霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
目 次
設 定
閉じる
×
霊界物語
三鏡
大本神諭
伊都能売神諭
出口王仁三郎全集
出口王仁三郎著作集
王仁文庫
惟神の道
幼ながたり
開祖伝
聖師伝
霧の海(第六歌集)
大本七十年史
大本史料集成
神霊界
新聞記事
新月の光
その他
王仁文献考証
検索は「
王仁DB
」で
←
戻る
霊界物語
霊主体従
第1巻(子の巻)
第2巻(丑の巻)
第3巻(寅の巻)
第4巻(卯の巻)
第5巻(辰の巻)
第6巻(巳の巻)
第7巻(午の巻)
第8巻(未の巻)
第9巻(申の巻)
第10巻(酉の巻)
第11巻(戌の巻)
第12巻(亥の巻)
如意宝珠
第13巻(子の巻)
第14巻(丑の巻)
第15巻(寅の巻)
第16巻(卯の巻)
第17巻(辰の巻)
第18巻(巳の巻)
第19巻(午の巻)
第20巻(未の巻)
第21巻(申の巻)
第22巻(酉の巻)
第23巻(戌の巻)
第24巻(亥の巻)
海洋万里
第25巻(子の巻)
第26巻(丑の巻)
第27巻(寅の巻)
第28巻(卯の巻)
第29巻(辰の巻)
第30巻(巳の巻)
第31巻(午の巻)
第32巻(未の巻)
第33巻(申の巻)
第34巻(酉の巻)
第35巻(戌の巻)
第36巻(亥の巻)
舎身活躍
第37巻(子の巻)
第38巻(丑の巻)
第39巻(寅の巻)
第40巻(卯の巻)
第41巻(辰の巻)
第42巻(巳の巻)
第43巻(午の巻)
第44巻(未の巻)
第45巻(申の巻)
第46巻(酉の巻)
第47巻(戌の巻)
第48巻(亥の巻)
真善美愛
第49巻(子の巻)
第50巻(丑の巻)
第51巻(寅の巻)
第52巻(卯の巻)
第53巻(辰の巻)
第54巻(巳の巻)
第55巻(午の巻)
第56巻(未の巻)
第57巻(申の巻)
第58巻(酉の巻)
第59巻(戌の巻)
第60巻(亥の巻)
山河草木
第61巻(子の巻)
第62巻(丑の巻)
第63巻(寅の巻)
第64巻(卯の巻)上
第64巻(卯の巻)下
第65巻(辰の巻)
第66巻(巳の巻)
第67巻(午の巻)
第68巻(未の巻)
第69巻(申の巻)
第70巻(酉の巻)
第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
特別編 入蒙記
天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
第79巻(午の巻)
第80巻(未の巻)
第81巻(申の巻)
←
戻る
第53巻(辰の巻)
序文
総説
第1篇 毘丘取颪
01 春菜草
〔1364〕
02 蜉蝣
〔1365〕
03 軟文学
〔1366〕
04 蜜語
〔1367〕
05 愛縁
〔1368〕
06 気縁
〔1369〕
07 比翼
〔1370〕
08 連理
〔1371〕
09 蛙の腸
〔1372〕
第2篇 貞烈亀鑑
10 女丈夫
〔1373〕
11 艶兵
〔1374〕
12 鬼の恋
〔1375〕
13 醜嵐
〔1376〕
14 女の力
〔1377〕
15 白熱化
〔1378〕
第3篇 兵権執着
16 暗示
〔1379〕
17 奉還状
〔1380〕
18 八当狸
〔1381〕
19 刺客
〔1382〕
第4篇 神愛遍満
20 背進
〔1383〕
21 軍議
〔1384〕
22 天祐
〔1385〕
23 純潔
〔1386〕
余白歌
このサイトは『霊界物語』を始めとする出口王仁三郎等の著書を無料で公開しています。
(注・出口王仁三郎の全ての著述を収録しているわけではありません。未収録のものも沢山あります)
閉じる
×
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
その他の設定項目を表示する
ここから下を閉じる
文字サイズ
S
【標準】
M
L
フォント
フォント1
【標準】
フォント2
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
古いブラウザでうまく表示されない時はこの設定を試してみて下さい
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側にだけ表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注
[?]
