霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
目 次設 定
設定
印刷用画面を開く [?]プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。[×閉じる]
話者名の追加表示 [?]セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。[×閉じる]
表示できる章
テキストのタイプ [?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
フォント

ルビの表示



アンカーの表示 [?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌 [?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注 [?][※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]


文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色 [?]底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。[×閉じる]
外字1の色 [?]この設定は現在使われておりません。[×閉じる]
外字2の色 [?]文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。[×閉じる]

  

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。


【新着情報】10月30~31日に旧サイトから新サイトへの移行作業を行う予定です。実験用サイトサブスク
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。

【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034  アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。

          

第四章 真異(まちがひ)〔一四一二〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第55巻 真善美愛 午の巻 篇:第1篇 奇縁万情 よみ(新仮名遣い):きえんばんじょう
章:第4章 真異 よみ(新仮名遣い):まちがい 通し章番号:1412
口述日:1923(大正12)年02月26日(旧01月11日) 口述場所:竜宮館 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年3月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
テームスとベリシナは、治国別たちの居る部屋ではなく、鬼春別たち元バラモン軍指揮官たちのいる部屋に来てしまった。そしてほの暗い行灯の光に、治国別ではないと気付かず、丁寧に娘たち救出のお礼を述べた。
鬼春別は自分がこの事件の張本人であり、心苦しさに自分が鬼春別本人であることを伝えることができなかった。そこで春別と名乗ってその場をごまかそうとした。
テームスは三五教の宣伝使一行だと思って、バラモン軍の悪行を並べ立てたので、鬼春別と久米彦らは慙愧の念に堪えず、しばし油をしぼられた。
そこへ治国別、松彦、竜彦が下女に案内されて部屋にやってきた。治国別は挨拶をなし、ここにいるのは元バラモン軍の鬼春別、久米彦たち本人だとテームスとベリシナに告げた。テームスは驚いたが、治国別は彼ら四人はもう自分の弟子になったことを説明し、テームスたちを安堵させた。
一同はそれぞれ挨拶と述懐の歌を交わした。テームス夫婦はその場を下がり、怪我人の看病に戻って行った。
後には下女が治国別たちの御膳をしつらえた。そこへ万公が戻ってきて、自分の膳がないことに不平を洩らした。竜彦は、スガールの顔が万公にとっての御馳走だろうとからかった。
