)以下(いか)(この)()より何処(いづこ)ともなく()えたるに拍子抜(ひやうしぬけ)したる面色(おももち)にて、026(いそ)聖地(せいち)()して(かへ)()くのであつた。
027 聖地(せいち)(にしき)(みや)八尋殿(やひろどの)には、028玉照彦(たまてるひこ)029玉照姫(たまてるひめ)030英子姫(ひでこひめ)は、031紫姫(むらさきひめ)(とも)数多(あまた)幹部(かんぶ)(したが)へ、032一行(いつかう)(かへ)(きた)るを()ちつつあつた。033東助(とうすけ)(さん)(にん)神司(かむつかさ)(まへ)(うやうや)しく(すす)()り、034(かしら)()両手(りやうて)をつかへ、
035東助(とうすけ)由良(ゆら)(みなと)秋山彦(あきやまひこ)(やかた)へ、036高姫(たかひめ)一行(いつかう)(むか)への(ため)(まゐ)りました(ところ)037竹島丸(たけしままる)乗込(のりこ)み、038高砂島(たかさごじま)より一行(いつかう)(はち)(にん)(かへ)りになりました。039それより秋山彦(あきやまひこ)(やかた)にお(むか)(いた)し、040一夜(いちや)()かし、041いろいろの款待(もてなし)(あづか)り、042無事(ぶじ)帰国(きこく)(しゆく)して()(さい)043黒姫(くろひめ)もお(かへ)りになり高姫(たかひめ)一行(いつかう)()(にん)方々(かたがた)麻邇(まに)宝珠(ほつしゆ)所在(ありか)(わか)つたとかで、044ソツトどこかへ()()でになりました。045()いては近日(きんじつ)(その)(たま)()聖地(せいち)へお(かへ)りになるから、046(はや)(かへ)つて歓迎(くわんげい)準備(じゆんび)をせよとの(こと)御座(ござ)いました。047(なに)(なん)だか、048(わたくし)には一向(いつかう)要領(えうりやう)()ませぬが、049是非(ぜひ)なく此処(ここ)まで(かへ)つて(まゐ)りました。050如何(いかが)(いた)せば(よろ)しいので御座(ござ)いませうか。051紫姫(むらさきひめ)(さま)052どうぞあなたより三柱(みはしら)神司(かむつかさ)(よろ)しく言上(ごんじやう)(ねが)ひます』
053()つた。054紫姫(むらさきひめ)は『ハイ』と(こた)へて高座(かうざ)にのぼり、055三柱(みはしら)(まへ)(ぬか)づき、056東助(とうすけ)言葉(ことば)一々(いちいち)言上(ごんじやう)した。057英子姫(ひでこひめ)058玉照彦(たまてるひこ)059玉照姫(たまてるひめ)三柱(みはしら)神司(かむつかさ)はニコニコし(なが)ら、060(あたま)(たて)()つてゐられる。061()様子(やうす)がどこやらに(ふか)確信(かくしん)あるものの(ごと)()られた。062三柱(みはしら)神司(かむつかさ)神前(しんぜん)(むか)ひ、063(うやうや)しく祝詞(のりと)奏上(そうじやう)(をは)つて、064一同(いちどう)神司(かむつかさ)(およ)信徒(しんと)目礼(もくれい)(ほどこ)(なが)(やかた)(おく)(ふか)(しの)()(たま)うた。
065 紫姫(むらさきひめ)東助(とうすけ)(むか)ひ、
066紫姫只今(ただいま)三柱(みはしら)大神司(おほかむつかさ)より(うけたま)はりますれば、067高姫(たかひめ)(さま)明日(みやうにち)四人(よにん)()れにてお(かへ)りのはずで御座(ござ)いますから、068どうぞ歓迎(くわんげい)準備(じゆんび)(あそ)ばして(くだ)さいませ』
069東助(とうすけ)『ハイ委細(ゐさい)承知(しようち)(つかまつ)りました』
070(この)()をさがり、071歓迎(くわんげい)準備(じゆんび)全力(ぜんりよく)(つく)し、072高姫(たかひめ)(かへ)るを(いま)(おそ)しと()ちつつあつた。