[※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
全ての脚注を開く
全ての脚注を閉じる(マーク表示)
【標準】
脚注マークを表示しない
文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色
[?]
底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。
[×閉じる]
外字1の色
[?]
この設定は現在使われておりません。
[×閉じる]
外字2の色
[?]
文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。
[×閉じる]
→
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
10月30~31日に旧サイトから新サイトへの移行作業を行う予定です。
実験用サイト
|
サブスク
霊界物語
>
第53巻
> 第1篇 毘丘取颪 > 第6章 気縁
<<< 愛縁
(B)
(N)
比翼 >>>
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。
【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034 アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。
第六章
気縁
(
きえん
)
〔一三六九〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第53巻 真善美愛 辰の巻
篇:
第1篇 毘丘取颪
よみ(新仮名遣い):
びくとりおろし
章:
第6章 気縁
よみ(新仮名遣い):
きえん
通し章番号:
1369
口述日:
1923(大正12)年02月12日(旧12月27日)
口述場所:
竜宮館
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1925(大正14)年3月8日
概要:
舞台:
ビクトリヤ城
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
ヒルナ姫はビクトリヤ王の居間に進み入った。王は一心不乱にコーランをひもといている。ヒルナ姫は、城内の内紛を収めるために、左守家と右守家の婚姻を持ち出した。
王は、不仲な両家が婚姻を承諾するかを心配するが、姫は、すでに左守の息子と右守の妹は相愛の仲であり、両家ともこの婚姻に前向きであることを王に伝えた。
ヒルナ姫の提案と報告を聞いてビクトリヤ王は賛同し、王自ら左守を呼び出してこの件を進めることを約束した。
そこへ折よく左守が伺候し、ビクトリヤ王から直接婚姻の件を承り、承諾した。婚姻の準備についてはヒルナ姫が仲人の手配をすることとなり、左守は王と王妃に厚く礼を述べて我が家へ帰って行った。
ビクトリヤ王とヒルナ姫は、神前に向かって感謝の祝詞を奏上した。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm5306
愛善世界社版:
63頁
八幡書店版:
第9輯 526頁
修補版:
校定版:
67頁
普及版:
33頁
初版:
ページ備考:
001
ヒルナ
姫
(
ひめ
)
は
意気
(
いき
)
揚々
(
やうやう
)
としてビクトリヤ
王
(
わう
)
の
居間
(
ゐま
)
に
進入
(
すすみい
)
つた。
002
ビクトリヤ
王
(
わう
)
は
経机
(
きやうづくゑ
)
にもたれ、
003
一心
(
いつしん
)
不乱
(
ふらん
)
にコーランを
繙
(
ひもと
)
いてゐた。
004
ヒルナ
姫
(
ひめ
)
『
御免
(
ごめん
)
下
(
くだ
)
さいませ。
005
ヒルナで
厶
(
ござ
)
います』
006
此
(
この
