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第一四章 春陽(しゆんよう)〔一四二二〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第55巻 真善美愛 午の巻 篇:第3篇 玉置長蛇 よみ(新仮名遣い):たまきちょうだ
章:第14章 春陽 よみ(新仮名遣い):しゅんよう 通し章番号:1422
口述日:1923(大正12)年03月04日(旧01月17日) 口述場所:竜宮館 筆録者:外山豊二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年3月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
万公は神殿に参拝を終り、一同が談話する居間に神懸りとなって現れ、謡いはじめた。
テームスの家筋は、元は月の国のヒルナの刹帝利であったが、民の怨みが重なって国家が転覆し、フサの国に逃れて玉置の村に里庄と現れたことを明かした。そして悔い改めた上は、祖先の罪とがも消え、これからは子孫の末に至るまで清き生涯を送るようにと諭した。
治国別も続いて謡い、神の教えに寄り添って神業に仕え、道を踏み外さずに進んで行くことを教導した。そして諄々と現・幽・神界に処する道を説き、終わって大神の御前に感謝の祝詞を奏上した。
テームス夫婦は神の恩恵を悟り、邸宅を解放して立派な社殿を造り、三五教の大神を鎮祭した。万公はスガールと結婚しテームス家の世継ぎとなった。シーナは姉のスミエルと結婚し分家した。アーシスとお民も治国別の媒介によって夫婦となり、三五教の教えを宣伝して神業に参加した。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2017-05-14 19:19:02 OBC :rm5514
愛善世界社版:181頁 八幡書店版:第10輯 100頁 修補版: 校定版:186頁 普及版:80頁 初版: ページ備考:
001 万公(まんこう)神殿(しんでん)参拝(さんぱい)(をは)り、002一同(いちどう)打解(うちと)けて談話(だんわ)せる居間(ゐま)神懸(かむがか)りとなつて(あら)はれ(きた)(うた)(はじ)めた。
 
003万公(まんこう)謡曲調(えうきよくてう))『(この)()(つく)(たま)ひたる、004 千早振(ちはやぶ)(たふと)(かみ)()れまして、005 (かみ)善悪(ぜんあく)正邪(せいじや)をば、006 立別(たてわ)(たま)人々(ひとびと)の、007 (こころ)にかかる村雲(むらくも)を、008 伊吹(いぶき)(はら)ひて天国(てんごく)を、009 (この)()(うへ)建設(けんせつ)し、010 堅磐(かきは)常磐(ときは)五六七(みろく)()011 いや永久(とこしへ)(さか)えゆく、012 (まつ)神世(かみよ)をたてむとて、013 天教山(てんけうざん)()れませる、014 木花姫(このはなひめ)神柱(かむばしら)015 コーカス(ざん)()れませる、016 日出別(ひのでのわけ)やウブスナの、017 (うづ)(やかた)永久(とこしへ)に、018 (をしへ)(まも)らせ(たま)ひつる、019 八島主(やしまのぬし)(はじ)めとし、020 自転倒(おのころ)(じま)(いた)りては、021 桶伏山(をけぶせやま)聖場(せいぢやう)に、022 (にしき)(みや)太柱(ふとばしら)023 (ふと)しき()てて皇神(すめかみ)を、024 (いつ)かひ(まつ)朝夕(あさゆふ)に、025 赤心(まごころ)()めて(つか)へます、026 玉照彦(たまてるひこ)神柱(かむばしら)027 (みづ)(みたま)(あら)はれ(たま)ひ、028 玉照姫(たまてるひめ)神柱(かむばしら)029 (いづ)(みたま)(あら)はれ(たま)ひ、030 暗夜(やみよ)()らす英子姫(ひでこひめ)031 紫姫(むらさきひめ)諸共(もろとも)に、032 (この)()悪魔(あくま)竜国別(たつくにわけ)や、033 (その)(ほか)(もも)(つかさ)たち、034 神政(しんせい)成就(じやうじゆ)聖場(せいぢやう)と、035 (さだ)めて(うづ)御教(みをしへ)を、036 四方(よも)(ひら)かせ(たま)ひつつ、037 (かむ)素盞嗚(すさのを)大神(おほかみ)の、038 