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第13巻(子の巻)
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凡例
総説
第1篇 勝利光栄
01 言霊開
〔527〕
02 波斯の海
〔528〕
03 波の音
〔529〕
04 夢の幕
〔530〕
05 同志打
〔531〕
06 逆転
〔532〕
第2篇 洗礼旅行
07 布留野原
〔533〕
08 醜の窟
〔534〕
09 火の鼠
〔535〕
第3篇 探険奇聞
10 巌窟
〔536〕
11 怪しの女
〔537〕
12 陥穽
〔538〕
13 上天丸
〔539〕
第4篇 奇窟怪巌
14 蛙船
〔540〕
15 蓮花開
〔541〕
16 玉遊
〔542〕
17 臥竜姫
〔543〕
18 石門開
〔544〕
19 馳走の幕
〔545〕
20 宣替
〔546〕
21 本霊
〔547〕
第5篇 膝栗毛
22 高加索詣
〔548〕
23 和解
〔549〕
24 大活躍
〔550〕
信天翁(三)
余白歌
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第一三章
上天丸
(
じやうてんまる
)
〔五三九〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第13巻 如意宝珠 子の巻
篇:
第3篇 探険奇聞
よみ(新仮名遣い):
たんけんきぶん
章:
第13章 上天丸
よみ(新仮名遣い):
じょうてんまる
通し章番号:
539
口述日:
1922(大正11)年03月18日(旧02月20日)
口述場所:
筆録者:
外山豊二
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年10月30日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
宣伝歌は、岩窟を守る神であると名乗り、宣伝使たちに注意を与え、これ以上の進入を脅す内容であった。
しかし一同は怖じずに進んで行く。行く手に光が見えたところで、頭上の岩石が大きな音を立てて唸り始めた。
一同は一目散に光めがけて走っていくと、そこは向こうも見えないくらいの広場で、天井が開けて空が見えた。そして、四方は高い岩壁に囲まれている。
鷹彦はにわかに羽を出して空に上っていってしまった。後に残された宣伝使たちは、端座して祝詞を奏上する。すると轟音を響かせて天の鳥船が降りてきた。
鳥船からは日の出別命、岩窟の中で出あった女宣伝使、そして鷹彦が現れた。日の出別命は岩窟探検の終わりを宣言すると、一同を鳥船に招き入れた。
鳥船は爆音と共に天空に姿を隠した。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-11-26 18:00:11
OBC :
rm1313
愛善世界社版:
161頁
八幡書店版:
第3輯 90頁
修補版:
校定版:
161頁
普及版:
69頁
初版:
ページ備考:
001
声
『
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて
002
善
(
ぜん
)
と
悪
(
あく
)
とを
立別
(
たてわ
)
ける
003
醜
(
しこ
)
の
窟
(
いはや
)
に
入
(
い
)
り
来
(
きた
)
る
004
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
005
鼻息
(
はないき
)
荒
(
あら
)
き
鷹彦
(
たかひこ
)
や
006
固
(
かた
)
そに
見
(
み
)
えて
和
(
やは
)
らかき
007
岩彦
(
いはひこ
)
亀彦
(
かめひこ
)
駒彦
(
こまひこ
)
が
008
音
(
おと
)
に
名高
(
なだか
)
き
布留野
(
ふるの
)
原
(
はら
)
009
これの
窟
(
いはや
)
に
迷
(
まよ
)
ひ
来
(
き
)
て
010
千尋
(
ちひろ
)
の
深
(
ふか
)
き
陥穽
(
おとしあな
)
に
011
二度
(
にど
)
吃驚
(
びつくり
)
の
為体
(
ていたらく
)
012
あゝ
痛
(
いた
)
ましや
痛
(
いた
)
ましや
013
是
(
これ
)
から
先
(
さき
)
は
真暗黒
(
まくらがり
)
014
幾百千
(
いくひやくせん
)
とも
限
(
かぎ
)
りなき
015
醜
(
しこ
)
の
曲津
(
まがつ
)
の
群
(
むらが
)
りて
016
汝
(
なれ
)
が
生命
(
いのち
)
は
嵐
(
あらし
)
吹
(
ふ
)
く
017
颶風
(
はやて
)
に
向
(
むか
