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霊界物語
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第11巻(戌の巻)
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如意宝珠
第13巻(子の巻)
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第25巻(子の巻)
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第44巻(未の巻)
第45巻(申の巻)
第46巻(酉の巻)
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第48巻(亥の巻)
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第49巻(子の巻)
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第61巻(子の巻)
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第63巻(寅の巻)
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第65巻(辰の巻)
第66巻(巳の巻)
第67巻(午の巻)
第68巻(未の巻)
第69巻(申の巻)
第70巻(酉の巻)
第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
特別編 入蒙記
天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
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第80巻(未の巻)
第81巻(申の巻)
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第69巻(申の巻)
巻頭言
第1篇 清風涼雨
01 大評定
〔1746〕
02 老断
〔1747〕
03 喬育
〔1748〕
04 国の光
〔1749〕
05 性明
〔1750〕
06 背水会
〔1751〕
第2篇 愛国の至情
07 聖子
〔1752〕
08 春乃愛
〔1753〕
09 迎酒
〔1754〕
10 宣両
〔1755〕
11 気転使
〔1756〕
12 悪原眠衆
〔1757〕
第3篇 神柱国礎
13 国別
〔1758〕
14 暗枕
〔1759〕
15 四天王
〔1760〕
16 波動
〔1761〕
第4篇 新政復興
17 琴玉
〔1762〕
18 老狽
〔1763〕
19 老水
〔1764〕
20 声援
〔1765〕
21 貴遇
〔1766〕
22 有終
〔1767〕
余白歌
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巻頭言
(
くわんとうげん
)
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第69巻 山河草木 申の巻
篇:
前付
よみ(新仮名遣い):
章:
巻頭言
よみ(新仮名遣い):
かんとうげん
通し章番号:
口述日:
1924(大正13)年01月22日(旧12月17日)
口述場所:
伊予 山口氏邸
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1927(昭和2)年10月26日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
曰く、天運循環した甲子の年に、葦原の瑞穂国(全地球)のどこかに、一大聖人が現れてもおかしくはない。
そのような聖人でなければ無明暗黒の今日の世界を救うことは到底できないであろう。
そこで、自分は排他主義を廃し、米国バハイ教、支那朝鮮の宗教と提携し、現代世界を救うべき宗教家を探しつつあるのが、今日の活動である(大正十三年一月十五日)。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm690001
愛善世界社版:
3頁
八幡書店版:
第12輯 263頁
修補版:
校定版:
3頁
普及版:
初版:
ページ備考:
派生
[?]
この文献を底本として書かれたと思われる文献です。
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:
出口王仁三郎全集 > 第二巻 宗教・教育編 > 【宗教編】第一篇 既成宗教 > 第十章 吾人の現代観
001
吾々
(
われわれ
)
が
現代
(
げんだい
)
に
於
(
おい
)
て
最
(
もつと
)
も
虫
(
むし
)
の
好
(
す
)
かない
嫌
(
きら
)
ひな
者
(
もの
)
は
沢山
(
たくさん
)
にある。
002
先
(
ま
)
づ
第一
(
だいいち
)
に
借金取
(
しやくきんとり
)
の
矢
(
や
)
の
催促
(
さいそく
)
、
003
次
(
つぎ
)
に
絹足袋
(
きぬたび
)
をはいて
歩
(
ある
)
きまはる
商店
(
しやうてん
)
の
丁稚
(
でつち
)
、
004
知
(
し
)
つたか
振
(
ぶり
)
をして
英語
(
えいご
)
交
(
まじ
)
りの
会話
(
くわいわ
)
をやる
奴
(
やつ
)
、
005
婆
(
ばば
)
アの
眉毛
(
まゆげ
)
造
(
つく
)
りに、
006
ハイカラ
青年
(
せいねん
)
の
赤
(
あか
)
いネクタイ、
007
白頭爺
(
はくとうぢい
)
の
鍋墨顔
(
なべずみがほ
)
、
008
女学生
(
ぢよがくせい
)
の
巻煙草
(
まきたばこ
)
、
009
風呂
(
ふろ
)
の
中
(
なか
)
の
葱節
(
ねぶかぶし
)
、
010
眼鏡
(
めがね
)
越
(
ご
)
しに
光
(
ひか
)
つた
眼
(
め
)
をして
人
(
ひと
)
の
面
(
つら
)
を
下
(
した
)
から
上
(
うへ
)
に
覗
(
のぞ
)
くやうに
見上
(
みあ
)
