一方、ハリマの森には、覆面頭巾の大男が二人、ひそひそと何かを話し合ってる。これは、向上主義運動家のレールとマークであった。
レールとマークは、自分たちを迫害していたキューバーが太子の命によって獄につながれたことを喜ぶ。
一方でこのままにしておけば、再び釈放となったときにまた悪事を画策するだろうと考え、今のうちにキューバーを獄から奪い取り、拘束してしまおうと、牢獄の裏門にやってくる。
そこへ、同じくキューバー出獄後の成り行きを案じていた太子がやってくる。太子は物陰よりレールとマークの会話を聞き、二人の志に賛成し、今後の援助を誓う。
レール・マークはまんまと牢番の目を盗んでキューバーをかどわかし、荒井ケ嶽の岩窟にキューバーを放り込んでしまった。
夜が明けて、ジャンクは昨日の取り決めどおりキューバーを釈放しようと牢獄にやってきたが、破獄騒動ですでに大騒ぎとなっていた。
ジャンクはあわてて王に注進にくるが、王と太子は平然としていた。千草姫は太子の態度があやしいとにらんで詰問するが、太子は知らぬ振りをして答えない。
千草姫はその尋問の間に、自分は大みろくの生宮であると口走り始める。