)
ふ
灯火
(
ともしび
)
の
018
消
(
き
)
え
入
(
い
)
るばかり
身魂
(
みたま
)
をば
019
いろいろさまざま
嘖
(
さいな
)
まれ
020
二度
(
にど
)
と
帰
(
かへ
)
らぬ
根
(
ね
)
の
国
(
くに
)
の
021
旅路
(
たびぢ
)
をなすが
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
ぢや
022
われは
窟
(
いはや
)
を
守
(
まも
)
る
神
(
かみ
)
023
汝
(
なんぢ
)
等
(
ら
)
一行
(
いつかう
)
憐
(
あは
)
れみて
024
生命
(
いのち
)
救
(
たす
)
けむその
為
(
ため
)
に
025
此処
(
ここ
)
に
現
(
あら
)
はれ
気
(
き
)
をつける
026
気
(
き
)
をつけられるその
時
(
とき
)
に
027
きかねば
後
(
あと
)
は
何
(
ど
)
うなろと
028
われは
構
(
かま
)
はぬ
憐
(
あはれ
)
みの
029
心
(
こころ
)
を
以
(
もつ
)
て
告
(
つ
)
げてやる
030
あゝ
叶
(
かな
)
はぬぞ
叶
(
かな
)
はぬぞと
031
魂消
(
たまげ
)
て
腰
(
こし
)
をぬかすより
032
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
元
(
もと
)
の
道
(
みち
)
ヘ
033
踵
(
きびす
)
を
返
(
かへ
)
して
退
(
しりぞ
)
けよ。
034
ウヽヽ、ルヽヽ、サヽヽ、イヽヽ』
035
と
云
(
い
)
つた
限
(
き
)
り
異声
(
いせい
)
怪音
(
くわいおん
)
はピタリと
止
(
と
)
まりける。
036
梅彦
(
うめひこ
)
『オイ
皆
(
みな
)
の
連中
(
れんちう
)
、
037
一寸
(
ちよつと
)
ここで
相談
(
さうだん
)
をして
見
(
み
)
ようか。
038
勢
(
いきほひ
)
に
任
(
まか
)
して
軽々
(
かるがる
)
しく
進
(
すす
)
むは
智者
(
ちしや
)
の
為
(
な
)
す
可
(
べ
)
き
所
(
ところ
)
では
無
(
な
)
いぞ』
039
岩彦
(
いはひこ
)
『エーナアンだ。
040
弱音
(
よわね
)
を
吹
(
ふ
)
きよつて
一体
(
いつたい
)
貴様
(
きさま
)
は
何
(
なに
)
を
目標
(
めあて
)
に、
041
ソンナ
卑怯
(
ひけふ
)
な
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
ふのだ。
042
声
(
こゑ
)
が
怖
(
おそ
)
ろしいのか、
043
声
(
こゑ
)
が
恐
(
こは
)
くつて
雷
(
かみなり
)
の
鳴
(
な
)
る
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
生
(
い
)
きて
居
(
を
)
れるか』
044
梅彦
(
うめひこ
)
『
声
(
こゑ
)
が
恐
(
こは
)
いのぢやないが、
045
その
声
(
こゑ
)
の
主
(
ぬし
)
をよく
探究
(
たんきう
)
して、
046
その
上
(
うへ
)
に
策戦
(
さくせん
)
計画
(
けいくわく
)
をやらうかと
云
(
い
)
ふのだ』
047
鷹彦
(
たかひこ
)
『
何
(
なに
)
かまふ
ものか。
048
何
(
いづ
)
れ
悪魔
(
あくま
)
の
巣窟
(
そうくつ
)
だ。
049
これ
位
(
くらゐ
)
の
余興
(
よきよう
)
がなくては
進撃
(
しんげき
)
するのも
張合
(
はりあひ
)
がないワ』
050
梅彦
(
うめひこ
)
『
進撃
(
しんげき
)
すると
云
(
い
)
つたつて
此
(
こ
)
の
隧道
(
トンネル
)
は
馬鹿
(
ばか
)
に
闇
(
くら
)
いぢやないか』
051
岩彦
(
いはひこ
)
『
闇
(
くら
)
くても
構
(
かま
)
ふものか。
052
いはゆる
暗中
(
あんちう
)
飛躍
(
ひやく
)
だ。
053
百鬼
(
ひやくき
)
暗行
(
あんかう
)
の
岩窟
(
がんくつ
)
だもの、
054
此方
(
こちら
)
も
厄鬼
(
やくき
)
となつて
対抗
(
たいかう
)
運動
(
うんどう
)
をやれば、
055
夫
(
そ
)
れで
好
(
い
)
いのだ』
056
幽
(
かす
)
か
向方
(
むかう
)
に
稍
(
やや
)
光
(
ひかり
)
の
有
(
あ
)
る
円
(
まる
)
き
穴
(
あな
)
が
見
(
み
)
え
初
