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第75巻(寅の巻)
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第55巻(午の巻)
序文
総説歌
第1篇 奇縁万情
01 心転
〔1409〕
02 道謡
〔1410〕
03 万民
〔1411〕
04 真異
〔1412〕
05 飯の灰
〔1413〕
06 洗濯使
〔1414〕
第2篇 縁三寵望
07 朝餉
〔1415〕
08 放棄
〔1416〕
09 三婚
〔1417〕
10 鬼涙
〔1418〕
第3篇 玉置長蛇
11 経愕
〔1419〕
12 霊婚
〔1420〕
13 蘇歌
〔1421〕
14 春陽
〔1422〕
15 公盗
〔1423〕
16 幽貝
〔1424〕
第4篇 法念舞詩
17 万巌
〔1425〕
18 音頭
〔1426〕
19 清滝
〔1427〕
20 万面
〔1428〕
21 嬉涙
〔1429〕
22 比丘
〔1430〕
余白歌
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第一一章
経愕
(
きやうがく
)
〔一四一九〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第55巻 真善美愛 午の巻
篇:
第3篇 玉置長蛇
よみ(新仮名遣い):
たまきちょうだ
章:
第11章 経愕
よみ(新仮名遣い):
きょうがく
通し章番号:
1419
口述日:
1923(大正12)年03月03日(旧01月16日)
口述場所:
竜宮館
筆録者:
出口伊佐男
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1925(大正14)年3月30日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
テームスは、バラモン軍人たちが心より改心してその精魂がまったく純化した境地に達したにもかかわらず、彼らを信じることができなかった。テームスは祖先代々、苛烈な里庄を勤め人民の富を搾り取り、人望は地に落ちて村の人々から卑しめられていた。
鬼春別はこの頑固親父のテームスを悔い改めしめようと、大声にて読経を始めた。テームスはこの聖経の始終を聞いてはっと胸を抱き、その場に打ち倒れて人事不省に陥った。治国別をはじめ一同は、直ちに神の大前に祈願を凝らした。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2024-05-24 12:56:39
OBC :
rm5511
愛善世界社版:
139頁
八幡書店版:
第10輯 83頁
修補版:
校定版:
143頁
普及版:
58頁
初版:
ページ備考:
001
テームスは、
002
悔悟
(
くわいご
)
して
其
(
その
)
精魂
(
せいこん
)
全
(
まつた
)
く
純化
(
じゆんくわ
)
し、
003
真
(
しん
)
の
真人
(
しんじん
)
たるの
心境
(
しんきやう
)
に
迄
(
まで
)
到達
(
たうたつ
)
せる、
004
鬼春別
(
おにはるわけ
)
将軍
(
しやうぐん
)
を
始
(
はじ
)
め
久米彦
(
くめひこ
)
、
005
スパール、
006
エミシの
四
(
よ
)
人
(
にん
)
を
心底
(
しんてい
)
より
信
(
しん
)
ずる
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
なかつたので
表面
(
へうめん
)
治国別
(
はるくにわけ
)
の
前
(
まへ
)
にては
相当
(
さうたう
)
の
取
(
と
)
り
扱
(
あつか
)
ひをしてゐた。
007
けれどもその
心中
(
しんちう
)
は
蚰蜒
(
げじげじ
)
の
如
(
ごと
)
く
嫌
(
きら
)
ひ、
008
且
(
か
)
つ
恐
(
おそ
)
れて
居
(
ゐ
)
た。
009
何処
(
どこ
)
とも
無
(
な
)
く
排斥
(
はいせき
)
気分
(
きぶん
)
が
現
(
あら
)
はれて
来
(
く
)
る。
010
鬼春別
(
おにはるわけ
)
は
忍耐
(
にんたい
)
に
忍耐
(
にんたい
)
を
加
(
くは
)
え
所在
(
あらゆる
)
侮辱
(
ぶじよく
)
をも
克
(
よ
)
く
我慢
(
がまん
)
し
得
(
う
)
る
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
た。
011
鬼春別
(
おにはるわけ
)
は
別室
(
べつしつ
)
に
入
(
い
)
つて
婆羅門
(
ばらもん
)
の
経典
(
きやうてん
)
を
読誦
(
どくじゆ
)
した。
012
自分
(
じぶん
)
の
一
(
いつ
)
は
改心
(
かいしん
)
のため、
013
一
(
いつ
)
はテームスの
悪心
(
あくしん
)
自愛心
(
じあいしん
)
の
猛火
(
まうくわ
)
を
消滅
(
せうめつ
)
せむが
為
(
ため
)
であつた。
014
テームスの
家
(
いへ
)
は
祖先
(
そせん
)
代々
(
だいだい
)
里庄
(
りしやう
)
を
勤
(
つと
)
め
随分
(
ずいぶん
)
「
地頭
(
ぢとう
)
に
法
(
はふ
)
なし」と
人民
(
じんみん
)
より
憎
(
にく
)
まれて
来
(
き
)
たものである。
015
巨万
(
きよまん
)
の
富
(
とみ
)
を
抱
(
いだ
)
いてゐるのも
皆
(
みな
)
多数
(
たすう
)
人民
(
じんみん
)
の
膏血
(
かうけつ
)
を
搾
(
しぼ
)
つたものと
一般
(
いつぱん
)
に
評判
(
ひやうばん
)
され、
016
地位
(
ちゐ
)
は
村人
(
むらびと
)
の
上位
(
じやうゐ
)
を
占
(
し
)
めてゐるが
人望
(
じんばう
)
は
殆
(
ほとん
)
ど
地
(
ち
)
に
堕
(
お
)
ち、
017
旃陀羅
(
せんだら
)
の
様
(
やう
)
に
卑
(
いや
)
しめられてゐた。
018
鬼春別
(
おにはるわけ
)
は
此
(
こ
)
の
頑固爺
(
ぐわんこおやぢ
)
のテームスを
悔
(
く
)
い
改
(
あらた
)
めしめむと、
019
態
(
わざ
)
とに
大声
(
おほごゑ
)
にて
読経
(
どくきやう
)
を
始
(
はじ
)
めた。
020
その
経文
(
きやうもん
)
に
曰
(
い
)
ふ。
021
帰命
(
きみやう
)
頂礼
(
ちやうらい
)
謹上
(
きんじやう
)
再拝
(
さいはい
)
022
重
(
かさ
)
ねて
此
(
こ
)
の
義
(
ぎ
)
を
宣
(
の
)
べんと
欲
(
ほつ
)
して、
023
偈
(
げ
)
を
説
(
と
)
いて
言
(
い
)
はく、
024
『
譬
(
たと
)
へば
長者
(
ちやうじや
)
、
025
一
(
いつ
)
の
大宅
(
だいたく
)
有
(
あ
)
らむ。
026
其
(
そ
)
の
宅
(
たく
)
久
(
ひさ
)
しく
故
(
ふ
)
りて、
027
而
(
しか
)
も
復
(
ま
)
た
頓弊
(
やぶれ
)
、
028
堂舎
(
だうしや
)
高
(
たか
)
く
危
(
あやふ
)
く、
029
柱根
(
ちうこん
)
摧
(
くだ
)
け
朽
(
く
)
ち、
030
梁棟
(
りやうとう
)
傾
(
かた
)
むき
斜
(
ゆ
)
がみ、
031
基陛
(
きへい
)
潰
(
くづ
)
れ
毀
(
やぶ
)
れ、
032
墻壁
(
しやうへき
)
圯
(
やぶ
)
れ
圻
(
さ
)
け、
033
泥塗
(
ないづ
)
褫
(
あば
)
け
落
(
お
)
ち、
034
覆苫
(
ふせん
)
乱
(
みだ
)
れ
墜
(
お
)
ち、
035
椽梠
(
たるのき
)
差
(
たが
)
ひ
脱
(
ぬ
)
け、
036
周障
(
しうしやう
)
屈曲
(
くつきよく
)
して、
037
雑穢
(
ざふゑ
)
充徧
(
じゆうへん
)
せり、
038
五百
(
ごひやく
)
人
(
にん
)
有
(
あ
)
つて、
039
其
(
そ
)
の
中
(
なか
)
に
止住
(
しぢう
)
す。
040
鴟
(
とび
)
、
041
梟
(
ふくろ
)
、
042
鵰
(
くまたか
)
、
043
鷲
(
わし
)
、
044
烏
(
からす
)
、
045
鵲
(
かささぎ
)
、
046
鳩
(
やまばと
)
、
047
鴿
(
いへばと
)
、
048
蚖蛇
(
からすへび
)
、
049
蝮
(
くちばみ
)
、
050
蠍
(
さそり
)
、
051
蜈蚣
(
むかで
)
、
052
蚰蜒
(
げじげじ
)
、