073 ()くれば()(ぐわつ)八日(やうか)074高姫(たかひめ)075鷹依姫(たかよりひめ)076黒姫(くろひめ)077竜国別(たつくにわけ)()(にん)嬉々(きき)として、078麻邇(まに)宝珠(ほつしゆ)(ほう)じ、079(にしき)(みや)八尋殿(やひろどの)()して(かへ)(きた)り、080(ただち)神殿(しんでん)(まへ)(すす)み、081(おのおの)(たま)捧持(ほうぢ)して、082無言(むごん)(まま)(ひか)へて()る。083紫姫(むらさきひめ)(この)(てい)()て、084(ただち)三柱(みはしら)大神司(おほかむつかさ)奉告(ほうこく)した。
085 (ここ)玉照彦(たまてるひこ)086玉照姫(たまてるひめ)087英子姫(ひでこひめ)088紫姫(むらさきひめ)礼装(れいさう)調(ととの)へ、089()(にん)(まへ)無言(むごん)(まま)(あら)はれ、090玉照彦(たまてるひこ)高姫(たかひめ)()より青色(せいしよく)麻邇(まに)宝珠(ほつしゆ)受取(うけと)り、091玉照姫(たまてるひめ)黒姫(くろひめ)()より赤色(せきしよく)宝珠(ほつしゆ)受取(うけと)り、092英子姫(ひでこひめ)鷹依姫(たかよりひめ)()より白色(はくしよく)宝珠(ほつしゆ)受取(うけと)り、093紫姫(むらさきひめ)竜国別(たつくにわけ)()より黄色(わうしよく)麻邇(まに)宝珠(ほつしゆ)受取(うけと)り、094頭上(づじやう)(たか)(ささ)(なが)悠々(いういう)として(にしき)(みや)神前(しんぜん)(すす)み、095案上(あんじやう)(うやうや)しく安置(あんち)され、096(ふたた)八尋殿(やひろどの)(くだ)(きた)り、097高姫(たかひめ)(ほか)(さん)(にん)()()り、098殿内(でんない)(みちび)感謝(かんしや)祈願(きぐわん)祝詞(のりと)(とも)奏上(そうじやう)し、099(はち)(にん)相伴(あひともな)ひて、100教主殿(けうしゆでん)(おく)()さして(すす)()り、101(たがひ)(くわん)(つく)して、102無事(ぶじ)帰国(きこく)(その)成功(せいこう)(しゆく)(たま)うたのである。
103英子姫(ひでこひめ)皆様(みなさま)104随分(ずゐぶん)()苦労(くらう)御座(ござ)いましたなア。105神界(しんかい)()経綸(けいりん)到底(たうてい)106人間(にんげん)(ども)(はか)()(ところ)御座(ござ)いませぬ。107(ただ)何事(なにごと)(かみ)(さま)()命令(めいれい)(したが)ふより(ほか)(みち)御座(ござ)いませぬ』
108高姫(たかひめ)『ハイ、109有難(ありがた)御座(ござ)います。110(わたくし)(あま)(かみ)(さま)()(みち)大事(だいじ)(おも)(あま)り、111言依別(ことよりわけの)(みこと)(さま)行方(やりかた)()て、112大神(おほかみ)(さま)()経綸(けいりん)妨害(ばうがい)し、113(ふたた)(あま)岩戸(いはと)をとざす悪魔(あくま)所為(しよゐ)(おも)ひつめ、114いろいろ雑多(ざつた)誤解(ごかい)(いた)妨害(ばうがい)のみ(いた)して(まゐ)りました。115今日(けふ)となつて(かへり)みれば(じつ)(はづ)かしう御座(ござ)います。116(わたくし)改心(かいしん)(おく)れた(ばか)りで、117皆様(みなさま)にいろいろの()苦労(くらう)をかけ(さわ)がしました。118言依別(ことよりわけ)教主(けうしゆ)(さま)も、119(わたくし)(ため)大変(たいへん)()艱難(かんなん)(あそ)ばし、120(じつ)申訳(まをしわけ)御座(ござ)いませぬ。121大化者(おほばけもの)だとか、122体主(たいしゆ)霊従(れいじう)身魂(みたま)だとか、123世界悪(せかいあく)映像(えいざう)だとか、124いろいろ雑多(ざつた)()ひふらし、125邪魔(じやま)(ばか)(いた)して()ましたが、126(かへり)みれば(わたくし)こそ悪神(あくがみ)(とりこ)となり、127()らず()らずに体主(たいしゆ)霊従(れいじゆう)(おこな)ひをなし、128世界悪(せかいあく)根本(こつぽん)(あへ)てしながら(ひと)(こと)(ばか)(やかま)しく申上(まをしあ)げて()ました。