)
声
(
こゑ
)
にビクトリヤ
王
(
わう
)
は
老眼
(
らうがん
)
の
眼鏡越
(
めがねご
)
しに
覗
(
のぞ
)
く
様
(
やう
)
にして、
007
刹帝利
(
せつていり
)
『ヒルナ
姫
(
ひめ
)
、
008
今日
(
けふ
)
は
何
(
なん
)
とはなしに
元気
(
げんき
)
のよい
顔
(
かほ
)
だな。
009
何
(
なに
)
か
面白
(
おもしろ
)
い
事
(
こと
)
がありましたかな』
010
ヒルナ
姫
(
ひめ
)
『はい、
011
エー、
012
早速
(
さつそく
)
で
厶
(
ござ
)
いますが、
013
吾
(
わが
)
君様
(
きみさま
)
にお
願
(
ねがひ
)
が
厶
(
ござ
)
いましてお
伺
(
うかが
)
ひを
致
(
いた
)
しました、
014
コーランを
御
(
ご
)
研究
(
けんきう
)
の
最中
(
さいちう
)
にも
拘
(
かかは
)
らず
御
(
お
)
邪魔
(
じやま
)
を
致
(
いた
)
しまして
済
(
す
)
みませぬ』
015
刹帝利
(
せつていり
)
『ア、
016
いやいや
別
(
べつ
)
に
邪魔
(
じやま
)
でもない。
017
さうして
願
(
ねが
)
ひとは
何事
(
なにごと
)
だ。
018
早
(
はや
)
く
云
(
い
)
つて
見
(
み
)
たが
宜
(
よ
)
からう』
019
ヒルナはモジモジし
乍
(
なが
)
ら、
020
満面
(
まんめん
)
に
笑
(
ゑみ
)
を
湛
(
たた
)
へ、
021
媚
(
こび
)
を
呈
(
てい
)
し、
022
言葉
(
ことば
)
淑
(
しとや
)
かに、
023
なめつく
様
(
やう
)
な
声
(
こゑ
)
で
視線
(
しせん
)
を
斜
(
ななめ
)
に
向
(
む
)
け
乍
(
なが
)
ら、
024
少
(
すこ
)
しく
体
(
からだ
)
を
揺
(
ゆす
)
りシヨナ シヨナとして
両手
(
りやうて
)
を
膝
(
ひざ
)
の
上
(
うへ
)
に
揉
(
も
)
みつつ、
025
ヒルナ
姫
(
ひめ
)
『
吾
(
わが
)
君様
(
きみさま
)
、
026
今日
(
こんにち
)
の
国家
(
こくか
)
の
危急
(
ききふ
)
を
救
(
すく
)
ふのには
先
(
ま
)
づ
第一
(
だいいち
)
着手
(
ちやくしゆ
)
として
城内
(
じやうない
)
の
内紛
(
ないふん
)
を
鎮定
(
ちんてい
)
せなくてはなりませぬ。
027
それについて
妾
(
わらは
)
は
日夜
(
にちや
)
心胆
(
しんたん
)
を
練
(
ね
)
つてゐました。
028
漸
(
やうや
)
く
今日
(
こんにち
)
其
(
その
)
曙光
(
しよくわう
)
を
認
(
みと
)
めましたので
御
(
ご
)
相談
(
さうだん
)
に
参
(
まゐ
)
りました』
029
刹帝利
(
せつていり
)
『
成程
(
なるほど
)
、
030
先
(
ま
)
づ
国民
(
こくみん
)
を
治
(
をさ
)
めむとすれば、
031
右守
(
うもり
)
、
032
左守司
(
さもりのかみ
)
の
暗闘
(
あんとう
)
を
何
(
なん
)
とかして
鎮
(
しづ
)
めねばなるまい。
033
然
(
しか
)
し
如何
(
どう
)
しても
彼
(
かれ
)
等
(
ら
)
は
思想
(
しさう
)
が
合
(
あは
)
ない
犬猿
(
けんゑん
)
啻
(
ただ
)
ならぬ
仲
(
なか
)
だから
此
(
この
)
際
(
さい
)
如何
(
どん
)
な
手段
(
しゆだん
)
を
用
(
もち
)
ふるも
何
(
なん
)
の
効
(
かう
)
もあるまい。
034
正直
(
しやうぢき
)
一途
(
いちづ
)
の
左守司
(
さもりのかみ
)
に
対
(
たい
)
し