053
守宮
(
やもり
)
、
054
百足
(
をさむし
)
、
055
鼬
(
いたち
)
、
056
貍
(
たぬき
)
、
057
鼷
(
あまくち
)
、
058
鼠
(
ねづみ
)
、
059
諸々
(
もろもろ
)
の
悪虫
(
あくちう
)
の
輩
(
ともがら
)
、
060
交横
(
かうわう
)
馳走
(
ちそう
)
す、
061
屎尿
(
しねう
)
の
臭
(
くさ
)
き
処
(
ところ
)
、
062
不浄
(
ふじやう
)
流
(
なが
)
れ
溢
(
み
)
ち、
063
℡
(
うぢ
)
、
064
蜋
(
くそむし
)
、
065
諸虫
(
しよちう
)
、
066
而
(
しか
)
も
其
(
そ
)
の
上
(
うへ
)
に
集
(
あつ
)
まれり。
067
狐
(
きつね
)
、
068
狼
(
おほかみ
)
、
069
野干
(
のぎつね
)
、
070
咀
(
くらい
)
嚼
(
かみ
)
践
(
ふみ
)
蹋
(
ふみ
)
なし、
071
死屍
(
しかばね
)
を
嚌齧
(
かみくら
)
ひて、
072
骨肉
(
こつにく
)
狼藉
(
らうぜき
)
し、
073
是
(
こ
)
れに
由
(
よ
)
つて
羣狗
(
ぐんぐ
)
、
074
競
(
きそ
)
ひ
来
(
きた
)
つて
搏撮
(
うちとり
)
し、
075
飢
(
うゑ
)
羸
(
つかれ
)
慞惶
(
まごつき
)
て、
076
処々
(
しよしよ
)
に
食
(
しよく
)
を
求
(
もと
)
め、
077
闘
(
たたかい
)
諍
(
あらそい
)
、
078
摣
(
つかみ
)
掣
(
ひきさ
)
き、
079
啀
(
いがみ
)
喍
(
はがみ
)
嘷
(
おほいに
)
吠
(
ほ
)
ゆ。
080
其
(
そ
)
の
舎
(
いへ
)
の
恐怖
(
くふ
)
、
081
変状
(
へんじやう
)
是
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
し。
082
処々
(
しよしよ
)
に
皆
(
みな
)
、
083
魑魅
(
ちみ
)
魍魎
(
まうりやう
)
有
(
あ
)
り。
084
夜叉
(
やしや
)
悪鬼
(
あくき
)
、
085
人
(
ひと
)
の
肉
(
にく
)
を
食噉
(
じきだん
)
す。
086
(
魑魅
(
ちみ
)
は
山中
(
さんちう
)
木石
(
ぼくせき
)
の
精怪
(
せいくわい
)
。
087
魍魎
(
もうりやう
)
は
水中
(
すいちう
)
に
住
(
す
)
む
精怪
(
せいくわい
)
)
088
毒虫
(
どくちう
)
の
属
(
たぐひ
)
、
089
諸々
(
もろもろ
)
の
悪禽獣
(
あくきんじう
)
、
090
孚乳
(
ふにふ
)
産生
(
さんしやう
)
して、
091
各
(
おのおの
)
自
(
みづか
)
ら
蔵
(
かく
)
し
護
(
まも
)
る。
092
夜叉
(
やしや
)
競
(
きそ
)
ひ
来
(
きた
)
つて、
093
争
(
あらそ
)
ひ
取
(
と
)
つて
之
(
こ
)
れを
食
(
じき
)
す。
094
之
(
これ
)
を
食
(
じき
)
すること
既
(
すで
)
に
飽
(
あ
)
きぬれば、
095
悪心
(
あくしん
)
転
(
うた
)
た
熾
(
さか
)
んにして、
096
闘諍
(
とうさう
)
の
声
(
こゑ
)
、
097
甚
(
はなは
)
だ
怖畏
(
ふゐ
)
す
可
(
べ
)
し。
098
鳩槃
(
クネバーンダ
)
、
099
荼鬼
(
ビンヤーチヤカ
)
、
100
土埵
(
どだ
)
に
蹲踞
(
そんきよ
)
せり。
101
或時
(
あるとき
)
は
地
(
ち
)
を
離
(
はな
)
るること、
102
一
(
いつ
)
尺
(
しやく
)
二
(
に
)
尺
(
しやく
)
、
103
往返
(
わうへん
)
遊行
(
いうぎやう
)
し、
104
縦逸
(
じういつ
)
に
嬉戯
(
きぎ
)
す。
105
狗
(
いぬ
)
の
両足
(
りやうそく
)
を
捉
(
と
)
つて、
106
撲
(
う
)
つて
声
(
こゑ
)
を
失
(
うしな
)
はしめ、
107
脚
(
あし
)
を
以
(
もつ
)
て
頸
(
くび
)
に
加
(
くは
)
へて、
108
狗
(
いぬ
)
を
怖
(
を
)
どして
自
(
みづか
)
ら
楽
(
たの
)
しむ。
109
復
(
また
)
諸々
(
もろもろ
)
の
鬼
(
おに
)
有
(
あ
)
り、
110
其
(
そ
)
の
身
(
み
)
長大
(
ちやうだい
)
に、
111
裸形
(
らぎやう
)
黒痩
(
こくしゆ
)
にして、
112
常
(
つね
)
に
其
(
そ
)
の
中
(
なか
)
に
住
(
ぢう
)
せり。
113
大悪声
(
だいあくせい
)
を
発
(
はつ
)
して、
114
叫
(
さけ
)
び
呼
(
よ
)
んで
食
(
じき
)
を
求
(
もと
)
む。
115
復
(
また
)
諸々
(
もろもろ
)
の
鬼
(
おに
)
有
(
あ
)
り、
116
其
(
そ
)
の
咽
(
のんど
)
針
(
はり
)
の
如
(
ごと
)
し。
117
復
(
また
)
諸々
(
もろもろ
)
の
鬼
(
おに
)
有
(
あ
)
り、
118
首
(
かうべ
)
牛頭
(
ごづ
)
の
如
(
ごと
)
し。
119
或
(
あるひ
)
は
人
(
ひと
)
の
肉
(
にく
)
を
食
(
じき
)
し、
120
或
(
あるひ
)
は
復
(
また
)
狗
(
いぬ
)
を
噉
(
くら
)
ふ。
121
頭髪
(
づはつ
)
蓬乱
(
ぶらん
)
して、
122
残害
(
ざんがい
)
兇険
(
くけん
)
なり、
123
饑渇
(
きかつ
)
に
逼
(
せ
)
められて、
124
叫喚
(
けうくわん
)
馳走
(
ちそう
)
す。
125
夜叉
(
やしや
)
餓鬼
(
がき
)
、
126
諸々
(
もろもろ
)
の
悪鳥獣
(
あくてうじう
)
、
127
饑
(
うゑ
)
急
(
きふ
)
にして
四
(
よも
)
に
向
(
む
)
かひ、
128
窗牖
(
そうゆう
)
を
窺
(
うかが
)
ひ
看
(
み
)
る。
129
是
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
諸難
(
しよなん
)
、
130
恐畏
(
くゐ
)
無量
(
むりやう
)
なり。
131
是
(
こ
)
の
朽
(
く
)
ち
故
(
ふ
)
りたる
宅
(
いへ
)
は、
132
一
(
いち
)
人
(
にん
)
に
属
(
ぞく
)
せり。
133
其
(
そ
)
の
人
(
ひと
)
近
(
ちか
)
く
出
(
いで
)
て、
134
未
(
いま
)
だ
久
(
ひさ
)
しからざるの
間
(
あひだ
)
に、
135
後
(
のち
)
に
宅舎
(
たくしや
)
に、
136
忽然
(
こつぜん
)
火
(
ひ
)
起
(
おこ
)
り、
137
四面
(
しめん
)
一
(
いち
)
時
(
じ
)
に、
138
其
(
そ
)
の
焔
(
ほのほ
)
倶
(
とも
)
に
熾
(
さか
)
んなり。
139
棟梁
(
とうりやう
)
椽柱
(
えんちう
)
、
140
爆
(
はた
)
めく
声
(
こゑ
)
震
(
ふる
)
ひ
裂
(
さ
)
け、
141
摧
(
くぢ
)
け
折
(
を
)
れ
堕
(
お
)
ち
落
(
お
)
ちて、
142
墻壁
(
しやうへき
)
崩
(
くづ
)
れ
倒
(
たふ
)
る。
143
諸々
(
もろもろ
)
の
鬼神
(
きじん
)
等
(
ら
)
、
144
声
(
こゑ
)
を
揚
(
あ
)
げて
大
(
おほい
)
に
叫
(
さけ
)
び、
145
鵰鷲
(
てうじう
)
諸鳥
(
しよてう
)
、
146
鳩槃荼
(
くはんだ
)
等
(
とう
)
、
147
周慞
(
しうしよう
)
惶怖
(
くわうふ
)
して、
148
自
(
みづか
)
ら
出
(
い
)
づること
能
(
あた
)
はず。
149
悪獣
(
あくじう
)
毒虫
(
どくちう
)
、
150
孔穴
(
くけつ
)
に
蔵
(
かく
)
れ
竄
(
かく
)
れ、
151
毘舎
(
びしや
)
闍鬼
(
じやき
)
、
152
亦
(
また
)
其
(
そ
)
の
中
(
なか
)
に
住
(
ぢう
)
せり。
153
福徳
(
ふくとく
)
薄
(
うす
)
きが
故
(
ゆゑ
)
に、
154
火
(
ひ
)
に
逼
(
せ
)
められ、
155
共
(
とも
)
に
相
(
あ
)
ひ
残害
(
ざんがい
)
して、