129(わたくし)迂愚(うぐ)迂濶(うくわつ)130今更(いまさら)弁解(べんかい)()御座(ござ)いませぬ。131大化者(おほばけもの)()(こと)は、132(けつ)して(わる)意味(いみ)では御座(ござ)いませなんだ。133(あま)人物(じんぶつ)(おほ)()ぎて、134吾々(われわれ)身魂(みたま)では測量(そくりやう)することが出来(でき)なかつた(ため)に、135(わけ)(わか)らぬ教主(けうしゆ)だと(おも)ひ、136大化者(おほばけもの)だと()つて(ののし)つたので御座(ござ)いました。137仁慈(じんじ)(ふか)き、138到底(たうてい)吾々(われわれ)凡夫(ぼんぶ)()(ところ)ではないことを、139(ふか)(ふか)()()(わた)つて(かん)じまして御座(ござ)います。140何程(なにほど)あせつても、141身魂(みたま)因縁(いんねん)だけの(こと)より出来(でき)るものでは御座(ござ)いませぬ。142どうぞ今迄(いままで)不都合(ふつがふ)をお(ゆる)(くだ)さいまして、143身魂(みたま)相応(さうおう)御用(ごよう)(あふ)()(くだ)さいますれば、144有難(ありがた)(ぞん)じます』
145英子姫(ひでこひめ)(その)言葉(ことば)()いて、146(わらは)安心(あんしん)(いた)しました。147玉照彦(たまてるひこ)(さま)148玉照姫(たまてるひめ)(さま)149さぞお(よろこ)びで御座(ござ)いませう。150第一(だいいち)151国治立(くにはるたちの)大神(おほかみ)(さま)()化身(けしん)国武彦(くにたけひこの)(みこと)(さま)152(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)(さま)貴女(あなた)()改心(かいしん)をお()(あそ)ばして、153さぞ()満足(まんぞく)思召(おぼしめ)すで御座(ござ)いませう。154貴女(あなた)()改心(かいしん)出来(でき)て、155身魂(みたま)()因縁(いんねん)()了解(れうかい)になれば、156三五教(あななひけう)上下(しやうか)一致(いつち)して()神業(しんげふ)参加(さんか)し、157五六七(みろく)神政(しんせい)基礎(きそ)確実(かくじつ)(きづ)()げられる(こと)(よろこ)びに()へませぬ』
158高姫(たかひめ)『ハイ、159(なに)から(なに)まで、160()注意(ちゆうい)(くだ)さいまして有難(ありがた)(ぞん)じます』
161黒姫(くろひめ)(わたくし)最早(もはや)(なん)にも申上(まをしあ)げる(こと)御座(ござ)いませぬ。162(ただ)感謝(かんしや)より(ほか)(みち)御座(ござ)いませぬ。163どうぞ万事(ばんじ)(よろ)しく、164今後(こんご)とても不都合(ふつがふ)なき(やう)165()注意(ちゆうい)(ねが)ひます』
166鷹依姫(たかよりひめ)(わたくし)高姫(たかひめ)(さま)聖地(せいち)()()され、167いろいろと艱難(かんなん)苦労(くらう)(いた)しまして、168(いち)()高姫(たかひめ)(さま)をお(うら)(まを)したことさへ御座(ござ)いましたが、169(いま)となつて(かんが)へて()ますれば、170何事(なにごと)(みな)(かみ)(さま)()仕組(しぐみ)で、171(くも)つた(たましひ)(みが)いて、172神界(しんかい)御用(ごよう)()ててやらうとの()()りなしであつたことを、173今更(いまさら)(ごと)(かん)じました。174(じつ)申上(まをしあ)(やう)もなき有難(ありがた)(みづ)御霊(みたま)思召(おぼしめ)し、175言依別(ことよりわけの)(みこと)(さま)のお心遣(こころづか)ひ、176(れい)(くち)では申上(まをしあ)げられませぬ』
177(うれ)(なみだ)にかき()れる。
178竜国別(たつくにわけ)神恩(しんおん)(たか)(ふか)き、179感謝(かんしや)(ほか)御座(ござ)いませぬ。180何卒(どうぞ)万事(ばんじ)不束(ふつつか)(もの)181(よろ)しくお(ねが)(いた)します』