御言(みこと)(かしこ)万寿山(まんじゆざん)039 霊鷲山(りやうしうざん)やエルサレム、040 黄金山(わうごんざん)神柱(かむばしら)041 (ふと)しく()てて現身(うつそみ)の、042 暗世(やみよ)永遠(とは)()らさむと、043 (つと)(たま)ふぞ有難(ありがた)き、044 ウブスナ(やま)斎苑(いそ)(やかた)045 八島主(やしまのぬし)部下(ぶか)となり、046 (つき)御国(みくに)(わだか)まる、047 八岐(やまた)大蛇(をろち)醜鬼(しこおに)を、048 言向和(ことむけやは)三五(あななひ)の、049 (まこと)(ひと)つの御教(みをしへ)を、050 (もつ)世人(よびと)(すく)はむと、051 松彦(まつひこ)052竜彦(たつひこ)053万公(まんこう)を、054 (したが)へまして河鹿山(かじかやま)055 (はげ)しき野分(のわき)()かれつつ、056 (ほこら)(もり)山口(やまぐち)(もり)057 (こがらし)(すさ)荒野(あれの)(わた)り、058 野中(のなか)(もり)浮木(うきき)(もり)059 バラモン(けう)のゼネラルと、060 威勢(ゐせい)(かがや)くランチ片彦(かたひこ)将軍(しやうぐん)を、061 (まこと)(みち)言向(ことむ)けて、062 苦集(くしふ)滅道(めつだう)()(あか)し、063 道法(だうほふ)礼節(れいせつ)(あきら)かに、064 (をし)(たま)ひて弟子(みこ)となし、065 (なほ)(すす)んでライオンの、066 (きよ)水瀬(みなせ)横切(よこぎ)りつ、067 ビクトリヤ(じやう)刹帝利(せつていり)068 左守(さもり)(かみ)危難(きなん)をば、069 (すく)(たま)ひて漸々(やうやう)に、070 (こま)(ひづめ)(なら)べつつ、071 シメジ(たうげ)()()えて、072 玉置(たまき)(むら)のテームス(やかた)073 (つき)()夜半(よは)()でまして、074 猪倉山(ゐのくらやま)(とら)はれし、075 (この)()(むすめ)スミエルや、076 スガール(ひめ)(すく)はむと、077 (いさ)(すす)んで()(たま)ふ、078 谷川(たにがは)(わた)(いは)()え、079 (やうや)鬼春別(おにはるわけ)将軍(しやうぐん)の、080 (たむろ)(たま)巌窟(がんくつ)に、081 (しの)()りつつゼネラルや、082 カーネル(はじ)(その)(ほか)の、083 (もも)(つかさ)言向(ことむ)けて、084 道晴別(みちはるわけ)やシーナの(つかさ)085 二人(ふたり)(むすめ)(すく)ひまし、086 (かみ)(ちから)(まも)られて、087 (この)()(かへ)(たま)ひける、088 万公別(まんこうわけ)(この)(いへ)に、089 (すす)()たるや(たちま)ちに、090 わが()(かへ)りし心地(ここち)して、091 (おや)(ゆる)しもなき(まま)に、092 主人(しゆじん)気取(きど)りと早変(はやがは)り、093 家内(かない)上下(かみしも)(くま)もなく、094 巡視(じゆんし)()へし(とき)もあれ、095 (この)()主人(しゆじん)テームスは、096 ()(にん)負傷者(ふしやうしや)全快(ぜんくわい)を、097 (よろこ)(たま)()(きみ)に、098 感謝(かんしや)のためと海川(うみかは)や、099 山野(さんや)()でて(もと)めたる、100 美味(うま)しき(もの)歓待(もてな)して、101 感謝(かんしや)(まこと)(つく)しつつ、102 鬼春別(おにはるわけ)久米彦(くめひこ)将軍(しやうぐん)が、103 (この)()()るに仰天(ぎやうてん)し、104 (こころ)(そこ)より憎悪(ぞうを)して、105 (いち)()(はや)()(ぱら)ひ、106 後日(ごじつ)(なん)(のが)れむと、107 (はか)(たま)ひし(とき)もあれ、108 鬼春別(おにはるわけ)熱烈(ねつれつ)な、109 読経(どきやう)威力(ゐりよく)()たれまし、110 霊肉(れいにく)(たちま)脱離(だつり)して、111 ()るも(おそ)ろし地獄道(ぢごくだう)112 (さみ)しき(たび)()でましぬ、113 ああ惟神(かむながら)々々(かむながら)114 これが見捨(みすて)()かれうか、115 一度(ひとたび)(いき)吹返(ふきかへ)し、116 霊肉(れいにく)(とも)改良(かいりやう)し、117 