156
血
(
ち
)
を
飲
(
の
)
み
肉
(
にく
)
を
噉
(
くら
)
ふ。
157
野干
(
やかん
)
の
属
(
たぐひ
)
、
158
並
(
ならび
)
に
已
(
すで
)
に
前
(
さ
)
きに
死
(
し
)
す。
159
諸々
(
もろもろ
)
の
大悪獣
(
だいあくじう
)
、
160
競
(
きそ
)
ひ
来
(
きた
)
つて
食噉
(
じきだん
)
す。
161
臭煙
(
しうえん
)
蓬
㏄
(
ぶぼつ
)
して、
162
四面
(
しめん
)
に
充塞
(
じゆうそく
)
す。
163
蜈蚣
(
ごく
)
蚰蜒
(
ゆえん
)
、
164
毒蛇
(
どくぢや
)
の
類
(
たぐひ
)
、
165
火
(
ひ
)
に
焼
(
や
)
かれて、
166
争
(
あらそ
)
ひ
走
(
はし
)
つて
穴
(
あな
)
を
出
(
い
)
づ。
167
鳩槃荼鬼
(
くはんだき
)
、
168
随
(
したが
)
ひ
取
(
と
)
つて
而
(
しか
)
も
食
(
くら
)
ふ。
169
又
(
また
)
諸々
(
もろもろ
)
の
餓鬼
(
がき
)
、
170
頭上
(
づじやう
)
に
火
(
ひ
)
燃
(
も
)
へ、
171
飢渇
(
げかつ
)
熱悩
(
ねつをう
)
して
周慞
(
しうしやう
)
悶走
(
もんそう
)
す。
172
其
(
そ
)
の
宅
(
いへ
)
是
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
く、
173
甚
(
はなは
)
だ
怖畏
(
ふゐ
)
す
可
(
べ
)
し。
174
毒害
(
どくがい
)
火災
(
くわさい
)
、
175
衆難
(
しうなん
)
一
(
いつ
)
に
非
(
あら
)
ず。
176
是
(
こ
)
の
時
(
とき
)
に
宅主
(
たくしゆ
)
、
177
門外
(
もんげ
)
に
在
(
あ
)
つて
立
(
た
)
つて、
178
有
(
あ
)
る
人
(
ひと
)
の
言
(
ことば
)
を
聞
(
き
)
く、
179
「
汝
(
なんぢ
)
が
諸子
(
しよし
)
等
(
ら
)
、
180
先
(
さ
)
きに
遊戯
(
いうげ
)
せるに
因
(
よ
)
つて、
181
此
(
こ
)
の
宅
(
たく
)
に
来入
(
らいにふ
)
し、
182
稚小
(
ちせう
)
無知
(
むち
)
にして、
183
歓娯
(
くわんご
)
楽著
(
げうぢやく
)
せり」と。
184
長者
(
ちやうじや
)
聞
(
き
)
き
已
(
をは
)
つて、
185
驚
(
おどろ
)
いて
火宅
(
くわたく
)
に
入
(
い
)
る。
186
方
(
ま
)
さに
宜
(
よろし
)
く
救済
(
ぐさい
)
して、
187
焼害
(
せうがい
)
無
(
な
)
から
令
(
し
)
むべし。
188
諸子
(
しよし
)
に
告喩
(
ごうゆ
)
して、
189
衆
(
もろもろ
)
の
患難
(
くわんなん
)
を
説
(
と
)
く、
190
「
悪鬼
(
あくき
)
毒虫
(
どくちう
)
、
191
災火
(
さいくわ
)
蔓莚
(
まんえん
)
せり、
192
衆苦
(
しうく
)
次第
(
しだい
)
に、
193
相続
(
さうぞく
)
して
絶
(
た
)
えず。
194
毒蛇
(
どくじや
)
蚖蝮
(
ぐわんぷく
)
、
195
及
(
およ
)
び
諸々
(
もろもろ
)
の
夜叉
(
やしや
)
、
196
鳩槃荼鬼
(
くはんだき
)
、
197
野干
(
やかん
)
狐狗
(
こく
)
、
198
鵰鷲
(
てうしう
)
鵄梟
(
しげう
)
、
199
百足
(
ひやくそく
)
の
属
(
ぞく
)
、
200
飢渇
(
けかつ
)
の
悩
(
なや
)
み
急
(
きふ
)
にして、
201
甚
(
はなは
)
だ
怖畏
(
ふゐ
)
す
可
(
べ
)
し。
202
此
(
こ
)
の
苦
(
く
)
すら
処
(
しよ
)
し
難
(
がた
)
し、
203
況
(
いはん
)
や
復
(
また
)
大火
(
たいくわ
)
をや」と。
204
諸子
(
しよし
)
無知
(
むち
)
にして、
205
父
(
ちち
)
の
誨
(
をしへ
)
を
聞
(
き
)
くと
雖
(
いへど
)
も、
206
猶故
(
なほ
)
楽著
(
ぎやうぢやく
)
して、
207
嬉戯
(
きぎ
)
すること
已
(
や
)
まず。
208
是
(
こ
)
の
時
(
とき
)
に
長者
(
ちやうじや
)
、
209
而
(
しか
)
も
是
(
こ
)
の
念
(
ねん
)
を
作
(
な
)
さく、
210
「
諸子
(
しよし
)
此
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
く、
211
我
(
わ
)
が
愁悩
(
しうなう
)
を
益
(
ま
)
す。
212
今
(
いま
)
此
(
こ
)
の
舎宅
(
しやたく
)
は、
213
一
(
いつ
)
として
楽
(
たのし
)
む
可
(
べ
)
き
無
(
な
)
し。
214
而
(
しか
)
るに
諸子
(
しよし
)
等
(
ら
)
、
215
嬉戯
(
きぎ
)
に
耽湎
(
たんめん
)
して、
216
我
(
わ
)
が
教
(
をしへ
)
を
受
(
う
)
けず、
217
将
(
まさ
)
に
火
(
ひ
)
に
害
(
がい
)
せられむとす」。
218
即便
(
すなは
)
ち
思惟
(
しゆゐ
)
して、
219
諸
(
もろもろ
)
の
方便
(
はうべん
)
を
設
(
まう
)
けて、
220
諸子
(
しよし
)
等
(
ら
)
に
告
(
つ
)
ぐ「
我
(
われ
)
に
種々
(
しゆじゆ
)
の
221
珍玩
(
ちんぐわん
)
の
具
(
ぐ
)
の、
222
妙宝
(
めうほう
)
の
好車
(
かうしや
)
有
(
あ
)
り。
223
羊車
(
やうしや
)
鹿車
(
ろくしや
)
、
224
大牛
(
たいご
)
の
車
(
くるま
)
なり。
225
今
(
いま
)
門外
(
もんげ
)
に
在
(
あ
)
り、
226
汝
(
なんぢ
)
等
(
ら
)
出
(
い
)
で
来
(
きた
)
れ。
227
吾
(
われ
)
汝
(
なんぢ
)
等
(
ら
)
が
為
(
ため
)
に、
228
此
(
こ
)
の
車
(
くるま
)
を
造作
(
ざうさ
)
せり。
229
意
(
こころ
)
の
所楽
(
しよぎよう
)
に
随
(
したが
)
つて、
230
以
(
もつ
)
て
遊戯
(
いうぎ
)
す
可
(
べ
)
し。
231
」
232
諸子
(
しよし
)
、
233
此
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
諸々
(
もろもろ
)
の
車
(
くるま
)
を
説
(
と
)
くを
聞
(
き
)
いて、
234
即時
(
そくじ
)
に
奔競
(
ほんきやう
)
して、
235
馳走
(
ちそう
)
して
出
(
い
)
で、
236
空地
(
くうち
)
に
到
(
いた
)
つて、
237
諸々
(
もろもろ
)
の
苦難
(
くなん
)
を
離
(
はな
)
る。
238
長者
(
ちやうじや
)
子
(
こ
)
の、
239
火宅
(
くわたく
)
を
出
(
い
)
づることを
得
(
え
)
て、
240
四衢
(
しく
)
に
住
(
ぢう
)
するを
見
(
み
)
て、
241
師子
(
しし
)
の
座
(
ざ
)
に
坐
(
ま
)
せり。
242
而
(
しか
)
も
自
(
みづか
)
ら
慶
(
よろこ
)
びて
言
(
い
)
はく、
243
「
我
(
われ
)
今
(
いま
)
快楽
(
けらく
)
なり。
244
此
(
こ
)
の
諸子
(
しよし
)
等
(
ら
)
、
245
生育
(
しやういく
)
すること
甚
(
はなは
)
だ
難
(
かた
)
し。
246
愚小
(
ぐせう
)
無知
(
むち
)
にして、
247
而
(
しか
)
も
険宅
(
けんたく
)
に
入
(
い
)
れり。
248
諸々
(
もろもろ
)
の
毒虫
(
どくちう
)
多
(
おほ
)
く、
249
魑魅
(
ちみ
)
畏
(
おそ
)
る
可
(
べ
)
し。
250
大火
(
たいくわ
)
猛焔
(
まうえん
)
、
251
四面
(
しめん
)
に
倶
(
とも
)
に
起
(
おこ
)
れり。
252
而
(
しか
)
るに
此
(
こ
)
の
諸子
(
しよし
)
、
253
嬉戯
(
きぎ
)
に
貪著
(
どんぢやく
)
せり。
254
我
(
われ
)