権謀
(
けんぼう
)
術数
(
じゆつすう
)
至
(
いた
)
らざるなき
奸黠
(
かんきつ
)
の
右守司
(
うもりのかみ
)
は、
035
刹帝利
(
せつていり
)
としても、
036
如何
(
いかん
)
ともすべからざるものだ。
037
彼
(
かれ
)
の
家
(
いへ
)
は
祖先
(
そせん
)
から
兵馬
(
へいば
)
の
権
(
けん
)
を
握
(
にぎ
)
つて
居
(
を
)
るのだから、
038
何時
(
なんどき
)
反旗
(
はんき
)
を
掲
(
かか
)
げるかも
分
(
わか
)
らない。
039
如何
(
いか
)
に
左守司
(
さもりのかみ
)
忠勇
(
ちうゆう
)
義烈
(
ぎれつ
)
なりとて
兵馬
(
へいば
)
の
権
(
けん
)
を
握
(
にぎ
)
らぬ
中
(
うち
)
は、
040
国家
(
こくか
)
の
禍害
(
くわがい
)
を
除
(
のぞ
)
く
事
(
こと
)
は
到底
(
たうてい
)
不可能
(
ふかのう
)
だ。
041
何
(
なに
)
か
其方
(
そなた
)
は
妙案
(
めうあん
)
を
考
(
かんが
)
へ
出
(
だ
)
したのか、
042
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
云
(
い
)
つて
見
(
み
)
やれ』
043
ヒルナ
姫
(
ひめ
)
『
仰
(
おほ
)
せの
如
(
ごと
)
く
左守司
(
さもりのかみ
)
は
実
(
じつ
)
に
立派
(
りつぱ
)
な
人格者
(
じんかくしや
)
で
厶
(
ござ
)
います。
044
それについて
右守司
(
うもりのかみ
)
は
才子肌
(
さいしはだ
)
の
男
(
をとこ
)
で、
045
年
(
とし
)
も
若
(
わか
)
く
且
(
か
)
つデモクラシーの
思想
(
しさう
)
にかぶれて
居
(
を
)
りますれば、
046
保守
(
ほしゆ
)
主義
(
しゆぎ
)
と
革新
(
かくしん
)
主義
(
しゆぎ
)
との
両人
(
りやうにん
)
の
争
(
あらそ
)
ひ、
047
如何
(
いか
)
にして
之
(
これ
)
を
調停
(
てうてい
)
せむかと
苦心
(
くしん
)
惨憺
(
さんたん
)
の
結果
(
けつくわ
)
、
048
思
(
おも
)
ひつきましたのは
左守司
(
さもりのかみ
)
の
伜
(
せがれ
)
ハルナと
右守司
(
うもりのかみ
)
の
妹
(
いもうと
)
カルナ
姫
(
ひめ
)
との
結婚
(
けつこん
)
問題
(
もんだい
)
で
厶
(
ござ
)
います』
049
刹帝利
(
せつていり
)
『
成程
(
なるほど
)
、
050
それは
至極
(
しごく
)
妙案
(
めうあん
)
だらう。
051
然
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
如何
(
どう
)
しても
此
(
この
)
結合
(
けつがふ
)
は
至難事
(
しなんじ
)
であらう。
052
一
(
いち
)
時
(
じ
)
は
刹帝利
(
せつていり
)
の
命
(
めい
)
に
服従
(
ふくじゆう
)
して
仮令
(
たとへ
)
結婚
(
けつこん
)
を
致
(
いた
)
すとも
忽
(
たちま
)
ち
破鏡
(
はきやう
)
の
悲
(
かな
)
しみを
見
(
み
)
るは
目
(
ま
)
の
前
(
あたり
)
だ。
053
さうなつた
上
(
うへ
)
は
両家
(
りやうけ
)
は
益々
(
ますます
)
、
054
嫉視
(
しつし
)
反目
(
はんもく
)
の
度
(
ど
)
を
高
(
たか
)
め、
055
遂
(
つひ
)
には
累
(
るゐ
)
をビクトリヤ
家
(
け
)
に
及
(
およ
)
ぼす
様
(
やう
)
になつては
大変
(
たいへん
