女が男よりさきにお湯に入ったという小さな出来事のため、やかましい問題をひきおこすことがたびたびあるということを聞くが、宣伝使たち、『霊界物語』をどう読んでおるのか。
男女同権は神の定めたまうた規別である。女がさきにお湯に入ってはわるいという理由がどこにあるか。そういうことをいう人たちは、男が女よりも特別優れて生まれているというような迷信におちいっておるからである。こういう旧いこびりついた頭をもっていて、いつの日か神書『霊界物語』にもられたる天地の真理を実現することができようか。事柄はいと小さいけれど、神書に示さるる道理を無視し、旧来の道徳を標準として人を裁くということは、まちがいのはなはだしいものである。こういうみやすい道理さえわからぬ人が宣伝使のなかにも多いのは、困ったものである。むろん夫婦となった男女は針と糸との道理、すべてに夫をさきにすべきは申すまでもない。また女が月経中、入浴を慎むべきは当然である。
(論語読みの論語知らず、「神の国」大正15年10月)