げる
奴
(
やつ
)
、
011
可笑
(
をか
)
しくもないのに、
012
幇間
(
ほうかん
)
的
(
てき
)
追従
(
つゐしよう
)
笑
(
わらひ
)
をする
奴
(
やつ
)
、
013
箱根
(
はこね
)
越
(
こ
)
えずの
江戸
(
えど
)
つ
児
(
こ
)
を
用
(
もち
)
ゐる
奴
(
やつ
)
、
014
豹
(
へう
)
や
狐
(
きつね
)
の
皮
(
かは
)
の
首巻
(
くびまき
)
をする
女
(
をんな
)
等
(
とう
)
、
015
数
(
かず
)
限
(
かぎ
)
りもなく
嫌
(
きら
)
ひな
者
(
もの
)
がある
中
(
なか
)
に、
016
最
(
もつと
)
も
虫
(
むし
)
の
好
(
す
)
かぬのは、
017
現代
(
げんだい
)
の
政治家
(
せいぢか
)
、
018
宗教家
(
しうけうか
)
の
唱
(
とな
)
ふる
所
(
ところ
)
の
信教
(
しんけう
)
の
自由
(
じいう
)
を
壅塞
(
ようそく
)
する
時代
(
じだい
)
遅
(
おく
)
れの
宗教
(
しうけう
)
法案
(
はふあん
)
等
(
とう
)
である。
019
因循
(
いんじゆん
)
姑息
(
こそく
)
と
時代
(
じだい
)
錯誤
(
さくご
)
と、
020
頑迷
(
ぐわんめい
)
無智
(
むち
)
と
不親切
(
ふしんせつ
)
と、
021
偽善
(
ぎぜん
)
生活
(
せいくわつ
)
、
022
厚顔
(
こうがん
)
無恥
(
むち
)
、
023
没常識
(
ぼつじやうしき
)
等
(
とう
)
を
以
(
もつ
)
て
充
(
み
)
たされた
連中
(
れんちう
)
が、
024
万世
(
ばんせい
)
一系
(
いつけい
)
天壤
(
てんじやう
)
無窮
(
むきう
)
の
神国
(
しんこく
)
の
国政
(
こくせい
)
を
料理
(
れうり
)
しようとするのだからたまらない。
025
憲政
(
けんせい
)
の
逆転
(
ぎやくてん
)
か
時代
(
じだい
)
の
錯誤
(
さくご
)
か、
026
時勢
(
じせい
)
の
要求
(
えうきう
)
か
知
(
し
)
らないが、
027
今日
(
こんにち
)
の
清浦
(
きようら
)
内閣
(
ないかく
)
の
顔触
(
かほぶれ
)
を
見
(
み
)
ると、
028
田舎
(
いなか
)
の
町
(
まち
)
はづれの
方
(
はう
)
にありさうな
八百屋
(
やほや
)
店
(
みせ
)
の、
029
干
(
ひ
)
からびた
南瓜
(
かぼちや
)
胡瓜
(
きうり
)
大根
(
だいこん
)
蕪
(
かぶら
)
の
様
(
やう
)
な、
030
到底
(
たうてい
)
中流
(
ちうりう
)
の
家庭
(
かてい
)
の
料理
(
れうり
)
にも
適
(
てき
)
せない、
031
味
(
あぢ
)
の
悪
(
わる
)
い
歯切
(
はぎ
)
れのしない
難物
(
なんぶつ
)
許
(
ばかり
)
である。
032
乍併
(
しかしながら
)
吾々
(
われわれ
)
は
政治家
(
せいぢか
)
でないから、
033
却
(
かへつ
)
てかう
云
(
い
)
ふ
内閣
(
ないかく
)
が
出来
(
でき
)
たのが
時代
(
じだい
)
に
相応
(
さうおう
)
してゐるのかも
知
(
し
)
れない。
034
或
(
あるひ
)
は
天意
(
てんい
)
であるかも
分
(
わか
)
らない。
035
政治
(
せいぢ
)
圏外
(
けんぐわい
)
に
在
(
あ
)
る
吾
(
われ
)
は
只
(
ただ
)
表面
(
へうめん
)
から
見
(
み
)
た
丈
(
だけ
)
の
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
ふ
迄
(
まで
)
だ。
036
それよりも
此
(
この
)
時代
(
じだい
)
に
当
(
あた
)
つて
精神
(
せいしん
)
的
(
てき
)
文明
(
ぶんめい
)
を
皷吹
(
こすゐ
)
し、
037
国民
(
こくみん
)
信仰
(
しんかう
)
の
中心
(
ちうしん
)
とならねばならぬ
宗教家
(
しうけうか
)
の
現状
(
げんじやう
)
を
見
(
み
)
ると、
038
これ
亦
(
また
)
日
(
ひ
)
暮
(
く
)
れて
道
(
みち
)
愈
(
いよいよ
)
遠
(
とほ
)
しの
感
(
かん
)
に
打
(
う
)
たれざるを
得
(
え
)
ないのである。
039
排他
(
はいた
)
と
猜疑
(
さいぎ
)
と
身勝手
(
みがつて
)
、
040
自己愛
(
じこあい
)
と
嫉妬
(
しつと
)
より
外
(
ほか
)
に
知
(
し
)
らない
円頂
(
ゑんちやう
)
緇衣
(
しえ
)
の
徒
(
と
)
や
041
アーメンの
先生
(
せんせい
)
達
(
たち
)
は
何
(
なに
)
をしてゐるのであらうか。
042
普選案
(
ふせんあん
)
が
通過
(
つうくわ
)
するとか、
043
即行
(
そくかう
)
されるとかいふ
噂
(
うはさ
)
を
聞
(
き
)
きかじつて、
044
仏教家
(
ぶつけうか
)
も
牧師
(
ぼくし
)
連
(
れん
)
も
神職
(
しんしよく
)
も
教育家
(
けういくか
)
も、
045
全部
(
ぜんぶ
)
手
(
て
)
に
唾
(
つばき
)
して、
046
逐鹿
(
ちくろく
)
場裡
(
ぢやうり
)
に
立
(
た
)
つて
出
(
で
)
ようとする
形勢
(
けいせい
)
が
仄見
(
ほのみ
)
えてゐるやうだ。
047
僧侶
(
そうりよ
)
や
牧師
(
ぼくし
)
などは
特
(
とく
)
に
政治
(
せいぢ
)
以外
(
いぐわい
)
に
超然
(
てうぜん
)
として
神仏
(
しんぶつ
)
の
教
(
をしへ
)
を
説
(
と
)
き、
048
国民
(
こくみん
)
を
教化
(
けうくわ
)
してこそ
宗教家
(
しうけうか
)
の
権威
(
けんゐ
)
が
保
(
たも
)
たれるのでないか。
049
若
(
も
)
し
過
(
あやま
)
つて
宗教家
(
しうけうか
)
が
薬鑵頭