それでも一人前の食欲がある、と万公が不平を鳴らすので、竜彦はさらにからかって、お前はテームス家の婿になるのだから主人側だろう、給仕をする側だと持ち上げた。万公はすっかり乗せられてその気になり、客人たちをもっともてなす御馳走を出すのだと、慌てて炊事場に進んで行く。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm5504
愛善世界社版:45頁 八幡書店版:第10輯 49頁 修補版: 校定版:45頁 普及版:17頁 初版: ページ備考:
001バラモン(けう)のゼネラルと
002羽振(はぶり)()かした久米彦(くめひこ)
003鬼春別(おにはるわけ)(はじ)めとし
004スパール、エミシの四人(よにん)()
005玉木(たまき)(むら)里庄(りしやう)(いへ)
006()(にん)手負(ておひ)(おく)りつけ
007(こころ)(いた)(こゑ)(ひそ)
008悔悟(くわいご)(なみだ)暮果(くれは)てて
009青息(あをいき)吐息(といき)()きながら
010三五教(あななひけう)宣伝歌(せんでんか)
011(とな)ふる(こゑ)(くち)(うち)
012悄気(せうげ)かへり()(その)席上(せきじやう)
013廊下(らうか)(いた)()(とどろ)かし
014(あら)はれ(きた)るテームスは
015日影(ひかげ)(ほそ)部屋(へや)(うち)
016鬼春別(おにはるわけ)敵将(てきしやう)
017帰順(きじゆん)(きた)るを()らずして
018(むすめ)二人(ふたり)(すく)ひたる
019治国別(はるくにわけ)一行(いつかう)
020(おい)(まなこ)見誤(みあやま)
021()(にん)(まへ)()をついて
022いと慇懃(いんぎん)挨拶(あいさつ)
023(はじ)めかけしぞ可笑(をか)しけれ。
024 仄暗(ほのぐら)行灯(あんどう)(ひかり)(あるじ)のテームスは、025鬼春別(おにはるわけ)一行(いつかう)とは()らず、026叮嚀(ていねい)両手(りやうて)(つか)へ、
027テームス『これはこれは皆様(みなさま)よくまア(たす)けてやつて(くだ)さいました。028さうして貴方(あなた)誰人(どなた)(ござ)いましたかなア』
029鬼春別(おにはるわけ)(かほ)をそつと(のぞ)いた。030鬼春別(おにはるわけ)言句(げんく)につまり、031(あたま)()(なが)ら、
032鬼春(おにはる)『ハイ、033(わたし)は……春別(はるわけ)(ござ)いまする。034イヤ、035もう(えら)()心配(しんぱい)をかけました』
036テームス『どう(いた)しまして、037此方(こなた)(はう)から(えら)心配(しんぱい)をかけ(なん)とも申訳(まをしわけ)(ござ)いませぬ。038貴方(あなた)治国別(はるくにわけ)さまと(うけたま)はりましたが、039(いま)(うけたま)はれば春別(はるわけ)仰有(おつしや)いました。040アアこれはこれは失礼(しつれい)(いた)しました。041何分(なにぶん)(とし)がよつて記憶(きおく)(わる)いので(ひと)()(まで)(わす)れます。042いやもう(とし)()()くはありませぬ。043(とき)春別(はるわけ)(さま)044随分(ずいぶん)苦心(くしん)(ござ)いましたでせうなア。045骨折(ほねをり)(さつ)(まを)します』
046鬼春(おにはる)『いやもう(その)()挨拶(あいさつ)には(いた)()ります』
047テームス『(なん)()つてもバラモン(けう)悪神(あくがみ)048鬼春別(おにはるわけ)049久米彦(くめひこ)()(おに)のやうな悪党(あくたう)(とら)へられたのですから、050(さぞ)(むすめ)もえぐい()()つたで(ござ)いませう。051さうして、052奥眼(おくめ)とか久米彦(くめひこ)とか()狒々(ひひ)のやうな(をとこ)がついて()るのだから(さだ)めし(むすめ)(みさを)(けが)されたで(ござ)いませうなア』
053鬼春(おにはる)『いや(けつ)して(その)()心配(しんぱい)()りませぬ。054仲々(なかなか)貴方(あなた)(むすめ)さまだけあつて(しつか)りしたものです。055それは(わたし)保証(ほしよう)(いた)します』
056テームス『仮令(たとへ)()(けが)されても(いのち)さへ()つて(かへ)れば結構(けつこう)だと(おも)うて()りましたが、057少々(せうせう)怪我(けが)をして()りますけれど肝腎(かんじん)のものに別状(べつじやう)さへなくば、058こんな(うれ)しい(こと)(ござ)いませぬ。059何分(なにぶん)養子(やうし)をせねばならぬ(むすめ)ですから、060(おや)としても随分(ずいぶん)心配(しんぱい)(ござ)います』