未来(みらい)(きよ)天国(てんごく)の、118 いや永久(とこしへ)(はな)()き、119 果物(くだもの)(みの)楽園(らくゑん)に、120 (すく)はにや()かぬと三五(あななひ)の、121 (かみ)(はしら)治国別(はるくにわけ)が、122 赤心(まごころ)こめて大前(おほまへ)(いの)らせ(たま)へばアラ不思議(ふしぎ)123 神徳(しんとく)(たちま)顕現(けんげん)し、124 万公別(まんこうわけ)鬼春別(おにはるわけ)の、125 (みたま)(まも)精霊(せいれい)は、126 テームス(つかさ)(あと)()ひ、127 根底(ねそこ)(くに)()()きて、128 (すく)(かへ)りし(うれ)しさよ、129 朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも、130 (つき)()つとも()くるとも、131 仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも、132 三五教(あななひけう)(まも)ります、133 (かみ)(めぐみ)永久(えいきう)に、134 いや永久(とこしへ)(わす)れまじ、135 そもテームスの家筋(いへすぢ)は、136 (もと)(たふと)刹帝利(せつていり)137 ヒルナの(くに)にときめきて、138 数多(あまた)(たみ)(したが)へつ、139 武勇(ぶゆう)(ほこ)りし(いへ)なれど、140 (たみ)(うらみ)(かさ)なりて、141 ヒルナの(くに)(たちま)ちに、142 根本(こんぽん)(てき)転覆(てんぷく)し、143 生命(いのち)辛々(からがら)フサの(くに)144 玉置(たまき)(むら)(あら)はれて、145 (ここ)里庄(りしやう)となりすまし、146 ()(きた)りしも十五代(じふごだい)147 (また)もや(たみ)怨恨(えんこん)を、148 (かさ)(かさ)ねて遠祖(とほつおや)149 世々(よよ)(おや)(たち)諸共(もろとも)に、150 (つみ)重荷(おもに)地獄道(ぢごくだう)151 根底(ねそこ)(くに)()()きて、152 悪鬼(あくき)(むれ)()()みつ、153 (くる)しき月日(つきひ)(おく)るこそ、154 ()にも悲惨(ひさん)(きは)みなり、155 さはさり(なが)今日(けふ)よりは、156 主人(しゆじん)のテームス逸早(いちはや)く、157 悔改(くいあらた)めて()(すく)ふ、158 三五教(あななひけう)大道(おほみち)に、159 (つか)(たま)ひし(うへ)からは、160 如何(いか)なる祖先(そせん)罪科(つみとが)も、161 朝日(あさひ)(つゆ)()ゆる(ごと)162 (なつ)日向(ひなた)(さら)されし、163 (こほり)(ごと)()()きて、164 遠津(とほつ)御祖(みおや)()ふも(さら)165 子孫(しそん)(すゑ)(いた)(まで)166 (この)()(なが)らに天国(てんごく)の、167 (きよ)生涯(しやうがい)(おく)りつつ、168 世人(よびと)(すく)生神(いきがみ)と、169 ()りて(ほまれ)万代(よろづよ)に、170 (つた)へむ今日(けふ)端緒(いとぐち)を、171 (よろこ)(いは)大神(おほかみ)の、172 御前(みまへ)感謝(かんしや)(たてまつ)る、173 ああ惟神(かむながら)々々(かむながら)174 (みたま)幸倍(さちはへ)ましませよ』
 
175 治国別(はるくにわけ)音吐(おんと)朗々(らうらう)として宣伝歌(せんでんか)(うた)ふ。
 
176治国別(はるくにわけ)謡曲調(えうきよくてう))『千早振(ちはやぶ)る、177 (かみ)(つく)りし(かみ)(くに)178 すみきり(まも)(かみ)(くに)179 高天原(たかあまはら)天国(てんごく)を、180 (この)()(うへ)(うつ)しまし、181 (てん)(きらめ)(ほし)(ごと)182 (ひと)をば地上(ちじやう)()(おと)し、183 (はま)真砂(まさご)(かず)(ごと)184 山川(やまかは)草木(くさき)(とり)(けもの)185 うろくづ(むし)まで()ませつつ、186 (あめ)(つち)との神業(かむわざ)に、187 (つか)へしめむと(かみ)水火(いき)188 (あた)へて(くだ)らせ(たま)ひたる、189 (ひと)(かみ)()(かみ)(みや)190 ()かる(たふと)(ひと)()に、191 如何(いか)でか(まが)(ひそ)()き、192 