(
やくわんあたま
)
に
湯気
(
ゆげ
)
を
立
(
た
)
て、
050
捩鉢巻
(
ねぢはちまき
)
で
選挙
(
せんきよ
)
場裡
(
ぢやうり
)
に
立
(
た
)
つやうなことがありとすれば、
051
それこそ
信仰
(
しんかう
)
上
(
じやう
)
の
大問題
(
だいもんだい
)
である。
052
壇家
(
だんか
)
は
嫉視
(
しつし
)
反目
(
はんもく
)
し、
053
信者
(
しんじや
)
は
党
(
たう
)
を
作
(
つく
)
り、
054
宗教家
(
しうけうか
)
を
敵視
(
てきし
)
する
様
(
やう
)
になり、
055
信仰
(
しんかう
)
の
中心
(
ちうしん
)
人物
(
じんぶつ
)
を
失
(
うしな
)
つて
了
(
しま
)
ふ。
056
さうすれば
従
(
したが
)
つて
神仏
(
しんぶつ
)
の
権威
(
けんゐ
)
も
失墜
(
しつつゐ
)
し、
057
信仰
(
しんかう
)
の
中心
(
ちうしん
)
、
058
思想
(
しさう
)
の
真柱
(
まばしら
)
を
失
(
うしな
)
ふ
道理
(
だうり
)
だ。
059
吾人
(
ごじん
)
は
思
(
おも
)
ふ、
060
仮令
(
たとへ
)
普選案
(
ふせんあん
)
が
通過
(
つうくわ
)
し、
061
宗教家
(
しうけうか
)
や
教育家
(
けういくか
)
に
被
(
ひ
)
選挙権
(
せんきよけん
)
が
与
(
あた
)
へられたにしても、
062
かかる
俗界
(
ぞくかい
)
の
仕事
(
しごと
)
は
俗人輩
(
ぞくじんばら
)
に
任
(
まか
)
して、
063
超然
(
てうぜん
)
的
(
てき
)
態度
(
たいど
)
を
執
(
と
)
つて
欲
(
ほ
)
しいものだ。
064
乍併
(
しかしながら
)
翻
(
ひるがへ
)
つて
宗教界
(
しうけうかい
)
の
裏面
(
りめん
)
を
考
(
かんが
)
へて
見
(
み
)
れば、
065
超人間
(
てうにんげん
)
的
(
てき
)
宗教家
(
しうけうか
)
は
金
(
かね
)
の
草鞋
(
わらぢ
)
で
日本
(
にほん
)
全国
(
ぜんこく
)
を
探
(
さが
)
しても、
066
滅多
(
めつた
)
に
有
(
あり
)
相
(
さう
)
にもない。
067
種々
(
しゆじゆ
)
の
悪思想
(
あくしさう
)
の
洪水
(
こうずい
)
が
氾濫
(
はんらん
)
して、
068
ヒマラヤ
山上
(
さんじやう
)
を
浸
(
ひた
)
さむとする
今日
(
こんにち
)
の
場合
(
ばあひ
)
、
069
釈迦
(
しやか
)
、
070
キリスト、
071
マホメット、
072
孔子
(
こうし
)
に
老子
(
らうし
)
、
073
小
(
せう
)
にしては
空海
(
くうかい
)
、
074
日蓮
(
にちれん
)
、
075
親鸞
(
しんらん
)
、
076
法然
(
ほふねん
)
其
(
その
)
他
(
た
)
高僧
(
かうそう
)
知識
(
ちしき
)
と
呼
(
よ
)
ばれる
連中
(
れんちう
)
を
一
(
ひと
)
つに
円
(
まる
)
め、
077
団子
(
だんご
)
にして
喰
(
く
)
ふ
様
(
やう
)
な
宗教界
(
しうけうかい
)
の
偉人
(
ゐじん
)
が
現
(
あら
)
はれて
来
(
こ
)
なくては、
078
到底
(
たうてい
)
此
(
この
)
人心
(
じんしん
)
の
悪化
(
あくくわ
)
を
救
(
すく
)
ふ
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ぬであらう。
079
吾人
(
ごじん
)
は
数十
(
すうじふ
)
年間
(
ねんかん
)
各
(
かく
)
宗教家
(
しうけうか
)
を
漁
(
あさ
)
つて、
080
超人間
(
てうにんげん
)
的
(
てき
)
人物
(
じんぶつ
)
を
捜
(
さが
)
して
見
(
み
)
たが、
081
寡聞
(
くわぶん
)
寡見
(
くわけん
)
の
吾々
(
われわれ
)
には
到底
(
たうてい
)
求
(
もと
)
むる
事
(
こと
)
を
得
(
え
)
なかつた。
082
そこで、
083
信仰
(
しんかう
)
に
国境
(
こくきやう
)
はないといふ
点
(
てん
)
から
084
米国
(
べいこく
)
のバハイ
教
(
けう
)
を
研究
(
けんきう
)
し、
085
朝鮮
(
てうせん
)
支那
(
しな
)
の
新宗教
(
しんしうけう
)
を
研究
(
けんきう
)
して、
086
此
(
この
)
現代
(
げんだい
)
の
世界
(
せかい
)
を
救
(
すく
)
ふべき
真
(
しん
)
の
宗教家
(
しうけうか
)
はないかと
探
(
さが
)
しつつあるのだ。
087
腐敗
(
ふはい
)
堕落
(
だらく
)
と
矛盾
(
むじゆん
)
とに
充
(
み
)
たされた
現代
(
げんだい
)
の
暗黒
(
あんこく
)
社会
(
しやくわい
)
には、
088
到底
(
たうてい
)
大
(
だい
)
宗教家
(
しうけうか
)
、
089
大
(
だい
)
理想家
(
りさうか
)
は
現
(
あら
)
はれ
相
(
さう
)
にもない。
090
乍併
(
しかしながら
)
どつかの
山奥
(
やまおく
)
には、
091
天運
(
てんうん
)
循環
(
じゆんくわん
)
の
神律
(
しんりつ
)
によつて
一
(
いち
)
人
(
にん
)
や
半人
(
はんにん
)
位
(
ぐらゐ
)
は
現
(
あら
)
はれて
居
(
を
)
りさうなものだ。
092
今年
(
ことし
)
は
甲子
(
きのえね
)
更始
(
かうし
)
の
年
(
とし
)
である。
093
此
(
この
)
葦原
(
あしはら
)
の
瑞穂国
(
みづほのくに
)
(
全地球
(
ぜんちきう
)
)のどつかには、
094
一大
(
いちだい
)
聖人
(
せいじん
)
が
現
(
あら
)
はれるか、
095
又
(
また
)
は
太陽
(
たいやう
)
、
096
大地
(
たいち
)
、
097
太陰
(
たいいん
)