)
だから
余程
(
よほど
)
考
(
かんが
)
へねばなるまいぞ。
056
一利
(
いちり
)
あれば
一害
(
いちがい
)
の
伴
(
ともな
)
ふものだ。
057
それにつけても
頑強
(
ぐわんきやう
)
なる
律義
(
りつぎ
)
一方
(
いつぱう
)
の
左守司
(
さもりのかみ
)
は
容易
(
ようい
)
に
承諾
(
しようだく
)
は
致
(
いた
)
すまい』
058
ヒルナ
姫
(
ひめ
)
『それは
御
(
ご
)
心配
(
しんぱい
)
遊
(
あそ
)
ばしますな。
059
最前
(
さいぜん
)
も
左守司
(
さもりのかみ
)
を
呼
(
よ
)
んで
其
(
その
)
意見
(
いけん
)
を
叩
(
たた
)
きました
処
(
ところ
)
、
060
思
(
おも
)
ひの
外
(
ほか
)
打解
(
うちと
)
けお
国
(
くに
)
のためとなればお
受
(
う
)
け
致
(
いた
)
します、
061
嘸
(
さぞ
)
伜
(
せがれ
)
も
満足
(
まんぞく
)
致
(
いた
)
しませうと
云
(
い
)
つて
帰
(
かへ
)
りました』
062
刹帝利
(
せつていり
)
『
何
(
なん
)
と、
063
あの
左守司
(
さもりのかみ
)
がそんな
開
(
ひら
)
けた
事
(
こと
)
をいつたかな。
064
ウーン、
065
之
(
これ
)
も
時勢
(
じせい
)
の
力
(
ちから
)
だ。
066
忠義
(
ちうぎ
)
な
家来
(
けらい
)
は
融通
(
ゆうづう
)
が
利
(
き
)
かず、
067
融通
(
ゆうづう
)
の
利
(
き
)
く
奴
(
やつ
)
は
悪
(
わる
)
い
事
(
こと
)
を
企
(
たく
)
むなり、
068
真
(
しん
)
に
股肱
(
ここう
)
と
頼
(
たの
)
む
家来
(
けらい
)
がないので
心配
(
しんぱい
)
致
(
いた
)
して
居
(
を
)
つたが、
069
左守
(
さもり
)
もそこ
迄
(
まで
)
開
(
ひら
)
けたかな。
070
それは
実
(
じつ
)
に
結構
(
けつこう
)
だ。
071
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
右守司
(
うもりのかみ
)
は
如何
(
どう
)
だらうか。
072
彼
(
かれ
)
は
亦
(
また
)
頭
(
あたま
)
の
古
(
ふる
)
い
老耄
(
おいぼ
)
れ
爺
(
おやぢ
)
と
何時
(
いつ
)
も
排斥
(
はいせき
)
してる
様
(
やう
)
だが、
073
此
(
この
)
縁談
(
えんだん
)
を
承諾
(
しようだく
)
するであらうかな』
074
ヒルナ
姫
(
ひめ
)
『それは
御
(
ご
)
心配
(
しんぱい
)
に
及
(
およ
)
びますまい。
075
実際
(
じつさい
)
の
処
(
ところ
)
は
左守
(
さもり
)
の
伜
(
せがれ
)
ハルナと
右守
(
うもり
)
の
妹
(
いもうと
)
カルナの
間
(
あひだ
)
には、
076
已
(
すで
)
に
既
(
すで
)
に
情約
(
じやうやく
)
の
締結
(
ていけつ
)
が
内々
(
ないない
)
結
(
むす
)
ばれたと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
で
厶
(
ござ
)
います。
077
右守
(
うもり
)
は
元
(
もと
)
より
此
(
この
)
縁談
(
えんだん
)
は
余
(
あま
)
り
好
(
この
)
まない
様
(
やう
)
でしたが、
078
肝腎
(
かんじん
)
の
妹
(
いもうと
)
が
諾
(
き
)
かないものですから、
079
到頭
(
たうとう
)
我
(
が
)
を
折
(
を
)
つて
賛成
(
さんせい