(
はじ
)
めた。
057
岩彦
(
いはひこ
)
『オイオイ、
058
モウ
先
(
さき
)
が
見
(
み
)
えた。
059
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
あの
明
(
あか
)
い
穴
(
あな
)
を
目標
(
めあて
)
に
進
(
すす
)
むことにしよう』
060
頭上
(
づじやう
)
の
岩石
(
がんせき
)
は
猛烈
(
まうれつ
)
なる
音響
(
おんきやう
)
を
立
(
た
)
ててウヽヽヽと
唸
(
うな
)
り
始
(
はじ
)
めた。
061
鼓膜
(
こまく
)
が
破裂
(
はれつ
)
しさうな
巨音
(
きよおん
)
である。
062
一同
(
いちどう
)
は
耳
(
みみ
)
に
指
(
ゆび
)
を
当
(
あ
)
て
乍
(
なが
)
ら
一目散
(
いちもくさん
)
に
円
(
まる
)
き
光
(
ひかり
)
を
目標
(
めあて
)
に
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
063
漸
(
やうや
)
う
此処
(
ここ
)
に
着
(
つ
)
いて
見
(
み
)
れば、
064
眼
(
め
)
の
届
(
とど
)
かぬばかりの
広場
(
ひろば
)
がある。
065
さうして
上面
(
うはつら
)
は
雲
(
くも
)
が
見
(
み
)
えてゐる。
066
四辺
(
あたり
)
は
幾千丈
(
いくせんぢやう
)
とも
知
(
し
)
れぬ
岩壁
(
いはかべ
)
を
以
(
もつ
)
て
囲
(
かこ
)
まれありて、
067
坦々
(
たんたん
)
たる
大道
(
だいだう
)
は
四方
(
しはう
)
八方
(
はつぱう
)
に
通
(
つう
)
じゐたり。
068
鷹彦
(
たかひこ
)
『ホー、
069
此処
(
ここ
)
は
天
(
あめ
)
の
八衢
(
やちまた
)
のやうな
所
(
ところ
)
だ。
070
お
前
(
まへ
)
達
(
たち
)
は、
071
マア
悠乎
(
ゆつくり
)
と
相談
(
さうだん
)
をして
是
(
これ
)
から
本当
(
ほんたう
)
の
妖怪窟
(
えうくわいくつ
)
へ
進撃
(
しんげき
)
して
呉
(
く
)
れ。
072
俺
(
おれ
)
は
暫
(
しば
)
らく
御免
(
ごめん
)
を
蒙
(
かうむ
)
る』
073
と
言
(
い
)
ふより
早
(
はや
)
く
背
(
せな
)
の
両翼
(
りやうよく
)
を
左右
(
さいう
)
にひろげ、
074
羽
(
は
)
ばたき
し
乍
(
なが
)
ら
中空
(
ちうくう
)
に
舞
(
ま
)
ひ
上
(
あが
)
り、
075
この
窟
(
いはや
)
を
脱出
(
だつしゆつ
)
して
了
(
しま
)
つた。
076
岩彦
(
いはひこ
)
『アヽ
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけ
)
には
捨
(
す
)
てられ、
077
魔性
(
ましやう
)
の
女
(
をんな
)
には
遁
(
に
)
げられ、
078
鷹彦
(
たかひこ
)
は
帰
(
かへ
)
つて
了
(
しま
)
ひ、
079
是
(
これ
)
から
前途
(
ぜんと
)
遼遠
(
れうゑん
)
暗澹
(
あんたん
)
と
云
(
い
)
ふ
所
(
ところ
)
になつて、
080
吾々
(
われわれ
)
五
(
ご
)
人
(
にん
)
が
振
(
ふ
)
り
残
(
のこ
)
されたのだから、
081
この
先
(
さき
)
はよほど
注意
(
ちうい
)
をせなくてはいかぬぞ。
082
少
(
すこ
)
し
気
(
き
)
の
利
(
き
)
いた
奴
(
やつ
)
が
居
(
を
)
ればよいのに、
083
ガラクタばつかり
残
(
のこ
)
つて
居
(
ゐ
)
るものぢやから、
084
如何
(
どう
)
にも
斯
(
か
)
うにも
策
(
さく
)
の
施
(
ほどこ
)
しようがないワイ』
085
音彦
(
おとひこ
)
『コラ
岩公
(
いはこう
)
、
086
失敬
(
しつけい
)
なことを
云
(
い
)
ふな。
087
粕
(
かす
)
ばつかりとは
何
(
なん
)
だ。
088
残
(
のこ
)
りものに
福
(
ふく
)
があるぞ。
089
もう
斯
(
か
)
うなれば
力
(
ちから
)
にするのは
神
(
かみ
)
ばつかりだ。
090
サーサ
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
だ』
091
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