061鬼春(おにはる)成程(なるほど)()心配(しんぱい)(さつ)(いた)します。062(じつ)拙者(せつしや)はあの(なん)(ござ)います……。063やつぱり……春別(はるわけ)(ござ)いました。064()(かく)無事(ぶじ)(をさ)まつたので(ござ)いますから、065これも(かみ)(さま)何彼(なにか)思召(おぼしめ)しとお(あきら)めなさるがよろしう(ござ)いませう』
066久米(くめ)(はじ)めてお()にかかります。067貴方(あなた)(この)()主様(あるじさま)(ござ)いますか。068(まこと)申訳(まをしわけ)のない(こと)(いた)しました。069治国別(はるくにわけ)(さま)のお(かげ)により(かみ)(さま)(みち)(すく)はれ、070こんな(うれ)しい(こと)(ござ)いませぬ。071貴方(あなた)(さぞ)(よろこ)び、072目出度(めでた)(ござ)います』
073テームス『イヤ貴方(あなた)仰有(おつしや)(とほ)り、074第一(だいいち)春別(はるわけ)(さま)のお骨折(ほねを)り、075(つぎ)には貴方(あなた)(がた)のお(たす)けによりて、076あの意地(いぢ)(わる)鬼春別(おにはるわけ)や、077久米彦(くめひこ)の、078泥棒(どろばう)将軍(しやうぐん)(かどわ)かされた(ところ)(たす)けて(いただ)き、079(てん)にも(のぼ)心持(こころもち)(ござ)います。080もし春別(はるわけ)(さま)081(むすめ)をお(たす)(くだ)さいまして(じつ)にお(れい)(まを)しやうが(ござ)りませぬが、082(また)あの泥棒(どろばう)将軍(しやうぐん)が、083貴方(あなた)のお(かへ)りになつた(あと)沢山(たくさん)雑兵(ざふひやう)()()れ、084(むすめ)()(かへ)しに()るやうな(こと)(ござ)いますまいか、085それが第一(だいいち)()にかかります』
086久米(くめ)(けつ)して()心配(しんぱい)なさいますな。087治国別(はるくにわけ)さま、088松彦(まつひこ)さま、089竜彦(たつひこ)さま、090万公(まんこう)さまが、091すつかり岩窟(いはや)退治(たいぢ)(あそ)ばし、092二人(ふたり)(かしら)大鉄槌(だいてつつい)(くら)はし、093三千(さんぜん)軍隊(ぐんたい)解散(かいさん)し、094後顧(こうこ)(うれひ)のなきやうにして此処(ここ)にお(かへ)りになりましたから、095()安心(あんしん)なさいませ』
096テームス『(さすが)春別(はるわけ)(さま)097(その)(ほか)のお弟子(でし)(さま)098(じつ)()神徳(しんとく)()ふものは(えら)いもので(ござ)いますな。099(かみ)(おもて)(あら)はれて(ぜん)(あく)とを()()けると仰有(おつしや)いましたが、100やつぱり(ぜん)最後(さいご)までゆけば()つもので(ござ)います。101そして鬼春別(おにはるわけ)や、102久米彦(くめひこ)泥棒(どろばう)人足(にんそく)は、103(くび)でも()つて()にましたか、104(ただ)しは切腹(せつぷく)でも(いた)しましたか、105それが(ひと)つお土産話(みやげばなし)()かして(いただ)()(ござ)います』
106 鬼春別(おにはるわけ)(かしら)()(なが)ら、
107鬼春(おにはる)『ヘイ将軍(しやうぐん)としての鬼春別(おにはるわけ)108久米彦(くめひこ)最早(もはや)消滅(せうめつ)(いた)しました。109やがて(うま)(かは)つて貴方(あなた)にお()にかかりに()るでせう。110(その)(とき)悪人(あくにん)(にく)まず言葉(ことば)をかけてやつて(くだ)さいませ』
111テームス『貴方(あなた)のお言葉(ことば)なれば(そむ)(わけ)にはゆきませぬが、112()のやうな悪党(あくたう)何程(なにほど)天地(てんち)(かへ)つて、113謝罪(あやま)つて()ましても一口(ひとくち)言葉(ことば)をかける(どころ)か、114門内(もんない)にも()れませぬ。115(にく)(けづ)()(すす)り、116(ほね)をはたいて()つても(むし)(をさま)らない悪党(あくたう)(ござ)いますが、117(なん)とかして(かみ)(さま)のお(ちから)痕跡(あとかた)もなく(ほろ)ぼしたいもので(ござ)います』