)
をする
事
(
こと
)
になりました』
080
刹帝利
(
せつていり
)
『さうなれば
左守
(
さもり
)
、
081
右守
(
うもり
)
相並
(
あひなら
)
んで
国政
(
こくせい
)
に
鞅掌
(
おうしやう
)
し、
082
ビクトリヤ
家
(
け
)
の
政治
(
せいぢ
)
は
万世
(
ばんせ
)
不易
(
ふえき
)
だ、
083
ああ
実
(
じつ
)
に
嬉
(
うれ
)
しい
時節
(
じせつ
)
が
来
(
き
)
たものだな』
084
ヒルナ
姫
(
ひめ
)
『
左様
(
さやう
)
で
厶
(
ござ
)
います。
085
こんな
嬉
(
うれ
)
しい
事
(
こと
)
は
厶
(
ござ
)
いませぬ。
086
此
(
この
)
儘
(
まま
)
両家
(
りやうけ
)
暗闘
(
あんとう
)
を
続
(
つづ
)
けてゐませうものなら
兵馬
(
へいば
)
の
権
(
けん
)
を
握
(
にぎ
)
つた
右守司
(
うもりのかみ
)
は
如何
(
いか
)
なる
事
(
こと
)
を
仕出
(
しで
)
かすか
知
(
し
)
れませぬ。
087
遂
(
つひ
)
には
左守
(
さもり
)
を
亡
(
ほろ
)
ぼし、
088
畏
(
おそ
)
れ
多
(
おほ
)
くも
刹帝利
(
せつていり
)
様
(
さま
)
を
退隠
(
たいいん
)
させ、
089
自分
(
じぶん
)
がとつて
代
(
かは
)
らむとする
野心
(
やしん
)
を
包蔵
(
はうざう
)
して
居
(
を
)
るかも
分
(
わか
)
りませぬ。
090
否
(
いな
)
確
(
たしか
)
に
其
(
その
)
形勢
(
けいせい
)
が
現
(
あら
)
はれて
居
(
を
)
ります。
091
かかる
危急
(
ききふ
)
存亡
(
そんばう
)
のビクトリヤ
家
(
け
)
を
救
(
すく
)
ふのは、
092
此
(
この
)
結婚
(
けつこん
)
問題
(
もんだい
)
に
越
(
こ
)
したものは
厶
(
ござ
)
いますまい。
093
妾
(
わらは
)
はホツト
息
(
いき
)
をついた
様
(
やう
)
な
次第
(
しだい
)
で
厶
(
ござ
)
います』
094
刹帝利
(
せつていり
)
『
成程
(
なるほど
)
、
095
お
前
(
まへ
)
の
云
(
い
)
ふ
通
(
とほ
)
りだ。
096
然
(
しか
)
らば
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
左守司
(
さもりのかみ
)
を
呼
(
よ
)
び
出
(
だ
)
し、
097
彼
(
かれ
)
に
改
(
あらた
)
めて
申渡
(
まをしわた
)
すであらう』
098
ヒルナ
姫
(
ひめ
)
『
早速
(
さつそく
)
その
運
(
はこ
)
びを
致
(
いた
)
しませう。
099
妾
(
わらは
)
も
此
(
この
)
事
(
こと
)
が
成功
(
せいこう
)
致
(
いた
)
しますれば、
100
仮令
(
たとへ
)
死
(
し
)
しても
心残
(
こころのこ
)
りは
厶
(
ござ
)
いませぬ』
101
刹帝利
(
せつていり
)
『アハハハハ、
102
二
(
ふた
)
つ
目
(
め
)
には
死
(
し
)
ぬのなんのと、
103
左様
(
さやう
)
な
心細
(
こころぼそ
)
い
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
ふものではない。
104
七十
(
しちじふ
)
の
老躯
(
らうく
)
をさげたビクトリヤも
未
(
ま
)
だ
二十
(
にじふ
)
年
(
ねん
)
や
三十
(
さんじふ
)
年
(
ねん
)
は
社会
(
しやくわい
)
に
活躍
(
くわつやく
)
するつもりだ。
105
お
前
(
まへ
)
は