体主(たいしゆ)霊従(れいじう)小欲(せうよく)に、193 五感(ごかん)(くも)らせたればこそ、194 天国(てんごく)浄土(じやうど)(かへ)るべき、195 (きよ)身魂(みたま)堕落(だらく)して、196 中有界(ちううかい)地獄道(ぢごくだう)197 (たと)(がた)なき醜穢(しうゑ)なる、198 餓鬼(がき)畜生(ちくしやう)魔道(まだう)へと、199 (あやま)()()くものなれば、200 (ひと)生命(いのち)()るうちに、201 ()(あらた)めて天地(あめつち)の、202 (かみ)(こころ)をよく(さと)り、203 利己(りこ)一偏(いつぺん)自愛心(じあいしん)204 弊履(へいり)(ごと)(うち)すてて、205 至仁(しじん)至愛(しあい)神徳(しんとく)を、206 ()(そな)へつつ現世(うつしよ)の、207 (ひかり)ともなり(しほ)ともなり、208 (けが)れを(きよ)()()らし、209 天地(てんち)(はな)(うた)はれて、210 (この)()(なか)面白(おもしろ)く、211 (わた)()くべき(もの)なるぞ、212 さはさり(なが)(ひと)()は、213 如何(いか)なる智徳(ちとく)ありとても、214 (かみ)(をしへ)(はな)れなば、215 (ぜん)(へん)じて(あく)となり、216 (さいはひ)(へん)じて災禍(わざはひ)と、217 (たちま)(かは)浅間(あさま)しさ、218 (ただ)(ひと)()天地(あめつち)の、219 (かみ)(をしへ)第一(だいいち)に、220 (まも)りて(もも)事業(なりはひ)に、221 いそしみ(つか)現世(うつしよ)に、222 ありては(くに)(たて)となり、223 神霊界(しんれいかい)(いた)りては、224 天津(あまつ)御国(みくに)良民(りやうみん)と、225 なりて神業(しんげふ)(つか)ふべく、226 (いま)より(かみ)大道(おほみち)を、227 ()(はづ)さずに(すす)むべし、228 (かみ)(われ)()(とも)()り、229 (かみ)(なんぢ)(とも)()す、230 (かみ)()けたる(この)身魂(みたま)231 如何(いか)()てさせ(たま)ふべき、232 テームス(つかさ)(はじ)めとし、233 (もも)人々(ひとびと)皇神(すめかみ)の、234 (あい)(ぜん)との(とく)により、235 (こころ)(きよ)()(きよ)め、236 (しん)(しん)との光明(くわうみやう)に、237 (かがや)(わた)りて村肝(むらきも)の、238 (こころ)(そら)日月(じつげつ)の、239 (ひかり)()らさせ(たま)ふべし、240 ああ惟神(かむながら)々々(かむながら)241 (かみ)御前(みまへ)三五(あななひ)の、242 治国別(はるくにわけ)神司(かむづかさ)243 (つつし)(うやま)()(つた)ふ』
 
244(うた)(をは)り、245(なほ)諄々(じゆんじゆん)として現界(げんかい)246神界(しんかい)247幽界(いうかい)(しよ)するの(みち)()き、248(をは)つて大神(おほかみ)御前(みまへ)感謝(かんしや)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)した。249(これ)よりテームス夫婦(ふうふ)(こころ)(そこ)より(かみ)恩恵(おんけい)(さと)り、250広大(くわうだい)なる邸宅(ていたく)開放(かいはう)して、251立派(りつぱ)なる社殿(しやでん)(つく)り、252三五教(あななひけう)大神(おほかみ)鎮祭(ちんさい)し、253万公別(まんこうわけ)をして神教(しんけう)宣伝(せんでん)せしむる(こと)となつた。254()して万公(まんこう)はスガール(ひめ)(つま)となし、255テームス()世継(よつぎ)となり、256シーナは(あね)のスミエルと(とも)分家(ぶんけ)して(これ)()み、257アーシス、258(たみ)(また)治国別(はるくにわけ)媒介(ばいかい)()つて夫婦(ふうふ)となり、259玉置(たまき)(むら)(はな)(うた)はれ、260三五(あななひ)(をしへ)四方(よも)宣伝(せんでん)し、261神業(しんげふ)参加(さんか)した。
262大正一二・三・四 旧一・一七 於竜宮館 外山豊二録)
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