已
(
すで
)
に
之
(
こ
)
れを
救
(
すく
)
ひて、
255
難
(
なん
)
を
脱
(
まぬが
)
るることを
得
(
え
)
せしめたり。
256
是
(
こ
)
の
故
(
ゆゑ
)
に
諸人
(
しよにん
)
、
257
我
(
われ
)
今
(
いま
)
快楽
(
けらく
)
なり」と。
258
爾
(
そ
)
の
時
(
とき
)
に
諸子
(
しよし
)
、
259
父
(
ちち
)
の
安坐
(
あんざ
)
せるを
知
(
し
)
つて、
260
皆
(
みな
)
父
(
ちち
)
の
所
(
ところ
)
に
詣
(
いた
)
つて、
261
而
(
しか
)
も
父
(
ちち
)
に
白
(
まを
)
して
言
(
まを
)
さく、
262
「
願
(
ねが
)
はくは
我
(
われ
)
等
(
ら
)
に、
263
三種
(
さんしゆ
)
の
宝車
(
ほうしや
)
を
賜
(
たま
)
へ。
264
前
(
さ
)
きに
許
(
ゆる
)
したまふ
所
(
ところ
)
の
如
(
ごと
)
き、
265
諸子
(
しよし
)
出
(
い
)
で
来
(
きた
)
れ、
266
当
(
まさ
)
に
三車
(
さんしや
)
を
以
(
もつ
)
て、
267
汝
(
なんぢ
)
が
所欲
(
しよよく
)
に
随
(
したが
)
ふべしと。
268
今
(
いま
)
正
(
ま
)
さに
是
(
こ
)
れ
時
(
とき
)
なり、
269
唯
(
た
)
だ
給与
(
きふよ
)
を
垂
(
た
)
れたまへ」
270
長者
(
ちやうじや
)
大
(
おほい
)
に
富
(
と
)
みて、
271
庫蔵
(
くざう
)
衆多
(
しうた
)
なり。
272
金
(
きん
)
銀
(
ぎん
)
瑠璃
(
るり
)
、
273
硨磲
(
しやこ
)
瑪瑙
(
めなう
)
、
274
衆
(
もろもろ
)
の
宝物
(
ほうもつ
)
を
以
(
もつ
)
て、
275
諸
(
もろもろ
)
の
大車
(
たいしや
)
を
造
(
つく
)
れり。
276
荘校
(
そうきよう
)
厳飾
(
ごんじき
)
して、
277
周匝
(
しうそう
)
して
欄楯
(
らんじゆん
)
あり。
278
四面
(
しめん
)
に
鈴
(
すず
)
を
懸
(
か
)
け、
279
金縄
(
こんじよう
)
絞絡
(
けうらく
)
せり。
280
真珠
(
しんじゆ
)
の
羅網
(
らまう
)
、
281
其
(
そ
)
の
上
(
うへ
)
に
張
(
は
)
り
施
(
ほどこ
)
し、
282
金華
(
きんげ
)
の
諸纓
(
しよやう
)
、
283
処々
(
しよしよ
)
に
垂
(
た
)
れ
下
(
く
)
だせり、
284
衆彩
(
しうさい
)
雑飾
(
ざふじき
)
し、
285
周匝
(
しうそう
)
囲繞
(
ゐねう
)
せり。
286
柔軟
(
にうなん
)
の
繪絋
(
そこう
)
、
287
以
(
もつ
)
て
茵褥
(
しとね
)
と
為
(
な
)
し、
288
上妙
(
じやうめう
)
の
細氎
(
さいでふ
)
、
289
価直
(
かぢき
)
千億
(
せんのく
)
にして、
290
鮮白
(
せんはく
)
浄潔
(
じやうけつ
)
なる、
291
以
(
もつ
)
て
其
(
そ
)
の
上
(
うへ
)
に
覆
(
おほ
)
へり。
292
大白牛
(
たいはくご
)
有
(
あ
)
り、
293
肥壮
(
ひさう
)
多力
(
たりき
)
にして、
294
形体
(
ぎやうたい
)
姝好
(
しうかう
)
なり、
295
これを
以
(
もつ
)
て
宝車
(
ほうしや
)
を
駕
(
が
)
せり。
296
諸々
(
もろもろ
)
の
儐従
(
ひんじゆう
)
多
(
おほ
)
くして、
297
而
(
しか
)
も
之
(
こ
)
れを
侍衛
(
じゑい
)
せり。
298
是
(
こ
)
の
妙車
(
めうしや
)
を
以
(
もつ
)
て、
299
等
(
ひと
)
しく
諸子
(
しよし
)
に
賜
(
たま
)
ふ。
300
諸子
(
しよし
)
是
(
こ
)
の
時
(
とき
)
、
301
歓喜
(
くわんき
)
踊躍
(
ゆうやく
)
して、
302
是
(
こ
)
の
宝車
(
ほうしや
)
に
乗
(
の
)
つて、
303
四方
(
しはう
)
に
遊
(
あそ
)
び
嬉戯
(
きぎ
)
快楽
(
けらく
)
して、
304
自在
(
じざい
)
無礙
(
むげ
)
ならむが
如
(
ごと
)
し。
305
舎利弗
(
しやりほつ
)
に
告
(
つ
)
ぐ、
306
我
(
われ
)
も
亦
(
また
)
是
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
し、
307
衆聖
(
しうぜう
)
の
中
(
なか
)
の
尊
(
そん
)
、
308
世間
(
せけん
)
の
父
(
ちち
)
なり。
309
一切
(
いちさい
)
衆生
(
しうじやう
)
は、
310
皆
(
みな
)
是
(
こ
)
れ
吾
(
わが
)
子
(
こ
)
なり。
311
深
(
ふか
)
く
世楽
(
せぎよう
)
に
著
(
ぢやく
)
して、
312
慧心
(
ゑしん
)
有
(
あ
)
ること
無
(
な
)
し。
313
三界
(
さんかい
)
は
安
(
やす
)
きこと
無
(
な
)
し、
314
猶
(
な
)
ほ
火宅
(
くわたく
)
の
如
(
ごと
)
し。
315
衆苦
(
しうく
)
充満
(
じゆうまん
)
して、
316
甚
(
はなは
)
だ
怖畏
(
ふゐ
)
す
可
(
べ
)
し。
317
常
(
つね
)
に
生老
(
しやうらう
)
、
318
病死
(
びやうし
)
の
憂患
(
いうくわん
)
有
(
あ
)
り。
319
是
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
等
(
とう
)
の
火
(
ひ
)
、
320
熾然
(
しねん
)
として
息
(
や
)
まず。
321
如来
(
によらい
)
は
已
(
すで
)
に、
322
三界
(
さんかい
)
の
火宅
(
くわたく
)
を
離
(
はな
)
れて、
323
寂然
(
じやくねん
)
として
閑居
(
かんご
)
し、
324
林野
(
りんや
)
に
安処
(
あんしよ
)
せり。
325
今
(
い
)
ま
此
(
こ
)
の
三界
(
さんかい
)
は、
326
皆
(
み
)
な
是
(
こ
)
れ
我
(
わ
)
が
有
(
いう
)
なり。
327
其
(
そ
)
の
中
(
なか
)
の
衆生
(
しうじやう
)
は、
328
悉
(
ことごと
)
く
是
(
こ
)
れ
吾
(
わ
)
が
子
(
こ
)
なり。
329
而
(
しか
)
も
今
(
い
)
ま
此
(
こ
)
の
処
(
ところ
)
は、
330
諸々
(
もろもろ
)
の
患難
(
くわんなん
)
多
(
おほ
)
し。
331
唯
(
ただ
)
我
(
われ
)
一
(
いち
)
人
(
にん
)
のみ、
332
能
(
よ
)
く
救護
(
きうご
)
を
為
(
な
)
す。
333
復
(
ま
)
た
教詔
(
げうせう
)
すと
雖
(
いへど
)
も、
334
而
(
しか
)
も
信受
(
しんじゆ
)
せず、
335
諸々
(
もろもろ
)
の
欲染
(
よくぜん
)
に
於
(
おい
)
て、
336
貪著
(
とんぢやく
)
深
(
ふか
)
きが
故
(
ゆゑ
)
に。
337
是
(
ここ
)
を
以
(
もつ
)
て
方便
(
はうべん
)
して、
338
為
(
ため
)
に
三乗
(
さんじよう
)
を
説
(
と
)
いて
339
諸々
(
もろもろ
)
の
衆生
(
しうじやう
)
をして、
340
三界
(
さんかい
)
の
苦
(
く
)
を
知
(
し
)
らしめ、
341
出世間
(
しゆつせけん
)
の
道
(
みち
)
を、
342
開示
(
かいじ
)
し
演説
(
えんぜつ
)
す。
343
是
(
こ
)
の
諸子
(
しよし
)
等
(
ら
)
、
344
若
(
も
)
し
心
(
こころ
)
決定
(
けつぢやう
)
しぬれば、
345
三明
(
さんみやう
)
、
346
及
(
およ
)
び
六神通
(
ろくじんづう
)
を
具足
(
ぐそく
)
し、
347
縁覚
(
えんかく
)
、
348
不退
(
ふたい
)
の
菩薩
(
ぼさつ
)
を
得
(
う
)
ること
有
(
あ
)
り。
349
汝
(
なんぢ
)
舎利弗
(
しやりほつ
)
、
350
我
(
われ
)
衆生
(
しうじやう
)
の
為
(
ため
)