118 ()(はな)(ところ)治国別(はるくにわけ)119松彦(まつひこ)120竜彦(たつひこ)下女(げぢよ)案内(あんない)によつて(あら)はれ(きた)り、
121治国(はるくに)『イヤ、122テームス殿(どの)123(わたし)治国別(はるくにわけ)(ござ)います。124(ゆつく)りと(やす)まして(いただ)きました。125()うですかな、126()(にん)(とも)(すこ)しく気分(きぶん)はよいやうですか』
127テームス『ヤ、128貴方(あなた)治国別(はるくにわけ)(さま)129ハテナ、130(いま)此処(ここ)(ござ)るお(かた)貴方(あなた)(さま)(おも)つて()挨拶(あいさつ)申上(まをしあ)げた(ところ)(ござ)います。131ハテナ、132どうも合点(がてん)()かぬ(こと)だなア』
133治国(はるくに)(この)(かた)有名(いうめい)鬼春別(おにはるわけ)134久米彦(くめひこ)両将軍(りやうしやうぐん)(および)スパール、135エミシのカーネルさまですよ』
136 テームスは()けぬ(ばか)りに(おどろ)いて、137(かほ)真青(まつさを)にしながら(ふる)(ごゑ)()し、
138テームス『モシ治国別(はるくにわけ)(さま)139(はや)何処(どこ)かへ()なして(くだ)さいませ。140何故(なぜ)こんな(やつ)()らぬ()(はい)つて()たのでせう』
141治国(はるくに)(この)()(にん)(かた)が、142すつかり()改心(かいしん)結果(けつくわ)143貴方(あなた)(がた)のお(ぢやう)さまを背中(せなか)()うて此処(ここ)(まで)(おく)つて()られたのですよ。144もはや(いま)(まで)将軍(しやうぐん)では(ござ)いませぬ、145治国別(はるくにわけ)弟子(でし)ですから()安心(あんしん)なさいませ』
146 テームスはやつと(むね)()で、
147テームス『ヤアそれで一寸(ちよつと)安心(あんしん)(いた)しました。148モシ春別(はるわけ)(さま)149随分(ずいぶん)貴方(あなた)(はら)(わる)いですな。150なぜ鬼春別(おにはるわけ)だと仰有(おつしや)つて(くだ)さらぬのです』
151鬼春(おにはる)(あま)りお(はづ)かしうて(あは)(かほ)がありませぬので春別(はるわけ)(まを)しました。152(しか)最早(もはや)(おに)()れましたから矢張(やつぱり)春別(はるわけ)(ござ)います。153随分(ずいぶん)(わたし)(あく)(なら)べられた(とき)には五臓(ござう)六腑(ろつぷ)(えぐ)られるやうに(くる)しう(ござ)いました。154此処(ここ)()るのは久米彦(くめひこ)将軍(しやうぐん)155スパール、156エミシの改心党(かいしんたう)(ござ)います。157何卒(どうぞ)(いま)(まで)(うらみ)()つて、158通常(あたりまへ)人間(にんげん)として()交際(かうさい)(ねが)ひます』
159テームス『治国別(はるくにわけ)(さま)(ござ)(あひだ)()交際(かうさい)をさして(いただ)きませうが、160(また)何時(なんどき)(ひつ)くりかへらるるやら(わか)りませぬから、161()るべくは(かへ)つて(いただ)()いもので(ござ)います』
162治国(はるくに)(けつ)して()心配(しんぱい)なさいますな。163(この)方方(かたがた)(はら)(そこ)(まで)見透(みす)かして()りますから、164最早(もはや)大丈夫(だいぢやうぶ)(ござ)います』
165鬼春別(おにはるわけ)醜神(しこがみ)()()かれたる鬼春別(おにはるわけ)
166(かみ)(めぐみ)(ひと)となりぬる。
167テームスの里庄(りしやう)(きみ)惟神(かむながら)
168(かみ)のまにまに(ゆる)したまはれ』
169久米彦(くめひこ)大神(おほかみ)(めぐみ)(ふか)瑞御霊(みづみたま)
170河瀬(かはせ)(みづ)久米彦(くめひこ)(われ)に。
171()めど()めど()きせぬ(かみ)御恵(みめぐみ)
172(なが)れて(たま)(あら)ひましぬる』
173テームス『有難(ありがた)醜雲(しこぐも)四方(よも)()(わた)
174今日(けふ)(うれ)しき(つき)()るかな。
175三五(あななひ)(つき)(をしへ)(まも)りつつ
176いや永久(とこしへ)(かみ)(つか)へませ』