を
串団子
(
くしだんご
)
となし、
098
星
(
ほし
)
の
胡麻
(
ごま
)
をかけて
喰
(
く
)
ふやうな
大豪傑
(
だいがうけつ
)
が
現
(
あら
)
はれて
来
(
き
)
さうなものだと
思
(
おも
)
ふ。
099
さうでなくては
到底
(
たうてい
)
此
(
この
)
無明
(
むみやう
)
暗黒
(
あんこく
)
な
世界
(
せかい
)
を
救
(
すく
)
ふ
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ないと
思
(
おも
)
ふ。
100
吾人
(
ごじん
)
は
本年
(
ほんねん
)
甲子
(
きのえね
)
よりここ
数年
(
すうねん
)
の
間
(
あひだ
)
に
於
(
おい
)
て、
101
確
(
たしか
)
に
斯世
(
このよ
)
を
天国
(
てんごく
)
浄土
(
じやうど
)
に
進展
(
しんてん
)
せしむべき
一大
(
いちだい
)
偉人
(
ゐじん
)
の
出現
(
しゆつげん
)
することを
固
(
かた
)
く
信
(
しん
)
じ、
102
神仏
(
しんぶつ
)
を
念
(
ねん
)
じて、
103
待
(
ま
)
つてゐるのである。
104
吾人
(
ごじん
)
が
前陳
(
ぜんちん
)
の
理由
(
りいう
)
に
依
(
よ
)
つて、
105
バハイ
教
(
けう
)
と
提携
(
ていけい
)
し、
106
或
(
あるひ
)
は
支那
(
しな
)
朝鮮
(
てうせん
)
の
新進
(
しんしん
)
宗教
(
しうけう
)
と
握手
(
あくしゆ
)
したのも、
107
決
(
けつ
)
して
現代
(
げんだい
)
の
宗教家
(
しうけうか
)
の
如
(
ごと
)
く
自教
(
じけう
)
を
拡張
(
くわくちやう
)
せむ
為
(
ため
)
でもなく、
108
只
(
ただ
)
単
(
たん
)
に
我
(
わが
)
国家
(
こくか
)
の
前途
(
ぜんと
)
を
憂
(
うれ
)
へ、
109
世界
(
せかい
)
平和
(
へいわ
)
と
人類愛
(
じんるゐあい
)
の
為
(
ため
)
に
尽
(
つく
)
さむとする
真心
(
まごころ
)
に
外
(
ほか
)
ならぬのである。
110
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
。
111
大正十三年一月十五日(旧十二年十二月十日)
112
○
月
(
つき
)
の
歎
(
なげ
)
かひ
113
吾
(
われ
)
は
淋
(
さび
)
しき
冬
(
ふゆ
)
の
月
(
つき
)
114
下界
(
げかい
)
を
眺
(
なが
)
め
大空
(
おほぞら
)
に
115
涙
(
なみだ
)
の
顔
(
かほ
)
を
曇
(
くも
)
らして
116
独
(
ひと
)
り
慄
(
ふる
)
へる
悲惨
(
ひさん
)
さよ
117
浜
(
はま
)
の
真砂
(
まさご
)
の
星
(
ほし
)
の
数
(
かず
)
118
銀河
(
ぎんが
)
の
岸
(
きし
)
につどへども
119
吾
(
われ
)
まつ
星
(
ほし
)
は
一
(
ひと
)
つだになし
120
いづれの
星
(
ほし
)
もことごとく
121
月
(
つき
)
の
出
(
で
)
ぬ
夜
(
よ
)
を
楽
(
たの
)
しむか
122
○
123
吾
(
われ
)
は
淋
(
さび
)
しき
冬
(
ふゆ
)
の
月
(
つき
)
124
涙
(
なみだ
)
かくして
大空
(
おほぞら
)
に
125
独
(
ひと
)
り
慄
(
ふる
)
へる
悲惨
(
ひさん
)
さよ
126
大地
(
たいち
)
一面
(
いちめん
)
草
(
くさ
)
や
木
(
き
)
の
127
梢
(
こずゑ
)
に
遍
(
あまね
)
くおく
霜
(
しも
)
に
128
冷
(
つめた
)
き
宿
(
やど
)
を
求
(
もと
)
めつつ
129
千々
(
ちぢ
)
に
心
(
こころ
)
を
砕
(
くだ
)
くかな
130
○
131
吾
(
われ
)
は
淋
(
さび
)
しき
冬
(
ふゆ
)
の
月
(
つき
)
132
御空
(
みそら
)
に
高
(
たか
)
く
打
(
う
)
ち
慄
(
ふる
)
ひ
133
下界
(
げかい
)
遥
(
はるか
)
に
見渡
(
みわた
)
せば
134
吾
(
わが
)
宿
(
やど
)
るべき
池水
(
いけみづ
)
は
135
雪
(
ゆき
)
や
氷
(
こほり
)
に
鎖
(
とざ
)
されて
136
映
(
うつ
)
る
術
(
すべ
)
なき
悲惨
(
ひさん
)
さよ
137
○
杜鵑
(
ほととぎす
)
138
吾
(
われ
)
は
深山
(
みやま
)
の
杜鵑
(
ほととぎす
)
139
降
(
ふ
)
りみ
降
(
ふ
)
らずみ
五月
(
さつき
)
の
空
(
そら
)
を
140
さまよひながら
声
(
こゑ
)
嗄
(
か
)
らし
141
友
(
とも
)
を
求
(
もと
)
めて
泣
(
な
)
き
叫
(
さけ
)
ぶ
142
あゝうらめしや
照
(
て
)
る
月
(
つき
)
を
143
深
(
ふか
)
く
包
(
つつ
)
みし
天津空
(
あまつそら
)
144
○
145
吾
(
われ
)
は
深山
(
みやま
)
の
杜鵑
(
ほととぎす
)
146
八千八
(
はつせんや
)
声
(
こゑ
)
鳴
(
な
)
き
暮
(
くら
)
し
147
血
(
ち
)
を
吐
(
は
)
く
思
(
おも
)
ひの
最後
(
さいご
)
の
声
(
こゑ
)
も
148
月
(
つき
)
がないたと
云
(
い
)
はれてる
149
ほんに
切
(
せつ
)
ない
吾
(
わが
)
思
(
おも
)
ひ
150
○
第十八
(
だいじふはち
)
宇和島
(
うわじま
)
丸
(
まる
)
151
船
(
ふね
)
の
今
(
いま
)
神港
(
しんかう
)
波止場
(
はとば
)
を
出
(
い
)
でむとし
152
惜
(
をし
)
み
見送
(
みおく
)
る
八人
(
やたり
)
乙女
(
をとめ
)
等
(
ら
)
。
153
艶人
(
あでびと
)
の
波止場
(