に、
351
此
(
こ
)
の
譬喩
(
ひゆ
)
を
以
(
もつ
)
て、
352
一仏乗
(
いちぶつじやう
)
を
説
(
と
)
く。
353
汝
(
なんぢ
)
等
(
ら
)
若
(
も
)
し
能
(
よ
)
く、
354
是
(
こ
)
の
語
(
ご
)
を
信受
(
しんじゆ
)
せば、
355
一切
(
いつさい
)
皆
(
みな
)
当
(
まさ
)
に、
356
仏道
(
ぶつだう
)
を
成
(
じやう
)
ずることを
得
(
う
)
べし。
357
是
(
こ
)
の
乗
(
じやう
)
は
微妙
(
びめう
)
にして、
358
清浄
(
しやうじやう
)
第一
(
だいいち
)
なり。
359
諸
(
もろもろ
)
の
世間
(
せけん
)
に
於
(
おい
)
て、
360
為
(
た
)
めに
上
(
かみ
)
有
(
あ
)
ること
無
(
な
)
し。
361
仏
(
ぶつ
)
の
悦可
(
えつか
)
したまふ
所
(
ところ
)
、
362
一切
(
いつさい
)
衆生
(
しうじやう
)
の、
363
応
(
ま
)
さに
称讃
(
しようさん
)
し、
364
供養
(
くやう
)
し、
365
礼拝
(
らいはい
)
すべき
所
(
ところ
)
なり。
366
無量
(
むりやう
)
億千
(
おくせん
)
の、
367
諸力
(
しよりき
)
解脱
(
げだつ
)
、
368
禅定
(
ぜんぢやう
)
智慧
(
ちゑ
)
、
369
及
(
およ
)
び
仏
(
ぶつ
)
の
余
(
よ
)
の
法
(
ほふ
)
あり。
370
是
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
きの
乗
(
じよう
)
を
得
(
え
)
せしめて、
371
諸子
(
しよし
)
等
(
ら
)
をして、
372
日夜
(
にちや
)
劫数
(
ごうすう
)
に、
373
常
(
つね
)
に
遊戯
(
いうぎ
)
することを
得
(
え
)
、
374
諸々
(
もろもろ
)
の
菩薩
(
ぼさつ
)
、
375
及
(
およ
)
び
声聞衆
(
しやうもんしう
)
と、
376
此
(
こ
)
の
宝乗
(
ほうじよう
)
に
乗
(
じよう
)
じて、
377
直
(
ただ
)
ちに
道場
(
だうぢやう
)
に
至
(
いた
)
らしむ。
378
是
(
こ
)
の
因縁
(
いんねん
)
を
以
(
もつ
)
て、
379
十方
(
じつぱう
)
に
諦
(
あきらか
)
に
求
(
もと
)
むるに、
380
更
(
さら
)
に
余乗
(
よじよう
)
無
(
な
)
し、
381
仏
(
ぶつ
)
の
方便
(
はうべん
)
を
除
(
のぞ
)
く。
382
舎利弗
(
しやりほつ
)
に
告
(
つ
)
ぐ、
383
汝
(
なんぢ
)
諸人
(
しよにん
)
等
(
ら
)
は、
384
皆
(
み
)
な
是
(
こ
)
れ
吾
(
わ
)
が
子
(
こ
)
なり、
385
我
(
われ
)
は
則
(
すなは
)
ち
是
(
こ
)
れ
父
(
ちち
)
なり。
386
汝
(
なんぢ
)
等
(
ら
)
累劫
(
るゐごう
)
に、
387
衆苦
(
しうく
)
に
焼
(
や
)
かる。
388
我
(
われ
)
皆
(
み
)
な
済抜
(
さいばつ
)
して、
389
三界
(
さんかい
)
を
出
(
い
)
でしむ。
390
我
(
われ
)
先
(
さき
)
に、
391
汝
(
なんぢ
)
等
(
ら
)
滅度
(
めつど
)
すと
説
(
と
)
くと
雖
(
いへど
)
も、
392
但
(
ただし
)
生死
(
しやうし
)
を
尽
(
つ
)
くして、
393
而
(
しか
)
も
実
(
じつ
)
には
滅
(
めつ
)
せず。
394
今
(
いま
)
の
応
(
まさ
)
に
作
(
な
)
すべき
所
(
ところ
)
は、
395
唯
(
ただ
)
仏
(
ぶつ
)
の
智慧
(
ちゑ
)
なり。
396
若
(
も
)
し
菩薩
(
ぼさつ
)
有
(
あ
)
らば、
397
是
(
こ
)
の
衆
(
しう
)
の
中
(
なか
)
に
於
(
おい
)
て、
398
能
(
よ
)
く
一心
(
いつしん
)
に、
399
諸仏
(
しよぶつ
)
の
実法
(
じつぽふ
)
を
聴
(
き
)
け。
400
諸神
(
しよしん
)
世尊
(
せそん
)
は、
401
方便
(
はうべん
)
を
以
(
もつ
)
てしたまふと
雖
(
いへど
)
も、
402
所化
(
しよけ
)
の
衆生
(
しゆじやう
)
は、
403
皆
(
み
)
な
是
(
こ
)
れ
菩薩
(
ぼさつ
)
なり。
404
若
(
も
)
し
人
(
ひと
)
小智
(
せうち
)
にして、
405
深
(
ふか
)
く
愛欲
(
あいよく
)
に
著
(
ぢやく
)
せる、
406
此
(
こ
)
れ
等
(
ら
)
の
為
(
ため
)
の
故
(
ゆゑ
)
に、
407
苦諦
(
くたい
)
を
説
(
と
)
きたまふ。
408
衆生
(
しうじやう
)
心
(
しん
)
喜
(
よろこ
)
びて、
409
未曾有
(
みぞう
)
なることを
得
(
え
)
。
410
聖者
(
しやうじや
)
の
説
(
と
)
きたまふ
苦諦
(
くたい
)
は、
411
真実
(
しんじつ
)
にして
異
(
い
)
無
(
な
)
し。
412
若
(
も
)
し
衆生
(
しうじやう
)
有
(
あ
)
つて、
413
苦
(
く
)
の
本
(
もと
)
を
知
(
し
)
らず。
414
深
(
ふか
)
く
苦
(
く
)
の
因
(
いん
)
に
著
(
ぢやく
)
して、
415
暫
(
しばら
)
くも
捨
(
す
)
つること
能
(
あた
)
はず、
416
是
(
こ
)
れ
等
(
ら
)
の
為
(
ため
)
の
故
(
ゆゑ
)
に、
417
方便
(
はうべん
)
して
道
(
みち
)
を
説
(
と
)
きたまふ。
418
諸苦
(
しよく
)
の
所因
(
しよいん
)
は、
419
貪欲
(
どんよく
)
為
(
こ
)
れ
本
(
もと
)
なり。
420
若
(
も
)
し
貪欲
(
どんよく
)
を
滅
(
めつ
)
すれば、
421
依止
(
えし
)
する
所
(
ところ
)
無
(
な
)
し、
422
諸苦
(
しよく
)
を
滅尽
(
めつじん
)
するを、
423
第三
(
だいさん
)
の
諦
(
たい
)
と
名
(
な
)
づく。
424
滅諦
(
めつたい
)
の
為
(
ため
)
の
故
(
ゆゑ
)
に、
425
道
(
みち
)
を
修行
(
しうぎやう
)
す。
426
諸
(
もろもろ
)
の
苦縛
(
くばく
)
を
離
(
はな
)
るるを、
427
解脱
(
げだつ
)
を
得
(
う
)
と
名
(
な
)
づく。
428
是
(
こ
)
の
人
(
ひと
)
何
(
なん
)
に
於
(
おい
)
てか、
429
而
(
しか
)
も
解脱
(
げだつ
)
を
得
(
う
)
る、
430
但
(
ただし
)
虚妄
(
きよまう
)
を
離
(
はな
)
るるを、
431
名
(
な
)
づけて
解脱
(
げだつ
)
と
為
(
な
)
す。
432
其
(
そ
)
れ
実
(
じつ
)
には
未
(
いま
)
だ、
433
一切
(
いつさい
)
の
解脱
(
げだつ
)
を
得
(
え
)
ず。
434
聖者
(
しやうじや
)
是
(
こ
)
の
人
(
ひと
)
は、
435
未
(
いま
)
だ
実
(
じつ
)
に
滅度
(
めつど
)
せずと
説
(
と
)
きたまふ。
436
斯
(
こ
)
[
※
初版では「斯」だが愛世版では「斬」(誤字)。ここを含め以下、計5ヶ所。
]
の
人
(
ひと
)
未
(
いま
)
だ、
437
無上道
(
むじやうだう
)
を
得
(
え
)
ざるが
故
(
ゆゑ
)
に、
438
我
(
わ
)
が
意
(
こころ
)
にも、
439
滅度
(
めつど
)
に
至
(
いた
)
らしめたりと
欲
(
おも
)
はず。
440
我
(
われ
)
は
為
(
こ
)
れ
法王
(
ほふわう
)
、
441
法
(
ほふ
)
に
於
(
おい
)
て
自在
(
じざい
)
なり、
442
衆生
(
しうじやう
)
を
安穏
(
あんのん
)
ならしめんが
故
(
ゆゑ
)
に、
443
世
(
よ
)
に
現
(
げん
)
ず。
444
汝
(
なんぢ
)
舎利弗
(
しやりほつ
)
、
445
我
(
わ
)
が
此
(
こ
)
の
法印
(
ほふいん
)
は、
446
世間
(
せけん
)
を
利益
(
りやく
)
せむと、