若
(
わか
)
い
身
(
み
)
を
持
(
も
)
つて、
106
左様
(
さやう
)
な
事
(
こと
)
を
思
(
おも
)
つたり、
107
云
(
い
)
つたりするものではない。
108
言霊
(
ことたま
)
の
幸
(
さち
)
はふ
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
だから、
109
不吉
(
ふきつ
)
の
言葉
(
ことば
)
は
云
(
い
)
はない
様
(
やう
)
にして
呉
(
く
)
れ』
110
ヒルナ
姫
(
ひめ
)
『はい
不調法
(
ぶてうはふ
)
申
(
まを
)
しました。
111
屹度
(
きつと
)
心得
(
こころえ
)
ます。
112
盤古
(
ばんこ
)
神王
(
しんわう
)
塩長彦
(
しほながひこの
)
命
(
みこと
)
様
(
さま
)
、
113
見直
(
みなほ
)
し
給
(
たま
)
へ
聞直
(
ききなほ
)
し
玉
(
たま
)
へ』
114
と
合掌
(
がつしやう
)
する。
115
そこへ
恭
(
うやうや
)
しく
衣紋
(
えもん
)
を
整
(
ととの
)
へ
参
(
まゐ
)
つて
来
(
き
)
たのは
左守司
(
さもりのかみ
)
であつた。
116
左守司
(
さもりのかみ
)
は
末座
(
まつざ
)
に
平伏
(
へいふく
)
して
言葉
(
ことば
)
もつつましやかに、
117
左守
(
さもり
)
『
吾
(
わが
)
君様
(
きみさま
)
、
118
ヒルナ
姫
(
ひめ
)
様
(
さま
)
、
119
私
(
わたし
)
は
左守
(
さもり
)
で
厶
(
ござ
)
います』
120
刹帝利
(
せつていり
)
『いや
左守殿
(
さもりどの
)
、
121
いい
処
(
ところ
)
へ
来
(
き
)
て
呉
(
く
)
れた。
122
さア
近
(
ちか
)
う
近
(
ちか
)
う。
123
其方
(
そなた
)
に
折入
(
をりい
)
つて
申入
(
まをしい
)
れたい
事
(
こと
)
がある』
124
左守
(
さもり
)
『はい、
125
然
(
しか
)
らば
御免
(
ごめん
)
蒙
(
かうむ
)
りませう』
126
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
恐
(
おそ
)
る
恐
(
おそ
)
る
一間
(
いつけん
)
ばかり
間近
(
まぢか
)
まで
進
(
すす
)
み
寄
(
よ
)
り
平伏
(
へいふく
)
した。
127
刹帝利
(
せつていり
)
『
左守殿
(
さもりどの
)
、
128
其方
(
そなた
)
はヒルナに
聞
(
き
)
いてゐるだらうが、
129
気
(
き
)
に
入
(
い
)
るまいけれど、
130
ビクトリヤ
家
(
け
)
の
為
(
た
)
め、
131
国家
(
こくか
)
の
危急
(
ききふ
)
を
救
(
すく
)
ふために、
132
汝
(
なんぢ
)
の
伜
(
せがれ
)
ハルナと
右守
(
うもり
)
の
妹
(
いもうと
)
カルナ
姫
(
ひめ
)
との
結婚
(
けつこん
)
を
申付
(
まをしつ
)
けるから、
133
承諾
(
しようだく
)
して
呉
(
く
)
れるだらうな』
134
左守
(
さもり
)
『はい、
135
畏
(
おそ
)
れ
多
(
おほ
)
くも
斯様
(
かやう
)
な
事
(
こと
)
までお
心
(
こころ
)
を
悩
(
なや
)
まし
奉
(
まつ
)
り、
136
実
(
じつ
)
に
感謝
(
かんしや
)
に
堪
(
た
)
へませぬ。
137
仰
(
おほ
)
せ
畏
(
かしこ
)
み
慎
(
つつし
)
んでお
受
(
うけ
)
を
致
(
いた
)
します』
138
刹帝利
(
せつていり
)
『
流石
(
さすが
)
は