はとば
)
に
立
(
た
)
ちて
振
(
ふ
)
る
比礼
(
ひれ
)
に
154
涙
(
なみだ
)
にしめる
風
(
かぜ
)
のさやれる。
155
甲板
(
かんばん
)
に
立
(
た
)
ちて
波止場
(
はとば
)
の
見
(
み
)
えぬまで
156
首巻
(
くびまき
)
振
(
ふ
)
りて
別
(
わか
)
れを
惜
(
をし
)
む。
157
波
(
なみ
)
の
音
(
おと
)
船
(
ふね
)
の
響
(
ひび
)
きもおだやかに
158
辷
(
すべ
)
り
行
(
ゆ
)
くなり
瀬戸
(
せと
)
の
内海
(
うちうみ
)
。
159
キラキラと
夕日
(
ゆふひ
)
に
映
(
は
)
ゆる
波
(
なみ
)
の
上
(
へ
)
を
160
心
(
こころ
)
静
(
しづ
)
かに
進
(
すす
)
む
楽
(
たの
)
しさ。
161
皇神
(
すめかみ
)
の
深
(
ふか
)
きめぐみは
瀬戸
(
せと
)
の
海
(
うみ
)
162
波
(
なみ
)
照
(
て
)
る
今日
(
けふ
)
の
麗
(
うる
)
はしきかな。
163
紫
(
むらさき
)
の
波
(
なみ
)
の
中
(
なか
)
より
抜
(
ぬ
)
き
出
(
い
)
でて
164
永久
(
とは
)
に
静
(
しづ
)
けき
淡路
(
あはぢ
)
島山
(
しまやま
)
。
165
夕日影
(
ゆふひかげ
)
波
(
なみ
)
を
照
(
て
)
らして
明石潟
(
あかしがた
)
166
馳
(
は
)
せ
行
(
ゆ
)
く
汽車
(
きしや
)
の
影
(
かげ
)
の
床
(
ゆか
)
しさ。
167
東路
(
あづまぢ
)
の
地
(
つち
)
のさわぎを
余所
(
よそ
)
にして
168
静
(
しづ
)
かに
浮
(
うか
)
ぶあはぢ
島山
(
しまやま
)
。
169
照
(
て
)
る
波
(
なみ
)
の
宇和島
(
うわじま
)
丸
(
まる
)
に
身
(
み
)
をあづけ
170
心
(
こころ
)
うきうき
進
(
すす
)
む
今日
(
けふ
)
かな。
171
窓
(
まど
)
開
(
あ
)
けて
船
(
ふね
)
の
外面
(
そとも
)
を
眺
(
なが
)
むれば
172
胡蝶
(
こてふ
)
の
如
(
ごと
)
き
白帆
(
しらほ
)
漂
(
ただ
)
よふ。
173
淡路島
(
あはぢしま
)
呼
(
よ
)
べば
答
(
こた
)
ふる
許
(
ばか
)
りなる
174
磯辺
(
いそべ
)
をかすりて
船
(
ふね
)
の
行
(
ゆ
)
くなり。
175
天地
(
あめつち
)
も
波
(
なみ
)
も
静
(
しづ
)
けき
船
(
ふね
)
の
上
(
へ
)
に
176
いとさわがしく
八重
(
やへ
)
の
子鳥
(
ことり
)
啼
(
な
)
く。
177
淑
(
よ
)
き
人
(
ひと
)
の
送
(
おく
)
り
来
(
き
)
たりし
神戸港
(
かうべかう
)
は
178
遠
(
とほ
)
くかすみぬ
心
(
こころ
)
淋
(
さび
)
しも。
179
照
(
て
)
り
渡
(
わた
)
る
波
(
なみ
)
のあなたに
淋
(
さび
)
しくも
180
ひとり
浮
(
うか
)
べる
一
(
ひと
)
つ
松島
(
まつしま
)
。
181
牛嶋
(
うしじま
)
の
影
(
かげ
)
目
(
め
)
に
入
(
い
)
りて
吾
(
わが
)
胸
(
むね
)
は
182
いとどかなしく
成
(
な
)
りまさり
行
(
ゆ
)
く。
183
ためしなき
静
(
しづ
)
けき
海
(
うみ
)
に
浮
(
うか
)
びつつ
184
過
(
す
)
ぎし
昔
(
むかし
)
を
思
(
おも
)
ひうかぶる。
185
九年
(
ここのとせ
)
前
(
まへ
)
に
開
(
ひら
)
きし
神島
(
かみじま
)
は
186
昔
(
むかし
)
ながらに
吾
(
わが
)
身
(
み
)
老
(
おい
)
ぬる。
187
瀬戸
(
せと
)
の
海
(
うみ
)
隈
(
くま
)
なく
晴
(
は
)
れて
鴎
(
かもめ
)
飛
(
と
)
ぶ
188
波
(
なみ
)
はてるてる
船
(
ふね
)
は
良
(
よ
)
く
行
(
ゆ
)
く。
189
甲板
(
かんばん
)
に
立
(
たち
)
出
(
で
)
て
海原
(
うなばら
)
見渡
(
みわた
)
せば
190
魚鱗
(
ぎよりん
)
の
波
(
なみ
)
に
夕日
(
ゆふひ
)
輝
(
かがや
)
く。
191
常
(
つね
)
になき
波路
(
なみぢ
)
と
聞
(
き
)
けど
甲板
(
かんばん
)
は
192
やはり
冷
(
つめ
)
たき
風
(
かぜ
)
の
吹
(
ふ
)
き
来
(
く
)
る。
193
八重
(
やへ
)
の
波
(
なみ
)
おしわけ
進
(
すす
)
むこの
船
(
ふね
)
は
194
如何
(
いか
)
なる
人
(
ひと
)
の
造
(
つく
)
りしなるらむ。
195
七
(
しち
)
人
(
にん
)
の
男子
(
をのこ
)
女子
(
をみな
)
の
一行
(
いつかう
)
が
196
倶
(
とも
)
にのり
行
(
ゆ
)
く
神
(
かみ
)
の
方舟
(
はこぶね
)
。
197
波
(
なみ
)
の
音
(
おと
)
船
(
ふね
)
のどよめき
余所
(
よそ
)
にして
198
鳴
(
な
)
り
渡
(
わた
)
るかな
蓄音器
(
ちくおんき
)
の
声
(
こゑ
)
。
199
十二夜
(
じふにや
)
の
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
を
浴
(
あ
)
びながら
200
浮世
(
うきよ
)
の
瀬戸
(
せと
)
の
海
(
うみ
)
渡
(
わた
)
るかな。
201
冬
(
ふゆ
)
の
日
(
ひ
)
の
寒
(
さむ
)
さも
知
(
し
)
らぬ
船室
(
せんしつ
)
に
202
一夜
(
いちや
)
を
送
(
おく
)
りぬ
瀬戸
(
せと
)
の
海原
(
うなばら
)
。
203
荒
(
あ
)
るるかと
予
(
かね
)
て
思
(
おも
)
ひし
波
(
なみ
)
の
上
(
うへ
)
204