177鬼春別(おにはるわけ)曲鬼(まがおに)(みたま)(くま)なく()()らし
178空晴別(そらはるわけ)となりし今日(けふ)なり。
179()(くら)(とりで)(ひそ)曲神(まがかみ)
180(かみ)伊吹(いぶき)()()りにけり。
181曲神(まがかみ)()りにし(あと)久米彦(くめひこ)
182(こころ)真澄(ますみ)(そら)(つき)かも』
183スパール『バラモンの(いくさ)(きみ)(したが)ひて
184カーネルとなりし(われ)ぞうたてき。
185大神(おほかみ)(すく)ひの喇叭(らつぱ)(さま)されて
186(いま)(まこと)(みち)()めける』
187テームス『有難(ありがた)(かみ)(めぐみ)醜草(しこぐさ)
188()(はら)はずに(すく)ひますかも』
189エミシ『(われ)こそはエミシの(つかさ)三五(あななひ)
190(ひかり)()びてエミシ(われ)なり。
191姉妹(おとどひ)二人(ふたり)御子(みこ)をいろいろと
192(なや)ませまつりし(われ)ぞうたてき。
193ゼネラルや、スパール(つかさ)(つみ)ならず
194エミシ一人(ひとり)(おか)せし醜業(しこわざ)
195鬼春別(おにはるわけ)友垣(ともがき)(つみ)をかくして一人(ひとり)()
196エミシの(つかさ)真人(まびと)なりけり』
197久米彦(くめひこ)村肝(むらきも)(こころ)(つみ)()められて
198(われ)()ふべき(こと)()もなし』
199治国別(はるくにわけ)()(くら)(やま)黒雲(くろくも)(そら)()れて
200()ちも(およ)ばぬ(たに)川霧(かはぎり)
201松彦(まつひこ)(まつ)()(さきがけ)として()れませる
202木花姫(このはなひめ)(めぐみ)かしこし。
203()花姫(はなひめ)(かみ)(みこと)(まさ)ざらば
204いかで(すく)へむこの姉妹(おとどひ)を』
205竜彦(たつひこ)大神(おほかみ)(のり)のまにまにビクの(くに)
206()竜彦(たつひこ)今日(けふ)(うれ)しさ。
207大空(おほぞら)(かがや)きわたる(つき)()れば
208(わが)()(きみ)御霊(みたま)とぞ(おも)ふ』
209鬼春別(おにはるわけ)許々多久(ここたく)(つみ)(けが)れを委曲(まつぶさ)
210()(なほ)したる治国別(はるくにわけ)(つかさ)
211(あめ)(した)四方(よも)(くに)には(あだ)もなし
212(かみ)(をしへ)(まか)()なれば』
213テームス『治国別(はるくにわけ)(つかさ)(はじ)百人(ももびと)
214今宵(こよひ)(はや)(くつろ)ぎませよ。
215()(むすめ)(ちち)をたづねて()つならむ
216(ゆる)させたまへ()()(われ)を』
217治国別(はるくにわけ)(おや)()(なさけ)(おも)益良雄(ますらを)
218いかでとがめむ(なれ)言葉(ことば)を』
219テームス『有難(ありがた)(もも)(つかさ)よいざさらば
220くつろぎたまへ(こころ)(やす)けく』
221挨拶(あいさつ)しながら、222(あと)(こころ)(のこ)しつつ、223(おく)一間(ひとま)()けて()く。224(たみ)下女(げぢよ)下男(げなん)調理(てうり)せし膳部(ぜんぶ)(はこ)(きた)り、225(さけ)なぞを()へて一同(いちどう)(まへ)()ゑ、
226(たみ)皆様(みなさま)227嬢様(ぢやうさま)が、228いかいお世話(せわ)になられまして有難(ありがた)(ぞん)じます。229何分(なにぶん)(わたし)此処(ここ)(やと)はれて(まゐ)りまして、230まだ日日(ひにち)(あさ)(ござ)いまして(いへ)勝手(かつて)(わか)りませず、231不都合(ふつがふ)だらけですが「どうぞ(ゆつく)()(あが)つて(もら)へ」との主人(しゆじん)()ひつけで(ござ)います。232(なに)(ござ)いませぬが何卒(どうぞ)(はら)一杯(いつぱい)()(あが)(くだ)さいませ』
233竜彦(たつひこ)『お()()みの(なか)234()叮嚀(ていねい)()馳走(ちそう)235イヤもう大変(たいへん)なお骨折(ほねをり)(ござ)いませう。236(しか)らば遠慮(ゑんりよ)なく頂戴(ちやうだい)(いた)しませう。237サア先生(せんせい)238春別(はるわけ)(さま)239皆様(みなさま)頂戴(ちやうだい)(いた)しませうか』