447
欲
(
ほつ
)
するが
為
(
ため
)
の
故
(
ゆゑ
)
に
説
(
と
)
く。
448
所遊
(
しよいう
)
の
方
(
はう
)
に
在
(
あ
)
つて、
449
妄
(
みだ
)
りに
宣伝
(
せんでん
)
すること
勿
(
なか
)
れ。
450
若
(
も
)
し
聞
(
き
)
くこと
有
(
あ
)
らむ
者
(
もの
)
、
451
随喜
(
ずいき
)
し
頂受
(
ちやうじゆ
)
せば、
452
当
(
まさ
)
に
知
(
し
)
るべし
是
(
こ
)
の
人
(
ひと
)
は、
453
阿惟越致
(
アイニバルタニーヤ
)
なり(不退転)。
454
若
(
も
)
し
此
(
こ
)
の
経法
(
きやうほふ
)
を、
455
信受
(
しんじゆ
)
すること
有
(
あ
)
らむ
者
(
もの
)
は、
456
是
(
こ
)
の
人
(
ひと
)
は
已
(
すで
)
に
曾
(
かつ
)
て、
457
過去
(
くわこ
)
の
仏
(
ほとけ
)
を
見
(
み
)
たてまつつて、
458
恭敬
(
くぎやう
)
供養
(
くやう
)
し、
459
亦
(
また
)
是
(
こ
)
の
法
(
ほふ
)
を
聞
(
き
)
けるなり。
460
若
(
も
)
し
人
(
ひと
)
能
(
よ
)
く、
461
汝
(
なんぢ
)
が
所説
(
しよせつ
)
を
信
(
しん
)
ずること
有
(
あ
)
らむは、
462
則
(
すなは
)
ち
為
(
こ
)
れ
我
(
われ
)
を
見
(
み
)
、
463
亦
(
また
)
汝
(
なんぢ
)
、
464
及
(
およ
)
び
比丘僧
(
びくそう
)
並
(
なら
)
びに
諸
(
もろもろ
)
の
菩薩
(
ぼさつ
)
を
見
(
み
)
るなり。
465
斯
(
こ
)
の
法経
(
ほつきやう
)
は、
466
深智
(
しんち
)
の
為
(
た
)
めに
説
(
と
)
く。
467
浅識
(
せんしき
)
は
之
(
これ
)
を
聞
(
き
)
いて、
468
迷惑
(
めいわく
)
して
解
(
さと
)
らず。
469
一切
(
いつさい
)
の
声聞
(
しようもん
)
、
470
及
(
およ
)
び
辟支仏
(
びやくしぶつ
)
は、
471
此
(
こ
)
の
経
(
きやう
)
の
中
(
なか
)
に
於
(
おい
)
て、
472
力
(
ちから
)
及
(
およ
)
ばざる
所
(
ところ
)
なり。
473
汝
(
なんぢ
)
舎利弗
(
しやりほつ
)
、
474
尚
(
な
)
ほ
此
(
こ
)
の
経
(
きやう
)
に
於
(
おい
)
ては、
475
信
(
しん
)
を
以
(
もつ
)
て
入
(
い
)
ることを
得
(
え
)
たり、
476
況
(
いはん
)
や
余
(
よ
)
の
声聞
(
しようもん
)
をや。
477
其
(
そ
)
の
余
(
よ
)
の
声聞
(
しようもん
)
も、
478
聖語
(
しやうご
)
を
信
(
しん
)
ずるが
故
(
ゆゑ
)
に、
479
此
(
こ
)
の
経
(
きやう
)
に
随順
(
ずいじゆん
)
す、
480
己
(
おの
)
が
智分
(
ちぶん
)
に
非
(
あら
)
ず。
481
又
(
また
)
舎利弗
(
しやりほつ
)
、
482
憍慢
(
けうまん
)
懈怠
(
けたい
)
、
483
我見
(
がけん
)
を
計
(
けい
)
する
者
(
もの
)
には、
484
此
(
こ
)
の
経
(
きやう
)
を
説
(
と
)
くこと
莫
(
な
)
かれ。
485
凡夫
(
ぼんぷ
)
の
浅識
(
せんしき
)
にして、
486
深
(
ふか
)
く
五欲
(
ごよく
)
に
著
(
ぢやく
)
せるは、
487
聞
(
き
)
くとも
解
(
さと
)
ること
能
(
あた
)
はじ、
488
亦
(
また
)
為
(
ため
)
に
説
(
と
)
くこと
勿
(
なか
)
れ。
489
若
(
も
)
し
人
(
ひと
)
信
(
しん
)
ぜずして、
490
此
(
こ
)
の
経
(
きやう
)
を
毀謗
(
きばう
)
せば、
491
則
(
すなは
)
ち
一切
(
いつさい
)
、
492
世間
(
せけん
)
の
聖種
(
しやうしゆ
)
を
断
(
だん
)
ぜむ。
493
或
(
あるひ
)
は
復
(
また
)
顰蹙
(
ひんしゆく
)
して、
494
而
(
しか
)
も
疑惑
(
ぎわく
)
を
懐
(
いだ
)
かむ、
495
汝
(
なんぢ
)
当
(
まさ
)
に、
496
此
(
こ
)
の
人
(
ひと
)
の
罪報
(
ざいはう
)
を
説
(
と
)
くを
聴
(
き
)
くべし。
497
「
若
(
も
)
しは
仏
(
ほとけ
)
の
在世
(
ざいせい
)
にもあれ、
498
若
(
も
)
しは
滅度
(
めつど
)
の
後
(
のち
)
にもあれ、
499
其
(
そ
)
れ
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き、
500
経典
(
きやうてん
)
を
誹謗
(
ひぼう
)
すること
有
(
あ
)
らむ。
501
経
(
きやう
)
を
読誦
(
どくじゆ
)
し、
502
書持
(
しよぢ
)
すること
有
(
あ
)
らむ
者
(
もの
)
を
見
(
み
)
て、
503
軽賤
(
けいせん
)
憎嫉
(
ぞうしつ
)
して、
504
而
(
しか
)
も
結恨
(
けつこん
)
を
懐
(
いだ
)
かむ。
505
此
(
この
)
人
(
ひと
)
の
罪報
(
ざいほう
)
を、
506
汝
(
なんぢ
)
今
(
いま
)
復
(
また
)
聴
(
き
)
くべし。
507
其
(
その
)
人
(
ひと
)
命終
(
みやうじう
)
して、
508
阿鼻獄
(
あびごく
)
に
入
(
い
)
らむ。
509
一劫
(
いちごう
)
を
具足
(
ぐそく
)
して、
510
劫
(
ごう
)
尽
(
つ
)
きなば
更
(
さら
)
に
生
(
うま
)
れむ。
511
是
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
く
展転
(
てんでん
)
して、
512
無数劫
(
むすうごう
)
に
至
(
いた
)
らむ。
513
地獄
(
ぢごく
)
より
出
(
い
)
でば、
514
当
(
まさ
)
に
畜生
(
ちくしやう
)
に
堕
(
お
)
つべし。
515
若
(
も
)
し
狗
(
いぬ
)
野干
(
やかん
)
としては、
516
其
(
そ
)
の
形
(
かたち
)
㎡
痩
(
こつしう
)
し、
517
黧黮
(
りたん
)
疥癩
(
けらい
)
にして、
518
人
(
ひと
)
に
触嬈
(
ぞくねう
)
せられ、
519
又
(
また
)
復
(
また
)
人
(
ひと
)
に、
520
悪賤
(
をせん
)
せられむ。
521
常
(
つね
)
に
饑渇
(
けかつ
)
に
困
(
くるし
)
みて、
522
骨肉
(
こつにく
)
枯竭
(
こかつ
)
せむ。
523
生
(
い
)
きては
楚毒
(
そどく
)
を
受
(
う
)
け、
524
死
(
し
)
しては
瓦石
(
がしやく
)
を
被
(
かうむ
)
らむ。
525
聖種
(
せうしゆ
)
を
断
(
だん
)
ずるが
故
(
ゆゑ
)
に、
526
斯
(
こ
)
の
罪報
(
ざいはう
)
を
受
(
う
)
けむ。
527
若
(
も
)
しは
馲駝
(
らくだ
)
と
作
(
な
)
り、
528
或
(
あるひ
)
は
驢
(
ろ
)
の
中
(
なか
)
に
生
(
う
)
まれて、
529
身
(
み
)
に
常
(
つね
)
に
重
(
おも
)
きを
負
(
お
)
ひ、
530
諸
(
もろもろ
)
の
杖捶
(
ぢやうすゐ
)
を
加
(
くは
)
へられむ。
531
但
(
ただ
)
水草
(
すいさう
)
を
念
(
おも
)
うて、
532
余
(
よ
)
は
知
(
し
)
る
所
(
ところ
)
無
(
な
)
けむ。
533
斯
(
こ
)
の
経
(
きやう
)
を
謗
(
ばう
)
ずるが
故
(
ゆゑ
)
に、
534
罪
(
つみ
)
を
獲
(
う
)
ること
是
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
し。
535
有
(
ある
)
ひは
野干
(
やかん
)
と
作
(
な
)
つて、
536
聚落
(
じゆらく
)
に
来入
(
らいにふ
)
せば、
537
身体
(
しんたい
)
疥癩
(
けらい
)
にして、
538
又
(
また