いとも
静
(
しづ
)
かに
越
(
こ
)
ゆる
内海
(
うちうみ
)
。
205
蓄音器
(
ちくおんき
)
鳴
(
な
)
りを
鎮
(
しづ
)
めてあとしばし
206
波
(
なみ
)
の
話
(
はなし
)
を
打
(
う
)
ち
解
(
と
)
け
語
(
かた
)
る。
207
十二夜
(
じふにや
)
の
月
(
つき
)
は
波間
(
なみま
)
に
砕
(
くだ
)
けつつ
208
火竜
(
くわりう
)
となりて
海原
(
うなばら
)
に
躍
(
をど
)
る。
209
月
(
つき
)
寒
(
さむ
)
く
御空
(
みそら
)
にふるひをののきて
210
星
(
ほし
)
のまたたき
清
(
きよ
)
き
海原
(
うなばら
)
。
211
十二
(
じふに
)
月
(
ぐわつ
)
十二
(
じふに
)
の
月影
(
つきかげ
)
浴
(
あ
)
びながら
212
水
(
みづ
)
の
御魂
(
みたま
)
ぞ
初渡航
(
はつとかう
)
する。
213
十二
(
じふに
)
月
(
ぐわつ
)
十二
(
じふに
)
の
空
(
そら
)
に
瀬戸
(
せと
)
の
海
(
うみ
)
214
乗
(
の
)
り
行
(
ゆ
)
く
火伏
(
ひぶ
)
せ
水
(
みづ
)
の
大神
(
おほかみ
)
。
215
たまさかの
船
(
ふね
)
の
旅路
(
たびぢ
)
に
空
(
そら
)
晴
(
は
)
れて
216
立
(
た
)
ちもさわがぬ
瀬戸海
(
せとうみ
)
の
浪
(
なみ
)
。
217
空
(
そら
)
はれて
銀波
(
ぎんぱ
)
ただよふ
瀬戸
(
せと
)
の
海
(
うみ
)
218
のり
行
(
ゆ
)
くわれぞ
楽
(
たの
)
しかりけり。
219
煙突
(
えんとつ
)
の
黒煙
(
こくえん
)
空
(
そら
)
に
蜒々
(
えんえん
)
と
220
風
(
かぜ
)
に
伸
(
の
)
び
行
(
ゆ
)
く
竜
(
りう
)
の
如
(
ごと
)
くに。
221
吾
(
わが
)
船
(
ふね
)
の
黒煙
(
こくえん
)
空
(
そら
)
をかすめつつ
222
月
(
つき
)
のおもてを
包
(
つつ
)
みつつ
行
(
ゆ
)
く。
223
一
(
ひと
)
つ
星
(
ぼし
)
波
(
なみ
)
の
上
(
へ
)
近
(
ちか
)
くまたたきて
224
月
(
つき
)
をも
待
(
ま
)
たで
沈
(
しづ
)
まむとぞする。
225
西
(
にし
)
へ
行
(
ゆ
)
く
月
(
つき
)
逐
(
お
)
はむとや
吾
(
わが
)
船
(
ふね
)
は
226
波
(
なみ
)
を
蹴立
(
けた
)
ててひた
走
(
はし
)
り
行
(
ゆ
)
く。
227
われ
一人
(
ひとり
)
只
(
ただ
)
われ
一人
(
ひとり
)
寒
(
さむ
)
き
夜
(
よ
)
に
228
宿
(
やど
)
を
立出
(
たちい
)
で
月
(
つき
)
に
歎
(
なげ
)
きぬ。
229
月
(
つき
)
一
(
ひと
)
つ
御空
(
みそら
)
にふるひ
地
(
ち
)
に
一人
(
ひとり
)
230
友
(
とも
)
なくふるふ
吾
(
われ
)
ぞわびしき。
231
空
(
そら
)
の
月
(
つき
)
何
(
なに
)
をふるふか
瑞
(
みづ
)
の
月
(
つき
)
232
今
(
いま
)
海上
(
かいじやう
)
にあり
近
(
ちか
)
く
語
(
かた
)
りね。
233
月
(
つき
)
清
(
きよ
)
く
大空
(
おほぞら
)
寒
(
さむ
)
く
星
(
ほし
)
晴
(
は
)
れし
234
波路
(
なみぢ
)
を
辷
(
すべ
)
る
船
(
ふね
)
の
長閑
(
のどか
)
さ。
235
夜
(
よ
)
もすがら
月
(
つき
)
を
友
(
とも
)
とし
甲板
(
かんばん
)
に
236
立
(
た
)
ちつつ
深
(
ふか
)
き
思
(
おも
)
ひに
沈
(
しづ
)
む。
237
灯台
(
とうだい
)
の
光
(
ひかり
)
目当
(
めあ
)
てに
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
238
宇和島
(
うわじま
)
丸
(
まる
)
の
勇
(
いさ
)
ましきかな。
239
島
(
しま
)
の
影
(
かげ
)
波
(
なみ
)
のまにまに
浮
(
う
)
き
出
(
い
)
でて
240
静
(
しづ
)
けき
夜
(
よる
)
を
淋
(
さび
)
しく
送
(
おく
)
る。
241
二
(
ふた
)
つ
三
(
み
)
つ
島影
(
しまかげ
)
見
(
み
)
えて
海
(
うみ
)
の
音
(
おと
)
242
一入
(
ひとしほ
)
高
(
たか
)
く
鳴
(
な
)
り
響
(
ひび
)
きつつ。
243
波
(
なみ
)
の
音
(
おと
)
いと
高々
(
たかだか
)
と
聞
(
きこ
)
えけり
244
磯辺
(
いそべ
)
に
船
(
ふね
)
の
近附
(
ちかづ
)
きしならむ。
245
あどけなき
小娘
(
こむすめ
)
共
(
とも
)
に
船
(
ふね
)
の
旅
(
たび
)
246
いとさわがしく
海原
(
うなばら
)
すすむ。
247
淑
(
よ
)
き
人
(
ひと
)
と
手
(
て
)
をとり
寒
(
さむ
)
き
甲板
(
かんばん
)
に
248
立
(
た
)
ちて
御空
(
みそら
)
の
月
(
つき
)
を
偲
(
しの
)
ばゆ。
249
月
(
つき
)
照
(
て
)
れる
甲板
(
でつき
)
の
上
(
うへ
)
に
汝
(
な
)
と
二人
(
ふたり
)
250
静
(
しづ
)
かに
立
(
た
)
てば
鴎
(
かもめ
)
啼
(
な
)
くなり。
251
若
(
わか
)
やぎて
昔
(
むかし
)
の
吾
(
われ
)
に
還
(
かへ
)
りつつ
252
月下
(
げつか
)
の
甲板
(
でつき
)
に
二人
(
ふたり
)
たたずむ。
253
よき
人
(
ひと
)
と
二人
(
ふたり
)
甲板
(
でつき
)
にたたずめば
254
沖
(
おき
)
のかもめが
千代
(
ちよ
)
々々
(
ちよ
)
と
啼
(
な
)