左守殿
(
さもりどの
)
、
139
満足
(
まんぞく
)
々々
(
まんぞく
)
。
140
さア
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
此
(
この
)
縁談
(
えんだん
)
に
取
(
とり
)
かかつて
呉
(
く
)
れ』
141
ヒルナ
姫
(
ひめ
)
『
左守殿
(
さもりどの
)
、
142
吾
(
わが
)
君様
(
きみさま
)
のお
言葉
(
ことば
)
、
143
有難
(
ありがた
)
くお
受
(
う
)
け
致
(
いた
)
し、
144
円満
(
ゑんまん
)
に
此
(
この
)
縁談
(
えんだん
)
を
解決
(
かいけつ
)
する
様
(
やう
)
取計
(
とりはか
)
らつて
下
(
くだ
)
さい。
145
それに
就
(
つ
)
いては
内事
(
ないじ
)
の
司
(
つかさ
)
、
146
タルマンを
媒介
(
なかうど
)
として、
147
此
(
この
)
方
(
はう
)
より
差遣
(
さしつか
)
はすによつて、
148
其
(
その
)
心算
(
つもり
)
で
居
(
を
)
つたが
宜
(
よか
)
らうぞ』
149
左守
(
さもり
)
『はい、
150
何
(
なに
)
から
何
(
なに
)
まで、
151
お
心
(
こころ
)
をつけられまして
痛
(
いた
)
み
入
(
い
)
りまする。
152
左様
(
さやう
)
ならば
吾
(
わが
)
君様
(
きみさま
)
、
153
ヒルナ
姫
(
ひめ
)
様
(
さま
)
、
154
一時
(
いつとき
)
も
早
(
はや
)
く
館
(
やかた
)
に
帰
(
かへ
)
り、
155
準備
(
じゆんび
)
にとりかかりませう』
156
と
厚
(
あつ
)
く
礼
(
れい
)
を
述
(
の
)
べイソイソとして
吾
(
わが
)
家
(
や
)
へと
帰
(
かへ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
157
後
(
あと
)
にビクトリヤ
王
(
わう
)
とヒルナ
姫
(
ひめ
)
は、
158
直
(
ただ
)
ちに
神前
(
しんぜん
)
に
向
(
むか
)
ひ
感謝
(
かんしや
)
の
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し、
159
姫
(
ひめ
)
は
慇懃
(
いんぎん
)
に
挨拶
(
あいさつ
)
を
述
(
の
)
べて、
160
吾
(
わが
)
居間
(
ゐま
)
に
帰
(
かへ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
161
(
大正一二・二・一二
旧一一・一二・二七
於竜宮館
北村隆光
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 愛縁
(B)
(N)
比翼 >>>
霊界物語
>
第53巻
> 第1篇 毘丘取颪 > 第6章 気縁
Tweet
絶賛発売中『超訳霊界物語2/出口王仁三郎の「身魂磨き」実践書/一人旅するスサノオの宣伝使たち』
オニド関連サイト
最新更新情報
10/22
【霊界物語ネット】
『
王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)
』をテキスト化しました。
9/18
【
飯塚弘明.com
】
飯塚弘明著『
PTC2 出口王仁三郎の霊界物語で透見する世界現象 T之巻
』発刊!
5/8
【霊界物語ネット】
霊界物語ネットに出口王仁三郎の
第六歌集『霧の海』
を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【06 気縁|第53巻(辰の巻)|霊界物語/rm5306】
合言葉「みろく」を入力して下さい→