音彦
(
おとひこ
)
は
墜道
(
いはみち
)
に
端坐
(
たんざ
)
して
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
する。
092
四
(
よ
)
人
(
にん
)
も
続
(
つづ
)
いて
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
になつて
合唱
(
がつしやう
)
して
居
(
ゐ
)
る。
093
何処
(
どこ
)
ともなく
天空
(
てんくう
)
を
轟
(
とどろ
)
かし
来
(
きた
)
る
天
(
あま
)
の
鳥船
(
とりふね
)
は、
094
五
(
ご
)
人
(
にん
)
の
端坐
(
たんざ
)
する
前
(
まへ
)
に
爆音
(
ばくおん
)
すさまじく
降下
(
かうか
)
した。
095
中
(
なか
)
より
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけの
)
命
(
みこと
)
、
096
鷹彦
(
たかひこ
)
、
097
以前
(
いぜん
)
の
女
(
をんな
)
の
三
(
さん
)
人
(
にん
)
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
り、
098
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけ
)
『ヤア
皆
(
みな
)
さま、
099
ご
苦労
(
くらう
)
であつた。
100
巌窟
(
がんくつ
)
の
探険
(
たんけん
)
はこれで
終結
(
しうけつ
)
だ。
101
此
(
こ
)
の
岩壁
(
がんぺき
)
を
到底
(
たうてい
)
人間
(
にんげん
)
として
攀
(
よ
)
ぢ
登
(
のぼ
)
る
訳
(
わけ
)
にも
行
(
い
)
かないから、
102
迎
(
むか
)
ひに
来
(
き
)
たのだ、
103
サア
早
(
はや
)
く
乗
(
の
)
つたがよからう』
104
岩彦
(
いはひこ
)
『これはこれは、
105
何
(
なに
)
から
何
(
なに
)
までお
気
(
き
)
つけられまして
有難
(
ありがた
)
うございます。
106
流石
(
さすが
)
は
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけの
)
命
(
みこと
)
さまだ。
107
人
(
ひと
)
に
将
(
しやう
)
たるものは
斯
(
か
)
うなくてはならぬ
道理
(
だうり
)
だ』
108
鷹彦
(
たかひこ
)
『オイ
岩公
(
いはこう
)
、
109
うまいな、
110
巧妙
(
かうめう
)
な
辞令
(
じれい
)
だ。
111
この
八衢
(
やちまた
)
は
斯
(
か
)
う
見
(
み
)
えても、
112
これが
少
(
すこ
)
し
行
(
ゆ
)
けば
皆
(
みな
)
行
(
ゆ
)
き
詰
(
つま
)
つてゐるのだから、
113
未練
(
みれん
)
を
残
(
のこ
)
さず
早
(
はや
)
くこの
船
(
ふね
)
に
乗
(
の
)
つたらよからう』
114
岩彦
(
いはひこ
)
『
誰
(
たれ
)
がコンナ
怪体
(
けつたい
)
な
巌窟
(
がんくつ
)
に
未練
(
みれん
)
があつて
堪
(
たま
)
るか。
115
天女
(
てんによ
)
のやうな
女神
(
めがみ
)
さまと
一緒
(
いつしよ
)
に
天
(
あま
)
の
鳥船
(
とりふね
)
に
乗
(
の
)
つて、
116
天国
(
てんごく
)
へ
遊行
(
いうぎやう
)
するかと
思
(
おも
)
へば
実
(
じつ
)
に
有難
(
ありがた
)
い。
117
サア
皆
(
みな
)
の
者
(
もの
)
早
(
はや
)
く
乗
(
の
)
らうかい』
118
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
五
(
ご
)
人
(
にん
)
はヒラリと
飛
(
と
)
び
乗
(
の
)
つた。
119
又
(
また
)
もや
鳥船
(
とりふね
)
は
巨大
(
きよだい
)
なる
爆音
(
ばくおん
)
の
響
(
ひびき
)
と
共
(
とも
)
に、
120
何処
(
いづく
)
とも
無
(
な
)
く
天空
(
てんくう
)
に
姿
(
すがた
)
を
隠
(
かく
)
しける。
121
(
大正一一・三・一八
旧二・二〇
外山豊二
録)
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