く。
255
月
(
つき
)
一
(
ひと
)
つ
吾
(
わが
)
船
(
ふね
)
一
(
ひと
)
つ
甲板
(
かんばん
)
に
256
二人
(
ふたり
)
たたずみ
風
(
かぜ
)
を
浴
(
あ
)
びたり。
257
吾
(
わが
)
友
(
とも
)
のいねたるすきに
起出
(
おきい
)
でて
258
意中
(
いちう
)
の
月
(
つき
)
と
甲板
(
かんばん
)
に
立
(
た
)
つ。
259
小夜
(
さよ
)
更
(
ふ
)
けてかもめの
声
(
こゑ
)
も
静
(
しづ
)
まりぬ
260
去
(
さ
)
れどさやぎぬ
意中
(
いちう
)
の
月
(
つき
)
に。
261
アヽぬくいぬくいと
窓
(
まど
)
にかけよつて
262
硝子
(
がらす
)
なめつつビスケット
食
(
く
)
ふ。
263
一等室
(
いつとうしつ
)
吾
(
わが
)
一行
(
いつかう
)
に
交
(
まぢは
)
りて
264
狸老爺
(
たぬきおやぢ
)
が
唯
(
ただ
)
一人
(
ひとり
)
居
(
ゐ
)
る。
265
この
様
(
やう
)
な
低
(
ひく
)
い
所
(
ところ
)
に
電燈
(
でんとう
)
が
266
あるかと
見
(
み
)
れば
兀
(
はげ
)
チヤンの
天窓
(
あたま
)
。
267
汽笛
(
きてき
)
の
音
(
ね
)
いと
高松
(
たかまつ
)
につきにけり
268
時
(
とき
)
しも
既
(
すで
)
に
午後
(
ごご
)
の
九
(
く
)
時
(
じ
)
前
(
まへ
)
。
269
甲板
(
かんばん
)
に
人
(
ひと
)
の
足音
(
あしおと
)
しげくなりて
270
仲仕
(
なかし
)
の
声
(
こゑ
)
も
高松港
(
たかまつかう
)
内
(
ない
)
。
271
クナビーノ
相手
(
あひて
)
となして
相撲
(
すまう
)
取
(
と
)
れば
272
余
(
あま
)
り
力
(
ちから
)
の
入
(
い
)
れどころ
無
(
な
)
し。
273
瀬戸
(
せと
)
の
海
(
うみ
)
黄金
(
こがね
)
の
波
(
なみ
)
をかきわけて
274
宝
(
たから
)
の
舟
(
ふね
)
をやるぞ
楽
(
たの
)
しき。
275
小舟
(
こぶね
)
二隻
(
にせき
)
またたく
間
(
うち
)
に
覆
(
くつが
)
へし
276
一伏
(
いつぷく
)
したる
瀬戸
(
せと
)
の
荒浪
(
あらなみ
)
。
277
吾
(
わが
)
のれる
船
(
ふね
)
は
多度津
(
たどつ
)
の
浜
(
はま
)
近
(
ちか
)
く
278
なりて
一入
(
ひとしほ
)
波音
(
なみおと
)
たかし。
279
昨日
(
きのふ
)
より
晴
(
はれ
)
渡
(
わた
)
りたる
港
(
みなと
)
さへ
280
矢張
(
やはり
)
世人
(
よびと
)
は
今治
(
いまはる
)
と
云
(
い
)
ふ。
281
○
伊予
(
いよ
)
高浜
(
たかはま
)
上陸
(
じやうりく
)
282
吾
(
わが
)
のれる
宇和島
(
うわじま
)
丸
(
まる
)
は
午前
(
ごぜん
)
七時半
(
しちじはん
)
283
無事
(
ぶじ
)
高浜
(
たかはま
)
に
月汐
(
つきしほ
)
の
空
(
そら
)
。
284
信徒
(
まめひと
)
の
誠心
(
まごころ
)
こめて
迎
(
むか
)
へたる
285
波止場
(
はとば
)
の
景色
(
けしき
)
いとど
賑
(
にぎ
)
はし。
286
○
松山城
(
まつやまじやう
)
287
松山城
(
まつやまじやう
)
山
(
やま
)
の
尾
(
を
)
の
上
(
へ
)
にそそり
立
(
た
)
ち
288
吾
(
われ
)
待
(
ま
)
ち
顔
(
がほ
)
に
見
(
み
)
ゆるおもほゆ。
289
君
(
きみ
)
が
代
(
よ
)
のいづの
栄
(
さか
)
えを
松山
(
まつやま
)
の
290
空
(
そら
)
にそびゆる
天守閣
(
てんしゆかく
)
あはれ。
291
○
道後
(
だうご
)
公園
(
こうゑん
)
292
珍
(
めづ
)
らしき
岩石
(
がんせき
)
樹木
(
じゆもく
)
おき
並
(
なら
)
べ
293
清
(
きよ
)
く
築
(
きづ
)
ける
貴
(
うづ
)
の
公園
(
こうゑん
)
。
294
松山
(
まつやま
)
の
金亀
(
きんき
)
の
城
(
しろ
)
を
背景
(
はいけい
)
に
295
広
(
ひろ
)
く
造
(
つく
)
れる
道後
(
だうご
)
公園
(
こうゑん
)
。
296
山水
(
さんすい
)
の
粋
(
すゐ
)
をあつめし
道後
(
みちしり
)
の
297
珍
(
うづ
)
の
公園
(
こうゑん
)
見
(
み
)
るもさやけき。
298
○
道後
(
だうご
)
温泉
(
をんせん
)
299
久方
(
ひさかた
)
の
天津
(
あまつ
)
日
(
ひ
)
の
御子
(
みこ
)
の
天降
(
あも
)
りまして
300
憩
(
いこ
)
はせ
玉
(
たま
)
ひし
貴
(
うづ
)
の
御室
(
みや
)
かな。
301
艶人
(
あでびと
)
も
浮世
(
うきよ
)
の
衣
(
きぬ
)
を
脱
(
ぬ
)
ぎ
捨
(
す
)
てて
302
赤裸々
(
せきらら
)
となり
霊肉
(
れいにく
)
洗
(
あら
)
ふ。
303
神霊
(
しんれい
)
の
湯
(
ゆ
)
にひたりつつ
信徒
(
まめひと
)
と
304
楽
(
たの
)
しく
遊
(
あそ
)
ぶ
道後
(
だうご
)
公園
(
こうゑん
)
。
305
浮
(
う
)
き
沈
(
しづ
)
み
七度
(
ななたび
)
八度
(
やたび
)
のり
越
(
こ
)
えて
306
裸
(
はだか
)
の
大丈夫
(
ますらを
)
神霊
(
しんれい
)
を
洗
(
あら
)
ふ。
307
神
(
かみ
)
の
湯
(
ゆ
)
や
霊湯
(
たまゆ
)
の
札
(
ふだ
)
を
売
(
う
)
りひさぐ
308
是
(
これ
)
の
館
(
やかた
)
の
麗
(
うる
)
はしきかな。
309
天地
(
あめつち
)
の