182 玉照彦(たまてるひこ)183玉照姫(たまてるひめ)()(にん)(むか)鎮魂(ちんこん)(ほどこ)し、184悠々(いういう)として(わが)居間(ゐま)(かへ)(たま)うた。185高姫(たかひめ)(はじ)めて今迄(いままで)()払拭(ふつしき)し、186青色(せいしよく)麻邇(まに)宝珠(ほつしゆ)(たま)(たい)する神業(しんげふ)参加(さんか)することを決意(けつい)し、187金剛(こんがう)不壊(ふゑ)如意(によい)宝珠(ほつしゆ)御用(ごよう)(わが)()()はざることを(ふか)(さと)ることを()たのである。
188
189 (ここ)金剛(こんがう)不壊(ふゑ)如意(によい)宝珠(ほつしゆ)御用(ごよう)(つと)めたる初稚姫(はつわかひめ)(はじ)めて(にしき)(みや)八尋殿(やひろどの)教主(けうしゆ)となり、190紫色(ししよく)宝玉(ほうぎよく)御用(ごよう)(つか)へたる玉能姫(たまのひめ)生田(いくた)(もり)神館(かむやかた)(おい)て、191若彦(わかひこ)(のち)国玉別(くにたまわけ)()(たま)ふ)と夫婦(ふうふ)相並(あひなら)びて、192生田(いくた)(もり)神館(かむやかた)(つか)ふることとなつた。
193 (また)黄金(わうごん)(たま)神業(しんげふ)奉仕(ほうし)したる言依別(ことよりわけの)(みこと)少名彦名(すくなひこなの)(かみ)神霊(しんれい)(とも)斎苑(イソ)(やかた)立出(たちい)で、194アーメニヤに(わた)り、195エルサレムに(あら)はれ、196立派(りつぱ)なる宮殿(きうでん)(つく)り、197黄金(わうごん)(たま)威徳(ゐとく)(りう)(たま)威徳(ゐとく)とを(もつ)て、198(あまね)神人(しんじん)教化(けうくわ)(たま)ふこととなつた。
199 (また)梅子姫(うめこひめ)(ちち)大神(おほかみ)のまします斎苑(イソ)(やかた)(かへ)り、200(むらさき)麻邇(まに)(たま)威徳(ゐとく)()つてフサの(くに)斎苑(イソ)(やかた)(つか)へて神業(しんげふ)参加(さんか)し、201高姫(たかひめ)八尋殿(やひろどの)大神司(おほかむつかさ)(はじ)紫姫(むらさきひめ)部下(ぶか)となつて神妙(しんめう)奉仕(ほうし)し、202黒姫(くろひめ)203鷹依姫(たかよりひめ)204竜国別(たつくにわけ)もそれぞれの身魂(みたま)だけの神務(しんむ)奉仕(ほうし)し、205神政(しんせい)成就(じやうじゆ)基礎(きそ)(てき)活動(くわつどう)(はげ)(こと)となつたのである。
206 (これ)()神々(かみがみ)舎身(しやしん)(てき)活動(くわつどう)結果(けつくわ)207いよいよ四尾山(よつをさん)(ろく)時節(じせつ)到来(たうらい)して、208国常立(くにとこたちの)(みこと)(あら)はれ、209現幽神(げんいうしん)三界(さんかい)修理(しうり)固成(こせい)開始(かいし)(たま)ふことを()るに(いた)つたのである。210これが(すなは)大本(おほもと)(をしへ)国祖(こくそ)国常立(くにとこたちの)(みこと)変性(へんじやう)男子(なんし)身魂(みたま)211出口(でぐち)教祖(けうそ)帰懸(かむがかり)(たま)ひて神宮(しんぐう)本宮(ほんぐう)(つぼ)(うち)より(あら)はれ(たま)うた原因(げんいん)である。212(また)言依別(ことよりわけの)(みこと)舎身(しやしん)(てき)活動(くわつどう)()つて黄金(わうごん)(たま)威霊(ゐれい)より変性(へんじやう)女子(によし)身魂(みたま)213高熊山(たかくまやま)霊山(れいざん)基点(きてん)として(あら)はれ、214大本(おほもと)(をしへ)輔助(ほじよ)()(ひら)くこととなつたのである。215あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
216大正一一・八・二九 旧七・七 松村真澄録)
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