240治国(はるくに)()叮嚀(ていねい)有難(ありがた)(ござ)います。241此方(こちら)勝手(かつて)頂戴(ちやうだい)(いた)しますから、242何卒(どうぞ)(たみ)さまとやらお(かま)(くだ)さいますな』
243(たみ)『ハイ不調法(ぶしよう)(もの)がお給仕(きふじ)(いた)すよりも()自由(じいう)にして(くだ)さる(はう)結構(けつこう)(ござ)います』
244挨拶(あいさつ)もそこそこに()馳走(ちそう)(なら)(をは)炊事場(すゐじば)へさして(いそ)()く。245万公(まんこう)はテームスと交替(かうたい)に、246道晴別(みちはるわけ)247シーナの介抱(かいほう)より(はな)空腹(くうふく)(かか)へて(こゑ)をしるべに(あら)はれ(きた)り、
248万公(まんこう)『ああ先生(せんせい)249大変(たいへん)()馳走(ちそう)()()りますなア。250(ひと)(ふた)()()(いつ)()(なな)つヤ一膳(いちぜん)()らぬぞ。251万公司(まんこうつかさ)のお(ぜん)はどこにあるのかなア』
252竜彦(たつひこ)『オイ万公(まんこう)253(まへ)(すで)()馳走(ちそう)頂戴(ちやうだい)しただらう。254スガールさまのお(かほ)さへ()()れば無上(むじやう)()馳走(ちそう)だ。255(めし)(いち)(にち)二日(ふつか)()はなくても辛抱(しんばう)出来(でき)るだらう』
256万公(まんこう)『ヘン(おほ)きに(はばか)(さま)257木仏(きぶつ)金仏(かなぶつ)でない(かぎ)り、258矢張(やつぱり)食欲(しよくよく)一人前(いちにんまへ)(ござ)いますから、259(なん)ならお(まへ)(ぶん)拙者(せつしや)頂戴(ちやうだい)(いた)しませうかい』
260竜彦(たつひこ)『ヤお(まへ)(べつ)(せき)(こしら)へてあるのだらう、261主人側(しゆじんがは)だからなア。262(おれ)(たち)はお(きやく)さまだ(なん)()つてもテームス()新養子(しんやうし)(さま)だから、263(ちつ)(おれ)(たち)にお給仕(きふじ)でもしたらよからう』
264万公(まんこう)『ウンさうだつた。265(まへ)もさう(おも)うて()るか、266さうすると(おれ)(かんが)へもちつとも(ちが)はぬ、267それでは気楽(きらく)にお(きやく)さま(づら)もして()れまい、268下女(げぢよ)()ひつけ沢山(どつさり)()馳走(ちそう)をして()げる。269………何分(なにぶん)取込(とりこ)んで()るので()馳走(ちそう)をして()げたいと(おも)ひましたが(にはか)には出来(でき)ませぬ。270(また)明日(あす)になつたら、271(なん)とか小甘(こうま)いものでもして()げませう。272まアお客様(きやくさま)御悠(ごゆつ)くり()(あが)(くだ)さいませ』
273(あわて)(はしら)(ふすま)にゆき(あた)りながら炊事場(すゐじば)さして(すす)()く。
274大正一二・二・二六 旧一・一一 於竜宮館 加藤明子録)
絶賛発売中『超訳霊界物語2/出口王仁三郎の「身魂磨き」実践書/一人旅するスサノオの宣伝使たち』
オニド関連サイト最新更新情報
10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【メールアドレス
合言葉「みろく」を入力して下さい→  
霊界物語ネットは飯塚弘明が運営しています。【メールアドレス】 / 動作に不具合や誤字脱字等を発見されましたら是非お知らせ下さるようお願い申し上げます。 / 本サイトに掲載されている霊界物語等の著作物の電子データは飯塚弘明ほか、多数の方々の協力によって作られました。(スペシャルサンクス) / 本サイトの著作権(デザイン、プログラム、凡例等)は飯塚弘明にあります。出口王仁三郎の著作物(霊界物語等)の著作権は保護期間が過ぎていますのでご自由にお使いいただいて構いません。ただし一部分を引用するのではなく、本サイト掲載の大部分を利用して電子書籍等に転用する場合には、必ず出典と連絡先を記して下さい。→「本サイト掲載文献の利用について」 / 出口王仁三郎の著作物は明治~昭和初期に書かれたものです。現代においては差別的と見なされる言葉や表現もありますが、当時の時代背景を鑑みてそのままにしてあります。 / プライバシーポリシー
(C) 2007-2024 Iizuka Hiroaki