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐ
)
みの
最
(
い
)
とふかき
310
道
(
みち
)
の
後
(
しり
)
なる
神
(
かみ
)
の
湯
(
ゆ
)
に
浴
(
い
)
る。
311
○
312
たちまちに
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
記者
(
きしや
)
に
取
(
とり
)
まかれ
313
おもはず
費
(
つひ
)
やす
貴
(
うづ
)
のタイムを。
314
数十
(
すうじふ
)
人
(
にん
)
珍
(
うづ
)
のまめ
人
(
ひと
)
あつまりて
315
いと
新
(
あた
)
らしく
語
(
かた
)
り
合
(
あ
)
ふかな。
316
洋服
(
やうふく
)
や
和装
(
わさう
)
の
記者
(
きしや
)
が
訪
(
おとづ
)
れて
317
和洋
(
わやう
)
折衷
(
せつちう
)
の
談話
(
だんわ
)
交
(
かは
)
しつ。
318
岡
(
をか
)
の
上
(
へ
)
にいらかも
高
(
たか
)
くかがやきて
319
道後
(
だうご
)
見下
(
みお
)
ろす
阿房宮
(
あはうきう
)
かな。
320
又
(
また
)
しても
二人
(
ふたり
)
の
記者
(
きしや
)
が
訪
(
おと
)
づれて
321
吾
(
わが
)
スタイルを
怪
(
あや
)
しげに
見
(
み
)
る。
322
野
(
の
)
も
山
(
やま
)
も
春
(
はる
)
めき
初
(
そ
)
めて
湯煙
(
ゆけむり
)
の
323
いと
緩
(
ゆる
)
やかに
立
(
た
)
ち
昇
(
のぼ
)
りつつ。
324
冬
(
ふゆ
)
ながら
春
(
はる
)
の
景色
(
けしき
)
の
漂
(
ただよ
)
へる
325
道後
(
だうご
)
の
花
(
はな
)
は
城山
(
しろやま
)
公園
(
こうゑん
)
。
326
一生
(
いつしやう
)
の
願
(
ねがひ
)
叶
(
かな
)
ふて
和田
(
わだ
)
の
原
(
はら
)
327
乗
(
の
)
りこえ
来
(
き
)
にし
道後
(
だうご
)
温泉
(
をんせん
)
。
328
室外
(
しつぐわい
)
は
春
(
はる
)
の
光
(
ひか
)
りの
見
(
み
)
えながら
329
窓
(
まど
)
を
開
(
ひら
)
けば
冷風
(
ひやかぜ
)
来
(
きた
)
る。
330
吾
(
わが
)
姿
(
すがた
)
カメラに
入
(
い
)
りて
夕刊
(
ゆふかん
)
の
331
紙面
(
しめん
)
に
早
(
はや
)
くも
立
(
た
)
ちにけるかな。
332
写真班
(
しやしんはん
)
道後
(
だうご
)
ホテルに
訪
(
たづ
)
ね
来
(
き
)
て
333
カメラに
吾
(
われ
)
を
収
(
をさ
)
め
帰
(
かへ
)
りぬ。
334
感想
(
かんさう
)
は
如何
(
いかん
)
予言
(
よげん
)
はいかにぞと
335
五月蠅
(
うるさ
)
く
打出
(
うちだ
)
す
記者
(
きしや
)
の
言霊
(
ことたま
)
。
336
宇宙間
(
うちうかん
)
恐
(
おそ
)
るるものは
無
(
な
)
けれども
337
神
(
かみ
)
の
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
に
恐
(
おそ
)
るる。
338
排他
(
はいた
)
的
(
てき
)
既成
(
きせい
)
宗教
(
しうけう
)
はあとにして
339
開
(
ひら
)
き
行
(
ゆ
)
かなむ
海
(
うみ
)
の
外
(
そと
)
まで。
340
自然愛
(
しぜんあい
)
自己愛
(
じこあい
)
而已
(
のみ
)
の
現代
(
げんだい
)
に
341
何
(
なに
)
を
語
(
かた
)
るも
聞
(
き
)
く
人
(
ひと
)
は
無
(
な
)
し。
342
敗残
(
はいざん
)
の
大本
(
おほもと
)
なりと
見縊
(
みくび
)
りて
343
訪
(
と
)
ひ
来
(
く
)
る
記者
(
きしや
)
のけげん
顔
(
がほ
)
かな。
344
日
(
ひ
)
に
月
(
つき
)
に
権威
(
けんゐ
)
の
重
(
かさな
)
る
大本
(
おほもと
)
を
345
誤解
(
ごかい
)
してゐる
記者
(
きしや
)
の
可笑
(
をか
)
しさ。
346
○
凝
(
ぎよう
)
神
(
しん
)
著
(
ちよ
)
書
(
しよ
)
澄
(
ちよう
)
懐
(
くわい
)
観
(
くわん
)
道
(
だう
)
。
347
○
晴
(
せい
)
耕
(
こう
)
雨
(
う
)
読
(
どく
)
。
348
凝神
(
ぎようしん
)
著書
(
ちよしよ
)
澄懐
(
ちようくわい
)
観道
(
くわんだう
)
の
床
(
とこ
)
の
間
(
ま
)
の
349
掛軸
(
かけぢく
)
吾
(
われ
)
に
具
(
ふさ
)
はしくおもふ。
350
大小
(
だいせう
)
の
島々
(
しまじま
)
あまた
漂
(
ただ
)
よへる
351
瀬戸
(
せと
)
のながめは
天津
(
あまつ
)
神国
(
かみくに
)
。
352
常磐木
(
ときはぎ
)
の
茂
(
しげ
)
り
合
(
あ
)
ひたる
浮島
(
うきじま
)
に
353
胡蝶
(
こてふ
)
の
如
(
ごと
)
く
信天翁
(
あはうどり
)
飛
(
と
)
ぶ。
354
真帆
(
まほ
)
片帆
(
かたほ
)
往
(
ゆ
)
き
交
(
か
)
ふ
状
(
さま
)
は
天国
(
てんごく
)
の
355
珍
(
うづ
)
の
景色
(
けしき
)
の
偲
(
しの
)
ばるるかな。
356
年
(
とし
)
十二
(
じふに
)
月
(
つき
)
また
十二
(
じふに
)
日
(
ひ
)
も
十二
(
じふに
)
357
合
(
あは
)
せて
三六
(
みろく
)
の
今日
(
けふ
)
の
船
(
ふな
)
出
(
い
)
で。
358
大正十二年旧暦十二月十三日 於道後ホテル三階 瑞月誌
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