)
一目
(
いちもく
)
無
(
な
)
からむ。
539
諸
(
もろもろ
)
の
童子
(
どうじ
)
に、
540
打擲
(
ちやうちやく
)
せられ、
541
諸
(
もろもろ
)
の
苦痛
(
くつう
)
を
受
(
う
)
けて、
542
或時
(
あるとき
)
は
死
(
し
)
を
致
(
いた
)
さむ。
543
此
(
ここ
)
に
死
(
し
)
し
已
(
おは
)
つて、
544
更
(
さら
)
に
蟒身
(
まうしん
)
を
受
(
う
)
けむ。
545
其
(
そ
)
の
形
(
かたち
)
長大
(
ちやうだい
)
にして、
546
五百
(
ごひやく
)
由旬
(
ゆじゆん
)
ならむ。
547
聾騃
(
るがい
)
無足
(
むそく
)
にして、
548
蜿転
(
ゑんてん
)
腹行
(
ふくぎやう
)
し、
549
諸
(
もろもろ
)
の
小虫
(
せうちう
)
に、
550
唼食
(
さふじき
)
せられて、
551
昼夜
(
ちうや
)
苦
(
く
)
を
受
(
う
)
くるに、
552
休息
(
くそく
)
有
(
あ
)
ること
無
(
な
)
けむ。
553
斯
(
こ
)
の
経
(
きやう
)
を
謗
(
ばう
)
ずるが
故
(
ゆゑ
)
に、
554
罪
(
つみ
)
を
獲
(
う
)
ること
是
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
し。
555
若
(
も
)
し
人
(
ひと
)
と
為
(
な
)
る
事
(
こと
)
を
得
(
え
)
ては、
556
諸根
(
しよこん
)
闇鈍
(
あんどん
)
にして、
557
矬陋
(
ざる
)
攣躄
(
れんびやく
)
、
558
盲聾
(
まうる
)
背傴
(
はいう
)
ならむ。
559
言説
(
ごんぜつ
)
する
所
(
ところ
)
有
(
あ
)
らむに、
560
人
(
ひと
)
信受
(
しんじゆ
)
せず。
561
口
(
くち
)
の
気
(
いき
)
常
(
つね
)
に
臭
(
くさ
)
く、
562
鬼魅
(
きみ
)
に
著
(
ぢやく
)
せられむ。
563
貧窮
(
ひんきう
)
下賤
(
げせん
)
にして、
564
人
(
ひと
)
に
使
(
つか
)
はれ、
565
多病
(
たびやう
)
痟痩
(
せうしゆ
)
にして、
566
依古
(
えこ
)
する
所
(
ところ
)
無
(
な
)
く。
567
人
(
ひと
)
に
親
(
しん
)
附
(
ぷ
)
すと
雖
(
いへど
)
も、
568
人
(
ひと
)
意
(
こころ
)
に
在
(
お
)
かず。
569
若
(
も
)
し
所得
(
しよとく
)
有
(
あ
)
れば、
570
尋
(
つ
)
いで
復
(
また
)
忘失
(
もうしつ
)
せむ。
571
若
(
も
)
し
医道
(
いだう
)
を
修
(
しう
)
して、
572
方
(
はう
)
に
順
(
じゆん
)
じて
病
(
やまひ
)
を
治
(
ぢ
)
せば、
573
更
(
さら
)
に
他
(
た
)
の
疾
(
やまひ
)
を
増
(
ま
)
し、
574
或
(
あるひ
)
は
復
(
また
)
死
(
し
)
を
致
(
いた
)
さむ。
575
若
(
も
)
し
自
(
みづか
)
ら
病
(
やまひ
)
有
(
あ
)
らば、
576
人
(
ひと
)
の
救療
(
くれう
)
するもの
無
(
な
)
く、
577
設
(
たと
)
ひ
良薬
(
らうやく
)
を
服
(
ふく
)
すとも、
578
而
(
しか
)
も
復
(
また
)
増劇
(
ぞうぎやく
)
せむ。
579
若
(
も
)
しは
他
(
た
)
の
反逆
(
はんぎやく
)
し、
580
抄劫
(
せうこふ
)
し
竊盗
(
せつたう
)
せむ。
581
是
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
等
(
ら
)
の
罪
(
つみ
)
、
582
横
(
よこ
)
さまに
其
(
そ
)
の
殃
(
わざはひ
)
に
罹
(
かか
)
らむ。
583
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
罪人
(
ざいにん
)
、
584
永
(
なが
)
く
仏
(
ほとけ
)
、
585
衆聖
(
しうしやう
)
の
王
(
わう
)
の、
586
説法
(
せつぽふ
)
教化
(
けうけ
)
したまふを
見
(
み
)
たてまつらず。
587
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
罪人
(
ざいにん
)
は、
588
常
(
つね
)
に
難処
(
なんしよ
)
に
生
(
う
)
まれ。
589
狂聾
(
がうる
)
心乱
(
しんらん
)
にして、
590
永
(
なが
)
く
法
(
ほふ
)
を
聞
(
き
)
かず。
591
無数劫
(
むしゆこう
)
の、
592
恒河沙
(
ごうがしや
)
の
如
(
ごと
)
きに
於
(
おい
)
て、
593
生
(
う
)
まれては
輙
(
すなは
)
ち
聾唖
(
るあ
)
にして、
594
諸根
(
しよこん
)
不具
(
ふぐ
)
ならむ。
595
常
(
つね
)
に
地獄
(
ぢごく
)
に
処
(
を
)
ること、
596
園観
(
をんくわん
)
に
遊
(
あそ
)
ぶが
如
(
ごと
)
く。
597
余
(
よ
)
の
悪道
(
あくだう
)
に
在
(
あ
)
ること、
598
己
(
おの
)
が
舎宅
(
しやたく
)
の
如
(
ごと
)
く。
599
駞驢
(
だろ
)
猪狗
(
ちよく
)
、
600
是
(
こ
)
れ
其
(
そ
)
の
行処
(
ぎやうしよ
)
ならむ。
601
斯
(
こ
)
の
経
(
きやう
)
を
謗
(
ばう
)
するが
故
(
ゆゑ
)
に、
602
罪
(
つみ
)
を
獲
(
う
)
ること
是
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
し。
603
若
(
も
)
し
人
(
ひと
)
と
為
(
な
)
ることを
得
(
え
)
ては、
604
聾盲
(
ろふまう
)
音唖
(
おんあ
)
にして、
605
貧窮
(
びんぐう
)
諸衰
(
しよすゐ
)
、
606
これを
以
(
もつ
)
て
自
(
みづか
)
ら
荘厳
(
しやうごん
)
し
607
水腫
(
すいしゆ
)
乾痟
(
かんせう
)
、
608
疥癩
(
けらい
)
癰疽
(
おうそ
)
、
609
是
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
等
(
ら
)
の
病
(
やまひ
)
、
610
これを
以
(
もつ
)
て
衣服
(
えぷく
)
となさむ。
611
身
(
み
)
常
(
つね
)
に
臭
(
くさ
)
き
処
(
ところ
)
にして、
612
垢穢
(
くゑ
)
不浄
(
ふじやう
)
に。
613
深
(
ふか
)
き
我見
(
がけん
)
に
著
(
ぢやく
)
して、
614
瞋恙
(
しんに
)
を
増益
(
ぞうやく
)
し。
615
淫欲
(
いんよく
)
熾盛
(
しじやう
)
にして、
616
禽獣
(
きんじう
)
を
択
(
えら
)
ばず。
617
斯
(
こ
)
の
経
(
きやう
)
を
謗
(
ばう
)
ずるが
故
(
ゆゑ
)
に、
618
罪
(
つみ
)
を
獲
(
う
)
ること
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
し。
619
」
620
舎利弗
(
しやりほつ
)
に
告
(
つ
)
ぐ、
621
斯
(
こ
)
の
経
(
きやう
)
を
謗
(
ばう
)
ぜむ
者
(
もの
)
、
622
若
(
も
)
し
其
(
そ
)
の
罪
(
つみ
)
を
説
(
と
)
かむに、
623
劫
(
こふ
)
を
窮
(
きは
)
むとも
尽
(
つ
)
きじ。
624
是
(
こ
)
の
因縁
(
いんねん
)
を
以
(
もつ
)
て、
625
我
(
われ
)
故
(
ことさら
)
に
汝
(
なんぢ
)
に
語
(
かた
)
る、
626
「
無智
(
むち
)
の
人
(
ひと
)
の
中
(
なか
)
に、
627
此
(
こ
)
の
経
(
きやう
)
を
説
(
と
)
くこと
莫
(
な
)
かれ。
628
若
(
も
)
し
利根
(
りこん
)
にして、
629
智慧
(
ちゑ
)
明了
(
みやうれう
)
に、
630
多聞
(
たもん
)
強識
(
がうしき
)
にして、
631
聖道
(
しやうだう
)
を
求
(
もと
)
むる
者
(
もの
)
有
(
あ
)
らむ。
632
是
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
きの
人
(
ひと
)
に、
633
乃
(
すなは
)
ち
為
(
ため
)
に
説
(
と
)
く
可
(
べ
)
し。
634
若
(
も
)
し
人
(
ひと
)
曾
(
かつ
)
て、
635
億百千
(
おくひやくせん
)
の
覚者
(
かくしや
)
を
見
(
み
)
たてまつりて、
636
諸
(
もろもろ
)
の
善本
(
ぜんぽん
)
を
植
(
う
)
ゑ、
637
深心
(
じんしん
)
堅固
(
けんご
)
ならむ。
638
是
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
きの
人
(
ひと
)
に、
639
乃
(
すなは
)
ち
為
(
ため
)
に
説
(
と
)
く
可
(
べ
)
し。
640
若
(
も
)
し
人
(
ひと
)
精進
(
しやうじん
)
して、
641
常
(
つね
)
に
慈心
(
じしん
)
を
修
(
しう
)
し、
642
身命
(
しんみやう
)
を
惜
(
をし
)
まざらむに、
643
乃
(
すなは
)
ち
為
(
ため
)
に
説
(
と
)
くべし。
644
若
(
も
)
し
人
(
ひと
)
恭敬
(
くぎよう
)
して、
645
異心
(
いしん
)
有
(
あ
)
ること
無
(
な
)
く、
646
諸
(
もろもろ
)
の
凡愚
(
ぼんぐ
)
を
離
(
はな
)
れて、
647
独
(
ひと
)
り
山沢
(
せんたく
)
に
処
(
しよ
)
せむ。
648
是
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
きの
人
(
ひと
)
に、
649
乃
(
すなは
)
ち
為
(
ため
)
に
説
(
と
)
く
可
(
べ
)
し。
650
又
(
また
)
舎利弗
(
しやりほつ
)
、
651
若
(
も
)
し
人
(
ひと
)
有
(
あ
)
つて、
652
悪智識
(
あくちしき
)
を
捨
(
す
)
てて、
653
善友
(
ぜんう
)
に
親近
(
しんごん
)
するを
見
(
み
)
む。
654
是
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
きの
人
(
ひと
)
に、
655
乃
(
すなは
)
ち
為
(
ため
)
に
説
(
と
)
く
可
(
べ
)
し。
656
若
(
も
)
し
聖子
(
しやうし
)
の、
657
持戒
(
ぢかい
)
清潔
(
しやうけつ
)
にして、
658
浄明珠
(
じやうみやうじゆ
)
の
如
(
ごと
)
くにして、
659
大乗経
(
だいじようきやう
)
を
求
(
もと
)
むるを
見
(
み
)
む。
660
是
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
きの
人
(
ひと
)
に、
661
乃
(
すなは
)
ち
為
(
ため
)
に
説
(
と
)
く
可
(
べ
)
し。
662
若
(
も
)
し
人
(
ひと
)
瞋
(
いか
)
り
無
(
な
)
く、
663
質直
(
しちぢき
)
柔軟
(
じうなん
)
にして、
664
常
(
つね
)
に
一切
(
いつさい
)
を
愍
(
あは
)
れみ、
665
諸聖
(
しよしやう
)
を
恭敬
(
くぎよう
)
せむ、
666
是
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
きの
人
(
ひと
)
に、
667
乃
(
すなは
)
ち
為
(
ため
)
に
説
(
と
)
く
可
(
べ
)
し。
668
復
(
また
)
聖子
(
しやうし
)
の、
669
大衆
(
だいしう
)
の
中
(
なか
)
に
於
(
おい
)
て、
670
清浄
(
しやうじやう
)
の
心
(
こころ
)
を
以
(
もつ
)
て、
671
種々
(
しゆじゆ
)
の
因縁
(
いんねん
)
、
672
譬喩
(
ひゆ
)
言辞
(
ごんじ
)
をもつて、
673
説法
(
せつぽふ
)
すること
無礙
(
むげ
)
なる
有
(
あ
)
らむ。
674
是
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
きの
人
(
ひと
)
に、
675
乃
(
すなは
)
ち
為
(
ため
)
に
説
(
と
)
く
可
(
べ
)
し。
676
若
(
も
)
し
比丘
(
びく
)
の、
677
一切智
(
いつさいち
)
の
為
(
ため
)
に、
678
四方
(
しはう
)
に
法
(
はふ
)
を
求
(
もと
)
めて、
679
合掌
(
がつしやう
)
し
頂受
(
ちやうじゆ
)
し、
680
但
(
ただ
)
楽
(
ねが
)
つて、
681
大乗
(
だんじよう
)
経典
(
きやうてん
)
を
受持
(
じゆぢ
)
して、
682
乃至
(
ないし
)
、
683
余経
(
よきやう
)
の
一偈
(
いちげ
)
をも
受
(
う
)
けざる
有
(
あ
)
らむ。
684
是
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
きの
人
(
ひと
)
に、
685
乃
(
すなは
)
ち
為
(
ため
)
に
説
(
と
)
く
可
(
べ
)
し。
686
人
(
ひと
)
の
至心
(
ししん
)
に、
687
聖舎利
(
しやうしやり
)
を
求
(
もと
)
むるが
如
(
ごと
)
く、
688
是
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
く
経
(
きやう
)
を
求
(
もと
)
め、
689
得
(
え
)
已
(
をは
)
つて
頂受
(
ちやうじゆ
)
せむ、
690
其
(
そ
)
の
人
(
ひと
)
復
(
また
)
、
691
余経
(
よきやう
)
を
志求
(
しぐ
)
せず、
692
亦
(
また
)
未
(
いま
)
だ
曾
(
かつ
)
て、
693
外道
(
げだう
)
の
典籍
(
てんじやく
)
を
念
(
ねん
)
ぜず。
694
是
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
きの
人
(
ひと
)
に、
695
乃
(
すなは
)
ち
為
(
ため
)
に
説
(
と
)
くべし」
696
舎利弗
(
しやりほつ
)
に
告
(
つ
)
ぐ、
697
我
(
われ
)
是
(
こ
)
の
相
(
さう
)
にして、
698
聖道
(
しやうだう
)
を
求
(
もと
)
むる
者
(
もの
)
を
説
(
と
)
かむに、
699
劫
(
こふ
)
を
窮
(
きは
)
むとも
尽
(
つ
)
くさじ。
700
是
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
等
(
ら
)
の
人
(
ひと
)
は、
701
則
(
すなは
)
ち
能
(
よ
)
く
信解
(
しんげ
)
せむ。
702
帰命
(
きみやう
)
頂礼
(
ちやうらい
)
霊法
(
れいはふ
)
加持
(
かぢ
)
一切
(
いちさい
)
苦厄
(
くやく
)
解除
(
げぢよ
)
退散
(
たいさん
)
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
』
703
と
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
念
(
ねん
)
じてゐる。
704
テームスはこの
聖経
(
しようぎやう
)
の
始終
(
しじう
)
を
聞
(
き
)
いてハツと
自
(
みづか
)
ら
胸
(
むね
)
を
抱
(
いだ
)
き
其
(
そ
)
の
場
(
ば
)
にガタリと
打
(
う
)
ち
倒
(
たふ
)
れ
人事
(
じんじ
)
不省
(
ふせい
)
に
陥
(
おちい
)
つて
了
(
しま
)
つた。
705
治国別
(
はるくにわけ
)
を
始
(
はじ
)
め
一同
(
いちどう
)
は
直
(
ただ
)
ちに
神
(
かみ
)
の
大前
(
おほまへ
)
に
祈願
(
きぐわん
)
を
凝
(
こ
)
らした。
706
(
大正一二・三・三
旧一・一六
於竜宮館
出口伊佐男
録)
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